コラム602 2013年12月28日
一年間有難うございました
ほとんどの会社が今日からお休みに入ったようです。私のところでも昨日と今日の二日間かけて
大掃除をする予定でしたが、順調に作業がはかどったので今日からお休みにしました。
(といっても、私は事務所に出てきていますが)
今年は大きな貸し倒れなどもなく少しほっとしていますが、相変わらずの赤字経営からは脱却できて
いません。それでも踏み倒されたというのがないだけ有難いと本当に思います。
私らの商売は外部に支払う金額が85%くらいになります。つまり流通経費として15%くらいの巾で
仕事をしているわけです。
倒されるとなると元金がまるっきり消えてしまうのですからそれはそれは一大事なのです。
自分たちの経費はおろか、顧客が支払うべき仕入れ金までこちらが払う羽目になります。
カラのプールで泳いでみろといわれているのと同じで首が回らなくなります。
今年は土曜と年末のタイミングがぴったり合っていて行政の休みも9日間という最長の休みパターン
になりました。それにあわせてというわけではないですが、こちらも切りの良いように月曜日からの
スタートにすることにしています。
来年は6日から仕事開始になります。
来年も今年以上に力を入れていきたいと思っています。
そんなことをいっても前期高齢者の身ではタカが知れていますが口だけはそうは簡単に衰えないと
思いますので、このコラムも引続きご愛読のほどお願い申し上げます。
それでは皆様良い新年をお迎え下さい。
一年間有難うございました。
あっ、それから
12/8に挑戦してきた第二級アマチュア無線技士試験は合格いたしました。
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コラム601 2013年12月18日
近年にない値上げ
実働で正味一週間となった年末ですが、何といっても影響が出ているのが消費税の駆け込み需要
でしょう。
どこの業界でも似ていると思いますが、ものの流れる「流通」というものは時として仮需を生むように
なっていて、先物投機まではいかずとも先を見越して手当てするという行動現象があります。
我々の言い方で「西もの」という言葉がありますが関西方面の製品や丸太のことを指します。
今回はこの西ものから値上がりが始まりました。最初は原木がどんどん買われ安定した価格の時より
5割以上も跳ね上がりました。
大手のビルダー・ハウスメーカーでは相変わらず需要の囲い込みを積極的にやっており、受注を
かなりのペースで先食いしています。
いまや、そこへ納めている大型工場は手持ちの丸太も含めて受注分の丸太を集めねばならず
多少の赤字は覚悟で総量確保に奔走しています。
丸太が値上がりすれば遅かれ早かれ製品に移行してきます。その分、見積りをしているものは実行が
確実なものについては逆ザヤにならないように気をつけていますが、物によっては逆転してしまうこと
もあります。
建て主さんは全員が資金的に余裕のある人ばかりはいないので約束した金額で納品できないと
予算オーバーになってしまいます。せっかく「家を建てるぞ」となっている気持ちが挫折してしまいます。
国としても税のアップ後の反動を考慮して救済策を出してきていますが、この分だとむしろ税アップ後の
計画に変更したほうが良いのではないかと思うくらいの状況です。
というのは、前回の税金が施行されたとき3%から5%になったとき山越えの反動がかなりあったの
です。
いったん冷えだすと控えが控えを呼び、もう少ししてから手当てしようと買いを延ばしますので、デフレの
現象が一旦出始めるとなかなか止まらなくなります。
そうなるのはわかっていてもよその会社が受注していて自分の会社だけがのんびり構えているわけ
にはいかないのでわーっと行ってしまうのです。
そういった短期的なものなら在庫を持っていさえすれば何のことはないのですが、今の時代はいくらか
でも資金を楽にするために軽く軽くする傾向にあります。これがこらえ性のない体質を作ってしまうの
です。実に困ったものです。
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コラム600 2013年12月16日
今月の勉強会
毎月第二日曜日に開く予定の勉強会ですが、例の国家試験の関係で一週ずらして行ないました。
年末の中旬だというのに19名の方に参加していただきました。お忙しい中ありがとうございました。
会終了後には今進行中の現場を見せていただき、課外授業までおつきあいいただきました。
建て主のKさんにも説明をしていただいたり、参加された方もかなり参考になったのではないかと
思っています。Kさん大変お世話になりました。
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コラム599 2013年12月11日
28年ぶりの試験B
晴海という地区はもともと東京湾だった所で、その先の豊洲もあとから出来た人工的な造成地です。
宿泊先を出て通称「晴海通り」を海に向かって歩いていくとすぐに勝鬨橋(かちどきばし)があります。
生まれて初めてここを歩いて渡りましたが、ほんとうにこんな鉄のかたまりみたいなものが開いたんだ
ろうかと思いました。
日曜日の朝ということもあって、何人かジョギングをしている人がいましたけれど、さっき追い越して
いった人がまた戻ってくるのでちょっと不思議でしたけど、その先は海なので折り返すしかないので
した。
晴海三丁目手前には黎明(れいめい)公園という名前の1000坪程度の公園がありました。名前の付け
方がすごいなと思いながら、お昼はここでいいかなんて考えてました。角を曲がるとすぐに試験会場な
のになかなか頭のアップが出来ていませんでした(笑)
そこには「無線従事者試験会場」という看板が立っていて、何人かがぞろぞろと中に入っていきました。
ここは江間忠ビルといって当時1974年建造ということなのですが、今から40年も前のことですので記憶
にほとんどなく、たしか晴海の展示場に行ったときに帰りにこの建物に立ち寄った覚えがかすかにあり
ます。当時は結構大きな建物だった気がしますが、実際には9F建てということでけして小さくはないの
ですが、今ではまわりにもっと大型のホテルやマンションが出来たために目立たないものになってしま
いました。
今回の本題、試験会場は3Fにありました。結構早く着いたつもりでしたが、すでに7割くらいの人が席に
ついて参考書などを開いて準備体制に入っていました。会場は二つに仕切られたけっこう大きなもので
黒板には受験番号の部屋割りが書かれており、計算してみたら160人くらいが受けるようになっていて
これが二部屋ですから軽く300人は受験するということになります。ざっと計算しただけでも受験料×・・・
で、200万円は間違いなくこの組織の収入になるわけです。(商業系だからすぐ計算してしまう)
8000円近いお金を払って、しかも遠い所から交通費・宿泊費をかけて出てくる人もいるのですから
みなさん「超」の文字がつくくらい真剣な顔で参考書に見入ってました。しかし、ここにも少数のアホが
いました。耳が少し遠いのか、でかい声で延々と世間話のようなどうでもよい話を続けているのです。
みんなは真剣な顔して過去問題を見直しているようですが、これでは頭に入るはずがありません。
20分経ってもまだ下らない話をしているので、すぐ前にいた私はマスクをした顔で、振り返って一言、
かなり強い口調で「もう、いい加減静かにしてもらえませんか」 その2人「・・・・・・・・・」
やっと言われていることに気づいたのかシーンとなりました。めでたしめでたし。
それにしても、えらい歳くっている大人が他人に言われて恥ずかしくないのでしょうか。
試験の前に「道徳」の時間が必要のようです。
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コラム598 2013年12月09日
28年ぶりの試験A
昔、晴海というと今のビックサイトと同じような役目をしていた場所なのですが、今はその先の
新豊洲などへの通過点になったような気がします。有楽町から銀座、築地と大して距離はない
ものの、さすがは東京です。銀座までは人と車はこちらの盆と正月が一緒に来たくらいの賑やかさ
があります。
試験会場の晴海から歩いて15分くらいのところが築地があり、ここにビジネスホテル(BH)を予約
して当日に備えました。
特に築地は東京の台所と言われるだけあって食べ物やさんが多く目立ちました。なかでも寿司屋
さんはあちこちにありました。
まあ、試験の前なのであまり派手な行動は控えておかなければなりませんので、数軒先のラーメン
屋さんで簡単に済ませてしまいましたが、今思えばちょっと残念でした。
この日は、JR常磐線の利根川橋梁架け替え(というより新線路の接続作業)をやる日に当たって
いて数日前にそのことをニュースで知り、作業開始前にここを通過してしまおうと3本くらい早い特急
に乗りました。時間的には二時間くらい前の通貨でしたが、約12時間すべての列車が止まるので
その関係者数は何百人というほど河川敷に集まっておりました。
そんなことで当然ながら東京着も早くなり5時頃にはBHに入れました。それから明日に備えて
みっちり3時間ほどテキストをおさらいして早めに8時には寝てしまいました。
翌朝は7時朝食なのでそれにあわせて朝風呂に入りひげを剃りすっきりして待ちました。
この朝食なのですが、前日に「トーストとおかゆがありますがどちらがいいですか」と聞かれました。
即答で「おかゆをお願い致します」と言いましたら、「先着五人の方の分しかありませんので、遅い
時間になりますとなくなりますので、あらかじめご了承下さい」と言われてしまいました。
それならばと、時間3分前に行って待っていようと思いましたが、誰もおらずトップで席につきました。
しかし、東京ですねえ、おかゆのシンプルなこと。たしかに軽くごはん茶碗3杯分くらいはありましたが
他には香の物がちょっと出ただけ。ほかに魚でも出てくるのかなと思いきや何もなし。
これが築地の朝食かと思いながらあっという間に終わってしまいました。
まあ今日は試験日だから軽くしておくかと自分に納得させました。
フロントには早くも出かける人が数人ほどいて、肌の色が日本人とはやや違う感じがしていました。
カウンター席しかない朝食スペース(狭い喫茶店みたいな場所)のおばさんに聞いたら、東南アジアの
方ですねと言ってました。話しによれば、築地の見学コースが外国の人にすごく人気があるのだとか、
専門の案内役もいるそうです。
会場には8:30に到着するようにすこし余裕を持って出かけました。
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コラム597 2013年12月06日
28年ぶりの試験
ここのところ、更新をさぼっていました。
理由は(個人的なことですが)ある国家試験を受けるためです。
そんなことを書くとたいそうらしく聞こえますが、何のことはない、アマチュア無線の上級試験です。
材木屋なのに不思議に思うかもしれませんが、これでけっこう小さいころから電気に興味があって
中学の時には簡単なラジオくらいは作っていました。
高校は商業学校でしたので(本心を言えばそこしか通わせてもらえなかった)ほぼ縁遠くなってい
たのですが、高校の文化祭の代休日に当時の電話級無線従事者の試験を受けてその資格をとり
ました。
その後は中間で無線局の免許を流してしまい(5年ごとに更新しなければならなかったのですが)
離れていました。ひょんなことから昔の局の(コールサイン)再割り当てが始まると聞いて、誰かが
自分のコールを使ってしまうと二度とその使用が出来なくなってしまうことを知り、また再開すること
にしました。そしてS60年に一つ上の電信級(今は3級といいます)の資格を取りました。
このクラスはトンツーといういわゆる「CW」という電鍵で断続的な信号を送り受けるという方法の
通信方式です。出力のほうも4級よりは若干大きく出せます。
まあ、小難しいことは省略して
今回、その上の第二級無線従事者という試験を受けようと計画しました。その受験日はあさって
8日なのですが、何せ、ずっと使っていなかった脳ミソが活性化せず、勉強をしてもすぐに忘れてしま
うのです。まるでちょびっと穴のあいたバケツみたいに・・・。
そんなわけで作戦を考え、忘れるよりも早くどんどん詰め込む、その間に試験に臨んでパスして
しまおうという魂胆に切り替えました(笑)
まあ実際はそうはうまく行かないと思うのですが、人生ここまで生きてきてしまうと何でも開き直れて
「ようし、やったるわい」という気持ちになれます。
これをよそ様は「無謀」というのでしょうけれども、誰にも迷惑かけるわけでもなく自分の挑戦ですから
気は楽です。そんなわけでここのところコラム更新がおろそかになっていました。
こうしているうちにも少しづつ記憶が飛んでいっているのですが・・・。
ということで、普段使っていない脳ミソが(どこの領域か知りませんが)異常活動状態に入っています。
また試験が終わりましたら再開したいと思いますのでコラムのほうは少しの猶予をお願い致します。
(受かるかどうかは水物・・・)
(それはそれでいいのです、挑戦ですから)
ではまた。
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コラム596 2013年11月26日
違和感を感じた答弁
たまたま、銀行へ用事があって行ったときに、ロビーにテレビがあって国会中継をやっていました。
特定秘密保護法とやらの答弁で森雅子少子化担当大臣が行ったり来たりしていました。
何で少子化大臣が答弁しているんだろうと思いながらも、省エネだといいながらも点いているテレビ
を疑問に思いながらそのやり取りをみてしまいました。
蓮ホウ氏が席に戻ろうとしている森氏に矢継ぎ早に質問し、また着席してから手を挙げて立って
(私のPCでは舟に方の文字が出てきません)
中央に進み出て官僚の書いた答えを読んで戻っていく・・・また背中を向けて戻っていく森氏に
「そうじゃないでしょ、私の質問に答えてないでしょ」・・・こればっかり。
何往復か見ているうちに「一つ答えちゃ席に戻って、時間稼ぎをやっているのか」と思い、あきれて
新聞を見ることにしました。
この人たちって、自分っていうものがないのかなと思ってしまいますね。だって、答えて帰っていき
また出てくる時間のほうがよほどかかっているんですから、いちいち戻らずにその場で質問を受け
続ければいいだろうにと思ってしまうのです。
国会というのは開くだけで「億」のお金がかかるといわれているのにこんなものでいいのかなと・・・
こんなやり取りをみているだけでこっちが時間を損した気分になってしまい不愉快になりました。
それで「充分に審議はできた」と今日の採決がなされたというのですから、審議の中身は半分以下
こういう民主主義は無駄のかたまり、模範にもならないだろうと思っています。
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コラム595 2013年11月22日
相場がジリジリと
昨日のコラムで木材は市場原理が大きく左右すると書きましたが、まさに今、原木の価格が上がり
続けています。長いこと低迷していた原木価格がここへきて反発しだしたのです。
一番の原因は需要増(当たり前ですが)にあります。
この原因は消費税の料率アップと輸送費の値上がりが大きく響いていると思います。
消費税の関係は駆け込み、輸送費は円安の影響によるマンネリ化した運賃の打破(赤字解消)に
あります。
製材所というのは一本の丸太(例として径30cmの太さのもの)から5〜10種類ほどの製品を作ります。
柱・間柱・破風板・貫・半貫・中貫・タルキ・小タルキ・小割・瓦桟と様々です。
どれもそれぞれ昔から必要とされてきた住宅の部材です。
小さな工場でも1日で4t車一台くらい、大きな工場だと11t車で3〜5台も生産しています。
通常、丸太を挽くときには乾燥状態ではありませんから当然製品は未乾燥品です。
それぞれの必要とされるところへ販売されていくのですが、工場から直接消費者へ行くわけではなく
それぞれの役目をしている木材市場・販売店・大工さんという順序で渡っていきます。
ここで、なぜこれだけの業者が必要かということをちょっと説明しておきます。
丸いものから四角いものや平たいものをとるのですから、効率を良くしようとすると数種類の部材が
考えられます。そして、専門の工場ほど1日に何百本という数をこなします。
一方、挽くのは専門屋ですが売るほうまでは手が回りませんから、その役目をする人が必要です。
どこにどんな需要家がいるが、また売るということはお金のことも心配しなければなりません。
その役目を木材市場が担っているのです。
木材市場から各地の販売店(材木屋)が買っていくのですが、平均的な数量の単位が工場出荷と
同じ状態で角材なら50本くらい、タルキのようなものでも9本入ったものが48束で一つの単位と
なっていて、この時点でも通常ナマの状態です。
(最近はこれらを機械で乾燥させKD材という呼び名で取引されるものが増えてきました)
仕入れた材木店ではこれらを倉庫に立てて風に当て乾燥させます。そして、1束でも2束でも希望
の量を大工さんや一般の人に売るのです。
こうして世の中の必要とされている人に必要な分が販売されていくのですが、こういった時期になる
とこのきちんとピラミッド型になっている形が底辺から突き上げを食らう形で製材所しいては原木需
給関係に及んでいくことになるのです。
需要には「思惑」と「実需」があり、値上がりしそうだとなれば誰しも早めの仕入れをしておこうと
考えます。そういったプラスアルファーも加わって世の中が動いているのです。
本当に景気が良くなって動くのではなく、こういった瞬間的な事情で上下しているのはほぼ間違い
ないのですが、それでも見積りをしてしまったものに関しては逆ザヤになるのを避けるために早めに
手当てしておくという行動をとっている人もいますので必要以上にアップが加速しています。
消費税5%から8%へのアップはボディブローのように効いてきます。
世の中が一斉に動くというのは怖いことです。
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コラム595 2013年11月21日
発想の違い
日本の住宅事情といえば8割以上が外国から輸入されている木材で賄われていて、国産材は
2割以下という数字が何年も続いています。
メディアの表現でも「安い外国産材」という言葉を使われていますが、現在の木材価格は逆転して
いて、ほとんどの品種で国産材のほうが優位になっています。
価格の比較は現物が同じで値段が違うという比べ方をしますが、もともと同じ木ではないものを高い
とか安いとか言うのはおかしいと思うのですが、細かいことはさておいて。
住宅の構造体に使われるいわゆる骨組みは12cm角・10.5cm角・9cmなどといわれる小角(こがく)
と言われるものを使います。
開口部には桁(けた)といって断面が縦長(巾12cm×高さ30cmなど)の大きなものを使います。
桁材はほとんどが外国産(主に米松)の木ですが、他はいくらでも国産材で賄えます。
こうして全体の使用比率を表したものの数字が8割・2割と言われているものです。
これは日本全体での数字ですので各地区のものとはまた違った意味を表します。
大手のハウスメーカーなどは100%に近いくらい外国産の木を使っていますが、我々のように家は
地場産業だと思っているものは近隣の木材使用比率は非常に高いのです。
上述したように国産材のほうが価格優位にあるのになぜ移行しないのか。それは量と価格安定性
しいては供給能力に関連してきます。
日本の場合は平らな土地は大体畑で急峻なところに山林があります。外国は日本の畑のような所に
木があり、その出材コストも雲泥の差がつくほど開きがあります。
この産出コストの差がいざというときにものをいいます。
それにくわえ、日本の場合は市場原理がもろにくるセリ・入札制度があり、売れないとなるとガタガタに
売れ出すととたんに値上がりに転じ、長期的な契約などは難しい環境にあります。
外国の木でも上下はありますが乱高下みたいにはなりにくくなっています。
契約した量と価格は為替を除いてはきちんと守られます。
政府は、何年か後にはシェア50%を目指すといっていますが、これは簡単な数字ではありません。
大勢のハウスメーカーが外国産の木を使って建てているのですから、国産材に魅力があるだけの
中身になっていなければ今さら転換するところはありません。
木材利用ポイントなどという制度を作ってシェア奪還に躍起になっていますが、早々とカナダあたり
から市場性を無視した妨害行為だと言われだしています。向こうさんからしてみれば当たり前のこと
です。今まで長年かけて商流を築きあげてきたのに、ちょこちょこと政府が出てきて国産材に飴玉
をしゃぶらせるようなことをするのですから、その不満は出て当然だと思います。
いずれにしても、こういった国民の底辺から流れが変わらないと解決しないものに国が口をはさんで
きても簡単には動かないであろうという想像はつきます。
今頃になって飴玉政策なんかを持ち出してくるならなぜもっと早く長期的な展望の下に策を打たなか
ったのか気付くべきだと思うのですが、そこは現場を知らない官僚の「絵に描いたモチ」なのでしょう。
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コラム594 2013年11月20日
郵便の世界もノルマが
毎年、11月にはいると新しい年賀ハガキが売り出されます。
単純に計算して一人当たりの差出(投函)率は37枚くらいになるのでしょうか。これは平均でという
ことですから、出さない人も会社みたいに何千枚と出すところもあるわけですが、これらの売る側の
製造枚数量測はどのようにして行なわれるのでしょうか。
去年の実績から今年の売りさばき予想をするのでしょうが、そこは商業ベースになった郵政民営化
通常の会社と同じように「これだけ売って来い」と号令をかけられるのではないかと思っていたら
やはりそのようでした。
「自爆営業」という言葉を聞いたのはこの郵便年賀の売りさばきでした。
10,000枚が売れなかった・・この分をどうするか。
結局は自分でお金を出してノルマを達成するという本末転倒のことをやらせているようです。
本当の責任は数量を決めた人にあると思うのですが、どうもこの世界は違うようです。
ネット(メール)で「おめでとうございます」とやって済ませてしまう人もいるのに、相変わらず前年比
何パーセント増しとかやって気勢をあげている人がきっと一部にいるのでしょう。
そういえば、一昔前はどこのコンビにでも間際になると売り切れですといっていたものが、ここ数年は
お正月になってもたくさん残っていたりしますね。
年賀だけにしか使えないので、残ったらクイズ懸賞かラジオのリクエスト番組にに出すかくらいにしか
使い道が考えられません。
売れとハッパをかける人は気楽で良いですが、自腹で買わされる人はたまったものではありません。
モノを大切にといっている割には逆のことをやっているのですからこの国のやることは商業主義以外
の何者でもないということがわかりますね。
そういえば、今年の年賀状の発売に起用された看板娘は100%年賀状を出しているんでしょうね。
「私はメール専門です」なんて言ったら10,000枚現物支給でギャラ支払いするように言ってやれって。
自腹切ってる人がかわいそうだもの。
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コラム593 2013年11月19日
警察官も人の子
きょうのネットニュースで、警察官2人がパトカーで街中を巡回中、一方通行を200mほど逆走し、
市民に見つかり警察に通報されたという記事が出ていました。自らも申告したというのですから
正直とは思いますが、思わず笑ってしまいました。
まあ警察官も人の子、間違いや勘違いはあるにしても、市民に通報され違反キップを切られたという
のは「さかさま」でお話になりません。警察官を含め公務員は単独で行動した場合ミスをしても
気がつかないでしまうということを考慮し、その指摘が出来るようにと複数で行動すると聞きました。
私はヒマだから2人で行動するのかと思っていたら少し違っていたのですね。
市役所はほんとにヒマなのでしょうけれど・・・
ま、これが何にも役に立っていないことが証明されてしまった事で、もう1人の警察官も同罪なの
ですが、その辺のところも知りたいですね。
それに、あとでもみ消しがなかったか確認しておかなければいけないと思うのですが、個人の立場
からでは方法はありませんね。何しろ個人情報ですから。
信じるほかはないというところでしょうが、いろいろな所でいろいろなことがありますからねえ。
警察に対しては不条理・不満はいくらでもあります。
十数年前、ここ、245号脇ひたちなか市の市民野球場で常総学園と水戸商業の高校野球決勝戦が
あったとき、観客が集中し、旧道から細い脇道まで違法駐車だらけになり、車が通行できない状態
になりました。
あれほどの交通渋滞はいまだかつてこの田舎では経験したことはありませんでした。
何度も何度も警察へ電話をして「何とかしてください」と言いましたが、何もやってくれませんでした。
今思えば、片っ端から違法駐車でとっ捕まえれば二、三年分のノルマ金は稼げたはずなのです。
その辺の陰に隠れて、違法駐車を見張っているよりよほどドル箱だったのですが、実に惜しいことを
しました。地元の迷惑度など何百倍もあったのですがお構いなしでしたね。
それからですね、ザコは捕まえるけどあまり巨悪になると何にもしないという観念が生まれたのは。
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コラム592 2013年11月15日
PCは便利なのだけれど
今はどこの会社でもPCは必需品になりました。販売管理、財務・給与と大抵は3本立てで、また
規模の大きなところでは在庫管理などにも使用していると思います。
PCの働き(メリット)は単純にみても、検索機能と計算機能だけは抜群と思っていますが、我々では
理解できないことも出てきます。それはハードとソフトのからみというか調和というのか連動性です。
ここで経理の仕組みの話しになりますが、複式簿記には資産勘定(左側表示)、負債勘定、資本勘定
(右側表示)と分けられます。
資産には現金・預金・商品・売掛金・・・なども大きな項目がありますが、これだけではおおざっぱ過ぎ
て細目については詳しく知ることは出来ません。そこで補助簿というHPでいうならば別の個人部屋み
たいな詳細表示の小部屋があります。
たとえば、普通預金を何ヶ所かに持っている場合
A銀行に10万円預金しました。 B銀行にも15万円預金しました。
この仕訳は以下のようになります
借方 普通預金/A 100,000 貸方 現金 100,000
普通預金/B 150,000 現金 150,000 となります。
金庫のお金が250,000減って銀行預金が合計で250,000増えて帳尻が合います。
つぎに
別の用件でB銀行から50,000円を送金しました(掛け仕入れの支払いのため)手数料は別扱い
借方 買掛金 50,000 貸方 普通預金/B 50,000
支払手数料 210 普通預金/B 210 となります。
ここでミスをしたとして、手数料の二重処理をしてしまいコンピュータ入力を二度やってしまったと
します。しかも/Bと入れなかった場合
借方 支払手数料 210 貸方 普通預金 210
これでもコンピュータは入力できてしまいます。ところが/B銀行という補助簿には入っていかず
普通預金の項目だけ登録され、あとから/A銀行、/B銀行の帳尻を見に行っても正しい数字が
表示されます。つまり総勘定元帳に210円が記帳されても補助簿の/B銀行には表示がされない
ためこういうミスがなかなか発見できません。この手のミスをやってしまったのです。
各補助簿が合っていれば総勘定元帳は合っていると思いますから二重入力したミスに気付かずに
決算を迎えることになります。
こうなるとどこでミスをしたのかわからなくなり、一つひとつ丹念に仕訳振替表と実際の入力した
画面を追いかけていくことになります。
作業時に「補助簿指定がありません」とかのコメントが出てくればこういうミスは防げるのですが、そこは
規格の市販ソフトの至らなさか、考えられていなかったようです。
ミスをしたのは自分なのですが、これで二日も後追いチェックをやってしまいました。
「ゆっくりでもいい、ミスがなければ・・・」とつくづく思うのでした。
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コラム591 2013年11月13日
とめどないニセ表示
10月22日のコラムに書いた「誤表示」から「偽装表示」に変わっていった事件は一ヶ月近く経った
今でもどこかで「やってました、すみませんでした」と頭を下げる謝罪場面が報道されています。
有名どころがほとんど名前を連ねているのですから消費者側ももうすべてのお店でやっていたのだ
ろうと判断して差し支えないと思います。
これだけあちこちでやられていたとなるとそろそろどこがどれだけ返金してその額はどのくらいになっ
たのかを知りたくなってきます。そういうことを調べて発表するメディアはいないのでしょうかね。
不謹慎ですが。
と言っている本日も、藤田観光・椿山荘などのグループで07年から18万食分にあたるメニューで
ニセの表示をしていたと発表がありました。もうどこまで続くのでしょうか。
今年の流行語大賞も「じぇじぇじぇ」は危なくなってきていますね。この分だと。
ネクタイを締めて「財務改善がどうの」とか言っている人と現場のズレがなぜ生まれたか。
答えは明白で最終的な客のことを忘れていただけのことです。
料理してしまえばわからない、ちょっとくらいなら味は落ちないしエビはエビだ・・・なのでしょう。
ビジネスだから利益を上げることは悪いことではないにしても、そこまで絞り上げて確保しなければ
いけないのかと思ってしまいます。大きいがゆえに組織で動くものの歪みには他人事とは思えない
やるせなさを感じます。
ブランド品であろうが町の小さなお店の商品であろうが「見極め力」がなければコロッと騙されてしまう
のですから、見る目は大事です。
同じことは住宅にもぴたっと当てはまるのですよね、これが。
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コラム590 2013年11月12日
秋田へ行ってきました
消費税のアップは世の中にかなりのインパクトを与えているようで、住宅資材の値上がりも徐々に
目立つようになってきました。いかにハウスメーカー・ビルダーが「今なら・・・」と煽っているかが
想像できます。
世の中のこれから家を建てようと考えている人も一時の流れに冷静に対応してもらいたいと思って
いるのですが、やはり煽られると弱いのですね。
現在はほぼすべての業者(基礎から塗装に至るまでの)について忙しい状態が続いています。
この状態は、要するに需要の先食いですから、必ず反動がきます。でも、そこは競争の世界、今
囲い込みをしなくては勝負に負けるとばかり、目いっぱい受注しようとしています。
全体のパイは同じなのですからその症状は必ず表れるし、前回の311の地震のときでもそれは
実証されているのですが「学習」にはなっていないようです。
そうは言っても、こちらもすでに見積りをしてしまったものに対しては、その額で実行しなければ
なりませんので、一部の仕入れ品については早めの調達が必要になってきます。
ということで、3ヶ月ぶりで秋田へ加工板を仕入れに行って来ました。
7,8日と二日間かけて2tトラックで往復1000kmを走ってきました。おりしも秋田に突風か竜巻かが
発生した日でした。
こちらを朝4時に出かけてあちらに着いたのは午後の3時でした。(高速は途中しか使いません)
早速、目的の品物を積み込みシートも掛けて雨対策もしました。
一時間ちょっとで市場を後にして今日の宿泊場所由利本荘に向かいました。
木材市場を出るときもけっこうな風は吹いていたのですが、7号線を走っていると徐々に雨風が
強くなってきて、ワイパーが効かないくらいの嵐になりました。ちょうどそのころでしょうか市内の
泉地区で突風か竜巻かが発生したとホテルについてからテレビのニュースで知りました。
我ながら、何十回となく秋田へ行っていますが、このようなお天気にあったのは初めてです。
宿泊したビジネスホテルは朝食だけがついている予約なので、その手前で夕食をとる予定でしたが
お店に入るまでに猛嵐のなかを駆け込んでみたものの半ビショ濡れ状態になりました。
翌日も雨は少なくなりましたが、かなりの風が吹きまくっていました。荷物を積んだトラックでも
気を許すと持っていかれそうな感じでした。
お天気は徐々に回復してきたものの途中で問題がありました。それは米沢・福島間にある栗子
トンネルの工事による片側交互通行の時間待ちでした。
ここは長いトンネルが二つもあり、どちらも2000mくらいの距離があります。これらを一方通行にして
中の工事をやるのですから待ち時間が半端ではありません。行くときにはそれを知らずに40分ほど
足止めを食ってしまいました。
帰りの山形市内に出ていた交通情報では待ち時間60分と表示されていましたので、荷物を積んだ
ままで60分はきついと思い、山形北から須賀川まで高速を使ってしまいました。
おかげでその分は早く帰社できたのですがその料金は安いものではありません。
いろいろなアクシデントがありましたが、しかしながら福島まで来るとお天気も傘なしでもいられる
くらいに落ち着いてきて、日本列島は南北に長いのだなあとあらためて思いました。
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コラム589 2013年11月05日
倉庫屋根修理
先日のその前の台風でやられた倉庫の屋根を修理しました。27・28号のアベックにもヒヤヒヤしました
が、何とか被害に遭わずに済んだのでもう大丈夫だろうと言うことで実施いたしました。
今朝方、専門の職人さんが来てくれて、昇降機のある建材倉庫から部材を運び入れ1時間ほどで作業
を終えました。さすがプロですね。手際が良い。
これでこれからの雨にも商品を濡らさないで済みますから安心できます。
ここは特にまわりに畑が多いので土のホコリが多いのです。これが木材の頭に降り積もっていますから
ここに雨が降られるとせっかく乾いた中身に土がというより泥がしみこんでいってしまうことになります。
こうなると少しばかり削っても泥ジミはとれません。
今回、飛ばされた部分の下の約2mくらいは木材を避難させておきましたので何日か雨は降りましたが
実害はありませんでした。
建物もかなり古くなってきていますので、またあの程度のクラスが来ると、どこかやられると思いますが
今年はもう来ないのではないかと思っています。
毎年、どこかで今までにないような規模の豪雨や土砂崩れが発生しています。こちらはそのような心配
は少ないのだけれども何と言っても風ですかね。
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コラム588 2013年10月31日
職人不足
いま建築業界では異常な状況が続いています。それは職人さん不足です。
消費税前の駆け込み需要もあるのでしょうが、どの業者(業種)を聞いてもヒマだという人はいません。
唯一、その風を感じないのは材木屋くらいでしょうか。(笑えませんが)
コンクリート型枠業界も例外ではありません。復興需要も重なり本来なら倍くらいの作業量があるはず
なのに、職人さん不足で現場が消化しきれていないのだそうです。
これが一昔前なら人を募集して事業拡大を狙っていく人は大勢いたのですが、その後のことを考えると
怖くて出来ないというのが本音だそうです。
結局は元請さんが目の前に仕事が出ていても手を出せない・・ということにつながってきて入札不参加
となり、多くの自治体でも再入札しても応募がないという状態が続いています。
行政も財政難から公共事業を4分の1から5分の1に縮小し続けてきました。その結果がリタイヤ・廃業
をする人が続々出てきて、最初のうちは民間事業に乗り出して息をつけた業者もそう長くは続かず
結局は倒産廃業が流れとなりました。
田んぼの米つくりと同じで休耕田にしたら再開するのに5,6年は最低でもかかると言われています。
しかし、建設業界はどこかへ転職した人たちが戻ってくると言うことは100%近くないと思います。
自然の流れとしては、今いる人数でこなせる量しか出来ないということになるのです。
木造の世界もそうです。何だかんだと言いながら坪あたり平米あたりいくらの単価でこき使って、次の
現場ではさらに手間がダウンすると言う、まさに外注と言う名を借りた下請けイジメともとれる扱いで
職人さんを殺し続けてきました。
一人前の技術を体得するには最低でも5年はかかると言われている職人の世界です。
弁当・怪我・道具はもちろん仕事場までの交通手段・燃料まで自分持ち、それで会社員よりもひどかっ
たら当然嫌われる職業になりますよね。
「職人殺すにゃ刃物は要らぬ、雨の三日も降ればいい」と昔から言われてきたくらいですから職人さんの
地位などというのはあってないようなものだったのでしょう。しかし、その職人さんたちを使い捨てにして
きた業界へのツケがここまで早くまわってくるとは思っても見なかったのだと思います。
営業マンがいくら優秀であってもやる人がいなければタダの絵です。住宅を単なる売上の数字でしか
見てこなかった業界の高いツケがこれから展開することでしょう。
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コラム587 2013年10月28日
勝負に勝ち、利益も上げろ
企業って大きくなればなるほどお客さんを見なくなってくるんですね。しかし、もっとひどいのは
従業員も見なくなっていることでしょうか。
先日、阪急阪神ホテルは食材を変えていたのは誤表示だと言っていましたが、ここへきていよいよ
ダメだと思ったのか、偽装という言葉を使い出しました。何を今さらと思いますが、どこまでも尻尾切り
で通せるのではないかと思っていたのでしょう。
でも、世間の目はそう腐っていません。これだけのことを一個人が出来るはずもなく、組織で動かなけ
れば7年以上も続けられるはずがありません。これは誰かがチクったか、多分内部告発だと思いますが
一昔前ならその告発者が吊るし上げられていました。今回はまったくその発端(言い出した人)は出て
きませんから時代は変化してきたと評価できると思います。
この会社はこれから大きな代償を払うことになりますが、これと同じことが他の業種でも多く行なわれ
ていると思います。今我々が生きている資本主義の世界は需要と供給でバランスが取れるような
仕組みになっています。
受け手側(消費者)の数が一定なのに供給者がそれを上回れば買い手市場になり余分な供給量は
淘汰されます。そのされる領域に入った事業者は撤退・倒産・廃業と自然に押し出されることになります。
誰だって排除されることになればすべてが困るわけですから、必死になって生きられるスペースを確保
しようとします。
1人親方なら全責任は自分ですが大きな組織となれば今回のような「部下がやったことで」という言い
訳が最初に必ず出てきます。でもそれは組織の卑怯な責任回避であり、仕向けておいて責任はとらな
いと言ったどこかの宗教集団と同じことをやっているわけで、アホな愚策でしかありません。
大きいから入ったという人も、大きいがゆえに歪みが出ることを認識しておく必要があると思います。
これからの就職時には、その会社は世の中で何を目指しているのかどういう強い立場にいるのか
どのくらいまで持続できるのかなどを選考条件に入れるべきだと考えます。
これって何にでも共通することだと思いますね。結婚もそうかな。
相手に求めることばかりしていても、たとえ一度や二度はそれに応えてくれたとしてもずうっと要求され
続けたら息切れしてしまいます。自分がされていやなことは相手にもやらない。これ、基本だと思います。
還暦過ぎて気付いてもちょっと遅いですけどね。
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コラム586 2013年10月25日
915年前の木
奈良市登大路(のぼりおおじ)のお寺から発見された将棋の駒が話題になっています。
どのようにして現時代まで保たれてきたのか気になります。
報道によれば、役目を果たした井戸を埋めるときに一緒に土器や瓦とともに約3.7mの所に捨てられ
たのか、埋められたのかは定かではないですが、平成の時代まで消滅せずに残っていたのは
驚異というべきか奇跡と言うべきなのでしょう。
大きさは25ミリ×15ミリと言いますからけして大きな木片ではないのですが書いてある文字まで読める
と言うのはほぼ完璧に残っていたということになります。
1098年の埋没から915年もの歳月が流れたのに自然の条件と言うものはすごいなとあらためて思い
ます。
地中ですから若干の水分はあったと思うのですが、酸素がまったくなかった、よって腐朽菌が繁殖
できなかった・・と考えるのが妥当でしょう。
この腐朽菌が育たなかったという条件はもうひとつあって、乾燥していれば条件が揃わないので
同じように腐らないということがあります。
乾燥というのは空気がいつも動いていて湿気を持ち去るということです。湿気っぽいという条件を作ら
ないことが大事なのに、今の家は反対のことをやっています。それは基礎パッキンのこと、小さな
デザイン窓、空気(湿気)を通さない壁のことです。
基礎パッキンは確かに数字の上では理論があうのですが、現実はそう甘くはありません。
説明理論では風がすうすう通り抜けるかのようにかかれていますが、完成したときには土台水切り
という部材がかぶさってきますから計算どおりに空気は動かないのです。それに足してクモの巣と
ほこりです。彼らは空気の通り道に巣を張って虫を捕まえようとします。そこにかかるのは虫だけで
はなくホコリも引っ掛かるのです。
そうなると理想の計算など吹っ飛びます。その先はどうなるか、床下が淀むだけです。
空気が動かないということは、カビが生えダニもついて回るということです。こういう家が果たして
優秀なのでしょうか。
もうちょっと木のことを理解していれば、どうやったら長持ちさせられるのか簡単にわかるはずなの
ですが、コストを下げることばかりに注力して本末転倒のことをやっています。
お断りしておきますが、私の言う「木」というのは集成材は入っていません。これはもう工業製品です。
どこかのハウスメーカーでは営業マンにムクの木だと教えているようですが大阪のホテルと同じように
偽装です。誤表示などではありません。
915年を経て将棋の駒一個からいろいろなことを勉強させてもらいました。
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コラム585 2013年10月24日
誤表示と偽装の違い
誤ってという意味は、本人が気付かずに・・・というニュアンスで受け取れるけれども、7年間も
気付かないなんてことはバカか偽装かのどちらかです。
一流と言われるものがガラスかダイヤモンドかを気付かずに提供するはずがありません。
これは明らかに偽装表示で公正取引委員会が動き出して当然です。
そうでなければこんな組織はいりません。
一個人が組織のために食材をごまかしてまでやれる力があるでしょうか。それではその上のものは
何のために存在していたのでしょうか。給料のタダドロボーと言われても仕方がありません。
マスコミも柔らかくかばうような言い方をしていますが、これはれっきとした犯罪です。
騙して金を取るのはりっぱな詐欺罪です。
社長が減給するようなことで済むことではありません。このことに至らしめた組織の問題なのです
から全員で責任をとれと言われても反論できないと思います。
司法取引ではないですけれども、これを告発(言い出した)人は減刑としても、圧力をかけた人、
指図した人、黙って従った人、7年間も見抜けなかった人は重い罰を受けるべきです。
いちいち、食べた人には返金をしますなどという様な事などやらず、別の方法で社会的ウミを出す
方法のほうが良いと思います。そこから得た報酬は国が没収して世間の戒めとする。
食べてしまった人は立派な建物の償却費を負担したと思って諦めたほうがよいと思います。
それにしても、人間のベロメーターなんてアテにならないものですね。
もうひとつの不思議、誰が告発したのか言われていませんねえ。
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コラム584 2013年10月23日
大手・・・だからこその裏事情
大手は数をこなします。ゆえにその中身のバラつきをなくするために裏の努力をします。
大きなイベントをするためのPRチラシひとつとっても○○産の何とか、ご奉仕価格○○円などと
宣伝します。大手ゆえにお客さんがたくさん来ないとメンツがたちません。
中でもメインの柱にしようというようなものは大変です。数がなければ売り切れでブーブー文句を
言われます。お湯をかけて三分で出来るような物は別として、年数をかけて育て熟成するような
ものはおいそれと間に合わせるわけには行きません。
売り手側の構造は支配するものとされるものの関係にあります。後者は良いものを持っているが
集客力がない。ゆえに大きな組織を頼る。
支配する側は強い立場を利用して頭をハネ、目標の数字を押し付ける。
これは社内の組織の中でも同じことが行なわれており、イヤならダメなら出てゆけ数字がすべての
世界だと言い放ちます。
こうなると誰のために仕事をしているのかわからなくなります。顧客のためではないことだけは明白
です。
数字を示し命令するもの、指示に従い実行するもの、数字を達成しないと自分の身が危なくなるから
わからない所でつじつまを合わせようとする気持ちが生まれる。それをやってちょっとの差は埋まるが
次にはもっと過酷な数字が言い渡される。一度やったら二度も三度も同じこと、消しゴムひとつだけの
万引きから始まる大ドロボーの始まりと同じ。
かくして、その内容は水面下でどんどん広がってゆき、止められなくなる。
「もう、あまりにもひどすぎる」というところまで行って、やっと内部告発というところへいく。
何が原因か良く考えてみたい。
ちょっと前のイオンの弁当用米の問題、今回の大阪阪急阪神ホテルの偽りのメニュー、すべてに
共通することは「お客の顔」が見えなくなっていることです。
やった本人は間違いなく悪いが、それだけで済むことだろうか。その温床を作ったのは誰か。
自分なら食用にしてはいけないという加工用の米を食うか? やった組織に聞いてみたい。
やっていることは中国と同じレベルだ。
圧力と結果要求、わからない所での処置、大手と下請け・・・このことは住宅業界にも残念だが
そっくり当てはまることだ。
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コラム583 2013年10月22日
大手だからできるのか
大阪の有名ホテルで7年以上もごまかし料理を出していたと報道されていました。
「鮮魚のムニエル」は冷凍品、「くらげのレッドキャビア添え」はトビウオの卵、「手こねのハンバーグ」は
既製品、沖縄産の豚はそれ以外の地域を用いていたといいます。
まあ、これが中国ならちょろいという程度で済まされるのでしょうが、一流の・・・となるとそうは行かない
でしょう。食べた人が異議を唱えてわかったというなら日本人の舌も本物だと言えるのだろうけれども
これはきっと内部告発に違いないと思いますね。
一流というのは他の人が評価として言う表現方法ですが、日本の場合は自分で言ってしまうところが
あるから面白いです。
住宅もまったく同じことですが、「匠・たくみ」という文字を平気でつける会社があります。それはともかく
やはり、偽装はいけない。
正確に言うと、・・・が運営するホテルに入る23の店舗でとなっているから、まったくの直営ではない
のでしょうから、100%の責任ではないにしても看板に泥が塗られたことには間違いないと言えます。
最近は冷凍食品も実に良く出来ているし。
先日、テレビCMで渡辺篤朗さんが一流レストランのような所でいいニオイがしてきたところでチン、
「あれっ、今、チーンって鳴りましたよね」というのを見ていて、つい笑ってしまいましたが、あれと
大して変わらないのかという思いです。
いまではポピュラーになったファミレスではセンターキッチンで調理したものを各店に配って温めて
出すと言う方式も企業努力としては当たり前になってきたという所なのでしょうが、一流ホテルでは
さすがに偽装表示はいかがなものか・・・でしょう。
米なんかは魚沼産のものが実際の生産量の十倍くらいになってしまうというから、最初から信じて
いないけれど、一流レストランではねえ。
延べ7万人以上の人が対象らしいですけれど、ホテル側では食べた人に返金すると言っていますが
そんなことしたら大阪のあばちゃんたちがわんさかと押し寄せてしまうのではないでしょうか。
教訓
しっかりとした舌に自信のある人しか一流と言われるところに入ってはいけない。
住宅も同じ
質を問うなら、基礎的なことは理解して一流と言われるメーカーに行くべき。
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コラム582 2013年10月18日
台風被害・・屋根が・・A
雨風の強かった今回の台風は各所で被害を出しています。
伊豆大島では二か月分の雨が一度に降ったという記録的な豪雨でした。
まだ行方不明の方が大勢いらっしゃるとのこと、心よりお見舞い申し上げます。
さて、飛ばされた屋根組みを引き揚げるところまでは何とかやれたのですが、瓦礫となったスレートの
破片はあちこちに散乱したままでした。昨日はまだ雨降り直後でしたので一部はゴム長がドボっと入る
ような場所もあり、大きな破片を回収するだけで精一杯でした。一夜明けていくらか動きやすくなった
のでその作業を朝から行ないゴミ袋半分ほどの量を回収いたしました。
一部はかなり土にめり込んだ状態のものがありましたが、ほぼ回収が出来ました。
これらの破片が残っていると作業機械の刃をダメにする恐れがあるので一生懸命探しました。
お隣の農家の方にも状況を見てもらって了解をいただきました。
何はともあれ、他人様への人的な被害にならずあらためて胸をなでおろしております。
と言っている間に、今度は27号の発生とか・・・クワバラ クワバラ。
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コラム581 2013年10月16日
台風被害・・屋根が・・
今年は台風の当たり年だって誰かが言っていましたけど、外れてないですね。
私らの商売は、特に製材工場を抱えていると南面に大きく開口しているので、通過する方向で
被害の大きさが違います。
今回の26号は茨城の東海上100kmほどを通りましたので栃木側を通られるよりは良いはずだった
のですが、規模が違ったのか、予想外の被害が出ました。
二年前まで休憩所として使っていた8坪くらいの建物の屋根が見事に煽られました。
朝方、少し遅めに事務所に出てきたら、南側の畑になにやら鉄骨が見えるのです。
「おかしいな、丸太止めとは違うし・・・」とよく見たら、何と休憩所の半分の面積の屋根がそっくり
ひっくり返って畑に落ちているではありませんか。
C型鋼をあわせて角柱にしコンクリートに埋め込んだ構造の建物でした。長い間に足元がボロボロに
なり、ただ置いてあるだけの状態になっていたものと思われます。
今は使い古したダンボールとか子供会に出す資源回収の新聞とか置いてあるだけのものでしたが
風の吹いたタイミングがぴったり合ってしまったのか、スレートが葺いてあるあれだけの目方(重量)
のものがふわっと浮き上がってしまうのですからすごいものです。
朝のうちはまだ風雨が強かったので、撤去はあきらめ、しばらく様子をみました。
昼近くになって風もおさまってきましたので、倉庫からユニック車を出してきて、自重を増すため
ボディーに木材を積んで、休憩所脇の舗装部分にギリギリにとめて、ブームを最大に伸ばし何とか
ワイヤーで吊り上げることに成功しました。
畑はまだホシイモ用のさつまいもが収穫前でしたので、すぐ前の農家の方へお詫びに行ってきました。
よく、テントが吹き飛ばされたとか聞きますが、引き揚げてみて、よくもこんな重いものが吹き上げら
れたものだと、ぞーっとしました。
これが、同じ場所に民家でもあったら・・・と思うとさらにぞぞぞーっとしました。
建物は意外なところで傷みがきているものだということがあらためてわかりました。
オー、もう来ないで欲しい。
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コラム580 2013年10月15日
今時の建物の特徴
今月も予定通り勉強会を開きました。
ちまたでは運動会なども行なわれていてお忙しい中、18名の参加をいただきました。
有難うございました。
テーマは「工法」ということで、今世間で行なわれている多くの建物の作り方のその違いをお話しいた
しました。
同じ木造と言っても、今の住宅は完成したらどこの建物も同じように見えます。
それは木造ばかりではなく輸入(ツーバイフォー)住宅も同じようなものです。
デザイン性が優先され気候環境の配慮がなされていない。
どの家を見ても屋根の軒が出ていない。
しゃれた縦長の窓が多く、通風を考えると不足感がある。
相変わらずの石こうボードの使用は変わらない。
基礎にはほとんど樹脂パッキンが採用され床下通気は不安が残る。
床・壁・屋根にも合板が多用され呼吸性がなくなっている。
家が燃えないことが優先され有毒ガスを発生させることは触れない。
鉄筋コンクリートの建物も例外ではありません。
先日の福岡火災でも多くの人が亡くなりました。
その報道は「有毒ガスを吸って・・・」です。人が亡くなって建物が残ってどうする・・と思うのですが
依然として防火=燃えないことで、人が死ぬことは別物なのです。
今の時代、工法が素材を左右するということが多くあります。工法によって簡略化される(する)ために
どんどん素材が変化していくのです。しかし、その隠れた危険性は行政もわかっていながら何の対策
も見出していません。
揺れるという地震に対しての考え方も、行政の評価はすべて数字で判断されています。つまり
数字の高いものが優秀だという間違ったものの考え方をしているのです。
私らが小さいときから鉄筋コンクリートの建物は強いんだと思ってきました。
ところが3.11の地震ではその建物が一番被害を受けたのです。もちろん直近の建物にはほとんど
被害がなかったようですがヒビ程度のものは無数に出たはずです。
今回の地震で硬いものは強いという定説は崩れました。
木造の建物も例外ではなくだんだんと鉄筋コンクリートの性質に近づいてきています。それは面です。
「しなり」という言葉がありますが、これは木と木を組むから出来ることです。
そのせっかくの木組みを殺しているのが「面材」です。面だけに横方向の力には確かに強いように
見えますが強いがゆえに弱点もあります。
一切動かないというと「ゆるみ」もなく、一瞬の遊びも出来ないのです。つまり、地震のエネルギーを
分散することなく一気に受けるということです。
そうすると地震エネルギーは留めているところに一気に乗りかかります。
急に動かされるのも急に止められるのもすべての反動が釘にかかってきます。
何度も何度も余震があったあの地震ではかなりダメージを受けた建物が出たはずです。
それもこの時点では確かめるすべもありません。
長期優良住宅でも中身は同じことですから性能が高いなどとは思わないほうが良いでしょう。
数字が高いからイコール良いものだという構図は当てはまりません。
その辺をどこまで感じていただけたか・・・ですね。
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コラム579 2013年10月08日
木材利用ポイント
大風呂敷でスタートしたこの制度は、我々の世界ではあまりにも認知度が低く、8%消費税の駆け
込み需要のほうがはるかに世間を騒がせているようです。
林野庁の思惑と世間のそれは大きなズレがあり、外国(特にカナダあたりから)猛反発を喰らっています。
どちらの言い分が正しいのかと言うことは別の問題としてさておいて、国内供給率が20%を割って
しまった国産材を引き上げるための補助金バラマキ策であることは間違いありません。
国民の個人的財産形成に関係することには税金は使わないつけないと言ってきた国なのに、最近は
平気でポイントという言葉を使い短期的な刺激策ばかりやっています。
木材利用ポイント・・・、この言葉には国産材の木材という意味がありますが、合板でも集成材でも
木屑圧縮材でもストーブの燃料まで含まれ、要するに国産の木を使ったものなら何でもありという
ことで進められています。
どうも私にはこのことがなじめません。
要は外国産をやめて国産にしなさい、おまけをやるから・・・と言っていることです。
こうなると林野庁のメンツしか見えてきません。
裏には総理の言った何年か後には50%に引き上げると言った命令が出ているのでしょう。
これではカナダが黙っているはずがありません。40年以上も国策をおろそかにしておいて、急に
補助金で逆転しようなどと出てくるのですから。
TPPが始まる前に何とか数字を作り上げてしまえという魂胆が見え見えです。
これだって何百億かの金がつぎ込まれているわけですから、8%に上げなければならないと言っている
バックでこんなことが行なわれていて官僚は何を考えているのかと思います。
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コラム578 2013年10月07日
都合の良いことばかり考える徴税
いよいよアメリカ財政事情が悪化してきて為替市場もドル売り円買いが強まってきていますが、
私は円を買うどころの話しではないと思っています。同じように日本だって火の車なのに、どこに
そのような要素があるのか不思議です。
この期に及んでも政治家は景気を後退させてはならないなどと他人事のような話をしていますが、
最近になって総理大臣も「身を切る覚悟」を国民に知らせなければならないと、国会が開かれる
ときに出される日当みたいな手当てを削ろうと言い出しました。それが6000円程度のものですから
この人たちの身を削るという意味はこんなものなのかとあきれます。
財政が逼迫してくると滞納税の取立てや新税の発案も次々と出てきます。もうどこを探してもとるもの
がないとなれば、新しい手口(犯罪みたいだけど)を考えます。もうとっくに考えているでしょうけど。
税収というのは利益の出ているところからとるものと、利益・損に関係なくそのものにかかってくる
税とがあります。以前の経済成長期と言われた時代には前者だけでも充分に税金が上がってきた
わけですが、デフレ・不況となるとほとんどアテにできず、額も大幅に減ってしまいます。
過去に企業会計のなかでは、買った土地や株などの資産計上も簿価のままでよかったですが、企業
会計原則というもの解釈を変えてしまってあがった時点で利益とみなす方式に変えてしまいました。
これだと何年かにわたって保有していた場合、現金が増えたわけでもないのに利益が出たと同じように
税金を払わなくてはなりません。
それは良いときだけに通じる策で悪くなると役立たずです。逆に弊害も出てきます。
資本比率のすれすれな会社では評価額が下がっただけで債務超過とみなされる場合も出てきます。
たとえ、運転資金がショートしていなくてもです。
そうなると会社と国は困ります。
世間の評価の乱高下で業績には関係なく会社の成績が左右されるからです。
いい作戦だと思われた方式でも下がるという計算違い想定外が出ると予定が狂ってしまいます。
何が何でもあがり続けてもらわねばならないのです。だからインフレ対策なのです。
なかでも国が一番税金が上がらなくなり台所が困ることになるからです。
ですから彼らは何とかしてとりっぱぐれのないようなところを探して搾り上げることを考えるのです。
発泡酒もそうでしたし、軽の自動車税をあげろというのもそうでした。
そうしておいて、企業献金や寄付金の多い企業に飴玉をあげるようにして選挙のときの波風を
立たないように心がけているのです。
こう考えると企業減税をすすめようとしている本音がわかります。
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コラム577 2013年10月04日
債務上限って?
「もう、これ以上借金はだめです」
「いやあ、ないと困るんだ・・あんたも」
借りてきてでも輸血しなければならなくなっているアメリカの台所事情は、日本と同じように致命的
になってきています。
ただ、ふところがデカイだけに、後戻りできない、いわゆる前進のギアしか持ち合わせていない車の
ように突き進むしかないわけです。
ヨーロッパも同じようにスペインでは大手不動産会社の倒産が4500億円だと言いますから半端じゃ
ないです。
景気回復・経済成長と目先のことばかり考えていると、いつかはやってくる「破綻」に疎くなりますが
どこへ行くでもない借金が黙っていて減る訳もなくある日突然ガバっと牙をむく時が来ます。
その食われる先というのは日本の場合は国民の預金であり、紙で出来ている諸々の権利、つまり
債権であり証券と言うことになります。
そうなると、国民はどのように防衛すれば良いのか。紙のお金の及ばないところで生活するということ
になるのでしょう。
戦後、紙幣である「お金」は紙っぺらになりました。新円切り替えなどという「今までの蓄積財産が急に
ゼロ」となった経験をしているのは今の80代の人しかわからないでしょう。
そういうこともほとんど経験したことがない我々は、どこの国の出来事と気にも留めていないでしょうが
何年か後にその体験をすることになると思います。
何か、アメリカのデフォルトがここへきて急に現実味を帯びてきました。
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コラム576 2013年10月03日
出来心ってどんな心?
