お奨めのハウトゥ書物

                          

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   書物名      著者名 出版社名       価格

やり直しの英語上達法 矢野安剛 (早稲田大学教授) NHKブックス ¥825.−

「幼児が母語を覚える過程を観察してみると、かなりの期間ただひたすら母親や周りの人の話すのを聞いている。やがて、話し始めるが、間違って話した場合に訂正されたりしながら、次第に基本的な言葉のルールを体得していく。大人もいきなり話す・書くの生産面から始めるよりも、聞く・読むの受容面から始めるほうが抵抗も少ない」と主張する。そして「読みから始めた方が材料の選択の幅が広く、スピードの決まったテープなどの音声材料よりベター」と云う。

「英語」確実に身につく技術 山田光顕 河出書房新社 ¥667.−

「語学を習得するということは、自分の頭の中に新しい思考回路をつくる大作業です。 単に単語や文法知識を覚えるだけではありません。日本語とまったく異なるロジックで構成された文章を理解し、また自ら組み立てなければなりません。日本語とまったく異なる体系の発音に耳を順応させ、口の形を作らなければなりません。 そういったスキルが一朝一夕に完成するはずがないのです。」と著者は言います。 更に続けて、「実用英語の習得というと、『英語をしゃべれること』と思われがちです。しかし、『話す』能力以前に必要なのは、『聴き取る』能力です。 英語を聴き取る力なくして、英語での会話が成り立つことはありません。よって、話す・書くというアウトプットの練習ももちろん必要ですが、その前提としては、ネイティブスピーカーの手による英文を読む、聴き取り練習をする、基本構文を覚え暗誦する、などのインプットサイドの訓練を十分にする必要があります。」と主張しています。

英語独学法 笹野洋子(翻訳家) 講談社 ¥1,300.−

この本は「40才からの」という副題がついてますがもっと若い人(中・高生も含む)にも十分参考になります。 著者は40才から独学で翻訳家になった人で、翻訳は別にしても確かに才能のある人だと思いますが・・・。「外国語は努力してつづける才能さえあれば、普通の人でもひととおりのことを身につけられる技能だ」と氏は言う。さらに「英語の新聞や本なども極力読むようにした。つまり’聞く’と’読む’の両面から自分を英語浸けにした」と云っています。 また、「’ジャパニーズ英語’でも、立派にコミュニケーションできれば、それでいいのでは・・」と言い切ります。

英語となかよくなれる本 高橋芽香子(元朝日ウィークリー編集長)  晶文社 ¥1,800.−

翻訳家でもある氏が「英語は苦手と思ってあきらめてしまっている人が、この本を読んで、英語とだんだん親しんでゆくためのヒントをみつけて・・・・」という思いで書かれた本である。 「・・・ともかく丸善へ行き、ペーパーバックの棚から、なるべく会話の多そうなアガサ・クリスティの本を一冊選び、おそるおそる読みはじめた。最初の出だしこそ手探りだったものの、読みすすむにつれ、面白さにひきずられていく。一ページに10も20もの知らない単語があるが、わからないと小説の意味がとれない単語だけ辞書でひきながら、どうにか読み終えることができた。なんだ、読めるじゃない!と有頂天になり、以後かたっぱしからクリスティを読みあさった。」と続く。

どうして英語が使えない? 酒井邦秀(電通大学助教授) ちくま学芸文庫 ¥1,000.−

学校英語など既成の英語教育手法をを鋭く批判する著者が、独自の手法を提言されている。中でもgraded readersから始めるペーパーバックの多読を特に推奨されており、学校英語で汚染された文法訳読法の悪習を正す方法として、そういう手法が「頭のすすぎ洗い」の効果があると主張されている。氏はご自分の勤める大学でもこの手法で指導されておられ、かなりの成果を挙げておられるようである。さらに最近では古川昭夫氏という学習塾の先生と共同でホームページを開きこの手法による英語習得を広く指導されていlる。→「SSS英語学習法」 http://www.seg.co.jp/sss/

