ヒヤリング読み(多読)で学ぶ英会話
(私の経験)
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1.先ず相手の言っていることを理解できる能力をつけること。
赤ちゃんがどうやって喋れるようになるかを観察して下さい。 彼/彼女たちは先ず周りの人達が喋るのをじっと聴いている筈です。 そうです。 言葉をインプットしている筈なのです。繰り返し、繰り返し同じ言葉が喋られるのを聴いてインプットしている筈です。では私たちはどうしたら良いのでしょうか? じっと待っていても周りから英語が聞こえて来るわけはありません。 だから私たちはテープ、ラジオ、テレビ或いは英会話学校の先生を通して聞くことになりますね。 初期のインプットはそれでいいでしょう。 幼児レベルの英語がこれで喋れます。 でもこれだけでは大人同士の会話は出来ませんね。 私達は中学、高校、最近では殆どの人は大学まで進み、英語を勉強しますが英語を満足に喋れるようになりません。 何故か? 冒頭で述べた「先ず相手の言ってることを理解出来る能力を身につけよう」とせず、即自分がいいたいことを喋ろうとするからです。そしてそれが出来なくて挫折するというパターンが殆どです。

私もそうなりかけました。そこで考えたことは、相手の言っていることさえ理解出来れば、自分の言いたいことは身振り、手振りや悪くても筆談で伝えられるじゃないかということです。そこで、何故相手の、特にネイティブの喋ってることが理解できないか考えました。喋られた単語の意味が分らないのか? 喋られた文章の発音が分らないのか? 或いはその両方なのか? 発音がネックになってるのであれば、テープ、ラジオ、テレビ、或いは英会話学校の先生を通して慣れるようにするしかない、ネイティブの国へ修業に行ければより効果的かな・・と。いずれにしても気が遠くなる位時間やお金が掛かりそうに思えました。 

そこで考えられるもう一方のネックを先ず取り除いては・・と思ったのです。つまり消去法で語彙不足を解消しては・・と思ったのです。 もしある程度完璧に語彙不足を解消し、その上で更に相手の言ってることが分らないなら、それは発音が聞き取れないから分らない可能性が大きい⇒ヒヤリングの際発音の方に意識を集中させることが出来る⇒つまり高速度で進行する会話に1/2の集中力で対応出来ると考えたのです。

では、語彙不足を解消する方法です。 単語は切り離して覚えても会話にはあまり役に立ちません。文章と一緒に覚えて(インプットして)始めて会話(アウトプット)出来るのです。 では文章と一緒に覚えるにはどうするか? それには英文を数多く読むしかありません!大変です! いやになると思われる人も沢山いるでしょう。 しかし、 There is no royal road. です。そして、 Where there is a will, there is a way. です。しかし学校で習ったような読み方では駄目です。学校では一字一句・一文章一文章・一節一節分らなければ次へ進まなかったと思います。 それはそれで皆さんが英語の基本を学んだわけで良かったわけです。しかしこれからはその学んだ英語を活用する為の読み方をしなければなりません。英会話練習用の読み方をしてください。 どんな英文でもいいですから、大体の筋が分る程度に読めれば十分です。何故か? 英会話では相手が何を言おうとしているかを素早く掴むことがポイントだからです。

大体の筋が分る程度に読むといっても、基本となる単語が分らなければ辞書をひくのに時間が掛かり大変ですね。 どうするか?皆さんは学生時代に単語の暗記で苦い経験をされたことでしょう。そう試験の度に苦労されましたね。そして試験が終わると暗記した殆どの単語を忘れたことでしょう。そこで基本単語を増やすと言ってもそのようなやり方ではありません。 読むために必要な単語の覚え方をしましょう! 先ず英和辞典を開いてください。一つの単語に複数の訳がついてますね。 それ全部覚えようとしても無理です。 皆さんに力がついてくれば自然にそれら複数の訳も分ってくるはずです。太線で書かれた訳の中、一つか二つでいいですから、基本となる訳を覚えましょう。