他人のカバンや財布から現金やキャッシュカードを抜き取って後日逮捕された容疑者が、言っていた
言葉に「つい、出来心で・・」と、あるのですが、どうもしっくりしません。
飢えに飢えて、何かを口にしなければ死んでしまうという状況で、目の前に食料があったから・・・
とか、他に手段がなくそれに手をつけるしかなかったという場合になら何となく理解できるのですが
お金にも困っていない、飢え死にするわけでもないのに、「出来心で・・」とは言い訳にも何にもなら
ないと思います。
有名人の息子だから大きく報道されたのでしょうが、過去にも女優の息子がお金だけ預けられて
育てられ(世間から見れば)見事なドラ息子になったという話しがありました。
つい先日も、18歳の男が免許をとって一年未満でフェアレディZを乗り回し、揚句の果てに小学生の
集団登校の列に突っ込む事故を起こしました。これも本人が自分の背丈の生活をしていればこうは
ならなかったかもしれないという思いがします。
この男子を育て車を買い与えた親がいるからです。
生まれたときにはみんな同じ純心な赤ん坊だったのに、何が違ってきてそうなったのか。
やはり、親だと思います。
この場合は親の責任9割だと思いますが、前者も9割だと思います。
成人だから名前も出たでしょうが、この息子たちも未成年までは良い子で青年になったらいきなり
素行不良になったわけではありません。
そういうドブに漬けて育てた親がいるからそうなっただけです。
未成年なら許される・刑が軽い・名前が出ないなどがありますが、やった罪の大きさは同じなのです
から、これこそが親の名前を公表し連帯責任とすべきです。
やられた被害者の側から見れば当然のことでしょう。
出来心で・・などと言わせる息子も甘えしかなく、言葉に対して失礼だと思います。
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コラム575 2013年10月02日
やってしまいました
人間、習慣とは恐ろしいもので、毎朝通勤している道路で左折する交差点があるのですが、昼間
仕事で同じところを直進で通過するはずなのに、信号待ちをしていて無意識で左折のウインカをあげて
いたのです。
幸い、私は二番目の信号待ちで前の車も直進でしたので、対向車(右折する車)からは私のウインカ
は見えない位置でしたので、交差点の真ん中あたりまで行って、はっと気付き方向指示器を戻しまし
たが、すぐ後の小型トラックは左折していったので、「こいつは何という運転をするのか」と思ったに
違いありません。
以前に逆の立場で、信号待ちの対向車が左折のウインカをあげていて、私は右折の待ちで先頭に
いたとき、青になったら対向車が曲がらずまっすぐ進行して驚いたことがありました。
あの時、曲がるのだなと思い込んでこちらが動き出していたら完全にドカンとなっていました。
そのときもヒヤヒヤしましたが、まさか自分がそれをやってしまうとは思いませんでした。
年齢のせいにはしたくないですけれど、こういった単純ミスが大きな事故につながることは想像できま
すので本当に注意していないと周囲に迷惑をかけてしまいます。
しばらくしてから「冷や汗」が出ました。
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コラム574 2013年09月26日
食品には敏感なのに
ここ数年経済成長率が鈍ったといわれている中国で一番トレンドな話題(といえるかどうか)は
ガンの村でしょう。
静かな農村地帯に工場がどんどん出来て工場廃液を垂れ流してひどい環境汚染を引き起こしている
にもかかわらず、何の対策もとられないで、その水を利用して農業をしている住民たちに起きている
恐ろしい出来事です。
以前の水俣のような悪劣な環境の中で情報も出せない貧しい人たちが悲鳴をあげています。
先日もイギリスで中国人の富裕層の人たちが粉ミルクを買いあさっていて品物が足りないという
ネットニュースを読みました。野菜においてもしかり、野菜専用の洗濯機まであるとか。
冗談だろうと思いたいですが火のないところに・・・という言葉もありますからまんざらウソでもない
のではないかと思います。
ちょっと知識とお金のある人たちは自国の製品は危なくて使えない(食べられない)といい、より
安全な外国製のものを手に入れようとします。こういう状況を見ていると臭いものにフタをしながら
続けている「経済成長」にいずれは終わりが来ると思っています。
これはとなりの中国の話しですが、けして日本も例外ではありません。
私らこの住宅業界にいて「住宅」が一番危ないと思っています。
「そんなバカな」「そんなことにはならないだろう」と信じている人ほど危ないと言えます。
その根拠は確かにあります。
もう何年か前になりますが、F☆☆☆☆(フォースター)という表示が使われるようになりました。
マークだけ見ていると何か立派な完璧さを感じてしまいますが、中身は貧弱なものでしかありません。
問題はその中身で、どのように決められたかということにあります。
ゼロ(まったく含まれないものを望む人)・・・・・10(従来から製造している建材で現状を主張する人)
要約すると
ゼロ支持者の意見・・化学物質はゼロでないと意味がない
製造者・・・・・・・・・・石油を使う限り揮発ゼロというのは不可能だ
仲裁者(国)・・・・・お互いに出来ないことを言っても意味がない、真ん中に歩み寄れ
で、決まったのがフォースターの数字です。これってほとんど意味のない妥協だと思いませんか。
そして、F☆☆☆☆(フォースター)という水戸黄門みたいな印籠が出来てしまいました。
これは新建材・合板で作る住宅メーカーにとっては好都合な決め事です。
「F☆☆☆☆(フォースター)ですから安心です」という宣伝文句を使えるようにしてしまったのです。
これによって、まがい物の安全住宅が世にどんどん出るようになりました。
その隠れた被害者はもちろん居住者・建て主さんです。
スーパーで買物をするとき、これは中国産かどうかチェックする用心深さを持っている人でも、住宅と
なるとコストカット優先の不適格なものに簡単に手を出してしまうのですね、これが。
一個数百円のものに神経を使って2000万円のものは値段だけ・・・それでいいんですかね。
中国のガンの村とレベルが違うだけでやっていることは同じです。
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コラム573 2013年09月25日
中身が違ってしまった木造住宅
こういうタイトルを書いても皆さんは「木造は木造、ツーバイはツーバイ・・・」とお考えでしょうが
それがそもそもの誤解なんですねえ。 それは建てられ方にあります。
ツーバイフォーの建て方
土台を敷くのはまあ木造と同じかな
次にやることは床を作ること(この構造がどうのとかは省きます)
次は壁を作ります
そして、二階の床を作ります
また、壁を作り
最後に屋根が出来上がります。
最近の木造住宅の建てられ方
土台を敷きます
床を作ります
1F2Fの柱を立てたらすぐ二階の床を作ります
そして屋根部分を作ります
同じでしょ、どちらも。
両方とも屋根を最後に作るので当然のように雨に見舞われます。2〜3度ほどは当たるでしょう。
そして、木造では瓦が載るかどうかの前に面材というスジカイの代わりになるものを打ち付けます。
この面材は合板もあり鉱物系の素材もあります。(それは論議のそととして)
床も壁も面で覆われているところはまったくツーバイフォーと同じです。
関西の地震の時にはハウスメーカーはこぞって「木造は潰れた」と宣伝しました。
いまではその宣伝威力もネタが同じですから使えません。良し悪しは別としてです。
こうして、木造住宅は省力・耐力壁の名の下に中身が180度変わってしまったのです。
木造と言いながらも壁工法と同じ作り方になってしまったので、「一応木造ですが」という断り書きが
必要になってしまいました。
使われる素材も何でもありになりました。
土台に目の粗い米松・・・昔はそんなこと考えられませんでした。
柱はもみ系の集成材・・・
横架材には欧州赤松の集成材・・・
床も屋根も合板だらけ・・・
内装は石こうボードにビニールクロス・・・昔はそんなこと考えられませんでした
これで病気にならないほうがおかしいです。
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コラム572 2013年09月24日
肝心なときに・・・
いまは大抵の車に「カーナビ」がついていて、どこへ行くにも地図がいらない時代になりました。
最初から組み込んだものなら純正品が多く、問題も少ないと思いますが、私のは後付けタイプの
(あまり名前の知られていない)ものでした。
まあ、性能が変わらなければどこのものでも構わないというのが根底にあって、いまここでどこの
メーカーなのと聞かれても即答できないようなレベルです。
普段、近所を走り回っているときにはナビは不要なのでほとんど電源を入れたことはありません。
先日久々に遠出をすることになりナビを使ったのですが、途中で困ったことになりました。
フリーズしてしまったのです。
迂闊なことにそれまで携帯していた紙の地図帳を持っていかなかったのです。
曇っていて、方向性もわからないし、雨も降り出してきてちょっと誰かに聞いてみようという状況でも
なくなってしまいました。それでもおおよその方向を見極めて走っていくと道路標識も出ていたので
大きく方向を間違うことはありませんでしたが、あのときの「しまった!」という焦りは久々の体験で
した。
パソコンもそうなのですが、便利に使っているだけにストライキを起こされたときには反動がきつい
です。今回のナビもフリーズするなんて思ってもみませんでしたから、なってしまって慌てました。
何事も頼り切ってしまっては危ないという戒めでした。
その後も怠け癖がどうなのか市内走行でもチェックしていますが、ときどきお休みしてしまいます。
修理するといっても私には理解不能の電子分野ですからメーカーにチェックしてもらうしかないと思い
ますが、せめて、どういう状況で症状が出るのかくらいは突きとめてみたいと思います。
「そろそろ二時間になります、休憩しませんか」などとアナウンスが出るのですが、言うだけじゃなく
自分で休んでしまうんですから手に負えません。
「おい、ちゃんと働けよ!」
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コラム571 2013年09月20日
局所的考え
先日、安倍総理がオリンピック誘致で「原発問題は完全に0.3平方キロでブロックされている」と
発言したことについて各地で異論がおこっています。
そんなはずはないだろうと思っているところにこの「ブロックされている」の言葉ですから、ほとんど
信じられません。
ニュースではあちらもこちらも漏水だの地下水がしみこんでとか、解決されていないことばかりを
聞かされます。
現況の融け落ちた燃料を処理する手立てもないまま、どんどん汚染水ばかり溜まっていき、やがて
垂れ流し状態になり、どう転がっても収拾がつかないとなり、またもや海に放流することになると
想像しています。
現場の状況を伝えるメディアの発信量がここのところ減っている気がします。
現場知識も素人に近い総理が行ってどういうことを話すにしても説得力に欠けるとしか受け止められ
ません。ただ目立とうとしているだけなのか、臭いものにフタをするためなのか、いずれにしても
5,6号機の廃炉を要求すると言った内容では現場は何も変わっているとはいえません。
いま、日本はこのほかにも致命的な破綻要素を抱えています。それはケタ違いの借金です。
これに各国の売りが浴びせられると国内の保有者も追随することになるはずです。
そうなると、日本の金融は連鎖的に追い込まれることになります。
イヤだなと思っていたことがすぐ目の前に来ているのに不気味です。
前代未聞(戦争以外の要素で)のオリンピック中止ということになるかもしれません。
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コラム570 2013年09月17日
台風の爪跡
今回の台風は京都・滋賀・岐阜・福井に特別警報が出るなど洪水・浸水・突風被害が各地で
出ました。幸いにして当地では大きな被害は出ませんでしたが、茨城県北部では床上浸水も出た
ようで心よりお見舞い申し上げます。
なぜ、最近になって局地的な大雨・洪水が多くなったのか、これは専門家の方にお任せするとして
被害にあいにくい環境を心がけるということが最近少し軽視されているのではないかと感じることが
あります。
原発も危ないぞと言ってくれた人を尊重し、その主旨に沿って堤防を作っていたならこの結果には
ならなかったはずですが、それらが「そこまでやる必要はない」という意見にかき消されてしまった
からこうなってしまったのです。いまさら過去形になってしまったものを言っても始まらないのはわかっ
ていますが、結果から言えばそうだったはずです。
確かに、「結果」から何かを言うのは簡単ですがその想像をすることは悪いことではないと思います。
起こってしまったことは戻せない・・・、でもこれから未来のことは防げるという考え方を大事にして
いけば、被らなくてもよい被害もあるはずです。
竜巻など、どうにもならないものは別として、こうなれば次にこうなる・・・と想像できるようなことで
あれば、それを回避することは出来るはずです。出来ることと言えばそのくらいですが、やらない
よりはやっておいたほうが良いと思います。
あの河川があふれたらどこまで水がくるのか、あのがけ・山が崩れたらどこへ土砂がくるのか・・
などです。すでに建ってしまっている建物は動かしがたいですが、これからの建物なら何とかなる
はずです。
何か今日のコラムは説得力に欠ける文面ですが、趣旨をくみ取って頂ければありがたいです。
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コラム569 2013年09月13日
もうすぐお彼岸
残暑がまだまだあるとは言え、暑かった夏も峠を越え、虫の鳴き声が聞こえ出しました。
太平洋の南には台風も出来て、週末からお天気が悪くなるようです。
直撃通過にならなければいいのですが、お天気のことですから何ともなりません。
先日、オリンピック開催が東京に決まったとの報道で、各業界思惑が飛び回っていますが、
開催時期が7月だとか言っていましたから、このクソ暑い東京でしかも7月では暑さ対策は
どうするのだろうと思ってしまいます。
以前の東京開催のときは10月の体育の日だったと記憶しています。
これとはまったく気候条件が違うのですから、悪い予感がするというのは私だけではないと
思います。
日本人の悪いクセでしょうか、やるとなったら「経済活性化間違いなし」と関連株もポンと
あがるし、建設業界もたくさんの設備が新築・増強されるから大歓迎だと言っています。
それもこれも手持ち資金が余っていてやるわけではなく、ほとんど借金です。
どちらがどれだけのお金を負担するのだかわかりませんが、日本の借金が減る方向にいかない
のは間違いありません。政治も今、目の前のことしか考えません。
何かというと景気回復ですが、借金はどうすると言う人は皆無です。
経済というのは何かの波に例えれば電気の性質に似ていると思います。
瞬間的に電圧を高くすると、山も高くなるけれど谷も深くなり、電流を流しすぎると熱を持ち
早く消耗する・・・何か「言い得て妙」な表現方ですが外れてもいないと思います。
政治はとうの昔に4流5流に成り下がっていますが、それでもしっかり借金の額だけは上がって
いっています。この素晴らしい上昇曲線を何かに例えるなら大型積乱雲でしょう。
ぐんぐん上って、最後はドカン・ゴロゴロピッシャン・ドドドと大量の雨と土石流・・・、ひどい仕打ちで
地上に返してくる、つまりデフォルト・踏み倒しです。
それでも、彼らは相変わらず「全力を尽くし、経済を成長させて参ります」を連呼しているのでしょうね。
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コラム568 2013年09月11日
処理できない廃棄物
「おぬし、この責任をどうとるのじゃ」
「ははあ、この件につきましては私めの命に代えて・・・」
とは現代社会はいかないようで、周辺の自治体では除染された「もの」は行き場がなく、仮置きと
いう、何とも理解できない形のままで八方塞状態です。
国としては、各自治体で出たものはその中で処理するという基本方針を打ち出していますが、これも
責任がないものをどこかへ処理しろと言われても、今時人の住んでいないところなんてほとんどない
のですから、冗談じゃないよと言いたいところだと思います。
東京近郊あたりでも雨水の集まってくるところなどは高い濃度の数値が出るといいます。
まして、このあたり(ひたちなか市)ですと原発に近いだけそれ以下ということはないと思います。
ただ、わからないから騒がないだけだろうと思っています。
今日で事故から2年半が経ちました。地震・津波被害の復旧のほうは少しづつですが進んでいます。
しかし福島の現実はほとんど変わっていません。汚染水はどんどんたまっていくし、海にも流れ
出していくし、どこが「完全にブロックされている」なのでしょうか。ウソばっかり。
東京はオリンピック招致で世界に安全宣言をしていますが、地元の人から見れば「何をねぼけた
ことを」と腹立たしく思っていることでしょう。当たり前です。原発事故からほとんど好転していないのに
「お祭り」をやって景気付けようと言っているのですから。とても同じ国のこととは思えません。
さて、煮ても焼いてもどうしようもないこの汚染土、復興が進めば進むほど度量の高いものが集まる
わけですから、早く答えを出さないと原発のとなりに富士山が出来てしまうのではないかと思います。
処理出口のない汚染土、誰も近くには持って来て欲しくない嫌われモノ、行き場のない幽霊みたいです。
でも、誰かが土地を提供して全体被害を小さくしなければならないのですから、これは個人で動いて
どうのとかの問題ではないと思います。思い切った「国策」で処理していかないと誰も変われません。
オリンピックに費やすエネルギーがあったら、復旧に向けるべきだと思っているのですが、世の中は
違う方向に行ってしまうんですね。
「原発は安全だ」と言っていたやつはどこへ行った! 頭揃えて出て来い!・・と怒っています。
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コラム567 2013年09月09日
今月の勉強会
昨日、8日(日)に定例の勉強会を開きました。参加者数は19名でした。
なかには鹿島から参加してくださった方もおりました。遠いところから有難うございました。
今回は、「設計の話」というメインのテーマで行ないましたが、実際に建て主さんが行動を起こす
前に何を注意し、どのように進めていったらよいのか、図面などの現実的な事柄に入る前のポイント
などについてお話しいたしました。
いまや、PCの扱える人なら簡単に設計の簡易CADで図面が書ける時代になりました。
私がこの勉強会を立ち上げた96年のころにはこのレベルのソフトでも150万円くらいしましたから
隔世の感がします。
しかし、これらはソフトとハードに分けて考えればどちらかというとハードに属するものだと思います。
本来、建て主さんが考えるべきことはハード的なことではなくソフト的なことをいかにまとめて
伝えるかということではないかと思っておりました。
家というものはその家族が自分の生活スタイルを背伸びすることなく過ごせるというのが理想だと
思います。
そのためには自分たちの生活スタイルをよく把握し、しっかり伝えることが大事になってきます。
そこの部分が規格型の住宅と異なる点です。
それと他に重要なことがあります。それは今の住宅の中身の変化です。同じように見えていてその
素材が変化してきているものがたくさんあります。そのことによって起こるデメリットはあまり説明さ
れていないのです。
この中身の変化によって受ける消費者の不利、それを知らないと必ずあとから「こんなはずじゃな
かった」「そんなことは言われていなかった」と問題が起こるのです。
一度実行されてしまったものを元に戻すことは出来ないことではありませんが大変なことです。
資材と建築方法にはたくさんの種類があり、皆さんが考えているよりもそれはそれは膨大な量です。
深く知る必要はないにしても広く浅く知っておくことは大事です。
そのうえで、自分がやるときには「これはいやだ」と表明できるちからをもつことです。
世の中は、周りがやっているから・・・、となりがそうだから・・・と安易に妥協してしまうところが意外
と多いものです。でも、それが正しいことだとは限らないのです。
最終的には「自分のためにはどうなのか」と自力で判断していくことが必要です。
そのためには広く浅く知っておく、その先の深い部分は専門家の力を借りるということで乗り切って
いくのが最良の作戦だと思います。
なかなか、数字で表せないことは伝えることが難しいですが、おおよそこのようなことをお話し致しま
した。次回は今行なわれている工法について話して見たいと思います。
ご参加くださいましたみなさんお疲れ様でした。
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コラム566 2013年09月07日
今年のセミ
自宅の家の庭には何本かの植栽があり、特にハクレンの周辺にはセミの地中から這い出してくる
穴が数ヶ所あります。
さすがにここ一週間ばかりは見かけませんが、それでも今年の抜け殻数は南天や金木犀・つつじ
などの各所で見つけたその数は80を超えました。
当初、何か少ないなと思っていたのですが、見てていた箇所が限定されていたためか、殻を集めて
みると去年以上になっていて驚きました。
ここは公園のようにカラスに狙われる心配もないので、孵化確率が非常に高いのかもしれません。
それが理由なのかどうかはわかりませんが、数が去年より多かったのは何か嬉しい気分になります。
(家人には、そんなもの集めてどうすんのと白い目で見られていますが)
セミは木の根っこのところで樹液を吸って成長するのだそうです。しかし、こちらも年々高齢になって
いきますので大きな木は早めに切ることにしており、彼らの生活環境を脅かしていることになります。
何か心苦しいのですがこちらの事情もあることであり、致し方ないと思っています。
もう一つ、ハクレンのそばには犬小屋があり、夏は生い茂る葉っぱの下で名犬(迷犬)が避暑地と
して過ごしています。(冬は日当たりの良い場所に移ります)
もちろん鎖でつないで飼っていますからその範囲で歩き回る地面は鎖で撫で付けられているわけ
です。その範囲の中にセミの這い出してくるアナがあるのです。
セミからすれば鎖は津波みたいなものですし、犬に踏みつけられる確率もあるのです。
まさに危険極まりない環境でこの世に出てくるのです。
そんな中で、さて来年は何匹くらい地上に出てくるのか楽しみです。
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コラム565 2013年09月06日
予期せぬこと
私事で恐縮ですが、今年の春にキッチンの工事をやりましたが、そのキッチン本体のガスコンロが
どうも調子が悪く悩んでいました。
その症状は3口コンロのいつも使っている右側だけが炎が赤くなってしまうのです。
鍋をかけていても底がススっぽくなってしまうし、掃除が大変だと家人がこぼしていました。
煮こぼれをやったわけでもなし、部品を紛失したわけでもなく、かといって昔あったような空気口の
調節口は見当たらないし、いくら吹き出し口の部品金具を掃除しても改善されませんでした。
それで仕方なくキッチンメーカーに相談しました。
電話で症状を話すとコンロのメーカーに直接連絡をとってみますのでそちらからメンテナンスの人を
派遣しますとのことでした。
保守メンテの人が翌日には来てくれて、通常使用で手入れが必要なところをチェックしましたが異常
ありませんでした。それで一度全部バラバラにして見てみることにしました。
そうしたら空気の吸い込み口付近にクモの巣が出来ていて、どうもそれが空気の取入れを邪魔して
いたようです。
それを取り除いて組立てたら正常の青い炎になりました。めでたし、めでたし。
でも、なぜそんなところにクモの巣が張ったのでしょう。これはクモに聞いてみないとわかりません。
メンテの人も不思議がっていました。
でも、考えられないことはないのですね、こういうことは。
空気の流れのところには虫がそれに流されて飛んでくる。
そこへ網を張っておけばエサがゲットできる。 単純なことです。
クモはそれを本能的に知っていて当たり前の行為をしたまでだと思うのです。
コンロのクモの巣事件はこれで落着しましたが、今回と同じようなことが今の住宅でも起こっていると
感じました。それは基礎パッキンです。
この方式は部分パッキン(昔のやり方と同じ)ネコを使って適度に間をあける方法と、連続パッキンと
言って、こまかいスリットのような穴が空いている連続したものを全周敷くものがあります。
この連続式のものは小さな穴だらけですのでどこへクモの巣が張っても空気の流れが止まってしま
います。
しかも、完成後はこの部分が土台水切りという部材で外から見るとクランクにこの上にかぶさってきて
パッキンは見えなくなってしまいます。見えなくなってしまうということは塞がれていることがわからない
空気の流れがなくなっていることを確認すら出来ないということです。
計算上で通常の換気口よりも面積が大きいと言っていますが、あくまで紙の上での計算で現実を
考慮していません。
厄介なのは虫だけが引っかかるということはないのです。小さなゴミ・ほこりなどが巣にくっつき
目詰まりを起こすはずです。そうなると虫も捕獲できなくなるのでクモは巣を放棄して、別の場所へ
網をかけることになります。後始末の掃除なんかしてくれません。そうしてそれらが繰り返されると、
やがて基礎パッキンは空気を通さないタダのパッキンになってしまいます。
風が吹くと桶やが儲かる・・式に、
空気が止まる→ 床下が淀む→ 湿気が逃げない→ カビが生える・腐る→ 住宅寿命が短くなる・・・
という悪循環の始まりです。
今、世の中の大部分がこの方式を採用しています。(私はお勧めしていませんが)
こうして理論上で計算された住宅が実験台のように建てられていきます。
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コラム564 2013年09月05日
数字では表せないものA
先日打ち上げられた「こうのとり」は役目を終えて数日後に地球の大気圏に突入して消滅するそう
です。
これらの行動はすべて計算されたとおり実行された結果であり、この「こうなるだろう」と計算する
技術はすごいものだと思います。
しかしながら、これだけの工学技術をもってしても劣化の予想は出来ていないと感じます。
劣化というと劣るという字を書くためにダメになるということになりますが、物質的には何かに変化
していっているだけの話しで、あちらからすれば「失礼な・・」ということになるのでしょう。
これらの宇宙活動を支えているのも電気です。しかし、宇宙ですからどこからか電気を引っ張って
くるというわけには行きません。当然のことながら自分で作らなければいけません。
これを賄っているのが宇宙用太陽光発電パネルです。
宇宙ステーションは地球から見れば大気圏の外ですが、うちでも外でも劣化はそれなりに進む
はずです。地球では気体の集まりである成層圏でストップさせられ地上には届かない放射線など
がある反面、その上の宇宙空間では遮るものがない分直撃を受けるわけです。
以前に聞いた話では、「宇宙ステーションで使う電気は太陽光パネルで発電するけれども、中間の
障害物がないから、発電効率が良く半永久的にもつのだ」と言われていました。
たしか、中学校か高校の授業だったと思います。
そのときは、「ふ〜ん、なるほど」と思ったのですが、実際には30年そこそこで寿命なのだそうです。
メリットもあるけれどデメリットもあるのだなと思った次第です。
地上で使う太陽光発電は大気圏(気体の層)で減衰されたのちの光量が注ぐのですからもともとの
エネルギーより小さくなっているわけですが、それでも集光すると目玉焼きが出来るほどの熱量を
持っています。
石油製品・鉱物製品でも植物でも太陽光線を受けて変化していきます。世の中には100円ショップで
売られているようなものがたくさんありますが、これらはかなりの石油製品が多いと思います。
しかし、これらの劣化もかなり早いと感じます。気のせいかもしれませんが・・・
一見、丈夫そうに見える太陽光発電設備ですが、結線も被覆は樹脂ですし、接合部分などには
樹脂などが充填してあってそれらの劣化が心配されます。
晴れた日にはこういった部品・製品が日に照らされながら稼動しています。本体のセルが耐久性が
高くても接続している結線などは石油生成品ですからすべて同じ耐久性を持っているわけではあり
ません。ましてやパネルで発電した電気は直流ですから交流に変換する装置も必要です。
そういった設備は電子回路のかたまりですから、部品の劣化は避けられません。
必ず来るであろう寿命も、高額であるこういった製品にさえ記載されているのを見たことはありませ
ん。食べるものには敏感になるのにこういったものには鈍感であり、考え方がおかしいと思います。
はっきりとした耐用年数も表していないのに「この位、儲かります」「ゼロエネルギーで暮らせます」
などと言ってもそれは不当表示というものです。
ゼロエネルギーで暮らせるという元の部分は明かされておらず、いくらエネルギーを費やしたのか
書かれているメーカーなどありません。それこそが最たる不当表示です。
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コラム563 2013年09月04日
数字では表せないもの
住宅には耐荷重、耐震壁強度、などの様々な数値が使われています。これらを全面否定している
わけではないのですが、どうもこの数字が巾を利かせすぎている気がします。
これは以前に何度も主張してきたことなのですが、いくら優秀だといわれている数字だとしても
とてつもないガル(瞬間振動)のときに硬ければ硬いほど、強いところが勝ち弱いところから崩壊が
始まるということです。
硬いから丈夫だという考え方なら鉄筋コンクリートに勝るものはないはずですが、しなりがない部分
ショックを一度に受けてしまうわけで、瞬間的な免震領域がないため許容を越えた部分が他の受け持ち
エネルギー部分まで一気に受けてしまうという皮肉な結果になったのが、今回 311の被害状況の
違いを物語っています。
子供の遊び道具の中に「ダルマ落し」というおもちゃがあります。この原理をそのまま使っていたのが
昔の伝統工法の家です。
礎石という大きな石ころの上にタテ部分の柱が直接下りてくる、昔の建築に見られるタイプです。
これは大きなダルマ落しの原理そのものです。一番下の平べったいものが地震のエネルギーを持った
地球の部分で、これをハンマーで勢いよく叩くことが地震と同じことになります。これがうまくスコンと
叩ければ上のものがほとんど動かずに二段目以上のダルマが下に着地します。
これを手でゆっくり移動させればそのまま上もついてきます。これが昔の伝統工法の耐震技術です。
弱い地震の時には礎石から離れずに、礎石の上で揺れます。もっともっと強烈な一気にガツンとくる
地震の時には礎石のほうが早く移動して家の部分が「おいてけぼり」「置き去り」にされてしまうのです。
何とうまいやり方なのでしょう。
修理はどうするのかといえば、こういうタイプの家は縁の下がホラホラ空いていますので棒を差し込
んで持ち上げ、元の場所(礎石のところ)へ戻せばいいのです。
小さな地震には建物が揺れて地震エネルギーを吸収し、大きなものであればダルマ落しで分離して
しまうという万能型の地震対策なのです。
これを壁量がどうのとか言われていない時代に使われていたのですから今の行政など足元にも及ば
ない優れた考えだったのです。
しかし、今は土台は基礎に緊結しろ、壁量はいくつにしろ、と数字でこと細かく支持されます。そういう
ふうに書かないと書類は通らないようになっています。行政は数字でしか判断出来ないというのが
現実なのです。
ちまたを見ていると家のしなりがどんどんなくなっています。
面材使用もその一つです。スジカイもある意味、三角形を作ってしまうのですから昔のものよりは
硬い家になっています。それでも幾分かのしなりはあります。
ところがこの面材はほとんど動きが鉄筋コンクリートと同じになります。そうなると均一でない限り
耐震強度の勝ち負けがでるので、弱いところが崩壊します。311のときにも経験しましたが、しなりが
あればその範囲内で復元力が働きますが面というのはそれはありません。
キズつけばそれが広がるだけで二度三度と来れば後ほど危険な家になります。
その辺のことが行政ではまったく評価されていません。
必ずしも数字が良いから優秀だとは限らないのです。
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コラム562 2013年08月31日
今も残っている癒着・・A
心法というとかしこまった表現ですが、何のことはない「マナー」という簡単な社会常識です。
人が嫌がることはやらない
自分がやられていやなこともやらない
小さい時、よく、お天道様が見ている・・とか言われましたが、この人たちには死語だったのでしょう。
自分のために働く
わからなければOK
人様より贅沢をしたい
そのためには本業以外に金を稼ぐ
裏の金は証拠がないから突っ込まれない
税務署員ならその裏側を常に見てきているから誘惑のチャンスがありすぎる。
いきなり「脱税指南」はやらないですから、最初はちいさな接待からだったのでしょう。
モノ・金・女性・・・だんだん奥に引きづり込まれて来て「ええぃ、もうどうにでもなれ」ってな具合かな。
きっかけは何であれ、引きづり込まれ出したらなるままなのでしょう。
背広券の誘惑もあるそうです。これは足がツカナイ・・・
40年ほど前の私の経験ですと、コレでしたね。当時は統括官と言っていました。今でもそうかな?
あ、いやっ、私が贈ったのではないですから念のため。
そのときは私の会社(事務所)の調査があったときの税理士と統括官の癒着事件でしたけど。
はっきりとは覚えていませんが、このときは統括官がうちの調査資料をコピーして渡していました。
それを元に、こちらには「俺に任せれば丸く治めてやる」というものでした。大体皆同じです。
それでいてバッチリ修正申告させておいて、自分も労働報酬をたっぷりとって統括官にもちょっと
良い思いをさせるというパターンでしたね。
ことが修正申告ですから「私が悪うございました」と申し上げたことになるのです。
ですから、あちらからは「あなたが自ら間違いを認めて申告したのでしょう」ということになるんです。
とういうことは後々何があっても還付なんてことにはならないんです。
当時、まだ親父が健在だったころですから、経理を任されていた私もひよっこでした。
あちらが指摘してきたんだから従うより他はないだろうと、親子して税務署の言い分を100%呑んで
いました。
向こうからは、「なんと穢れのない純粋なカモなんだろう」と思ったのでしょうね。
こちらから「それをコピーさせてくれませんか」と頼んだところ税理士がOKしたのですね、迂闊にも。
さあ、それからが大変でした。そんな大事な内部資料がそこらの税理士に渡っていたのですから。
こちらは大蔵省主計局にその資料を送りました。
簡単に言えば、ハチの巣を突いたような騒ぎになり、修正申告金額全額が戻ってきました。
還付金利息までついて。
どちらに軍配が上がるのか最後まで見てみなければわかりませんね。
うちの場合は特捜ではなく大蔵でしたから大事にはならなかったですが、それ以来、消費税発足の
とき一度だけで、それ以外の税務調査はいまだにないんです。もっとも欠損続きですけど、記憶に
ないんですね。
あの統括官は今どこで税理士をやっているのかな。
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コラム561 2013年08月30日
今も残っている癒着・・・
先日、大阪国税局西税務署の上席国税調査官(平良辰夫容疑者)が法人税法違反(虚偽答弁)の
容疑で逮捕されたと報道されました。調査先のホストクラブ経営会社の脱税調査で顧問税理士(元OB
職員)細名高司被告と共に別の調査官の質問に対し虚偽の答弁をさせたというもの。
いるんですねえ、今でも。
税理士も元税務署のOB、平良容疑者も過去に二年間この細名氏と一緒に働いていたと言いますから、
いわば同じ穴の狢(むじな)というところでしょうか。
元OB税理士は10年前に懲戒解雇された後に税理士になったと言いますから、かなり悪いことをやった
のでしょうが、そういう懲罰を受けても税理士になれるんですかねえ。知りませんでした。
細名氏の事務所を開いたのちにも、平良氏はちょくちょく顔を出していたと言いますから、しっかりと
クサレ縁は出来ていたものと思います。
まあ、自分の将来の天下りポストを開拓する努力が大きかったと評価してあげたいですが、そうはいか
ないですね。「ならぬことはならぬ!」という言葉はこの人たちには関係ないようです。
言ってみれば、飲酒運転がなくならないと似ているようなものでしょうか。
「俺だけは大丈夫」
「見つからないようにすれば大丈夫」
「みんなやっているから俺だって」
同僚だから断わりにくいところもあるでしょうが、基本的には自分の「心法」がなかったことが原因で
しょう。
誘われたって、ダメなものはダメ。
先輩だろうが後輩だろうがダメ。
こんな大人の下でまともなガキが育つわけありません。
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コラム560 2013年08月26日
22、23日と秋田へA
秋田から戻った次の日、トラックのタイヤがぺちゃんこになっていました。パンクです。
どこかで釘でも踏んだのか、いずれにしても帰ってきてからのパンクでしたのでラッキーでした。
これが途中でアウトになったらジャッキアップやスペアタイヤの入れ替えなど大変な作業になる
ところでした。
左後輪でしたので車を動かさずフォークリフトで後から持ち上げ、作業は比較的楽に終えることが
出来ました。
はて、釘らしきものは見つからない・・・、どうしたものかと悩みながらタイヤ屋さんに持ち込みました。
やはり、専門屋さんが見ても釘のような外傷は見つかりませんでした。
チューブだけ取り出して空気を入れてみるとハリの穴ほどの小さな空気漏れが見つかりました。
ちょうど、チューブの継ぎ目のところの劣化による漏れだとわかりました。
こういう劣化漏れはタイヤ本体とぴたっと密着しているために通常ではほとんど漏れが出なくて
走っているときほど症状が出にくいのだそうです。
「帰ってきてちょうど止まった位置が抜けやすい角度だったのかな」と作業の方も言っていました。
まだ部分修理をすれば使えるというので継ぎ接ぎの修理をしてもらい元通りタイヤをセットしてもらい
帰ってきましたが、話を聞いてみるとパンクにもいろいろな抜け方があるのだなと感心しました。
それにしても2t車のタイヤって重く感じましたね。昔だったらトラックのボディに難なく持ち上げられた
のですが、今回は3回くらいへまをしました。ほんと、筋肉が落ちたんですねえ。
タイヤ屋さんの方も言ってましたね。
「俺らも同じだよ、乗用車程度なら何とでもなるけど、トラックは別物だからね」
「機械がなかったら廃業だろうね」
材木屋も大変だけど、こういう職業の人も大変なんですね。妙に実感です。
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コラム559 2013年08月24日
22、23日と秋田へ
いつも在庫している秋田の割り角(通称民木芯去り角)が、ある等級だけ欠品してしまい、近日中に
納める見積り分が足りなくなっていました。7月中旬に発注し、連休前には木材市場に入荷するという
ので、引取りに行くことにしました。
今回は寄り道をしている時間がないので、朝早く出かけて午後の3時ころ秋田に到着、荷物を積んだ
ら即、引き返して途中で一泊という日程です。
いつものことですが片道510kmですから、トラックで行くとなると11時間くらいかかります。
直行で高速で行けばもっと時間は短縮されますが、料金が片道で10,000円近くかかります。これだと
仕入れメリットが往復20,000円となり全部高速代で消えてしまいますので基本一般道です。
ガソリン(軽油)代はどちらを走ってもあまり変わりはありませんから致し方ないところです。
もう一つの理由は眠気です。高速は早くてよいのですが、運転が単調で意外と眠気が誘われるの
です。複数で交代しながらならそういうこともないのでしょうけれど、1人運転はいろいろ工夫しないと
「ハッ!」とすることもあり、危ない運転になってしまうこともあります。
まあ、要するにケチなだけじゃないと言われればそれまでですけど、お客様に提供するコストが高く
なってしまわないように気をつけております。
地元にだって同じような製品はあるじゃないかと思われるでしょうが、それがずいぶんと違いがある
のです。乾燥・量・色合い・価格と内容を吟味するとすごく開きが出てしまうのです。そうでなければ
わざわざ秋田まで費用をかけて行きません。
こういう点は皆さんには直接知らされませんからご存じないということで家造りは進められていきます。
われわれが裏方で努力しているということは最後まで表に出ることはありません。
こういうことはどの職業でもあることなのでしょうけれど。
こういうことを書くと地元材軽視のようにも見えますが、地元は地元でしっかりとした木材は多いので
構造体・羽柄材と大部分のものを県産材で使っています。
我々の仕事は、地産地消を目指してはいますが、それでも他の地区の品物が優れているものもあり
それらをうまくミックスして届けることが「納材屋の使命」だと思っています。
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コラム558 2013年08月21日
作業事故
住宅も含め、どこの世界も作業効率を上げるために機械化され少人数でも大きな重いものが
動かせるようになってきました。しかし、便利なものは危険も隣り合わせで、使い方を間違うと命を
落とすことにもつながり非常に危険を伴ないます。
移動式クレーントラック(通称ユニック車)もその一つで、今や現場配送においても欠かせないもの
のツールとなりました。
当社でも、コンクリート型枠合板の配送、木材の梱包もの、重い外壁材の荷下ろしなどに重宝して
使っています。
ものを吊り上げるというのはテコの原理のバランスが関係してきます。
支点から先の荷物の重さは、常に支える(自重)側より小さくなければひっくり返ります。
たとえ、吊り上げることが出来たものでも遠くへ腕を伸ばしていけばいくほど回転モーメントを
増していきます。
これが大型のクレーンだと制御装置がついていて自重よりオーバーしそうになったら停止してしまい
倒れるのを防ぐようになっています。つまり、それ以上危険な状態にならないようにレバーが動作
しないようになっています。逆に手前に戻すことは出来るようになっていて安全域に戻れるのです。
しかし、小型移動式クレーン免許で操作できる、いわゆるユニック車にはこのような安全装置が
ついていません。ここがミソというか落とし穴になっていて事故が起こります。
作業するにはきちんと講習を受けた免許が必要です。しかし、免許を持っているからといって事故
を起こさないというわけではありません。要するにひっくり返さない重量バランスを常に頭で描いて
作業をすることです。
吊り重さ×距離の回転モーメントが常に自重より下回ること、仮に誤ったとしても大事に至らない
吊り方をしていることが重要です。
操作する人というのはものが見えるように作業する側にいてレバーを動かします。これはバランス
を崩したときに下敷きになる側にいるということです。これを常に頭においておかねばなりません。
自重の範囲内に荷物があるときはいいですが、それより外へ出たらば地上すれすれに荷物を
下げて、少しづつ遠くへ移動していくというのが安全策です。
こうすれば、たとえバランスを崩しても荷物が地面にすぐに着いてしまうのでひっくり返るところまで
はいかないで、「挟まれて圧死」ということは防げます。ただ、すれすれに移動するというのが段々
面倒になり、つい吊り上げたままの高さでブームを倒し目的のところへ下ろそうとします。
これが大事故のもとになります。
いつも作業をしていて、慣れた人ならどの程度の重さならバランスを崩さないかを知っていますが
不慣れな人がたまに作業するというのも非常に危険です。
これでつい数日前に北茨城の建築会社の社長さんが亡くなりました。
常に操作していたかまではわかりませんが、上記の作業原則を省いてしまったのだと思います。
当社の取引先ではありませんでしたが、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
機械は怖い!
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コラム557 2013年08月20日
最近のチラシ
長年、住宅の広告を見ていると前面に出してくるPRの主旨というものが変化してきているのが
わかります。
ちょっと前までは「耐震」「省エネ」「集成材は強い」「断熱」etcでした。
最近は「太陽光発電」「再生エネ」「創エネ」それに「地熱利用」まで出てきました。
ところが、基礎高は低い、集成材は変わらず、スジカイは面材に変わり、床まで厚合板の下地。
仕上げは石こうボードにクロスで何も変わっていない。しかも、屋根はほとんど出ていない、通風の
考えはほとんどない、計画換気といわれる理屈で管理する「管理の出来ない住宅」になってきて
います。
地熱利用にいたっては床下管理はゼロ(出来ないという意味)、湿気から遠ざけるという日本の気候
風土を無視したデメリットを考えない新発想です。
もちろん床下がすぐ地べたなのですから給水排水も土の中、メンテナンスは地球にもぐっていかないと
ちょっと無理。
今の住宅は「商品」と化し、いかに売れるようにPRするかで競っています。それは自分だったらやる
のかという点から見ると皆NOです。
そんな箱を売ってどうする・・・といっても、彼らはビジネスに勝てればそれでいいと思っているから
その先なんて考えない。
800万円の家が、650万円が・・どうのと、他社に負けないことしか考えていない単なるビジネス戦争。
それで、本当に自分が住むとしたらそんな箱を求めるのだろうか。
家族を安全に住まわせなければいけない家なのに、安さだけを追求すればいいというものではない
だろう。あまりにも消費者をコケにした住宅戦争である。
PM2.5が騒がれているようですが、自宅の空気のほうがよほど危険だということを知るべきです。
メディアもコマーシャル料をもらっている住宅メーカーの悪い点は言えないですからね。
チラシの中で美川君と谷原君がにこっと笑っていますが、あんたらその家に住んでないでしょ。
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コラム556 2013年08月19日
駐車スペースが足りない・・・
九州桜島では大きな噴火があったと報道され、北海道では記録的な大雨だと言うし、ここの地区
は、暑い暑いと言っていられるくらいで大きな災害もないところで幸せだと思わなくてはいけません。
夏季休暇という長い休みもあっという間に終わり、本日から通常の仕事に戻りましたが、まだ身体が
休みモードから抜け出せていないような感じです。
休み中、何をしていたかと言いますと前半は大阪の孫たちが来てバタバタしていたのと、後半は
その片付けをして自分の事はほとんど何もやっていないという結果でした。
たしかに二家族が一度に帰省すると2人から11人に増え、何から何までボリュームが大きくなります。
今回、つくばにいる娘まで合流しましたので駐車場に困りました。
家内の車は車庫の中で鎮座、長男・二男・長女で3台、私ので4台・・・これまでは考えていなかった。
庭先の奥まで突っ込んでも直列で三台までしか入らないので、私のコンパクトな車を道路に並行に
半分だけはみ出してとめて(半分路上駐車みたい)何とか詰め込みました。
お盆の一時期だけでしたので何とか詰め込めましたが、これが毎日だったらご近所に迷惑をかけて
しまいますから即スペース拡大です。
豆台風も数日でそれぞれに帰って行きましたので、所定の位置に駐車できるようになりましたが
来年は是非この点を解決したいと思います。
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コラム555 2013年08月13日
今月の勉強会
一昨日(8/11)は定例の勉強会を開きました。
お暑い中、23名の方にご参加いただきました。有難うございました。
今回のテーマは「業者の話」ということで、左官屋さん・畳屋さん・それと棟梁に参加していただき
ました。
家を一軒建てるには大工さんだけでは事足りず、他にもたくさんの業種の職人さんたちが支えてい
ます。ざっと数えても10種以上の業種は出てきます。
しかしながら、その人たちは直接建て主さんに会う機会はほとんどないといってよいでしょう。
それは家を建てる行為(中身)が昔と今では違ってきているからです。特に「家を買う」という表現が
多くなってきた現代にはマネジメントする役目の人が違うので以前にも増して、会う機会が少なく
なってきています。
左官も現場で独自の配分で練って作り上げるというのはほとんどありません。水を入れて撹拌すれば
それで現場では作業が出来るという風になってきています。
ひところ言われた珪藻土も最近あまり聞かれなくなりましたが、漆喰との違いや塗りの難しさの違い
などがあるなどことを話してもらうとなるほど奥が深いと思いますね。
畳も昔の藁床(わらとこ)はほとんどなくなり、断熱材入りやインシュレーションという新建材の素材が主流に
なってきており、厚み自体も数種類、畳表もイグサばかりではなく和紙やビニールなども出てきており
その変化に皆さんの意識がついていっていない状態だと思います。
今回は二業種の人に出てもらいましたが、こういうイメージであと10業種ほどあるのですから、一軒の
建築に対する知識というものは半端ではないと感じます。
あっという間の二時間でしたが、それなりに良い刺激になったものと思います。
今回出席できなかった参加者の方々も、またの機会にぜひお聞きになってみると良いと思います。
私個人も、この業界に居ながら分野の違いを痛切に感じています。
世の中は刻々と変化していますね。
13日から18日まで夏季休業をなります。
次回の更新は19日以降になりますのでご了承下さい。
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コラム554 2013年08月12日
何のことはない・・・
先日、「失敗しない太陽光発電・・・」のプロが語っていた言葉がおもしろかったです。
基本をよく知って相手の言うことをそのまま信じないことと言っていました。
別に太陽光に限ったことではなく何にでも言えることで特別なものではないことでした。
別に本まで出して「これが虎の巻」と言うほどのものではないのですがねえ。
そういったキャッチフレーズに弱いんですね、日本人は。
それにしても、最近は「失敗しない・・・」という表現が多くなりました。
自分で同じ名前を使っていていうのもなんですが、私の場合は17年前からで、当時このような
名称を使っている人は誰もいませんでした。
それが今ではフルネームで入れないとトップに出てこなくなりましたから。
失敗しない・・・といっておいて、最初からこけるような家でもHPで着飾ってしまうと判別するのは
とても無理です。
その内容たるや、病気になるような家でも一流のごとく作り上げていますから油断もスキもない
と言ったところです。
基本を知ることは大事なのですが、その基本を踏み外してしまうものが多く見られるんですね。
家は高額なものですが金額を最優先で考えるものではありません。地震に強いだけでもダメ、
まして、太陽光発電などとなくても良いものまでつけるようなことは劣後でよいのです。
使い道に困るくらいお金があるんだったら良いですが、借金(今は言葉がきれいにローンという)を
してまでやることではありません。もともと発電コストが高くつくものですから、自家消費分を超えた
分しか売れないのであれば、自家消費分は高コストの電気を使っているのと同じです。
ギガタイプの大きな設備で全量売れる仕組みでやる方式なら計算どおりにいくかもしれませんが、
それも政治状況で変わるかも知れません。(国が破綻してしまったらということです)
リスクとしてはそのくらいまで考えてやらないと危険だということです。
借金は小さく早く返す・・・これが昔から言われてきたことです。
これに反したことをやっているのが国ですから、アテにしないほうが堅実です。
事実上、国も東電も潰れています。
結局、この本を出しているご本人も太陽光を売る会社の代表取締役でした。
本当のことを知っているなら会社をたたむことです。ハイ
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コラム553 2013年08月09日
市街化調整区域のわずらわしさ
ひたちなか市地区は都市計画の制限があり、特に「調整区域」と呼ばれるところには、原則
家が建ちません。
もともとそこに住んでいる人はいわば特例扱いみたいに他の人よりは優遇されていますが、それ
でも下水はないし、上水道もひかれていなければかなりの自己負担になります。
いま、部落内でリフォーム希望の人がおりまして、確認申請を出さないと支障が出ると思われる
ケースが進行中です。
その理由はいじる面積が大きい、登記上宅地でないところに物置が建っている(比較的新しい)
いまは法律に沿って手続きをしておかないと行政からストップをくわされると動きが取れなくなって
しまう。
作業をした業者がブラックリストに載り、後々の仕事に影響が出る・・などです。
ということで、許可なく建ててしまった物置を手作業で解体し、のちに宅地に移動する。
それを整理しておいてきちんとした確認申請を出し認可をおろしてもらう。
そのように進めることになり、第一段階目の作業が開始されました。
リフォーム希望としては水回りの整備と日当たりの良い部屋の確保です。
脇には県道があり側溝排水が出来るので合併浄化槽を設置することで生活排水の処理が可能
です。
市街化区域なら同時申請して宅地に訂正して工事が出来ますが、調整区域では農業委員会やら
正当な理由がないと自分の土地なのになかなか話しが進みません。
10年特例などがでていくぶん規制緩和されたみたいですが、まだまだ調整区域の縛りは大きいもの
があります。
最近、農家も高齢化で後継者がいなくて売却したいと思っても規制があり売値も安い。
買い手も条件が揃わないと家が建たない・・・などの理由から、市街化調整区域を恨みたいと言って
いる人もいます。
世の中はなかなかうまくはいかないものです。
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コラム552 2013年08月08日
カビ発生
茨城地区では(とくにひたちなか市近辺では)関西地区と比較するとずっと気温が低めでした。
しかし、ここ数日、急に暑くなってきました。そして連日の雨模様でジメジメ感はあがりっぱなしです。
そんな中、我が家の畳が(新しくした茶の間だけ)一面にカビが発生しました。
まだ一年も経っていない少し青味が残っている感じのものでしたが、(家内の話では)こまかい産毛
のような薄緑のカビだったということです。
私が帰宅したときにはほぼふき取った後でしたが、本棚が移動できなかった下にはまだそっくり
その産毛が残っていました。(ああ、これか・・・なるほど、これはすごいわ)
そっと(クイックルワイパーみたいな)掃除用のペーパーで拭いて、消毒用アルコールで二度拭きすること
にしました。
普段生活していてこれですから、今の時期にちょっと一週間ほど旅行ですなどと家を空けていたなら
完全にアウトになっていますね。
不思議なことに、同じ畳でも古いほうの部屋は出ていないのですよね、これが。
目が悪いだけなのかもしれませんが、それらしき兆候は見えませんでした。湿度・温度・栄養源を
考えると条件が違うのが栄養源だけなんですよね。入れてからまだ新しいという点が違うだけなの
ですが、この結果を冷静に見てみるとカビの発生条件というものは微妙なところがあると思いました。
電気の不足などと言われていますが、夕方の限られた時間だけでもエアコンをつけて湿度を下げる
ことを心がけてやったほうがこういったケースの場合はよいのではないかと思いました。
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コラム551 2013年08月06日
あっちも補助金、こっちも・・・
この国の経済はとっくに破綻していると思っているコラム人ですが、またまた出てきました補助金が。
今度は「住まい給付金」です。担当は国交省、年収(納税別というのが近い表現)別に現金給付。
目的は、駆け込み及び実施後の需要減を補正し、平滑化するのだそうです。
要は、わあっと来ないよう、しらっと引かないようにするということです。
H26年04月から8%、27年10月から10%となれば誰だって身構えます。
2000万円を用意すれば済むものがさらに100万円も増えるのですから穏やかではありません。
当然、防衛策をとることになります。
1 期限内にやってしまう。
2 まけてもらう(これはほぼ不可能)
ということで、駆け込みすべりこみセーフをねらう。
といっても、東北の復興さえ人手不足であちらの賃金は都会より高いとか。
プレカットの業界もこんな状況ですから加工済みの製品が引取られない。
つまり、現場が消化できないでいる・・・という事情なんです。
本来ならどんどん受注が集中して三交代のフルタイムで捌かなくてはならない状況なのに、何か
おかしいと言っています。
現場の消化不良問題はますます厳しくなっていくと思います。
周囲の大工さんを見てもこの部落内だけでも半数以上は廃業していると思います。
それは自然消滅(亡くなったり)であったり転職したりで、実働カウントできる大工さんの数が激減して
いるからです。
ローコスト住宅も搾りに搾って労賃を叩いています。そのツケが必ず来ると言ってきましたが、いよいよ
現実のものとなってきました。値を上げたからといって2人分働けるわけではない・・・休耕地のように
そう簡単に復活出来ないというのがこの世界です。
建て主さんが駆け込もうにもそれが出来ない状況になってきています。
それでも「平滑化」をしなければならないと給付金を出すんですねえ。
別に悪いこととは言いませんがそんなことやっている場合かと思います。
1000兆も借金の身で金もないのに。
最近多いと思いませんか、あちこち補助金だらけで一体誰を助けようとしているのかわかりません。
それほど金がまわらなくなるのが困るので・・となれば、いよいよかと思いますね。
国民の人質(預金)をとっているのですから国債なんて増発したってへっちゃらさと思っている官僚が
ほとんどなんでしょう。
今日は終戦記念日ですが、これが破滅の日なんてことにならないよう願いたいですね。
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コラム550 2013年08月05日
セミの誕生
ここ一週間ばかり我が家の庭のハクレンの木のもとに小指くらいの穴が空いているのを見つけました。
「あー、今年も無事出てきたか」と喜んで観察しています。 セミの誕生です。
まわりが薄暗くなるころに何やらモゾモゾ穴から出てくるんです。
脱皮した、いわゆる抜け殻というやつはよく見かけますが、これから木登りして脱皮するぞという瞬間に
は滅多にお目にかかれません。その鎧を着た(幼虫と言うのか)状態で周囲の安全を確かめるように
出てくるのです。
けして桐生君のように俊足ではないのですが、休むことなく木の上を目指して「足早に」移動して行き
ます。1日に2匹くらい出てくるらしく、中には方向を間違えて反対の犬小屋のほうへ登っていってしまう
あわてモノがいます。
昨日も小屋のてっぺんまで登って「これ以上行けない、どうしよう・・・」とウロウロしている初心者がいた
ので、木の中間点にそっと移動してあげました。(きっとセミの恩返しがアルかも・・・ナイナイ)
朝になってその辺りを見てみると確かに抜け殻だけがあったので無事出生したのだなと思いました。
彼らも限られた時間に作業を終えないと命取りになります。去年は脱皮途中でアクシデントがあったのか
そのまま固まっていたのが1匹ありました。
昨日の挑戦者は無事第一関門を突破出来ましたが、あと何匹くらい顔を出してくるのか楽しみです。
なかなかその数は予想が出来ませんが、去年は殻を数えたら39匹でした。
家人に
「今年も出てきたよ」って話したら
「あなたも好きねえ、まるで子供みたい」と笑われ、ちょっと見ただけで家の中へ引っ込んでいって
しまいました。
そんなものですかねえ。
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コラム549 2013年08月03日
これからなのに
「あんまり、いい話じゃないんだけど・・・」
「s君、もう永くは生きられないそうだ」
「出来ている箇所が難しいところで手術は無理らしい」
「良くて半年くらいかなって先生が言っていた」
「どうする、顔を見に行くか」
「いやあ、もう家族しか反応しないって言ってた」
先日の同級生で作っている会合での話しです。
私らの通った学校は田舎のはずれみたいなところでしたので、古くからの部落の住民がほとんどで
あまり都会の学校みたいにあちこちから知らない顔の人が集まってくるようなところではないのです。
一学年の生徒数がせいぜい100人程度、小学校も中学校もそっくり持ち上がりという感じの兄弟みた
いな集まりでした。都会ならクラスが違えば名前も分からないということもあるでしょうが、ここでは
そんなことはありません。どこの誰、兄弟が何人・・まで知っています。
なかでも割と勉強が出来て、日立系列の会社に就職しました。家は農家で休みの時には作業を手伝
うなどしてまじめな性格でした。
この地区は冬はほしいも作りで忙しい地域で、その作業も良く手伝っていました。
定年で会社を退職して、「やっと専業農家になったよ」と笑って話していましたが、突然の悪性脳腫瘍
に襲われ、その彼が一昨日亡くなりました。
会社時代だって健康検診はやっていたでしょうに、何かの変調は感じていたでしょうに、あまりにも
突然の衝撃でした。ご冥福をお祈りいたします。合掌
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コラム548 2013年08月01日
エコの安売り
家電・食品・車に至るまで「エコ」という文字がない日はありません。これを後進国からみるとどのよう
に映っているのかあまり考えたことはないと思います。
昔のアナログ時代のテレビは14型とか割と小さいものでした。消費電力も80Wとかかわいらしいもの
でした。今のテレビはどこのお宅でも42型とかの大きなものになっていると思います。画面の鮮明さも
昔のものとは格段に違いますが、消費電力も比例して大きなものになっています。
経済成長という呼び名は何もデメリットがないような気分になりますが、こういう金額を大きくしていくこと
世の中の金をより大きくかき回すことに尽き、まだ使えるものまで廃棄させることになっていき、見方に
よっては「食い残し」を奨励しているだけだと思います。
まだまだ使えるものを廃棄してエコだと言うのは人間の身勝手だと思います。本当のエコは製品寿命を
全うさせてあげて使い切ってあげることだと思います。
口ではエコを唱えていながらそうではないことをやっているのが自動車税でしょう。大事に乗っている車
が13年を過ぎると急に高くなってしまい、早く新車に買い換えろと言わんばかりの課税です。
「じつにあなたは愛車を大切に乗られました」「ご褒美に税金を割引してあげましょう」というのが筋だと
思います。
「わが社は照明を全部 LEDに換えました」「これでいくらの省エネに貢献しました」と言われますが、
使われなくなった蛍光灯はどうなるのでしょう。まだ半分も寿命が残っている管をどのように再利用する
というのでしょうか。単なるゴミをたくさん出したというだけで何のエコにもつながっていないわけです。
「もったいない・・・」というのは、経済を早く巡らすには邪魔な言葉なのです。
そういえば、最近はこの言葉を聞きませんね。
そ、後進国から見れば「エコなんてとんでもない、ただのエゴだ」と言われます。ハイ、その通りです。
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コラム547 2013年07月31日
ADとKDC
自然乾燥・機械乾燥のおおよその違いが理解できたと思いますが、さて自分だったらどちらを選ぶ
かと言うことになると、迷わずAD自然乾燥を選びます。
その理由は
天日乾燥は自然界の中であり得ないことをしていない、自然の力だけで乾燥している
機械乾燥は高温でボイルするから組織が痛め付けられていると感じる
自然乾燥で干割れしても強度には問題ない
機械乾燥での芯が割れていることより、自然乾燥の外側の割れが見えていたほうが安心できる
色がきれい 火事場のようなニオイがしない
建築材としては強度の問題も数字で表されるから数字さえ出ていれば安心だという人がいます。
しかし、自然界の中では地震もあるだろうし、いざというときの「トクダワラ」的なねばりが違うのでは
ないだろうかと思っています。
それに今の家の建てられ方がしなる作り方をしていないからです。構造体を立ち上げたらすぐに
面材を打ち付けてしまいます。面材はほとんどしなりませんからその必要もないのでしょうけれど
その面材という砦が破られたらイチコロで崩壊します。それにもう一つプレカットという要素が加わり
ホゾが短いということがあります。
柱の下側のホゾは4.5cm、上でも5.5cmしかありませんから、とてもゆさゆさと揺らされればホゾで耐
えると言うわけにはいきません。ベタベタ取り付けた金物でその代役をするわけですが、金物を留めて
いるものは釘かビスです。木組みのような全体でケンカするような仕組みではありません。
悔しいですが、我々零細業者には実物大の実験データなどというものは持っていません。しかし、
長い歴史の「実績」というものがあります。
3.11のときも鉄筋コンクリートの建物が腰砕けになったのに、近所の木造建物は瓦が落ちたくらいの
被害でした。それが硬さとしなりという柔らかさの違いだと思います。
学者がどう見ようとこれは事実です。コンクリート造りの建物が壊れたのは新基準前のものだったから
と弁明しても歴史的事実は「壊れた」のです。
計算などろくにされていなかった木造が残ったのはどう言えばいいのでしょうか。
ただし、これからの受動被害は木造であってもケースが違ってくると思います。果たして、311のような
地震が同じようなレベルで来るか定かではないですが、来たとしたら結果が分かれると思います。
面材で施工されていたのか木組みだったのか
材が人工乾燥だったのか自然乾燥だったのか
機械加工だったのか大工さんの手加工だったのか
これだけの実験をやれるはずもないですが、長い歴史はそれを実証してくれるかもしれません。
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コラム546 2013年07月30日
ADとKDB
KD(機械乾燥)は木材の世界だけではありません。食品の分野でもそれは利用されています。
この近辺で作られている「ホシイモ」ですが、これも今や機械乾燥を抜きにしては予定の数字が
出来ません。
春に作付けして秋に収穫、それを冬まできちんと管理して12月から2月中旬ころまで製品つくりを
します。特に12月はお歳暮向けに要望されるところがあり、どこの農家でもそれに間に合わせようと
なるべく早く作ろうとします。
しかし、そこは「お天気」のなせるワザ、雨の日や無風状態、温度が下がらない日などは製品がカビ
たりいわゆる不良格外品になってしまいます。それを防ぐために各農家では乾燥機を入れています。
燃料は安い重油です。(今では安くもなくなりましたが)
主なる乾燥は、ビニールハウスの上だけビニールを張った傘のような状態のハウスで干します。
順調なお天気続きでも干しあがるのには一週間ほどかかります。
いまは時代が変わったせいなのか昔のようにお天気が続きません。そのためか
何もやっていない完全天日のところはめっきり少なくなりました。そのわけは人手がない中で急な雨
に対応が出来ず、これまでにたくさんのロスを出してきた経験から工夫されたアイディア策なのです。
これが出来たお蔭というか傘ハウスのお蔭でロスはかなり減りましたが、それでも無風・高温に対
するカビ対策は不完全でした。そこでこれらの乾燥機が出てきたわけです。
当初はお天気の悪いときだけ人工乾燥機に入れるという方法がとれらていましたが、そのうち
何日か干してあとは乾燥機に入れてしまう農家が増えてきました。理想としては1〜2日は天日で
干して、残り期間を乾燥機へ入れるというのが良い結果が出るようです。
ならば最初から入れてしまえばもっと計画的に生産出来るだろうと考えてしまいますが、そうはいか
ないのです。
最初から乾燥機に入れてしまうと製品が黒ずんでしまい商品価値が下がってしまうのです。
たしかにこの装置のお蔭で100%近い製品化率が可能になりました。安定した収入も得られますが
これらの設備の維持経費も少ない金額ではなく、天候の悪い日が続くと力強い味方ではありますが、
差引勘定してみて合うのかどうかはわかりません。
ここでも「自然食品」と言いながら、工業資源をたくさん使いその恩恵を受けながら製品つくりが支えら
れているのです。
こちらは食べ物ですが、木材は製品を破棄しなければならないまではいきませんから乾燥設備ありき
でなくともやれるのですが一度できてしまった流れというものは簡単には止められません。
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コラム545 2013年07月29日
ADとKDA
以前にKD材を作るのに1回の乾燥でどのくらいの石油(灯油とか重油)を使うのか計算をしたことが
あります。3m×10.5cm角で一本当たり牛乳瓶3本を消費します。約600ccの量です。
試算したのは10年位前ですが今は多少効率が良くなって500ccくらいになっているかもしれません。
今では、高温・中温・高周波・バイオ乾燥と種類も多くなりましたが、これらの共通点は細胞室の水分
をむりやり吐き出させる方式で自然に乾燥するものとは明らかに違いがあります。
木の細胞の中にある水分は時間をかければ自然と抜けます。物理学的に組織がどうのとかはわかり
ませんが、昔から切り倒した木材は1年以上かけて水分を抜く養生期間をとり乾燥というものを自然の
中で逆らわず行なってきました。
乾燥させる目的は、木の安定と腐りの防止であったと思います。
ズブ生の木は水分が抜けるとき縮みます。ということは、生の状態でぴっちりしているものが乾いたら
ガタガタになるということです。これでは木組みとして好ましいことではありません。
供給より需要が旺盛だった(住宅ブームの)ころには、それまで流通のどこかで自然乾燥が行なわれて
きた「乾燥期間」がとれなくなり、とにかく納材を間に合わせなくてはと誰もが「納品優先」になってしまい
ました。材木屋仲間ではこれらを「昨日までカラスが止まっていた木だ」と言われてました。
大衆の動きというものは恐ろしいもので、競争に勝つ、目の前の需要を逃がさない、人よりも数字を動
かす・・・などのビジネス意識が働きます。特に日本人の国民性としてはこれが勤勉さにつながっている
のかもしれません。
早く注文に応え、売上につなげることは商売上のプラスになることで、誰もこれを悪いとは思いません。
その結果が費用をかけてでも機械的に乾燥させた木材をつくり、いち早く商売のプラスにしようという
動きになって現在に至っているのです。
従来、材木屋の役目というものにこの乾燥作業が当たり前に組み込まれていました。そして、それらを
管理して不適材を出荷しないようにし、後々のクレームを出さないようにするのが良い店だという自負
があったものです。
自然乾燥して石油を使わないのですから、いわば究極の乾燥を行なっていたのですが、時代が即納を
要求してくるとお金と時間がかかるこのやり方は通用しなくなりました。
いまは建て主さんも値段の折り合いがつけばすぐに着工、いつ頃に入れますかと聞いてきます。
大工さん(建築業者)も、紙の上でいついつまでと約束しますからそれに間に合うように材料を求めて
きます。
どこを見ても余裕などなくなってきているのです。
仮に建て主さんが一年がかりで家を建てるという意識が持てたならどうでしょう。資材を調達してゆっく
りと乾かし、じっくりと家造りをする週間があれば無駄な石油も設備も作らずに済むのです。
みんながやっていることが正しいこととは限りません。エコだと言われている木材がこのように大量の
石油を消費しながら「乾燥材がいい」と言われているのです。
何かずれていると思います。
それが「地球環境に優しい」と言われている現実です。
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コラム544 2013年07月27日
ADとKD
ADと言ってもアシスタントディレクターとは違います。
AD エアードライ・・・空気乾燥、つまり自然乾燥のこと
KD キルンドライ・・・機械乾燥、乾燥室に入れて熱を加えて人工的に乾かすこと
その昔、木材はすべて自然乾燥でした。それが20年ほど前からKDという機械乾燥が主流になり
ました。
S40〜50年代には旺盛な需要に供給側が応えられなくなり、いわゆる「ズブ生」という水が滴り落ち
るような木材を納めざるを得なかったような時期がありました。その結果、曲がり収縮などの不具合が
数年後にたくさん出るようになり社会問題にもなりました。
「夜中にピリ、ピリっと音がする」「このままだと家が崩壊するのではないか」などの苦情です。
実際に生の材木は収縮してさらにクセのある木は曲がります。そういったものをなくすには乾燥しか
ないと機械乾燥が考案されたのです。
一方でハウスメーカーやビルダーは同じくクレームをきらい、一切手がかからない集成材というものに
傾いていきました。
「乾燥材で曲がりがありません」というのはある意味正しいのですが、割れという面から見ると判断が
分かれます。それは柱に見られるのですが、表面は何ともないように見えて中身がビリビリに割れて
いるのです。
あるとき、半柱(はんばしら)という注文がありました。これは理由があって図面の都合上正方形の柱は
使えない場所が出てくるのです。巾120mm厚み65mmなどというサイズは規格にはありません。
それで120mm×120mmの柱を挽き落として間に合わせることにしたのです。
柱は一本取りと言って、ほとんどのものが芯を真ん中に持っています。これを寸法だけ合わせて片側
から挽いてしまうと引っ張りの度合いが違うので挽かない面に曲がってしまいます。
使い物にならないのです。そうならないように両サイドを平均して挽き落とします。
そうやってまっすぐな半柱を作るのです。
その要領でKD(機械乾燥)の柱を挽いたところ中がビリビリに割れていました。正直、以前にはこの
ことを聞いたことはありましたが実際目の前で見て驚きました。
まあ、見えなくなる柱だからそのまま使ってもらいましたが、機械乾燥の隠された裏事情を知ってしまっ
たと言う気分になりました。
破壊実験の曲げ試験では規定以上の数字は出るようで心配はないということですが、実際にこの割れ
を見てしまうと本当に数字だけを信用していいものかと思います。
そんな中、久しぶりにAD(エアドライ)の木材を入手できました。いやあ、やはり色がきれいです。
KDの場合高熱で処理するのでどうしても火事場のすすけたようないろになってしまうですが、その点
ADというのは自然の風で乾燥させますから色の変化がほとんどないのです。
乾燥の段階で若干の干割れは出ますが、強度にもまったく影響はなく普通に使えます。
製品出荷までの時間はかかりますが、KDみたいに石油を使いませんので非常にエコなのです。
木材は自然物なのでエコな製品ですと言われますが、KDの木材はそういう理由からエコという
言い方は正しくないのです。
でも、世の中の要望は、「乾燥してあってすぐに納められるもの」という理由でKDが非常に多くなり
ADの自然乾燥材はなかなか手に入りにくくなっているのです。
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コラム543 2013年07月26日
そんな無茶な
昨日、実に衝撃的なニュースが放送されました。
スペインの高速鉄道がカーブで脱線、80人もの人が死亡、130人以上の方が負傷されたショックな
映像でした。
これを見て、2005年に起きた福知山線の電車事故を思い出しました。
このときは若い運転手が遅延した時間を取り戻そうと、スピードを落さずカーブにさしかかり脱線して、
車両の一部が線路脇のビルに突っ込むという大惨事でした。100人以上の方が亡くなったと記憶して
います。
この事故で、遅れると罰を与えられるという会社の労働実体が表に出て、会社自体の社会的責任まで
問われ、この時の社長が裁判で訴えられるところまで発展しました。
今回のスペイン事故の原因も遅延したら料金を払い戻すという仕組みになっていて1時間遅れなら
全額返金になっているとか。
日本は2時間遅れなら特急料金だけ払い戻しになるという決まりは知っていましたが、これはさすがに
きつい縛りです。
80km/hで通過すべきところを190km/h出ていたと言いますから、正気の沙汰ではありません。
2人の乗務員のひとりが「190km出ている、これでは脱線する!」と叫んでいるのがボイスレコーダー
に記録されていたと言いますから、熟練の運転手ではなく経験の浅い人が操縦していたのではないで
しょうか。
福知山、スペインの事故、共に背景に「遅れに対する罰の恐怖」というものがあったのは間違いないと
思います。
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コラム542 2013年07月25日
近所の現場
最近、この近所でまた新しい家が建ち始めました。
もともと、敷地と道路の落差が1.5mくらいあり、ずっと擁壁工事をやっていました。
コンクリート製L字型の規格品だと思いますが土を踏みつけて倒れないようにするタイプでした。
土留めが終わるとすぐに基礎工事が始まり、砕石が搬入され填圧が行なわれました。
ベース筋を組み生コンが流し込まれ、続いて立て枠が組まれすぐに再び生コンが入れられました。
やはり、通気口のないタイプでした。
立て枠がはずされると待っていたようにプレカットされた構造体が運び込まれ、一番先に樹脂パッ
キンがしかれシロアリ処理された土台が敷設され、その後すぐに厚い床合板が敷かれました。
なるほど、今はやりの床先行型の工法でした。
予想通り何日かかかって屋根がかけられましたが、床が濡れ放題だったのは言うまでもありません。
いちおう、パフォーマンス的にシートは掛けられていましたが、どこの現場でも同じで、とても防水と
