「失敗しない家づくり」勉強会 実践塾   
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これはあくまで、個人的な意見として、長年この業界にいて
感じていることを書いています。
素材を否定しているとか、個人を誹謗中傷しているわけではありません。

                             2019年3月27日まで


コラム1463 2019年04月22日

・・・の次はダイワA

 住まいをビジネスの対象としてしまうとろくなことはないと常々発言してきました。スマホのように要らないと思うような人はまったく関係ないからいいのですが、住まいは持ち家であれ賃貸であれ誰でも必要とするものですから考え方は全然別物なのです。まだ賃貸は永久的に入居しているものとは違うので若干の質は違っているとしても、それでも24時間呼吸して生きていくのですからその最低環境は外せないところです。

ものごとにおいて相手の顔を見ながらことを進めるというのは非常に大事なことです。需要と供給の関係だけで取引が進むとしても、そこには人間の思い入れやポリシーがないと意思の通じる取引にはならないと思っています。この建築業界にも何が抜け落ちているのかといえばこの「人間の住む居住空間への配慮」だと思います。

いくら賃貸だからといって住む人は人間です。音も気になれば火にも安全であり地震にも程よく対応できていなければなりません。もう一つ、空気環境もあります。これらの最低レベルの環境が揃っていて家賃がどうの、利便性がどうの・・という選択肢があるはずです。その音・火・空気の三つが抜け落ちていて本来なら取引に値しないのにいまの状態になってしまったのはすべて供給側の責任であると思います。

戸建ては業者と建て主の一対一ですから業者も気を抜けませんが、賃貸となると一対一対多数となり、多数は一切交渉の場に出てきません。こうなると業者も気楽、オーナーも自分が住むわけではないので関心がほとんどないという「曖昧な関係」で事が進むことが多いです。まして、オーナーが投資目的が主だとすると業者・オーナーともいくら儲かるかを優先して計算してしまいます。

こうなるとどこで利益を抜くかが加速し、限りなく「費用をかけない主義」が表に出てきます。資材も手間も同じように切り詰めの言葉通り100が達成できれば95を目指す。95ができると90を目指す。手間も手早く上手な人が基準となり次の現場はもっと手早さを求められます。それを繰り返していくとどこかで限界になり、もうその先は明確な手抜きの世界へ踏み込みます。

レオパレスを見てもまったくその通りになったし、今回のダイワの型式適合認定の建物も審査(検査)が省略されることの悪用となってしまい、出るところまで出ないと納まらないということになったわけです。これで、レオパレスなどは株価が半分以下に下がったし、下手をすると「もしかして・・」という可能性も出てきます。どこかに合併吸収される可能性は「もっているものに魅力がある場合」でこの会社の場合にはそれがあるかどうか疑問ですから行くところまで行ってしまうかも知れません。

ダイワの場合はアパートの比率が多くないですから影響は前者ほどではないにしても株価の足を引っ張るには充分な材料でしょう。


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コラム1462 2019年04月19日

・・・の次はダイワ

 大手が狙った「賃貸建物」、サブリースをはじめ、過剰融資と施工不良。儲かるニオイにはすばらしい反応を示す大手業者もみんなで群がるとどこかにボロが出るようです。早々と発覚したのは(遅いぐらいでしたが)レオパレスでしたが、引き続きダイワも2000棟以上の「型式適合認定」というお墨付きをいただきながらも違う施工をしていたというボロが出ました。

一般的にはあまり聞き慣れない言葉ですが、この業界では大手が検査を簡略化できるということでたくさんの認定を受けています。この制度はあらかじめ「このようにやりますので手続きを簡素化してください」という、いわゆる正直に決められたとおりやりますからと言う国との約束事です。

これによってチェックする内容が大幅に省かれるので、両者ともメリットがあるということです。ところが、現場ではその約束事どおりには行なっておらず、言い訳としては担当者認識の違いによる「単なるミス」だという風に片付けようとしています。まあ、そういうふうにしか弁明が出来ないからなのでしょうけれど、現場での見方は違っています。

極力工場製作を多くして現場の大工作業を少なくするように考えられて資材も手配されているのですから、現場のミス・認識の違いでこうなってしまったなどということはあり得ないのです。現場の監督、あるいは材料の手配を担当する社員はマニュアルどおり仕事をしているのですから間違うはずがないし、ましてや納材する側が勝手に違う資材を収めるなどということもないのです。