基本単語ですから所謂豆単を活用すればいいでしょう。A から Z まで繰り返し・繰り返し(私は10回以上色々な豆単でやりました)極力スピーディーに流し覚え又は流し整理して下さい。 大抵の方(中学・高校で勉強された方)はご自分では気が付いておられないでしょうが豆単に載ってるぐらいの基本単語は覚えておられる筈です。その記憶を呼び戻すつもりでいいのです。特に紛らわしい単語(例:conscience・・良心 conscious・・意識のある)等は整理を心がけて下さい。それから右脳の活用にも心がけて下さい。要するに単語に対するイマジネーションを働かせるのです。例えば「cliff」は「崖」をイメージするといったことです。 それからこの作業をする際同時に、発音記号を見ながら頭の中で正しい発音を心がけましょう。出来ればネイティブか発音の上手な先生にテープ等に吹き込んで貰い、覚えていきながら発音の練習もしましょう。

基本単語が整理インプットされると英文を読むのはずっと楽になります。 英字新聞、英字雑誌、洋書なんでも自分の興味のあるものをどんどん読んでいって下さい。 但し英字新聞でも日本人が書いたもの、例えば社説等はあまり力がつきません。日本人の書いたものは一旦日本語で書いたものを英訳しているので ジャパニーズ・イングリッシュだからです。やはり目指すのはあくまで本物に近い英語ではないでしょうか? 洋書は特に自分に興味のあるものを読んで下さい。ペーパーバックで表紙の絵が面白そうなものを選びましょう。但し一旦読み始めたら途中で興味がなくなったり、難しすぎると思っても最後まで読み通して下さい。途中で止めると途中で止める癖がつきます。逆にそのような本でも最後まで読むと自信がつきます。 始めは20−30%分れば良い位の気持ちでいいと思います。大切なのは本の内容ではなく英会話に上達することなのです。 また、内容的には会話体(” ”で括られた文章)が多い本を選んだほうが良いでしょう。 
推理小説はその面で良い上に推理しながら読めるので筋が追い易いからです。 特にアガサ・クリスティーの本は「英語となかよくなれる本」(著者 高橋芽香子 晶文社出版)でも推薦していますが、私も始めの頃そのシリーズを10冊位読みました。面白くて内容もすぐ50−70%位分るようになったと記憶しています。 「風と共に去りぬ」(Gone with the wind)という映画は皆さんも見られた方が多いと思いますが、それも会話体が多く英会話の練習にはもってこいの洋書です。 映画を観た後で読むと筋が追い易く、更に良いのはストーリーが長いので読後に、読んだあ!という達成感が特に得られます。そうです。その「達成感が得られる」ことが英会話の上達に洋書を利用するメリットです。読んだ本が本棚に並んでいくにつれ、もうこれだけ読めたという達成感が持て、それが自信につながります。私はそのような本を100冊位持っており、それが私の心の支えにさえなっています(私の宝物です)。

また、性描写の多い小説も最近では女性でも違和感なく読めるのではないでしょうか。「チャタレー夫人の恋人」等はイギリスの文豪D.H.Laurenceの書いた話題の官能小説ですが私など夢中で読んだものです。 更にHemingwayの「老人と海」、Steinbeckの「エデンの東」等映画を観てから読めば筋が追い易く、英会話の勉強と同時に世界の文学書も勉強出来るので私みたいに高校しか出ていない者にとっては大学の英文科で学ぶのと同等、いやそれ以上実質的な勉強が出来たものと自負しています。もう一度言いますがそれら文学書を読む目的はあくまで英会話習得のためであり分らない個所があっても極力返り読みを避け、分らない単語も極力推量で見当をつけ読み進みそれが何度も出てきた時、それは重要な単語なのですから辞書で確認するようにして下さい。 そうやって覚えた単語はまず忘れることはない筈です。

2.以上書いてきました多読と同じぐらい、あるいはそれ以上に大切なのは正しい発音を身につけることです。(前述の多読の大切さの記述はみなさんがすでに正しい発音を身につけていることを前提として書いてあるぐらいです。) 
それには、テープ、ラジオ、テレビ等で聴きまくったり、英会話学校でネイティブが喋るのを聴くのが良いでしょう。 只、英会話学校では喋るよりも聴く方に重点を置いてください。 この場合ポイントは自分の実力より少し上のクラスに入れて貰うことです。喋れなくても構いません。 聴きまくることです。 