言えるものではなく「役立たず」の言い方がぴったりするものでした。
屋根防水が張られるかどうかくらいにもう面材(スジカイの代わり)の打ち付け作業が始まりました。
この面材の種類はノボパンという商品名で木屑と接着剤を混ぜ圧縮したものです。接着が命です。
すると翌日には中身がいくらか透けて見える防塵ネットが張られ、中の様子はわからなくなりました。
このときには、すでに土台の樹脂パッキンは見えなくなっており、通気などこの時点で期待できなく
なっているなと感じました。(この点だけはどこも共通しています)
その後も何度となく現場の前を通っていますが、道路からではどうも中の様子はつかめずデータを
とるには至っておりません。
まあ、何が運び込まれどう施工されるのかは会社の名前を見ればわかりますが。
柱こそ集成材ではなかったですが、他はどれも似ており、ましてプレカットですから柱ホゾ・穴は短く
金物でベタベタ補強する今時の建物でした。
この家も見える柱は一本もなく洋間ばかりなのか、とってつけたような和室になるのか不明ですが
仮に和室があったとすれば畳はそれもどきの薄いものでしょう。
今はこれが「家」なんですねえ。
私などはタダでもいやですけど。
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コラム541 2013年07月23日
パブリックコメントの裏側
行政がものごとを決めるのに「パブリックコメントを募る」とか「かけられる」とかよく言います。
つまり、行政側が素案を作り審議会が良否を決める前に「皆さんの意見も充分にお聞きしました」と
いう事実・実績作りみたいないなものです。こういうニュアンスははずれていないと思います。
広く意見を求めるというこのやり方も、外から見ていると、いまや I T の時代ですとばかりにパソコン
から意見募集とやって、一応皆さんのご意見をお聞きしましたという既成事実を作り、形式上は
ぬかりなく民主主義を実行しましたという形作りをしているに過ぎないと見えてしまうのです。
この方法はいかにもそれらしく見えますが、どれだけ世間に広く知らされ、それによって不特定多
数の人が意見を寄せられる・寄せられたということをじょうずにすり替える事が出来る手法です。
言い方はパブリックコメントでも、特定の(素案に肯定的な人だけを形作れる)人の意見を集中させ
素案作りの側に有利な導き方・使い方が出来る方法なのです。
本当に広く多くの人に意見を求めるというなら新聞・ラジオ・ネットでその内容を伝え、誰でも意見が
言える環境にすべきで、一部の人しか使えない意見集約をやっても「広く募った」とは言いがたい
ものでしかありません。
要するに「官報」と同じ考えで、門の前に掲げれば世間に知らせたと同じだと考えているわけです。
このことは「有識者」の場合も同じです。何を基準にしてどう選んだのか、その中身をはっきりと公開
しているとは思えません。原発推進の人たちを揃えて「いろいろ論議を尽くしました」と言っているのと
同じです。
それでいて、大きな代償を払っているのは一般人ばかりで有識者たちは安全なところで高見の見物
をしていると言われても何も反論しません。今までにそんな報道は聞いたことがありません。
今日の業界紙に林野庁が、全国森林計画の素案を出すと大きく書かれていましたが、その後のほう
に「パブリックコメントうんぬん」と小さくでていて、「ははあん、いつものあれか」と思った次第です。
「現実は紙の上にあるんじゃない、現場にあるんだ!・・・」と思ったのでした。
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コラム540 2013年07月22日
木材利用ポイント・・・本来ならA
田んぼは一度休耕田にしてしまうともとに戻すには最低でも6年はかかると言われています。
それは耕作放棄をすると雑草が田んぼの底を突き破って根を張り水を張ってもざるのように抜けて
しまい、使い物にならないのだそうです。
もちろん、雑草の残骸もしぶとく残り、それら一掃するための時間が大変だということもあると思い
ます。
木材(山)だってそうです。放置された山林は雑草やツルなどでがんじがらめとなり、木の幹などに
巻きつき息の根を止めてしまうものさえあります。
それと間伐されないために光が差し込まず低層の草が生えることが出来ず、雨などで表土が流され
崩落を起こしてしまうという悪循環になります。
日本の木材埋蔵量(保有高)と言っても行政で言われているほどの有効材積はないはずです。
日本の建築も昔ほどの「美」を重んじる造りではなくなってきました。そのほとんどが見えなくなって
しまう大壁という方式になり、必要とされる部材も中身が変化しました。
しかし、見える見えないは別として住宅資材としては一定の質は確保されなければならず、その点
から見ると「良い米が出来ない」という環境になってしまっていると言えます。
森林は「治山治水」という別の意味も持っていますが、外国と比較してみても放置森林が多く存在し
これを脅かす存在になっています。今頃、木材振興をどうのこうのといっている場合ではないくらい
手遅れになっています。
この近辺の山林を見てもきちんと手入れされている山は全体の3割程度でしょう。残り7割は放置され
人も立ち入れないくらい荒れ果てています。それを機械化で効率よくやって供給率を上げるといっても
世の中に不良品がたくさん出回り混乱をおこすのは目に見えています。
その辺のところをどうして進めていくのかはまったく議論されていません。
一度放棄した山林は元に戻るには40年はかかるでしょう。
それを机の上でこうすれば供給率が上がると簡単に計算して「取らぬタヌキの何とか・・」と考えている
公務員の方たちは一体何をやろうとしているのか、現場を知らない人たちにいつもかき回されている
気がしてなりません。
日本中、世の中の木が合板になろうとも集成材になろうとも山から木が出て行けばそれでいいとしか
理解していない人には「家とはどうすべきなのか」まずそれを勉強してからにしてもらいたいと思います
ね。
木材利用ポイントをやる前に「理解ポイント」を発行してもらいたいぐらいです。
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コラム539 2013年07月20日
木材利用ポイント・・・本来なら
国や地方の行政というものは、長期でやらなければならないものがあり、個人では出来ないから
行政がやるという「役割分担」みたいなものがあると思います。
そのために税金の徴収というものが必要なのであり、それだから納得して納税するというものでも
あります。しかしながら、その使い道の基本がずれてきています。
住宅を建築しようという人、あるいは建売り分譲を購入しようとする人は食べることに困るような人で
しょうか。そうではないと思います。本来税金をつぎ込まなくてはならないほどの人ではありません。
それを言ったらエコカー補助金も家電エコポイントもすべてそうですが。
国の財政が豊かで無借金ならいざ知らず、1000兆以上も爆弾を抱えていて個人の資産形成に補助
を出せるほど余裕はないはずです。何時ギリシャ・スペインのようになるかわからないのによくできる
と思います。
各家庭の中で置き換えてみれば、年収400万円で借金が1億円もあるという計算になります。
この縮小した数字を見ただけでも絶望的なものなのになりますが、不思議なことにこれが平気なん
ですね。年収を増やすには(税収を増やすには)アルバイトをやったりお父さんや子供の小遣いを
減らし、収支のバランスをとっていかなければいけないのにそれすらやっていません。
飲めや歌えやのドンちゃん騒ぎを続け、またまた二次会三次会に繰り出してしまっています。
よほど、どこかに「打ち出の小槌」があると見えて会計責任者のお母さんまで使いたい放題。
一夜明けたら残っていたのは「木の葉」だけ・・・なんてことになればまだ救われるのに現実は現実。
しかしよくもまあこれだけの木材ポイント利用の条件枠を作ったものです。
該当する新築なら30万円、地方行政でやっている補助制度も併用できるとなると40〜50万円・・・
リフォームにも上限付きの30万円。震災被災者なら50万円とまるで大金持ちの振る舞いみたいです。
平均30万円使うとして13万世帯強に配られる計算です。
これだけの金を森林資源振興のために使ってしまう度胸のよさ・・・敬服します。
なるほど大手もなびくはずです。
30万ポイント(つまり30万円)がどれだけ森林資源供給量の復活につながるかは判断が分かれます
が、一年分の予算で「あとはなし」とはならないでしょうから、林野庁の大盤振舞いはまだ続くと思い
ます。
私的には、どうせやるなら昔からやっていればこんなシェアにはならなかったはずだと思うのですが。
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コラム538 2013年07月19日
続・・・木材利用ポイント
きょうの業界紙にも東○本ハウスがこの制度を利用して営業展開すると出ていました。
鉄骨・コンクリートの種類は別として、合板・集成材がOKとなればほとんどのハウスメーカー・ビル
ダーが国産材振興として乗り込んできます。
そうなれば、需給関係です。いままでにも買い手が多くなれば値があがり、なければ下がるを繰り
返してきた建築業界ですので、これだけの大移動があれば相場に影響しないはずがありません。
占有率が80%20%でずっときていたものが、25%になるということは25%増えるということになります。
30%になるということは50%も増えます。
単にそれは数字では簡単に表現されますが現場サイドとしては大変なことなのです。
木材は需給関係で決まると言いましたが、大手がおおどころの供給者を抑えたら一般市場は完全に
混乱状態に陥るでしょう。
それは過去に例を見ても明らかです。かの震災直撃を受けた石巻でもそうでした。
日本の合板生産の40%を担っていたこの地区が津波で壊滅的被害と受けると、蜂の巣をつついた
状態になりました。ほぼ正常に戻ったのは1年後でした。
どさくさにまぎれてと言うと語弊がありますが、このとき商社は空前の利益を上げました。
今回の木材利用ポイントもこれと似ています。補助金は限界があり、自分のところで囲い込みを
やろうと一同に動きます。その結果が「力関係」です。大口で高く買ってくれるHメーカーは有利に
なり、そうでないものはとばっちりを受けます。
口では森林振興などといっても、過去の実績がこれだけ8対2となったのは安定供給と価格が原因
です。
外国材へ流れたのは大手Hメーカーの資材購入の考え方があくまでビジネスだったからで、今頃
のこのこ自然環境だの言うのは営業トークというだけで、もともと違っていたのです。
かくして、税金の投入でどこまで効果が出るか未定ですが本質は何も変わらないことの「木材利用
ポイント」は単なるバラマキだけで終わるだろうかという点が気になります
何か大きな洪水が来そうな気がするのです。
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コラム537 2013年07月18日
2×4枠組み壁工法でも木材利用ポイント
本日の業界紙に、ツーバイフォーでも木材ポイント利用可能になったと書かれていました。
枠組みと言うくらいですから合板をスタッドという裏桟で支えるのですが、これにはカナダあたりから
輸入されるSPF(スプルスパインファー)というモミに近い木材が使われていました。
合板は欧州唐松で輸入材です。ですから、枠組み壁工法というのは100%外国産の木を使っていた
わけです。
そのツーバイフォーが木材利用ポイントに該当するにはスタッドと合板のほとんどを国産材にしないと
この条件には該当しないのです。
それらの障壁を越えるのは大変なことですが、国産材使用比率が半数以上になれば良いとのことで
理論的にも現実的にも不可能ではありませんでした。
でも、何かがおかしいのです。
林野庁の考えている国産材使用率50%を目指すという大儀は可能かもしれないのですが、大事な
ことが置き忘れられている気がしてなりません。
我々からしてみれば国産材の使用率アップというのはムク材でその目標を目指すものだと思っていま
した。
しかし、彼らの考えは少しどころか大きくずれています。
集成材・LVL・合板、そして木を原料に混合した防火サイディングと言われる外壁材も含められ、他
木製の家具、薪ストーブに至るまで利用ポイント対象にするというものです。
要するに国産材の木を形はどうであれ、何かに使っていればOKというお墨付きを出してしまったの
です。
ストーブにいたっては、ほとんどが外国製(ヨーロッパの50〜100万円もするような高級品)です。
国産もないことはないですが極少数です。まあ、燃料は国産の何かを使うのでしょうが、それが特に
どこどこの薪を使いますとか誓約書を書くわけではないみたいなので、輸入材を燃料にしても違反に
はならないということになります。これでも補助金が出るのですからおかしなことだと思います。
こうなると国産材振興の意味はわかりますが、税金を使って外国の木を締め出していることと同じです。
これに苦情を呈したのがカナダです。あちらの国から見れば当然のことです。
いままでの資本主義の市場原理をくつがえし、国がしゃしゃり出てくるのですからおもしろくないのは
当たり前です。
以前の住宅エコポイントの場合は消費者が熟視して「消費者先導」の形がとられましたが、今回に関し
ては、どうも違うようで、住宅供給業者が先導するようなパターンになっています。
住宅の使われる部材など消費者がわかるというのは稀だと思います。そういった中で国産材振興と言っ
ても空回りするのは目に見えていますが、こういう形にすればハウスメーカーはこぞって営業トークの
一つに掲げて売上アップを狙う道具に使いますから効果は大きいものがあります。
そこまで考えてやったかどうかはわかりませんが、世の中はそのように動くでしょう。
そうなると、いくら国産材が振興していったとしても「質」はほとんど変わらないということになります。
そうなんですね、彼らにとっては使用率供給率を上げることが出来ればそれで自分の領域の仕事は
達成したということですから。
さてさて、この補助金制度が終わったら大手ハウスメーカーはどう動くのか楽しみです。
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コラム536 2013年07月17日
機械に頼りすぎ
10日ほど前、アシアナ航空の事故がありました。
報道によれば、自動操縦していたにもかかわらず・・と出ていましたが、この自動操縦というシステム
に人間が頼り切っていたという点も原因の一つなのではなかろうかと思うのです。
何か便利な物があるとそれに頼る・・・それは「すべて悪い」ということではないにしても「頼り切る」と
いうことの危うさは心得ておくべきだと思います。
私のところでもコンピューター制御の製材機械がありますが、原板をくわえて何ミリ押し出すか、残り
何ミリの寸法で挽くかなどというのをボタン設定するだけで動かせます。
しかし、これがいつでも正確であるとは限らず0.5〜1.0ミリほど違っていることがあります。
たかが0.5〜1.0ミリですが、寸法精度としては落第で歩ムラを生じさせてしまいます。
こういったものは相手がコンピューターだけに補正が厄介です。
とても凡人の知恵だけでは手に負えません。結局は専門屋さんを呼ぶことになり時間と費用が余分に
かかってしまいます。
この機械もまだこの程度の誤差で動いていますが、これが数ミリとなるともう使用することは出来ま
せんから、ただの鉄の塊になってしまいます。
最初はきちんと動いていたものですから、のちのちにこういう現象が出るとは考えませんでしたが
やはりそれは機械なんですね。
手に負えるような仕組みにしておくべきでした。
飛行機の着陸事故の報道を見ていて「なってはいけないものがなってしまった」と画面を見ながら
そんなことを考えていました。
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コラム535 2013年07月16日
今月の勉強会
一昨日、7月の定例会を開きました。参加の方は24名でした。
お暑い中、ご参加いただきまして有難うございました。
先月、建築が終了し無事引越しされたSさんが独自で設置されている太陽光発電200Wの使用
データをもとにお話ししてくださいました。ありがとうございました。
今回のテーマは「予算の話し」で、各種業者の占める金額比率や予算の組みなおしポイントなどに
ついて、考え方に柔軟性を持たせることが出来る部分などの要点をお話ししました。
内装仕上げ材も変更することによってどれだけの変化が出るかなどもお話ししました。
家を資材資源の循環に当てはめて考えれば初期の費用だけ考えていては片手落ちになることも
あります。長い目で見て環境負荷の少ないものなども考慮していけるようにしたいものです。
素材の比較という点で杉の羽目と硬い床材のカットサンプルに触れていただきました。
その違いに皆さん驚いていたようです。価格の点についてもボード+クロスの値段とどのくらい
違うのかなどもお話しいたしました。
モノにはいろいろな見方考え方がありますが、良い点と悪い点を見極めながら使い分けることが
大切だと思います。けして完璧なものはありません。その辺のところを理解しながら資材の選択を
していけば良いと考えます。
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コラム534 2013年07月11日
部落内の現場
コラム526 2013年06月26日でお伝えした部落内の現場ですが、二週間ちょっとで石こうボードと
住宅資材メーカーのカラーフロアと規格建具が入りました。「やはり・・・」という仕上げです。
職人さんが数日間見えなかったのはこれらの荷物が入らなくて仕事にならなかったからなのでしょう。
今日からは充分に動けるはずです。
外には外壁材も積み上げられ、こちらも作業開始OKのようです。
この現場すべてが私の予想したとおりに進んでいます。あと10日もあれば大工さんの作業は全部終了
してしまうでしょう。それが会社の方針でもあり製造コストを安くあげるコツです。
大工さんの実労はせいぜい45日でしょう。(タマちゃんは35日と言われてますが)
性能の良い切断機とエアーガン・フィニッシャーがあれば今の住宅は出来てしまいます。
その裏づけは上記のような素材を使うから可能なわけで、これらを建て主さんがどこまで理解している
かとは別の世界で動いています。
「友達以上恋人未満」という表現がありますが、「アパート以上マイホーム未満」で言い表せるかどうか
も怪しいくらいアパートに近いものになっています。使われているものがほぼ同じだということです。
よくアパートの賃料以下でマイホームを実現とか出ているチラシを見かけますが、アパートのレベルで
良いならそれでも納得でしょうが、ローンを組んで一生住み続ける家なのにそれでいいのかと思います
ね。
くれぐれも居室内の空気環境にお気をつけなさるようお祈りいたします。
あっ、それから近いうち必要になる補修費用もしっかりと積み立てを。
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コラム533 2013年07月10日
ちょっと寄り道・・・A
引き続き、秋田行きの話し
現在のところ、高速道路だけ使って秋田へ行くには常磐道・東北道・秋田道を使えば直行できます。
しかし、距離的にいえばクランクに走ることになり経済コースとは言いがたいところがあります。
一般道で行けば500kmですが高速を使うと550kmになり、50km多く走らなければなりません。
まあ、それもあって一般道を走っていくということなのですが、最大の理由は高速料金です。
ここ、ひたちなか市からの経済コースは、349号を北上し、118号と合流、その後に4号でさらに北へ
向かいます。福島まで行きそこから13号に入り、あとは道なりに秋田まで走ります。これが一番の
最短コースです。
もう一つは山形・新庄市から最上川に沿って日本海へ出て、7号線を北上するコースがあります。
こちらは上記のコースより15kmくらい余計に走ります。でも、景色はとても良いので季節が良いと
最上川の船くだりなども見ることが出来ます。
どちらかと言うと、冬は内陸より雪が少なくアップダウンも13号よりは少ないコースなので少しは有利な
コースかなと思います。
その一般道を走っていて気付くことですが、両者のコースどちらにも建設中の高速道路が見えるの
です。都会のようにしょっちゅう混雑しているわけでもないのに、さらに高速道路が必要なのかと思う
ような状況で(個人的には必要性は余りないような気がするのですが)トンネルを掘り、山を削り、
馬鹿でかい擁壁(ようへき)をつくり作業が進められています。
それは確かに「おらが田舎にも活性化を」というひとつのニューディール的な策なのかもしれませんが、
その先をどうするのだろうかと自分のことでもないのに心配をしてしまいます。
13号沿いでは雄勝町までのびてきています。残るは県境の山越えですがすでに部分的に工事が
行なわれており、新庄・尾花沢では一部無償供与で走ることが出来ます。
南からはすでに東根まで出来ていますから、これがつながると距離としては東北道まわりよりは
かなり短縮されます。
7号沿いはにかほ市まで来ています。一部無償供与区間があり岩城から平沢港のところまで無料
走行できます。
さてさて、目先のこととしては活性化の一助なのでしょうけれども、開通してもとても黒字になるとは
思えないそれぞれのコースは誰のための道路なのでしょうか。将来、そのツケを払わされるのは誰
なのか、わかっていても口に出して言う人はいません。
福島では福島空港のために作ったような高速が走っており、空港を使う人さえ見込み割れなのに
さらに道路を利用する人など少なく「一台も対向車と会わなかったぜ」なんていうのが笑い話になって
います。
まあ、私も自分の頭のハエを追うのに精一杯ですから何ともその先は言えませんが・・・
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コラム532 2013年07月06日
ちょっと寄り道・・・
7/4 5日と秋田へ行ってきました。何を仕入れてくるのかというと杉の加工板です。
それなら茨城にもたくさんあるではないかと思うでしょうが、ちょっと違うところがあります。
詳しいことを書くと長くなるのでまたあとで・・・
片道500kmの運転は年々きつくなってきますね。乗用車で高速をびゅーっと行くのならまだまだ
自信はあるのですが、荷物を積んで一般道を走るので11時間ほどかかります。
行きのカラ荷の時はブレーキを踏んでもきゅっと止まるのですが、仕入れた荷物を積んでの走行は
かなり神経を使います。
出来れば高速を使い、あまり信号で止まらない運転をしたいのですが料金がねえ・・・
根っからのケチなので片道1万円近い料金はバカにならないのです。
リニアみたいにスピードが出せて早く着くなら別ですが、何せトラックですから大したことはないのです。
二時間余計にかければ何とか・・・というと、つい、一般道のほうで走ればいいかと考えてしまいます。
帰りは荷物をほぼ目いっぱい積んで走りますのでおとなしく運転してきますが、行きは何となく走るだけ
ではもったいない気がして、どこかへちょっと寄り道をしたくなります。
これがまたちょうど良い休憩にもなるんですねえ。
今回は山形県新庄市の巨木を訪ねました。
一ヶ所目 清水(しず)地区イタヤカエデの巨木
角沢・清水地区というらしいです。
二ヶ所目 角沢「八幡神社内」杉の巨木
応神天皇の第二皇子、大山守命を祀ったといわれる
三ヶ所目 関屋「山の神神社」ブナ林
平野部にあるブナ林はめずらしいとのこと 一番左の木は杉です
四ヶ所目 市立図書館のカヤの木
図書館の裏にあるカヤの木 昔は武家屋敷だったそうです
初めての訪問だったので地図を打ち出しておいて見学順序を決めておきました。
図書館だけは街中でちょっとわからなかったのですが細い路地の奥にありました。
1のイタヤカエデは舗装道路から80mくらいのところに立っていました。
もっと難儀するかなと思っていましたのであっけなかったです。
とてもよい目の保養になりました。
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コラム531 2013年07月03日
ここの気候は・・・
今年の梅雨はいつになく雨が少ないような気がします。
雨ばかりではなく気温も低いと感じます。
ここは海に近いからなのかもしれませんが、大阪のほうで熱中症が何人も出たというニュースを
聞くと、やはりここはちょっと特別なのかなと思います。
周囲の畑では「ほしいも」にするタマユタカと言う品種がしっかりと根づき、四枚八枚と葉をのばして
います。そのほとんどが高ウネといって山型に盛り上げた土の上に植え付けをしていますが、黒い
ビニールをかぶせているところもあれば何もしていない作付けのところもあります。
梅雨らしくない梅雨ですが、雨が降るとほんのわずかでも草が容赦なく生えてきます。
農家の人は大きな袋を持って、作付けした間を歩いて一生懸命草ひきをしています。
カンカン照りではないので作業はやりやすいでしょうが、日照が少ないと生育にも影響してきます
ので、あまり有難くないと思います。
それにしても作業している人たちの高齢化が目立ちます。後継者がいればまだ良いほうで、大概は
自分たちだけで子供たちはお勤めに出てしまっています。休みのときは手伝ってくれるのでしょうが
大変な時代になってきました。
世間ではTPPと騒がれていますが、今のうちに規制緩和をして会社でも農業を出来るようにしていか
ないと本当に自滅してしまいます。
木材は「木材利用ポイント制度」で消費を煽っていますが、これもずっと続けられるなら評価も出来ま
すが、これだけの借金漬けの国でどこまで続けられるのか疑問です。
カナダからは木材は地球環境で考えるべきもので外国材を排斥するようなこの制度はおかしいと
クレームをつけてきています。
確かにそういわれればそうなのです。大手住宅メーカーがこぞって国産材の使用を表明してきていま
すから、最良の輸出先である日本でそういうことをやられたのでは国際問題だということなのでしょう。
まあ、それはそれとして
お天気が順調にいって良い作物がとれることのほうがこの地区では大事ですが・・・
7/4 5日と秋田へ仕入れに行ってきます。
コラムはちょっとお休みします。
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コラム530 2013年07月01日
直交集成板(CLT)のJAS規格
CLT(クロスラミネーテッドティンバー)という記事を過去に書きました。
(このNo.のコラムをスクロールしてお読み下さい)
コラム313 2012年03月16日
CLTは集成材?

CLT(クロスラミネーテッドティンバー)
CANADAWOOD カナダウッドHPより
この記事についてはまだまだ日本では充分な検討がされておらず、やっとJAS規格案がまとまり、
7月12日まで意見公募(パブリックコメント)を行なっています。
モノとしては集成材と合板の相の子みたいなものだと考えればいいでしょう。
いずれにしても接着剤で成り立っている資材です。
日本でもこれがいよいよ数年後に建築資材として建物に使われだします。
小径木が大径木のように使える
木製の面構造 これらの資材は面構造と同じように使える
大きな開口面が出来る 従来の木造と比較しても劣らない
4階建て5階建てが可能
耐火性能としてもムクと同じように燃え抜けに時間がかかる
などなど、メリットはたくさん並べられています。
しかし、接着剤で成り立っている資材です。
どこまで優秀だと言っても、従来の構造用集成材と劣化理論は同じです。
過去の実績はほとんどなく、これから長い年月をかけて実績が出てくるものです。
また実験台にされるものが増えました。
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コラム529 2013年06月29日
変な現場・・・C
題名からするとかなり変な現場かと思われるかもしれませんが、皆さんから見れば今風のごく当たり
前の現場としか映らないでしょう。
昨日の朝にここを通って、夕方6時半ころにもう一度通ったのですが、すでに周りにはスジカイにあたる
面材が100%近く打ち付けられていました。
このときもまだ大工さんがいて作業を続けていましたから、早出残業の両方をやっているようで、かなり
現場がせかされているのか、それともハイスピードでやらないと手間にならないからなのかのどちらか
だと思います。
やはり、今回も駐車して写真を撮るというのははばかられました。残念が重なっています。
ここまでくるともうあとは石膏ボードが大量に運び込まれ新建材のフロアが運び込まれ、工場で作られ
た規格のドア・引戸などが入れられ、それを取り付ければ大工さんの仕事は終わりになるでしょう。
外壁についても総二階ですから、ご近所の総二階と同様、6年ほどで北側がカビだらけになると思い
ます。
基礎も法律違反しない程度の高さですし、換気方式も基礎パッキン使用です。完成後は水切り土台
という部品で通気は半減してしまいます。床下が淀むということです。
この建て主さんもどんな想いでこの住宅を建てようとしたのか、直接聞いてみないとわかりませんが
アパートに住み続けて家賃を払うならこちらのほうが良いですよと勧められ、自分でもそうかなとと思っ
て実行に踏み切ったのでしょう、きっと。
これでシックハウス予備軍がまた一家族増えてしまいました。
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コラム528 2013年06月28日
変な現場・・・B
またまた前日の部落のはずれの家の続編です。
昨日のチェック時間は午後の二時ごろでした。
今朝は七時にこの前を通ったのですが、もう職人さんらしき人が2人ほど来ていました。
残念!写真が撮れない・・・そのまま通過。
現場は合板の野地板が張りつけられていました。その上はまだ何も施工されていませんでした。
やはり、屋根タルキ直下に敷かれていたシートは何かの前準備のようです。
屋根は片屋根(南面に一方傾斜)でしたので、のちに太陽光発電が載るものと思われます。
この地区は市街化調整区域ですから十年以上住んでいたかここの生まれだった人ならば建てる
資格があるのですが、それ以外の地区から来た人には権利がありません。
ここの地区の地主さんの親族か、娘さんが嫁いでその家族が権利を主張できるから建てたか・・
権利のない人は買えませんから、その分土地は安いですが下水道は入っていませんから合併浄化
槽をつけて側溝排水か、宅内処理をするようになります。
けっこうこの下水処理に費用がかかりますから、その分土地が安くても結果的にはあまり違いは
なくなりますね。
考えてみればこの調整区域という縛りも何の意味もありません。こんなことをしてもどんどん後継者
不足で農地は手放され、何らかの形で家が建ってしまっているのですから。
それにしても何とか写真を撮りたいなあ・・・この現場。薄い水色のネットも張られ、遠くからだと全然
写真写りが良くなく、部材などの様子がわからないんです。
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コラム527 2013年06月27日
変な現場・・・A
前日の部落のはずれの家の続編です。
さすがに今日はお天気も良く、工事が進められていました。
二階部分も組み上げが終わって屋根タルキを打てるまでになりました。
ところが屋根タルキを打つ前に何やらシートを張っているのです。
にぶく光るような半透明のようなシートです。
さて、これは何のためなのか・・・今までのデータから推測しても考え付きません。
ひょっとしたら、屋根直下にフォーム系の断熱材を吹き込むのかもしれません。
(まだわかりません)
あまり、近づきすぎても怪しまれるのでゆっくりとしたスピードで何気なく通り過ぎました。
こんなシートを手間ひま掛けて張るなら屋根野地を張ってしまったほうが良いだろうにと思いましたが
何か意味があってやっていることなのでしょう。今後の進捗を見守りたいと思います。
それにしても3人もいれば1日で屋根まで出来そうな大きさなのに不思議だなと思います。
ああ、それから
床はやはり先に出来ていました。予想通り「床先行型」でした。
これだと和室があっても軽くて薄い畳(のようなもの)でしょうね。
今後とも注視していきたいと思います。
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コラム526 2013年06月26日
変な現場・・・
家つくりの仕事に携わっているとどうしても他の現場が気になります。
行き帰りの道すがら目がいくのですが、最近あちこちに建っている建物の数が増えた気がします。
これも消費税のあおりをしっかりやっているメーカー・ビルダーの成果かなと思います。
そんな中、部落のはずれのほうでこじんまりとした家が建ち始めました。
例にもれず白い色の柱が建っています。一目でホワイトウッドだとわかります。
欧州からの輸入材で作られた集成材です。横架材も同じ白い色ですから同材種でしょう。
四方に長い柱も建っているから総二階なのだろうとも想像がつきます。
人手が足りなかったのかどうかわかりませんが、どうも中途半端で作業が終わっています。
通し柱が四隅に建って二階床組みが終わったところでブルーシートが掛けられていました。
四隅の通し柱にはシートがかかりませんから、ちょうどポールを立てたキャンプのテントみたいに
見えるのです。これは昨日のことですから今日の雨を予想していたのかもしれません。
この業者はせめてもの気持ちを表現したのでしょう。
でも、このお天気にはまったく役に立っていないと思います。だって「もの」がブルーシートですから
バサバサなってしまい掛けていないよりはマシという程度のものでしかありませんから。
今の工法は床を先に作ってしまう効率優先のやり方です。ここも見た感じではそのようです。
そうなると、1Fの床はすでに敷かれ、もしくは2Fの床まで載せたのかも知れません。それらを保護
するつもりでパフォーマンス的に掛けたのかもしれませんが、役に立っていないことだけは見なくて
もわかります。
これでまた一つびしょ濡れの現場が出ました。建て主さんは知っているのか知らないのか。
たぶん、こういう建物を注文する人は屋根が出来上がってから見に来る程度の考え方だと思います。
担当の営業マンにも聞いたりはしないのでしょう。何事もなかったように現場は進められていくと
思います。
そうですね、今度の日曜日までには屋根合板が張られて防水紙までは仕事が進むと思いますから
特に問題は起こらないでしょう。当事者間では・・・・
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コラム525 2013年06月25日
素材・工法・気候環境を考えないと
この仕事をしていると、いかに日本では気候環境を考慮していかないと家にも人にも良くないという
ことが経験からわかります。
昭和50年ころには外国から住宅そのものをそっくり輸入するような流れになりました。
代表的なものがツーバイフォーと言われる「素人でも作れる」と言われた面工法の建物です。
その後も北欧から寒さにはとてもガードが硬い冬向きの建物が入ってくるようになりました。
外国のものが良いか悪いかはある程度年月が経たないと結果は出ません。
日本の建物と同じように、その国で長く培われてきた建物でも外国へ持っていってぴたっと相性が
合うのかどうかは実績としての長い年月が必要です。
日本の場合、外国へもっていって試されたというのはほとんど聞きませんが、逆にいろいろな国から
建物や部材が入ってきているケースは非常に多いと思います。
そしてやっと長い年月から得られたデータが気候環境を重視していかないと良くないという結果を
教えてくれました。
しかし、残念ながらそのことを活かして家造りを進めていこうとしている人がいません。
家を建てる人も携わる業者も目先の仕事を獲得するのが優先で、理想の住宅はどうあるべきかを
考えるヒマもないのです。
住宅は競争や価格で作るものではないのですが、どうしてもビジネスとなってしまい、同業他社に
勝つことが最優先されて肝心なことがおろそかになってしまっています。
これほど素材や工法が入り乱れていなかったころには昔からやられてきたことを大きく踏み外した
ことはなかったのですが、早くきれいに簡単にとなってからはそのことはいともたやすく吹き飛んで
しまいました。
この業界は異業種から乗り込んでくる人が後を断ちません。
「俺がやればもっと安く出来る、早くできる」と言う人たちです。
でも、事務的にこうすればいいとやっても理論ではうまくいくかもしれませんが、ずっと暮らしていく上で
必要なものを見逃していますから単なる売れればいいの商品戦略でしかないのです。
たしかに「形としては家」に見えても、生涯安心して暮らせる家とは別物です。
薬なら新薬の申請をしても簡単には認可されないのに、住宅はいとも簡単に部材が使われ工法が認可
されてしまいます。
そしてあとのほうから追いかけるようにスズメの涙ほどの規制です。
これでは国民の健康など守れるはずはありません。
その辺のことを理解してやっている人はほとんどいないでしょう。
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コラム524 2013年06月24日
近所の上棟
日曜日の午後、いつもの犬の散歩で隣接する団地の脇を通りました。
最近は消費税の関係もあるのかぼちぼちと新築の家が建ち始めています。しかしながら
相変わらず、地元の大工さんの現場はほとんどなく、○○ハウスとか○の会などの住宅ばかり
でした。
散歩コースのちょっと先にちょうど「○の会」の上棟現場があったので遠回りしてのぞいてみました。
今は大工さんではなく鳶(とび)の方が足場から上棟まで一括で請け負う形が増えていて、ここも
そのパターンでした。
現場には簡易クレーンが設置され次々と荷物を吊り上げていました。
しかしながら、使われている資材はほとんどが集成材と合板、やはり「今時のもの」でした。
基礎はベタでしたが、通気口はなく、基礎パッキンがはさまっていました。
ここの建て主さんは材の指定まではしていないようで、もっともこの会社のやり方では受け入れない
でしょうけれども、完成したところを見て契約したのでしょう。
造る側も別に法律に違反しているわけではないので、何の疑問もわかないのでしょうけれど、同じ
木造なのに何故こういうことをするのか、私には解せません。
名前だけは長期優良住宅とか言われながら、中身はその辺のローコスト住宅とほとんど同じもの。
それでいて総レンガの家などといっているのは、何か本末転倒のような気がするのですが、世の中
には受け入れられてしまうのでしょうね。
別に外壁に何を使おうが好き好きでしょうが、本来しっかり気配りし金をかけるべきところは徹底して
省き、その分を豪華に見せるテクニックはさすがだなと感じました。
これが優秀な木造住宅の象徴みたいになってきているのですから何かおかしいです。
見た目を豪華にするというのは売り手の手段でしょうけれども、はたしてそのことが住まい手にとって
必要なものなのかどうかは別物です。
まだ上棟したばかりなのでどのように仕上がっていくのか未知ですが、ビルダー名からするとどのよう
に仕上がるのかは大体予想がつきます。
今の建て主さんはほとんどが性善説でものごとを見ているから疑問にも思わないのでしょうけれど
内装の仕がりを見ればどこのメーカーも50歩100歩です。
何が違うのか何を違わせなければならないのかわからないのですから無理もありません。
ここの家もビルダーの「一本勝ち!」で終わるでしょう。
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コラム523 2013年06月19日
ますます短命化
日本の国家財政は危機的状況になっていますが、住宅も例外ではなく爆弾を抱えています。
その爆弾の中身が二通りあって、ひとつは金融の面、もう一つは資材にあります。
金融はもちろん住宅ローンのことですが、フラット30、35の変動しない金利以外はすべてに危険性を
秘めています。ローンそのもので命まで奪われることはありませんが資材のほうは確率が大です。
皆さんの思考回路の中には「木造」と聞けば昔の木組みのイメージが浮かぶと思います。
しかし、今の木造には工業系の製品ばかり使った単なる骨組みだけが木であるというだけのもの
になっています。
その木もほとんどが工場加工の集成材で占められ、昔ながらの大工さんがトンカントンカン刻んだ
木造ではなくなっています。
このコラムで繰り返し発信していますが、集成材というのは小さな木材を張り付けて大きなものに
しています。その張り付けている接着剤が集成材の寿命そのものです。
私は集成材を悪いとは考えていません。小さな木片から大きな部材を作れるというのは画期的な
アイディアであり、太径木資材の温存という点からも非常に良いと思っています。
問題はその使われ方です。
みなさん、ここで一歩引いて住宅を考えてみてください。
木造住宅と名前が付くもので「木」は見えますか。
ほとんど、ノーです。家を支える躯体はほとんど見えません。
こういうところに劣化危険のある集成材を使っているのです。
どこへ使っても法律に違反するわけではないですが、ことは重大、自分の命がそこに託されている
わけです。私は怖くてとても使えません。
しかしながら、世の中はそういったものでほとんどが作られているのです。
今までなら、ベニヤ板とかフロアだとか、躯体というよりは付属物です。
みなさんも経験しているように「床がブワブワ」と言っても家が倒れると言うことはありませんでした。
でも、今度は構造体にその要因を持っているのです。
あまりにも危険過ぎます。
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コラム522 2013年06月17日
やはり「プレミアム」だとか・・・
ハイブリッド、プレミアム・・・というと車かビールだと思っていたら、今は住宅にも使われるようです。
中国木材の構造用集成材の横架材が米松に杉を挟むとハイブリッドという洒落た名前が付き、一方
で、前回書いた住宅メーカーでは、柱・桁がホワイトウットから国産杉や桧に替わると純国産プレミアムに
なるといいます。
それじゃあ、最初から国産品を使っている私らはプラチナかダイヤモンドと呼ぶべきなのではないかと
思うのですが。
この住宅の世界も(呼び名をつけるのは勝手ですが)もうちょっと地に足がついた名前をつけるべきで
しょう。いくらなんでも「プレミアム」とは言い過ぎです。
タテもヨコも全部集成材で、ちょっと国産材に替えただけでこれでは中身と名前の実体バランスがとれ
ていません。
依然として耐久性劣化の実績はないままでプレミアムでは名前が一人歩き状態です。
林野庁も大手を巻き込まないとシェア奪還は無理とみているのでしょうけれど、とても単年度予算だけ
で大手が動くとは思えないのです。
これにはきっと裏の密約があるのかもしれません。
「単年度予算ですが、積極的に取り組んでくれれば来年も継続しますから」と頼み込んでいるのでしょう。
そうでもなければ、構造体すべてを国産材にするなどとは今までの流れから言えばあり得ないことです
から。
50%の供給率にするということは想像する以上に大変なことです。
茨城県独自で行なっている「柱プレゼント」という補助制度も年間で300棟程度です。全国で年間に
4000棟も建てているこのメーカーがすべてを構造用集成材を国産材のものに入れ替えると言ったら
市場(しじょう)はパニックになるでしょう。
中身は一つもプレミアムではないですが、影響はプレミアムどころかそれ以上に混乱し、そこへ市場
原理が働き、資材値上げになることでしょう。
何しろ、一つのメーカーが参入してくるだけで二倍以上になるのですから。
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コラム521 2013年06月15日
名前は洒落ているけれど
4月からスタートしたと言われている「木材利用ポイント」ですが、まだまだ市場では明確な動きは
ありません。
しかし、大手のハウスメーカーは欧州産集成柱を使っていましたが、今後は国内産素材に切り替え、
この利用ポイントを獲得していくと表明してきました。
シャーウッドと称して木造住宅と言っているあの大手メーカーです。
とは言っても、集成材そのものがムク材に入れ替えられるわけではなく、原料が国産杉になるだけで
集成材そのものは変わりはありません。
国産材が採用されれば林野庁としては補助金目的を達せられるからそれはそれで良いのでしょう。
でも、私らの言っている国産材のムク材の普及という点では以前として違和感が残ります。
行政特有の縦割り仕事で受け持ちの分だけ達成出来ればそれでよいのかもしれませんが、建て主
さんのためになっているかと言えばそうではないと思います。
なぜ、集成材にまで補助金を出すのか、集成材でも素材が国産ならまったく問題ないのか。
(まあ、薪・ペレットストーブまで対象にする位だから意図は読めるのですが)
いくら大手のメーカーが洒落た名前で宣伝しているからと言って、集成材はやはり集成材で価値が
高いわけではありません。接着力が命であることには何の変わりもありません。
国は、エコだ省エネだと言いながら、なぜ大きなエネルギーを使って人工乾燥させる設備に補助金
を出すのか、いくら国産の素材だからと言っておまけのようなポイントをつけるのか。
1000兆円以上も借金がある国が、家を建てられる力のある人に何故補助金なのか。
40年50年かかってシェアが狭められてきたものを単年度の予算で一発逆転を狙えるほど生易しくは
ないのに、長期計画で歪みが出ないように戻していくということをしない。
結局は単年度の予算をその年度で使い切るだけの仕事しかしてない、それだけやっていれば良い
としか思っていないのでしょう。
行政は所詮そのレベルでしかないと思っていたほうが腹も立たないのかも知れません。
やがて、このメーカーは
「So Happy〜♪」 「純国産材の木造住宅!」とか何とか言い出すのでしょうね、きっと。
誰がハッピーになれるのかって? それは会社ですよ。
間違っても建て主さんじゃありませんから・・残念!!
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コラム520 2013年06月14日
どさくさにまぎれて
各地で30度を超す暑さで熱中症が心配されていますが、どういうわけかこの地区では長袖でも
いられるくらいに気温が上がりません。
さすがに今日は雨のあとなので湿度も高くジメジメしていますが、ガンガン照りつける暑さにはまだ
程遠い状況です。
新聞やネットニュースでも伝えられていますが、デパートが認知症の高齢者に1000万円以上の買物
をさせ訴訟問題にもなっていると騒がれています。
オレオレ詐欺とも肩を並べるようなちょっと信じられないようなことが起こっているのですね。
まあ、あちらは来店して買いますと言われれば売りますとなるのでしょうけれど、どこでその症状を
認めて商行為をストップさせるかですね。
売りたいのは山々だし、見えないようにみえて社内ノルマはあるし、売り子さんも板ばさみになって
いたことと想像できます。
こうしたことは今までには例がなかったことで、まさに高齢化社会の生んだ歪みと言えるでしょう。
裁判所でも認知症が認められた後の買物は無効として返金命令を出しているようですが、この先
早急に法整備をしなければ、グレーゾンでも売れればと見て見ぬ振りをする売り手が続くでしょう。
先日の証券マンの不正解約もバックにきついノルマがあったと報道されていました。
モラルというのは個人的な尺度がそれぞれ違うといってしまえばそれまでですが、常識的に見れば
法律で介入するほどの大差はつかないはずです。
おかしいと思ったら自分の心に問いかけてみて、後からどうのこうの言われないようにしたいですね。
法的におかしなことはしていないといっても、大衆の目は厳しいですから、目先の利益だけ大事に
していたのでは、その先に大きな宝を潰してしまうことになります。
倫理というのはマニュアルがどうのとかではなく、まず「心の中身」だと思います。
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コラム519 2013年06月13日
住宅メーカーの営業攻勢A
住宅メーカーと言われる大手ハウスメーカー・ビルダーは、それぞれの方法で展示場を持ち、情報
発信を行なっています。
この地区にも10メーカー以上もの集団で大型展示場を形成し、毎月イベントをやって集客しています。
一方、我々地域地場の工務店はせいぜい周りの地区にチラシを入れる程度しか出来ていません。
建て主さん側から見れば圧倒的に見えているのは「大手ハウスメーカー」です。
ただこの情報発信がタダで出来ているわけではなく膨大なコストをかけながら運営しているという
のは消費者からは見えません。
一説には展示場に参加すると月間800万円くらいの経費がかかると言われています。
8〜10年ほどで更新していく建物、そこに駐在する人件費・光熱費諸々を入れると簡単にその位は
いってしまいます。
ハウスメーカーによって給料の差はあるとしても、一人当たりの額は年450〜600万円位になります。
月50万円の営業マンが5人いれば250万円、常駐する案内役の人、光熱費・建物の償却・本社経費・
ハウジングセンターのイベント経費負担分・毎月の賃料も含めるとうなずける金額です。
平均すると営業マン一人当たりの住宅獲得(契約)は月0.5から0.8と言われています。
5人の営業マンで月3棟契約したとすると300万円近くの「住宅の価値以外の経費」をはらうことに
なるのです。
これを別の見方をすればチラシ程度しか出せない我々とは一軒あたりの営業コストが10倍以上の
ひらきになるということでもあります。
何とか安く・コストを抑えて・・・と考えていても、現実にはこれだけの「住宅以外のコスト」を払って
手に入れているわけで、努力をする方向がまるでずれていることになります。
この300万円近いお金を考えてみると住宅1棟分の木材費に匹敵します。つまり家1軒分の資材費が
経費で消えているということです。
それでいて、「ムクの木は高いですからねえ」とか言われると「あなた、何を考えているの?」と言いた
くなります。
そう、展示場ってお金がかかるんですよ。
見てるだけならタダだけどその先に踏み込むと高くつくんです。
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コラム518 2013年06月12日
住宅メーカーの営業攻勢
家造りというものは、その人に合った住まい方ができるように支援することだと思っていますが、
大手ハウスメーカーはまったく違うようです。
ビジネスは他社に勝たなければ生き残れない。
勝つためには、より近く顧客に接する
展示場に訪れた客は少なくともその日には訪問する
契約を取るまでは相手に考えさせないくらいの熱心さを出す
契約まで3ヶ月でまとめる それ以上かかる客は追わない
まあ当然と言えば当然なのですが、車と同じ感覚でよいのでしょうか。
家も同じこんなふうにまとめられてよいのかと思います。
展示場に行った経験のある方たちが、私たちのところに相談においでになりお話を伺ってみると
だいたいみなさん同じような経験をされているようです。
このほかには大勢の方々がそこの時点でメーカーと話を進めていってゴールされると思うのですが
その比率はかなり高いものだと想像できます。
住宅メーカーはどこでも自分の設計パターンというものを持っています。
何がしかの工法とお決まりの使用素材、その中で数通りのパターンから選ばせるというのが殆どです。
表面上は自由設計などと言っていますが、彼らからすれば完全な規格パターンを自由設計に見せて
いるだけのことで、建て主さんにはそこまではわからないでしょう。
注文住宅(自由設計)という場合はかなりの時間をかけて要望をまとめないと図面など書けません。
彼らが顧客と会って二度目には設計図を持ってくるなどというのは私らには考えられないことです。
それが出来るということはすでに準備したものがあるということなのですから冷静に見ればわかる
ことなのです。
それらのことを「熱心」ととるか、「やりすぎ」ととるのか、受け止め方は様々だと思いますが違和感を
持たなければ前者で進んでいってしまうと思います。
いまや展示場を持っていても、「来る客」を待っていたのでは商売が難しい時代になりました。
彼らもいかに効率よく有望客を集めるかを努力しています。
「展示場の建物をお安くお譲りします」というのもその手法の一つです。
土地を持っていて、数ヶ月以内に建てられる人という条件をつけてチラシをまきます。
値段が魅力のある価格で出ていますからその気のある人はどんどん申し込みます。
売れるのは一棟だけですから、100人の応募があれば99人のハズレが出るわけです。
これが彼らの目的で、濃厚な建て主のリストが手に入り、そこに集中攻撃をします。
もともと家を建てる意思がすぐにでもありますと表明しているのですから、簡単には逃げられません。
「せっかく応募していただいたのであなたにはこういったサービスをさせていただきます」となり、
よほどの硬い意思がなければそこで「夢の家造り」は終わりとなります。
私たちには持っていないその「営業力」には敬服いたします。
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コラム517 2013年06月11日
9日(日)の勉強会
一昨日の日曜日には予定通り家造りの定例会を開きました。
参加者は30名、素材というテーマで2時間タップリ聞いていただきました。
今の建物は同じように見えても中身がずいぶんと変化しています。
それは誰のためになされているのかと言うと、残念ながら業者のほうで、いかに競争に勝つかと
いう努力となってしまい、建て主さんのためにではなくなっています。
ですから、一つひとつの工法の違いもさることながらそこに使われている素材はどんどんすり替わ
っていってしまい、建て主さんの意識の域を超えてしまっています。
そのことが、家を造る「安全」という当たり前のことからずれて遠ざかってしまい、そのことに建て主
さんが気付いていないという現実を生んでいます。
大手ならだまっていても良いものが手に入るというのは間違いです。
地域ビルダーも大手も数をこなそうとする業者はほとんどやっている方法が決まっています。
出来具合、バラつきをなくし、初期クレームが出ないようにする。
確かにバラつきをなくすというのは大事だと思いますが、きちんと作業をしようとする職人さんは
いつも平らな仕事をします。どういった点がよいのか中身はいろいろ分かれますが、良い仕事をする
人が全体の数・仕事量に足りないから三角マークの人も混じってしまうのです。
住宅メーカーである以上、○○シリーズである以上、その中身のバラつきがあってはいけません。
そのためにメーカーは良い意味・悪い意味でもどう努力をしているのかを知らないと、何故「素材」と
いうことを話そうとしているのかもつかめなくなってしまいます。
何事もメーカーを信じきってやれる人は良いでしょうが、その中身まで理解しているのかというと
その内容は乏しいものです。
まずは実情がどうなのか、どうしてそういった素材が使われているのかを探っていく必要があります。
安全だと思っていたものがそうではないとわかるまでに病気になってしまったら完全に手遅れです。
事前勉強は自己防衛としてますます重要になってきました。
そういう意味を少しでも受け止めていただけたら主催者としてもうれしい限りです。
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コラム516 2013年06月10日
変わってはいけないもの
日本には四季があっていいなと外国の人が言いますが、外国でも同じ地球で回っているのですから、
四季までは行かなくても二季くらいはあるはずです。
上空の風や気圧の張り出し方、地球規模の空気の対流などによってその国の気象条件が出来ます。
ツーバイフォーが輸入されてきたその地区では夏期には高温低湿状態が続き、山などは火災発生防止
のため入山禁止になるくらいの国です。冬は低温高湿度で日本とはまるで逆の環境になります。
あちらの住宅では夏に家がかびるとか冬には異常乾燥注意報が出るなどというのは基本的にないの
です。夏の時期は火災に注意するというのがむこうの人たちの常識になっています。
そういった季節感の住宅が日本へきたらどうなるのか、輸入され始まった当時からそれは懸念されて
いました。しかし、世の中は別のところで動きます。
過去には政治力・資本力で貿易収支の調整役として住宅が取り取り扱われてきました。
住宅がその時期を境にずれを生じるようになったと考えても良いと思います。
柱を建てて支えるという考え方から、枠パネルで形を作るというスタイルになったことで、資材も工法も
180度転換が求められてきました。もちろん、柱を建ててという工法がなくなったわけではありませんが
その内容は段々とパネル工法に近いものになってきました。
枠(パネル)工法というのは「合板」が非常に便利です。仮に1M×2Mのパネル枠を作るとすると
10cm巾の板なら10枚打ち付けねばなりませんが、巾1Mの合板なら一枚だけで済みます。
これらの作業性の差は大きいものがあります。
基本的に今のツーバイフォーもこの合板類を使用しているところが100%ですので、「合板の家」と言っ
ても言い過ぎではありません。
日本の工法もパネル工法に近くなってきたというのは、スジカイを使わずに「面材」というものを使い始
まったということにあります。
地震に強いということと面の広さはある程度比例します。
逆を言えば面の狭さは弱点ということになります。
だから面工法の家は開口部が日本の従来の建築と比べると小さいのです。
その延長に「風通しの良し悪し」という問題がくっついて出てくるのです。
合板は日本の建築方法の木や土壁と違って夏の湿気などを調湿する作用は(ゼロではないですが)
ずっと少ないです。
そこへもってきて窓が小さいということは機械(エアコン)ナシの暮らし方は難しいのです。
面で空気の流れが滞る場所も出てきますから余計にカビの発生が容易になってしまい、しいては
健康面でマイナス作用を助長することになり、生活環境としてはけして優良とは言えなくなります。
現状ではこうした問題はほとんど言われずに、コストを下げるにはどうするかという議論ばかりです。
口では健康住宅ですと言いながらずれたことばかりやっているというのが今の家造りでしょう。
家造りには変えていって良いものと、変えてはいけないものがあることを認識して進まなければいけま
せん。
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コラム515 2013年06月07日
日本建築と西洋の違いB
会社に出てくる途中にちょっと洒落た感じの家があるのですが、そこの家の北側は総二階になって
いて、下屋根がまったくありません。
築10年未満で、2F屋根直下2mくらいは何ともないですが、その下からは見事なまでにカビが生えま
した。本来の屋根庇もほんのわずかな出巾しかなく無理もないと思っていました。
そのお宅で、ここ何日かで外壁を塗り替えたのか、汚れだけ落としたのか不明ですが、いづれにしても
その該当面のカビが消えていたので何かの工事をやったものと想像できます。
もともとの色がプロバンス風のようなやや薄い黄色を主体としたものでしたので、その色に反対色の
カビですから遠目に見ても目立ちます。
この家の方も最初からカビるなどということは考えなかったでしょうが、結構現実は厳しいものです。
しかし、このお宅はせっかく手入れしたのだけれど残念ながらまた数年でカビが生えると思います。
まわりは畑、そして北側、屋根は以前と同じで出ていない・・・、これでは余程抗菌性の塗料でも塗ら
ない限り環境は一つも変わりません。
私の予想では2年後にはまた同じになるでしょう。
10年に一度づつ塗っていたとして3回もやったら、その費用は屋根をきちんと出したほうがはるかに
安くなっていると思います。
そこまで建て主さんが計算していたかどうかはわかりませんが、業者のほうでは安くあげるためには
どうするかは承知していたはずです。
かくして、この建物はこの「塗装を繰り返す」パターンで一生続けることになります。
誰も住宅を建てるときに安いほうが良いと考えますが、途中でかかるメンテナンス費用は気にしま
せん。と言うより気付かないというべきでしょうか。だからこそ、業者はそこまで提案していかないと
あとで恨まれるということになってしまいます。
そこまで説明してその上で「私は安いほうが良い」という答えを出したのなら恨みっこなしでしょうが。
いずれにしても南フランス地区のものはここには合いません。
砂漠地区のものも合いません。
北欧地区のものも合いません。
外壁が数年でこれでは内部だって想像できてしまいます。
カビに対する知識をきちんと持っていないとこの国では病気になります。
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コラム514 2013年06月06日
日本建築と西洋の違いA
建物というのはそこの気候条件や採れる(調達できる)資材などの総合的なものから出来ていると
思います。
昔、今のように数字的データのなかったころは大工さん(家を作る人)が長い間の経験から鍛え抜か
れたものだけを「実績のあるもの」として採用してきました。
それが日本では木と土(塗り壁)だったわけです。
外国では木が手に入りにくい国もあり、素材はレンガだったり土・コンクリート、場所・季節によっては
氷だったりもします。
雨が非常に多かったり少なかったりも関係します。以前、中東から出稼ぎに来ている方から聞いた
ところではあちらの家の屋根は平らなのだそうです。
理由は雨が降らないから屋根の傾斜が不要とのことです。熱い太陽光線を遮ることのほうが重要とか。
面白いものだなと感心しました。
そういうことを考慮すると今の住宅の考え方は非常に偏ってきていると思います。
400年前も今も気候環境はそれほど変わったとは思えないのですけれど、デザインという「トレンド優先」
なのでしょうか、気候条件を無視した建物があちこちで見られます。
屋根の庇(ひさし)ひとつとってもほとんどない家がでてきています。
これだとナナメから吹き付ける雨で壁が常に濡れっぱなし、乾く暇がないのでカビが生えます。
いくら新しく塗装をやっても根本が変わらないのですからまた数年後にカビです。
縦長の洒落た窓は見ても格好がよいですが、庇がないから窓が開けられません。
空気の流れを考慮していないから家の中がカビやすくなります。また使っている建材が呼吸性がない
からさらに追い討ちをかけます。
デザインが西洋化していることは悪いこととは言いませんが、機能的にみて気候環境を無視していると
考えるべきでしょう。
いくら、南フランスのデザインと言ってもここは日本です。まずここの気象条件をクリアしてからでないと
ダメージは必ず受けます。
ぶどうを作るような環境は雨が少なく、飲み水にも苦労すると言います。少年少女にアル中が多いと言う
のもうなずけます。そんな国は庇がほとんどなくても困らないのです。
今の家は高気密・高断熱にしないと家じゃないと言われるほどですが、そんな家で暮らしていて予想も
しなかった問題が後から追いかけてくるのです。
なぜ強制的に換気扇をつけなければいけないのか、法律まで決めてやることなのか・・・
素材とデザインの及ぼすものは大きいと思わなければなりません。
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コラム513 2013年06月05日
日本建築と西洋の違い
10年前に建てられた農家のお宅でお邪魔する機会がありましたのでそのことを少し。
当時、この当家の方が、ラフの図面をお持ちになって「こういう家を建てたいのだけれどどうだろうか」
と相談されたことがありました。
その図案は広い玄関、その正面は裏庭が見えて、左手には大きな部屋が二つと前廊下、右手奥には
キッチン食事スペースとその奥に寝室、玄関脇右側には親の部屋があり、その右手には農家特有の
野良着のまま上がり降りできるサブ玄関と奥には水回り・・・これに二階が載っているのですから・・・
さすがと言うくらい、1F部分だけでも二軒分くらいありそうな面積でした。
今回、こちらのお母様が亡くなって、そのことを知らずに二週間ほど過ぎてしまい、失礼を承知で
お線香をあげさせていただくためにご自宅にお伺いしました。
帰り際、お茶を出していただいて少しお話をしてきました。
「お蔭様で、この前の地震のときもほとんど無傷でした」
「大工さんの加工した家は強いですねえ」
「壁もほとんど被害がありませんでした」
「そうですか、それは何よりでした」
「もう、10年ですか、早いものですねえ」
「そう、当時の大工さんもお葬式には来てくれましたけどみなさん歳をとりましたねえ」
「若い人がいないからこれからはこういう建物はできなくなってしまいますね」
「うちあたりが最後かな・・・」
「そうですね、みなさん世代交代になってしまって後継者がいないですからね」
「残念ですが実にもったいない話しです」
ほんの数分でしたが、今の世相を表したような話でおいとましました。
外観はさすがに雨に打たれたところもあり、黒ずんできたところもありましたが、中はほんの数年前に
建てたような感じのする経年変化でした。
今の屋根も出ていないストライプ柄の事務所と見間違うような建物とは一線を引いたような感じの
何とも落ち着く家でした。
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コラム512 2013年06月04日
ものは言いようB
今回の木材利用ポイントについてもう少し。
前回は省エネを謳った家電・住宅エコポイントでした。
ですから電気製品はじめ住宅業界の中でも断熱材・サッシ・住宅機器が該当していました。
しかし、今回のそれは木材の利用を促すポイント(おまけ)です。
前回は複数、今回は単数というイメージが強いのです。
これの利用は消費者が知っていて利用したいと申しでるか、業者がお勧めですよといって勧誘する
かのどちらかになります。
業者が登録制になっていますから、していない業者は口に出して勧めることはしません。
つまり消費者が知っているうえで利用したいと申し出ても、その先がなければ利用不可能になる
ということです。
ここで世の中の仕事シェア比率を考えて見ましょう。
ほとんどの人が「見える」住宅の業者と言うのは大手のハウスメーカー・ローコストビルダーです。
この人たちは宣伝をバンバンやって顧客を集めるのが得意ですが、残念ながら国産材をふんだんに
使って建てるというタイプではありません。
どちらかと言うと、ほとんどPRをしない(出来ない)零細業者である木造建築をやっている人たちが
今回の窓口になるのです。
その違いが大きいと思います。
私の知る限りでは、この木材利用ポイントのニュースを知ったのは一回です。たしか、NHKだけ・・・
家電エコポイント・住宅エコポイントの時にはメディアも量販店業者もチラシ等で大きくPRしていました。
しかし、今回はちょっと違います。
つまり消費者が知っている度合いは非常に低いと考えられます。
この補助金の大きな目的は木材の利用拡大なはずです。しかし、その土台が出来ていません。
大きな家電量販店ならチラシ・幟(のぼり)等で「・・・ポイント」と宣伝できます。
我々零細業者では(木材利用ポイントの幟が配られるなら別ですが)自腹でそこまで出来ません。
受け手側である消費者が知っていたとしてもその先の窓口(受け皿)の状況が悪すぎる。
私の予想では「たらいの中で水をかき回しただけ」に終わるのではないかと思うのです。
つまり、最初から木造でやろうとしていた人たちだけにしか利用されないだろうという予想です。
本来の目的である木材振興にはつながらないような気がします。
「机上の思惑とパソコンだけ」では世の中は動かないと思います。
私の予想が外れれば良いのですが・・・
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コラム511 2013年06月03日
ものは言いようA
机の上だけですべてをうまく回そうとすると何か無理が出るというのが今回の木材利用ポイントです。
何に対してポイント(アメ)を発行するのか・・・・申請登録されたものだけ それ以外はダメ
誰から買っても利用できるのか・・・・・・流通・供給の登録をしたものだけ それ以外はダメ
誰に頼んだ工事でも利用できるのか・・・・・・工事登録をしたものだけ それ以外はダメ
例えば千葉に住んでる人が茨城の業者に頼んだ場合、その業者は千葉にも工事をすると申請して
いなければ「ノー」になります。
流通業者も合法木材の認定事業資格を持っていて、使用品の流通証明が出来るものとされています。
そのうえでこの登録をしていなければ、いくら施工業者が登録していても「ノー」になります。
一方で、ペレット・薪ストーブは外国製でも申請がされていればポイント対象になります。
製造が日本のものに限られるなどと言ったらこれはほとんどアウトになるでしょうけれども。
彼らの目的は森林の振興ですからこれについては問題がないと考えているのでしょう。
ところが、炭でさえ東南アジア中国製のものがあふれているのに、ストーブを買ってしまえばあとは
どこの燃料を使ってもお咎めなしになるとしたら本筋からずれますよね。
国産以外の薪・ペレットは使いませんと誓約書でも書いてもらわねばなりません。
だって、ストーブは一年だけではなく(特に外国製は)10年20年と長く使うものでしょう。
外国製のストーブに外国の燃料を燃やしてもOKとなれば、ただの税金の垂れ流しです。
とにかく、登録、登録と「お上本位」の「アメを配るから並べ」と言った「下付意識」の塊みたいなもの
です。
前回の住宅エコポイントもそうでしたが、流通・施工の人たちには一切何のの事務費も出ません。
別に仕事の一環だと思えば何ともありませんが、つくる書類と動き回る時間はバカにはなりません。
もう一つ
これらの登録にはパソコンが欠かせません。つまりPCを扱わない(扱えない)人には恩恵がない
のと同じなのです。
登録できた人にだけログインIDとパスワードが送られてきます。メールで。
自分たちで「IT格差はいけない」などと言っていても、しっかりと格差をつけているんですね。
申請期間も5月いっぱいで締切りと言われていましたが、果たしてあふれるほどの業者が登録した
のかどうか、私のところでも供給・流通の申請はし「受け付けました」とは言われましたが、そのまとめ
一覧表はまだわかりません。
もう6月なのに・・・
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コラム510 2013年06月01日
ものは言いよう
今回の木材利用ポイント制度は前回国が行なった住宅ポイントとはちょっと趣きが違うようです。
どこかのえらい大臣さんが2020年?までには国内木材自給比率を50%まで引き揚げると言いました。
少し前のCo225%削減といった総理大臣よりはまだ可能性はありますが、正味6年半で二倍以上に
するというのは「現場を知らないエリートさん」としか言いようがありません。
そのためには何もやらないでいると「それみたことか」と言われるからなのでしょう、今回の木材利用
ポイントは、自分の領域だけは大量のアメをばら撒いてもやるぞという空気を感じます。
目的は林業振興、地域経済への貢献、地球環境の保全、外材も半分以下なら排除しない、・・・など
言っていることはわかるけど、実に「机上の考え」であると感じます。
中身は「米作り」と同じです。戦後の食糧不足の時には増産増産、余り出したら減反減反・・・
米が不作だとなれば「それ、輸入」です。
木材も戦後の需要をまかなうために家まで輸入しようとしてきました。
国内の林業事情と外国のそれの違いは歴然で、こちらは急斜面の地で効率が悪いのとあちらはゆるい
傾斜あるいは平らな土地で機械作業が可能で、バンバン農作物を収穫できるような大きな差になって
います。
もともと手入れコスト・収穫コストが全然違うところで出てきた製品は同じということはありえません。
自然の流れで外国産の木材に需要が流れたことは今の数字がそれを裏づけしていることです。
それを単年度程度の補助金で何とか出来るのではないかと思っている人がいるんです。
こういう数字になったのは実に40年以上かかっています。それだけ根が深いということです。
ちょっと飴玉をしゃぶらせた程度で解決などしません。
気になっている点が他にもあります。
外国産の木も排除しないという点です。
片方で林業振興と言っていて、過半以下ならだけではザルになります。
いままで、80%国産材を使っていた業者が65%の使用比率になっても該当するということ
このケースの場合は充分に考えられることで、確かに基本50%は超えているけど振興にはなって
いない・・・だけど、補助金は出る・・・ということになります。
もっと客観的に見れば、補助金の使い方そのものです。
日本の国内事情を見れば、こういうことをやる前にもっと支援をしなければいけないことがあるだろうに
と思うところは山ほどあると思うのです。
まだ、家を建てようとする力のある人と、生活を破壊された人の復活支援とどちらが優先されるべき
なのか・・・です。
彼らから見れば、自分の省でとった予算は自分で使う・・・というのが自分の仕事なんでしょうね。
きっと。
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コラム509 2013年05月31日
ニオイが・・・B
化学物質に対しての防備というのは非常に難しいと思います。
なぜならば、全然体験したことのないことを「気をつけなさい」と言っているわけで、風邪を引いたとか
熱を出したとかの経験をもとに「次はこうする・・・」とか、受け手側の経験がある程度ある中でやりとり
出来るものではないからです。
その意味では、大阪寝屋川の入江さん一家の事件などはもっともっと世間に知らせて現実味を
疑似体験できるような仕組みを作っていくべきだと思うのです。
メーカー・国も「臭いものにはフタ」の考えはけしてプラスにならないということを肝に命じることです。
有機溶剤などの揮発物はもともと何かを作るまでの脇役であるものです。塗料や硬い樹脂を作る
ときも、濃さ薄さを調節するため・型を流すのに液状にするためなどになくてはならないものですが、
それが自体は通常の自然界にはないもので、生物の命の育みには悪影響を及ぼすとわかってきた
のは最近のことです。
揮発の基準値が決められたと言ってもフォルムアルデヒドだけのような内容では、溶剤がこれだけ
ではないのですから、結論から言って何にも解決していません。いまだに潜在的なシックハウスの
爆弾を抱えているのは同じなのです。
国が0.08ppmの数字で和解みたいなことをやってしまったから、安全が一人歩きしてしまいました。
使えるものは使えとハウスメーカーは売りの道具にしています。
大きいところがやっているのだからと中小が追いかけているのも事実です。
宇宙に基地を作ろうとしている人間が、片や足元の化学物質を解決できないと言うのも何かおかしい
と思います。
消費者である建て主も、もっと化学物質の揮発物によって身体が蝕まれていくことを、放射能の恐怖と
同じレベルで勉強する必要があります。
でもね、「うん、そうだね」で大概終わってしまうんですよね。
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コラム508 2013年05月30日
ニオイが・・・A
何年か前、秋田へ仕入れに行った時のことでした。
地理的に距離もあり日帰りは出来ないのでいつも市内のどこかへ宿泊することにしています。
そのときに利用したある宿での出来事、「内装を新しくしたのでそちらへどうぞ」と部屋に通されました。
確かに小奇麗になっていたのですが何か室内のニオイが気になっていました。
自分でも大したことはないだろうと思って休んだのですが、だんだんそのニオイが不快になって
しまいには窓を開けて寝るようになりました。遠距離を運転してきたから疲れているはずなのに
何度か夜に目が覚めてしまい、いつものようにはいきませんでした。
ネット予約でしたので、帰ってきてから自動配信で届いていた評価メールにそのことを書き込みました。
そうしたら、宿のほうから直接電話があり、「あんなことを書かれたら営業妨害だ」と言われました。
事実、部屋のニオイのお蔭で何度も目が覚めて熟睡できなかったので、正直に書いたのですが
それがいけなかったようです。
書き込んだ人からしか削除できないのですぐに消してもらいたいと言われました。
あちらとしてもせっかくきれいにしたのに苦情のような文面を書かれたのではたまったものではないと
思ったのでしょう。むこうさんとしてはもっともな話しです。
特にその宿を誹謗するために書いたわけではないので要望に応じ削除しましたがましたが、何とも
後味の悪い思いでした。
(教訓・・・生きていく上で本当のことばかりを主張していると摩擦が起きる)
それ以後は、なるべく古い宿かあまり経費をかけないビジネスホテルへ泊まることにしています。
ホテルもリニューアル年月が浅いとニオイますから、自分の身を守るためには近づかないのが一番。
後日の評価も無難なところへチェックを入れて、もう行かないようにしています。
食物アレルギーなら理解されるのに、空気環境に関してはまだまだというのが現実ですね。
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コラム507 2013年05月29日
ニオイが・・・
昨日は久しぶりに請求書配りに出かけてきました。
車で移動しながら何軒かに届けたのですが、その中で、事務所を新しい場所に建てた方がおりまして
新住所を探しながらどんな建物なのか運転していました。
今時だからどんな建物なのかとても興味がありました。
田舎ですからさほど迷わず見つけることが出来ました。
予想通り、今風の洒落たデザインでした。
ただ、ドアを開けて中へ入ったとたん、私の苦手なあの壁紙特有のニオイが充満しておりました。
中では男性の方が何事もない感じで電話をしておりました。
長電話のようでしたので、目で挨拶をして請求書をカウンターにおいて帰ってきましたが、 いやあ
きつかったです。
あの空気をずっと吸っているのかと思うと私にはとても耐えられないと感じました。
人はニオイに対してそれぞれの感じる尺度が違うとは聞きますが、あれは(私にとって)90%危険信号
です。
私もどちらかと言うと、新建材の倉庫脇に長く暮らしていたほうなので、きっと揮発物の長期曝露と
同じ状態になっていたのだと思います。
化学物質過敏症まではいかなくともその類には非常に敏感になりました。
特にクロス(壁紙)には弱いです。その空気を一吸いするだけで「勘弁してくれ」と思います。
新装開店のコンビニ、家具のお店、住宅展示場と完成見学会・・・苦手です。
「これ以上吸ったら爆発してしまうぞ」と身体が言っているみたいに感じます。
きついニオイのときは目がチカチカし、舌先の感覚が鈍くなってきて麻酔をかけられたようになります。