「部下がやったこと」ではあまりにも筋が通らないのはわかりきっているのに「認識が違っていた」というのは体の良い言い逃れでしかありません。どの道、上層部というのは現場など知りません。見ているのは業績という数字だけです。それゆえに、現場事情など見向きもせずに紙の上の数字だけ追っかけることになるのです。

この会社は、私が駆け出しの頃は建築現場の隅に置かれているプレハブ小屋(俗に言う飯場小屋)、今では現場事務所といわれる簡易建物を販売・リースしている会社でした。それが50年弱で兆を軽々超えるビッグな企業になったのですからある意味尊敬しますが裏ではそれなりのことをしてきたのだろうなと思っています。

人の住まう建物はビジネスとして捉えてはいけないと従前から思ってきましたが、ここまでになると工業製品から離れられなくなり、規格化し認定をとれるような建物しか作れなくなるわけです。はたして、これが「住まい」を提供する企業として適しているのか甚だ疑問に感じます。


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コラム1461 2019年04月16日

7月からの勉強会予定

 ここのところ、思うような日程が取れなかった商工会議所での勉強会でしたが、このたび、思い切って場所を替えてみることに致しました。変更後の場所は当店のメイン取引先でもある茨城木材市場(水戸市渋井町50)です。
本日、木材市場の責任者の方と合意を得、まったく同じ形式で場所だけが変わるというスタイルで行なえることになりました。詳しい日程は勉強会情報のページを見ていただくとして引続きご参加のほどよろしくお願い致します。
5/11(土)、6/8(土)まではひたちなか商工会議所で行ないます。


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コラム1460 2019年04月15日

今月の勉強会

 だいぶ近所のサクラも散り始めました。三寒四温もそろそろ安定したお天気になりそうです。
そんな中、今月も家造り勉強会を開催いたしました。4月というと商工会の行事も少ないらしく駐車場も心配することなく利用できました。今回の参加は6名、遠方からおいでの方のいらっしゃり大変お疲れ様でした。来月はまた変則的になりますが5/11第二土曜日に行なう予定でおります。お時間の許す方は是非ご参加下さい。お待ちいたしております。テーマ等はHPをご確認下さい。


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コラム1459 2019年04月05日

5G世代の通信A

 スマホを持っている人が国内でも数千万台あるということはそれだけ通信回線が必要だということになりますが、その大勢(たくさん)の電波をどのように捌いているのかは別の問題として、最低の知識として電波の性質を知っておかないとその先の問題が理解できません。

前回の、トラックダンプの運転手が身体が温かくなってくるというのは身体の水分が高出力の電磁波つまり電子レンジで温められているのと同じことになると書きました。それは飛んでくる電波のエネルギーが熱に変わることになります。熱になってしまったということはその先にはエネルギーが飛んでいかないので極端に弱くなりゼロに近くなることを意味します。

この周波数が高くなればなるほど直線性が高くなり、物にぶつかって反射したり熱になって減衰したり遠くへ飛ばないようになります。遠くへ飛ばすには高さをぐっとあげて見通しがきくようにしなければなりません。それでも限界があるのでたくさんの中継所をつくって電波の届かないエリアを潰していかないとビジネスになりません。簡単に中継所の出力を上げても受信のほうがまともに出来なければ通信が成立しないのですから子機であるスマホもほどほどの出力が必要と言うことになります。

それと、使う人は恩恵にあずかれますが、使わない人も世の中にいるわけで、電波はすべてのモノ・人に注がれるので少なからず全員がギガクラスの高周波の影響を受けることになります。総務省の電波(電磁波)防護指針というものがあって、人が人体的影響を受けないようないわゆる電波強度が定められています。無線で飛ばすギガ通信も我々がやっているアマチュア無線もこの取り決めの中で行なっています。

電子レンジ以上の高周波がそこらじゅうの中継所とスマホ本体から四六時中出ている環境になるということは何にも影響が出ないと断言できることなのでしょうか。国交省が決めた建材の揮発物基準のように安全でないことは明白な事実があります。通信量が飛躍的によくなるとかいろいろな面で便利になるという5Gの世界の良いことばかりいわれていて本当にデメリットは何もないのでしょうか。そんなはずはありません、すでにアメリカではミリ波マイクロ波の影響で身体に異常が出て問題になっています。情報としては伏せられているだけです。このことはネット検索でも簡単に情報が取れます。