英語 どんでんがえしのやっつけ方     根石吉久(塾「素読舎」講師)
村田晴彦(同塾門下生)共著
       小学館文庫  絶版

三流受験校在籍250人中239番であった成績が代々木ゼミナールの模試で25000人中3番になったという浪人時代の経験を踏まえて著者は独自の英語学習法を編み出し、社会に出てからそれを生かし、主に受験生相手に長野県で英語だけの塾を開いておられ、その方法で入試で優秀な成績をとる多くの受験生を輩出させている。しかも氏の深い洞察力と経験から「使える英語」を標語に掲げ、指導対象を一般人にまで発展させ、電話でレッスンを通し全国津々浦々にその私塾「素読舎」の指導範囲を広げている。その根石氏が門下生と共著で書き下ろしたのがこの本で、その学習法の丁寧な説明の他に現在の学校や英会話学校における英語教育の無能ぶり、及びそれらを監督する行政の無策ぶりを痛烈に批判している。学習法は徹底的に英語の音を叩き込むことと、基本文型を叩き込むこと(氏はそれを殺っつけるという、鬼気迫る表現で訴えかけている)を正面に据え、それの実現のためには語彙、構文、文法を市販の例題集などから各自が独自に抽出し、特殊なリストに無数に書き上げ、何度もおさらいすることにより徹底的に覚える(暗記ではなく脳裏に焼き付ける・・・氏はそれを「皆殺し」の電圧装置と言っている)ことと、基本構文を同じく体で覚えるために「回転読み」と言って何度も繰り返して音読することの有効性を主張しておられる。それはインプット重視の勉強法に他ならない。 氏は「素読舎」という名のホームページでもその持論を展開中である。 → http://www.asahi-net.or.jp/~ax9y-nis 

英語勉強革命  Gregory Clark(元多摩大学学長) ごま書房   ¥1,359.−

著者は多摩大学学長当時同大学の入試から英語科目を外すという大英断を実行した。それは「英語教育を軽視するのではなく、逆にそれを重視するからこそ行った」と氏は言う。「現行の日本の大学入試の英文は難しすぎるため高校の英語教育がべらぼうに難しいペーパーテストでいかに点をとるかという勉強が中心となっている」と氏は指摘する。更に氏は「受験英語はそれを経験した人が後に英語アレルギーを感じる原因になっている」とさえ云っている。

英語独学術  黒川康正(弁護士・公認会計士・通訳) ごま書房  ¥730.−

「英語の字面を目で追うときに、その音が耳から聞こえるかのように意識する。すると、文面を追う目の動きにリズムが出てくる。だらだらと単調に進んだり、また元に戻ってうろうろしたりということがなくなる。英語を聴いているときは、分っても分らなくても、喋り手はどんどん先に行ってしまう。その要領で、字面を目で追うときも、リズミカルに、進んでは止まり、止まっては進むという動きを繰り返すのである。」と国際法律会計事務所を経営、通訳、英検一級、公認会計士、司法試験のほとんどに独学で合格したという氏が言っている。「完璧主義は英会話習得の障害になる。野球の打率と同じで思うことの3,4割話せたら上出来だ。極論すれば、英語は名詞を連発するだけでもある程度通じるはずだし、私も、外人と話した後で、あそこは現在完了形で話すべきだったかな、などと反省すべき点はいろいろあるが、英語には満点の解答はない。それなのに満点の会話をしようと思うから、会話の中で考え込み、話せなくなってしまうのだ。」と氏は続ける。

英語ぐらい話せないでどうする 中矢伸一(神典アナリスト) 南雲堂 ¥1,553.−

「英語を、英語で聴き、英語で理解する。英語でモノを考えて、それが英語となって口から出てくる。最終的には絶対そうならないといけない。英語で聴いたものを日本語に訳し、次いで理解していたのでは、会話にならない。」と氏は言う。次いで「英語はアイススケートのようなもの。アイススケートは始めは転ぶのを恐れて、手すりや補助の人にしがみつく。しかしいつかは思い切って手すりや補助の手を離し、自分の足で滑り出さなければならない。英語も始めは補助の手(日本語)に頼り意味を考えながら理解しようとするだろうが、いつかは思い切って日本語から離れ、英語(自分の足)でモノを考え理解しなければならない。」と氏は示唆する。

[使える英語」へまっしぐら! 住出勝則(ミュージシャン) 研究社 ¥1,300.−

英語をひたすら読みつづけること! 英語を読んでも英語が話せるようにならないというのは、インプット(読む・聴く)とアウトプット(話す/書く)の連携プレーがうまくいってない証拠です。どう考えても、頭の中に「使える英語」が入っていなければ、口から出てくる筈はありません。・・・・英語の発音練習は、すべてを真似するところから始ります。 習字は、先生の書いたお手本を上からなぞる練習からスタートします。発音も同じです。教材をお手本にして、耳と口を総動員しながら真似をするのがベストです。

おじさん、語学する 塩田 勉(早稲田大学語学教育研究所所長) 集英社新書  ¥680.−

物事を始めるときは、莫大な適応エネルギーを消費する。そろりそろりと、できるところから始め、だんだん馴らしてゆく。 助走は、外国語への欲望や関心を、徐々に高め、より深く広い世界へ誘ってくれる。 デパートのエスカレーターで上がってゆくにつれ、商品への欲望が高まってゆくのと同じである。 助走は、初心にかえって、幼児のように無心な模倣で滑りだす。・・・・語学は、必要と責任から生じたやむにやまれぬ動機があるとき、成功が確実になる。具体的な動機に合わせて、目標とするレベルや領域を設定する。 目標に合わせて、聴く、話す、読む、書くという4技能の、どれを、どの程度身につければよいかイメージする。万能の語学力などというものは存在しない。それぞれのニーズを満たすための必要十分な4技能の組み合わせとレベルが存在する、と考えて目標を設定する。