近所にスイーツのお店が出来たときもそうでした。ドアが開いたとたん「むっ」ときました。
私は店には入らず、車で待っていました。
家内は「感じない」と言うのです。不思議です。でも、彼女は花粉症です。
性格の違いとかそんなものではなく、何かがおかしいと思います。
最近、それが特に敏感になったような気がします。
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コラム506 2013年05月27日
殺虫剤
ここ数年、ずっと育ててきた庭木をやむなく伐採しています。
理由は虫のつくのがひどいのと手入れが出来なくなるという二つです。
梅の木はアブラムシ、ヒバ・いちょう・カリン・ハナミズキは高くなってしまい手入れがむずかしくなって、
ベニカナメは葉の病気、などです。
昨日、25年ほど前に一本づつ植えておいた紅梅・白梅ですが紅梅を切りました。(昨年は白梅を)
原因はアブラムシ。
私は殺虫剤が苦手で、近所で植栽にまいたものでも頭がガンガンするくらいにひどくなります。
以前はさほど気にならなかったのですが、近年はとくに感じるようになってしまいました。
ニオイは数日間でほとんど気にならなくなりますが、それでも感じるときは窓を閉めています。
ですから、自分の家の庭木には絶対に殺虫剤はふりません。
敵もさるもの、それを知ってか、梅の木には毎年すごい数のアブラムシがおいでになります。
ここは安全だと言うのがわかるのでしょうか、招待したわけでもないのに困ったものです。
そのひどさというか、梅の実どころのさわぎではありません。
もう、せっかく生りはじめた実が黒ずんでしまうくらい大勢の団体さんになってしまうのです。
もう一つはこの先何年くらい枝の手入れを出来るかということがありました。
木は成長していくし、私らは縮んでいくし、ここ数年のうちに決断しなければと思っていました。
なぜ、ひどくなってから切るのかと思うでしょうが、二本あったときには白梅(小梅)のほうは
よくやられていましたが、紅梅のほうはあまり被害がなかったのです。
ですから、運がよければつかないかもしれないと思って、こちらを残しておいたのですが甘かった
ですね。
敵も生息場所がないのかイヤというほどにかたまっています。
というわけで、伐採が決定され昨日の午前中に執行されました。
名前の通り、アブラムシとはよく言ったもので、本当にギトギトしているんですねえ、これが。
いきなり根元からバサッと倒せないので、上のほうから少しづつ切ってくるのですが、イヤになる
くらいベタベタギトギトなんです。長袖にも遠慮なく落ちてくるし、払おうとするとベタベタするし、
地べたに落ちたやつはその辺を這い回るし・・・
というわけで、枝葉を細かくカットして市のゴミ袋にいれ、太い幹は25cmくらいの長さに切り、天日で
干して薪にするために残して、午前中は梅の木と格闘して終わりました。
久しぶりにお昼をたべながら公園にでも行こうかという話になって、水戸の千波湖・偕楽園に出掛けて
きました。
陽気もよくなってきたから、人出もかなりあるだろうなと思い、駐車場も空きがなくとめられないようなら
そのまま帰ってきてもいいと思いながら出掛けました。
午後になっていたのでほんの数台だけ空きスペースがあり、幸運にもとめることが出来ました。
さすが、千波湖は良い天気で人がいっぱい。
歩道を半周し、桜川・常磐線の陸橋を越えて偕楽園に入りました。
この陸橋は長いほぼ一直線になっており、「自転車は降りて渡ってください」と書いてあるのに乗った
まま、びゅーっと走ってくるアホがいるんです。
「字が読めないのかよ、まったく・・・」とか「アホじゃなくバカなんじゃないの」などと2人で言いながら
下を走る旧6号線と常磐線を越えていきました。
あれれ、千波湖とは大違い、何の花もない園は休館日のようでした。
売店のお姉さんに話しかけたら「今はもう、花も終わってしまって見るものがないですからねえ」って
ほんと暇そうでした。
園内はほんとうに何の花もなくただ梅の葉の緑だけがきれいでした。
よく見てみると大きな実がたくさんついていて、アブラムシはこれっぽっちもいませんでした。
「もう、花が終わったらたっぷり消毒すんのよ、きっと」
「ほら、どこ見たって一匹もいないわよ」と家人もいいます。
「薬まいた後でなくてよかったわね」なんて言いながらほんとに人の少ない園を後にしました。
やっぱり、あれだけのものを維持するには殺虫剤は必要なのかとしみじみ感じた午後の散歩でした。
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コラム505 2013年05月25日
必要経費・・・”今回だけは特例”
勝手なこと言い放題ついでに、もう少し。
今回の課税問題も、司法は常識に見合った判断を下したと思います。
これに対して、大阪国税は「今回は特殊な例として・・・」うんぬんの判断にはそう易々とは首をタテには
振らないでしょう。何しろ国のメンツがありますから。
「おい、ちょっとお兄さん儲け過ぎじゃあねえのかい」
「それでだまって帰るってえ魂胆かい」
「生きて帰りてえなら身包み置いてきな」
こうなると893よりもっとタチがわるい・・・。
もともと、税金はとりやすいところからとるというのが国・地方の基本ですから、今までの課税の流れ
から行くと、益々その兆候は顕著になってくると思います。
年収の25年分の税金をすべて充当しても返しきれない借金をしている国ですから、すでに末期的
症状になっているわけです。
それでいてインフレだの所得アップだの夢のようなことを言い続けている政治家も脳ミソの中身が
空っぽ同様ですが、内外に恥をさらすようなことだけはしたくないと言う「プライドの塊」の人も官僚の
中にはいるでしょうから、やることはすでに決まっています。
過去には、いつの間にか上がっていたというのが領収書印紙税でした。
3万円を超えるものは100円だったのに有無を言わせず200円になりました。
手形の発行時に貼る金額も倍になりました。
物価基準から言えば100%の値上げです。
民間はこんなことは逆立ちしたって出来ませんが、国なら平気でやれるんです。
常にどこから搾り取れるかを考えているのが官僚の仕事なんでしょうか。
ビールじゃないビールと言われている発泡酒、これも世の中でメジャーになってくると「見逃さない」と
目をつけられました。
そのうち、公正取引委員会が言ってくると思います。
「不当表示はイカン」
「だって、一番先に搾り上げているのは税金だから「一番搾り」は不当表示に当たる」
「名前は二番搾りにしろ!」・・・ってね。
うけない親父ギャグは脇に置いておいて・・・
いつも狙われるのはだまっている人、文句を言わない人ばかりです。
権力と群れをなして来る人には甘いお茶を出しますが、こいつは弱いと見れば法律を後ろ盾に
とことん突っ込んできます。
自分が逆の立場でやられたらいやだよなと思うことでも、長く組織で動いていると「個」というのは
だんだんなくなってくるんですね、これが。
今回の課税もそうです。
相手はちょっと法律で押し込めば簡単にひれ伏すと思っていたのでしょう。
なにしろ、相手は一個人、理不尽だと感じていても法律は法律。
それをもとに動いている税金徴収組織ですから間違っているなんて思っていない。
成績を上げればそれで良い評価を受ける。何が悪い!・・・なのでしょう。
そうやってみていると、押し込まれたほうもだまっていない。理不尽だと訴える。
こうなると法律は法律でも、それより強い良識を持った大衆というものがある。
「そんなのおかしい」と声をあげる。
まだこの国はその声をあげられるだけでも幸せかも知れません。
みなさん、くれぐれも賭け事とワイロは足のつかない現金で。
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コラム504 2013年05月24日
興味ある裁判・・都合の良い解釈
コラムで勝手なことばかり言っていると山奥の強制労働に送られそうな気もしますが、もう少し。
職業というものは、いろいろな考え方からいろいろな職種が発生します。
お金を得るのに肉体を使って収入を得るというのは一般的なものですが、人によっては金で金を得る
ということを職業にしている人もいます。
株の取引で利益を得ようとしている人、外国為替で稼ごうとしている人、銀行も他人から集めた金で
「又貸し」をやって金を得ています。
いずれも投資したお金から得られた利益に対して課税されています。
課税基準というのも利益を得るために費やした分は費用として認められていますが、それを認めるか
認めないかの解釈違いで支払う税額が違ってきます。悪意の場合は別ですが。
この裁判でも、収入を得るために投資したお金が損金として認めるか認めないかで揉めています。
この会社員は頭脳を駆使し、たくさんのデータをもとに利益の出る仕組みを考えたのですから、りっぱな
事業所得の扱いでしょう。
それをビジネスとして生活の糧を稼げるのですから株取引で生きている人と立場は同じはずです。
やっていることは同じなのに看板が違うだけで片方は生きていけないというのでは、何が法治国家か
と言われても反論できないと思います。
現実に合わなければ法律を変えていくべきなのに、それを怠るのは逆に訴えられても仕方のないこと
だと思います。
この弁護士もネットで事実をもっと広めたいと公表していますが、確かにこういうことはおかしいと
世論も動かないと何も変わらないと思います。
もともと25%の頭っパネしているんだから非課税にしなさいよ。
どこのギャンブル場も売上が足りないってぼやいているんだから。
こういうことで逆にPRするくらいにならないと胴元としても一番困ると思うのですけれどね。
私は非課税になってもやらないけれど・・
銀行なんて巨額の利益が出ていても貸し倒れ引当金設定を認めているんだから・・・
世の中、不公平だって騒がれるネタはゴロゴロしていますよ。
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コラム503 2013年05月23日
興味ある裁判
ある会社員が独自の統計に基づいたデータで競馬の当たり馬券投票にPCを使い、得た配当が
36億6000万円、これに投資したいわゆる購入金額が35億500万円・・・、単純計算でいくと1億5500
万円の黒字となったのですが、この取り扱いについて国税局から脱税として扱われているという
裁判です。
争点は得た配当に当該の購入資金は必要経費として認めるが、他のレースに関するはずれ馬券は
まったく経費とならないという判断をされた点で、得た黒字額よりはるかに大きな課税額に対して不服
として闘っているものです。
税金を払うのは国民の義務といっても、これほど国民を馬鹿にした課税解釈はないと思います。
私はあまりにも自分に有利な考えしかもっていない国税に、裁判と言う手段で訴えたこの会社員と
弁護士にエールを送りたいと思いますね。
宝くじと言うのは国・地方を含めてたくさんのものが売られていますが、こちらは当選金が非課税です。
それでも、売上金額の25%は頭ハネしてあちらさんのふところに入っています。つまり粗利が四分の1
もあるのです。
競馬は上記のようにやはり25%の頭をハネています。75%しか配当金として廻していないのです。
それでいて、その大当たりしたレースだけまた課税しているわけで、これを全体で見ると全体掛け金の
6割以上も召し上げてしまっている計算になります。これじゃあドロボーよりひどい話です。
税務署も国の税金を集める窓口です。
どこでどういう風に得た金なのかは関係ないと考えているのでしょう。
一時所得でも雑所得でも多く取れればそれに越したことはない、多く取れるほうで攻めろということ
なのでしょう。
普段、全然手を出していない人が競馬場へ行って、1万円で1000万円当てたのと訳が違います。
誰にも迷惑かけない自分の金で繰り返し投資し、率からしてけしてぼろ儲けはしていない・・・
4年も5年もかけて累積で何十億とつぎこんで得た1億5500万円はどうみても一時所得ではなく、
それを簡単に片付けようとするのは権力をバックにした「解釈の横車」でしかありません。
こんな屁理屈で国民をいじめていておいて、肝心の脱税大物を見逃しているではと思うと、この国も
終わりかなと思います。
どこの誰が大物なのかって、「政治」「宗教」という大物ですよ。
あれこそ、一時所得でしょ。
政治家・坊主なんて聖域でも何でもない、あの人たち「職業」ですから私らと同じく国民総背番号で
是非とも公平にして欲しいですわ。
丸々と太った鯉にエサをやれる人は我々以上に税金を払うべきでしょ。
私は競馬はやりませんが
他人の争いでもこういうものは「他人事」とは思えず、そうだよなガンバレとなってしまいます。
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コラム502 2013年05月22日
見られてる・・・
数日前、道路の脇で何かゴソゴソやっている人がいました。
よく見てみると、素手で道路わきに生えていた草を抜いているんですね。
「へえ、今時感心な人もいるもんだなあ」と独り言をつぶやいていたら、なんとその立ち去ったあとに
政党PRの立て看板があったのでした。
「そうか、そろそろ選挙か・・・」と思って見たらば目が合ってしまいました。そのお顔と・・・。

こちらがその写真なのですがねえ・・・
この立っている角度が何とも事務所の窓に向かってぴったりとしているんですね。
朝、ブラインドを開けるともう、じっと見つめられているんです。ずっとです。
いくら訴えたいことがあるポスターでもそこまで見つめられる(というより睨まれている)感じが強いと
ちょっとくらいよそを向いててよって言いたくなってしまいます。
人口の少ない部落だからわざとうちを狙ったわけでもないでしょうが、こちらがちょっと気が引けます。
私もね、どちらかと言えばあまり好きな党でもないしねえ。
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コラム501 2013年05月21日
人がよすぎる
つい10日ほど前、2009年に倒産した静岡の富士ハウス社長を訴えた裁判の判決が下されました。
争点は、2008年には倒産の兆候があったのに前倒し集金を続けていたと言うもので、詐欺容疑に
あたるということで告発されていました。
判決内容は倒産2週間前に知ったとし詐欺にはあたらない・・・と書かれています。
そんなはずはないです。
いくら経営に疎い人でも財務の状況を2週間前に知ったなどというのは現実問題としてありえないこと
ですが、そこは裁判です。
知っていたという事実を証明できなければ勝てません。「・・・のはずだ」というのはあくまで推測であり
本人も直近になって知ったと言えば覆すことは難しいでしょう。
裁判の判決うんぬんに関してのことは当事者で納得してもらうということで、ここは客観的な見方で
考えてみる必要があります。
まず、住宅を建てるのに契約した段階でかなりのお金を払ってしまうという行為のことです。
会社が経営状態が良くても悪くても、やらないうちからお金をいただくと言うのは資金繰りの点から
言えば、とても楽に回せるわけですから(会社にとっては)良いことばかりです。
片や、建て主さんから見れば「信用して・・・」という事なのでしょうが、権利上の主張はまったくの
先払い状態で潰れればただの債権者と同じで、ゼロと考えなくてはなりません。
たとえ、管財人が清算しても配当はほぼ5%どまりで裁判費用などを考えれば「やらないほうが得」
という結果にしかなりません。
非常にきつい言い方ですが、「お気の毒ですが諦めてください」というしかありません。
建物というのは、工事が終了して、登記がされて初めて所有権が建て主さんになります。
工事中のものは自分のものであって自分のものではないという奇妙な立場なのです。
この紛争で融資をしていた銀行も「おまえのせいだ」と言われるような訴訟を起こされていますが
裁判上の関係は、潰れた富士ハウスと銀行の融資関係の問題だけで、他から意見を言われても
はじき飛ばされるだけです。
要は、お気の毒ですが過払いしたご本人さんの「相手を信頼しすぎた結果」ということで、もっと慎重
に支払いをすべきだったと言わざるを得ません。
こういう点でも日本人の「人の良さ」が出過ぎています。
相手は悪いのはもちろんなのですが、こちらも用心する気持ちが足りないという点が高額な損失に
つながってしまったのです。
高い授業料にならないために、建て主さんはもっと賢くならなければなりません。
「大きいから、たくさんやっているから」は関係ありません。
過払いはいつの世でも危険を伴なっているのです。
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コラム500 2013年05月20日
集成材の使い分けC
集成材といえども、原料はムクの木です。
30cm径の一本の丸太からは平均して8枚から10枚のラミナーがとれますが、どこからとれたかで
微妙に収縮の方向が違います。
そして、集成材としてセットされるときには何種類かの木が混じることになります。
そのような経緯で作られるので、同じ欧州赤松の材でもWW(ホワイトウッド)でもラミナー自体が
接着された中で別々の動きをとろうとするのです。
私はここ三年間で「ある比較実験」をやりました。
長さ約30cm断面は150mm×105mmのものです。
ほぼ同じ寸法の欧州赤松集成材と米松ムク材を薪ストーブの脇において、収縮と割れがどれくらい
起こるかという過負荷状態の変化確認実験です。
結果はムク材まったく変化なし、集成材は数箇所で小さな干割れが起こり、接着面のすぐ脇に
収縮によって耐えられなくなったような亀裂に近いような白亜化症状が出ました。
これは当然の結果といってよいと思います。同じ木(樹種)であっても製材した部位によって収縮の
具合が違ってくるのですからとなりの木と動く方向が違ってくるのです。
これらを、目をつぶってそうっと触ってみると、ラミナーごとに妙にデコボコしているのを感じます。
これも当然です。
実験に使った集成材は比較的新しいもので接着力もまだまだ新品同様ですから、剥がれたりする
ことはありません。しかし、それでもラミナーは自分の「動くべき方向」へ動こうとするのです。
ではなぜ、ムク材に変化がなかったのか・・・正確に言えばムク材も収縮していたのです。
ただし、形状が自然に育ったままの切断も張りつけもしていない状態なので一本の木の組織として
伸び縮みしていただけなので亀裂が入らなかったのです。
この症状をどう捉えるべきなのか。
推進者は「破壊されたわけではないのだから支障なく使える」と主張するでしょう。
しかし、それは接着剤が堅牢な期間だけです。
物にはすべて劣化があります。
接着樹脂が木の動きを押さえつけていられるうちはいいですが、それが逆転したらどうなるか
地震の揺れに接着力が負けたらどうなるのか。 答えは明確です。
その意味からも集成材は重量を背負う構造用には使うべきではありません。
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コラム499 2013年05月18日
集成材の使い分けB
集成材は形成している素材が今までの木材とは全然違います。
「別に違ったって強度があるんだから構わないだろう」と思うかもしれませんが、素材の質から言えば
かなり違います。
集成材の一枚一枚の呼び名を「ラミナー」と言います。
このラミナーは欧州から来るものが多く、材種はもみ系・赤松系の木が多いのです
これらの木の特徴は、もみ系はぱさっとして軽く柔らかい、赤松系は油っけがあり柔らかい木です。
そしてこれらのラミナー一枚一枚はわりと小さな木から製材されたものが多く、断面にはかなりの
辺材部分が含まれます。それは切り口を見れば大体の径がわかります。
この辺材は木が形成されてから年数が浅い部分のものでまだ木の栄養部分をしっかりと持って
います。集成材はこれらが積み重なっていると考えておいてください。
日本では(よその国も同じですが)土がカチカチに凍るところ以外はどこにでもシロアリがいます。
シロアリは硬い木は歯が立たないのか食いません。赤身の栄養のない部分も食いません。
柔らかくて栄養のある部分ならどんどん食い進みます。
住宅においてた宅内に浸入さえできれば、たとえ、土台が注入加工してあっても関係なく乗り越えて
上にある柱めがけて突き進みます。
そこでおいしい部分があればどんどん食い進みます。
特に外断熱方式では基礎まで断熱材の施工がしてあるので地べたからすぐに断熱材に潜り込めます。
当初、このことが盲点になりかなりの被害が出ました。そしてその対策としてターミメッシュという
目の細かいステンレス網を使うように改善されましたが、これでも完全にカバーできるわけではないので
危険性は残ります。
だから、入ってしまえば基礎内側に蟻道(ぎどう)を作らずとも容易にご馳走のところまで到達できる
のです。
こういうタイプの家は侵入されているのを見つけることが難しく、被害がかなり出てからでないと家人も
気付きません。
今までの住宅なら一本の丸太から一本の柱をとるというやり方で、必ず木の中心である赤身を
大部分が占めています。
柱断面と言うのは、正方形を書いてその中に円を書いたような形の柱が最も多く、四隅にある部分が
木の辺材にあたり栄養のある部分になっています。
ですから、シロアリに食われたと言っても7割以上は残っているわけで被害にあっても倒壊するような
段階までには至らないのです。この差は集成材と違って大きいのです。
上記のように集成材はラミナーが小径木からとったものが多く、一枚ごとに辺材がありしっかりと栄養
部分を持っているので、一度食われ始まるとどこまでも栄養の塊ですから食いが止まらなくなり、遥か
上まで到達されるのです。
例えば、柱の高さ1mまで薬を塗っている場合でもそれは薬の効いている間だけです。
薬効がなくなれば無防備状態ですから(シロアリに浸入されたら)食われます。
繰り返しますが、今の建築方法は構造体がほとんど見えません。
ベタ基礎であろうが完全ではありません。
そこへ彼らがやってきたらどうなるか・・・一目瞭然です。
そういう意味からも集成材はお勧めではないのです。
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コラム498 2013年05月17日
集成材の使い分けA
一流(と言われている)住宅メーカーからローコストビルダーまで、なぜ横並びのように集成材を
使うのか。それは今までのような我々が目利きして納めてきたムク材では大工の技量もさること
ながら、いまや機械加工の「プレカット」にとってかわられたシステムに合わないからであり、それを
ビジネスとして潤滑に回していくには集成材が一番都合が良いからです。
ムクの木材には一本一本違う癖があり、それは成長期に反る・曲がるの原因が作られます。
それらは欠点と人間側では言いますが、木材にとっては成長環境の証しであり欠点と言うには
違和感があります。
従来ならそれを時間をかけて自然乾燥し製材した後も我々が倉庫で充分乾燥し管理して大工さん
のところへ届けます。
それが、ある時期から需要が旺盛になり当たり前の手順でやってたのでは間に合わなくなりました。
それが充分な管理を出来ない状態のものまで出荷することになり、資材が原因でクレームを出す
ようにもなります。加えて大工さんの高齢化が進み、機械加工に頼るようになり、それに適した加工し
やすいものが要求され、必然的に集成材が使われるようになりました。
たくさん住宅を建てる業者にとっては、木の質が不揃いなムク材よりも直近的な均一性が良い集成
材のほうがバラつきがないので好都合になります。建て主さんから文句が出ないからです。
「誰でも扱える」「曲がらない・反らない」ということは今年学校を卒業してきた新人にも作業が出来る
と言うことです。
私も「接着力の不安」さえなければ集成材を支持したかもしれません。しかし、一番大事な要件が
抜けています。
それが「過去の実績」です。
私は集成材がダメだとは思っていません。小さな木材を張り合わせて大きな部材を作れるというのは
すごく画期的なことだと思っています。そのことで少なくなっている太径木の需要を補うことが出来る
からです。
しかし、それも見えなくなる構造体には使うべきではないと思っています。
やるなら、カウンター、テーブル、広い巾の必要な出窓や枠など、いわゆる造作といわれるところに
使うべきだと思っています。
こういう部分は常に人間の目でチェックできるところです。いつも確認が出来るなら変化がわかります。
ところが、今やほとんど見えなくなってしまった構造体には確認する術がありません。
この違いは大きいと思います。
皆さんの中には、こういった集成材が使われる理由を、ムク材が少なくなったからと考えている人も
いますがこれは違います。
柱も横架材もたっぷりあるのです。
それでも集成材を使うのは楽だからです。
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コラム497 2013年05月16日
集成材の使い分け
一流(と言われている)住宅メーカーからローコストビルダーに至るまで、今や当たり前のように
使われている集成材ですが、いくら効率優先と言っても適材であるかどうかの検討は必要です。
個人的な見方を言えば「役者不足」であることには間違いありません。
作ったばかり浅い年数のときに問題が出ることはありませんが、30年も50年も先のことまで考え
構造体に値するかどうかはほとんど考慮されていないでしょう。
特に、いまや部材が隠れてしまって目視さえ出来ない作りになってきています。
こういう中で劣化進行状況をどうやって確認していけばいいのでしょうか。
次から次へと売ることに追われている住宅会社に管理など出来るはずはありません。
逆に「構造材が心配ですからチェックさせてください」などと言ったら、
「お宅はそんな心配なものを売っているんですか」と言われてしまうでしょう。
危険性はある程度わかっていてもそんな行動をとることはないはずです。
構造体に関しては、解体するときまで最初の耐久性を保持していなければならないものです。
建てた翌日に震度5弱の地震があっても大丈夫、49年11ヶ月経ってまもなく解体するというときの
揺れにもきちんと耐えられなければなりません。
そういう意味の耐久性保持力があるかという問題です。
そのときに「青息吐息」でぐさっときてはいけないものなのです。
今の住宅業界に抜けているのはこの点です。
わかってやっているのでしょうけれども、あまりにも住人を軽く見ています。
自信を持って販売してますと言っても何の保証にもなりません。所詮、口だけです。
いざとなったら、切腹しても・・・などとは絶対なりません。
目の前で直接的な問題が起こっていないものには何にもしない・・・というのがこの国のやり方です。
将来起こりうることを前以って防ごうとする気持ちはさらさらありません。
目の前で文句を言っている人(陳情する人)にはそれなりの恩恵があるようにしますが、何も言わ
ない人には何にもしません。
この集成材も構造体として使えるかどうかを審査して認めているわけですが、その基準があいまいで
将来にわたっての期間まで「実績があるから」ということではなく、ただ今現在の数字が合格値だから
認めるといった軽いものなのです。
そんな構造体で作られた家が果たして長期優良住宅に値するのでしょうか。
これぞ、不適材不適所であります。
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コラム496 2013年05月14日
白い色の家B
この家だけに限ったことではありませんが、今のやり方は名前だけが木造というだけで、中身は
鉄骨であってもパネル構造でも仕上げは同じ、そのレベルはアパートと同じようなものです。
と言うと「失礼な」と言う方がいらっしゃると思いますが、使われているもののレベルはメーカーが違う
だけで質は50歩100歩のものでしかないのです。残念ですが。
この建物も一流メーカーだと思われている割には使っている部材はローコストビルダーとほとんど
変わりません。機械で加工するためになのか柱・桁が全部集成材です。
シャーウッドという独自性のあるような言葉を使っていますが、何のことはないただの集成材です。
最初に真っ白な柱ばかりが見えたと言うことは、仮に和室があったとしても柱のように見える「柱型」と
いうものが後付されるだけの和室になるはずです。入る畳も床材(とこざい)は化学畳です。
柱と柱の間には分厚い断熱材が詰め込まれ、壁の仕上げは石こうボード+クロス、床の仕上げ材は
色だけ自社指定などと言うだけの、私らから見れば「通常のカラーフロア」です。
さすがに外壁だけはメーカーの特徴を出そうと「オリジナル・・・」という言い方で強調していますが。
一流メーカーと言われてもローコストビルダーと大して変わらないと言うのは事実で、それはビジネス
としてどれだけ利益を出すかと言う点だけは一致しているので、最終的には同じようなところへ着地
してしまうのです。
もうここまでくると、住宅が木である必要もなく、鉄でもコンクリート・合板でも変わりません。
地震に対しての考え方もカチカチの家を作るんですから、むしろ木は向いていません。
合板・鉄・コンクリートのほうが適材になります。
それでも「木造住宅」という響きは「消費者うけ」が良いのでやっているだけということでしょう。
「クロスが、床が傷んできたからそろそろ建て替えませんか」とくるのは目に見えています。
本当は集成材の寿命が切れるほうのことが心配ですが、そうならない前に必ず彼らは手をうって
きます。
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コラム495 2013年05月13日
白い色の家A
先日の現場がどこのメーカーか、わかりました。
シャーウッドと呼んでいるセ○○イハウスでした。
そういえば、ひところ出ていた天海女史も心臓の病気で番組を降板しているとか、お見舞い申し
上げます。
このメーカーも他社と比較すると工法がちょくちょく変化しています。
三年位前に見た同じようなタイプの現場では、土台がなく、柱を直接受ける台座がコンクリート基礎に
取り付けられており、土台なしで柱をどうやってつけるのかじっくり観察させてもらいました。
シャーウッドというくらいですから柱も梁も完全な集成材ですが、土台に挿すホゾではなく、ちょうど
柱の尻の部分に真ん中に9〜10cmくらい切込みを入れるんです。
そして台座から伸びているプレートに対して挟み込むようにし、それにピンを挿すというというもの
でした。
しかし、よく見てみるとその台座はコンクリート基礎と緊結するボルト穴が四個空いているのですが
使われている穴は二個だけであとの二つは何もされていませんでした。
何のために四個も空いているのか不思議でした。
この台座の形をもう少し詳しく説明すると、正四角形の立方体の三分の1の高さのものを想像します。
その中身の空間を十字に区切り、そして壁の部分を全部取り払い、床部分の隅にボルト穴が空いて
いる。そして二階部分に下の壁の真上に当たる部分に一面だけプレートの壁が立ち上がっている。
それにドリフトピンを挿すために壁に穴が三個空いているという形です。

当時の撮った写真です。
想像ですが、この現場も方式が変わっていなければこれで建てられたはずです。
以前、この写真を撮った直後には細かい目のネットが張られて中の様子がほとんどわからなくなって
しまいましたので、その後の壁などはどのようにして作られたのか記録が取れませんでした。
この方式を見たときはちょっと驚きました。確かに柱というタテの部分を直接硬いものに接合させるの
ですから、土台側が押し潰されることはありません。しかし、この台座はあとから穴をあけたボルトを
ねじ込んだもので、最初からコンクリートを流すときに深く差し込んだアンカーボルトと比較して引き抜き
耐性が充分なのかどうか疑問です。
基準法では柱は土台に緊結することとなっていますが、絶対土台は使わなくてはならないとは書いて
いません。ですからこういった基礎と直結させることも違反ではないということなのでしょう。
この基礎には換気口が設定されていませんから、この台座で浮かせた部分に空間を取り基礎パッキン
と同じ働きをさせるのでしょう。.
それにしてもこれが進化と呼べるのかどうか分かるまではもう少し年月がかかります。
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コラム494 2013年05月10日
白い色の家
数日前、会社に出てくる途中の住宅地の中に家を(建て替え)上棟したところがあります。
たぶん、地震の影響で相当にガタが来てしまったのだと想像します。
地形としては、高台-田んぼ-高台というその落差は10m近い傾斜地の下の方だからです。
この田んぼの縁(へり)の下流のほうでは、かなりの軒数が擁壁に割れが出たり沈んだり
土地の異常が出ています。この土地にしみじみと近づいて見たことはありませんが容易に
想像できます。
幹線道路から一軒奥に建っていますから30mくらい離れていることになりますが、この家の色が
イヤに白いんです。
「ははあん、WW(ホワイトウッド)集成材だな」
「桁(けた)も同じ赤松系の集成材だな」とわかります。
このWWという集成柱は欧州から来る「モミ系」の木で比較的やわらかいほうの木で白っぽい色を
しているのが特徴です。いったん、シロアリにやられるとダダダっと上まで食われる恐れがある
タイプです。
桁は欧州赤松といってこれも比較的柔らかい油っ化の多い木です。集成材には一番多く使われて
いる樹種です。やはりシロアリの好みのタイプです。
集成材の命は「接着剤」です。これが劣化したら命に関わります。
営業マンは教育されたとおり「丈夫です」としか言いません。(言葉は軽いですね)
まあ、それは良いとしてこの建て主さんが何故こういうもので建てたかということですが、多分、
そこまでは理解しておらず住宅会社の言うとおりに進めたのでしょうね。
世間ではこのタイプを「木造住宅」と言っていますが、私の見方(意見)では木質系の建物と言います。
さらに詳しく言えば「構造体だけが・・・」という条件がつきます。
それは、こういう家の仕上がり方がまったく構造体が見えなくなってしまう「大壁仕上げ」になります。
結局は、仕上がりが木造なのか鉄骨なのあるいはツーバイの面構造なのかわからなくなってしまう
のです。
多分、この分では屋根野地も合板でしょうし、床は道路から見えないからわかりませんが、きっと
厚い合板がばたっと敷かれて一丁あがりとなるのでしょう。
こういうタイプの家では、たとえ和室があっても薄い畳のようなゴザが入るだろうし、壁・天井は大量の
石膏ボードが運び込まれ、ビニールクロスの仕上げになるのだろうと想像できます。
それが交通違反でキップを切られるわけではないのですが、高品質というには大きく隔たりが出る
ものでしかないので、残念としか言いようがありません。
この建て主さんはこれからずっと「薄い濃度の化学物質」を吸い続けていく運命なのです。
どうかコップの水があふれませんように・・・
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コラム493 2013年05月09日
流行にあおられないで
今の家造りは、国・住宅メーカーとも「ゼロエネルギー」が謳い文句のようになっています。
太陽光発電を載せ、エコキュート・エネファーム・・・分厚い断熱材で囲み基礎コンクリートまで
暖め冷やす。
確かに電気・熱エネルギーを自家で賄えればそれはそれで良いことだと思いますが、「効率」の面で
考えれば、個人個人でやるべきことと大きな規模でやることの違いは歴然としているはずなのです。
それをあえてやろうとするのはその恩恵が受けられない僻地だから採算を無視しても必要だという
ケースになってくると思うのですがどうも現在の考えは違うようです。
以前に「100のエネルギーを作るのにそれ以下のエネルギーで出来るならノーベル賞ものだ」と
書きました。それは今も同じです。
太陽光発電を屋根に載せ、作れる電気がいくらのものでも、製造とメンテナンス費用全体で
オーバーするならやらない方が良いということです。その比較データを公表しているメーカーは
皆無です。それでエコですとはよく言えたものです。
現在のTVCMでも良く見かける「○○ならいくらお得です」という「お得」ばかり強調して、元金が
いくらなのかさっぱり言わない某通信会社のパターンと同じです。
エコ・省エネ・環境に優しいと言えば、何でも流行の先端を行っているような錯覚を起こさせ、その裏
には「経済(お金)をまわす」という策が見え見えです。
もう一つ気になるのは、あまりにも今までにない奇抜なデザイン化された設計パターンです。
屋根庇がまったくない
太陽光発電を載せるためか南面を大きくしている
通風がないような縦長のデザイン窓が多い
庇のないような外壁に木を使ってしまう
まるで何かの作業所か倉庫のようです。
雨が降らない国ならまだしも、4日に一度は雨が降っている国で壁は乾く暇がありません。
ちょっとした雨でも庇がないから窓を開けておくことが出来ません。
完全な片屋根ならまだいいですが北側に立ち上がりの壁がつくような屋根は北風の強いときには
立ち上がり部分に雨が走りあがってきてしまう。
いくら木材の使用率を上げることが良いといっても、外壁にまで木を使うことはないと思います。
特殊な加工でもしない限りは自然物である木は劣化し腐ります。ポイントまでつけて奨励すること
ではありません。
そんなことに力を注ぐなら、内装の石こうボード+クロスを制限すべきです。
建て主さんがそんなことに気づけばいいですが、あまりにも「見えない・わからない住宅」になって
います。まずは基本を知るべきです。
基本を知らずして装飾部分を語ってもあとから必ず不満が出ます。
住宅は流行を追うべきものではありません。
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コラム492 2013年05月08日
住宅における天候被害を考える
昨年の5/6はちょうど日曜日でつくば市北條地区では竜巻が起こった日でした。
こちら(ひたちなか市)でもピンポン玉くらいのヒョウが降り、車にぼこぼこ当たり、屋根とボンネットに
かなりのへこみキズが出来ました。ほかにもテラスの屋根、樋にも打ち抜かれた被害が出ました。
次の日に事務所に出てきてみると、倉庫のスレート屋根にも数十個の穴が、通路庇の波板には
無数の穴があいていました。まるでプラネタリューム状態でした。
のちに修理はしましたが、80万円くらいの費用がかかりました。
しかし、幸いにも火災保険の適用を受けることが出来てほぼ全額補填され実害はゼロで済ませる
ことが出来ました。
費用の面では保険でカバーできましたが、また今後の被害については何時起きるとも限りません。
まさに天災は忘れたころに・・・ということでしょうか。
これであのヒョウの大きさがもうちょっとでもとなると住宅においてもかなりの被害が出たものと
思います。
カーポートはもちろんのこと、平スレートの屋根(コロニアル)にも割れの現象が出ると思います。
屋根の構造には下地材が入っているから直接的な雨漏りはないとしても、後日の修理が出てくる
のは必須になるでしょう。
昨年のヒョウの大きさもピンポン玉台でしたから、あの硬い氷の塊が落ちてくるということは、鉄球と
同じようなもので、衝突エネルギーは高速道路並みです。
今のところ、その対策といっても屋根を瓦にするという策以外に考えられるものは何もないですが、
それでも完全ではありませんからほぼお手上げということですね。
もちろん、落ちている最中に何かをやるなどというのは自殺行為ですから家の中にいて見ている
しかありません。
相手が手ごわいだけに無力感を感じます。
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コラム491 2013年05月07日
リフォームの注意点A
前回のコラムのような、「今までの家」のリフォームは「スジカイ」というものが耐力壁として使われて
いましたので、そのところを注意すれば開口面でなかったところも通路や窓に出来ましたが、近年の
(スジカイの代わりに)面材を使用した耐力壁の場合はちょっと注意しなければなりません。
これらの建物はツーバイフォーの建物と同じように面材を張り付けることによって構造体強度を作り出し
ています。ですから、スジカイではないからとやたらに通路や窓にしてはいけないのです。
まずは開口予定のところが全体強度を下げないかをチェックするのですが、これは専門分野になるので
設計士に強度計算をしてもらうことになります。
法的な限度内であれば良いでしょうが、ちょっとでも超えるようであれば同じ通りの壁を強化しておかな
ければなりません。この部分は大工さんの力ではちょっと無理なので、これからの開口部分の絡んだ
リフォームに関しては設計士さんの関与は必須になってきます。
いずれにしても、リフォームは簡単に出来ることではなくなり、いちいち専門分野の人が立ち入ることに
なってくるでしょう。
3坪未満の工事の場合は特別な届出は要りませんが土地全体の建ぺい率を超えることは出来ません
から、狭い土地に目いっぱい建っている家はその点も注意が必要です。
たとえば、8帖と収納を増築するといった場合でも、3坪以上の建築は確認申請が必要となり、旧部屋も
新しく作る部屋と同じ条件を科せられてきます。
ホルムアルデヒド24時間換気と火災警報器の設置義務にもかかってきます。
スジカイの設置基準も昔のものより厳しくなっていますから、きちんとした図面がありきちんとした数だけ
設置されていても今の法律が基準になるわけですから古いほうだからといってやらないというわけには
行きません。
国は意図的にそうしたわけではないでしょうが、新基準が出来るたびに壁強度は増えていきましたから
結果として古い建物部分との矛盾を生みました。
自分でOKを出しておきながら次回はだめだといっているのと同じで、非常におかしな点だなと感じますが
大義名分としては数値を下げるわけにはいかないというところなのでしょう。
リフォームは同じパターンのものだけなら楽ですが、個人でそれぞれ違いますから、新基準にかかって
しまうケースも多々あってこれは確認申請を出さなければならないと言うケースでは処置に困ります。
何か中途半端な考えで古いものはさっさと壊せといわれているような気がしてなりません。
片や、再生エネルギーがどうのとか言われているのに何か不満が残ります。
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コラム490 2013年05月02日
リフォームの注意点
消費税のアップも確実になった今、どうせやるなら今やるか・・・という方もいらっしゃると思います。
現在も数名の方からリフォーム希望で相談を受けています。
その場合は必ず現場を見せていただいて、どのくらいの手入れが必要かを判断します。
築10年くらいで売りに出る物件は稀ですが、おおよそこういった建物は25年くらい経過しているものが
かなり多いです。
となると、「お肌の曲がり角」をとっくに過ぎて、何がしかの手入れが必要なのがほとんどです。
構造体もS53年以降の建物であればきちんとスジカイを入れることに設計書で指示されていますから
今回の地震被害で何か大きな現象でもなければきちんと施工されているものと判断して間違いない
でしょう。
中古で買う訳ですから新品とは違うのが当然なのですが、どこが一番傷んでいるかというと、目に
見えない部分の給水排水の部分です。
次に床の順番でしょう。
まあ、これは目で見て足で踏みつけて身体で実感できますから難しくはありません。
畳も踏んでみれば床(とこ)の状態も大体わかります。表面は見えるから簡単です。
購入のポイントはおおよその間取りが自分の生活感に合うか
いまやっておくべきリフォームにどれだけお金がかかるか
自分たちの将来を考慮して何年を目途に考えているか
そのバランスがとれて金額的妥協できるものであれば実行してみても良いと思います。
客観的な見方としては総額でどれくらいリフォームにかけて良いものかという点があります。
あくまでも個人的な意見ですが、800万円を超えるようなら根本的に考え直したほうが良いと
思っています。
よく、「何とかそっくりさん」が新築の半分で・・・と宣伝されていますが、平均的なことを考えても
それだけかけるのならもっと別のお金の使い方を選んだほうが良いと考えます。
ブランドで選ぶならそれも良いでしょうが、質を問うのなら他の方法もあります。
私も個人的に今回、自宅のリフォームをやりましたが、自分たちがあと何年この家で今後の費用を
かけないで(冬寒い・夏暑い)今までを越えられる快適な生活感で過ごせるのかを考えました。
その費用と得られる効果を考えて実行に踏み切りました。
やってみて(まだ少しですが)生活してみて、思い切ってやってよかったと感じています。
もともと余り生活感のない男としては(私のことです)暖房費に少しお金をかければいいんじゃないの
くらいにしか思っていませんでした。しかし、実行するかどうかについては、家内の意見がずっとずっと
現実を直視していて残りの人生をどう過ごすかを真剣に考えていました。
そんなバックボーンがあり彼女の意見が多くを占め、結果として実行することにしました。
予算も大事ですが住む人の無理のない合意も金銭以上に大事であることを感じました。
今回はリフォームのことで書きましたが、新築の考え方にも共通するものと思います。
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コラム489 2013年05月01日
リフォームの時期
5月に入り、事務所の薪ストーブも今季役目を終えました。
もう寒さが戻ったといっても、一時ほどのものはないと思います。
ということで、エントツはずしをやったのですが、4年も使っていると燃えカスとタールのような
接着剤みたいになった内側はお掃除のしようもないくらい汚れがこびりついていて、なかなか
外れません。
前回の掃除のときから接合部が怪しくなっていたのですが、ついにその部分が壊れました。
私のところは燃料が工場から出た端材が主なもので、そのほとんどが針葉樹です。
そのせいなのかどうかは定かではありませんが、広葉樹とは煙の質が少し違うようです。
この際だから、次季の煙突設置には新しいものを取り付けることにして今までのものは
処分することにしました。まあ、4年も活躍してくれたのだからもとはとったようなものです。
朝晩の室内気温が特に寒いと感じなければ、あとは着るもので調節すればよいことですから
薪の準備もしなくて良いわけで、朝の作業は若干楽になります。
それにともなって、これからはリフォームの計画実施に適した季節になります。
新築と違い、住んでいて行なう工事はどうしても季節を選びます。
ある程度、床も壁も壊すような工事は寒さ対策がどう対処しても完璧には行きません。
工事をやる人は作業が出来れば良いのですが、家人さんはそこに住んでいるのですから
新しく塞がるまでは無防備状態になるので非常に寒さストレスがたまります。
いくら代用のかべを打ち付けても不完全状態ですから冷たい空気は入ってきます。
たとえ短期間とは言え、厳しい気象条件もあると思えば勧める側としても暖かくなるまで待つのが
良いと考えます。業者からすれば一年中仕事を切らさないのが優秀だということになりますが、
誰のためにリフォームするのかを考えればそれは当然の選択だと思います。
おやりになる方はその辺のところをしっかりと把握して計画を立ててください。
いつのときも相手のペースに乗せられてはいけません。
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コラム488 2013年04月30日
30年の実績があって・・・
建築資材の中に今では欠かすことが出来ないものの一つに防湿シートがあります。
外装材の施工前に下地材として使うものですが、雨風をしのぎ、湿気だけは通過させるという
優れものです。
これを開発したのはデュポンという会社ですが、今ではどこでもこの手のものを作っています。
皆が作れるようになったのは特許の関係もあるのでしょうが、このデュポンは今でも健在で
存在し続けています。
これがこの度30年の実績を積み上げ今後の同商品を20年の保証をつけて売り出すというのです。
建築資材のなかでこれほど実績を積んで自信を持って保証しますというのは他には見当たりません。
私が立派だなと思うのはこの「実績を積んで自信を持っているから保証する」という点です。
これがこの建築業界で「簡単なようで一番出来ない欠けている点」だと思います。
物を売るということはどんなものでも寿命があるものだし使用環境でも差が出ます。
それは仕方がないこととしても、人様に勧められるだけの自信はあるとしても簡単ではないのが
実績です。
一つの企業が30年持続するというのも大変なことなのに、その商品の実績を作り上げるという
もっと大変なことを成し遂げて、それから「いかがでしょう」とやれるのですからすばらしいことだと
思います。
こういう地道な会社があるのだと言うことを知っていただきたいし、私たち流通の人間もこういうものを
扱えることを誇りに思います。
どこかのお役人様、こういう人たちがいるから成り立っているのですぞ。
実績もないのに200年住宅だの言っていたのはどなた様でしたっけ。
実績もないのに長期優良住宅だの作文を作っていること、恥ずかしいと思いませんか。
年度予算で何かをやれと言われている立場もわかりますけどね。
入りたい穴がご希望なら掘って差し上げますよ。
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コラム487 2013年04月27日
燃えなけりゃいいのか
建築資材には国交大臣の認定がついてまわります。
これらをとっていないから使えないとか設計に組み入れられない・・・ゆえに審査に通らない。
それらが完璧に国民の健康と安全を担保するものならまだいいですが、実際にはズレがあります。
不燃あるいは準不燃の認定には45分耐火とか1時間とかランクがありますが、そのことが命を
守るということとは直結しません。
機械的に計ってそれだけの時間を耐える(もたせられる)というだけで、命の保証まではしていない
のです。
毒ガスを出すとか、その後の処理に難易度が高いとか問題にはされません。
物体(生地)が不燃なら塗装やその他の皮膜で覆ったものでも不燃は不燃です。
世の中に出回っている建築資材というものはそういうものだという認識で見ていたほうが良いでしょう。
この四月からスタートした(というよりは、先走った)木材利用ポイントもそうです。
外壁に木材を使った場合もポイントの対象になると書かれています。
「はて?・・・」木材を外壁に使うということはこれまでの基準法では推奨されていなかったはずなの
ですが、どういうことかとのぞいてみると、内部にはしっかりと石こうボードのような不燃材を張って
燃えませんということを立証すればOKだということなのです。
木材は長期に濡れれば腐りますし、太陽光線で劣化もします。
それをあえて乗り越えてでも、補助金を使って消費拡大させなければいけないものなのでしょうか。
こうなるともう、どこまでやらせればいいのかと可能性のあるところをアラ探ししているようなものです。
一つの目的を達成するのには避けて通れないものなどあっても、「完全無視」です。
私の知っている限りでは木材単体で石こうの裏打ちも必要なして外壁に使えるようなものはありま
せん。何か画期的なものでも出てこない限り現時点では知りえません。
それでも、このように条文に書いてしまうのですから、一度頭の中身をのぞいてみたいくらいです。
そんな度胸のよさは私らには持ち合わせていません。
目標を決めたら必ず達成するということは大事なことですが、何でもやればよいというものではありま
せん。
何かというと「石こうボードを下地に張れば・・・」と言われます。
今後、火力発電から出る硫化カルシウムの副生石こうを原料にした「優秀な石こうボード」をもっと
もっと使わせる国策が出てくるのではないかと思っています。
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コラム486 2013年04月26日
調湿機能がない家A
言われたことだけをやる・・・というのは、昔からの行政の得意技でした。
言い換えれば余計なことはやらない、わかっていても手を出さないということです。
よく、国に何かを陳情するという話を聞きます。する側の人は何かを国にやってくれと要望するわけ
ですが、国としては要望してくる人ばかりでは身が持たないから腹ではいい加減にしてくれと思って
います。
ただ、行った人にはメンツをつぶさないように配慮しますから、行かないでだまっている人よりも客観
的に見ても若干の要求が通ります。
要はだまっている人は損をし、騒いだ人は得をするという構図です。
建築資材には大概、国交省大臣認定とかのお墨付きがついています。
不燃第何号とか準不燃うんぬんとか、これらがあると国が認めたものだからととおりが良くなるのです。
もともとこれらの基準を見てみると調湿のための基準というものはないようです。
エネルギーの節約という大儀名分では隙間風をなくし熱エネルギーが逃げていかなければいいという
考えだけで、調湿という目に見えないものはどこかに置き忘れてきてしまいました。
目の前の申請が不燃の申請なら燃えるか燃えないか、何十分耐えられるのか・・・それだけしか審査
しません。その後の廃棄するときの難易度など関係ないのです。
彼らにしてみれば燃えない証明をしてくれと言ってきているんですからそれだけのことに答えればいい
のです。
石こうボードは不燃の認定をとっていますから、外壁に木を張りたいというときは下地に石こうボードを
張れば不燃と同じ扱いにするという理屈です。ゴミになったときにどうなるかなんて問われていないの
ですからこの場面では問題外です。
調湿等では直接人が命にかかわるようなことはありません。ですからそんなことまで問題にして
認定を出すようなことでもないし、要求がないのですから応えなくても良いのです。
そういった事柄が今の住宅には足りない抜け落ちていることだと思っています。
地震に強いといえば硬くすること、火災に対しては燃えなければいいということ。
私は「日本の住宅は何かがおかしい」と感じているのはこういうことです。
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コラム485 2013年04月25日
調湿機能がない家
いま家を建てようとすると昔にはなかった不思議な決め事があることに気付きます。
24時間換気をしなければならないこと
火災警報器をつけなければいけないこと
ほかにも家全体からどれだけの熱が逃げていくかとか、気密のレベルがどうのとか・・・
そういう家を数値で表し優秀だとか長期優良だとか・・・
でも、地に足をつけて良く考えてみればそこまで行政が個人の家に対して注文をつけてきて良いの
かと思います。
ある意味、わからないから行政が変わって取り仕切るというのは理解できないでもないですが、
空気の入れ替え・火災の危険性に関することまで介入してくるというのは、実情として危険な家である
ことを認識しているからだということにもなります。
それなら危険物質を取り除けという方向に進めばよいと思うのですが、なぜかこの国はそうはならない
のです。
大臣認定のお札を出しておいてその先が危険だというと自分を否定することになるからでしょうか。
そういう行政のメンツが邪魔をしているのかもしれません。
とにかく、違反ではないものが巷にあふれていてどれをとって使ってもバツにはならないのです。
行政は何か問題があるとその点だけ解決すればいいという考え方を持っています。
空気環境が悪化しているからその対策として他に何かをやる。
そのものをシャットアウトすることはしません。
Aの問題はAだけ解決できればそれでいいのです。 そのことによってBの問題が出てきても騒がれ
てからでないと動かない。
その問題が管轄外なら「受け持ちが違う」で済ませます。
ここでいくら住宅の問題を行政のせいにしてもはじまりません。
出来る防御は自分たちでやるということを再確認していかなければなりません。
イチイチ行政に法律で決められなくても問題点があれば自分たちで解決していかないと、消費者は
アホかと思われます。
今の住宅と昔のそれでは何が一番違うかという点を理解しなければなりません。
それは調湿作用です。
昔の家は「寒い!」と言われるものが多かったですが、気付かれていない点もあります。
それが調湿作用で、自然力で湿気を吸ったり吐き出したりする見えない部分です。
これが今の住宅にはほとんどなくなってしまいました。
それが何からきているかといえば新建材と言われる接着剤の絡んだ製品が出てきたことからです。
このことがカビ・結露を生み、しいてはダニを発生させ人間に被害が及んでくるという文明の悪循環を
作り出したことです。
それと並行して揮発物の健康被害です。
これらが「寒さの解消、エネルギーロスの軽減」を優先させてきたために別の問題を作り出したという
何とも頼りない結果を生んだのです。
住まいという大きなものを捉えるには一部の問題だけを考え対処しても解決にはならないということを
行政も我々も理解していかなければならないと思います。
臭いものにはフタ・・・では何も解決にならないのです。
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コラム484 2013年04月23日
支援拒否の裏側
大地の歪は日本だけではなく、世界のあちこちで起こっています。
地球に住んでいながら中身を余りよく理解してないというか、これだけの地震が頻発していても
次の予測は立てられないのですから、宇宙に基地を作ることよりもこちらの研究がもっと大事なの
ではないかと思うのです。
3日前の四川大地震も人命救助の目安となる72時間が来ているのに、現地では全てのものが足り
ないという事態は変わらないようです。
そんな状況においてでも、なぜか中国政府は支援を拒んでいます。
それでいて、尖閣には公船8隻が領海侵犯を続けているというのですから、やることが違うだろうと
思うのは私だけではないはずです。
さすがにこれだけ近隣の諸国に横車を押していては「助けてください」とはメンツを考えれば言えない
のかも知れません。
もう一つはワイロの事実が現場に現れているから知られたくないということもあるでしょう。
前回の大地震のときもそうでしたが、公共の施設がいとも簡単に壊れていました。
日本だったらこんな建物を造るかというような壊れ方です。
この背景がワイロの温床により、役人に袖の下を回すために本工事には手抜きをせざるを得ないと
いう悪循環がいまだに改善されない・・・という点がまたまた知れ渡ってしまうからでしょう。
はた迷惑なのが国民です。
一部の役人が私服を肥やし、大勢の国民がひもじい思いをするというパターンはどこかの国と同じです。
知恵と情報と武器がないのですから一揆を起こすことも出来ません。
非常に切ない思いをしているのはわかるのですが、トップが他を向いているのですから救援・支援は
望めないでしょう。
「そんな、外国から来てテキパキとやらんでくれ」
「あ〜あっ、それから潰れた建物は見んでくれ」
「役人さんにいろいろ回したんでこれでせいいっぱいやったんや」
こうなってしまうからなんでしょうね。
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コラム483 2013年04月18日
薄ければいいのかA
ニオイというものは実に奥が深いものだと感じます。
植物は自分の子孫繁栄のために花を咲かせ、ニオイを出し、虫を引き寄せ、花粉をつけて飛んでもらい
あるいは実を食べてもらいそのついでに種もつるっと呑み込んでもらい、その勢力を広げようとします。
人間も自然界の動物ですから、そういったコマの一つに入っていると思っています。
その繁栄するためにもう一つ、防御ということも含まれているわけです。
ただ単にエサで食われてしまっては「もと」がなくなってしまい、先が成り立ちません。
そこで忌避剤なるものを出して「寄ってくるな、食べると死ぬぞ」という無言の意思表示をするわけです。
コアラのエサにしているユーカリの葉は、他の動物が食べると下痢するといいます。
樟脳(しょうのう)で有名なのは楠(クスノキ)です。
自然界ではこうした「寄せる・はねつける」という複雑なやりとりがあって生命を維持しています。
ここではっきりとわかっていることは「鉱物」がこれらの仕組みの中には入ってこないということです。
それは生き物が長い歴史の中で鉱物とは相容れないものだということを認めているからだと思います。
その論理に対しては異論を唱える人もいると思いますが、私はこの考え方が妥当だと思っています。
人間は石油を発見して以来、さまざまな便利な製品を作り出してきました。
ほかにも鉄やアルミ、石炭など便利なもの生活を豊かにするものがあふれています。
こうして自然物しかなかった時代から鉱物による工業物が加わり生活が数段飛躍し便利さに囲まれて
生活できるようになったと考えられます。
ただ、この鉱物が私たちの生活に入ってきてから、目には見えない弊害も出てきていると思うのです。
特に石油という仲間の枝分かれしたものが、メリットだけ受けているのではなくデメリットも少なからず
ついてきていると思うのです。
生き物の中で人間以外はまだまだ自然界のものの中だけで生活しています。それは人間のように
知恵がなかったから、昔のままで自然物の中で生きているということであります。
私が興味を持っているのは人間の世界とそれ以外の対比です。
唯一、知恵の塊である工業物に囲まれて生活している人間と自然物の中に生きている物たち・・・
何でも思いのままに便利さを使いこなし、文明の利器を自分のものとして生きている人間が
何か気付いていないものがある気がしてなりません。
それが石油製品の見えない怖さのような気がするのです。
人間はいきなり気絶するようなガスの発生しているところへは行きません。
しかし、濃度の薄いものであれば直接死に至ることがないので考えが違ってきます。
長い時間そこにいても問題がなければそれでいいですが、何らかの影響が出てくるのなら
それは50歩100歩であると思うのです。
それが今の家の中の空気環境です。
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コラム482 2013年04月16日
薄ければいいのか
12日のコラムに書きましたが、今の住宅は薄い毒ガス室に入っているのと同じです。
94年に起きた大阪寝屋川市の「入江さん一家の悲劇」の話をご存知の方もいらっしゃると思いますが、
これなどはその昔の水俣病と同じで、少数の人がおかしくなったくらいでは相手にされないパターンの
典型でした。
(これらの情報を出しているHPは現在もあります。キーワードを入力して検索してみてください)
その後、各地で同じような症状を持つ人たちが増えてきて、やっと「これは何かおかしい」となった
わけです。
おかしいものには必ず原因があります。
水俣は水銀です。住宅の場合は揮発物ですがどちらも直接目には見えないものです。
そして、個人的な感受性(感度)が違います。
同じニオイでも感じる人そうでない人がいますが、呼吸して身体に入っていくのは同じ条件です。
ですから、「何がおかしいの」という人も曝露という見方からすれば同じダメージを受けているのです。
国が決めた基準というのはホルムアルデヒドだけです。この一種類だけ規制しても何も役に立たない
のは彼ら官僚は理解しているのでしょうか。多分わかっていると思います。
しかし、彼らにとって「経済」が混乱するということは何にも増して避けなければならないとも思って
います。
その結果がロシア的交渉術でまとめた「歩み寄れ戦法」です。
しかし、そこで出てきた数字というのは「気休め」程度のもので解決とまではとても言えないものでした。
これでこれに関係する生産者・流通業者は命拾いしました。
おまけにF☆☆☆☆(フォースター)という面積制限のないお墨付きまでいただいたのですから、一体誰が
保護されたのかわかりません。
本当に国民の健康を考えるなら製造販売禁止くらいの措置がとられてしかるべきなのに、この国は
向いている方向がそもそも違うということです。
それでいて、この法律に則って建てられた議員会館がシックハウスで被害を訴える議員・事務方が
出たというのですから、このザル法があらためて役に立たない法律だと認識されたことになりました。
それでもこの決め事を作った官僚はその後の改正をやっていません。
要は自分のやったこと(ミス)を認めたくないといっていることと同じなのです。
国民の命なんかどうでもいいのです。
自分のメンツの方がずっと大事ですから一度決めたことは今後も変えることはないでしょう。
そんなこんなで化学物質の回避は自分の力で実行していくしかありません。
国の言っていることなどアテにならない・しないという考え方で家造りを進めなければならないという
ことです。
国がウソをつくはずがないと思う人はそのまま信じていけばいいでしょうが、私はイヤですね。
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コラム481 2013年04月15日
4月の勉強会
昨日は予定通り4月の家造り勉強会を開催いたしました。
参加された方は32名
いつもの部屋でかなりの定員オーバーとなり皆さんにはご不便をおかけいたしました。
この部屋ですと囲みテーブルで6人×3方・・18人というスタイルが一番しっくりするのですが
ここ数回はぐっと参加者が増えておりますので皆さんには申し訳ありませんが、イスのみの
対応とさせていただきました。
今回のテーマは「設計の話し」でしたが、
一言で設計といっても巾が広すぎてつかみどころがありません。
専門家が考えればよいことは専門家に任せ、自分たちは何を伝えなければいけないかという
これまたつかみどころのない範囲についてどのように考えたら良いのかをテーマ主題としてお話し
致しました。
今現在、各所で行なわれている家造りですが、その本質は見た目とどのように中身が違うのか
建て主さんとして知っておかなければならない事柄は山ほどあります。
これらを知らないで通り過ぎてもずっと気付かなければ良いことですが、残念ながらいつかは
その状況を知らされるときがきます。
住宅に流行は必要ありません。
毎日朝起きて働いて(勉強して)食事してお風呂に入り、一日がスムーズに生活できることが
まず第一なのに、憧れや営業トークでほかの事を追いかけてもプラスになることはありません。
「地に足つけて」ということがまず一番に望まれることですが、外部情報に惑わされて自分を見失う
ことが非常に多くなってきています。
次回は「工法について」というテーマでお送りいたします。
参加ご希望の方はご一報下さい。
それではまた。
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コラム480 2013年04月12日
本当に望むなら・・・
私たちは、食品に関しては無農薬かとか輸入された国はどこかとか気配りしますが、住宅に関しては
ほぼ無防備状態だと言えます。
食品は直接口に入るものだから神経質になるのは当たり前と思うことは当然ですが、空気だって同じ
ように毎日大量に肺に吸い込んでいます。
中国から飛んでくるPM2.5や黄砂にはマスクやフィルターで対応できますが、部屋から出ている揮発性
有機溶剤・化学物質には無力です。
そもそも、その物質に知識がなくどのように対処したら良いのかを知らないのですから「危険意識」が
最初からないのと同じです。
そのことに薄々感じている人も「まさか、家が危険だなんて」と思っている人はほとんどいないでしょう。
問題はそこからなのです。
意識がないということは致命的な結果をもたらします。防備していてそうなったのとは訳が違います。
前項で右を見ても左を見ても・・・と書きましたが、まさに今の家づくりはこの状態です。
健康が維持できる空気状態を作れる素材としたら半分は失格になります。
それほど、空気環境に対して適材というものが少ないということです。
皆さんの周りを見渡してみれば(ちょっと注意してみれば)今まで見えていなかったものがだんだん
見えるようになってきます。ほんのちょっと見る角度を変えればいいのです。
それは
自然界のものをほぼそのまま使っているものか、そうでないか。
わざわざ、地下深くから化石燃料を使って掘り出してきて手を加えて作られたものか。
その違いを見るだけで理解できます。
この違いを見るだけで、自分の(あるいは家族の)吸っている空気環境の差が見えてきます。
特殊な知識は要りません。
お母さんなら自分の子供を不健康な環境で育てたいと思っている人はいないはずです。
食べ物にも気を遣って心身ともに健康な人間に育てたいと思っているはずです。
しかし、今の住宅環境は良い環境を提供しているとは言いがたいものです。
「まさか、そんなはずは・・・」と思っていらっしゃる方に良く考えていただきたいのですが
○ 昔、今のような学級崩壊といわれるような現象はありましたか。
○ いじめ・自殺は今と昔を比較して同じでしたか。
○ 病院での受診者、うつ、原因不明の体調不良、昔より少なくなっていますか。
○ アトピー・食物アレルギーは自分の親の時代にこれほどありましたか。
ひと吸いで致死量なら完全に危険ですが、十分の1なら安全でしょうか
さらに百分の1なら安全でしょうか。
千分の1ならもっと安全でしょうか。
でも、その千倍の時間を吸っていれば致死量と同じになるはずです。
残念ながら今の住宅がまさにこれです。
24時間換気装置などほとんど意味がありません。
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コラム479 2013年04月11日
HM営業マンから独立した人たち
世の中には大手中小のハウスメーカーHM・ビルダーで営業マンをやっていて、経験を生かして
独立する人が結構います。
それはそれで自由なのですが、どこまで住宅を見極めて独立したかというと様々です。
自分がやればもっと儲かると思っている人、自分のほうがもっとマシなものができると思っている人、
どちらかというと前者がほとんどだと思います。
それはそれで自由ですが、世の中のためにはなっていません。
そもそも独立のきっかけが違いますから、やることは古巣と同じことを自分なりにアレンジするだけで、
その結果は下請けへの値切り発注体質がそのまま続行することです。
後継者の育成などということはまずありえません。
いかに資材・手間をたたいてやらせるかに知恵が集中します。
右を見ても左を見てもそんな同じ考えの家が出来てくるのですから、迷惑なのは建て主さんです。
ただ、建て主さんも何が良いのか正しく理解していませんからおかしいということに気付きません。
「あの人はもと住宅メーカーにいた人だから内容を良く知っている」
「とても良い人だからきっと良い家が出来るはず」と勝手に思っているだけです。
今の家は、いかに簡略化してコストを下げるかに力を注ぎます。それに関連する裏側のデメリットは
ほとんど考慮されません。そのデメリットの理解がないのですから、質はどんどん低下していくばかり
です。
売る側がほとんどこのレベルですから、たくさん売った営業マンだから優秀だと言われる人も結果を
見れば同じような家を作るだけなのです。
若干違う点をあげれば、デザインが意匠的で(見方によっては)垢抜けしていることくらいでしょうか。
それも人間が住まない工場や事務所ならという条件がつきますが。
確かに出来上がりは大工さんの作り上げるそれよりは素人受けはしそうなものが多いですが、長期的
にみれば本当にその意匠がプラスになるのかは時間が過ぎてみなければわかりません。
家は競争を勝ち抜くための道具にしてはいけません。金額を下げることだけに注力したものは質が
それなりに下がります。そういうところまで建て主さんと意見を共有して造ったのならまだしも、それは
いまの状況からすればないと思って間違いないでしょう。
私ら資材屋から見れば、アパートのレベルものをちょっとデザインを工夫してレベルの高級感を出して
いるだけで「住宅の質」はほとんど変わらないと思っています。
だって一つひとつ見れば部材が大したものは使っていないのが私らにはわかりますから。
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コラム478 2013年04月10日
銀行よ、預金者にも担保を出しなさい
自由主義経済も先々にほころびが見え始めるとなると、どのようにして自分の資産をガードするか、
頭を悩ませてしまいます。
もともと、お金は物と物との交換手段だったわけです。これが国の中だけでやり取りされていた時代
から、地球規模で広がってきて他国の通貨との価値的バランスをとるために変動相場制という為替
方式がとられるようになってくるとまるで状況が変わりました。
毎回、ニュースの終わりには為替相場・株式指数などが言われます。
1ドルが98円とか102円とか言うのは、そのときの交換レートの変動で上下していくということなので
海外と取引していく人は自分の努力のほかに実入りが左右されることになります。
細かいことは考えれば考えるほど複雑になっていきますから、もう私の頭では理解しきれません。
ただ一つ、わかるのは手持ちの金が目減りするということです。
そうなるとわかると、人間は価値がなくならないうちに早く何かと交換しよう、つまり消費に走ると
いう行動をとる人が増えてきます。そうなると国の思う壷にはまってきます。
たとえ、消費という行動にならなくても、対外的に通貨発行量が増えるだけというのは世界から見て
日本の円は価値が低くなることと解釈されます。
そうすると、各国の通貨に対して円が安くなって、買うものには多くのお金を払わなくてはならなくなり
その結果が国内物価の上昇に響いてきます。
どちらにしても、だまっていても資産が減っていくことだけは確かなのです。
もっとも、子供三人を大学に出したので悩むほどの金額は持ち合わせていませんが。
これって、鵜飼の鵜に似ていますね。
獲物を獲っても獲っても吐き出させられる・・・
唯一、守られているのは銀行くらいでしょうか。
利ざやはしっかり、担保もとっているから元金保証のようなものだし、住宅ローンだって変動金利で
自分たちの努力なんて何にもなくても減ることはない。
他人のふん○○で相撲をとるとはよく言ったものですね。
たとえ国債償還が怪しくなり国が破綻したって国民の預金を踏み倒せばいいのですから・・・
「払えるお金はありません」と開き直るだけでいい・・・、こんな恵まれた業種はありません。
預金者(国民)は1000万円の預金保証なんて国が潰れるんだからアテになりません。
ないのと同じです。
そうなるとこちらも、窓口に行ったときには「こっちにも確実な担保を出せ」ということになりますね。
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コラム475 2013年04月09日
もう何でもいいから・・が本音か
今回、民主党の自沈で棚ボタ式に政権を取り返した自民党は、「日本を取り戻す」という号令のもと
過去にないようなお金の増刷をやっています。
国の予算は税金の収入の範囲でやられているとおもったら大間違いです。ご存知のように、支出に
応じて歳入の帳尻を合わせるのですから、こんなに楽なことはありません。
その「麻薬」もそろそろ切れてきて、いよいよ禁じ手にも手を染め出しました。
通貨供給量といえば、何か高尚なものと受け止めがちですが、何のことはない、物の流通量に対して
単純にお金を多くしてしまおうということで、結果的に貨幣価値を下げてしまうものです。
これにより誰が得をするのかということですが、札束をばらまく人(借金漬けの国)ということです。
ただ、この現象がぱっと現れることはなく、かなり時間がかかるものと思います。
その時間の差で動かした人が利益をつかみ、次から次へと取引を繰り返せる人が一番恩恵にあずか
れるということになります。
要約すると金持ちはより金持ちに、そうでない人はますます逆の方向へ行く・・・ということです。
すでに日銀は国の「打ち出の小槌」となりました。
国債価格もあったものではありません。
いままでの1000兆を超える借金はほとんどが国民の預金ですりかえられています。
銀行の預金がこれから危なくなってくるというのはそういうことです。
国がデフォルトをやったら国民の預金はほとんどなくなります。
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コラム474 2013年04月08日
「木」を使えば何でもエコなのかB
ちょっと前、「Co2削減25%」と大風呂敷を広げたどこかのアホな総理がいました。
他にも、「少なくとも県外!」という言葉も聞きました。
何も考えずに言える人はそうはいないがここまでくると拍手を送りたくなってしまいます。
「バカボーン!」ってね。
京都議定書の中身も当初から原子力抜きにしては成り立たないとわかっていて、あのような事故
さえなければと今でも本気で思っているのかもしれません。
そのバカボーンはどうでもよいのですが、官僚まで本気でそれと同じようなことをやっているのです
から、本当に高い教育を受けてきて入省したのかなと、この国の中枢頭脳を疑ってしまいます。
ま、現実にはツジツマを合わせる作文だけはピカイチだと認めますが屁理屈の領域をとっくに超えて
いるのでその信憑性まではほぼゼロと思っていますが。
「目くらまし」には余り聞いたことがないような言葉を並べてしまうとそれらしく聞こえるということが
ありますが、そういうものを並べるのも官僚の技能はたけています。
LCCM(ライフサイクルカーボンマイナス) HEMS(ホームエネルギーマネージメントシステム)
ZEH(ゼロエネルギーハウス) などなど。
このどれを見ても自分の便利さは捨てようとしないで、言葉巧みにさもCo2を出していないかのように
横文字を並べ立てごまかしています。
LCCMなどは木材は自然界の二酸化炭素が固化したものだから燃やしても二酸化炭素排出に
カウントしない・・・などという大嘘ペテンを文章化しています。もうここまでくると立派な詐欺師です。
石油・石炭・LNG・木・・・と、煙の色に何か区別でもあるのでしょうかね。
ZEHなどは、太陽光発電を屋根に載せて電気を起こすからゼロエネルギーなんでしょうか。
ゼロエネルギーを達成するために作った部品はゼロエネルギーで出来たのでしょうか。
電気自動車は排気ガスを出さないから環境にやさしいという屁理屈と同じことです。
自分の車だけは超きれいにして、ゴミを放り出して走っている身勝手な運転手と同じです。
自分のところだけ汚さなければ良いなんてどこのバカが考えた理屈でしょうか。
いくら鉄道は排気ガスを出さないからといって、トラックみたいな小回りはきかないし、線路のない
ところには入っていけません。
排気ガスを出すと地球が温暖化になるというなら、郊外型の大型店は悪いことの片棒を担いでいる
わけですから、一番人口の集中している真ん中に作れと法律で決めるべきです。
石油製品を取り扱っている業者には販売量の規制をかけるべきです。
そういったことの矛盾がそこらへんに転げているのによくも25%などという数字が出てくるものです。
東大はじめ一流といわれる大学を出てきた人たちがLCCMなどと言っているのですからお目出度いと
しか言いようがありません。
Co2削減の決定的な切り札があります。
いまの自動車すべてをLCCMの考えからして、昔流行った「木炭車」にするのです。
これで温暖化は防げます。座布団5枚!!