別に危険を煽るためにいっているのではありません。便利さの裏にあるデメリットを知ってやらないととんでもないしっぺ返しを喰らうということを認識して欲しいのです。それは住宅の世界も含めてすべてのことに当てはまることだと思います。


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コラム1458 2019年04月04日

5G世代の通信

 何やら世間は4G(第四世代)から5G(第五世代)通信へと移っていくようです。これは何を意味するのかと言うと、やり取りするデータ量が大幅に増えてたくさんの情報を送れる(受けられる)ようになり、たくさんの作業が今以上に出来るようになるというものです。

いまや通信方法はアナログからデジタルに変わりましたが、その通信量が大きくなっていくには周波数がどんどん高くなっていかないと理論上たくさんのデータを電波に載せられないということになります。周波数というのは一秒間に電圧の山が何回往復発生するのかという表現方法で、10回なら10ヘルツと言い表わします。

我々の生活にすっかり入り込んだ携帯電話(ガラケー)やスマホは800MHzや1.5GHzそれ以上というとてつもない電圧振動数の電波を使って機器が作動しています。その技術はラジオなどの周波数レベルよりもはるかに高いものを動作させているのですからいくら器用な人でも簡単に自作出来るようなものではありません。

私も趣味でアマチュア無線をやっていますからその動作原理程度は理解できますが、何事にもメリット・デメリットは付き物で良い部分は盛んに言われても悪いことはほとんど言われないという裏事情を心配しています。その言われていない裏事情とは、電磁波の人体への影響です。

5Gと言われているものは現在のスマホなどより数倍から数十倍あるいは数百倍の高い周波数を使います。今ではどこの家庭にでもある電子レンジ、その使用周波数は約2.45GHzです。それが水を含んだ食材・料理を温めることが出来ていろいろな方法で使われているのです。その水を含んだものと言うのは人間もたくさんの水分を持っているので危険な目にあわないように防護策がとれらているわけで、それがなかったらいっしょに温まってしまうことになります。

GHzのGはギガといいます。K(キロ)はゼロが三つ、M(メガ)はさらに三つ付き、Gはその上にまた三つ付くことを意味します。つまり、一秒の間に電圧変化が10億回する高周波のことを指します。どうやってこんな気の遠くなるような電気的な振幅回数を作り出せるのか別の所に置いておいて、我々はそのものがどんな影響を及ぼすのかぐらいは知っておかなければならないと思います。

素朴な疑問として電子レンジで使われている2.45GHzの電磁波は厳しく遮断されて使うことと決めてあるのに、それ以上の周波数の電波が頭や胴体の近くで使われるのに何の遮断も行われずに使われていることになるのです。出力は数ワットでも身体にピッタリ近づけて使うとなるとその影響は少なからずゼロということにはなりません。

むかし、パーソナル無線という900MHz帯を使った免許のいらない通信手段がありました。これを悪用してブースター(リニアアンプともいう)で規定の出力をはるかに超えて1KWくらいのパワーで違法な通信をやっていたトラック・ダンプ運転手がいました。この人たちの言っていたことが印象的で、「話して(送信中)いると身体が温かくなってくるんだよね」という、まさに人体実験そのもので自分が電子レンジの中にいるような危険行為をやっていたのです。


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コラム1467 2019年04月02日

住宅の想定外と誤解C

 120mm角のほうが105mmよりも丈夫だと言うことは誰でもわかっていますが、それは大工さん加工の長ホゾの場合が当てはまることであって、プレカットの短いホゾの場合は同じようには行きません。後者の場合はホゾが短いので五分五分のケンカにはならず、強い力が加わる前にホゾから飛び出してしまうという結果になると思います。

もちろん柱から抜けないようにと金物は取り付けられているでしょうが、その留め付けているものがビスあるいは釘ですから、いざとなったらビスが1人勝ちして木が割れるかして元に戻るのは不可能になります。そうなれば二度目三度目の余震がきた時に最初と同じ状態では耐えられなくなりあっさりと崩壊してしまいます。

当然ですが、ある一定以上の地震エネルギーがきたら何の構造であろうと耐えられないと思いますが、少なくとも今までのようなレベルであれば従来の木組みのほうがしなやかさがあり崩壊するのは一番後になるだろうと思っています。過去のEディフェンスでの実物大実験結果を見て、規定どおりに作った建物が倒壊し、いい加減な締め付けをした建物のほうが残った事実はまさにそれを物語っているのです。