今中学、高校に通っている人はリーダーの教科書を先生の(担当の先生が正しい発音でない場合は、周りの正しい発音の人に読んでもらってその)真似をして、毎日数回その教科書の最初からその日までに習った個所を全部、出来れば何回も音読により復習すると良いでしょう。基本的文型を叩きこむつもりで・・。 毎日30分から一時間、それを一ヶ月間続けてみてください。 きっと驚くような効果が出てくると思います。

3.さあ次は喋る練習です。
語彙や英文をインプットすることや発音の練習は前述した通り一人でも出来ます。喋る練習も一人でも出来ないことはありません(道を歩いていて見たものを英語で言ってみる等)が、やはりなるべく実戦に近い形で練習する方が面白いし効率的でしょう。 勿論英会話学校でもいいですが、高価な個人授業ならともかく一般的なグループレッスンだとどうしてもレベルの違いがあり、喋る機会が多くても内容が軽薄に過ぎたり、反対に機会が少なく練習が不足がちになったりするおそれがあります。 一番よいのは、サークルに入ることです。 インターネットで検索すれば、良いサークルが身近に沢山あります。 それらのサークルでは英語のみで喋ることになっている筈ですので自分のレベルに合ったサークルを選び参加し積極的に発言して下さい。 私が参加したサークルは関西英語道場といい、40年前頃より活動を続けています。土曜日の午後勤め帰りのサラリーマンやOL、学生など若い人の参加が多く、2次会には近くの喫茶店で和気あいあいでさらに英会話の練習を続ける者、単なる交際の場に活用する者など各人各様でしたが楽しいものでした。 やはり楽しく出来れば何事も長く続けられるものです。

4.纏め
上記のように3項目に分けて英会話練習の要領を述べましたが、要は効率的に練習することだと思います。 そして何ものにも増して重要なのは、会話だからと甘く見ないことです。 「3週間で喋れるようになる」とか「テープを聞き流すだけで喋れるようになる」とか、そんなことは絶対にあり得ないのです。かといって色々な英会話のハウトゥものを本屋で手にとったり色々なHPの英語学習法を見に行ったりして著者やHP開設者の圧倒的な学歴や英語学習に対するほとばしる熱意にたじろいだり「私はそのどちらにおいても遠く及ばない・・能力がない」とあきらめないで下さい。 高校しか出ていない私が言うのですから。 私は高校を出て直ぐある会社に就職しましたが、その会社に合わないと感じ高校時代に好きだった英語を生かそうと思い立ち、必死で英会話の勉強を始めました。そしてそれから3年目で英語観光通訳の試験に合格しました。 おそらく目的意識の強さが何事にも大切なのではとも思いますが、英会話に強くなりたいと強く願えば3−5年後にはそうなると信じて頑張って下さい。 私は英会話上達の為の上記の方法が正しいことを立証するため、会社の時間外を利用しフランス語を同じ方法で約5年間勉強し、受験はしていませんが仏検3級位の会話力は付いたと思っています。 なお更に現在スペイン語を同じ方法で勉強中です。西検3級位の会話力習得を目指していますが、到達したらここに報告させて頂くつもりです。 

なお、読む、聴く、話す、についてのみそれらの学習方法をお話ししてきました。英会話にはそれで(普通にネイティブやその他の外国人と話すのに)十分だからです。文法は、基本的なものは、皆さんが中学・高校で習ったものが上記による学習過程で副次的に記憶から甦るはずですし、高度なものは、出会った際、文法書をひもとくなりその道の先輩に尋ねるなりすれば良いと思います。書くことについては、英会話が出来るようになれば自然にある程度書けるようになります。それもジャパニーズ・イングリッシュではなく本物に近いものが書けるようになる筈です。 このページの英語版をご覧になって下さい。 私が一人で書いたものです。あなたもこれ位は書けるようになりますよ。


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浜谷(はまや)俊雄   
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