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コラム473 2013年04月06日
「木」を使えば何でもエコなのかA
エコ・リサイクルを別の角度から見れば必ずしもそうではないものもあります。
これは「費用対効果という意味でのエコなのか」ということを考えるべきだということです。
ちょっと前、バイオ燃料を作ることが自然物の利用で良いことだと持ち上げられました。
しかし、100リットルの量を作るのに70リットルの化石燃料を使うと聞いて「そりゃあないだろう」と
思いました。
何事もやればよいと言うものではなくて、バランスがあると思います。特にエネルギー問題を解決する
のには費やするものが少なければ少ないほど効率が良いことになります。
昔、米を作る田んぼでは天日干しするのにオダギという丸太で組んだ稲干し場を作りました。
ここで刈った稲を逆さまにしてうまみを濃縮するという作業をやったわけです。
それがコンバインという機械にとってかわられ、稲は即座にモミにされ、茎は細かく切断されそのまま
田んぼにばらまかれて一件落着となってしまいました。
これによって干す必要がなくなったのでオダギはお役御免となり、山では間伐した細いものがまったく
売れなくなりました。
これと建築現場で使われる足場丸太が同じ運命でした。
昔はオダギよりも若干太い間伐材が現場でたくさん使われていました。ところがこれらが金属製の
単管足場にとってかわられ、やはり使い道がなくなりました。これが約20〜25年前のことになります。
こうして、いままで需要があったものがなくなり、代わりになる使い先もないまま、山では泣く泣く
切り倒されただけで放置されていきました。昔、絹がナイロンにとってかわられたのと同じでした。
たしかに、単管足場は腐らないし、たくさんの組み方が出来るし、荷重に関してもきちんとした荷の
かけ方が可能ですからお役御免となったのもうなずけます。
そのときから長い年月が流れ、エネルギーに対する考えが変わってきて、今のように環境に負荷の
かからない再生可能なものという考えが出てきて、特に原発事故のあとは自然界のエネルギーという
ことで再び脚光をあびるようになったのです。
しかし、政治家・官僚・有識者・評論家とも何かと言うと「補助金を出して推進する」とばかりものごとを
一方づきさせます。確かに木材利用は悪いことではないと思います。けれどもペレットストーブにまで
ポイントをつけて奨励するというのはどうも合点がいきません。
この人たちは燃料ペレットがただでポロポロ出来ると思っているのでしょうか。
木(または皮)を粉砕して乾燥させ押し出し型で圧縮しながら作るのですが、この機械がけっこう高く
製作費用がかかると言われています。
実際ホームセンターをのぞいてみれば安くないですからわかるでしょう。
ペレットにするとエネルギーが3倍にも4倍にもなるというのならわかりますが、所詮木の粉・固まり
です。大した違いはありません。
それなら一切加工しないでそのまま燃焼させたほうがよほどエコだと思うのですが。
そう考えれば単純に燃やす薪ストーブのほうが補助金を出す価値としてはあるくらいです。
そう思いませんか。
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コラム472 2013年04月05日
「木」を使えば何でもエコなのか
この業界にも「エコ・リサイクル」という言葉が耳にタコができるくらい使われています。
しかしながら、その中身といえば今まで存続してきたものにたまたま合致したから付けているといった
レベルのもので、何とか努力をして素材を切り替えてきたという感じのものではありません。
住宅には欠かせない外壁材にもこれと似たことがありまして、いわゆる防火サイディングというものが
あります。俗にいう窯業系SDと言われています。これも漢字の意味からすればおかしいのですが。
この中に木質系繊維混入セメントまたはけい酸カルシウム板という長ったらしい名前の外壁があり
ます。我々は単純に木片セメント板と言っていますが。
メーカー名はニ○ハと言いますが、それはまた別として・・・
こういった木片を使っているから地球環境に優しいとかエコだとか堂々とPRの文句に使っています。
それはそれで違わないでしょうが、わざわざ大きな看板を揚げて言うほどのことではないのではと
思うのです。
昔、このメーカーに合併吸収された三井木材工業という会社がありました。もともとこの木片入りの
セメント板はセンチュリーボードという名称で、住宅供給公社などの手がけた住宅に数多く採用されて
いました。
この外壁材は非常に優秀で、表面の塗装は別として、生地板(きじばん)がとてもしっかりしていて
現場のクレームがほとんどない製品でした。ただ、重いという難点だけでした。
27年前に私の家でもこの製品を外壁に使いましたが、今でも何ともありません。
しかし、世の中は競争の世界、良いものだからということだけでは生き残れないのですね。
当時、このニ○ハという会社名は日本ハードボードと言って木質繊維板(ハードボード)をもとに外壁材
を製造していました。ほかにも同じように野田サイディングという商品もかなり知名度が高く、外壁と
言えばハードボード圧縮板がほとんどで、外壁メーカーと言えばほぼこの二社を指していました。
それからしばらくして金属系のサイディングに移り、そのまた高級版としてこの防火サイディングへと
主流が移っていったのです
それが防火サイディング主流の時代になり、現ニ○ハもこの種類の外壁材生産に乗り出していったの
です。しかし、その原料と製造方法などで施工した後に現場クレームを大量に発生させ、その対応に
追われてました。
通常ならとっくの昔に潰れていたのでしょうが、同じようなものを作っていたほかのメーカー(工場)も
クレームの対応で蜂の巣を突いたような騒ぎでしたから、一社だけがダメだと言うことではなく命拾い
したと言ったほうがよいという、いわば一列横並びの幸運に恵まれました。
そういうときにもこの三井木材工業の製品(センチュリーボード)はノンクレームでした。
それでも、財務状況が良くなかったのか、何とこのニ○ハという会社に吸収されてしまったのです。
当時、なぜ優秀な製品を作っている会社がそうでない会社に吸い取られてしまうのか理解できません
でした。今ではわかりますが・・・
このニ○ハと言う会社が木片セメント板の外壁を開発したわけではなく、合併吸収しただけなのです。
それほど良いものが以前から存在していたのに、「何を今さら・・・」という、内心大したことないだろうと
思っているのが正直な気持ちです。
ちょっとばかり木質繊維を使っているからと言って、HPに大々的に宣伝するのも法律違反ではありま
せんが、何か「我田引水」的な思惑を感じざるを得ません。
いずれ、住宅寿命が終わって解体されるときには埋め立て処分場へ行くだけのものですから、そんなに
胸を張って威張れるものではないのです。
それと比較したら、昔からの大工さんはどれだけの木材を加工し使ってきたか、これらのメーカーの比で
はないと思います。でも、そういう人たちはしゃしゃり出てきて「エコだ!」などとは言っていません。
それは「木を使えば何でもエコになる」と考えて、外壁を木にリフォームしたらポイントをつけると言って
いる官僚も同じです。
あとのこと考えなけりゃ何でもできるけど、高温多湿、4日に一度は雨が降る国なのに、どうなるのか
わかってんのかと言いたいですね。
「事件は現場で起きているんだ!」ってね。
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コラム471 2013年04月04日
こんな建物に誰がしたB
住宅の質が落ちているというのは事実です。
大手のメーカーならそんなことはないだろうと考えがちですが、それも同じです。
構造体というのは工法が同種なら集成材と合板の多用以外ではほとんど違いはありません。
質が落ちているというのは内装のほうです。
床・壁・天井・室内建具がほぼ横並びといって間違いないくらい工業製品です。
この業界には「木質系」という便利な言葉があって、木材から作ったものは木質系と言っても問題は
ないと言われています。
住宅展示場の工法別の呼び名に軽量鉄骨とか木質系パネルとかある言い方です。
確かに木から作ったものには間違いありませんが、私らは消費者に誤解を与えるようなこの表現は
あまり使いません。
石油系樹脂を使い形が変わってしまったものを「木」と呼ぶには抵抗があります。
床は100%と言ってよいほど合板が主体になっています。
これらが下地と仕上げ品に分かれているだけで、ほとんどが合板で作られています。
壁は中に入れる断熱材の種類は数種類ありますが、表面の仕上げについては大手HMでも地方の
ローコスト業者でも同じです。
石こうボードに塩ビクロス仕上げ、ほぼ99%これでしょう。
天井もこれとほぼ同じです。
ちょっと違うと感じるのは「見栄え」の違いがわかる外装と窓程度です。
外装は他とは違う豪華に見えるもの、差別化がはかれるもの・・・
窓は熱ロスが小さいですよというパフォーマンスが出来るもの・・・
外から見てデザインが垢抜けして重厚感があるもの・・・などが主流です。
今の住宅は風の通りぬけなどはほとんど眼中にありません。
それは高気密・高断熱を主にしていますから計画換気で空気の入れ替えをすれば良いと考えている
からです。
窓で換気ができるだろうと考えますが、建築基準法という法律を考える人は「窓は任意で開けないと
ならないから換気の対象としては考えられない」というのです。すごく納得でしょ。
この計画換気もひとつの部屋の空気容積が一時間に0.5回、二時間で1.0回完全に入れ替わるという
計算になっています。理論では、端からポンプでくまなく押し出して空気が入れ替わると解釈するよう
です。そんなバカな・・・
身体に害のあるような化学物質の発する建材は使用禁止にもせず、計画換気をやらせるところなど
いかにお金を使わせるかをいつも考えている官僚の素晴らしい知恵だと思います。
火事になったら有毒ガスを吸って死ぬから、使うなではなく、早くお知らせをしますから逃げて下さいと
いう何ともありがたい火災警報器設置の法律・義務化。
さてこの次は何が出てくるのでしょうか。
私の予想では、集成材の劣化を知らせる構造体劣化警報器ではないかと思うのですが。
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コラム470 2013年04月03日
こんな建物に誰がしたA
異業種から参入した業者は本質を理解していません。
家とは何を重視すべきなのか、考えていることがずれています。
住宅も商品であり、売れなければ勝ち残れないと考えます。彼らにとって住宅は商品であり売上を
左右する勝負道具でしかないのです。
そうでなければ、あれほどの集成材と合板は多用しません。
彼らにとって、いかにコストを減らしデザインを良くし売れるものにするかは、消費者の目的と一致
するように見えて、実はかなりずれたものなのです。
消費者もまた、大きいところだから、たくさん数をこなしているから、PRをたくさんしているから・・と
本質を見抜けず、そのものが良いのか悪いのか判断できる力量を持っていません。
持っていないというのは大変失礼に当たりますが、現実はそうなのです。
コストを下げるということは前提としてクレームが出ないものを使うということになります。
資材は安ければ安いだけ品質もついて回ります。
安いものを調達してあとから苦情クレームを出していたのでは会社の経費がいくらあっても足りません。
量をこなそうとすればなおさら均一な資材を求め続けなければなりません。
それには合板と集成材はピッタリの資材です。忘れてはいけないものに石こうボードもあります。
その上でコストのダウンに努力をします。
そのためには工場のプレカット加工も必須です。室内建具はすべて建材メーカーの枠までできている
完成仕上がり品を採用します。
ほかにも、建物の進行順序を現場の人が動きやすいように床を先に作ります。
こうして、現場の大工作業・建具工事をどんどん減らしていけば手間賃が圧縮できて全体の価格が
下がってきます。
こうして涙ぐましい努力で出来ている住宅は、中身はアパートと変わりありません。
ただ、豪華なキッチンがついていて玄関ドアも高級感のある物がついていますから「見た目」ちょっと
良いものかなという気持ちになりますが、品質的にはほぼ同じものです。
こういうレベルのものが長期優良住宅に化けているのですから、国は何を優良と判断しているのか
私にはわかりません。
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コラム469 2013年04月02日
こんな建物に誰がした
昔、似たような感じの歌謡曲がありましたが、今の住宅は本当に「何でもあり」の、何を追求している
のだかわからないようなものばかりになりました。
この住宅業界ほど異業種からの参入が多いのも異質であると感じます。
それに輪をかけて建築資材メーカー・商社・問屋の住宅建築事業参入です。
さらに輪をかけているのが木材に触ったこともない人たちが家の規則を作っていることです。
特に官僚は有識者という言葉が好きなのか頻繁に出てきます。
有識者というのはどういう人なのでしょう。
そこには現場でたたき上げた棟梁とか職人とか参加しているなどというのは聞いたことがありません。
どこかの大学教授とか有名な設計士とか経済評論家などは出てきても、現場の人は皆無でしょう。
こういう人たちが紙の上でのつじつまを考えても現場で起こっていることの解決にはなりません。
どうして今の家は、火災時に家が残って人が死ぬのでしょう。
昔など聞いたこともないのに、どうして今学級崩壊が起きているのでしょう。
私らが子供のときにアトピーなんてなかったのに何故これだけ多くの患者がいるのでしょう
なぜ、あちこちで花粉症・食物アレルギーの人が増えているのでしょう。
人間も自然界の生き物なのに、これだけ工業物にかこまれて生活していて何も影響が出ないはずは
ありません。
何かが原因で上記のようなことが発生しているのではないかと考えるのが妥当ではないのか。
過去に、覚えがないのにC型肝炎で悩み苦しんだ人がいました。これも解明されるまで何十年も
かかっています。
私は、人間の住む空間は自然物でなければ何らかの異常が起きると考えています。
しかし、今の住宅は工業物のかたまりです。
昔の家は寒いと言いますが、その空気環境の安全性は抜群でした。
そういうものは古いと、どんどん嫌われ壊されて工業系のモダンなデザインがうけています。
デザインでは人間の安全性は確保できません。
食べ物には誰でも「無農薬」だの「有機栽培」だのと注意を払うのに、住宅だけはまず「金額」ありき
です。
毎日吸っている空気の量は食物の比ではありません。
そこにもっと早く気付くべきです。
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コラム468 2013年04月01日
木材利用ポイント
国はよほどインフレを焚きつけたいらしく、今度は「木材利用ポイント」なるものを出してきました。
HPの内容を見ると前回の住宅エコポイントと同じような内容でしたが、違っているのは国産材を
使ったものなら合板でも使用比率にカウントするというものです。
工事をするものは認定を受けた業者であることとか、以前とは少し違う部分もあります。
このニュースは今朝にも流れましたが、まだ我々のところにはその情報すら届いていません。
流通の木材問屋に聞いてみましたが、答えは同じで「我々も詳しいことは聞いていない」というのです。
けれども、今朝のニュースで流れたということは多くに方々が聞いていらっしゃったはずです。
しかし、その問合せを受けても詳細が知らされていないのですから返答のしようもありません。
何という先走った事柄なのでしょう。
林野庁のHPを見ても、一般の人は「ああ、そうか、始まるのか」とわかりますが、細部にわたっては
今後お知らせいたしますとしか書かれておらず、制度だけは4/1から始まりましたというのですから
何をやっているのかと言いたいです。 お粗末!
いろいろな内容がありますが
いくら「木」を使わせたいといっても外壁まで範囲に入れることはないと思います。
日本の気候では外部に木を使うということはやはり無理が出ます。
いままでは木は燃えると使わせなかったのに何の違いが出たのか、使うためには中に石こうボードを
何枚も張らなくてはいけないという決まりまであったのに理解できません。
そこまでしたて木を使わせたいのならもっと内装に力を入れて塩ビクロス等の規制をやったほうが
よいと思うのですが、役人の考えていることはプロなのか素人なのかわかりません。
要は与えられた課題だけクリアすれば何でもよいということなのでしょう。
極めつけ、わからないのがペレットストーブにもポイントをつけるというのです。
燃料として燃やすならもっと規模の大きい火力発電に供給させればポイントなどの問題などではない
と思うのですが・・・
これはいったい、どう解釈すればいいのでしょう。
ペレットストーブは対象で薪ストーブは入らないのでしょうか。
Co2削減というならペレット製造は化石燃料をある程度消費しなければ作れないはずです。
簡単に焼却してしまったほうが自然物だけの循環というLCCM(ライフサイクルカーボンマイナス)に
ずっとずっと貢献していると思うのですがねえ。
教えてもらいたいくらいです。
私らなんて、焼却炉で純粋な木材の端材を燃やそうにも「ダイオキシンがどうの・・」とかで、アウト。
それでいて薪ストーブはお咎めなし。
まず、この理不尽な考えから説明してもらいたいですなあ。ちゃんとLCCMやってるでしょ。
もう、この際だからペレットストーブなんてケチなこと言わないで「木炭車」でも再開発してポイントを
つけたらどうだろう。
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コラム467 2013年03月30日
聞きなれない言葉 ラジアンA
地震のときに皆さん共通する言葉があります。「揺れる」というものです。
これには地震そのものの地面が揺れると建物が揺れるということが両方含まれていて、そのさきに
また建物の種類があって揺れ方が違うということであります。
時として人の言葉は同じ揺れを表現するのにもその言い方(度合い)ニュアンスが異なります。
同時に何軒もの家を観察できるというわけではないのでそれぞれに観測カメラをおいて見てみない
ことにはその尺度が一律にはなりません。
しかし、私の経験からすると、大体その建物の構造体の組み方の違いで揺れの大きさが推測でき
ます。昔からの木組みの建物は最近の建物よりは揺れます。しかし、揺れるけれども潰れません。
最近の建物は揺れないように作ります。これのほうが丈夫のように見えますが私は逆だと思います。
揺れに対する「耐性」としては、これぞ万能というものはないと思います。
それは建物の持つ質量・地震との共振があるからです。
軽くて地震の加速度に早く対応できるのがよいのか、そうなると強風などの防備にはどうなのかも
考慮しなければならないと思います。吹き飛ばされないためには重さも重要だからです。
建物の高さと巾も重要だと思います。受風面積が違えばこれも建物に圧力がかかる割合が違うわけ
ですから風に対する「耐風」が影響してきます。
地震が長時間続く場合はその周期にも影響されます。短い周期には強くても長いものには共振して
しまったり、その逆もあるはずです。ものの大きさ・質量がある限り、どこかに共振点があるはずで
それから逃れることは不可能だと考えます。
免震があるだろうという意見もあると思いますが、あれは直下型には無防備ですし、振幅が無限大
ではありません。やはり何事にも限界はあります。物質的な金属疲労も考慮するといずれは交換する
必要性が出てきますので金銭的な問題が残ります。
気候状況・突発的な出来事、年数に対する耐久性能と各種の問題をクリアできて初めて安全と
言えるのですが、正確に言えばもっと広い意味の安全を考えるとまた範囲が広がります。
そのことを別にしてもすべてに完璧なものはないということです。
前項のCLT(クロスラミネーテッドテlンバー)の破壊実験についても、いくらの圧力を加えれば変形・破壊が
起きる(おきた)というデータも、その実験はあくまで実験で自然界のあらゆる条件をクリアできると
いうものとは異なります。
その点から考えると自然界に立っている樹木は数々の地震にもやられないで成長してきた「生き残り」
軍団と言えますから、この素材が地震に対抗するのには一番の適材だと考えます。
その素材を生かして使っていくのが最良だと思うのですが、残念ながら現実は違った方向へと
進んでしまっています。
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コラム466 2013年03月29日
聞きなれない言葉 ラジアン
住宅の耐震度合いを測るときに出てくる言葉にラジアンというものがあります。
これは下図のように円を描いたときに基本となる半径の長さを円周に張り付けたものと解釈して
よいと思います。
このときに出来る円の中心点の角度が1ラジアンという決まりになっています。
この角度を略せば57.3度ですが、なぜこのような図形が引用されるのか不思議でした。
建物は大概の場合は水平と垂直におさまっています。
これを地震のエネルギーを加圧した(された)場合には、どれだけゆがみ耐えられるかということに
なります。
こういう表現をするなら分度器の直角に対して何度のゆがみを与えるとか簡単に示せばよいと思うの
ですが、とかくエライ人は複雑な表現をしたがるのでしょう。
先日もCLT(クロスラミネーテッドティンバー)の破壊実験でこのラジアンという言葉が使われていました。
CLTについては コラム313 2012年03月16日に記載してあります。
確かに、建物は基礎・土台と緊結されていますから、円と同じように倒れるわけです。
何事もなく建っていおる場合は90度ですが、地震エネルギーが加わると平行四辺形に歪みます。
それが何度まで耐えられるかということであり、硬いものほど度数が小さいうちに破壊するということに
なります。
ちなみに、30分の1ラジアンは1.91度、 14分の1ラジアンは4.09度 となります。
CLTの実験では14分の1の静的圧力をかけたらすべての接合部が破壊したと書かれています。
CLTも木材で作られていますが直交させて接着剤でくっ付けています。原理は合板と同じです。
これからも「硬いと丈夫」は違うことがわかると思います。
木造のような(コンクリートなどからすると)比較的柔らかい素材はこの歪み係数が大きくてもなかなか
破壊しないということになります。
ですから、3.11の地震の時もRC(鉄筋コンクリート)の建物が大きく被害を受けるという現象が出たの
です。
客観的に見て静止しているものなら曲げとか歪みとか固体の性質だけで判断できますが、これに
地震という瞬間的な動きが加わると、ものの質量・粘りが大きく関わってきます。
木造が壊れずに古いタイプの鉄筋コンクリート建物が破壊したのは慣性の法則がまともに作用したと
言えます。
粘り・反りがなくなるということは地震に対してよい結果は出ないということがわかって来ているのに
今の建物は面材を使いどんどん硬くなってきています。
行政もこういうタイプの数字で表せるものを優秀だと評価しています。
神社仏閣が数百年も建ち続けてこられたのは、この木組みを生かしてきたから今があることなのです。
ところが住宅となると正反対のことをやっています。本来、竹林のような「しなり」のある建物を作らなけ
ればいけないのが、コチコチの家を作っているのですからまったく逆です。
一般の消費者から見れば、一体どちらを重視すればいいのか悩んでしまいます。
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コラム465 2013年03月28日
次世代トレンド住宅の裏事情A
住宅の世界にトレンドとかエコ・モダンとかの言葉が入ってくると何か特別な魅力が加わったような
気がしてきますが、反面、何かを喪失している面があることも理解していかなければなりません。
私がこのコラムで否定的な意見ばかりを書いているように思われる方もいらっしゃると思いますが
けしてそうではなく、毎日当たり前の生活をするのにそこまで必要なのかと客観的な意見を述べている
だけなのです。それはHP開設以来変わっていません。
そもそも、文明の利便性を追求していてエコなどというのはありえないのです。何かの行動のバックには
必ず消費しているエネルギーがあるわけで、その部分はカウントせずに完成したところからゼロエネル
ギーと言っているのですから、ある意味その表現は「騙し」です。
毎日の生活で車は使うし、買物には行くし、食事・洗濯、お風呂・トイレ、布団干し、ゴミ出し、・・etc
これらの事柄をいかに便利に効率的に満足がいくようにと知恵を絞っても、絶対にゼロエネルギーなど
ありえません。
以前、東京都が車の排気ガスを減らすために古い型のバスを地方に売却してという話しがありました。
これなど、実に地方を馬鹿にした発言だと問題になりました。
結局は自分の敷地にあったゴミをとなりに掃き移したことでしかないわけです。
似たことはいくらでもあります。
中古トラックの買取り(古い年式の排気ガス規制に引っ掛かるようなもの)も東南アジアへ輸出されて
あちらではバンバン走っています。地球規模で考えたら何とバカなことをしているのかと思います。
作るときの製造エネルギーが従来品と同じで、その後の使用するものが一切かからない、しかもその
費やした量以上にエネルギーを作れるならこれはノーベル賞間違いないです。
IPS細胞どころの話ではありません。
すべてのデータを並べてみれば一目でわかるものを、わざわざ国が率先してゼロエネルギーだの
理屈に合わないことを国民に勧めるのなら、まず自分がそれをやってからにすべきです。
「国民の生命と財産を守る」などと軽々しく言っていますが、それを言うなら、揮発物の出る建材は
すべて販売禁止にするくらいの気構えが欲しいと思います。
なにせ、F☆☆☆☆製品でも安全ではないのですから。
たった一つ、ホルムアルデヒドについてだけ、しかも両者歩み寄れという感じの0.08ppmですから
健康を守れる数字などではないのです。それは実際に新建材を扱っている私の実感です。
よくそれで国民の生命を・・などと言えるものです。
それも出来ずに屋根に太陽光発電装置を載せてゼロエネルギー住宅とはやることが逆でしょ。
エコポイントも金融緩和もすべて世の中の金をいかにして動かすかでしか考えていないのが
よくわかります。
すでに太陽光パネルからの落雪による隣家被害、エコキュートの騒音被害が各地で裁判沙汰に
なっています。
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コラム464 2013年03月27日
次世代トレンド住宅の裏事情
LCCMという言葉を知っていますか。
ライフサイクルカーボンマイナスと頭文字をとったものです。
と言われても何のことだかわからないと思いますが・・・要するに「低炭素社会の実現」に向けた
住宅分野の一環ということらしいです。 (余計にわからない・・・)
家庭で使う電気やガスを太陽光発電でつくるゼロエネルギーハウス(ZEH)というのがあるそうな。
これを2030年未来基準というそうです。
LCCMはこのまた一歩先を行く、太陽光発電10kw、自然冷媒ヒートポンプ給湯機(エコキュート)、
LED照明、高効率エアコン、太陽光発電の表示が出来るインターホン、リサイクル材によるレンガ
チップのエクステリアで取得できるとか。
そもそも「めざす低炭素社会」とは何なのでしょう。
太陽光発電の論議と同じで、つくるまでのエネルギーはいくらかけてもカウントしない。
出来た製品でいくらCo2削減が出来たとのたまわってもこれが何の意味があるのかと同じこと。
同じ地球という金魚鉢のどこかでCo2を吐き出し、片方でエコだというのは売る側の単なるエゴです。
プリウスだってただ単にリッター26km走るわけではありません。別のモーターと大きな容量の
バッテリーを積んでいるからそれだけの数字が出せるわけです。その設備はゼロエネルギーで
出来たのでしょうか。そんなことはありません。
そんな都合の良いことだけ集めた理屈が通るのなら世界中太陽光発電だらけにすればエネルギー
問題は即解決なはずです。中国の世界一の太陽光パネル生産メーカーも潰れることはないのです。
世の中、うまいことばかりなどあるわけがありません。そこには言われない裏事情が隠されています。
あけてみたら「なあんだ」というようなことばかり。そんな低炭素なんて何の意味があるのかと思います。
結局は経済の欲望に利用されているだけで何の低炭素の貢献にもなっていないのです。
さてさて、
この屁理屈を考えた人はどんな頭をしているのでしょうか。一度その中身を見てみたいものです。
木材はCo2を固定化するというのは近年理解されだしてきたことですが、そこの部分を行政はこの
低炭素社会の道具に利用しようとしています。
木材を使えば炭素を固化したことになりマイナスとカウントするとか、まるで訳のわからない屁理屈が
文章化されました。
地球規模からすれば人間が使おうと使うまいと木は育っているのですから、いまさらマイナスだとか
言われても困惑してしまいます。
それと排出しているCo2を相殺するというアホの上塗りみたいなことも言い出していますから何のことか
訳がわかりません。
木は炭素の固化だけやっているわけではなく、自分の命が終わったら腐るときに分解ガスを出したり
マイナスではないプラスのこともやっているわけだから人間の都合の良い考えだけで判断しないほうが
よいと思うのですが、その辺のところは原稿編集時に都合が悪いからカットなんでしょうね。
世の中、新しいことが出ると、新しい悪だくみもすぐ出るようで、普段人気のいない野っぱらの太陽光
パネルなんか「どうぞ、お持ち下さい」と言っているようなもので、これを狙った新窃盗団がすでに出て
いるみたいです。
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コラム463 2013年03月26日
エコとは言えない「エコ建材」C
なぜ、廃棄されるとき「管理型処分場」へ搬入されるのか。
安全なものなら通常の処分場で問題ないと思うのですが、そうではないということを行政側も知って
いるということです。
硫黄を吸い取らせた石こうが後々悪さをするかもしれないという(そうなることはわかっているから)
想定のもとに管理型へ搬入しなさいということにしているわけで、どこまでいってもこの硫黄が消える
ことはないのです。
Aの問題が出て解決したと思ったらBの副作用が出て、さあこれをどうするかというと「出てから考える」
という問題の考え方です。実に官僚的であり、目の前の問題さえ解決すれば私らの責任は果たした
ということで済ましているとしか思えません。
確かに、空気中へ放出される亜硫酸ガスは何とかしなければならなかったと思います。石こうと化学
反応を起こさせて脱硫装置を作り上げたまでは良かったのです。でも、その先は何を考えていたので
しょう。
化学をちょっと理解している人なら硫酸カルシウムがどうなると有毒ガスを出すのか知っているはず
です。
松江の東横インの社長、西田さんが2008年に廃棄物の不法投棄で逮捕されました。
この事件での裏側では、単なる廃棄物の処理を安く済ませようという経営者の当たり前の考えが
あって自社建物の地下に廃石こうボードを捨てさせたのです。
この人の弁護をするわけではありませんが、まったく罪の意識はなかったと思います。なぜならば
自社の建物の地下に入れておけば誰にも迷惑はかけないのだからという、ましてそこから有毒の
ガスが出るなどということは露知らずだったのだと思います。
仮にコンクリートの塊を捨てていたらどうなったのでしょう。
この人は同じように逮捕されていたでしょうか。 ノーだと思います。
問題は「人が死ぬような危険な建材」であることを知らしめなかった販売側に責任があるものと思い
ます。
世の中の石こうボードを選択した人、それを使っている人、処分する人、すべてがこの石膏ボードが
条件によって危険なものになるということを理解しているでしょうか。
私らだってそこまでは知らされていません。それだけ提供した側の責任は重いと考えます。
これから処分場近くの現地では「変なニオイがする」とか、環境問題の苦情がたくさん出てくると思い
ます。そうならないと行政も腰を上げないし、今のところ問題が起きているわけではないのだからと
十中八九動かないでしょう。
ここで皆さんに考えていただきたいのは
今、問題がないからといって将来もないという保証はないということです。
そのときになって「さあ、どうしよう」となっても大きな社会問題となってしまい処分できない状況に
なったら、結局は高いお金を払うからと言っても解決出来ないということになるのです。
私は何度もこの勉強会で「住宅だってゴミになる」と言い続けてきました。
作るときにすでにゴミになるときのことを考えろといってもピンと来ないと思います。
しかし、それは何十年後かには必ず自分の責任で処理しなければならないときが来るのです。
確かに、石こうボードは燃えないし優秀な建材です。しかし万能ではないのも事実です。
そこをどう対処していくのか、業者も建て主さんも真剣に考えなければならないときが来ています。
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コラム462 2013年03月25日
エコとは言えない「エコ建材」B
前々回、回収石こうボードは5%だと書きました。これはメーカーのHPに書いてあることですから
間違いないと思います。しかし、この数字は現場で解体したものが回収されているということとは
まったく違います。
あくまで、使っていないもののきれいなものという条件が付くので使用済みのものとは異なります。
具体的にいうと、新品のものをカットして張った残りのものということになります。
こういう風に書くと、世の中のほとんどが、現場から工場へ戻ってくるように感じますがこれまた
別です。現場サイドでは端材はほとんど産業廃棄物として処理されています。
我々の流通のところでは、いままでに一度も現場からの端材回収を依頼されたことはありません。
私たちも仕事柄、流通の段階でゴミが出ますが、これらを一般家庭ゴミとしては出せません。
出す場合には産業廃棄物扱いとして処理することになります。
取り扱っている石こうボード製品には養生用として敷板や一番上に養生板が乗っています。
これらも回数を重ねると結構な量になります。以前は一山になるまで溜めておいて返しましたが
そのときも、事前にメーカーに「敷板が溜まりましたので引取ってください」と連絡しておかないと
配送者はハイと言いませんでした。
ご存知のように可燃物の処理は簡単ですが、これらの不燃物については料金も高く、自分のところ
では処分できるような金額ではありません。なるべくそういったゴミは減らすためにメーカーから
入荷があったときに前の分を持っていってもらい溜めないようにしています。
それでもメーカーは自分のところの製造品でないと引取りは拒否です。
それだけ引き受けて処理するのが難題なのかなと想像します。
それじゃあ、現場からの新規の廃材(カットしただけで汚れていないもの)はどこから出てくるのかと
いうと、ISOうんぬんを掲げている一部大手HMの現場だけだと思います。
現場ではゴミを出していません、環境に優しいです・・・と、エコを売りにしているようなHMです。
これは一種の力関係で、物言わぬ圧力がかかってて、買っていただいているメーカーとしては
ノーとは言えない立場におかれているからです。
それも仕方がないからで、すすんで引き受けているわけではないと思います。
だって新品を作るよりずっとコストがかかるんですから。
400〜500円で買える資材なんてそこらにはありません。なにせ優秀なんですから。
これをいちいち回収してリサイクルをやったら今の値段は維持できないでしょう。
そうなると「安い」が一番先になくなってしまい、使う魅力は半減するでしょう。
でも、メーカーのHPには「リサイクルしています」「環境に優しい建材です」と書かれています。
廃棄される後の面倒な事項には触れていません。
つづく
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コラム461 2013年03月24日
エコとは言えない「エコ建材」A
物質・エネルギー不滅の法則というのを昔学校で習いました。
物が変化するときには何かが結合して形を変えてもそれぞれをあわせれば等量になるというもので
逆に言えば、何か一つのことだけをとればもとの物質を超えることはないという論理でした。
これをまた別の見方をすれば、物質の性質は変わってもいきなりゼロにはならないということでも
あります。
前回のコラムで書いた副生せっこうの話しですが、どのような理由から住宅建材の原料として使われる
ようになったのかはわかりませんが、きっと環境汚染防止の関係者が発案して国もそれを認めたのだ
と考えられます。
表面的には確かに石膏に反応させて吸収した硫黄(亜硫酸ガス)は安定している物質となって悪さを
しないと思いますが、どこまでいっても何年経っても硫黄が消滅したのではありません。
現実社会では家が解体されるときまで安定した状態が続くというだけのことです。
そして、御用済みとなった石こうボードは廃棄処分されることになるのですが、ここからが木材などの
自然物と違ってきます。
木材などは今は発電などの燃やすための原料になったり、状態の良いものならチップなどの再生物の
原料にもなります。
一方、石こうは何の用途もなく、厄介物として処分場に行くだけの運命です。この違いは大きいです。
処理にかかる費用も断然違ってきます。
石こうボードは買うときは400円くらいだと言いましたが、処分するときは1,000円もかかります。
要するに捨てるのに買ったものの2.5倍の処理費がかかるということになります。
通常の家・ローコストビルダー・ハウスメーカーの家ですと200枚から250枚くらい使っていますから
200枚としても購入時80,000円に対して処理時には200,000円かかることになります。
木材の場合は1tあたり19,000円くらいかかると思います。これを買うときの価格と比較してみると
1tの木材の量というのは3立方メートルほどになるはずなので立方あたり60,000円としても10%ほど
の料金で処理できる計算になります。
一軒の家で換算すれば約12立方メートルくらいの構造体を使いますから約240,000円ほどになります。
詳しく計算しようと思えば条件を明確にするだけでもっと現実的な数字が出せます。
これだけ買うときと処理するときのギャップがある建材も他には見られないと思います。
つぎに処理される先のことの心配事についてお話しします。
つづく
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コラム461 2013年03月23日
エコとは言えない「エコ建材」
大手から地方ローコストビルダーまで最も多く使われ、「なくてはならないもの」というのは何か。
それはまぎれもなく、「石こうボード」です。
その延べ面積は年間4億9千万平方メートルにものぼり、ほぼ同量が生産消費されています。
一般的に言いますと、畳一枚の枚数で換算すると3億枚になります。
これを量で表すと600万立方メートルということになるのですが、もう感覚がわかりません。
価格は小売でも400円から500円程度、他にこの価格で買えるような資材はほとんどありません。
そのほとんどが塩ビシートいわゆるクロス貼りの下地材として使われます。
施工が早い、簡単、きれい、安いと4拍子揃っています。
私も最初は疑いもせずせっせと現場に運んでいましたが、何せ重い!
若いときならまだしも、高齢になってからは本当に体がきついです。何せ重い!
建材の中でも一番扱いたくない資材だと思います。
それでも注文があれば「ありがとうございます」と言って、現場に搬入しなければなりません。
その考えが変わったのがある解体現場で作業をしていた人の一言でした。
「このボードは厄介なんだよね」 「分別して別料金の処理をするんだ」
「遠くへ運ばなくちゃならないし、お金がかかるんだよね」
よく聞いてみると管理型の処分場へ持っていくとのこと、しかも茨城県にはないのだそうです。
管理型ということは安全ではないものを保管するのが常識だから・・・ええ、そんな・・・
ということで、メーカーのHPを良く調べてみました。(かなり以前のことですけれど)
○○製品は有害物質を出したりせず、まったく無害でクリーンな・・・と書かれているのです。
それがなぜ管理型へ搬入するの?
そこには裏の理由がありました。
その文面はさりげなくHPにも記載されていますから気付かない人もいると思います。
せっこう原料の内訳
国内で発生する副生せっこう 50%
輸入天然せっこう 45%
回収廃せっこうボード 5%
これで100%になるわけですけれども、問題は「国内で発生する副生うんぬん」です。
これは火力発電所や金属精錬所から出る(いわゆる大気中に出してはいけない)硫黄を
石膏に反応させて除去した硫酸カルシウムを副生石膏と呼んで原料に使用しているという
ことです。
問題はこれなんです。
つづく
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コラム460 2013年03月22日
流通を邪魔者と見る人
時代が進むにつれ、コスト削減が叫ばれています。それは大きな事業所でも同じこと、希望退職
250人募集とか、特に最近は電機業界に多く見られます。
まだ人員削減程度はいいとして業種そのものが要らないといわれる我が業界はもっと深刻です。
まだバブルがはじける前から、ある人はこの業界の数は五分の一になると言っていました。
それを聞いたときにはまさかそこまではいかないだろうと思っていましたが、建築分野の総量的動き
としては変わらなくても、部分的な木材流通は激変しその通りになりました。
総量的なものは変わらないが流通の中身が変わったと言うことは、一つは量をこなすビルダーは
その量を武器に「頭越し」をやるのです。
建材を例にとって見れば
メーカー・商社・問屋・販売店・ビルダーと資材の流れがなりますが、これがいきなり販売店抜きに
なります。
いくらチラシには注文住宅と書いてあってもほとんどが規格住宅です。
使う部材も限定され、年間棟数から言えば極少品種で選ぶのは色くらいのものです。
資材メーカーでも品種が少なく量が出れば工場の効率もかなり良くなるためにどうしてもそういった
受注の仕方を望みます。
いわば、発注側と受注側の利害関係が一致するということになります。
発注するほうもタダでは済ませません。量を武器に価格交渉がきつくなります。
通常では考えられないような定価×掛け率が提示されます。
しかしながら、現場としては使う順番に資材の調達が必要です。反対に供給する側はなるべく配達
回数は少ないほうが経費がかからないのですから、現場配送は少なくしたいというのが本音です。
販売店というのはこういった現場の便宜を図りながら他と組み合わせて配達したり効率を良くして
いくのですが、この部分が全面否定されるのです。「お前は要らない」なのです。
たしかに中間マージンを省くというのは聞こえは良いです。しかし、そこに隠れた見えないサービスと
言うのは評価されません。
販売店もその経費がゼロではやっていけません。人と車を段取りすればそれなりの経費はかかって
きますから問屋と直接では勝負になりません。問屋も販売店ほど小回りは利きませんから弱点は
あります。
しかし、支払いの良い客であればノルマ達成のためには背に腹はかえられません。タブーであるはずの
直売りがわからないところでどんどん進んでいきます。
こうしてどんどん流通のコマ「販売店」は除外されていきます。
これは新建材と言われるメーカー製のものだから出来ることですが、それもだんだん怪しくなってきました。
新建材だけではなく木材もだんだんこれに近くなってきました。
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コラム459 2013年03月19日
ムク材と集成材を広角で見るB
集成材を理解するのにプレカット工場という機械加工のことをお話ししておいたほうがよくわかります。
機械加工というのは精度がとても高く、それを維持するためには資材のほうも寸法精度が高いことが
求められます。
その点では集成材というのは優等生になります。
寸法のバラつきがないこと、例えば横架材で4000×240×120のものがあるとします。
これがムク材のものなら242×122とか243×124とかの若干の寸法ムラがあります。
最近はプレーナーがけといい、240×120で出来ているものがありますが。
これまでですと、製材品というのは鋸挽きで出来たものを指しましたが、性質上限界がありました。
そこへ機械加工が多くなってきて寸法精度が高いものが要求されるようになってきました。
それでわざわざ一手間かけてプレーナーがけという作業が入るようになり、見た目には変わりがない
ように作ることが出来るようになりましたが、それでもムク材の性質は残ります。
一方で集成材は乾燥度は良い、寸法はぴったり、材の上下はなし、削ってあるからきれい、おまけに
木のクセが接着剤で張りつけられることにより押さえ込まれてしまい、まっすぐな狂わない資材に
変身してしまいます。
ということで、だれでも扱える画期的な建築資材となりました。
この誰でも扱えるという点は業界にとってプラス要因でした。何しろ経験がなくても扱えるのです。
よって、機械加工で大きなボリュームをこなす「工場生産型」としてはかなりの適材になったのです。
あちらの工場でもこちらでも何も特筆事項がなければ集成材使用という流れになっていきました。
特に量をこなすローコストビルダー・大手ハウスメーカーには好まれるものとなりました。
しかし、最大のネックは「接着剤」です。
いくらメーカーの人が大丈夫です・強いですと言ってもムク材のように過去の実績がありません。
あくまでも将来の予想でしかありません。
値段の面から見ても240×120の比較でいえば、人の手を加えた集成材のほうが高いのです。
それは当然のことです。
450×120とかだったら逆転はしますが、一般住宅ではそういう大きな寸法を使うことは稀です。
それでも多く使われる理由はクレームも含めた全体のコストが安くなることです。
ムク材は建築後もヒビ割れの音などでクレームが出ます。
「家が壊れてしまうのではないか」「不良な木材を使ったのではないか」など訴訟を起こされた例も
あります。
そういう総合的なコストを考えると初期クレームのない集成材のほうが安いと考えるのです。
30年先、40年先のことはどうでもよく、直近のクレームがなければ彼らにとって好都合の材なのです。
値段を一つの部材だけではなく全体的に見ているところはさすがです。
高い部材が使われている理由は意外と知られていません。
大手HMとローコストビルダーの考えていることはほぼ同じです。
自分ならやるのかという観点とは別問題で、あくまで住宅はビジネスだという考えのもとに動いている
ということです。
接着剤がダメになればどうなるか。ただの木片になるだけです。
でも、その下には「命」があります。
家族を守るために建てた家が家族を脅かすことになるのです。
たとえ、可能性が1%だとしても使うべきではないと思うのです。
ここから先は建て主さんが決めることですが・・・
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コラム458 2013年03月18日
ムク材と集成材を広角で見るA
構造材がムク材から集成材に入れ替わってきたのにはそれなりの理由があります。
ムク材の場合は天然の気候環境で育ってきた木の特質を理解していないと扱えません。
そういう木を扱うプロが少なくなってきたことです。
丸太の丸いものから四角い製品を作っても、もともとの環境に育まれた木のクセが抜けないのです。
それを見抜けない、お客さんに割れる・反る・縮むを納得してもらうことが出来ないようになったのです。
例えば、同じ柱をみても一定方向からの風当たりの強いところに生えていたものと、中ほどに位置して
あまり影響を受けなかったものとでは、同じ年数を育てても木材の質が違ってきます。
丸太の状態ではバランスがとれていても、いざ柱にしたとたん反力のバランスが崩れ、「反り」となります。
これもすぐ症状の出るものとじっくりと出るものがあり、後者のものほど流通にのってから症状が出ると
いうことになります。
この木の性質が違うものはどのくらいの割合で存在するのかと言いますと、自分の経験では林層にも
よりますが1〜2割ほどはあると思っています。
林層の違いとは、土地条件そのものです。
風の強いところよりは穏やかな場所のほうが反力が少なく育ちます。
南面よりは北面のほうが(使う側から見れば)良い木が育ちます。
南面の木は太陽に向かってどんどん枝を伸ばします。一応、北側にも枝は出ますがその後に木の
南面に生えてくる枝の勢いに負けます。そういう状態でほとんどの木が育ちます。
それらを伐採するとほとんど南面の枝張り状態であることがわかります。
これを一本のバランス状態だけで見てみると、トラックの偏り荷物の状態と同じです。
人間で言えば片腕だけ伸ばし、バケツを持っているようなもの。
これで幹が垂直を保つのは大変なことです。当然のように幹が踏ん張れるように力みます。
これが反力(アテ)と業界では言います。
このアテが枝を取ったとたん、負荷がほぼゼロになり、必要なくなるため、今度は幹が力余って
曲がりを起こしてしまいます。さらに製材すると余計にその現象が出るようになります。
これは乾燥してもなお出続けます。
良い木悪い木という評価は適切ではなく、あくまでも木の生育環境の違いから出る自然現象なの
です。要するにこれは利用する人間の側でコントロールして使えばよいことなのです。
我々、木材屋はこれを当たり前のこととして倉庫で乾かしながら管理して、出荷時に選別しながら
大工さんのところに届けてきました。
それでも完璧ではないので、さらに大工さんは木を眺めながらクセが出ないような木組みを心がけて
現場できちんとした建物が出来るように組み手を作っていったのです。
それが今はガラリと変わり、機械加工に都合の良い右も左もない上も下もない誰でも手に取ったら
機械に入れられるような資材が求められ、それを供給するようになって来ました。
それが集成材なのです。
つづく
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コラム457 2013年03月16日
ムク材と集成材を広角で見る
現在、使われている住宅の構造体では大手・中小ビルダーまで「集成材」が圧倒的に多くなって
います。
構造体というのは、おおまかに土台、柱、横架材の3種類からなります。
土台は横に使われ、何箇所かボルトで締め付けられます。
柱はタテに使われ家の重量を支える役目です。
1Fの横架材は屋根と2F部分の重量を支え、2Fはその上の部分を支えます。
土台は横だけの圧縮、柱はタテの圧縮と地震の横揺れをしのぐ役目、横架材は通常の場合は
開口部の(柱のない部分)上からの重量を支える役目ですから曲げに耐える働きをします。
土台は圧縮(潰される方向)だけの反力を持てばいいのですから硬いものが適材です。
柱は縦方向の押しつぶされることに耐えられることと、曲げにも粘り力が求められます。
横架材に関しては静かに加圧されているほかに地震のタテ揺れを耐えるだけの動的な加重にも
破壊しないという条件が満たされなければなりません。
ここまで、客観的な捉えかたとして頭に描いておいてください。
そのうえで、ムク材と集成材の比較をしてみます。
以前、(今も言われているところがありますが)集成材はムク材の1.5倍の強度と耳にタコが出来る
ほど聞かされました。これを不思議に思った人はたくさんいるはずです。
1.5倍という表現は基準になるものが同質で同じ寸法のものという極当たり前の条件の上に成り立ち
ます。
同じ材種で同じ寸法でなぜ1.5倍という表現を使えるのか。強度という意味は何を指すのか。
木が折れるとき、ムク材なら力を加えても弓のように反ってから限界を超えた段階で破壊(折れ)
します。
これを集成材に置き換えてみると、加える力が1.5倍にならないと破壊しないという意味になりますが
「どれだけムク材と比べてしなるか」という表現はどこにもないのです。
このことは性質がコンクリートや鉄と同じになっている・近づいているということを言っています。
硬い=強いことにはなりません。
笠間市の庁舎が倒壊寸前までやられたのは、耐力壁量不足と言われていますが、これは一気にきた
地震エネルギーが受け止められなかったということで同じ揺れがゆっくりきたらそこまでは壊れなかった
はずです。
短時間で喰らった慣性の法則の質量×スピードに負けただけで、ゆっくりとした分散型だったら
つまり、しなりが出来て瞬間的な移動が和らげたらそうはならなかったということです。
木造住宅の倒壊はなかったのに鉄筋コンクリートの建物がやられたのは重量×スピードの総運動
エネルギーの違い・瞬間的なエネルギー分散といって良いと思います。
そういった素材の持っている特質を自分の都合のよいことだけを強調して強度が1.5倍と言っていた
資材メーカー・住宅メーカーは不当表示をやっていたのと同じです。
1.5倍のマジックは接着剤が関与していただけなのです。
「強くなった」という表現は「柔軟性が少なくなった」と言うべきだったのです。
つづく
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コラム456 2013年03月15日
おめでたいことがありました
本日、勉強会に参加されていた方の上棟がありました。
一昨日の強風はウソの様に鎮まり、神様が建て主さんのために気を利かしてくれたみたいです。
この土地は、調査の結果、若干の不安要素があることがわかり、地盤改良の工事を行ないました。
この工事は柱状改良といって、直径60cmの地中ドリルと言ったほうがぴったりするような機械で、
これを回転させ地中にねじ込んでいきます。深さは約3.5mから4mくらいでしょうか。
そして、逆回転させて地上に戻ってくるときに回転芯から特殊な硬化剤をはき出しながら、太い柱状の
支持層を作る仕組みのものです。
穴をあけるというとそこの土を取り去ってしまうようなイメージがありますが、この工法は土をそのまま
使い、水で溶いた硬化剤をセメントのように撹拌して硬い土の柱にするというものです。
鋼管杭はもうこれ以上入っていかないという支持層まで到達させますが、この柱状改良は中間で
位置し、太い柱の摩擦抵抗を利用するという性質が強いものです。
いずれにしても基礎を下から支えるという理屈は同じです。
言葉だけではなかなか理解できないと思いますが、諸事情により非公開のため写真の掲載ができま
せんのでご理解下さい。
上物(うわもの)は上屋(じょうや)とも言いますが、構造材は大工さんの手加工です。
土台・柱は4寸角(12cm)の材を使用しました。
将来に不安要素のある集成材は一本も使っていません。
基礎も従来どおりの基礎換気口式で基礎パッキンは使っていません。
基礎の高さは50cm確保しています。後々、楽々床下が管理できるスペースです。
私がうかがったときには屋根には杉のムク野地板が張られていましたから、かなり順調に進んだ
ものと思います。
本日はおめでとうございました。
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コラム455 2013年03月14日
嵐が過ぎて・・・
最近の記憶にはないような強風が吹き荒れました。
ここ、事務所の周りは畑ばかりで、しかも作物の端境期とかさなり、畑には何も植わっていません。
緑がないということはこれほど違いがあるのかとあらためて驚きました。
北国では地吹雪とか言いますが、その言葉の通り、よくもあれだけの土を巻き上げるなと思うような
風のエネルギーでした。
ちょっとだけ風の弱まる吹き溜まりみたいなところは所有者のわからない土がこんもりと出来ていて
そのまま作付けすれば野菜が育つような感じさえしています。
毎朝、事務所に出てくると雑巾がけをするのですが、さすがに昨日は参りました。
10分おきぐらいに拭いてもまったく同じ、4回までは繰り返しましたが、バカらしくなりやめました。
結局は今朝事務所に出てきていつものように掃除をしたのですが、表裏反して一回で済むのに
三分の一も拭けずにもみだして繰り返しました。
まあ、ホコリでは死なないと言われますが、あれほどの強烈な土ぼこりは近年なかったですね。
これでもって、あの嵐状態でも我が家は何ともないわとおっしゃる方がいたらそれはかなりの
高気密住宅ということになります。
細かい粒子も入ってこない・・・PM2.5も大丈夫という自慢のお宅も、逆を言えば窒息しますよと言って
いることと同じことになりますので、早くフィルターの掃除をしなければいけませんよ。
我が家は優秀だからといって誇ってばかりはいられません。
うちでも優秀なフィルターはあるんです。電気も不要、部品の取替えも不要、水道蛇口のところへ
行って、ガラガラ、ペーッ・・ってやればOKなんですけどね。
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コラム454 2013年03月13日
ピアノをどうするか
今回のリフォームで大変だったのが物の移動でした。
まず最初に新しくキッチンを作るための旧子供部屋を完全に物がない状態にしなければなりません。
押入れの中の洋服、出窓に飾ってあった節句人形、娘が使っていた(いる)ベッド、洋服ダンス、
子供たちが使っていた「勉強しなかった勉強机」、壁を利用して作った棚とその漫画本、ほか便利が
良いように付けていた配線など。
中でも最大の難問はピアノでした。
娘が習っていましたが、いまはたまに帰ってきたときにポロンポロン弾くくらい、私らはフタも開けません
ので、完全なインテリア置き物になっていました。
「処分しちゃおうか・・・」
「だって、だまってそんなことできないでしょう」
「言わなきゃ、忘れてんじゃない?」
「そんなことないわよ」「あの子はそういうことは執念深く覚えているんだから」
「君みたいに?」
「えっ、・・・」
「いや別に・・・、聞かなかったことに」
という具合に、今時処分するにはお金もかかるらしく、結局は「塩漬け」にすることになりました。
で、場所は納戸に改造する部屋の特等席に鎮座していただくことにしました。
当時の床下も通常の施工だったので、大工さんに床下の補強をお願いしました。
普段、何事もなければ良いのですが、ここのところドドド・ユサユサとくる確率が高いので
床の崩落にでもなったら材木屋として恥になるのでというのが本音です。ハイ
幸か不幸か、私の家は当時でも基礎が高くいわゆる2尺パネルを目いっぱい使った60cmの
高さを確保していました。それなもので割と楽にもぐれて作業してもらうことが出来ました。
臨時に置いておいた和室から大工さんにも手伝ってもらい無事納戸へお引越しが済んでほっと
しました。
子供たちにはこのリフォームのことは一切話していませんから帰ってきたらびっくりすることでしょう。
「えっ、子供部屋がなくなっちゃたの!」
「えっ、私のピアノは納戸に入れちゃったの?」
「違うよ、ピアノ室を作ったんだよ」ってね。
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コラム453 2013年03月12日
家造りのチームワーク
今回の拙宅リフォームで感じたことを書いてみます。
一般論ですが
リフォーム全体を見た「適した時期」ということを考えると、やはり冬は避けるべきだと思います。
どうしても床壁などを解体しますから、部屋が外部と同じ状態になります。
仮に間仕切りに建具があったとしても内部用であり、外部の建具とは性能が違います。
解体前なら床下と室内は分離していますが、解体したとたん室内は外部と同じになります。
その状態で寝起きする・水回りの家事仕事をするとなると吹きさらしの外部でやるのと同じことになり
とても寒い冬には住人が耐えられません。
それらを考えると11月から3月までは工事を避けたほうが良いと考えます。
次に
工事内容に手慣れた人であることが求められます。
たとえば、いつも新建材・合板・シート張りの化粧建材ばかり扱っている人がムク材を扱うと
経験不足からくるムク材への配慮を欠いてしまいます。
それは収縮の違いであったり、色合い、目合いであったりします。
ムク材の場合は一つとして同じ性質の木はありません。何かが違っているからムク材なのです。
それらを新建材と同じに扱ってしまうと大変なことになります。
例えば、冬の時期にカラカラに乾燥した床材をガンガン締め付けて施工したとします。
そうすると6月の梅雨の時期に近くなると湿度が高くなり木自体に湿気を溜め込み膨張します。
そうするとこれが逃げ場がなくなり、弱い部分からボコンと盛り上がってしまいます。
いわゆる床の膨れです。
逆に梅雨時に適当にとめて施工すると冬の乾燥期に湿気を吐き出し木が収縮します。
そうなるとサネという継ぎ目がわかるように縮んできて床がガタガタに見えるようになります。
手慣れた人(職人)ならこれらの含みを理解していてどちらにも極端にならないように張り具合を
調整しながら作業を進めます。
長いことムク材を施工したことがない人、あるいは未経験な職人さんはこれを取りこぼします。
片っ端からつかんだものをぽんぽんと締めこんで色合いも目合いも確認しない・・・
結果、何か変な仕上がりになり素人の作業みたいになってしまいます。
今回やっていただいた職人さんたちは手慣れたものでした。
しかも、使ってもらった資材が、倉庫の半端材だの色違いだの寄せ集めのものばかりだったのですが
実にうまくさりげなく色合いと目合いを散らばらせて全体で見るととても良い感じに仕上がっていました。
「いやあ、さすがだなあ」と思いました。
床材など、在庫の余り品・廃板品ばかりだったのに、本当に言われなければわからないくらい自然に
混ぜ込んで目立たなく張ってくれました。樹種の違うもの3種類、メーカー違いのもの3種類、あわせて
6種類の床材でしたが「これ違うんですよ」と言われなければ気付かないほどになっています。
作業は、それぞれが役割分担していて、寸法を計る人、切断する人、取り付ける人・・・と、それぞれ
チームが作られているようです。それの手際よいこと、次々と床が壁が天井が張られていきます。
もし、これが1人の大工さんなら計る切る付ける掃除するを全部自分ひとりでやらなければなりません
から、それらの作業のための移動する距離だけでもえらい差になります。やはり複数のチームワーク
です。
今回のリフォームは屋根からスタートしました。1/28からでしたからかなり寒いかなと思っていましたが
全然それらは感じずに済みました。
キッチンも別の部屋に作りましたから食事も通常に作れましたし、何しろ複数の人でやってくれたので
全体がとても早かったです。その点は本当に助かりました。
やはり複数のチームワークです。
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コラム452 2013年03月11日
3月の家造り勉強会 満員御礼
今月の定例会も予定通り10日に行ないました。
今回のテーマは「業者の話」でした。
現場の図面作成・確認申請を担当してもらっている設計士さんと畳屋さんそれに棟梁と3人にゲストで
出ていただきました。
参加された方は30名、ほぼ満員状態でした。
今回は商工会議所の都合で5Fの少し広い部屋に移って行なうことになりましたので、イス・テーブルを
余裕を持って並べることが出来ました。ありがたかったです。
今回お話いただいた内容となるととてもこのコラムで書ききれませんので省略いたしますが、みなさん
例えば現場に関心があり何回か見に行ったとしてもこの方々に会うことはめったにないと思います。
他の業者さんもそうですが、打ち合わせと言えば営業マンか棟梁までで直接現場で作業している
いわば裏方さん的な存在の人たちですから、意識して会わない限りは最後まで顔を合わせることは
ないでしょう。
それでも家は出来てしまいますから「それが何なの?」と言われればそれまでなのですが・・・、
畳は和室がなければ必要がないものに近いですから、今の世相を反映しています。
それでも、その床(とこ)の種類、表の多彩なこと、縁(ふち)の色柄の多さに圧倒されたと思います。
言葉一つの「畳」ですが、話を聞いてみれば何十種類とあることにある意味驚きを感じます。
硬さ・柔らかさ、吸湿性能に優れたもの、耐久性に優れたもの・・・など本当に多岐にわたります。
そういったお話を本職の現場に携わっている人から聞けるのですから新鮮だったに違いないと思います。
設計士さんのお話も畳屋さんよりは顔を合わせる機会は多いと思いますが、それでも「めったに」と
いうのが普通だと思います。
みなさん、一級建築士というと二級の資格よりも上であることは間違いないのですが、二級というのは
木造専門と解釈していて問題ありません。したがって場合によっては専門的に木造を扱っている二級の
ほうが同じ土俵の上では実力が上であることもあるのです。けして二級が一級より劣っているわけでは
ないので正しく理解しておく必要があります。
設計にも意匠設計に優れている人、構造計算を専門としている人、電気や給水排水設備を専門として
いる人などがいることなどはあまり世間では知られていません。
それほど、建築の分野では巾も広く奥が深いということがわかっていただけたと思います。
まあ、それらの人たちもすべて知らないと進めないというものではありませんが、知らないよりは
知っていたほうがよいと思うのも事実です。
これらのことはハウスメーカーなどではとてもとても無理なことですが、まだまだ我々の木造の分野では
顔を合わせることは可能です。
本当は家に関してすべての業者に出てもらえればよいのでしょうが、何せこの方たちはシャイなのです。
でも、本当は話し出したら止まらないのです。(笑)
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コラム451 2013年03月06日
とらぬタヌキの何とかよ
最近、太陽光発電の事業化をすすめている会社が出てきました。
買い取り価格の20年間固定制度を利用してこれだけ儲かりますというものですが、最初の疑問点、
なぜ、それまで計算して儲かるとわかっているのなら自分でやらないのでしょう。
以前にも太陽光発電の試算をしたことがありましたが、すべて自己資金で故障もなく計算上の
年数がクリアできた場合には可能ですが、世の中そんなに甘いことはなくメンテナンスや事故も
発生するし、現実には全額自己資金でやれる人などほとんどいないので絵に描いた餅みたいな
ものだということがわかります。
国も代替エネルギーというなら国民の一軒一軒など相手にせず、どこかの企業と提携して大きな
規模でやれるのが一番良いことだとわかっているはずです。
国の目的はそういうことではなく、お金が回って税金が上がることのほうがずっと比率が高くなるので
本当の目的はそれなんです。
原子力の割合が4割もあってそれでKWあたり22〜24円で届いているのに、個人的に発電して
それであがるなら企業の努力は何なのだと思いませんか。
いくら国が法律を作って買い取りをやらせても高く買い取らせた分は日本全国広く浅くならして
企業・個人に負担させるのですから、金魚のウンチと同じ、行く行くは自分で飲み込まなくては
ならないようになっています。
この事業化のおすすめをしている会社も広告の下のほうに小さく「多少のリスクもあります」と
書いてあります。
一番確実な方法、それは設備だけ売って流通マージンだけ確保し、その他のリスクは一切背負わ
ないことです。
この会社の立派なところはそれを忠実に守っているところです。 エライ!