最初の瞬間的エネルギーをいかに柔らかくかわすかということが今の基準法には抜け落ちているのです。3.11の地震にはその良い例が笠間市役所でも証明されてしまいました。硬くて優秀だと言われていた鉄筋コンクリートの庁舎が鉄筋むき出し状態で潰れる寸前までやられたのに対し、その近隣の住宅は屋根のグシ(棟瓦)が落ちた程度で建物が倒壊するまでにはならなかったことです。

地面がほぼ同じところでその地震エネルギーも同じように加わったのになぜ鉄筋コンクリートのほうがダメになったのか、これは初期衝撃がコンクリート建物にあまりにもストレートに加わわり、動き出す前に耐え切れず足払いをくったからです。こういった現実の事例があるにもかかわらず行政は考え方を修正しようとはしません。相変わらずの高得点の数字主義です。

私のような何の資格もない人間がここでこういうことを書いても「そうですね」などということには絶対ならないでしょう。しかし、あれだけの地震衝撃を受けた実例が発生したわけですから「ものの考え方」をもうちょっと変えて行くべきだと思います。


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コラム1466 2019年04月01日

住宅の想定外と誤解B

 世の中には「安くて何が悪い」という方もいます。それはそれで否定しませんが、目の前に某国産の農薬たっぷり野菜と国産の安全なものがあったとしたらどちらを選ぶかということと似ています。食べ物なら敏感に安全なものを選ぶと言う人も、「家」というものに関するとそういう意識が働かない場合が多いのです。

そもそも家が農薬のように人体に危険な影響を与えると思っていないからなのかもしれません。建築基準法に合致して、国交省大臣の認定まで出ている建材を使っているのですから危険なわけがないと思っていても無理はありません。クロスにしてもフロアにしても堂々とF☆☆☆☆(フォースター)のマークがついているのですから安全だと思ってしまいます。

世の中の20%の人はまったくの無関心、60%の人は安ければいい、残り20%の人が安全なものを求めようとしていると推測されます。なぜそうなのかと言うと、それが今の住宅シェアの実体と重なるからです。ただし、安全なものを求めようとしている20%の人たちも本当に安全なものを手に入れているかというとそうではないと思っています。それは名の通ったハウスメーカー(HM)でもやっていること中身はほぼ同じだからです。

ムク材をキャッチフレーズにしているHMも一部ありますが、よく見てみると集成材をムク材と言っていたり、内装材もバッチリ塗膜のついたもので性質は工業製品と同じものを使っていたりで、本当に呼吸性のある調湿作用を期待できるものではないものばかりです。所詮、HMは商品のバラツキを一番嫌うので純粋なムク材は使えないのです。それは住宅の表示に名前が付いていることを見れば理解できると思います。

耐震等級を高いものにするのも競争に勝つためでガチガチの面材施工で数値が高いから安全なんですとPRします。そこには「木組み」の良さなどは邪魔なだけで木造住宅といえば一般にウケがいいから木を使っているだけのことです。その木も彼らにとっては集成材が木でありムクの木が木ではないのです。本当に木組みを大事にしようと思ったら機械加工では無理なのですからそのことからも逆に想像ができるはずです。

そもそも機械加工(プレカット)というものは需要が供給力を上回った時代の補助的なものだったのですが、加工工場がどんどん建設され機械を遊ばせないために工場同士が受注獲得競争となり、そこへHM・ローコストビルダーが渡りに船とばかりに乗り込んできたのです。両者にとってはこの「加工」の部分が大工力ではばらつきがあり統一することが難しかった一番の難所だったのですが一挙に解決となればあとは資本力で席巻してしまったのです。軒先を貸して母屋を乗っ取られるとはこのことかもしれません。

何だかんだと言っても組み立ててしまえば機械加工か手きざみ加工かなどというのは一般の人には区別がつきません。その違いをわかっている大工さんも目先の仕事をもらえるのでHM・ビルダーはお客様になってしまい「本当はこうすればいいのに・・」と思っても言えなくなってしまっています。


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コラム1465 2019年03月29日

住宅の想定外と誤解A

 自由主義の資本経済が進んでいくとお金持ちと貧乏人の格差が広がっていくと言われています。事実近頃はそれを強く感じます。最近、一次所得者という言葉をよく耳にしますが、あれは年収の低い人たちのことを指しているのだと思います。そういう人たちを対象としているのが、1000万円を下回る金額の表示で、アパートに住んでいるよりも持ち家生活が出来ると宣伝して受注活動をしている「超ローコスト」と言われる建物です。