20年間固定保証などと言ったってそんなものあてになりません。経済事情が変われば買い取り
価格なんて吹き飛びます。一時期原子力のストップで燃料費の大幅なアップが騒がれていますが
そのうち、何かの手を打ってくるものと思うし、シェールガスとやらも輸入されてくればコスト状況も
自然と変わってきます。
42円の魔術がいつまで続くか見物です。
銀行がいつからか変動金利制度になって自分では一切金利リスクを背負わなくなったように、きっと
このこともそうなると思っています。
手持ち金が有り余ってやった人はいいとしても、借り入れをしてこれらをやった人は「想定外」が
続出してしまうことになります。 クワバラ・クワバラ
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コラム450 2013年03月04日
ただいま、リフォーム中・・その5 いやいや、体力が
予定通り、昨日キッチンの引越しを致しました。
ポット式ストーブのエントツ取り外し、及び新しい場所への移動。これがなかなか手ごわかったです。
電動のインパクトドライバーを使おうとしたのですが、力が強すぎてネジの頭を坊主にしてしまうのです。
頭の大きいもの以外は使えず、ほとんどが手回しドライバーの作業になりました。
おかげで腕がパンパンです。
外部エントツ北側屋根の破風に付いている留め金具をはずし、東側の所定の位置へ。
今回、破風をガルバ被覆にしたので最初の打ち込みが大変でした。
まず、仮に破風に当ててしるしをして、釘で下穴をあけて、その後にインパクトドライバーで一気に打ち込み
ます。
次に内部側、普段気にもしないで使っていましたが、意外とホコリが溜まっていました。
せっかくの機会だから、これもきちんと清掃して接続順にそろえて。
新しく設置する場所に支持棒位置を確認しながらビス止め。
今は昔のように壁部分にメガネ石などは使わないようになりました。一応、エントツが通る大きさだけは
確保して、内外はステンレス製の放熱板兼用のよろい戸のように穴のあいた30cm四方くらいの金属板を
つけます。
壁までは、1mくらいのステンレス管をタテ部分2本横引き4本と、6本使っています。
エントツもここまでくるとほわっと暖かい程度にまで下がってくるのでそれほど気にすることはありません。
それでも、壁内炭化防止のために不燃板を周囲に張って万全を期します。
エントツをつけ終わり、いざ本体の移動となりましたがタテエントツをつけようとしたら横引きエントツが以前の
ものより5cmほど低くなっておりタテエントツを切断しなければならなくなりました。
工具箱にブリキハサミがあったのでしるしをつけて何とかカットいたしました。
大工さん、位置を測って壁穴を作ってくれたはずなんですがね・・・、切るほうだからまだ良かった。
ストーブ本体は丈夫なダンボールに乗せて私が引きずるように、オイルタンクは灯油が入っているので
キャリアに乗せて家内が静かに転がして、無事所定の位置まで移動しました。
次に大型冷蔵庫です。背が1.9mくらいあります。そのままでは鴨居にぶつかってしまい部屋には入れ
ません。後には車が付いているのですが前はナシ。あまり傾けると車が回転しなくなってしまうので
ナナメ60度くらいまでしか倒せません。これが結構きつかったです。
子供部屋のときに棚板に使っていたものを通る和室に敷いて、代わる代わるずらして何とか定位置へ。
何時地震が来てもよいように上部グリップの部分と壁をクレモナロープでむすんでに転倒防止の措置を
施しました。
その他に、今まで使っていたキッチンの調理台など再使用できるものを順次取り外し移動して
最後にムクの食卓を2人で少しづつ移動して定位置につけました。
ここまでやってすでに午後の7時、もう体力がなくなり「今日はここまでにしよう」と打ち切り。
62歳にしてこれだから、70過ぎなんてとても無理です。
やはり、何かをやるなら動けるうちですね。 妙に納得!
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コラム449 2013年03月02日
ただいま、リフォーム中・・その4
コロニアル屋根は瓦のように手入れ不要と言うわけにはいきません。
いつかはメンテナンスがかかるのですが、悲しいかな材木屋という資材を扱っている自分でさえ当時
そこまで良く考えて決めなかったのです。
とくに素材が悪いとか言うのではありません。
材質上のメンテナンスというのはそのものによって違いは出ますが、特に屋根材は直射日光の「晒し」
にどれだけ耐えられるかという大きな問題があります。
焼いたものなら一番日光に対して耐光性があるでしょうが、焼付けやただの塗り物となるとそれは
ぐっと落ちることになります。
建築当初の屋根材は16年間塗装をしませんでした。
もう限界だよと言われ再塗装しましたが、11年経った今年はその手入れが必要なギリギリの状態でした。
どうせやるなら二重屋根に・・・どうせやるなら今後の老後のことも考慮して・・・
それがそもそものキッチンまでやってしまおうかという発端でした。
今週でそのキッチンまでほとんど終えて、今度の日曜日に荷物の移動をしようかと考えています。
まだ、実際の生活が移ったわけではないのですが、心持ち寒さの感じ方が1〜2度和らいだような気が
します。あくまでも自分の体感ですが。
いま、家人が食器の整理に頭を悩ませています。毎日使っているもの、もう何年も使っていないもの
結婚式の引き出物などでいただいた最初から全然手をつけていないもの・・・それら後者の処分を
どうするかでです。
本当に「もの」ってたまりますね。全体の量からすると8割は使っていないものだと思います。
困るのは、電気製品みたいに古ぼけないことです。
開けてみれば新品同様なのですから戦中・戦前派でなくとも捨てることにはためらいがあります。
その点、私は命令どおり「こうして・・」と言われたとおりやればよいので気は楽なのですが。
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コラム448 2013年02月27日
近所の火災
昨日の明け方、朝の3時過ぎころでしたが、仕事場の近く、北東の方向直線距離で150mくらい
245バイパスをはさんだ東側のお隣の常会で火災が発生しました。
北の風がややありましたが一昨日のように強風状態ではなく、近隣への延焼はありませんでした。
建物は築45年くらいだったと思いますが、ほとんど焼け落ち、残念なことにお2人が亡くなりました。
私もここの生まれ育ちなものですからお2人のことはよく存じています。
先代のおじいさんはとても怖い人という印象でしたが、ご本人はいたって優しいおじちゃんでした。
よく話したわけではありませんが、小学校のときなど行き帰りに会うと挨拶程度はしていました。
何故出火したかは消防と警察で現場検証をするということで、おおよそはわかると思いますが、
朝方、現場へ行ってみると、近所の人たちが集まっていて、まだ消火活動をしていて破損したホース
などが片付けられないでそのままになっていたり、火事特有のニオイとかけた水が湯気を立てて
いたりで、生々しさが感じられました。
焼けた建物の南側に息子さんたちが住んでいる建物があるのですが、火災の熱風でマドガラスが
割れ、雨樋などの塩ビ製品はぐにゃぐにゃになっていました。
距離は8〜9mは離れていたと思います
しかし、そのあいだにあった植木類は黒焦げになっていました。
まさに、北の風と火災の煽り風が発生してというのがはっきりとわかります。
もともと、農家ですから納屋物置は敷地内にあるのですが、煽り風の方向から少しずれて助かりました。
ただ、家にピッタリと付いていた小さな物置は完全に燃えてしまいました。
この火災ではっきりわかったのは「生垣の効用」です。
風の方向も幸いしたと思いますが北側にお隣との境に生垣が植えてありました。
この植栽でほとんど北側の家は熱から守られたようです。一部ガラスがやられたようですが
南側の息子さんの家と比較するとその違いがよくわかりました。
それと雨戸です。
いくら枠などはアルミで出来てるとは言え、雨戸自体は鉄が多いので煽られ熱風には効果がとても
大きいです。
北側の家も南面ハキダシには雨戸が付いていますから防火の役目をしたと思います。
これが農家で敷地も比較的広い条件のところに建っていますから、これだけの被害でおさまったと
思いますが、街中の火事だったらお隣との距離も手が届くような感じが多いと思いますので、益々
その必要性は出てくると思います。
ここ40年くらいは馬渡地区での大火はなかったのでショックでした。
あのやさしそうだったおじさん(ご夫婦)は無念の旅立ちをしてしまいもう帰ってきません。
心よりご冥福をお祈りいたします。
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コラム447 2013年02月26日
人間は何のために家という箱を作るのか
箱という言い方は乱暴ですが、今の家は昔と比較すると安全度が低くなったものになりました。
安全とは何か、皆さんそれぞれ考え方の違いはあるとしても、基本的な安全というものは共通して
いなければならないと思います。
1 構造的な安全
2 空気環境の安全
3 火災時の安全
4 廃棄時の安全
これらのすべてにおいて今の住宅は疑問符がつきます。
1 は誰もが疑っていないと思われる「構造体」の役者不足です。
「えっ、そんなこと・・・」と思われるかもしれませんが、今の構造体は従来の資材(素材)とは根本的に
違いがあり、多くのハウスメーカー・ビルダーで集成材が使われています。この理由は過去にも何度も
述べましたが、初期クレームの少ない扱いやすいものだからです。
接着技術は向上しましたが、これからこのくらいはもってもらわねばといわれている長期優良住宅にも
まだまだ実績が未知のものであり、隠れた危険性の含んだものです。それに対して業界も建て主も
ほとんど疑っていません。崩壊の危険性を主張しているのは極わずかな人数です。
2 はあやふやな国の基準が出来てしまったために、潜在的なシックハウス予備軍を大量に作り出し
ました。
メーカーでは☆四つだから安全だと言いますが、現実は相当に危険が潜んでいる値です。
私自身かなり鼻が敏感なのですが、昔の建材と今のものとを比較してみると大差ないと思っている
くらいです。
その裏づけとして「24時間換気」というものが法律で義務化されています。
国も危うさを知っているから、そのようなものを法で決めてまでつけさせるのです。
3 近年、また火災警報器なるものが義務化されました。
これも上記の内容と似たようなもので、(火が出たら)安全ではないようなものも世の中にたくさん
出回っていて、それを使用禁止にすると経済が混乱するからという製造企業に優しい配慮になって
います。
火災時には人が助かるかどうかが基準になるべきなのに、燃えるか燃えないかで決められており
優先は人間ではなく「建物の延焼防止優先」になっています。
だから火事場では「人が亡くなって、建物がすすけた程度で残っている」ケースが多いのです。
4 廃棄時の安全度はもっともこの国で遅れているものの一つです。
今でも解体屋さんは石こうボードの処分に難色を示します。その理由は中身(成分)です。
現在作られている石こうボードの原料は、その半分が火力発電所で硫黄成分を吸い取らせ出た
副生石膏というものを使っています。天然石膏の使用は約半分です。
100%天然石膏ならば何も問題はなかったでしょうが、この硫黄を含んだ石膏が使用されているために
処分が厄介なのです。現場ではこの石こうボード分だけを別に分けます。そして、その先は遠い距離を
運んで管理型の処分場に埋め立てるしかないのです。
今の現場はどうしてもコスト優先で進められる(特に大手HM・ビルダーが多い)ので、早くきれいに
仕上がるこの方法を採用していますが、廃棄時の難度を提言する業者は皆無です。
住宅を壊すときまでは責任がないと思っているのでしょうか、目の前の安さを提言することに全精力を
注ぎ込んでしまいます。
建て主さんもそんな何十年も先の事など考える余裕などほとんどないでしょう。だからこそ、いま自覚
していかないと現在の何倍もの負担をかけることになるのです。
これは近い将来必ずその時期が来ます。
これら4項目の中で一番優先度の高いものは 2 でしょう。
☆四つという希薄な石油揮発物を吸い続ける危険度は毎日続くのですから、これこそ完全排除して
いかねばなりません。
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コラム446 2013年02月23日
行政のいう耐震と古来からの考え方の違いA
世の中、机の上で書かれる作文だけでうまくいくなら何の苦労もありません。
だからと言って、理論が不要だとも思いません。
ものごとは、理論が成立して現実に移っていき、そのお蔭で恩恵を受けた人がたくさんいるのも
事実ですから。
木組みを工夫して耐震性をもたせた昔の人はえらいと思います。
しかし、自分は古来からのものでいいという人も、それを耐力壁とするとなると確認申請の中では
別の部分に「耐力壁をつけなさい」という文面が返ってきて昔どおりの建物は無理となります。
実に馬鹿げたことです。
昔の構造は大きな仕口でお互いに五分五分のせめぎ合いをさせて崩壊しないよう工夫をしました。
折れないだけの充分な大きな部材で木組みをすることによって行政の言う三角形と同じ横揺れに
対抗できるようにしていたのです。
その後の建築は木材をケチることばかりやってきました。
そうすると揺れに対する対抗力などというものはどこかに行ってしまい、何かでそれを補う必要が
出てきたということです。それが今のスジカイや面材になります。
北米から入ってきたツーバイフォー工法はまさに面材で耐力壁を形成しているものです。
スジカイはやや柔軟性を残していますが、面材での工法はまったくと言ってよいほどカチカチのもので
土台部分が横にグンと揺れれば即時に上部もグンと動きます。
これが何を意味するかというと、動きに余裕がなく地震エネルギーにもろに各所に伝えるということに
なります。
家の質量が軽いうちはまだいいですが、これがだんだん大きなエネルギーを受けるとなると、家の
どこかの弱い部分に破壊エネルギーが集中することになります。
もちろん、木造の木組みも一定以上のレベルのエネルギーになれば破壊につながっていきますが
面構造のものよりは逃げのある分だけコンマ何秒かは破壊エネルギーを散らすことが出来て、いわゆる
やわらかな揺れる動きとなって耐震の役目を果たします。
文章で違いを述べるのはちょっと難しいですが、今の建築と昔のものとの評価・考え方が違うという
のが、少しは伝わったかと思います。
礎石にのっているだけの純粋な伝統工法というものは、耐震と制震、免震の三つを兼ね備えた建物
です。
数字でしか取り上げない行政にはそこのところの優秀さが理解できていません。
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コラム445 2013年02月22日
行政のいう耐震と古来からの考え方の違い
いまではネット上で詳しく地震の情報が得られます。
私もブックマーク(お気に入り)に登録しておいて毎日見ています。
すると、日本はあらためて地震が頻発している国だということがわかります。
世界のデータがわかりませんので、日本だけのもので見ていますが、これが何と1日に4回から7回
くらいどこかで起きているんですね。
ほとんどが震度1ですが、一割くらいは2とか3が混じります。
よく100年に一度とか1000年に一度とかの確率でと言われますが、詳しいデータ取りをしてみると
その時期がわかるのかもしれません。
それはさておき
地震国であるがゆえの住宅のあり方を考えてみると、昔の家は今のような基準法などなかった時代に
それぞれの知恵で倒壊しないように工夫がされてきたわけです。
それでなければ古民家と言われるような建物は消滅していたはずですから。
その古民家の構造といえば、必ずしも今のような基準ではなく、太い柱にヨコモノが刺さっていく
指し口というやり方で木が組まれていました。
大きな開口部は「差し鴨居」という今の横架材のものが大黒柱などに突き刺さっている形になって
います。
土台と柱と横架材で大きな長方形が作られていて、スジカイなどは一切使われていません。
塗り壁の部分も形は小さくなりますが通し貫(約120×30くらいのもの)が何段にも柱に刺さっていて
小さな長方形がたくさん形作られていました。
今の建築というのは横架材に下から柱がちょこんと刺さっているだけですので、揺れなどがなければ
何事もなく建っていますが、ちょっと大き目の震度3以上くらいになってくると横の揺れに対して
ガードが甘くなってきます。
行政としてはそこの面に斜めに部材(通称スジカイ)を入れれば揺れに対して耐えられると考えて
います。ここが昔の人との揺れに対する考え方が違うところです。
つづく
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コラム444 2013年02月21日
守られない健康被害B
石油が多くの分野に利用されて人は「便利さ」を手に入れ、生活が向上してきたと思います。
安い・早い・きれい・簡単・・・など、どこの業界でもメリットを受けており、建築の世界でも作業効率の
アップなど各所においてプラスの面が出ています。
しかし、原発の想定外という言葉も出たように、この業界でも予期しなかった負の部分が目立つように
なってきました。
大阪・寝屋川の入り江さん一家のようになってしまった人たち、そこまで行かずとも何かおかしい、
医者に診てもらっても原因不明、ただ、やる気がないだけのような判断をされてしまうケースが多発。
いまでこそ、シックハウスという言葉がメジャーになりましたが、それでも自分は関係ないと思っている
人たちが世の中にたくさんいることは事実です。
いまでは安全という意味の中にこの空気環境まで含めないと全体の安全ということにはならなくなって
きています。
それほど、資材が多様化してきていて、国が法律で決めたからということが安全の基準には殆どなって
いないということが現場でも工事関係者の間でもわかってきています。
残念なのはそういった負の情報が広がっていかないことです。
自分の仕事範囲の中で仮にわかったとしても、法律違反の建材を使っているわけではないから、
悪いのは自分ではないと思っている業者。
何かおかしいとわかった建て主においても、ほかの人のためにとお金のかかる情報発信を自腹では
やらない・やれない現実。
子供が学校で落ち着きがないといっても、それが家からくる空気環境だとは結びついていない
あるいは疑ってもいません。
(私は今の学校で授業が成り立たない、子供が騒いで先生が困っているというのは家庭内の空気
環境の悪化が原因だと思っています)
長期優良だとかエコだとか、再生可能エネルギーだとかまことしやかに言われていますけれども
一番抜けているのが「この問題」だと思っています。
急性で発症するような高濃度ではないが、長期的に曝露すれば精神・情緒不安定になる薄い濃度
これこそが水面下で恐ろしく粛々と進んでいる「脳みその破壊」だと思っています。
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コラム443 2013年02月20日
業界紙に載りました
日本国中、たくさんの職業がありますが、その業種に匹敵するだけの業界紙があります。
我が木材業界にも数種の新聞がありますが、その一つ、日刊木材新聞があります。
コラム427 1/15付の200回目の勉強会についてコラムを書きましたが、このことを取引の木材市場の
方が記者の方に話してくれて取材を受けていました。
その内容が2/19の新聞に掲載されました。
この会を始めたきっかけや、どのような内容で話しているかなどが主な内容でしたが、やはりプロは
違いますね。ICレコーダーを持っているわけでもないのに、こちらの話しをこまめにメモしながら次の
質問を投げかけ、本当に上手に進めていくんですから。
さすが、プロだなと思いました。
私も、自分のやっている活動が少しでも業界の中に知れ渡り、「よし、自分もやってみるか」と挑戦して
くれる人が出てきてくれるといいなと思っています。
ま、世間はそれほど甘くはないですけれどね。
昨日はその記事を見た以前に取引のあった原木商社の方から「記事、見ましたよ」と電話がありました。
また、ゼロからのつもりでこれからも続けていきたいと思います。
もし、
このコラムをお読みになられた同業の方がいらっしゃいましたら、当勉強会へ問合せをしてみて下さい。
歓迎いたします。
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コラム442 2013年02月19日
守られない健康被害A
今の住宅の「省エネ基準」はもともと48年だったかの石油枯渇・高騰問題にあります。
戦後のバラック造りの時代から、ほどほどの住宅になってきたときの、まさに経済がとめどなく膨れて
いった時代でもありました。
この時代はある意味、幸いにしてほどほどの隙間があった建物が多く、その時の新建材と言われる
ものは今よりも接着精度が低くホルムアルデヒドも多かったと思いますが、その分助かっていたところが
多くあったと感じています。
私もこれらの新建材の花形のときに社会人になって毎日のようにこの「新建材」を取り扱っていました。
しかも、この倉庫の一角に独身時代と結婚してからも通算で17年間住んでいました。
妻は10年間、子供たちは8〜9年間、知らずに同じようにこの空気環境のもとで暮らしていたことに
なります。
特にひどかったのは夏、朝などは倉庫の窓を開けることが一番先の作業でした。
そうしないと目が痛くてあけていられなかったのです。
そんなことが身体に悪いなんて一つも教えてもらわなかったし、それが建材のニオイだから仕方がない
とさえ思っていました。
ただひとつ、幸いなことと言えば「すきま風」がスースーするような建物だったので、今ほどの条件では
なかったために完全な化学物質過敏症にはならなかったことでしょうか。
当時でもシンナー遊びをしていた道外れた若者がいましたが、今思えば自分のほうが彼らよりよほど
強い揮発物を吸っていた可能性もあったのだなと思います。
時代の流れと言えばそれで終わってしまいそうですが、当時の配慮のなかった揮発物の出放題のもの
でも、すきま風という換気に助けられていたので発症する人が少なかったという、何か皮肉のような結果
ですが、それが幸いしていたのは間違いないと思っています。
(誰が悪人・善人と言っているのではないので念のため)
そこへきて、オイルショックの石油入手困難・高騰です。
行政も当然のように「無駄なエネルギー消費」を抑える作戦に出ました。
この「無駄」というのが「すきま風で熱が逃げていくこと」を指していて、それを修正することによって
少しでも政治的パフォーマンスをあげようとしました。
他にもガソリンスタンドの日曜日休業など、記憶に中にとどまっているものがあります。
そのことによって、急に気密性能が問われることになってお化けのQ太郎みたいな数字が持ち出されて
きました。それらを各住宅メーカーが気密が高いほど優秀だと競ってやったものだから、ミ○ワホーム
MHなどは(たしか)93年だったか、大阪の寝屋川市の入江さんという一家が全員化学物質過敏症に
なってしまい、今で言う「シックハウス」の典型になってしまいました。しかし、MHは簡単にイエスとは
言いませんでした。
入江さんたちはほとんど周りに理解者もいないままで苦しみ続け、ある日には帰宅したら飼っていた
ハムスターが全部血を吹いて死んでいたと言うのです。
それでもなおかつMHは自社の非を認めず、裁判の中でも、「因果関係がはっきりしない」となかなか
認めようとはしませんでした。
その後も各地でシックハウスと言う現象が多発し、社会問題になって揮発物の規制となったのですが
それがまた「甘い!」としか言いようのないものになりました。
これが、0.08PPMという数字でありF☆☆☆☆(フォースター)の製品の「お墨付き」になりました。
つづく
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コラム441 2013年02月18日
守られない健康被害
現在、国内で生産されている建築資材は構造材も内装材ほぼF☆☆☆☆いわゆるフォースターと
呼ばれるものになっています。
このフォースター製品が使われているからといって安全にはならないのが住宅の不思議です。
住宅を建てようと考えている人のほとんどは、法律で認められた建材を使っていれば出来た建物は
安全だと考えています。
無理もありません、国がフォースター製品なら室内の面に無制限に使えるとやってしまったのですから。
ところが、無制限に使えても揮発物がゼロなわけではなく、ただ、以前よりはちょっとマシな数字に
なっただけで、出続けていることには間違いないのです。
これに後押ししてしまうのが気密性です。
いまは特殊な技術を使わなくてもかなりの高気密施工が出来ます。
それに加えて窓を開ける生活をしないことです。
こういった環境の中ではほんの少しの揮発物も意図的に換気しない限りは外へは出て行って
くれません。
建材から出てくる揮発物は条件にもよりますが、換気されない部屋には溜まる一方になります。
いくら濃度が薄くとも長時間曝露していればどうなるか。
それは入居直後には症状が出ませんが、長い間かければ同じような結果になるだけなのです。
24時間換気という設備が義務化されていますが、あれはほとんど役に立ちません。
紙の上の理論と現実は違います。
揮発物は直接は見ることは出来ませんが、さんまの煙に例えてみればわかります。
1時間に居室内の半分の量を外に出せる能力を持っていたとしても次々と出てくる煙があるのですから
空気はきれいにはなりません。
出しても出してもゼロにならないからほとんど役に立たないに等しいのです。(ないよりはマシですが)
もともと気密性能をよくしろといったのは熱ロスを小さくするためです。
せっかく暖めた空気がすきま風で逃げていってしまうのが役人にはとても許せなかったのでしょう。
省エネを掲げてしまった以上は省エネになることをやらないと突っつかれる・・・
その苦肉の策として、隙間を作るな・熱を逃がすな・・・とやったのです。
汚れた空気はどうするのだと言われて、それなら一定の時間で換気すれば解決できると考え、
24時間換気なるものをつけさせました。
それじゃあ、一時間で0.5回転、二時間でそっくりの熱が外へ出て行ってしまうことになるわけです。
これを「モトノモクアミ」とか言います。
またまた不都合な結果の上塗りに別の設備を付け加えます。
それが熱交換機能の全熱換気です。
「熱を逃がすな」の旗印を追求するあまり、逃げていく熱量以上の設備を作ってしまいます。
この国は何かをやるのに消費するエネルギーは考えなくていいのです。
そのときだけの「ツジツマ」があえばそれで自分たちの仕事は終わったと考えます。
ならば、こんなまどろっこしいことはやめて、最初から揮発物質を出すような建材をすべてやめさせ
窓を開ける・適量な隙間があったほうがよいと思いませんか。
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コラム440 2013年02月15日
根深い洗脳、「スポーツ根性論」2
少し古い話になりますが、私の息子たちが水戸の○の牧高校に通っていたときのことでした。
長男と次男が年子で行っていたのですが、長男が卒業した次の年でした。
次男が3年のとき、当時の一年生の一部が部活外の時間にタバコを吸って補導されました。
当時の部活顧問は連帯責任だといって全員坊主にしろという命令を出しました。
しかし、高校生の3年ともなれば自分の意思をはっきりと持っている年齢です。
「そんな、部活以外のことで全員の連帯責任だなんておかしい!」と数人が反論したのです。
ところが、顧問は連帯責任の一点張りで話しになりません。
3年も何人かは早々と坊主にした子がいました。「しかたねえな、・・・」程度の気持ちらしかったです。
しかし、うちの子を含めて数人は従いませんでした。
そうしたら、この顧問は従わない子に対して無視をし出したのです。
子供が家に帰ってきてからどうも様子がおかしいので話しを聞いてみると、私だって納得できない
内容です。
顧問は、「何日までに坊主にしろ」と変わらないので、私は学年主任K氏にそのことを連絡しました。
実際に学校まで行ってその主任に会ってきました。
主任は親が出てきたので驚いたようでしたが、「善処しますので私に任せてください」と言われ
その気になって帰ってきました。
私はそのとき学年主任に言いました。
「あなたが動かないなら校長へ、だめならその上に行きますから」
今考えてみれば私の知恵が浅かったものと後悔していますが、その主任のことをそのときは信頼
したのです。
しかし、一週間以上経っても何も変わらず、むしろ顧問○雲氏の態度は(子供の話では)前より
ひどくなったようだと言っていました。
3年の子供たちの間にも溝が生まれました。早々と坊主にした子とそうでない子。
「連帯責任って言うんだから・・・」 「早く坊主にして練習やろうや」と言う組
片や、「そんなのはおかしい」「部活内でもないのに連帯責任なんて」という組
子供にそんな迷いを生みつけた指導者は責任が重いです。
高校生と言えば7割は大人です。
自分が納得しないものを押し付けられたら反発して当然です。
そうこうしているうちに次男は大学進学のほうへ傾いていき、部活は夏で終わりました。
サッカー部はお正月に大概「蹴り初め」という行事があり、この高校も卒業した先輩などが
招待されるそうですが、うちの子はこの「坊主逆らい事件」以来、呼ばれなくなりました。
理由は、最後まで「坊主にしなかったから」
次男は「もう、そんなのどうでもいいや」と言っていますが、心の中では納得していないと思って
います。
まあ、自分がその立場に立ったならば同じことをしなければいいわけですからね。
それにしても、先生方も連帯責任しているのかって聞いてみたくなりますね。
悪いことしているやつはいるよな・・・
生徒の親と不倫したり、生徒と不適切な関係になったり、酒気帯びやってたりと・・・
そんなときに連帯責任でいちいち坊主にしているのかってね。
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コラム439 2013年02月14日
根深い洗脳、「スポーツ根性論」
しばけば何とかなる・・・と思っているスポーツ指導者はまだまだたくさんいる。
逆らえない上下関係、自分も過去にそうされてきたからおかしいとも思わない。
先輩部員が指導と称して行なうシゴキ、潰しも同じ連鎖の悪循環を生む。
昔から、警察は人が死なないと信号機をつけないなどと言われてきたが、教育の世界でも
何ら変わりがないことを物語っている。
またもや、岡山市で自殺する生徒が出た。
理由は従来とほとんど本質的には同じものだ。
スポーツって何だろう。
何のためにやるのだろう。
牛・馬、サーカスの動物みたいにたたかれて芸を覚えるためにやるのだろうか。
シゴキ・暴力を続けてきた指導者もそうされたから強くなってきたのだろうか。
本来、「健康」をめざして行動してきたはずなのに、どこから捻じ曲がってしまったのだろうか。
避難されている指導者を擁護する人さえいるというのだから、根はかなり深いものだ。
スポーツの世界では簡単に暴力が「指導」にすりかわる。
自分が過去に受けた「環境」というものは、変えられない。
だからと言って、これからもそのままで良いということではない。
どこかで誰かが流れを変えていかなければ根深い洗脳は消えないと思う。
いつも疑問に思う。
この指導者たちは、自分の子供でも同じことをやるのだろうか。
母親は父親のやることだからだまって賛同しているのだろうか。
自分の子供はただ調教される動物と同じなのか。
それでも胸を張って「指導者だ!」と言えるのか?
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コラム438 2013年02月13日
ただいま、リフォーム中・・その3
住宅は建ててしまえば一生物だと思っている人が結構おりますが、維持(メンテナンス)のことに
ついては建てたときの選定物と生活の仕方によりかなりの差が出てきます。
アパートなどの住人は天ぷら油を直接流してしまう人もいるらしく、排水管のつまりがネックである
と家主さんから聞きました。
これなどはちょっとひどいとしても、常識的に使っていても排水管というものはギトギトしたものが
こびりつく場所であります。
住宅を50年とすると中間で一度はメンテナンスを必要とすると考えておいたほうが良いと思います。
我が家でもその27年を経過し必要に迫られてきている住宅年齢でもありました。
まあ、北側にあった台所でしたから「寒い、寒い」と言われ、今後の生活を考えると・・・という意味でも
今がリフォーム時だったのかもしれません。
今、内装の作業に入っていますが、その資材はほとんどデッドストック品です。
3種類のメーカーの床材、さらに色違いはキッチンのラインで区分けをして張っています。
良く見ると巾も3種類なのですが樹種が同じなのでよく目を凝らしてみないとわかりません(笑)
天井は北欧からの輸入品の寄せ集め、微妙に仕口(しくち)が違い、通常であれば返品されてしまう
レベルのもの。でも、張ってしまうとそれなりに見られます(笑)
壁はピーラと言う、いわゆる米松のオールドグロス(500年以上の年輪がある)ものから製材した縁甲で
床材として使うものなのですが、ちょっと高級すぎて売れなかったものです。
これを壁に張ってしまおうと言うのですからちょっと贅沢なのですけれど、いつまでも倉庫の肥やしでは
かわいそうなので思い切って張ることにしました。
もう少し工事が進行すれば写真も掲載できると思いますので「現場の紹介」ページにアップしたいと
思います。
つづく
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コラム437 2013年02月12日
満員御礼
国技である相撲の「満員御礼の垂れ幕」はいつも見ていましたが、最近は満員ではないときもある
ようです。
上位力士のほとんどが外国人で占められてしまった現実からするとわからないでもありません。
私事ですが、ここ二ヶ月ほど毎月の定例会が満員御礼になっています。
1月は200回目の記念でゲスト出演ということもあって27名の方の参加がありました。
コラム427 2013年01月15日をご覧下さい
今月2月は平均的な人数に戻るであろうと考えておりましたが、週初めの時点ですでに28名でした。
予備席まで使ってもこれが目いっぱいで限度と考えていました。
その後も申し込みは続き7名の方に「すでに目いっぱいですので3月にずらしていただけませんか」と
お願いしていました。
しかしながら、当日フリーでおいでになられた方もいて、せっかくおいでになられたのに入れませんとは
言えず、予備席の予備をさらに追加致しました。
結果は何と31名の方の参加となりました。
いままでは15〜20名のあいだで定員18名くらいの規模でやっておりましたから、約二倍の方がおいで
になったということになりました。
ということで参加者の皆さんには窮屈な中で話を聞いていただき、ご迷惑をおかけいたしました。
大変申し訳ありませんでした。
今回のテーマは「素材と予算の話し」ということで二時間ほどお話しを致しました。
実際に過去に家を建てられた方のデータをもとにどのくらいの面積でどのように費用がかかっているか
また、その表示方法の説明などをさせていただきました。
テーマの本題としては予算の話しでしたので、
わかる見積りとは何か、どのような形式であれば一般の人でも理解できるのか。
家の基本は一番何をトップに考えるか、予算組み替えのポイントについて。
最終的に「金額」で選んでしまうために家族を守るための家が少しづつ歪んできていること。
そのことが何によって起こっているかなどをお話しいたしました。
予算は非常に大事ですが、金額を優先する余り多くの人が見えない部分の大事なところを失っている
ことに気付いていません。
そのことが近い将来どのような影響が出てくるのかも建て主さんにとっては未知の領域です。
来月は「業者の話」と題して、普段はめったにお目にかかれない「棟梁の指示の元に動いている・・・」
各業者の方に来ていただいてお話を伺いたいと思っています。
まだどなたになるかは決まっておりませんが。
すでに次回(3/10)の申し込みも31名の方が申込みされておりますので混雑した定例会になりそうです。
参加希望の方は「お互い様」ということで事前にご理解をいただきたいと思います。
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コラム436 2013年02月09日
ただいま、リフォーム中・・その2
築27年となるといろいろなところに手入れが必要になってきます。
3.11の震災の時には屋根は(幸か不幸か)軽かったので被害なしでしたが、棟の下地の木材が
長年にわたって劣化していたため、その後の台風並みの大風で何箇所か飛ばされました。
4〜5年前には冷蔵庫の床部に位置する水の蒸発皿が不具合で床に直接水滴が落ちていたため
その周辺がものの見事に腐っていました。
ほか、押入れがベニヤ張りでしたので、微妙にかび臭く床もブワブワになっていましたので、自分で
ムク板に張り替えました。
2年前にはタイルの冷たい床・壁だったお風呂をユニットバスに換えました。
そのときに、洗面所から脱衣だけ独立させ、洗面所で歯磨きなどをしていても気兼ねなく入浴できる
よう配慮しました。
普段は見えない(見ることが出来ない)排水管もそろそろ動脈硬化を起こしているころであり、
時期的には(年齢的にも)いまが潮時かな・・と考えていました。
今回のメイン工事は屋根と台所です。
実際に工事となると屋根は外部面ですから雨の心配だけすればいいですが、水回りは生活を遮断し
なければならなくなります。
しかし、今回の場合は別の部屋に台所を作るので住居人の大きな変化はなく工事が進められます。
位置的には北東の寒い場所から南東の暖かいところへ移るので朝日も午前中は確保できます。
とにかく、冬の寒いのは避けたいということで壁床天井もしっかりと断熱材(固形のポリスチレンフォーム)を
いれることにし光の入る窓と通風ドアを多く設定しました。
ここでちょっと問題が出ます。
それはキッチンの水栓から給湯器まで距離が今まで以上に遠くなることです。
その解決策として、新たに直近の外壁部分に給湯器を設置することにしました。
こうすれば「出ない、出ない」とイライラすることもなくなります。
台所ですからレンジ・炊飯器・冷蔵庫と電力消費の大きなものがありますので、ブレーカーが落ちない
ように、電気配線も見直しました。
私の地区では南北よりも東西の風が吹きますので、そちらの通風を取り入れることで、夏の暑さも
しのげるように考えています。いちおう、エアコンの取り付けは予定しますが場所だけの確保で
いざ必要になってから設置しようということで最初からは付けないこととしました。
つづく
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コラム435 2013年02月08日
ただいま、リフォーム中・・その1
私事で恐縮ですが、いま我が家ではリフォームの真っ最中です。
すでに還暦を二年も経過してこれからの老後を考えると今のままではどうも具合が悪いというのが
家内の意見です。
若いときは自分で熱も出していたし、今ほど寒さも感じなかったですが、ここ最近はどうも暑さ寒さが
身に沁みてきたと。
このままでいくとこの家では凍え死んでしまうかもと言い出し始めました。
確かに35歳のときに何も考えずに建ててしまったこともあり、家内からしてみればあちこちに不満が
あり、特に最近は「失敗した家造りだわ」と皮肉を言われています。(笑えません)
屋根はコロニアル・・・当時、安くするために瓦よりは価格的に良いからと簡単に決めてしまいました。
断熱材なし・・・・・・・・これはどのくらい暖房すれば施工したのと同じになるのかわかりませんので
私としては失敗したとは思っていませんが。
平屋・・・・・・・・・・・・・あとから前の家が大きな2F建てを建ててしまって以前より日当たりが悪くなり、
冬になると、ストレスが溜まると言われ続けています。
台所が寒い・・・・・・・冬になると室内気温が0度から2度くらいまで下がります。北東の角に位置して
いますので、このままではこれからも改善することはありません。
これを南東の角にもってくる計画です。けっこう午前中は日当たりが良いため。
コロニアル屋根は一度塗装をしました。たしか、10年位前だったと思います。
あと20年は生きるとして、このままでは済まないと思い、同じお金をかけるなら新品にしてしまい
その後は何もやらないという選択をしました。
どうせやるなら、断熱材も入れようと屋根直下に固形のポリスチレンフォーム25mmを入れることにしました。
施工は以下の方法で
まず、1 旧コロニアルを剥がします。
2 下地合板の状態にまでして新品のルーフィングを貼ります。
3 その上にタルキ40×30を本タルキの同じラインに取り付けます。
4 タルキの間に25mmの断熱材を入れます。
5 その上にまた下地合板を張ります。
6 23kのルーフィングを貼ります。
あとは板金屋さんにコロニアルを施工してもらいます。
要するに、二重下地を作るわけです。
これなら雨漏りの心配もほとんどなし、温かさも多少違いが出るかなと期待しているのですが、
はたして思惑通りになるかですね。
つづく
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コラム434 2013年02月07日
姿を見せず・・・ステルス作戦
本日、ミニコミ紙を見ていたら興味を引くセミナー参加募集広告が載っていました。
実に洒落ているんですねえ、これが。
「日曜日のカフェセミナー」参加費無料、先着10組、定員になり次第締め切り・・と。
そこにはFP(フィナンシャルプランナー)、常陽銀行・筑波銀行・足利銀行・ソニー銀行と「金融のおおどころ」が
名前を連ねていました。
今が決断のときか
住宅ローン徹底比較
金利はどうなる おいしいケーキとお茶をご用意!
う〜ん、女性にとってはたまりませんなあ。 しかもタダ!
HPが書かれていましたので念のため見てみました。
すると、出てきました出てきました。 大手HMから地域ビルダーまで続々です。
積水、ミサワ、三井、トヨタ、パナ、東急、スウェーデン、アイフル、セルコ、土屋、ブルース・・
その数70社以上。
なるほど、こういうことだったのか。ケーキとお茶くらい何でもないわなあ。
多分、参加した人はリストを作成され、後日「ごめんください・・」となるのだろうなと想像できます。
だって、その気がある人がいくんですから、ほっておくことなんて有り得ません。
選りすぐりの営業マンがやがて活躍することでしょう、
今は展示場で「待ち」の営業をしていてもお客はなかなか来ないのです。
そこで知恵を絞ったのでしょうね。
一切HMの名前は出さず、さも純粋な勉強会であるかのように見込み客を集める。
実に知能的な作戦です。
確かにこの広告を見ただけではこれらの大物影武者のバックはわかりません。
ほんと、うまいこと考えたわ。
でも、どこまで続くかねえ。
いずれわかると思うんですけどねえ。
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コラム433 2013年02月05日
狙われる御神木
神社仏閣で使われる大径木が不足しているという状況はここ何十年と続いています。
特に400年超の桧は貴重だと言われます。
そんな希少価値のある木はどこの産地を見ても皆無に等しいようで、あったとしても由緒ある
神社などのまわりに立っている「御神木」くらいのものです。
その「御神木」が今「フトドキモノ」によって狙われています。
地面近くの幹に穴をあけ、農薬・除草剤を注入して何百年という大木を枯らしてしまい、その頃合を
見計らって、「木が枯れていますよ、早く私に売ってください」とくるというのです。
いや、証拠はありません。木に穴をあけているところを見たわけではないので、その「売ってください」
と言ってきた人が関係あるとは・・・
でも、タイミングがあまりにも良すぎて、いわゆる「限りなく黒に近い灰色」というところでしょうか。
監視カメラをつける・・・、夜回りをする・・・、などとやっても大変な労力と費用がかかるでしょうし
警察も人の命が狙われているわけではないので、同じように地域の警戒を望むというのも無理なので
しょうね。
しかし、考えてみればこの行為も100%自分のところに転がり込んでくるわけではないので、これは
割に合わないやり方だと思うのですがねえ。
仮に神社側が売ることにしても、競争入札などでやるといった場合は札を入れる側が全員結託して
かからないことには利益に預かれないということにもなるわけです。
神社側が被害者なのですからこれが仮に売られるとしても「合法木材」にはなれないはずです。
合法でない、つまり非合法木材を使って結局はその類の神社を作るというのもおかしなものです。
そんな神社にご利益などないと思うのですが・・・そんな事情を知っても参拝に行くんでしょうか?
私は最初から「神頼み」はしないことにしているので行きませんけどね。
いい手があります。これで一挙「材不足解決」です。
桧で作った大断面集成材を使えばいいんです。
人は住んでいないし、ほとんど見えるような造りだし、補修もわりかし容易いでしょうし・・・
施工は大手ハウスメーカーに発注、堂々とムク材だというメーカーもありますから。
長期耐久テストにはもってこいの場所だと思いますがね。
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コラム432 2013年02月04日
その時までは生きてませんが
私はこの勉強会をスタートしたときから一貫して、「住宅に集成材は使うべきではない」と言って
きました。
正しくは住宅の構造体にということですが、世の中の流れは私の意見とは逆の方向へ加速的に
進行しています。
世界最大の木造建築というものに大館市の「樹海ドーム」があります。
これは秋田グルーラムという会社が製作した大断面集成材を使っています。
使われているのは東京ドームのような建物で、スポーツや各種のイベントなどに利用されます。
こういった建物は直接集成材を見ることが出来、メンテナンスも可能なようになっています。
ところが、住宅用の構造体は(今では)ほとんど隠れてしまうので見ることすら出来ません。
そこへこれと同様の集成材が使われているのですからどうやって点検するというのでしょう。
笹子トンネルでさえ、「目視」などというアテにならないような検査方法であのザマですから
一般家庭となれば検査などというレベルのものではないのは簡単に想像できます。
不幸にも事故にあわれた方には不特定多数の中の誰かと言うことですが、家となれば
これはもう確定的なことになるわけです。
当然ですが当家の方とたまたまそこへお邪魔していた人と・・・
トンネルの場合は被害者に対して加害者は「認めたもの」「施工したもの」「完成検査したもの」と
なるでしょう。
住宅の場合は誰ですか?
「集成材を指定した設計者」「施工業者」「製造者」でしょう。
施工業者・・・「私は設計に書いてあるから使ったので責任はないです」
設計者・・・・「性能的には何の問題もなかったですから私の責任ではないです」
製造者・・・・「国が基準を作って私らは合格品を作ったのですから責任はないです」
国・・・・・・・「建物の基準は作ったが製造責任は業者なのだから国に責任はない」
そう、だあれも責任をとるものはいないのです。
それまで、私は生きていませんけど・・・
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コラム431 2013年02月03日
自分からは言わないよな・・・
最近は回りを見ると自分から積極的にPRすることが多くなり、自己主張も欧米並みになってきました。
でも、行き過ぎの面を感じることが多いです。
この住宅業界でいえば、匠(たくみ)とか達人とか堂々とチラシ・HPにも載せている業者がいます。
私自身の感覚では、これらの言葉は周囲の人が「あの人は匠に値する」と感じるからそう表現する
のであって、自分から私は達人ですとか匠ですとかは(常識的には)言わないと思うのです。
でも、この住宅業界は特殊なようでその表現方法が当たり前になってしまったようです。
もっとも、他の人が言ってくれないから自分で言う・・というのが本当のところでしょうが。
かくして、大手のS林業は堂々とHPにも「達人」と謳っています。
それはそれで受け止めるほうの裁量で決めればいいことなので、何もここで目くじらを立てるほどの
ことでもないのですが・・・
私も店の看板に「材匠」って書いてみようかな・・・
きっと言われるだろうな
「材笑か?」ってね。
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コラム430 2013年02月02日
ボルトの劣化?
12/02に起きたトンネル天井崩落事件(あれは事故ではなく事件だと思っている)から二ヶ月経って
ようやくその原因が接着剤の劣化と施工不良が重なったものであると認められたようです。
亡くなった方にはいくらどこの組織が何と言おうと命が帰ってくるわけではないので言葉がありませんが
こういう起こるべくして起こったものに対して当時の設計者と認めた国の責任がイマイチはっきりと
させられないもどかしさを感じているのは今回だけのことに限っていないと思います。
人間の作ったものに完璧なものなどありえないという「今回の事件に学ぶ教訓」は大きいと思います。
現実にこの疑われたボルトを製作した会社・人は気が気ではなかったと思います。
私はこのことが住宅の集成材と重なってきてとても他人事とは思えないのです。
一般の人から見れば「集成材はムクの木より強い」とか「狂わない・割れない」などと宣伝され
イエス・ノーの選択をする前にしっかりと構造材の領域に入ってきてしまいました。
初期の性能はいくらでもデータはとれて、「これこれ立派なものです」と主張できます。
しかし、実績というものは実際に使う年月を経験してみないとわからないものです。
現実の住宅環境と同じで30年40年50年と実績を積んで初めてこれこれの性能がありますと
言えるものと思います。
それはビデオデッキの早送りみたいなもので得られるものではないと思います。
合板や集成材の製造過程で接着不良を見つけ出す、いわゆる「パンク発見器」なるものがあります。
これはもともときちんと接着が塗布されていなくてくっつかないものや相性が悪くてつかないもの
などのハネ品を見つけるものですが、実績の関係した領域まではわかりません。
いまはこれこれの強度があったとしても、50年後まで家を使う人に対して胸を張って「大丈夫です」
って言えるでしょうか。長期優良住宅では200年と建築素人国会議員が言っていたくらいです。
法律の元を作った官僚だってそんなところまでは配慮していないでしょう。
そういう人たちが認めた(作った)資材だからこそ危ないのです。
いま、事務所のストーブを焚いている部屋で実験をしています。
テストは今年で3年目に入りますが、横架材になるカット品二種類を並べて経過を見ています。
その一 欧州赤松の集成材
その二 従来からの米松ムク材
これらのほぼ同寸法のものをストーブから30cm離したところへセットしておきます。
その一・・・張りあわせた部分から割れが出てきています。
収縮率が違うので隣の木とデコボコが出来てます。
接着力はまだ落ちていないのでその一ミリとなりが割れています。
引っ張られた弱い木はヒビ(割れ)が入っています。
欧州赤松はヤニっぽい部分があるのでそこからヤニが吹き出しています。
その二・・・何ともありません。
乾燥するときの髪の毛程度の割れがほんの少し見られます。
ビデオデッキの早送りと思われても仕方ありませんが参考にはなる現象です。
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コラム429 2013年02月01日
根深い悪弊
何を今さら、という感じがとてもとても強いのですが、今頃になって相撲・・いや、JOC柔道連盟が
女子柔道暴力(事件だろうが)問題として表に出てきました。
集団で告訴をされたと言うから革命的なことだと思います。
行動をおこした女子に拍手を送りたいと思いますね。
これまでに幾度となくチラチラしていた「黒い怪しい影」がやっと出るべきところに出てきたという
感じです。
地位と権力を持ったものが(例え善意だろうと)相手に有無を言わせず言葉と暴力で動かすという
のは、抵抗できないものにとっては耐え難い屈辱でしかないでしょう。
あの人は熱心だった、あの人のお蔭で大会に出られた・・・など、まったく別の次元のことを
ごちゃまぜにしている支持者もいるからなお始末が悪いのです。
私の息子が通っていた中学校のサッカー部活もそうでした。
Mという顧問(まったくの体育系アホ教師)が受け持っていましたが、
静岡から転向してきたとても上手いキャプテンをやっていた子がいました。
「A、これはお前のチームだ」とか何とかおだてて贔屓するもんだから、他の皆からは不評を
かっていました。
FWの子は「良い指導者がいるから水商に行け」とか何とか、一回や二回ではありません。
GKには「波崎柳川に行け」と、こちらもしょっちゅう。
真っ白な子供たちはついついその気になってしまう・・・、だって顔を合わせるたびに
言われるんだから。
うちの子なんかも「K, お前は貴重な左ききだから柳川へ行けっ」としつこく言われていました。
波崎出身の親戚のおばさんにきいてみると
「何であんな所に行くの、スポーツやりたいならほかにいくらでもあるでしょ」と一蹴されました。
幸いにして、うちの子も「ほんじゃ、やめた」とあっさり諦めましたが、あぶないところでした。
試合に負ければボロクソに言われ、「お前らがだらしないからだ」とFWの子なんかはジャージを
ビリビリにやぶられたりしました。
勝てば勝ったで「俺の腕・・・」とそっつりかえり、また、おだてるバカな親がいて、その指導者を
持ち上げるものだから脳ミソの軽いその指導者は有頂天。何とアホな構図か。
同僚であるほかの教師は何も言えず・・・
ほかの地区で起こっている事件と大して変わらないのです。
こういうのって、今でも続いているんでしょうね。
こういう指導者の性根って変わるものではないですからね。
簡単に想像できます。
何につけても、自覚がないということが一番の致命傷です。
指導者にぜひ言いたい
「子供はあんたのおもちゃじゃない!」
「未来にまで責任を持って言え!」ってね。
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コラム428 2013年01月30日
あわてる必要はない
いよいよ消費税が上がることになりました。
世間ではその前の駆け込みを狙って営業マンが「煽り(あおり)の攻め」をかけています。
確かに5%から8%に上がれば3%の差は小さくはありません。
さらに10%となれば二倍ですから気持ちが動くのも無理はありません。
しかし、住宅減税もあわせて行なうということですから、直接上の数字が跳ね返ってくるものでも
ありません。
今までの減税というのは自分で納めた税金の範囲でというのが通例でしたが、今回のやり方は
所得に応じて低い人にも現金で還付するというもので、それなりのクッションがほどこされます。
(それならば最初からとるなと言いたいですが)
それはそれとして税金ばかりに目が行っていては片手落ちになります。
資材の動向も注意していかなければならないでしょう。
それはインフレ2%の金融政策の影響です。
政府が日銀と組んで無制限な資金供給をしたとすると、そのお金がどこへ行くかです。
公共工事などは国家予算の中で決められた分しか動きませんが、お金の行く先は不明です。
企業に融資するというのは表上のことで、実際にはそういう構造にはなっていきません。
怖いのは小金持ち大金持ちの投機資金に集中することだと思います。
いずれにしても、我々貧乏人のところには何の恩恵も出ないですが、資材の値上げには関係して
くるに違いありません。
需要と言うものは怖いもので、集中すると昔のように柔軟な対応とかが出来ずらくなってきています。
それは急に注文があったからといってメーカーは残業・交代制まで使って増産はしないからです。
ブームは過ぎてしまえば必ず反動があるというのを知っているからです。
そうはいっても、税金は期限付きですから待ってはくれませんが、今回の税制では「契約時」が
基準になるようですから、それまでに内容を詰めて段取りをとれば「ああ、間に合わなかった」と
いうのはなさそうです。
100%持ち金でやる人もそれなりの優遇策はあるようですから、じっくりと研究してあわてずに
計画を立てたほうが賢明だと思います。
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コラム427 2013年01月27日
専門用語でちんぷんかんぷん
先日、東電福島原発事故で避難していた福島県富岡町の住民を対象にした説明会が会津若松で
開かれ、事故収束作業と不動産の賠償金の説明が行なわれました。
その席では東電の専門用語がぽんぽん飛び出して住民からわからないと言う声が相次ぎ、当初70人
いた住民は終了時には50人になっていたと言うことです。
「燃料デプリ」「資産償却係数」などあまり住民には聞いたことがない言葉が連発したものだから
「専門用語だらけで説明になっていない」と反発をくらってしまいました。
説明と言うのは説いて明らかにすると書かれているのですから相手が理解できなければ意味がない
ということになります。
東電は「町民は理解できると思っていた」と言っていますから、ほとんど相手のことをわかっていないと
言えます。
私もこれと同じようなことを十数年前に経験しました。
うちでは製材機を持っているので起動させたときの電力が大きいので自前で高圧変圧器を設置しな
ければならないという規則に該当します。
これらは持っているモーター設備の消費電力の総合計、つまり一度に全部動かしたときの起動電流を
賄える能力を持っていなければならないので結構な設備になります。
これらの管理についての重要な説明会があるという連絡を受けて東電の水戸支社まで行きました。
大きな会議室にはたくさんの同じような条件の人たちが集まっていました。
そこで話されたのが専門用語ばかりの連続、これでは自分にはさっぱりわからんと覚悟を決めて
一応最後まで居ることはいましたが、何の収穫もなしに帰ってきたことを記憶しています。
こういった高圧変電設備を持ったところにはきちんと電気を理解した保安管理者というものが必要なの
です。
私のところにも依頼している人はいましたが所有者に出てきて欲しいような旨だったので
出かけていったわけで、これなら直接管理者に通達を出したほうが(または両方に)出席してくれる
ようにしないと理解されないと思います。
後日、そのことを管理者に話したら「やっぱりそうでしたか、あちらの頭のレベルでどんどん話されるので
私らもまごつくところがあるんですよ」
「あの人たちは上からの命令でただ形を作ればそれで良いと思っているだけですからいつになっても
変わらないですね」と言っていました。
このことは我々の世界でもよくあることです。特に勉強会のなかでの説明では建築専門用語が
たくさん出てくるのですが、皆さんの理解を得るためには極力使わないようにしています。
それでもあとから聞いてみるとわからないところがあったと言われます。
専門業種ですから用語がたくさんあるのは仕方のないことですが、プロとプロの互角ではないのです
から、噛み砕いてわかるように説明するのは「説明する側の責任」だと思います。
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コラム426 2013年01月26日
資材の値上がり
ここへきて円安の影響が建築資材にも出てきました。
米国を除いて世界的に住宅の停滞がみられ、各地で減産や工場の閉鎖が続いています。
物が売れなければ値段が下がるのでしょうが、そういう状況はとっくに超えてしまい、もっと
深刻な工場閉鎖までいっています。
一番先に価格の影響が出るのが合板でしょうか。
最近、問屋に電話しても「発注量の半分くらいしか入荷がないんです」と言われます。
業界紙を見ていても現地の賃上げや輸送費のアップ、それに最近の円安と下がる要因は
一つもありません。
ナマと言われる合板が一番先に動いて次にはイロモノと言われる二次三次製品です。
これらは新建材のフロアだったり、開口部のドア・引戸・クローゼットなどが該当します。
単品的にはカタログで見て発注することが多いので、定価の記載してあるブックカタログなどは
注意していないと定価設定が変わっているものがあり、発注後にそれがわかってもめることが
あります。
ここ一年、業界紙ではどこのメーカーでも過去最高の利益を上げたという記事が載っています。
震災復興の需要が如実に出ているものと思われます。
ただし、これがどこまで続くのかは難しいところですが、もう一年くらいは続くと思われます。
いずれにしても、国内だけで地産地消されているものはほとんどありませんから、「外国がらみ」で
何らかの影響を受けます。
いくら国がインフレ率2%を目標にと言ってもそう簡単に動くものではありません。
それはなくても世界は勝手に動き、供給がタイトになれば市場原理で確実に上昇していくと思います。
日本以外は資源を持っていてサジ加減を自分でコントロール出来るのですから、札束だけで
それを操ろうとすることより需給のバランスをとることが容易であることは明白です。
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コラム435 2013年01月25日
シートをかけて・・・その後
コラム422 01月08日に書いたその後ですが、数日前に工事を終えていました。
結果は、「予想通り」でした。
2mほどはね出したいわゆる「現し(あらわし)部分」を全部撤去しました。
無難かつ最善の方法だと思います。私でもそうしたでしょう。
ただ、1Fのハキダシサッシが、屋根がなくなった分、今度はもろに雨の影響を受けてしまいますが
開けなければ良いことですから訪れた人にはわからないでしょう。
それにしても10年未満で見事に腐りました。
屋内仕様のような素材を使ったのですから当然の結果なのですが、これが米ヒバ・あるいは米杉
ヒノキの赤身などを使っていれば二倍くらいは耐えられたと思います。それでも50歩100歩ですが。
外部に面する雨のあたるところなら、通常大工さんは雨のこける加工をします。
清水寺をご覧になった方はお分かりになると思いますが、あそこのひのき舞台の下の木組みは
もろに風雨に晒され、日に照らされています。
この造りは水平部分は小屋根の役割をする雨避け加工が施され、濡れても表面だけで流れて
しまうようになっています。
しかし、この展示場の木組みは何もされていませんでした。だからお天気に負けたのです。
プレカット工場にそのようなことを要求しても「手加工でしか出来ません」と言われるでしょうし、
それをいちいちやっていたらコストが増していってしまいますから痛いところです。
もし、この建物と同じような仕様で建てた人がいるなら要注意です。
きっといるでしょうね。
「木は濡らし続ければ腐る」という実験はこれで終了です。
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コラム434 2013年01月24日
寒さの原因と改善3
どんな高性能の家でも人間が出入りしていればチリも運んでくるし気温も上下します。
問題はそれをどの程度で折り合いをつけるかということだと思います。
家が冷える・熱せられる・・・というのは直接的な輻射熱と使用素材による間接的な熱伝導、
それに意図しない隙間です。
それに空気環境が加われば湿度も関係してきます。
いまの高気密・高断熱の家は湿気(通気と調湿)の問題にはあまり目が向いていません。
住宅の仕上げはそのほとんどがクロスという塩ビ系の壁紙だからです。
押入れがカビるというのも手早く出来る合板を張ってしまうからです。
この合板には通気性は殆どありませんからガラスと同じような現象になります。
通気性のある断熱材を使っても表面仕上げ材がその機能がなければ何にもなりません。
また構造上小屋裏に空気が上昇していくような作りになっていてもこれまた同じです。
通気性のある素材の壁から壁体内に抜け、そのまた先に外壁から直接外へと湿気が抜けていく・・
いずれにしても最終的に外部に抜けていくように施工されていなければならないのです。
こういう条件を満たす断熱材はないことはないですが今のところ非常に高価です。
現実的なところとしては、木と塗り壁ですが皆さんからは高いと思われている素材です。
なぜ木と土壁なのか不思議に思うかもしれませんが、軽い木は充分な空気の細胞室があるのと
土壁は乾くと保温力があり充分に断熱材の代用となります。
木と土壁は熱伝導率が低いのも特徴です。
両者とも吸湿性能があり、断熱性があり、廃棄物の処理特性も優れています。
木は収縮により隙間が心配されますが今は加工技術もよくなり殆どその心配はなくなりました。
総合評価すれば一番住宅に適した使用素材ということになります。
湿気を出す室内側に吸湿性のある木材(あるいは土壁)を使い、適度な換気をしながら湿気を
吐き出すという方法が一番自然でお金がかからないやり方だと思います。
適度な換気というと難しいように思いますが今までやってきたように時々窓を開放してあげれば
よいのですから特別難しいことではないと思います。
今回の我が家のリフォームは台所ですから料理の排気と一般暖房の排気もあります。
キッチンのレンジフードのほかに予備の換気扇をつけ、煙が食卓のほうへまわらないように
排気力を強化しておきます。
ポット式の石油ストーブはエントツで排気を100%外へ出してしまいますので燃焼時の水蒸気発生の
心配もありません。
足元がシンシンと冷えると言われますが、今度のリフォームでは仕上げ材の下に捨て張りをして
その下には固形の断熱材を入れますので改善されると思います。
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コラム433 2013年01月23日
意味のはき違え
先日、九州発祥のタマホームが11年度の木造戸建てランキングで首位になったと業界紙に
書かれていました。
そして、性能は大手に肩を並べる高スペックで、性能表示の6項目も最高等級を達成している
というものです。
はてな、
今の国の基準(耐震・ホルムアルデヒド対策・省エネ等級・維持管理・劣化対策)がそもそも
あいまいなものなのに、現実はその基準を満たしているからといって優秀だということには
ならないのではと思っています。
耐震・・・・・・面材を張って硬い家を造ることが良い家なのでしょうか。
硬ければ硬いほど地震エネルギーは弱い部分に集中します。
長期優良住宅の試験棟が倒壊したのはまさにその表れだったはずです。
ホルム・・・・・・相変わらず接着剤が使われていて(一応基準値は下回ったものですが)その他の
現実は何も変わっていないのに対策が施されたといえるのでしょうか。
あまりにも単純。
省エネ等級・・24時間換気を義務付けしているのに熱ロスはどうするとなると、全熱換気という
ラジエターの付いたような装置をつけさせて省エネしたことにはならない。
これはプリウスも太陽光発電とも同じ理屈で自分のところでだけ好成績なら他は
どうでも良いということ。
劣化・維持・・これらはほとんど作文上で言われているだけで現実には何もやられないでしょう。
耐震等級が3等級で最高といっても、杉の120角でプレカットなのだから金物と面材に頼るしかなく
しかも柱が集成で間柱がムクというのだから話しは逆だと思います。
国産材にこだわるというけれど、和室の柱は最後に柱らしきものを貼り付けるのだから純粋な
真壁和室ではないし、価格が抑えられた畳などは100%のワラ床ではありません。
コストパフォーマンスが抜群だと書かれているけれども、質はそれなりに落ちているものだし
何を以って高スペックというのか評価する側の資質を疑いたくなります。
集成材をムク材だと教え込むHメーカーもいます。
異業種から参入してきて「おれがやればもっと安い家が出来る」というところもあります。
アメリカでは住宅が安い・・というので、日本でも仕組みを導入して価格を下げると息巻く人もいます。
建築価格を半分にすると努力することは自由ですが、坪単価という根拠の薄い表現方法をとり
しかも、面積条件付の「施工面積」を分母として割った坪単価など参考にはならず、あたかも安く
良いものが出来ると錯覚させるようなビジネス優先で、本来の培われてきた性能を無視しても
長期優良住宅を名乗れるのですからこの世界そのものがずれていると思います。
この会社もそうですが、結局は「量」をこなして仕入れ価格をたたき、さらに工法を省略して
「売り」につなげ、この業界でのし上がっていく図式はほぼ同じなのです。
質を求めてと言っているのは表向きだけで、狙いは独占勝ち組になることです。
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コラム432 2013年01月22日
寒さの原因と改善2
昔の家(台所)の考え方は、食料が傷まないようにと北側にスペースをとっていました。
我が家も例にもれずそのような位置取りになっているので、南面の部屋よりは寒くて暗いのです。
しかも、前の家が大きく建て替えたため以前よりも日当たりが悪くなっていました。
しかし、南東に位置している部屋なら午前中は日照も確保できて明るいので、これから先、高齢化
にむかって少しでも暮らしやすいようにと改造することにしました。
もともとこの部屋は子供たちが使っていましたが、巣立ってしまい今の利用頻度は高くないので
収納してある布団類さえ別の場所に確保できれば「生きた部屋」になると判断しました。
ということで、コロニアル屋根のリフォームにあわせて、台所工事も行なうことにしました。
屋根の工事は前から考えていましたが、築27年も経ちあと20年は無理かなと思い、この際だから
前のコロニアルを剥がして下地はそのままでもう一度タルキを流し下地板を張るという二重構造に
しようと思いました。
そしてタルキをつけた分30mmくらいの隙間に固形の断熱材を入れることにしました。
こうして施工しておけば屋根からの直下輻射熱が多少和らぐのではないかと考えたのです。
どのくらい効果があるかはやってみなければ何とも言えませんが少しは改善されると思っています。
台所については給水排水が絡んできますが、現在の排水管がかなり動脈硬化を起こしていると
思われるのでいずれ修理の時期が来ると予想していました。
家族の変化もありました。地震の被害も少しありました。
いずれ、手入れなしでは済まないなと思っていましたので、これがよいチャンスだと考えています。
また工事状況を書いてみたいと思います。
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コラム431 2013年01月20日
寒さの原因と改善
寒さが身に沁みるといいますが、それは年齢が高くなるほど強く感じるというのがこの歳になって
みるとよくわかります。
体温は自分の筋肉で作られると聞きますが、まさに高齢になって筋肉が少なくなってきている証拠
であります。
昔はよく家の中の布巾が凍り付きましたが、そのときも今のようにはきつくは感じていませんでした。
30年前に比べて特に今が冷温になったわけでもありません。
むしろ温暖化と言われているくらいなのですからあてはまりません。
夜寝ていても寒さで首が縮こまっていたり寝違えていたりとあちこち不都合が出ています。
湯たんぽや首巻などをやっても完全に暖房を止めて寝てしまうのですから気温は自然にさがります。
何とか温かいままで朝起きることが出来ればいいなと思うのですが、7〜8時間もストーブが止まって
いてはどんな家でもそれは無理というものです。
良く、「うちでは朝の気温が11度あります・・」とか言われる家は、何にもやっていない通常の家では
まずお目にかかれません。何かの設備をやっていて初めて言えることで「タネも仕掛けもない」という
のはウソです。
すきま風のない家は理想だけれども、これがまったくないと仏像ではないのだから人間は窒息して
しまいます。やはり最低限の隙間(自然の換気)は必要になってきます。
国の言っていることでも、「二時間で部屋の空気が一回転するようにすること」と法律を作ってまで
換気の必要性を説いています。
これを忠実に守るとなると暖房なしでは数時間で外気温と同じことになってしまいます。
我が家は換気扇なしでもそこそこ換気能力がよいから空気の入れ替えについては心配ないのですが、
まあ客観的に見て、北海道の暖房方法の何割かをこちらでやればしのげるということでもあります。
その辺のことがきちんと理解できれば、最初からがんじがらめの高気密などしなくても、ほんの少しだけ
暖房を切らさないで寝ている間の気温を下がらないようにキープしてやればよいということになります。
前々回に書いたハイブリット車の場合とものの考え方は同じということになります。
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コラム430 2013年01月19日
リフォームか新築かの見極め
こういう勉強会をやっていると、リフォームしたいのだか家を見てほしいという要望が結構あります。
そういう時は、現場経験の豊かな棟梁と2人で見に行くのですが、聞いた話だけでは判断できない
部分があり、やはり「百聞は一見にしかず」です。
築年数が浅ければ床などの部分修理だけで充分住めるものもありますが、売りに出される物件となると
ほとんどお金をかけても無駄になるようなものが多いのです。
住んでいる家をリフォームする場合には季節的なものも考慮しなければなりません。
家に手を加えるということは寒さも直接影響してくるからなるべくなら冬は避けたいのです。
くわえて、部屋ごとの工事となりますから生活の荷物も移動しながらということになり効率が落ちます。
構造体を残してほとんど取り払ってしまうような大規模な工事になるなら根本的に考え直したほうが
よい場合が多いのです。
基礎の具合、土台・柱・桁の傷み具合など考慮するとほとんどが「これからの耐久性」を考えると
役者不足になります。
この辺のところが「木材は高い・せめて構造体はそのまま残したい」と思っている皆さんとのずれ
であります。
通常の家なら構造体総額というのはおおよそ100万円程度のものです。
2000万円の家なら5%というとても低い金額なのです。
しかも土台などが傷んでいるものならこれから住むことを考えると補修よりも新しいもののほうが
圧倒的に有利になります。
個人的な考え方ですが、骨太の古民家みたいな建物ならまだ良いとして、通常の住宅なら
残すより新しいものにしてしまったほうが後世のことを考えると確実有利になると思っています。
特に基礎はベタ基礎で床の高さを充分にとることが出来るのでダントツに今のもの方が優秀です。
ずっと住んできた家ならまだしも、中古で買うとなると想定外が出てきてもなかなか事後の納得と
いうのができません。いっそ更地で買ったほうがよかったなんてことにもなりかねません。
今が良いのかではなく、将来20年30年後にはどうかというシビアな見方が必要です。
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コラム429 2013年01月18日
エコと言いながら・・・
世の中は「エコ」と名前をつけて何とか売上を伸ばそうと考えている人たちがたくさんいる。
消費者もものごとを性善説で見ているから言われたことを100%信じてしまう。
石油系燃料を使わないで(あるいは高効率にするため)走行距離を競う車も、住宅に載せる
太陽光発電も最先端のエコというような言い方をされるが、現実にはそうではない。
たとえば、プリウスやインサイトというハイブリッド車の仕組みはエンジンとモーターの併用で
あたかも燃費が良い様に言っているが、単体で言えばエンジンは他の車のものとほとんど
変わりがない。
エンジンを回しているときに発電した電気を溜めておいてモーター走行するにしても、通常の
発電機では能力も足りないだろうし、特別の性能を持ったものが使われているに違いない。
ということは大きなバッテリーの充電を可能にする大きな発電機が必要ということで、
自転車の発電機と同じペダル踏み込みの負荷は当然のように増してくるはずだ。
むしろ、エンジンで走るときには通常の車より距離が伸びず燃費が落ちるのかもしれない。
結局は今までのものに何かをプラスしてやるわけだが、その分の製造エネルギーは言われない。
バックヤードで何をやってもそれは好き好きだが、エコを問うときそんな片手落ちの考えで
はたして良いのだろうか。
従来の付帯のバッテリーだってそこそこの充電能力はあるが、走行できるだけのキャパと比較したら
ものの数ではないのは想像できる。
その製造費用と耐久性を考えると永久的な持続は望めるはずもない。
どこかで劣化消耗が進み、いつかはダメになる。
そのときに手入れ(バッテリーの更新を)しなければタダのガソリン車になってしまう。
そのときに通常の車のバッテリー交換というような簡単なわけにはいかないのは想像できる筈。
それでも、通常車が12km/リッターあたり走るとしてハイブリッド車が26km走るからといって
距離だけで優秀かどうかの比較は乱暴になる。
私はメーカーにはこだわりはなく、入れ替えた車も特別なものではない。実際の市中走行でも
リッターあたり12.5km走る。ハイブリット車との差は14kmほどあるが全然気にしていない。
車の値段が同じなら負けということになるがその差が160万円ほどもある。
この差が燃料代で使い切るまでは負けたことにならない。
年間平均で1万KM走ったとして800リッターの消費量、あちらは385リッターの消費、支払い金額の
差は62.000円程度。
何と肩を並べるまでに(無修理と仮定して)25年もかかる。
当然バッテリーはそれだけもたないから、交換まで考慮するとさらに年数は広がる。
距離が走れる分だけ装備にかかっているのだから、ゼロのエネルギーでは出来ない。
悔しいかな、その差が世間には明らかになっていないから数字としては表せないが
個人的にはハイブリッドでも通常の車でも総合的に見れば同じだと考えている。
(付け加えておきますが私の車は軽ではありません、れっきとした1300ccの白いナンバーです)
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コラム428 2013年01月17日
20%から50%への思惑
何年か前に、京都議定書でCo2削減25%とのたまわったノー天気な人がいたが、何を根拠に
そのような発言になったのか、削減どころか原発がおかしくなる前からひとつも減らなかった。
そのノー天気な人が今度は中国から招かれているという。今度は何を巻き起こすのか。
中国には「おろかなものは歓待せよ、賢いものは粗末な扱いをしろ」ということわざがある。
この人もよいように中国の思惑で動かされるのは目に見えているのだが、本人は歓迎されている
信頼されていると勝手に思っているのだろう。
どこまでいっても「何とかにつける薬はない」と言われるがまさに地でいっている。
そのノー天気な数字も独断ではなく、何か官僚が作った作文のもとに動いたのだろうが
こういうことは他にもいっぱいあるのだと思う。
2020年までに木材の自給率を50%に引き揚げると大風呂敷を広げた政府も同じだと思う。
この数字を見て、現場に近い人ほど「何を寝ぼけたことを・・・」と思うだろう。
40年以上かかって外材82%国産材18%まで落ち込んだものを7年で五分五分にもっていく
というのは天文学的に遠い数字だ。
絶対服従的な法律でも作らない限りは実現不可能だと考える。
いつも机の上だけで仕事をしている人たちは現場のことを知らなさ過ぎる。
公共物の建設などは商業経済という自由取引の中でどれほどの率を占めるのか。
大手のハウスメーカー(HM)、地域ビルダーがどうして今の材を選択するにいたったのか。
この辺のところをまるで理解もしていないのに何が50%なのか。
「おい、君たち、私の息がかかっているうち、何とか昔の率に戻せるように考えてくれ」
「総理、それは無理です」「いいところ30%まででしょう」
「ダメだ、インパクトがない」「60%くらいにはならんか」
「いいえ、無理です」「ギリギリ50%なら屁理屈をつけ文章は作れます」ってな具合で。
(それよりはHMの社長に談判して国産材の強制的な使用をお願いしたほうが効果があると
思うのですが)
「おい君、もっと国産材を使ってくれんかね」
「いやいや、総理が直接おいでになっても、価格安定性と量の確保が出来ませんから」
「いやそんなことを言わんで、何とか頼むよ」「ワシも言ってしまった手前引っ込みがつかんのだよ」
「私らは国の方針よりも会社の存続のほうが大事ですから」「そうでないと税金も払えません」
「・・・・・」
「総理、こういう方法ならあります」
「一番使用量の少ないものを基礎データにして前年比何割り増しとやるんですよ」
「この方法なら世間の目もかわせるし私らの腹も大して痛くありませんから」
「おう、そうかそうか、良いアイディアだ」「それならワシの面目も立つし、次の選挙も安泰だな」
「それに君、あれの方もよろしく頼むよ・・・フォ、フォ、フォ、フォー」
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コラム427 2013年01月15日
200回目の勉強会を行ないました。
一昨日、ついに200回目の定例勉強会を開くことが出来ました。
今回、200回だからこそ出来ることと、建築して10年以上お住まいになられたお二方に出席して
いただき、当初の計画と住んでみてどうだったかなど長期的な意見を述べていただきました。
ご出席いただきました水戸市のK様、城里町のK様 有難うございました。
参加された方も27名とゲスト及び取材の方、我々と入れると総勢36名の賑わいとなりました。
遠く守谷からもつくば緑友会の益子さんが駆けつけてくださり貴重な資料をいただきました。
お蔭様で隣の教室からイスを借りてくるほど目いっぱいの盛況さでした。ありがとうございました。
参加者のなかにはゲストの方と同じく家を建てられた方もかけつけて下さり、私のヘタなMCにも
かかわらず、貴重なコメントとアドバイスもいただきました。
常陸大宮のT様、ひたちなか市のS様、ありがとうございました。
サプライズその1
城里町のKさんは(もと医療関係のお仕事をされていましたが)30数年前に東京を離れたときから
ずっと連絡がとれていなかった同僚の方とこの会場で劇的な再会をされ「信じられない・・」と涙ぐんで
おられました。
その後は同窓会のようになったのは言うまでもありません。
きっと神様がこの200回目の勉強会にサプライズをたくらんでいたに違いありません。
それともう一つのサプライズですが
この200回開催のうちに120回の参加を遂げられた水戸市のKさんがいらっしゃって、何と打率6割
という快挙で、10年以上もこの会に参加されていることになります。まったく頭が下がります。
この方にはもっと勉強していただくようにと記念に(しゃれで)感謝状とノート5冊をお贈り致しました。
ありがとうございました。
いつもなら囲みテーブルでじっくり聞いていただくのですが、今回だけはこのような事情でしたので
ご理解の上お許しいただきたいと思います。
後半には皆さんのご質問などもお受けしましたが、充分な時間もとれずご迷惑をおかけいたしました。
またこれに懲りずご参加くださいますようよろしくお願い致します。
それと、
これまでバックヤードで支えてくださいました大勢の方々へお礼を申し上げたいと思います。
また次回から平常なローテーションに戻り情報発信をしていきたいと思います。
これからも末永くご支援いただけますようよろしくお願い申し上げます。
ありがとうございました。
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コラム426 2013年01月12日
ずれているスポコン2
こういう話は「氷山の一角」というべきで、同じ学校の中でもバレエ部顧問が処分されていたのに
そのことを隠し続け、また再発を招いたという。
もともと、スポーツが強いことを「売り」にしていたのに、それがなくなれば学校の存在も薄くなるという
学校側の恐れていることは理解できる。
それだからといって、殴ってまで意気を高揚させ勝利に結びつけるという考え方は一昔前のことである。
46年前、私が高校1年生だったときのことを思い出す。
同じ中学から進んだ野球のうまいやつがいた。少しコントロールの悪いところがあったが全体的にみて
一目置くくらい力のあるやつだった。
それが三年の先輩に目をつけられ、シゴキを受け肩をつぶした。
指導と称して、ウォーミングアップもろくにさせられないていきなり全力投球をさせられる。
従わないともっとひどくなる。
結局は上級生につぶされ、ずっとエースとしての出番はなくなった。
彼は野球は好きだったが、その3年間の部活は地獄だったと思う。
その後、大学進学はせずに就職したと聞いているが野球を続けているとのうわさは耳にしていない。
私らもそのころの高校の方針だったのか、県の予選大会が始まると授業をやらずに野球の応援に
駆り出された。
たいがい、2試合目に負けていたが、そのときの応援団の我々に向かっていった言葉は今でも忘れない。
「おまえらの応援が悪かったから負けたんだ、もっと根性入れて応援しろ!」ってね。
(なにが、根性入れてだ・・・、てめえらの力がねえから負けたんだろうが・・)
(こっちはすきでもねえ応援なんかやらされて、熱なんかはいるわけねえだろう)
昔は名門と言われたとか聞くが、そんなものは今時メシのおかずにもならない。
そんなつまらない「名門」を引きずっているから変な呪縛から逃れられなくなっているんだ・・と
思いながら野球場からの帰り道、野球で負けたことより応援団の説教に腹を立てながら学校に
戻ったことが3回ありました。つまり3年間大したことなかったという意味です。
それ以来、私は野球は嫌いになりました。
学校の、野球部だけを応援させるやり方にも納得いきませんでしたね。
(なんで、野球だけ応援なんだよ、やるなら卓球部だって応援に行けよ)ってね。
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コラム425 2013年01月11日
ずれているスポコン
ここ数日、メディアをにぎわせている大阪私立高校のバスケット部キャプテンの自殺問題。
たしかにいますね、勝てば官軍「俺の手腕」、負ければ負けたで「お前らのせいで・・」ってやつが。
まず、指導者としてのていをなしていません。
何のためのスポーツなのか、誰のためのスポーツなのか・・・このことがすっぽり抜け落ちています。
この学校の関係者も「顧問もまじめな先生で、自殺した生徒も問題はなかった。お互いに純粋な性格で
指導が行き過ぎてしまったのではないか」といったという。何という身内擁護であろうか。
純粋すぎてやったことだからと死人が出ても許されるような空気がここ全体を覆っているようなものの
言いようだ。
30〜40発殴ることが指導と思っているのか。単なる暴力に過ぎないではないか。
これが純粋な気持ちというなら警察・裁判所は要らない。どこかの国の愛国無罪と同じだ。
この背景には、いまだにスポーツ界では「根性論」で勝てると思っているアホがたくさんいるからだ。
指導者が暴力でしごく、その経験者がやがてまた指導者になり同じことをする。
家庭内暴力が繰り返されるのと同じことだ。
その人の力量を見極め、どのように導いていったらよいのかそれぞれの違ったやり方で伸ばしていく。
そういったやり方が出来ないなら(もともと気付いていないのだから)この世界から去るべきだろう。
学校の「売り」に翻弄された犠牲者がいるということは、スポーツという意味を全面的に考え直す
必要があるだろう。
私がこの子の親だったら、この指導者と学校を絶対に許さない。
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コラム424 2013年01月10日
いよいよ200回目に・・
毎月欠かさず開いてきた家造りの勉強会がついに200回目となります。
スタートは1996年12月でしたが、当時の市況はいまよりももう少し活気がありました。
それでもピーク時よりはジリジリと下がり続けていた時でした。
住宅は「商品」と呼ばれるようになり、車やスーパーの買物と同じレベルで「住宅を買う」という
表現がされるようになってきました。
もちろんこれらは大手ハウスメーカーや規格型の多棟数をこなす地域ビルダーが言い始めた
ことですが、その中身と言えば首をかしげるような工法と資材の使い方でした。
私から見れば優れているのは宣伝力だけという感じで、自分なら到底やらないというレベルの
中身でした。今でも形を変えながら進化どころか低質化していっています。
けれども、田舎の大工さんたちは良い仕事はしますが宣伝はまったくしません。
世間から見れば展示場を構え、折り込みチラシをいれ、イベントをやっているところが住宅を
扱っているところと映っているようで、ましてや農家で地元密着でつながりを大事にしてきたところも
息子たちは勤めに出てしまい、親とは違う世界で生きているためにこれらもほとんど消滅したと
同じになっていました。
核家族のデメリットというのか、親は親、自分たちは自分たちという考えになり、親が懇意にしていた
大工さんとも付き合いはなくなり、家を建てようと考えるときには本・展示場から入っていくことが
当たり前になりました。
その流れはますます顕著化していますが、問題は住宅の中身です。
住宅は一つひとつの部材の集積です。その積み重ねの中で「住まい」という生活空間ができる
わけで、全体の質が上がっているのなら何も問題は起こりません。むしろ喜ぶべきだと思います。
しかし、現実はそう単純ではありません。
「商品」といわれる住宅は「売れてなんぼのもの」になりました。
ですから売れるための努力はされますが、質はどんどんおろそかになり、同じように見えればいい
という中身になっていきます。企業の儲けもなければなりませんからこれは必然と言えるでしょう。
一方で消費者は住宅の質を見抜くことが段々難しくなっていき、大きければ安心だという性善説で
ものごとを見るようになります。
その結果がこれだけの大手住宅メーカーを生んだともいえます。
ところが、いくら大手であっても中身は50歩100歩で大して変わりません。
集成材・合板・化粧された新建材の多用とちょっとした工法の違いくらいです。
毎日まいにち生活する空間は特別飾られたものは必要ありませんが、質が悪いと人生の命取り
になります。
そういうことが今の法律ではカバーされていませんし、この国の考え方も経済を回す道具くらいにしか
考えていません。だから24時間換気や火災警報器の設置などというトンチンカンな法律ができる
のです。
結局は、建て主さんが今の住宅を客観的に眺め冷静な判断をするには自分の見る目をレベルアップ
していくほかはないのです。
そのためには「何をすべきか」を問い続けてきました。
それが地域の人たちに向けた情報発信が大事であるというところに行き着いて今に至っています。
17年間も続いたことは住宅業界がそれだけ問題が多発しているということで本当は喜べないのです。
あとどれだけ出来るかはわかりませんが「やれるだけやる」をモットーに続けていきます。
200回目の定例会案内は
こちらです。
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コラム423 2013年01月09日
年末調整事務をやってみて
一応、会社組織になっているので事務処理として「年末調整」なるものをやりますが、
今回は前年とは違った「税額の2.1%増し」の措置がとられていました。
うっかりしていて、例年の通りにやってしまったら、何か項目が一つ余計なのに気がついて
計算をし直しました。
年末調整をやらない人でも確定申告をするわけですからこのことには気付くと思います。
まあ、そのことはともかくとして、10人いたら8人はだいたい還付となるような仕組みになっていて
徴収義務がある会社では次回またその次の月に徴収する所得税でその還付原資をつくるわけです。
昔から不思議に思っていたのですが、なぜこのように還付が多いのか、逆を言えば
払わなくて良い分を多く納めていたということでもあります。これを税務署側からみれば
「全国規模のゼロ金利」でいわばタダのお金を年間にしてみれば持つことになります。
還付作業と言っても税務署が手数がかかるわけではなく、個々の事業所で代理事務をやっている
ようなものですから、その点では痛くも痒くもありません。
全国規模で言えばかなりの金額になるであろう還付の仕組みはキャッシュフローの手段としては
労せずして得ることが出来る最高の制度だといえます。
還付される人は喜んでいる人が多いでしょうが、本当の意味からいえば「利子くらいつけろ」と
言っても良いのではないでしょうか。
いまから十数年前のことですが、役所から電話があり、「お宅の従業員の申告内容が違う」と
高飛車に言われました。まるでこちらが故意にごまかしていたような口ぶりでした。
「年末調整の申告も税金はすべて自主申告でしょ」
「こちらは本人の申告に基づいてきちんと計算しているのに何故そんな言い方をされなければならないのか」
「私は犯罪者なのか!」
「本人の身元調査までやれる事務費用はもらっていないぞ!」
「そんな口のきき方はないだろう!!」と怒鳴り返しました。
さすがに
「すみません、控除金額が違っていたもので」と謝っていましたが、
庶民は「税務」となるとなんでも「ははあ、お代官様」となるとでも思っているのでしょうかね。
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コラム422 2013年01月08日
シートをかけて・・・
以前にもお伝えした「市内のある展示場」での外部に面した構造体の腐りについてですが、
やっと修理作業が始まったようです。
現場では中が見えないように足場の外側に防塵ネットが張られ、通りからは何をやっているのか
確認が出来ないように粛々と作業が進められているようです。
まあ、いずれにしても新しくなった部分がやがて見えてくるでしょうから、何をどうやったのかは
想像するに容易であると思っていますが。
この成り行きを建築当初から見ていた私としては、起こるべくして起こった事例だと思っています。
それがどのようにこの販売業者に受け止められていたのか、私にとってはそちらのほうが大いに
興味のあるところです。
他との競争に勝つために何をすべきか、どのように戦略を立てるのか、ビジネスだけの考えで
行ったのならそれは最初から間違っていたのです。
やってはいけないことと競争に勝つためにやられたことがごちゃごちゃになっていました。
それはお客様のためにと言いながら実は自分のためにだけしか動いていなかったということに
なるのです。
それに気付いているのか(いたのか)、まさに日本の気候風土を無視した机上の理論だけで
勝者になろうという青写真があったのだと思います。
さてさて、いつごろこのシートがとれるのか、どのような処置がされたのか興味がつきません。
※この問題は2011年09月26日のところに書いてあります。(別ページに掲載されています)
2011年までのコラム
↑
ここをクリックして9月26日を探してください
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コラム421 2013年01月07日
今年も辛口で参ります
コラムをご覧の皆様、新年おめでとうございます。
世間ではとっくに仕事始めになっていますが、この業界は「七日正月」という習慣もあり、大工さんは
そのほとんどが一週間休みが多く、作業開始になるのは明日からというのが当たり前でした。
山の作業となるともっと長く、小正月まで動かないという話しを聞きました。
それぞれに、神様とのお付き合いもあり、その多くの理由は「寒中」という危険を避けるという意味が
こめられていたものと思います。
まあ、いまではそんなことを言う人もいなくなり、太陽暦の曜日にあわせてスタートしているようで
時代は変わったという感じがします。その背景には林業の機械化があり、多少の凍結も作業に及ぼす
影響は少なくなったことがあると思います。
それよりも何よりも原発の放射能拡散の被害がこれから原木(げんぼく)に出てくることを思うと
別の意味の心配事が出てきます。
最初は皮の汚染をどうするかということでしたが、これからは皮をむいても丸太そのものが汚染物質を
溜め込んでいくため、製材した製品(商品)のレベルチェックが大事になってきます。
実際に数年数十年経ってみないとどのくらいの汚染度合いが出てくるのか、実例がないため
やってみないとわからないということがあると思います。
食品ほど口に入れるものではないので騒がれていませんが、いざ住宅を建てようとする人には
その辺のことがピリピリするくらい関心があることだと思います。
仮に、検知器の針が振れたときには誰が責任を負うのか。最終的には東電になると思いますが
今でも皮の処理については業者から先に費用をもらわないとやっていけないと言われているくらい
なのに、この先の製品がどうであるかという点までいくと果たしていつになったら補償額がでるのか
想像するに簡単ではないことがうかがわれます。
潔白なのに黒だと言われる(思われる)風評被害はなくしていかなければなりませんが、実際に
汚染された木材が世に出て行くのには確実に防止する仕組みを考えなければなりません。
しかし、大きな組織ならまだしも、個人企業に近い製材所にはその検査すら無理というものです。
やはり、大きな組織である「木材市場」がその役目を果たすべきだと思います。
今までには「合法木材」なる、違法ではないと認定された木を扱うといった仕組みはありましたが
汚染されているかどうかをチェックするものはまったくありませんでした。
その意味からしても合法木材と同様に非汚染木材の表示が求められていくものと思います。
せっかくの県産材普及で弾みをつけようとしていた「柱プレゼント」も厳しい状況に追い込まれて
いきそうです。
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コラム420 2012年12月29日
有無を言わさず・・・
「これ、当座へ預金をお願いします」
「はい、かしこまりました」
「あ、それから、前に頼まれていました小切手帳が出来ております」
「はい、わかりました」
「たしか、一冊630円だったから1260円だよね」
「ちょっとお待ち下さいませ」
「2冊ですので2520円になります」
「え、1260円じゃないの、いつから倍になったの」
「はい、今年の5月から改正になっております」
「だって、お知らせも何もなく、いきなり二倍なの」
「はい、申し訳ありませんが・・・」
「・・・・・・・・・・・・・」
「改正のコピーをお作りしましょうか」
「・・・、要らないよ、それより何でいきなり二倍なの」
「はい、申し訳ございませんがそのようになっております」
「それは値上げの理由になってないでしょ」
「何でこんなデフレの時代にいきなり告知もなしに二倍なのって聞いてんの」
「はい、申し訳ございません・・・・・」
ま、こんな押し問答をカウンターで長々とやっていても仕方がないので3000円を出して
「これがサービス業って言えるのかね」
「何としても納得できないね、あなたこういうのって自分で納得できるの」
「はい申し訳ございません、では3000円をお預かりいたします」
言葉はたしかにきれいに言っているけど、いやならご勝手にという企業態度。
しばらくして
「××様、すみませんが会社の実印をお持ちですか」
「いや、集金のついでだから持ってないよ」
「申し訳ありませんが、それでは小切手をお渡しできません」
「もう一度、窓口まで会社のゴム印と実印をお持ちいただけますか」
「え、・・・・・・・」(何なんだ、その言い方は・・・最初から言えよ)
「それと、こちらの手数料はお預かりしておいてよろしいでしょうか」
「え、・・・・・・」(何なんだ、小切手帳は渡さない、お金は預かっておく)
「もういい、小切手は要らない、さっきの金返してくれ!」
「え、・・・・・」
「はい、かしこまりました」
「ここにも外回りの人がいるだろう」
「その人に小切手を持たせて事務所まで来てくれるよう伝えて」
ということで、預金だけ済ませて会社へ戻ってきました。
国も文句を言わないところから税金をとるけど、金融機関も同じですね。
しっかりと自分たちだけの利ざやは取るくせに、どんどんサービスの部分はカットする。
このあともあるんですけど・・・また次の機会に。
では、みなさん よい新年をお迎え下さい。
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コラム419 2012年12月22日
寒さが沁みてきました
今年の夏は暑さが衰えず彼岸まで粘られました。
しかしその後は一転して秋がないような冷温、デパートの秋物商戦も空振りに終わりました。
この地区では、昔からサツマイモの生産が盛んで、その原料でホシイモつくりが貴重な現金収入源に
なっています。よくテレビなどでも冬の話題として放送されるときがあります。
今年は12月に入ってから農家にとっては有難い「良い冬の風」が西から吹いてきます。
いつもなら様子をうかがいながら中旬あたりから始まるのですが、今年は年末のお歳暮に贈るという
早めの注文にも間に合うようです。
なにしろ、農産物ですからお天気次第、雨が降れば乾かないし、温度が高ければカビてしまうし、
12月の天気は意外と不安定です。その点、今年は全体的にホシイモ作りには適した気候になって
良いホシイモ(商品)が出来ているようです。
農家としては直売は魅力があり、手間はかかりますが問屋さんに売るよりもずっと付加価値がつくので
最近は直売形式が半分以上に増えてきました。
この地域の挨拶も寒くてほどよい西風(上州の空っ風)と言われるお天気が続くと、農家としては
作業が順調にいくのですが、雨が降る・気温が高いのは一番嫌われます。
間違っても久しぶりに降った雨を「よいお湿りですね」なんて言えません。
「イモが乾かねえよ」ってイヤな顔をされます。
「今日は温かくてよい天気ですねえ」なんてのも言えません。
「イモがカビちまうよ」ってイヤな顔をされます。
そう、ここでは寒さが沁みて空っ風が吹く天気が良い天気なんです。
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コラム418 2012年12月18日
日本の住宅が短命なわけ
ここ数日、選挙関係の話題ばかりでしたが、また住宅の話しに戻りたいと思います。
消費税が8%になり、やがて10%になると、駆け込み需要はともかくとして、その後は何かを
するだけで10分の1は税金で消えていくのですから、結局は9割の中身しかなくなるということに
なります。
住宅も同じ運命で2000万円なら200万円が税金ということで、予算を組める人は2200万円ですが
税金も含めてとなると1818万円の中身になるわけです。
200万円という数字は重くのしかかってきます。
従来の5%でもかなりの負担なのにさらに100万円の出費ですから。
結局、どこを切り詰めていこうかということになり、目を向けられるのが、さらなる木材費と人件費に
なるでしょう。
税金の負担増が今までにも増して「総額圧縮」となればいかに人の手を省くか安い資材を手に入れ
るかで勝負は決まると各メーカーは躍起になって安いものへの探求が進みます。
いまでも日本で作るものなどほとんどなくなっているのに、外国の「生産費の安い」渡り歩きがいっそう
加速していくものと思います。
ただ単に生産コストが下がるだけではすまないので質は当然連動するものと思います。
材料はどんどんケチられ、10.5cm角が12.0cm角になることはほとんどなくなります。
見栄えのよさは維持していかに下げるかがさらに研究されていくはずです。
いまでもそうですがその結果は「短命」ということにつながっていき、大きな見地からしても
住宅寿命が延びるということは100%ないと思います。
いまでも、空気環境面で灰色の濃い部分があるのに、これからどうなっていくのか益々心配のタネは
膨れていきます。
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コラム417 2012年12月17日
消去法でこれほどに・・・
あれもだめ、これもだめ・・・で、これほど圧倒的な差が出るとは思いませんでした。
くれぐれも自分たちが信頼されて上がったことではないということを自覚してもらいたいと思います。
前評判どおり、自民党の勝利でしたが、もうすこし第三極が頑張ると思っていました。
以前にもありました。それまで自衛隊は憲法違反だと言っていた党が政権をとったとたん
容認するということが。
それほど言うならやってみろよと思っていましたが、何のことはない反対するだけの野党の遠吠えが
主(ぬし)になったらあっという間の変身でした。
私はあれ以来、結局はこの国は軍備も持たない代わりにアメリカの支援がなければ国自体が
動かないのだと思いました。
軍備がない・・・その代わりにアメリカが出てくる・・・その代わりにお金を出す・基地を提供する
きちんと構図が合っています。
現実的に中国がちょっかい出してきても反撃すら出来ない・・・それをわかっているから中国は
やめない。
そこで、アメリカが「いいかげんにしておけ」と一言苦言を呈しただけで中国も本気で戦争する
つもりまではないようで(多分)それ以上のことはやってこないと思います。
やはり世界に冠たる軍備を持っている国が言うと効き目が違います。
これで中国が軍備・兵力共に世界一になったとしたら、アメリカの言うことも聞かなくなるだろう
けれども、まだちょっと格下という評価は外れていないと思います。
今回もやってみればこのざまかという評価が国民全体に共有されてしまった結果だと思うのですが、
これほど、借金が山のようにあっても、どこかずれている「公約違反だ」と言っていた人も予想通り
消えました。
それは国民も目先の飴玉はツケが重くあとからのしかかってくることを察知したのだと思います。
さぞかし、組んだ人も「相手を間違えた」と思っているでしょう。
もう1人だけになった代議士さんは誰にも相手にされなくて、それでもどこかを食いつぶそうと
狙いをつけているのかもしれませんが、そう簡単に丸め込まれる人もいなくなるでしょう。
3年間、野党を経験してみて今までの野党と大して変わらなかったのに、これだけ大勝するというのは
相撲の不戦勝みたいなもの。
けして自分が強かったわけではないのに、相手の体調不良で勝ってしまったようなものですから
くれぐれも誤解のないようにしてもらいたいと思いますね。
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コラム416 2012年12月16日
急激な変化は好ましくないが
今回の衆議院解散総選挙は多分自民党が勝利するものと思うが、そのもとになったのは
民主党のごちゃごちゃ政治だったと思う。
あいにくと、政権をとったと思いきや「3.11」に遭遇し、その対処にも素人っぽいところが露呈し
現地もいまだに復興の名に届かない地区が多すぎる。
やはり「経験・力不足」「官僚の動かし方」に精通していなかった面は隠せないと思う。
原発にしてもどこの党も即廃止のようなことを唱えているけれども、現実として施設は消えるわけ
ではなく、即危険が去るわけでもない。
気持ちとしてはわかるが「口先だけ」の即廃止は無理なのに、それをどうやってソフトランディング
させていくかがまるで抜け落ちていて一層現実から遠ざかって聞こえてしまう。
どんなにきれいな作文がかけていても、現実に避けて通れないことがたくさんある。
そのことを魔法のように切り抜けられるのかというと超人ではないのだからそれは無理というもの。
この3年間の政治で国民も大きな社会勉強をしたと思う。
いくら理想の甘いことを言っても、裏づけがなく、現時点よりも混乱することを繰り返していたのでは
「やはり、あんたではだめだ」と言われるだけで、ただ混乱を残して行っただけで何の進歩にも
なっていない。
そのことを国民はどこまで票に意思表示をするか、おおよその構図は見えてきた気がする。
それよりも何よりも、この国の借金の多さは半端じゃない。
国はそれでもインフレを目指して20兆円もさらに日銀に出させようとしている。
もう何をやっても国民の金を巻上げればいいと開き直っているように見える。
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コラム415 2012年12月15日
広告宣伝塔
ここのところ、○○ブログで売名行為のようなことが頻繁に起きているようだ。
「××オークションで格安に○○をゲットした」とかのたぐい。
実際には参加もしていないのに落札もしていないのに・・・と言うのが、あとから「どうもガサらしい」と
わかって謝罪した有名タレントやお笑い芸人がボロボロと出ている。
ある意味ではこの人たちも売る側の思惑に利用されたと言えるのだろうが、その先に誘導されてしまう
最終消費者がいるのだから、共犯者とも言える。
目先の利益で簡単に動くと選手生命を失いかねないからもっと慎重にすべきだろう。
そういえば以前にもいたなあ、「統一教会の広告塔、桜田淳子」「クッククック・・・♪」
いまはどうしているのかな、まだ広告塔やっているのかな。
「いいねえ、タ○ホーム」って、自分で住んでもいないくせに言ってた みのもんた。
「木の家って・・・」って、マンションにしか住んでいないくせに、しかもオール集成材の建物で
わかったようなことを言っていた甘味、いや 天海祐希。
いろんな企業の広告塔になっているのは彼ら(彼女ら)の商業活動だから、別にどうって
ことないのだけれど、ウソまでついて消費者を引き込もうとする行為はどうかと思う。
ま、ビールの宣伝ぐらいだったら嗜好・味覚の問題だから個人的には何の問題もないと
思うけれども、太陽光発電の吉永さんあたりになると「本当にわかっているのかな」と
勘ぐりたくなってしまう。
でも、時流から言えばこんなこと言っているのは自分だけかな。
いずれにしても、消費者側がしっかりしていて振り回されなければいいのだけれど
世の中にはそれなりにイメージで信じてしまう人もいるから問題多しというべきだろう。
そうそう、大滝さんの「おまえの話しは・・つまらん!」は名作だったなあ。
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コラム414 2012年12月14日
目視という便利な言葉
トンネル天井崩落事故も目視で済ませたといい、留置所で自殺した容疑者も目視で確認していた
と言い、いまや責任逃れのような言葉になっている。
なにせ証拠がない。
「見た」と言うだけで何の証拠もないのだから、何もやっていなくても「目視」していましたと言えば
見て確認していたことになる。いわば万能責任回避用語のようだ。
それで被害を受けた9人の方、他怪我をされた方、未解決部分が多く残り過去に前例を見ない特殊と
言うべき残虐殺人、無念を晴らせないうち消え去ってしまった容疑者の被害家族、きちんとやることを
やっていれば当然防げたものを激しい憤り以外のなにものでもないと思う。
世の中にはこのほかにも口先だけで何にもやらないことがあまりにも多いと思う。
政治家の
「全身全霊で・・・」 気持ちをこめて一生懸命・・・という感じで言っているのだろうが、当選してみれば
ヤジと居眠りの連発で、どこが全身全霊なのか。
「不退転の決意・・・」などと言ったって殺されるわけではないのだから軽々しく使ってほしくないというのが
こちらの気持ちなのですが、好きなんですねこういうのが。
口先人間の発する言葉は本当に軽い!
公正取引委員会はこれを聞いて動き出さないのでしょうか。
たとえ、言われても本人はこう弁解するのでしょうね。
「いや、私は本当に異常なしだと思っていました」
「ちゃんと目視しましたから」
「そのときはね・・・」
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コラム413 2012年12月13日
集成材はりっぱな資材だが・・・
はじめにお断りしておきますが、このコラムでは集成材についてよい評価をしておりません。
それは事実ですが、けして集成材を全面否定しているわけではありません。
集成材は小さな木片(ラミナ)から大きな製品が出来るのですから、大径木が少なくなった現在
それに代わるものとして非常に貴重な存在であります。
要は作ったものの使い方を問うているわけで、実績のないものに必要以上の期待を求めては
何事かあったときには取り返しのつかないことになると、ある意味、警告のような意味合いで
情報発信をしているわけです。
あってはならないことが起きたというのが、接着剤の劣化と判明したトンネル事故です。
あれはまさに接着剤への過信であり、用法を間違っていました。設計者の責任は重いでしょう。
しかし、事故が起きてから10日も経つというのに、メインで使っている住宅メーカー・地域ビルダーも
シーンとしたもので何も危険情報を出していません。
もちろん、その部材を認定した国でさえも「だんまり」を決め込んでいます。
これで、どこからか突っ込まれたとしても「事故が起きていないのだから答えられない」の一言で
済ませてしまうのでしょう。
そのほかに考えられるのは「トンネル事故と住宅を一緒に考えるのはいかがなものか」とか・・・
この国の悪いところは一度にたくさんの犠牲者が出ないと動かないということです。
それは過去の公害問題でもそうでした。水俣も足利銅山もアスベストもすべて共通します。
繰り返しますが
この結果が出るまでは生きていません、見とどけられません。
残念ですが。
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コラム412 2012年12月11日
この期に及んでもまだ・・
こんな田舎だと選挙カーもめったに来ないが、来れば来たでこれまたうるさい。
ほとんどの党が原発の即時廃炉または段階的廃炉を叫んでいますが、現実には
電力不足でバスっと停電したらブーブー言う人が必ず出てくるのでしょう。
家庭用ならまだしも業務で絶対不可欠なところなら企業生命にかかわる一大事になります。
池上さんの解説で選挙演説は止まってやらなければいけない決まりがあるとは知りませんでしたが
それのどこを聞いても原発プラス消費税反対、TPP反対とその裏側の政策を裏付ける資金的な
根拠がまるで出てきません。
これでは「票とり」のアメばかりでますます信憑性がないと言っていることと同じです。
出来ないことを並べ立てて・・・と野党が言っていたが自分たちのほうこそ出来ないことを並べ立てて
ばかりです。まるで信じられません。
すでに1000兆円を超している国の借金は、ネットの借金時計でも驚異的なスピードで数字が増えて
いっています。
このことが議論されるまたは選挙のポイントとして前に出している政党はゼロです。
一家に例えれば、とっくに破産申請を出している金額になっているのに、まだ消費者金融から
借りてきてお金を使ってもっといい生活をしようと声を高らげている家人のようです。
ちょっと前まで与党をやっていた人は日銀まで囲い込んで、とにかく金を動かせとやっています。
こうなるともう末期症状も良いとこで、産業構造は何一つ変わっていないのにジャブジャブお金漬けに
するとなると、喜ぶのは投機筋だけということになります。
なぜ日本の製造業・産業が消えていったのか、それはかつてのアメリカを追い越せとやっていた
日本の姿であるのに、それを言う人は誰もいません。
自由経済でコストが高くなった国よりは安価なところへシフトしようと少しづつ変身してきた企業の
動きにも気付かず、まだ金だけ世の中に出せばうまくいくはずだと思っているノー天気な人がいる
のです。
もうそろそろ一家の家計を立て直そうと言う人が出てきてもおかしくないのですが、貧乏くじを引くのは
誰も嫌いなようで、行き着くところまで行かないとこの国は治まらないようです。
つまり、債務不履行です。預貯金は全部なくなるでしょう。
だって、預金しておいた銀行がほとんど国債を握っているんですから。
私は国債を買うお金もありませんからその一点では被害はまぬがれますが、ほかに巡りめぐって
何かが来るでしょう.
だから今から自給自足の生活を確立しておく以外に自己防衛はなさそうです。
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コラム411 2012年12月04日
30、40、50年後の不安
つい2日前、中央自動車道笹子トンネルで天井崩落事故があり、9人の方が巻き添えをくい
何の落ち度もないのに命を落しました。間一髪で逃げ切れたNHK記者の方と、奇跡的に助かった
銀行員の女性の方は、この事故のPTSDを引きずることは想像にかたくありません。
人間の作ったものに対しての過信が検査を怠り、あってはならない事故を引き起こしたことは
どんなに謝罪しても取り返しはつかないことです。
「起きてみれば・・・」「結果として・・・」であれば、劣化・変形を見逃してきたことは明らかであり、
このことは、つい最近にあった「原発メルトダウン」と同じであります。
このコラムで何度も書いている「構造体に使っている集成材」も同じ運命になると思っています。
初期強度がどうの・・・、寸法精度がどうのと言われても、長期実績のないものが構造体に
使われていることに何の疑問も抱かないのでは、笹子トンネル事故の二の舞を示しているような
ものです。
確かに現在の接着技術は向上しました。初期のものとは格段の差を感じます。
しかし、いくらその性能がアップしても限界はあるはずです。
そこを誰も疑わないというのは「原発事故」「トンネル事故」と変わらないことです。
いま、住宅に使われている構造体はハウスメーカー・地域ビルダー・一般工務店も含めて
流行の先端を行っているかのように使われています。そのほとんどが「見えない部分」に
使われていて、とてもとても建て主が自主管理できるような仕組みにはなっていません。
信じて疑わないというのは「何もなければ・・」が前提で、劣化したらどうなるというのは
最初からそのメカニズムを知っている製造者なら永久にもつなどということは、間違っても
言えないはずです。
それでもビジネスだから売っていかなければというのは、完全なる「未必の故意」にあたります。
大手ハウスメーカーが使っているから、たくさん建てているビルダーが使っているから・・・などと
いうものなど、アテになりません。
いま、事故が起きていないこの時点で争っても結果が出ていないのですから、悪い言い方をすれば
「言いがかり」ともとれます。
しかし、40年、50年先にはどこかで誰かが被害に遭うことになるでしょう。
その時点で、「ああ、あの人が言っていたな」となっても「時すでに遅し」になります。
私は今、62歳です。
この結果が出るまでは生きていません。
しかし、将来を考えたら怖くて売れません。
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コラム410 2012年12月01日
師走
今年はエルニーニョがおさまった関係で冬の厳しさがかなりのものになるとのことでした。
こうなると、どこが温暖化で何が原因で起こったのかまるで説得力に欠けることになります。
私の予想も、人間が吐き出すCo2とかの問題ではないと思っていますが何ともいえません。
氷河期でさえ何が原因だったのかわかっていないと思います。
たいした根拠もないのに「Co2 25%削減」と言って、かき回すだけかき回して何もやらず政界を
去っていった人もいました。
さきほど、茨城県ひたちなか市でもみぞれが降りました。
今日の予報は曇りのち晴れだったのですけれど、見事に外れました。
こういう時って、日本海側は意外と晴れているようで、ネットのライブカメラでも山の峠以外は
割と良い天気になっていました。
狭い日本と言いながら山一つ隔てて反対の天気になるのですからやはり広いですね。
秋のないまま冬になってしまったような季節感ですが、被災地は二度目の冬を経験しようとして
います。
はるばる1000km以上離れた九州から20時間車を運転して1470個のショートケーキを届けようと
している人がいるそうです。
こういう話を聞くと今の政治家に「選挙なんかやっている場合か」と言いたくなりますが、所詮
彼らには「票」しかないみたいですから、これからも民間の力しかアテに出来ないだろうことを
我々は認識すべきであると感じます。
住宅も来年の4月から一段階消費税がアップするのを狙って、駆け込み需要をいかに取り込むかが
争われているようです。これから家を建てようとする方には「あわてず、あせらずに」と言いつつ
何が自分のためなのかを判断していってもらいたいと思います。
お金はないけれども心の温まるニュースが増えていって欲しいと思います。
ショートケーキの人に拍手!!
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コラム409 2012年11月30日
会頭・解凍・解党・解答
一昨日に「国民の生活が・・・」と書いたら、もう解党して「日本未来の党」に合流するのだとか。
何と変わり身の早いことか。
それにしても、どこの「党首討論」を聞いても原発のことしか言いませんね。
沖縄とか、議員定数削減、尖閣、拉致の問題はどこかへ行ってしまったようです。
中国にしても北朝鮮にしても、国内がバタバタしているのをチャンスと見て次々と国益を
広げる作戦を展開しています。
中国は「ハワイも中国の領土だと発言できる」と言い出す始末。
その点、アメリカはピシッとしていますね。
「出るところへ出て決着をつける」と反論しましたから。
いよいよ世界の国が中国に嫌気が差して手を引き始める時期が来たようです。
しかし、その次の展開を考えたとき、その引越し先がまた中国と同じような問題を
言い出し、次の摩擦になるのではないかという心配もないではありません。
いずれにしても、世界はどんどん動いているのに日本の国だけが止まったままで
もしろ後退しているともいえる状況では、米国の力なしには国情の安定はままなりません。
北朝鮮もまたテポドンを打ち上げるらしいです。
失敗して海へポチャっているうちはいいですけど、本当に国内に届いてしまったらこれは
一大事です。
選挙どころではありません。
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コラム408 2012年11月27日
空々しい党名
この欄ではあまり政治的なことは書きたくないのですが、どうも肌に合わないことがあって
聞くたびに不快感を増幅させています。
今回の解散総選挙では14もの政党がひしめくそうですが、とても全部の名前は並べられない
でしょう。
一応上から言えば民主、自民、公明、国民新党、維新、・・・ああ、もうわからない。
わからないけど、「国民の生活が何とか・・・」という馬鹿にした名前があり、これは書けます。
竹下・金丸などの金権政治家のもとで育った彼は、集金技術は立派なもので、やわらチャンまで
イエスウーマンとして挙手役に起用してしまいました。
でも、世の中は結構冷めていて「もう彼の時代は終わった」と考えているのではないでしょうか。
私は少なくともそう感じています。
原発の直後には逃げ回っていたとか、もらった魚は全部捨てさせたとか、水を買い集めさせたとか
いろいろ言われていますが、煙のもくもく立っている場所にいるのですから限りなく灰色だと思うの
ですが。
それにしても民主を離れるのが、公約違反だからマニフェストに約束しておきながら実行しないのは
国民への裏切りだとか、いろいろ自分の考えを発信しているようですが、この期に及んで・・・
これだけ借金があって、どうやっても返せない状態にまでしておいて「公約違反」はないでしょう。
それをずっとやってきたのは、まさにご本人の時代にどんどん借金漬けにしてきたのでしょうが。
それでも公約違反といってはばからない。それでも筋が通っっているからと威張れることですかね。
いくら政権をとりたいからといって、出来もしないことを掲げて、より以上に借金で押し通す・・・
そんなことが出来る事情ではないはずですが、野党に下ったゲリピー総裁も日銀に国債を買わせて
景気を回復させて・・・と言っていますから、もうこの国は末期症状が出ています。
せめて、1人一億もかかる議員定数を半分に減らそうとか、借金返済計画を立てようとかいう党は
ないのでしょうか。
小選挙区で地元の支持さえ得られれば「国会議員」になれてしまう今の制度がなくならない限り
永久に日本の政治レベルがあがることはないでしょうね。 残念ですが。
もう「自分の生活が第一」と名前を変えてしまったほうがピッタリだと思います。
実際そうなんだから。
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コラム407 2012年11月26日
農林水産物
どうして住宅(正確に言えば山の木)が農林水産省の管轄なのか不思議に思っていました。
「住まい」としての住宅は、いまは国土交通省という組織に入っていますが、これも何か不自然に
思います。
もっと範囲を広げれば、室内の空気環境は厚生省に引っ掛かってくるので、この国はどこから
どこまでを住宅と考えているのでしょうか。その辺が良くわかりません。
資本主義・自由経済の国に対して社会主義・共産主義の国がありますが、我々は前者に属して
いるため、直接的にものの需給バランスの影響を受けて生活しています。
そのため、どこかの人がAというものを高値で買うと言えばその値段は上昇します。
反対に誰も買い手がいなければ下がります。同じものなのに高かったり安かったり上下するのが
当たり前だと世の中の人も思っています。
「ある物」を作るのにかかる手間・知恵・設備費はその質によって多少の差はあるものの
製作原価は固定的なものです。
それでも、「市場性」があるかないかでその製造原価がいくらだから下回れないということには
なりません。
いま、農産物で白菜が非常に安いです。
昨日家人がスーパーで買ってきた値段を聞いてびっくりしました。
「大玉で実がしっかりしていて重くて、100円しないで買えるのよ」と言っていました。
確かにお買い得なのでしょうけれど、作る側から言えば「泣き」でしょう。
似ていることは魚にも言えますし、林業にも言えます。
固定経費は海でも山でも同じようにかかります。しかし、そこに「市場」という需給関係がかかわる
だけで、経費うんぬんの考えは吹き飛んでしまうのですから資本主義の構造は残酷です。
いま、我々の世界でもこの渦に巻き込まれています。
合板がその良い例です。
合板といっても、住宅に使われるものとコンクリート工事に使われる型枠用というものがあります。
後者はほとんどがインドネシアや南方から輸入されてきます。
住宅用の合板というのは以前はロシア産唐松、今は国内の杉・唐松などを使ったものが多く、
まだまだ「国産」の比率が高いものです。
その住宅用構造合板が震災後は狂乱物価のように需給が逼迫しました。
メーカー・商社が空前の利益を上げたと業界紙に書かれていましたが、今では供給体制も復旧して
需要よりも供給のほうが多くなり、値段がガタガタになり、つられて商社関係の決算も当時の利益を
吐き出している状態です。
メーカー側が生産調整をすると言っても、一社なら簡単ですが、競争の世界で何社もあれば足並みは
揃いません。作る側の都合もあり、一律に何%の減産と言ってもすべての工場が右へならえ出来る
わけではなく、ぴしっとまとまったことはありません。
野菜の安値に、ついどこの世界も同じだなと思った次第です。
物は高きに流れ、水は低きに流れる・・・需要があればの話しですが。
妙に説得力があります。
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コラム406 2012年11月24日
鹿島宇宙技術センター見学
昨日、茨城県鹿嶋市平井にある独立行政法人情報通信研究機構というところに行ってきました。
巨大なパラボラアンテナがあったので迷うことなく行き着けました。
宇宙の地球も含めたたくさんの星の情報を集めている・・・という説明でしたが、やっていることが
かなり高度で素人の私には一部わかったような大部分わからないような感じでした。
直径34mもあるパラボラアンテナは圧巻でしたが、小さな子供を主体にしたイベントなのか
私には動き回る元気な子供たちに圧倒されてじっくりと観測装置などを見るという雰囲気では
ありませんでした。
FMかしまのレポーターも来ていて、「太陽の音」というものに興味を示していて、係りの人に
いろいろ質問していました。
私もそのあと、続いていくつかの質問をして見ましたが、あいにく専門の方ではないようで
小金井のほうならお答えできる人がいるんですけどねえ・・・と言われてしまいました。
いまは宇宙天気予報もネットで見られる時代ですので、常々興味を持ってみています。
その中で太陽の自転のこと、フレアのこと、領域のこと、磁気のことについてなど聞いて
みたかったのですが、残念でした。
どちらかというと「おたくっぽい」感じがしたのですが、めったに見られない施設なので
思い切って参加してみましたが、規模が宇宙というだけあってさすがという感じでした。
今では土地(ある地点)間のきょりを測るのに衛星を使っているとのことで、どこどこの距離が
3cm縮まったとか言われるのはこういう設備があるから可能なのですね。
この宇宙各所(正確には赤道上とか言ってました)に静止衛星というものが370個もあるそうで
中には寿命が尽きて現役を退くものが出るそうです。
となると、宇宙ゴミとなり、そのままでは他の衛星に不都合が出る場合もあるので、また一回り
外の軌道へ移すのだそうです。
それを「墓場軌道」と言っているとか・・・、呼び方がおもしろいですね。
あとがき
こういう施設に来る人たちって、みんな頭の良さそうな人ばかりですねえ。
若い子供連れの家族なんて、奥さんもいろいろ積極的に質問していましたから。
ああ、うちの場合とは違うなあって思いました。
私は「行こう」と誘ったのですけれど最初から断わられましたから。
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コラム405 2012年11月21日
集成材の良し悪し
いつも、コラムでは集成材の悪口ばかり書いているように思われるけれどもそうではありません。
集成材は人が考え出した木材の有効利用アイディアとしては素晴らしいものです。
例えば、住宅のキッチン前に付けるカウンター、これはけっこう巾が必要で50cmくらいないと
役に立ちません。
このカウンターを日本全国の年間建築数の半分の人がつけるとしたら20万枚は必要です。
これをムク材でそろえるとなると資源的に不可能です。
しかし、集成材なら容易に揃えることが出来ます。
小さな木片から巾の広い板や角が作れるのですからすばらしいことだと思います。
接着技術も当初のものから見れば数段良くなっており崩壊するまでの寿命も伸びました。
しかしながら、どれだけ優秀になったと言ってもムク材との比較では問題外です。
絶対的にムク材に勝てないということは使ってはいけない場所も出てくるはずです。
それが構造用の本体です。
目に見えないところで劣化が進むというのは怖いことです。たとえ解体するまでの実績が
出来たとしても、何事もない保証はなく、いつ大きな地震でぐらっとやられるかわからない
のです。
製品を作ったときの初期強度がどこまであるのか、解体するときまで毅然としていなければ
ならない構造体がはたしてその役目を全うできるのか。未来形なのですから誰にもわかりません。
「大丈夫です」と言っているのは製造メーカーとハウスメーカーだけです。
上記のように見える部分のカウンターなどは確認しながら生活できます。しかし、見えないところを
どうやって調べるのか、そのような作りになっていないのですから無謀と言えば無謀です。
適材適所とは簡単に言えますが、いちばんそれに反しているのがこれらではないでしょうか。
人それぞれに考え方・解釈は違っても、現場で劣化するしていくものは理論とは関係なく
現実として進んでいきます。そういう場所に命を預けていてよいのでしょうか。
一通りの説明を受けた建て主さんなら「それは絶対いやだ」というでしょう。
抜け落ちているのはその部分です。
赤信号、みんなで渡れば怖くない。
でも、青信号でダンプが突っ込んできたら大勢が死にます。
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コラム404 2012年11月20日
確実に儲かる保険
今の建築ではすべての建物が建築基準法に沿った決め事で建てなければなりません。
そして、瑕疵担保責任保険というものにも加入しなければなりません。
全国どこでこれらをやろうとしても公平に遵守しこの保険料を納めることになります。
形上では業者が加入することが義務ですが、業者が保険料を支払うということは、間接的に
建て主さんが費用負担していることと同じことになります。
それはさておき
ただ、みなさんはこの瑕疵担保責任保険を万能保険だと思っている人がいます。
瑕疵(建てる側の落ち度)であれば何でもカバーできるものと思っているのです。
しかし、この保険は極限定的なもので、構造体の欠陥と雨漏りだけという二項目しか
カバーしません。
構造体というのですから、造作の部分、つまり外装・内装関係は範囲外だということです
外壁材がかびても黒いしみができても範囲外。内装材が剥がれても色あせても範囲外。
床がぶよぶよになっても保険は適応されません。
構造体というのは、建てるときはゴロゴロ見えます。目視で異常欠陥がなければ検査は
OKです。
最初から重みに耐えられないような構造材は使いません。
日割れに関しても細かいものは特に指摘されません。
集成材に関してはメーカーのシールも貼ってあるし、ほとんど割れはないし、寸法は正確だし
初期欠点は皆無です。もちろん、10年で剥がれるなどの製品はほぼ100%ありません。
そんな中で、なぜ瑕疵担保・・・が出来たのか理解できません。
可能性としては、雨漏りの比重が高いのかなともとも感じますが、こちらも確率は低いものです。
この雨漏りも、複雑な入り隅屋根、入り組んだベランダなどの取り合いがなければ、防水紙の
性能も良く出来ており、常識的にクレームは起こりません。
不良施工が行なわれる可能性はゼロではありませんが、ほとんどないものに何故保険制度
なのでしょう。
それは、ほとんど起きないから保険を受ける側は確実に儲かるからなのです。
大儀としては「消費者を守る」とお題目が掲げられるので反対する人はいません。
いないけれども、保険制度にしてまで消費者を守らなければ社会問題になるのかというと
そんなことはありません。最初にプロならわかっていることなのです。
そのために何回も検査しているのですから。
食べ物の食中毒なら即営業停止になりますが、瑕疵担保の場合はもちろん施工責任はありますが
業者は即抹消されるわけではありません。
だれも被害者が出ることなく、誤解されたまま保険料だけが組織に吸い上がって行きます。
たった10年のためにここまでやらせる必要はあるのでしょうか。
法律を作らせた誰かさんだけがほくそえんでいることでしょう。
何しろ10年経てば無罪放免ですから。
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コラム403 2012年11月19日
集成材の質、うんぬん・・・
私は特に集成材を嫌っているわけでもなく、むしろ優れた点もあると認識しています。
それはそれとしてですが、
適材適所という点から見れば判断が違ってくると思っているだけです。
以前に、秋田県大館市の樹海ドームを見学しましたが、それはそれは「すごいっ」の一言でした。
そのときは少年野球をやっていましたが、4面くらい同時に使っていました。
ドームというくらいですから、かなり大きなもので東京ドームと肩を並べるくらい、いやそれ以上
だったかもしれません。
その屋根を形作っている部材は遠くから見ればなかなか実感はわきませんが、近づいてみれば
それはそれは大きな梁(はり)で組まれていました。継ぎ手は金属製のものでした。
それらの1丁1丁が、小さな部材から人の背丈に近いほどの梁になるように作ってしまう人間の
知恵は本当に素晴らしいものだと思ったのです。
ただし、このドームは部材が全部露出していて、劣化の様子も目視できる特別なものです。
一般の住宅はこうではありません。特に今の建築を見るとほとんどが隠れてしまい、完成した
時には内装材しか見えないというのが現実です。
この差は大きいと思っています。
片方では、目に見え、管理が出来る・・・劣化具合も目で見てわかる・・・
ある意味、観察しながら使っていけるわけです。
しかも、夜の寝起きはしていない。
一方、住宅の世界では100%近く隠れてしまい、意図的に解体あるいはリフォームするときでも
なければ、その経過すら見えないわけです。
夜も寝起きするし、何より滞在時間が長い。
一般的には集成材の危険性を問うている人は皆無です。
初期の頃などは強度が1.5倍とかムク材より強いとか言われました。
今は、それを言う業者・メーカーはほとんどいません。
自分が不利になることがわかっているから言わないのか、PRが行き届いたから言わないのか。
いずれにしても、集成材を100%使っていてもそれを特に宣伝しているというのは見ません。
長期優良住宅でも堂々と使えるし、法律違反でも何でもありませんから、文句を言われる筋では
ないのでしょう。
しかし、中身を知っていたら、本当に自分でもやるかと言われれば、「ノー」と言わざるを得ません。
太陽光発電を乗せた部落内の住宅も集成材をたっぷり使って高品質と謳っています。
建て主さんから見れば、せめてローンが終わるまでは持ちこたえて欲しいと思っているところでしょう。
でも、今の事情からすると50年、いや30年ですら危ういところだと思います。
結局は25年で壊すパターンは何も変わっていないのです。
構造体の欠陥が出ても、10年過ぎればそれっきりですから・・・、ハイ。
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コラム402 2012年11月17日
太陽光発電が載りました
9/12既報の部落内の住宅、その後が気になっています。
しばらく、1人作業が続いていましたが、屋根の上を見ると太陽光発電が設置されていました。
この現場の屋根は切り妻式の総二階、建築効率が良い反面屋根面積が割りと小さいです。
規模としては3kw弱でしょうか。
予想通り「やはり・・・」でした。
金額は約200万円ほどだと推測します。
石こうボードを大量に使ったローコスト住宅を求めておいて「太陽光発電」ですか。
ま、好き好きですけど・・・
200万円も予算をかけるならいろいろなところがグレードアップできるのになあと、しみじみ
思ってしまいます。
まず、このタイプの家なら構造体価格で2軒分に当たります。
太陽光発電設備で、あと2軒の家の骨組みが建てられるということです。
外装も
屋根(軒)も出せるんです。庇もつけられます。
雨戸・格子だって付けられます。
外周の犬走りコンクリートだって打てるんです。
基礎だって高く出来るんです。
内装材も
たっぷりムク材と塗り壁を使い、新建材・合板を使わない家が出来るんです。
化学物質を出さない健康な室内を作ることが出来るんです。
15〜20年でダメになるような床材を使わなくて済むのです。
24時間換気なんて必要のない居室が出来るんです。
それでも「おつり」がきます。
それでも、
「エコ住宅」なんでしょうなあ。
「ゼロエネルギー住宅」と信じているんでしょうなあ。
「環境に良いことをしている」と思っているのでしょうなあ。
間もなく完成し、見学会が行なわれるものと思います。
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コラム401 2012年11月16日
刑務所のショベルカー
この国の予算を組む人、要求する人の頭は壊れているのか。
まだまだ災害復旧もままならないのに、復興予算の使い道として刑務所でショベルカーを購入し
受刑者たちの社会復帰訓練に使うという主旨らしい。
これが国の将来を考えての平時の予算ならまだわかるが、復興予算の請求をするにあたりの
考えとして恥ずかしくないのだろうか。いったい、こういう請求をどこの誰がするのだろうか。
政治もアホが多いが、これらの要求をする各省の担当者は何を考えているのだろうか。
入省するときは「国民のために一生懸命頑張ります」と抱負を語った人物なのだろう。
何年かすると自分のところにだけ予算を引っ張ってくる「ただの駄々っ子」になってしまうのだろうか。
これではただの予算分捕り屋だ。
受刑者に対し、ショベルカーで訓練し、復興に役立てるというのは作文的にはツジツマが合うかも
しれないが、今、現地で困っている人のために何が優先で行なわれるべきかを考えられないのだ
ろうか。
一般家庭で言えば
破産状態にある家計の中で、「僕の将来のためにはこれだけ教育費用がかかるから」と
お金を出せと要求しているどうしようもないバカ息子と同じみたいだ。
もっとまわりを見ろ!