これらの建物に共通していることは「屋根軒がゼロ」「総二階」「窓が小さい」「100%プレカット」「厚物合板下地」「面材仕様」「石膏ボード+クロス」「壁の凸凹なし」・・など。もちろんこの他にも同じように見えて中身が違うものは数多くあります。畳のようなもの、塗り壁に見えるクロス、柱のように見える付け板、・・などなど。

こういった「・・のように見えるもの」で作られた値段の安いものが本当に安くつくのか、時間が経てばやがて真実がわかってきますが、問題は新品の時に見せられた段階でそれがわかる人が何人いるかです。きちんと理解して購入できる人はまだ良いとしても、ほとんど中身がわからないで進んでしまう人がほとんどで、おそらく「こんなはずじゃなかった」という人が大勢出てくるものと想像できます。

この世界は「おれがやればこんなに安く出来る」といって異業種から入ってくる人たちがとても多いのです。だから形だけ同じに見えるものがこれだけすりかわってしまうのだと思いますが、その結果が出るまでその人たちが責任をとらないという点が一番の欠落したところなのです。建て主さんはいつもその実験台にされて高いお金を払わされているのです。

超ローコストも含めたハウスメーカーのそれも結果が出るのは15年20年先になります。そこに35年ローンを組んで挑んでいく人を見ると気の毒な気持ちにさえなってしまいます。ほんの少し、もうちょっと掘り下げた勉強が出来ればドブに足を突っ込まなくて済むのですが残念なことです。


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コラム1464 2019年03月28日

住宅の想定外と誤解

 失敗しない家造りを主催している私本人も家造りには数多く失敗をしています。お恥ずかしい話しですが私はS59年に自宅を建てましたが、当時の家に対する知識も知恵も未熟で完全な失敗とまでは行かずとも中程度のものはかなりあります。構造・仕様それに間取り設計・使い勝手と多岐にわたっています。

失敗だとは思っていなくてもそれに近いものになったところのひとつは屋根です。自分の仕事が材木屋でしたのでなるべく取り扱いのある物をと考え、大工さんでも葺けるコロニアルにしたのでした。軽量で3.11地震の時も被害はなかったように見えたのですが、翌年だったか台風で棟がやられました。よく見ると金属性棟部材を受ける下地が腐っていてほとんど役目を果たしていなかったのでした。

コロニアルという屋根材は平スレートのようなもので、その下地には合板の12mmのものを使うのが一般的でした。板だと一枚の巾が狭いので載ったときにその部分だけが凹み、本体のスレートが割れやすいからということで合板が好まれたのでした。吹き飛ばされた棟部材を留めているのは貫と呼ばれる90mm×14mmのサイズのものでした。

ただ、この貫を使うにも配慮すべきだったのは赤身のものにしておけばもう少し耐久性があったのかなと思ったことです。当時34〜35歳くらいだったと思いますが辺材(白い部分)と芯材(赤身部分)の違いもよく理解していませんでした。今でこそ皆さんに情報発信をしていますけれど、取り扱っていただけでその違いすらわかっていなかったのですから恥ずかしい限りです。

施工して27年でその受け材が役目を果たしていなかったことですべての棟を交換しましたが、意外な部分に弱点があったことを自分の家で知ったわけです。そのほかのデメリットは熱の問題です。素材が薄いものだけに直射日光に対してもろに小屋裏が熱せられること、逆に冬は屋根からの放熱がかなりあることです。

屋根は他の箇所よりも温度差の激しいところです。それによって屋根の表と裏で微妙な結露現象が起きます。このことによって出来た水滴がどこへ行くか、外側は良いとして大概は屋根裏の結露が屋根板そのものを傷める事になり、合板の寿命をぐっと縮めてしまいます。

いくら屋根裏とはいえ、空気の流れがほとんどなければ発生した水滴はそこの部材に浸み込むか流れ落ちるしかありません。幸いにして私の家の屋根裏はけっこう乾燥していて野地板が腐るようなことはありませんでした。きっと小屋裏の空気の流れがあったのと構造体がすべてムク材でやっていたことと相乗して乾いてしまったのだと思います。

これで高気密になっていたら屋根野地はボロボロになっていた可能性があります。


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