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コラム400 2012年11月15日
選挙なんかしてる場合か・・・
いつも本筋から離れてしまい恐縮です。
ただ、今の日本はメチャクチャで、特に政治は「救いようがないくらいアホが・・」と言わずには
いられません。
1000兆円以上も借金があり、震災で復興もほとんど出来ていないのに、原発問題も解決して
いないのに、それでも「国民の信を問う」なんてやっているんですから、もう話しになりません。
結局、この人たちには選挙しか頭にないんですね。
こんなことばっかりやっているから、隣国からもバカにされ、アメリカからも大臣の名前が覚え
られないなどと言われるんです。拉致問題だって交渉相手がコロコロ変わるんだから向うさんに
してみれば、ただ眺めているうちにまた変わったで終わりになってしまうんですよ。
定数是正と言ったって、5つやそこらの数で解決などしないのに、何を考えているんでしょう。
国会議員なのに小さな選挙区の候補者しか投票出来ないというのもバカにした話です。
まるで県会議員・市会議員のレベルでしかありません。
いまの体たらくなら数は半分で充分です。人口比率からいっても議員数が多すぎです。
こんな数字にしてきたのは「どこかの野党」でしょう。
野に下ったのならもっとマシな答弁と国のために何をすべきかを訴えていかなければ
到底、復帰などは無理というものです。
書くのもイヤになるくらい、「あなた方、それしかないのか」と毎日ブツブツ文句言っています。
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コラム399 2012年11月14日
あの「日本直販」が・・・
TVショッピングで名前の知れた「日本直販」が民事再生を申請しました。
S60年頃からと言いますから日本の高度成長のど真ん中にあった時代からの会社です。
ピークでは525億円の売上が昨年は256億円まで下がり、在庫過多で業務圧迫となり
今回の手続きのなったと書かれております。
私はてっきり、こういうTVショッピングなどの直販とは売れた分だけの手数料収入なのだと
思っていました。
我々の世界で言えば木材市場の取引高に応じた手数料収入みたいなものかと。
一番印象に残っているのが「高枝切りハサミ」ですね。
ああいう「ヒット商品」が最近出ていないのと、ネット販売に押されてきてジリ貧になったのが
主なる原因であると言われています。
負債額が174億円といいますから、昨年の年商の半分は未払いということになりますが
ここまで規模が大きい会社はキャッシュフローがプラスであれば未払い金はあっても不渡りには
ならないはずですから、納入先が協力してくれれば倒産には至らないはずです。
(何も悪いことをしていなければの話しで)
実際には在庫の水増し、粉飾決算も行なわれていたということで、これ以上続けられないと
多分銀行筋が動いていたのだと思います。
粉飾決算となれば、当然のように取締役はその事実を知っていたわけですから「善意」では
ないわけで、それで民事再生というのもおかしな話だと思います。
これは経営者が代わる会社更生法の適用ということになるのではないかと思いますが、
ここにも裏があるような気がします。
やはり、企業30年寿命説というのは正しいのでしょうか。
いやいや、うちはこの会社の200分の1しかありませんけれど、62年続いていますから
大小に関係なく経済の呼吸に合わせていくことが大事なのだと思います。
さ、そんなことより仕事仕事!
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コラム398 2012年11月13日
集成材の破壊実験
以前、たしか2008年だったと思いますが、つくばの森林総合研究所というところで、集成材の
引っ張り試験の実験公開がありました。
私も非常に興味があったので参加見学しました。
そのときの撮影したものがありますので下記に参考までに掲載します。
青い色が実験装置で値段がたしか6千万円したと聞いた記憶があります。
実験体は薄っぺらに見えますが左上の人間と比べれば12cm厚みであることが納得できます。
このときは引っ張り実験でしたから、両サイドを挟んで引っ張りました。右写真は実験後の
破壊された試験体です。破壊部分を赤ペンでなぞってあります。
良く見ると集成材の個々の部分をつなぎ合わせた所ではなく木材の本体部分が破壊されて
いました。
このとき、製造者は接着部分が破壊されなくて良かったと胸をなでおろしたことと思います。
当然、「集成材の接着力」がハイレベルであると証明されたと思ったでしょう。
私は傍らでこれを見ていて「すごいっ」と思いましたが、一つ疑問も持ちました。
それは、この試験体が新品だということです。
劣化していないものの試験であることでした。
そこで、この実験の責任者の方に質問しました。
「この実験は確かに一般では出来ない設備で、試験できることはすばらしいことだと思います」
「ただ、この試験体は新品での実験で25年30年経過したものではないと思います」
「そちらのほうの実験はやったことがあるのでしょうか」
すると
「そういった経過したものの実験はやったことはありません」
との返答でした。
これを皆さんはどう受け止めるかですが・・・、
確かに新しいもののデータは必要だと思いますが、集成材に関しては30年40年50年と経過した
ものの実験こそが大事なのではないかと私は思うのです。
とは言うものの、25年も30年も待てる企業はありませんから「新品時のデータ」でよいことに
してしまうのでしょう。
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コラム397 2012年11月12日
中身は変わらない、むしろ・・・
いまや住宅は「ゼロエネルギー」「スマートハウス」「長期優良」と煽られています。
しかし、その中身は貧弱そのものでとても胸を張れるものではありません。
この中には「一次エネルギー」という言葉が良く出てくるのですが、これがよくわかりません。
家の中で使う電気・ガスなどを指すのだと思いますが、これらが限りなくゼロに近くなることを目指す
というような文面が書かれています。 このこと自体が「まゆつば」ものです。
自分の敷地内での計算上はゼロだと言っても、設備をどこかで作ってすでに消費してしまった
エネルギーがあるはずで、それはノーカウントではつじつまがあわないというものです。
商品や設備はどこかで集中して作るから効率が上がり単位あたりの値段もやすくなります。
それを個人でやったら逆のことをやるわけですからコストなど下がるはずがありません。
これこそ、反エコです。
現在はほんの一部を除いてほとんどの原発はとまっています。その分を火力で補っているの
ですから、排気ガスに例えて言えば、個々に吐き出す分を一箇所で集中して出しているにすぎません。
太陽光発電がどこで作られようが地球のどこかで化石燃料を使い製造され、化石燃料で運ばれ
ているのですから、金魚が水槽の隅にいってウンチをしたようなもので水が汚れるのは同じです。
それらをすべてどこかに置き去りにしておいてゼロエネルギーはないでしょう。
ITでコントロールすることが本当に良いことなのか、部分的な狭い範囲だけの計算などアテに
なりません。
長期優良住宅の定義も当たり前のことを並べて、さも新しい取り組みのようなイメージをだして
いますが、一つ一つを見れば今までのことを書き並べただけでしかありません。
それに表現がどうにでもとれるようなあいまいなものでしかありません。
むしろ、その中身は長期にふさわしくないものが増えていて、看板倒れのところがあるように
感じます。
その第一は「集成材・合板類の多用」です。
名前だけは長期優良なのに長期の実績もない構造用集成材が使われていて、本当に長期に
ふさわしいものなのか結果も出ていないのに国はそれを認可しています。
これはけして「集成材・合板」を否定しているわけではありません。いずれも各所の足りないところを
補った優秀な建材です。問題はそれをどこに使うかだと思います。
人間の命は何よりも重いと言われながら、不安の残る部分を見ないで構造体という「命を預かる」
部分に使ってしまう配慮のないところだと思うのです。
たしかに作った人は自信を持っているかもしれませんが、疑わず使った人は住宅を壊すまで
しっかりしているものだと思っています。これは当然のことです。
しかし、見方を変えればどこまでもつのかがわからないのですから、一種の「賭け」になると思います。
そんな気持ちで家を建てる人などいません。その先を知らされていないからわからないだけです。
別にとりたてて不安をあおろうという気持ちはありませんが、危険か安全かの区別はしておかないと
やがて自分に降りかかってくることですから対岸の火事では済まされないのです。
今の建物は一見して進化したように見えますが、実は中身はどんどん不安定要素の多い素材に
変わって行き、コストを下げることに懸命になり、全体性能は逆に退化しています。
名前だけは「エコ住宅・ゼロエネルギー・スマートハウス・長期優良」と言われていますが、
中身はやはり25年で壊さなければならないような貧弱なものになってきています。
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コラム396 2012年11月06日
薪の宅配サービス
本日の日刊木材新聞に出ていた記事なのですが、震災以来ライフライン寸断の緊急事態を
受け、生活手段の確保のため薪ストーブを導入される方が多いそうです。
ガス・電気の不足があっても薪が燃やせれば煮炊きは出来る暖はとれるということが
一番の要因だということです。
問題は薪の調達です。
田舎の地区なら近所からの調達も難しくはないでしょうが、町場となればそうもいきません。
そこで、手間がかからず薪が調達できるシステムを考えた会社があります。
要約すると「富山の置き薬」方式です。
契約者には一定の大きさの薪入れ棚(小型ラック)を貸してくれる。
そこには定量に積まれた薪が入っていて、燃やして減った分の薪を定期巡回の人がチェックして
補充していく。そして、使った分だけ銀行引き落としで精算する仕組みになっている。
薪はセンターで完全乾燥させたものだけ宅配されるから利用者はすぐに燃やせて使うことが
出来るようになっている。
針葉樹がひと束250円、広葉樹が400円 ほかに月の基本料が会員(この店でストーブを購入した人)
が500円、一般が1000円。
入会金は会員3000円、一般は10,000円となっている。
ひと束の大きさは24cmくらいの長さで30cmの太さと想像すればいいでしょう。
これらが長野・東北地方では一冬に300から400束ぐらい使用するそうで、75,000から100,000円
くらいになるとのこと。
灯油換算ではリッター80円で計算すればほぼ同額になるということです。
寒いところの人たちは温暖なところに住んでいる我々と違って、暖房費がかかるのですね。
この仕組みを考えた人はえらいですね。
うちでも、工場から出る端材で薪を作っていますが、ビジネスとして成り立つような量ではありません
から、せいぜい自家消費出来る程度のもので足元にも及びません。ハイ
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コラム395 2012年11月05日
<G20>の日銀対応
財務省・中央銀行総裁会議がメキシコで開かれたそうですが、今の経済状況を見ると
日銀がどうのと動いても何も変わらないというのが世界の見方だと思います。
先日の金融緩和11兆円もそうでしたが、すでにここまで来ると国が動いても日銀が動いても
砂漠に水をまくように効き目なしであるのは明白です。
それでもこの人たちは経済の活性化だの景気の下支えだの的外れなことばかり言っています。
その11兆円の行方ですが、結局は肝心の畑に水は行かず投機筋の世界へ吸い込まれていく
だけで終わると思います。
金の流れの順番では日銀から銀行に行ったとしても、銀行は貸出には回さず、現状比較的楽に
金利が稼げる国債に流れます。
結局は、ウチデノコズチ方式で日本政府が国債をバカバカ発行し、銀行がそれを買い、現金に
換え、財布の金が足らない分を国民の預金から調達しているようなものです。
そして、国債が償還できなくなったら白旗をあげてしまえばいいわけですから、気分は楽チンです。
一方で銀行は国債がダメになったら預金者の払い戻しが出来なくなりましたと言い訳すれば
よいのですから痛くも痒くもありません。
1000万円保護と言われても、肝心の日本政府がおじゃんになるのですから、所詮あてにはならず
気休めにしかなりません。
国としては本当にインフレが起これば見かけ上の借金が軽くなりますからラッキーですが、今の世界
情勢から言えばその可能性は低いと思います。
それよりももっと将来を見据えて、世界に勝てる民間産業の先行投資に回したほうがよほど効果が
あると考えます。
そもそも、銀行が将来の先行投資的な研究機関や企業に金を回すための眼力がないのですから
いくら水を上流から流しても目的の水路から離れていってしまい、肝心のため池にはいくら待っていても
一滴も流れ込まないでしょう。
人間、楽なほうへ楽なほうへ行きたがりますが、銀行が見抜く力がないのも例外ではないようです。
何の冒険もせず国債を国民の貯金で買っていればよいのですから、国内産業の景気回復など
一生待っていても金は回って来ず夢の夢です。
1000兆円を超える借金はこの先どこまで行けば「異常」と感じられるのでしょうか。
日銀総裁も一度、作業服を着てハローワークに行ってみると現実がわかるかも知れません。
G20よりもよほど社会勉強になるはずです。
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コラム394 2012年11月01日
とらぬたぬきの何とか・・・A
昨日の続きですが、家庭で設置する場合はどうなのかをもう一度計算してみます。
3kwの太陽光発電設備を取り付けたとして
計算基準@ 一年を通じて冬至・夏至を平均し一日12時間の昼間日照とします。
朝のゼロから昼のピークまでを、さらに日没までの放物線の図形を
平均化すると約6割になります。
答え21.6kw 3kw×12時間×0.6=21.6kw 快晴時の一日の発電量
歩留まり比率A 快晴を10割発電とし、天気実績から4日に1日の快晴割合
曇りは4日に2日の割合で3割発電
雨は4日に一日降るとし、その発電量割合は快晴時の1割とします。
答え0.42 歩留まり定数
変換ロス 直流を交流に変換するときの電気的消費 0.9
計算式 21.6kw×0.42×365日×0.9=2980kw (一日の総発電量は8.16kw)
一般家庭の場合、「余剰電力の売電方式」になるから
その家庭ごとに消費電力の数値が違うから比較計算することは難しい。
月に10,000円の電気量を払う家ではkwあたり平均22円として計算すると455kwの消費に
なる。
一日あたりには15kw消費している計算になるが、昼間の時間お勤めなどの関係で家に
いない人にとっては消費電力が小さくなり、売電が多くなるから、太陽光発電している時間帯に
売電が多くなり消費者としては好都合になる。
しかし、高齢者世帯となれば電気に頼るところが多くなるので部分的には発電量が上回ることは
あっても総量では圧倒的に足りなくなる。
ここでは単純に発電量から需要を差し引いてみると 平均して赤字(電力不足)になる
普通に使って一般家庭ではピークが朝と晩だから肝心のときに発電はない。
総量的に見ても3kwでは平均使用量にも足らない。
かなりの大きな屋根タイプで6kwくらいのものを設置しないと需給バランスが釣り合ってくれない
ことになる。
通常では6kwを設置できる家は少ない。
もう一つ忘れてはいけないのが借り入れ金利。
いくらローン金利が安いと言っても新築で合算した返済総額は1.4倍になります。
3kw200万円で設置できたとして、返す総額は280万円になります。
(25年、30年まったく異常なし故障なしで働いてくれた場合だけです)
そして一番最後にかかるのが解体して廃棄する時の処分費。
果たして、再生材料にまわせるかどうか・・・現時点ではわかりません。
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コラム393 2012年10月31日
とらぬたぬきの何とか・・・
93年に大阪で大きなシックハウス問題を起こした「ミ○ワホーム」がメガソーラーに参入すると
日刊木材に出ていました。と言っても設計施工・運営管理は子会社が行なうというものですが。
合計で3591キロワット、投資額11億円
ご存知のように、家庭用の3kwとかいう表示のものは真昼間の太陽が一番高い発電量の最高値
の出力を指していますから、当然朝晩あるいは曇り雨のときはぐっと発電量が落ちるわけです。
これを6割とみます。日の出から日の入りまで12時間として平均すると1.8kw×12という風に。
その比率はどのように考えるかと言うと、販売会社の解釈は有利なほうへ傾いていきますが
今度の場合は自分がその当事者になるのですから「売り文句」ではなく実際にどれだけのものかは
計算済みであると解釈いたします。
朝から夕方まで快晴の日は全体の四分の一、曇りの日が二分の一、雨が四分の一とみます。
曇りは発電量が三割とすると二十分の三になり、雨の日はほとんど望めないと見て良いとこ1割で
四十分の一でしょう。
全部足すと理想最高出力の42%の歩留まり計算になります。
3591×12×0.6=25855kw 1日あたりの有効発電量
さらに365倍するまえに曇り・雨・その他のアクシデントで掛け率が0.42 10859kw 年平均の一日の発電量
これに一年間の数字365とかけて396万kw 引くことの自家損失量(1割?) 年間総発電量356万kw
これの売り金額(持続すればの話しで)40円 年間総売り上げ金額 うまくいけば1億4200万円
投資額 11億円だから・・・
あくまでも補助金の40円が持続して、故障・アクシデントもなしに順調に運んでの話し。
近年の税法上の償却率では、15年で0.167・・・年間1億8370万円の償却額で利益は出ません。
儲かっている会社なら他の部分と相殺に出来るが単独なら無理。
いずれにしても、国が15年としていることも根拠があってやっていること。
逆の見方をすればそれしか持たないと言っていることでもあります。
最初から8年などと言ったら、「再生可能エネルギー」を看板にしたPRとかけ離れすぎてしまい、
クレームが出るから操作したのでしょうけれども、操作というのは人聞きが悪いから「政治的配慮」
とでも言うのでしょうか。その辺をどのように解釈するかでしょうか。
新聞には360万kw発電で1億4000万円を見込んでいるとありましたが、ほぼ私の計算と一致ですね。
いずれにしても、HM(ハウスメーカー)の子会社がやることですから、失敗してもそちらに責任は
持たせるようになっているのでしょうから、私ごときが心配することでもないでしょうが。
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コラム392 2012年10月30日
こんな委員会なら要らない
いまでも良くわからないのが原子力規制委員会です。
今回も原発被害があったならばどこまでが拡散区域になるか・・・というわけのわからない
発表をしました。
図を見ると単なるコンパスで30kmのマルを書いたもの。 バカじゃない??
しかも、山や谷など考慮しないで直線的に進むと想定したと。 バカじゃないの??
頭の良い人が集まってやっているのはこの程度のことですか。
こんなことをお金かけてやっているんですか。
こんなことより「どちらの風向きか」を伝えたほうがよほど参考になると思いますがねえ。
受けたほうの地方行政も「メールで受けただけで説明がない」と戸惑っています。
どこが「規制」なのでしょうか。
言葉だけだと「やってはいけない」というストップをかける立場であるというイメージを持つ
のですが、これでは単なる「モニター」でしかないということになります。
もう、思い切って名前を変えた方がいいですね。
「原子力モニターセンター」 但し、停電になったら動きません・・・とね。
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コラム391 2012年10月29日
不思議に思うこと
ネット検索や主に見るHPなどで「あれっ」と思うことがあります。
秋田や九州の遠く離れた場所のものでも、地元(茨城)に関係したアド(広告HP)が表示されます。
もう一つ、以前に見たHPのサイドに表示されていた広告HPをクリックしてみた経験のあるものが
良く表示されることです。
ネット検索も何万とある中で、見るのは仕事に関係のある物とか趣味のものとか、全体の数から
すれば極わずかなものだと思いますが、それでもそういう感じを受けるのは、ちょっと何かが仕組まれて
いるのではないかという気がします。
最近でも、遠隔操作のネット書き込みで無関係の人が警察に逮捕されてしまった事件が数件ほども
起きました。
知らぬ間にPCの中に入り込まれ好き勝手に操作されるという、凡人には理解できない裏の世界が
存在するということ。
こういうことが、ちょっと頭の良い人にかかれば出来てしまうのかというネット界の恐ろしさを感じます。
関連リンクのページだと思ってクリックしたら、とんでもないウイルスのダウンロードをさせるものだったり
法外な有料請求の発生するページへ飛ばせたりとか、今では想像もつかないような「あり地獄」「落とし穴」
が出来ているようです。
上記の誤認逮捕された人たちもウイルス等のネット対策はやっていたのでしょうが、それでも攻撃者から
見れば「入り込めるスキだらけ」に見えるのでしょうから、我々のように「ただ、いじれる」だけの初級者には
手の施しようもないと言った感があります。
自分のアンテナを働かせ、危なそうなところへは行かない・・・でしょうか。
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コラム390 2012年10月26日
陰ながら拍手!
本日の新聞に、茨城県阿見町の議会が太陽光発電の設置をめぐり採決の結果、
否決されたと掲載されていました。
その理由は
「政権が変われば、固定買取り制度もあやうい」
「収益を上げる経済行為は民間に任せるべき」
「審議期間が短すぎ議会の意見がまとまらない」
同町長は議会終了後、
「大手も参入しており、リスクのある事業ではない」
「何としても実現したかったが、理解を得られなかったのは不徳の致すところだ」
とコメントしたという。
この記事を読んで、まだまだ茨城県にも冷静な判断を下せる議会があるのだなと感心しました。
年収の25年分の借金のある国で、これから20年先のことまで確約できるわけがないと
感じるのは、正常な判断力を持った議員さんたちだと思います。
ある議員さんは
「再び、設置に向けての審議がなされるかもしれないが、今の状態では踏み切るべきではない」
と言っていました
よそがやっているから・・・、単純に世間がそのような雰囲気だから・・・、というのは、自己判断の
伴なわない、単なる群集心理的なものの考え方です。
そういったことを客観的に判断していくのが議会であると思うので、この件に関しては拍手を贈り
たいと思います。
民間なら、採算がとれずに行き詰ったら自分で責任をとらなければなりませんが、こういうところは
誰もそんなことをする人はいません。
都合の良いデータだけ見せられて、その通りにならないと訴訟まで起こしたどこかの誰かさんみたいに
ならないようにしてもらいたいものです。
言われてるほど本当に魅力があるのなら世界のハゲタカファンドが見逃すはずはありません。
実績もないのに億の投資をするのに、しかも、金が余りまくっていて何に使ったらよいのか
わからないならボランティアだと思ってやるのもいいでしょうが、どこの自治体だって首が回らない
ほどの借金を抱えているのに手を出すことではありません。
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コラム389 2012年10月24日
1人作業・・・
9/12既報の部落内の住宅、その後が気になっています。
いつも1人で遅くまで作業をしています。
外壁は現場に積まれて二週間以上何にも動いていません。
多分、外壁張りは別の業者なのでしょう。
けれども、今はけっこうどの業種も仕事が忙しいらしく、各現場の棟梁は仕事を頼んでも
期限までに来てくれないと嘆いています。
それにしても屋根がかかってから40日は経つのに、中ではまだ大工さん作業が夜遅くまで続いて
います。
現場にとめてある車はいつも同じで、複数作業ではないようなのでたぶん助っ人の職人を
頼めないのでしょう。
頼めば通り相場の賃金を払わなくてはなりませんから、そうなると自分の取り分がなくなって
しまいます。
それほど受けているいわゆる手間請けの額が低いということになります。
この住宅会社の手間仕事をやっていた、もと取引のあった大工さんの話では、手慣れて順調に
作業が出来るようになってやっと当たり前の賃金になると話していました。
不慣れな人であればその分だけ日割り賃金が下がっていくということになります。
同じ労働をしても、手間請負というだけで、規定の賃金を割り込んでしまうということでもあり
会社の社員であれば大問題になるところですが、こういう業界では「外注」という言葉を使えば
手間であってもいとも簡単にコスト圧縮の手段になります。
いま世の中で問題になっている「派遣切り」と同じです。
必要なときだけ必要な分の外注費を払えば会社は利益が出るようになっている・・・
まさにそのものです。
そんな中でこの大工さんも働いているのかと思うと変に同情してしまいます。
こんな状態はあと10年ともたないでしょう、だって職人がいなくなってしまいますから。
それにしても、外壁はいつになったら張られるのだろうと横目で見ながら通っています。
ビニールは一応かかっているけど、中に出来た水滴はサイディングに吸い取られてしけって
しまいます。
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コラム388 2012年10月23日
言うだけは言うが・・・
イタリアでは国の委員会が出した安全宣言で地震被害が拡大したと訴えられ、国が敗訴し
構成員であった7人の委員が責任を問われているといいます。
この判決は日本とは違い、国柄を表していると思います。
訴えたほうからしてみれば、安全宣言を出した直後に地震がきたのはいったい何を根拠に
安全だといったのかと、極当然のことを主張しただけであると思います。
まず日本ではこのような判決は出ないと思います。住宅について言えばなおのこと出ないと
思います。
それは今までの基準の作られ方を見ていれば一目瞭然です。
戦後の混乱期から高度成長期へ移行し、数々の新建材というものが作られ資材として
使用されてきました。
原料成分から発する揮発性化学物質でたくさんの人が被害を受けることになりました。
そのときの規制値の決め方もロシア的交渉の方法で、双方真ん中に歩み寄れというものでした。
化学物質を一切発しない物にしろとは言いませんでした。
それがF☆☆☆☆のフォースター製品です。
これにはメーカーも「安全です」という国からの看板を利用し、住宅メーカー・ビルダーもフォースターだから
と自分に都合の良い安全宣言をしてしまいました。
そういった基準内の品物を使って建てられた建物が「シックハウス」で騒がれています。
その代表的なものが国会議員が入る「議員会館」です。
実にお粗末な話ではありませんか。
自分たちで安全だといって作った基準で建てた建物で自分たちが苦しむなんて・・・アホかと
言いたくなります。
そんな不完全な基準で苦しんだ国会議員はどんどん訴訟をやるべきでしょう。
ま、身内は身内をかばうでしょうからそれはないでしょうが・・・
そんな毒された腐った空気を吸わされる事件が起こってもこの基準は変わることはありません
でした。これは今後もないでしょう。
基準値を厳しく見直すどころか、強制的な換気をするという「24時間換気」の法律を作って
しまいました。臭いものにはフタの典型的なパターンです。
ご存知のように石油系の製品は火災時に有毒な黒煙を出します。
この煙を吸うと大の男でもクラっときて倒れます。
親切にも、この黒煙を避けるために煙感知器をつけるという法律が出来てしまいました。
ここでも有毒な煙を出すものを使ってはいけない・・ではなくて、別のフタをかぶせる方法で
何とも言えない業界保護の決め方でした。
まったくの「派生した問題を先送りするだけ」の愚策でした。
イタリアの裁判ではないですが、ここまでやって火災で亡くなった方・シックハウスになった方は
(本人その遺族が)裁判を起こせるでしょうか。
「被害者が亡くなった・病気になったのは国の基準がおかしいからだ!」
「これは国が誤った数値と資材器具の設定を認めたからだ」と。
もし、裁判所が国に誤りがあるなどと判決を出したらどうなるでしょうか。
もっともっと国民が「安全だという規制値を作っておいて責任を取らないならそんなものつくるな」
と騒いだらどのように対処するのでしょうか。
「被害を受けたことと使用素材の因果関係ははっきりしていない」と逃げるのでしょうね、きっと。
あの健康被害症状が出た国会議員はどこへいったのでしょうか。
人のうわさも・・・でしょうか。
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コラム387 2012年10月22日
復興予算の屁理屈
大震災から1年7ヶ月が経ち、いまだに被災地の復興はままなりません。
そんな中、本来の必要予算から外れた緊急性のないものが省庁の捻じ曲げた屁理屈で
もっていかれ、本当に必要なところへ行っていないという現象が起きています。
国民の考えている緊急性の高い事項と、官僚の考えているそれとはかなり隔たりがある
ということです。
その後者の必要性の弁明を見てみると、実にうまい作文であると感心してしまいます。
愛知県の豊川水路
水路の一部が地下埋設(カルバート)となっているため大きな災害があると付近が水浸しに
なってしまう。公共施設・近隣の住民に迷惑がかかるため・・・
これってこれからなるかもしれないという未来形のことでどこにでも当てはまってしまう緊急性の
低いものですよね。こういう理論が通るならどこでも災害復旧になってしまうでしょう。
税務署の耐震改修工事
大きな災害があると納税者に迷惑をかけてしまうから・・・
これも地域の役場や行政施設が地震・津波被害を受けて仮設や間借りでしのいでいるのに
納税者の迷惑になると困るからというのは、税務署の建物が流されてなくなってしまったのなら
まだしも、どうみてもこじつけにしか聞こえません。
税金というものは、一個人では不可能なことを代行するために使うもの
特に復興と名がつくものはその名にふさわしいものを優先すべきである
届けるべきところに予算が行かないのは自分の都合ばかりを考える行政の縦割り弊害そのもの
一家の家計ならこんなことは許されないはずです。
地震で壊れた屋根を直さず、将来が不安だから壁の強化をしましょうという家がどこにありますか。
まずは目先の処理しなければならないことが先でしょう。
こういう人たちは震災はすでに終わって「もう過去のもの」という考え方しかないのでしょうね。
実に恥ずかしい限りです。
官僚がこれですから、政治も政治です。
2流3流どころではなく、5流6流も通り越し、9流(急流)を下っております。
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コラム386 2012年10月17日
住宅においての「剛と柔」
9/28のコラムに書きました長期優良住宅の耐震実験では、行政が優れていると認めたはずのものが
ものの見事に転倒・倒壊しました。
なぜ、転倒・倒壊したかは、これからの研究課題になると思いますが、一つだけ確実にそうだろうと
思うことがあります。
今の住宅は数字で表されるものばかりを重要視して、実績を軽んじているという点です。
その実績とは何か、「貫工法」というものです。
12.0cm角の柱に縦長の穴(12.0×3.0)を掘り、貫をさします。
そしてクサビを差し動かないようにします。
これを何段も作り、全体で力を受けられるようにします。
この状態で地震が来ると、揺れが大きいほど平行四辺形になろうとします。
するとクサビが一番先に押しつぶされ変形するエネルギーを食い止めようとします。
そして、家全体でこの地震エネルギーを吸収することにより、現在のスジカイや面材と
同じ作用をさせていました。使うのは木と木で金物は要りません。
揺れ巾はスジカイよりずっと大きいですが、三角形の働きをするスジカイよりはずっと粘りのある
動きで家を支えます。
昔の家は揺れが大きいのだけれど潰れません。
それだけ、木組みの性質が活かされ、対応巾が大きくなっていたということです。
庶民の家ではまだ部材が小さいほうですが、京都の清水寺の舞台下のクサビは下駄みたいな
大きなものが使われています。これも貫工法の大きなものとして業界人ならほとんど知っています。
しかも、大きな地震の時にはこのクサビがはじき出され、揺れの許容がもっと広がるようになっています。
実に良く考えられています。
こういった昔ながらの建築は軸組みと言われてももっと以前の「伝統工法」として区別されていますが
この工法は今までだと行政は数字ではっきり表せないから耐震壁として認めないという考え方でした。
(最近は若干考え方が変わってきました)
住宅は揺れないという考え方のほうが地震に強いという誤った考え方がありました。
今でもその基本的な考え方は数字表現が可能なものを優先して認めていますので、昔のやり方で
やりたいというと、補助的にスジカイを入れないと認めないという姿勢が続いています。
たしかに昔の家は地震で揺れるし、今の家からすると壊れてしまうのではないかという心配はありますが
それで直接亡くなったという話は聞いたことがありません。
9/28掲載の試験のようにひっくり返らなければ神話は続いたかもしれませんが、こういう事実が出ては
行政の言う安全とは何かとあらためて考えてみる必要があると思います。
昔から先人の言い伝えとして「大きな地震の時には竹やぶへ逃げろ」と聞きました。
大きな木の下へ行けとは言われませんでした。
そりゃあ、そうです。
しなりがほとんど期待できないのですから、ぼきっと折れたら死にますわ。
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コラム385 2012年10月16日
家造りの基礎知識
一昨日は定例の勉強会を行ないました。
ちょっと少な目の10人の参加でしたが、それなりに盛り上がりました。
12日のコラムにも書きましたが、
家というものはなかなか捉えにくいものですが、基本的な考え方さえわかれば順序立てて
進んでいけばいいので皆さんが「つかみようがない」と感じているほどのものではありません。
その、「つかみようがない・何から考えていったらよいのか」をお話ししました。
もともと、手先の器用な人なら、棚を作ったり物入れを作ったりしてしまいます。
もし、こういう人たちがすべての工程を理解し、部材が調達できたなら自分でも家を建てることは
可能です。
そうは言っても大概の人はそれは出来ませんから「出来る人」に頼むわけです。
それが建築業者なのですが、今のご時世、ほとんどがハウスメーカー・ビルダーと言われる
○○工法、何とか方式などを売りにしている、いわゆる自分の流儀を売りにしているものばかりです。
住宅は日本全国気候も環境も違うのに大手のメーカーが君臨していると言う不思議な国です。
まあそれで良いものが供給されていれば何も問題はないのですが、大有りなので問題なのです。
そんな中、「自分の家」を建てるには、消費者側から見て選択肢は広いとはいえません。
なにをどうやって誰に頼めばいいのか、未経験の部分がたくさんあって壁に当たってしまいます。
たとえば、数少ない適任業者が見つかったとして、自分の意見をどうのように伝えていけばよいのか。
問題はそのまとめ方だと思います。
伝えなければわかりません。
わからなければ自分のものは出来ないのですから目的は達成できません。
ものごとは基本と装飾に分かれると思います。
基本は・・・自分の家として当たり前の生活が出来ることです。
装飾は・・・それにプラス「希望・憧れ」が加わることだと思っています。
人間の、朝起きて夜寝るまでの行動がまんべんなく運ぶか。ストレスにならないか。
まずそれがクリアできて「基礎が達成できた」と考えるべきでしょう。
自分、家族の行動がスムーズにいく・・・そのためには何がどうあればよいのか。
こういうことなら人に教えてもらうことではないのでじっくり考えれば紙に書き表すことが出来る
はずです。
その次に装飾部分、希望・あこがれをまとめていけば良いのです。
なぜ、こういう書き方をするかというと、最後に「予算」という部分に誰でも行き着きますが、
そのときに、優先順位をつけて調整する手段となるように考え方を整理できるのです。
他にも建て主さんとして知らなければならないことがたくさんありますが、まずこれらのことから
スタートしていけばよいと思います。
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コラム384 2012年10月15日
秋の収穫
今年のお天気はかなり暑かったですが、農作物はきちんと育ち秋の収穫時期を迎えています。
近所の畑でもホシイモ用のさつまいもが掘り起こされています。
作柄を見ると、夏の雨が少なかったせいか、形の悪いものが目立つような気がします。
それでも厳しさに負けずに育ったイモを見るとなぜかほっとします。
これからホシイモ作りの作業が始まる12月中旬まできちんとした温度管理の下に保管されます。
最初に作付けされるときは、葉っぱがたった二枚しかないしおれた茎のものを土に挿していきます。
この親苗になる茎はタネ芋から芽を出させます。
このタネ親芋は床(とこ)というところで温度管理されて発芽するようにするのですが、昔は
松葉などの枯葉を敷きこみ腐る時の発酵熱を利用していました。
今では電熱線を張り巡らせて温度を調節して発芽させます。
そして、発芽し育った茎を切り取るのですが、すぐには作付けしません。
わざと2日くらい放置します。
すると水分が蒸発ししおれていきます。 それを植えるのです。
なぜ、しおれかかったものを植えるのかというと、植物の生存本能を利用するのだそうです。
「たいへんだ、早く根を出さないと枯れてしまう」という逞しいDNAがあるのだそうで、
元気なものを植えるより、このほうが着床率が断然良いのだそうです。
実に植物は不思議です。
ま、人間もある程度空腹が続くと生き延びるための知恵が働くというのがありますから似ていますが。
作付けを見ていると、かなりの間隔をあけて植えていきます。
これはあらかじめ延びるツルの範囲を想定してイモが理想的に育つように考慮されているそうで
見えないところでいろいろな知恵が活かされているのだなと思います。
余程の天候異変がない限り、想定どおりにツルは伸び葉をつけます。
最初地面がゴロゴロ見えていたのに梅雨時期のころまでには一面葉っぱで地面が見えなくなります。
こうして太陽の光を受けながら栄養を作り地中にサツマイモが育っていきます。
イモも育ちますが雑草もそれ以上に生えます。
それは農家の人が手作業で抜いていきます。
頼みもしないのに良く草は生えてきます。
収穫までは時間がかかりますが成長したイモが掘り起こされると、「ああ、今年もホシイモの季節がきた」
と思います。
もうすぐ「上州の空っ風」の季節になります
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コラム383 2012年10月12日
意匠設計・自由設計の落とし穴
いまや、部落内においてもハウスメーカー(HM)と ビルダーが住宅を建てるご時世となりました。
そこには昔からの地元大工さんはからんできません。
最初から建て主さんの目には見えていません。
展示場の客引きキャッチフレーズも見事なくらい良く出来ています。
大きな文字で書かれた「自由設計」、視覚に訴える「意匠設計」のデザイン。
たしかに、「あら、すてきね」と言ってしまいそうです。
しかし、「見た目と現実」はやがて違うことをいやでも知らされることになります。
「何でこんなことが見えなかったんだろう、こんなはずじゃなかったのに・・・」
雨降りのとき、買い物から帰って家に入るまでにびしょ濡れになってしまう
靴収納が足りない
季節物の入れ替える場所がない
日用品の収納場所がない
梅干などの漬物などの入れる場所がない
調理のニオイが広がってしまう
来客時の子供たちの居場所がない
奥様のお友達が来てもダンナの居場所がない
洗濯物の干す場所がないアイロンがけする場所がない
大きな窓にしたのはいいが夏暑くてたまらない
吹き抜けの寒さは予想外
歯磨きしているとほかの人が風呂に入れない
狭いスペースで階段を設置したので廻り階段になり、足を何度もふみはずす
布団を干すのにベランダが狭すぎる
洒落た窓をつけたのはいいが通風が悪い
お隣の窓を考えなかったのでコンニチワしてしまう
屋根の軒先も出さず、窓庇もつけなかったら北側壁が早くカビてしまった
値段を抑えることばかり考えてアパート仕様と同じになってしまった。
平たい紙の図面だけ見てわかるのならプロは要りません。
HM・ビルダーは建て主さんのわからないところで価格を抑える努力をしています。
これは一見、建て主さんの支払い金額を少なくするかのように思いますが、
あとから維持費用や使いづらさが露呈するもとになります。
「意匠設計」は現実離れしたファッションショーのようなもの
「自由設計」は規格パターンの数通りから選んだだけのもの
言葉通りなら何の苦労もありません。
地に足をつけて、本当に必要なものには予算をかけましょう。
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コラム382 2012年10月11日
日本はまだまだ・・・2
秋田への道中、片道500kmのトラック運転は乗用車よりも目線がずっと高いのでいろいろな変化が
楽しめます。
冬は雪や凍結の心配があるので車の移動は極力控えていますが、その他の季節は周囲の景色が
絶景というところもありなかなかのものです。
特に高い山に雪が残っている4月5月は一般道からも素晴らしいビューポイントが広がります。
春先には目の覚めるような新芽の若草色、夏は葉の色が深まりまた別の味わいが楽しめます。
途中、13号線栗子峠を越えて米沢を過ぎると山沿いに広大な面積のビニールハウスが見えます。
それらのほとんどがブドウ畑です。
沿道には個人の果樹園の直売所があり、朝どりの新鮮なぶどうが並べられています。
以前は、気にも留めていなかったのですが、ふと立ち寄ってみる気になって、帰り道に車のとめやすい
お店に入りました。場所は南陽市、赤湯温泉の近くの直売所です。
とても元気なおばさんは
「いらっしゃい、どれでも甘いよ、味見して」と気さくに声をかけてくれました。
「自分ちで朝とれた新鮮なやつだからピカ一だよ」
一粒食べてみてびっくり・・・本当に「うまい!」なんです。
いままでスーパーで買ったものとはまるで違うものでした。
「どう?、味が違うべえ」
「自分とこで、熟したやつだけ、売る分だけとってくるのでおいしいはずだよ」
なるほど、ハッタリでも何でもない、こりゃ正真正銘の味だわ・・・
「でもね、いくら良くても一年のうちのわずかな時期だけだから・・」
「これでずっと商売できたらいいんだけどねえ・・・」と言っていましたね。
たしかに果樹は一年かけて育てて売れるのは2ヶ月そこそこですから、通年の感覚から言えば
もうちょっと何とかならないかという思いはあるのでしょうね。
おばさん曰く
「これでもね、どんどん品種が新しくなっていっで、時代に合わせるのが大変なのさ」
そういえば、皮まで食べられるとか、大粒でもタネがないとか、ずいぶん食べやすくなってきて
いるのは感じますね。
おばさんと言っても年齢は私と同じくらいでしょうか(私もりっぱなおじさんです)元気なんですねえ。
小さな直売小屋(3m×2mくらい)で9種類くらいのぶどうが並べられていて、脇には梱包用の帯バンド
結束機があり、足元にはたくさんの持ち帰り用化粧箱が積まれていました。
小屋には庇のようなものが付いていて、ちょうどヨコすべり窓のように上に丁番がついていて、
締めて帰るときには支え棒をはずしてぱたんとおろし雨戸代わりにもなるというすぐれものです。
その小屋のすぐ脇にはワンボックス型軽自動車の荷台にたくさんのぶどうが積まれていました。
軽トラではなくワンボックス車を利用しているところが「知恵」ですね。まるで動く倉庫です。
狭いスペースが実に良く工夫されていて無駄がない・・・しかも、夜は商品を置かない。
盗難の心配もないでしょうから最高の店構えと言えます。
ほかの直売所も、大きく店構えをしてたくさん並べて売っているところもありましたが
駐車スペースが比較的狭く感じ、入りにくさがありました。
しかし、ここは店はコンパクトですが車が停めやすく見えて入りやすかったです。
ほんの5分10分の間でしたが、南陽市の「おばちゃんたちの生きる知恵」の良い勉強をさせて
もらいました。
「帰りの車のなかで食べながら行きなよ・・」と、おまけにいただいたぶどうをつまみながら、
「材木屋って何も工夫がないなあ・・・」とひしひしと感じるのでした。
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コラム381 2012年10月09日
日本はまだまだ・・・
先日、久しぶりに秋田へ木材仕入れに行ってきました。
高速を利用すれば早く着けるのですが、何せ日本の高速道路料金は高い!
ということで、根がケチな私は部分利用(須賀川から福島飯坂まで)でいつも往復しています。
残りのコースは13号と日本海側7号を使います。
荷物を積んで帰るのでよほどのことがない限りは一般道を走りますが、いまはどこでも「道の駅」が
充実していてトイレにも困らなくなりました。
今回は現地の木材市場の営業時間の都合もあり、6日の夕方までには着いて荷物を積めるように
するために、時間を計算してこちらを朝の4時半に出ました。
しかしながら、いつもの道路混み具合と様子が違いました。
どこの道の駅・高速SAでもいっぱいなのです。
あるところでは本線から入るところですでに並んでいましたね。
ほとんどのところに整理員の人がいて誘導棒を振って捌いていました。
そうなんです、世間様は「3連休」だったのです。
それと目立ったのはオートバイの多かったこと。
みな年配の人が200万円以上はするだろうなという大型の自動二輪というタイプに乗っていました。
10〜15人くらいでグループで走っているようです。
なかに女性のライダーも1人いましたね。
ほか
途中、豪華に装飾されたサイドカーつきのハーレーダビッドソン2台にも会いました。
思わず、「合計すると3千万円は下らないなあ」なんて計算してしまいました・・・。
貧乏商人の悪いクセです。
話しをもどして
各所の道の駅には定番のように、地元の農家の野菜などが直売されています。
朝早く寄った道の駅では軽トラに積まれた朝どりの新鮮そうな野菜がたくさん見えました。
別の道の駅ではお昼を過ぎた頃だったせいか、ほとんどの品物が売り切れの様子で
商品棚にはパラパラと残り物が見える程度でした。
いやはや、皆さんの購買意欲には恐れ入りました。
いまや、どこの道の駅でも、こういった直売形式は知れ渡っているようで、これだけを目当てに
立ち寄る人も多いのではないでしょうか。
だって野菜の値段などには疎い私ですが、見てみると新鮮で安いですもの。
これは売れますよ。
そこで、ふと思うのですが・・・
我々、木材業界は工夫変革がない、遅れているなあ・・と。
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コラム380 2012年10月05日
なぜ濡らしてはいけないのか
長いあいだこの業界で住宅を見てきましたが、今の家造りほど建て主さん不在ですすめられて
いるものはないと感じます。
それは各所に使われている部材の取り扱い方でわかります。
住宅素材は大きく分けて三つになります。
その一 木材を加工せずそのまま(製材しただけで)使うもの 「ムク材」
その二 2cm〜3cmの厚さに製材し(ラミナという)木材と判別できる状態まで加工し
構造用の接着剤で張り合わせたもの 「集成材」
その三 原形がかろうじて木であるとわかる程度までスライス加工あるいは砕いて
接着剤でプレスしたもの 「合板・パーチクル・OSBなど」
特に二番・三番は水を嫌うものです。
問題なのは濡れる環境条件です。
これらを主要構造材として使っているHメーカー・ビルダーは
「耐水性の高い接着剤を使っているから大丈夫なんです」と口を揃えて言います。
しかし、それはマニュアルの通りに言っているだけでほとんど根拠がありません。
現場では効率優先で作業マニュアルが組まれているため、大工さんの裁量はほとんど
生かされません。すべてが会社の指示どうりの順序で作業が進められていきます。
一昔前までは、ツーバイフォーの作り方(建て方)が問題でしたが、いまではほとんどの
HM・ビルダーが木造と言われている建物でも床から先に作ってしまいます。
正確に言えば床下地を作るわけですが、この下には床用断熱材が組まれていて、合板が
張られるときには見えないところにすでに存在しているのです。
床は水平に作られるので傾斜がまったくありません。当たり前の話です。
そこへ雨が降ったらどうなるのか・・・、水平なだけに水がはけないのです。
現場ではブルーシートなども見ますが、ほとんどが効き目なし、パフォーマンスでしかありません。
その上に、柱・桁(横架材)のほとんどが集成材で組み上げられていきます。
これらはシートなどかけられませんからほとんど無防備状態で濡れっぱなしです。
屋根下地もほとんどが合板で張られます。
合板だから雨は大丈夫だろうと思うかもしれませんが、とんでもありません。
継ぎ目からドボドボ落ちています。
下に下に落ちていった雨水は最終的には床下断熱を濡らしながらベタ基礎へ溜まっていきます。
基礎パッキンや気密重視の造りでは床下の通気は雨水を乾かすほどのパワーはほとんど
ありません。
ずっと、しけった状態が続いていきますが、誰もとがめる人はいません。
見えないからわからないのです。
洗濯はしたけれど、干してないパンツをはくようなもので、けして快適ではありません。
効率よく作業したとしても屋根の防水紙をかけるまでは従来より二日くらい余計にかかります。
防水紙を施工したからといってもまだ斜めに吹き付ける雨には構造体が無防備です。
外壁まで防風シートが張られ雨じまいがきちんとするには10日以上かかるはずです。
この間、ずっと「濡れてはいけないもの」が濡れ続けます。
なぜ、濡らしてはいけないか。
それはムク材でも濡れないに越したことはありませんが、集成材・合板類は製造段階から
水分をとばして接着しているため木が収縮した状態になっています。
それがほとんど水平に使われているわけですから、水に浸かっている状態と同じことに
なるのですから、じわじわと内部にしみこんでいく事になります。
乾いたものが濡れれば水分を含んだ分だけ膨れます。
いくら強力な接着力だからといっても木が膨れないということではありません。
最初のうちは接着力が強固で木の動きを封じ込められても、次第に劣化が進めば勢力関係が
逆転してしまうときが必ず来ます。
仮に水分うんぬんという問題がなくとも、接着剤の劣化は着実にやってきます。
張り付けたものが剥がれればどうなるか・・・、もとの木片になるだけです。
合板・集成材の怖さがここにあります。
その問題になると、H・ビルダーは「絶対大丈夫です」「大臣認定をとった構造材だから大丈夫です」と
そんなことしか言いません。
何年の実績があるから大丈夫とは、実績がないから言えないのです。
主要構造体とは壊されるときまできちんとしていなければならないものです。
その、「あやふやなもの」に長期優良住宅などのお墨付きを与えてしまった行政の責任は
大きすぎます。
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コラム379 2012年09月28日
大臣の認定
日本人は「お墨付き」に弱い。
これは自分のモノサシを持っていないから何かの基準に頼るという気持ちが強いのだと思います。
これをうまく利用しているのがハウスメーカー・ビルダーです。
代表的なお墨付きは何といっても「長期優良住宅」です。
すべてに優れているといわれて、大型の耐震実験をやったら見事にひっくり返ったというシロモノです。
手前、見事にひっくり返った「長期優良住宅」で、奥は通常のタイプの建物です。
大きな地震には相性が良いようです。
これには揺れる周期・振幅とそのエネルギー、自重・柔軟性・質量が関係してきます。
最も重要なのが「共振」であると思います。
それはさておき
このように長期優良住宅といえども万全ではないということが証明されました。
しかし、この優良住宅が崩壊したという実験のニュースはほとんどの人が知らないでしょう。
多分、裏では国交省のメンツが潰れるとなって報道への圧力がかかったものと思います。
国の勧めている優良の指標ともいえる建物が、通常の基準建物(奥の写真)と競って
敗北したのですから、まさに「想定外」となったわけです。
地震に対する防御も大事な要素ですが、結果がこれでは何と言えばよいのでしょうか。
それでも、「長期優良住宅」は優良なものとして住宅金利も有利になっているし、各HMも
売りの宣伝文句に利用しています。
まったく、普段住宅に関心のなかった人が「長期優良住宅」と言われれば本当に優良なのだと
受け取る(感じる)と思います。
しかし、「長期」の実績もないうちから公言するのですから、大いにおかしい表現になります。
公正取引委員会がなぜ黙っているのでしょう。
長期優良という言葉を信じて手に入れた人はどうなるのでしょう。
実験でひっくり返るような家を所有してしまったというのは一生抱えて生活しなければなりません。
返品したくても不可能・・・何が優良なのかと・・・、そうは思っても誰に怒りをぶつければよいのか。
当然ですが、それを決めた本人(国・国交省)でしょう。
私はこれまでに建築の世界に40年以上いますが、知れば知るほど、基準値というものは適当だと
いうことがわかってきました。
ホルムアルデヒドについても同じです。
「双方歩み寄れ」といった和解のような数字を作っておいて、世間ではそれが安全だという代名詞
にまでなっていること。
そんないい加減な数字で体調を崩した人はまだまだたくさんいるはずです。
化学物質過敏症になったこともない人が健康の基準を決めて何がわかるというのでしょうか。
いい加減というか、無責任に近いものです。
そんな適当な世界で制定された数字が安全なものとしてまかり通ってしまうのですから
認定の価値などないに等しいものです。
基準値というお墨付きはつくるものの、責任はとらない。
そのようなものに信頼を寄せるというほうが間違っていると思います。
もっと自分の基準を持って、「自分の目で判断する優良基準」を持つことが必要だと感じます。
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コラム378 2012年09月27日
家は屋根から 2
床が平らで作業がしやすくても、問題は屋根です。
屋根の防水紙が張られて、構造体は濡れる確率が減っても問題は残ります。
今の住宅は屋根の軒(庇)が出ていません。
これも屋根(軒の出)を小さくしてコストを下げる工夫の一つになっています。
雨降りを観察しているとまっすぐに降りてくる雨はほとんどありません。
ちょっと風が伴なっただけで75度とか80度とかの「ななめ降り」になります。
6mも背丈がある総二階なのですから一階床部分はかなりの床濡れになります。
樋もまだ付いていない、外回りもふさがれていない、いわゆる無防備状態です。
そんな気候環境が変わっていない中で濡れてはいけないものが濡れている・・・
従来の木造住宅では考えられない光景です。
いくら床を先にやって効率よくと考えても、工事全体のやらねばならない作業はかわりません。
ぱっぱと屋根を先にやって床はあとからというのは一見非効率的のように見えますが、雨の多い
日本では、建物を濡らさないという観点からすれば非常に理にかなっているといえます。
ビルダー・ハウスメーカーが机の上だけの効率主義を実行してもやるのは現場です。
責任のない大工職人は言われることを守って作業すればいいと考える労働者です。
心の中で「これはないよなあ」と思っても口に出すことはありません。
変にさからって、現場監督の心象を悪くするほうが、よほど自分にマイナスになると
わかっているからです。
コストを下げることへの努力は大切です。しかし、それによって出る弊害をよく認識すべきです。
建て主さんは、出来たものを見て「いいわね」で決めても、そこまでの知識はないのですから
建てる側(業者)がきちんと対処すべき問題です。
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コラム377 2012年09月26日
家は屋根から 1
日本では、特に季節の変わり目に多くの雨が降ります。
平均的に言えば、それは4日に一度は雨となるということです。
平均とは均していくらですから、二日続けて降る場合もあり、一週間10日降らない日もあるわけです。
関東地方のなかで、ここは北東部に位置していますが、季節的に言えば冬の時期に空っ風が吹くことが
多いので、この時期に家づくりをすれば確率としては雨にあたらない可能性が高いということになりますが、
しかし、すべての建て主さんがそこに集中できるわけではありません。
話の進み具合で一年中どこかで家が建てられているのが現状です。
それでは時期は選べなくても、気候に左右されず実行したいとなれば、それなりの工夫が現場で
なされなくてはなりません。
ところが今の建築工法は気候に逆らったものばかり目立ちます。
第一の原因は建築総額を圧縮するために、効率優先で現場が進められていることです。
現場では建て方(上棟)をするのに、基礎が準備されています。
土台を敷く位置が地面から40cmくらい高くなっているので、作業をするのにいちいちまたいで
動かねばなりません。
床のない状態でも作業することはかなりあり、屋根の防水紙が張られ、耐力壁のスジカイを入れ
間柱入れあたりまで不便な思いをします。
その後、床下地を組むのに大引きをいれ、小ネタをいれ、下地材を張ってやっと作業がしやすい
状態になります。
それを一気に解消しようとしたのが「剛床工法」というものです。
これは、土台を敷くときから大引きとともに合板を敷きやすいように90cm間隔のマスをつくり、
そこに厚物の24mmか28mmの合板を先に敷きます。
これだけで床下地が出来上がってしまいます。
平らになったところで上棟の作業をやる段取りになっています。
メリットとしては
作業がやりやすい
ほとんど手間がかからず床下地が出来てしまう
全体を考えると大きな工期短縮になる(工事原価が安くなる)
デメリットとしては
合板を使っているので雨にあたると水分を吸ってしまう(床下断熱材も同様)
床下に落ちた水はフタをされた状態なので乾きにくい
将来、接着剤が切れたとき修理がやりずらい
仕上げ(床板・畳)材の厚みの違うものに対して、下地高さを調節しにくい
これらの有利・不利を納得した上でやるのなら問題ありませんが・・・
つづく
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コラム376 2012年09月25日
メガとキロ
毎日、毎週のように情報発信されている「太陽光発電」ですが、すでに法律で決められた
買取り制度とそれを補うための(やらない他人まで巻き込んだ)大衆負担制度が始まっています。
私はこの負担制度に大変不満を持っていますが、このことはまたいつか別の機会に述べるとして、
家庭で設置できるパネルの限度はせいぜい3kw程度のものだと思います。
少ないながらも国の補助金も(予算枠内で)出るようになっています。
この発電した電気代の支払い・受け取り関係ですが、選択として余剰電力の売電ということに
なっています。一般家庭ではメガソーラー(10kw以上を指す)で全部売電は無理です。
売り価格は42円/kwあたりになっていますが、通常買う電気料は23円か24円程度だと思います。
損得勘定から言えば発電したものを全部(高い値段で)売って、安い電気を買ったほうが良いと
いうのが小学生でもわかる計算ですが、実際はそう甘くはありません。
全部売る場合は34円/kwあたりで計算される仕組みです。Kwあたり8円もダウンします。
そして、余剰電力を売る場合とは電気的な配線が違ってきます。
要は、自分で作った分は自分でまず消費しろということです。
それでも余ったら買ってあげますという仕組みなのです。
そうすることによって、自分でも節約するという気持ちが持続するでしょう・・・という、
何とも「お優しい配慮」になっております。
ここでちょっと冷静に
どこの世界に売値より買値を高くする業者がいるでしょう。
まず、そんなお人よしはいません。
その帳尻を合わせるのが賦課金制度です。低炭素社会だとか何とかいいながら
そうやって、興味のない人・計算上合わないとわかってやらない人にも金を払わせる
という法律を作ってしまったのです。
そろそろ本題ですが
メガという言葉は1000の1000倍です。つまり1000Kが1Mということになるのですが、
この太陽光での解釈はなぜか10k以上をメガソーラーと呼んでいます。
ものごとを正しく表現するには不適切です。
その「メガソーラー」を住宅に持ち込んできたハウスメーカー(HM)があります。
要点は
設備費は住宅メーカーが立て替え、売る電気料で設備代を支払っていくというものです。
メガというのですから10k以上を指します。
通常ではとてもこの数字は家だけでは無理です。
カーポートや空いている敷地に直接設置して数字をクリアできる人が条件ということになります。
密集地では前の家の日陰というデメリットもあると思うので、都会より田舎のほうが可能性は
高いと推測します。
これらをクリアしたとして
売り電気代はメガソーラーに該当しますから42円/kwではなく34円/kwとなるのですが
設備に対する投資金額が全額HM立て替えということですから、設備代の支払いは発電の電気料で
支払っていくことになるはずです。
さてここで
何にも危険なリスクはないのでしょうか。
そんなものがまったくなく収益になるのなら、何故立て替える力のあるHMが自分だけで
やらないのでしょうか。
その裏には何か「オバケ」が潜んでいる気がしてなりません。
昔、(今もありますが)「一括借り上げ」というアパート経営でオーナーを募集し、大勢の「知識に乏しい
農家の親父さん達」が話に乗ってしまい、いざやってみたら入居者が減ってくると持ち出しが多くなり
ひどい人はアパートを手放す羽目になったケースも耳にしました。
裏の事情には管理費とのからみで業者は損をしない仕組みになっていて、結局は入居者が
いなければオーナーが自腹を切ることになっていた・・・というものでした。
もうこうなると「一括借り上げ」はまやかしであり詐欺に近いものです。
この設備費立て替え・・・も、その手なのかなと勘ぐってしまいます。
儲かることは自分だけで・・・
損することは世の中に撒き散らす・・・
を、忠実にやってきて業績を伸ばしてきたHMが、わざわざリスクを背負うことなどしません。
太陽光発電の未知の部分は
メンテナンス経費が実際どのくらいかかるのかわからない。
設備寿命も実際にはどれだけあるのかわからない。
自分で実際に現物を管理できない。
設備は所有権を持っている人が管理しなくてはなりません。
故障したときには自分が支払うということです。
場所だけを貸したのなら賃料だけ入っていれば問題なしですが、所有権があるということは
すべての責任はオーナーがもつということでもあります。
突風・竜巻、台風などで被害を被ったらどうするのでしょう。
発電できたお金で支払う仕組みが崩れたらどうするのでしょう。
発電できないのだから契約は破棄となり、残金を支払えとなったらどうするのでしょう。
キロでもメガでもいいですが、不確実性のものを所有するリスクは大小に関係なく避けるべきです。
特に借り入れをして実行する人はなおさらです。
いくら低金利時代でも元金の1.4倍は支払っているはずです。
とらぬタヌキの皮算用になりませぬよう。
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コラム375 2012年09月19日
テロと変わらない
いま、隣国では不満を持つ人たちが暴徒化し、日本人だというだけで殴ってきて怪我を負わせる
事件が頻発している。
デモの出来ない国でデモが行われていること自体、国がやらせていることを物語っているし、
逮捕もしないということはすべて容認していると解釈されても仕方がないだろう。
長い期間一党独裁をしてきた弊害を解決するために商業主義を取り入れたまでは良かったが
力(富)をもった人たちとそうでない人たちの格差が広がり、不満に思う人たちは愛国心を表に
不満のはけ口にデモを行なっているように思う。
毛沢東の写真を掲げている映像を見ると何を主張しているのか想像ができる。
あのころは貧しかったが皆が平等だった・・・
そういう主張は一部に正しいのかもしれないが、それなら何故こういう資本主義を取り入れたのかも
理解させる必要があるのではないか。
貧富の差が出来るのはどこの国でもあるが、それを国が税金という形で富の再配分をしているのでは
ないか。
その再配分が偏ってくると富めないものが不満を募らせる・・・、当然のことだと考える。
しかし、それを直接の関係がない工業・商業者にまで向けるのは方向違いというものだ。
その陰には大多数の中国国民がいるわけだし、中国のために働いている日本人もいる。
これだけ世界の製造工場といわれる国になるとお金も溜まってくる。
国家財政が潤ってくれば軍備の拡大になってくるし、いままでグレーゾーンだった部分の
主張をしだしてくる。
体格がよくなってケンカにも負けない自信が出てくると、お前どけ・・といいたくなる。
しかしそれは大人の行為とはいえない。
基本的には島の領有権を主張し国内外に報道しているので、そこまでは国情は理解できるが、
そのデモがもとで暴徒化しても見て見ぬふりではテロの容認と変わらない。
戦後の日本のように近代史をきちんと教えない国も責任があると思うが、やられたことだけみっちり
教育し、それを政治に利用するというのは何とも先進国とはいえない振る舞いだと思う。
教育とは戦争の経験をしたことがない人にまで過去の知識を浸透させるが、どこまで広い視野で
客観的に教えるかが大事なことだと思う。
逆の立場で
日本にいる中国に人が「この野郎」といきなり怪我をさせられ店を焼き討ち破壊されることが
続出したら、本国の人たちはどう思うのだろうか。
どの国のどのような戦争を見ても「暴力からは何も生まれない」ということを知ったはずなのだが
それは教育の範囲に入っていないようだ。
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コラム374 2012年09月18日
やっぱり形式だけか
経済産業省のトップ(枝野さん)が大間・島根の原発建設再開を容認したと報道されました。
結局この国は、経済の優先を選んでいるんですね。
八ッ場ダムもおなじようでした。
国民の意思がどうのとかはパフォーマンスだけで何の足しにもならないということです。
裏では、官僚と工事関係者のものすごい突き上げがあって、最後は「票」なのでしょう。
官僚は一度決めたことは変えない。
自分たちの既得権は何があろうとも守る。
官僚の言う「パブリックコメント」なんて身内で投稿して内容はどうにでもしてしまう。
官僚は自分たちは危険なところには絶対行かない。
だから関係ないんです。
業界から突き上げを食うことからすれば、民意なんてちょろくかわせる・・と思っている。
これだけのことがあってもなお、建設推進ということなら、ついでに霞ヶ関のとなりにもう一基
作ればいい。
他人の痛みが判らないのだから、自分で痛みを感じるほかはない。
海のそばだし、冷却には事欠かない。
第一、送電ロスがない。
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コラム373 2012年09月15日
自画自賛
自分で描いた絵を自分で褒める・・・辞書にはこのように書いてあります。
今のハウスメーカー・ビルダー各社にはこの言葉がぴたっと当てはまります。
中身の問題とそれに値するかどうかは周囲が決めること、それが「評価」だと
思いますが、この住宅業界はちょっと違うようです。
業界最高品質!
ランク最高の長期優良住宅!
自由というなの贅沢!
工場で作るから最高品質!
まあ、どれをとっても何を根拠に言っているのかわかりませんが、「ヨイショ」の域を
出ないものばかりです。
品質を問うというのは、まず素材が優れていること。
その「優れている」ことも何に対して優れているのか。
揮発物に対しての安全性か
長期耐久性に対してのものか
処分時の「廃棄性」に対しての優良性か
初期強度だけで誇張するのもそれは自由でしょうが、一部分だけで全体をカバーするような
表現は誤解を招きます。
公正取引委員会が何とも言わないのだからOKということではなく、自分自身の「ものさし」をもって
みていないと全体を見誤ります。
業者と建て主では知識力に大きな差があります。
商売ですから、良いところを発信していかないと売れないのでしょうが、不利な面もきちんと
言っておかないとこれからの取引にはフェアでないと言われます。
構造体において集成材の使用
床組みに対して厚もの合板の使用
耐力壁に面材の使用
天井・壁材に大量の石こうボード使用
機械加工の金物大量使用
いくら初期に性能面・価格面で優れているといっても、耐久性揮発物の安全性、廃棄性で
バランスがよくなければ、「全体のしての優秀性」には合格とはなりません。
大げさに話す人には「話半分」という言葉がありますが、住宅メーカーの宣伝文句も例外なく
話半分でしょう。
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コラム372 2012年09月13日
・・・、それが問題だ
世間の建てられている住宅を見ると、ほぼ共通する「あること」に気付きます。
それは「硬い家」ということです。
これは面材という製品で耐力壁を作るもので、合板・鉱物資源などを使った多くの製品があります。
これらがなぜ台頭してきたかというと、地震による揺れをいかになくすかという点にあります。
ものの考え方は、受けるエネルギーを柔らかく受け止めるか、びくともせずにガチガチで
受けるかの二通りです。
ビルダー・行政の考えているのは後者です。
地震に耐えるというのは命を守る家としては重要なことですが、動かないことと丈夫だということが
必ずしも一致するとは言えません。
もしそうであるならば、昔の建物は全部消えていたはずなのです。
でも、現実はそうではありません。80年に一度とか100年に、あるいは1000年に一度とかいう
大きな地震が各地で起こってきたわけですが、硬い家以外がダメだとしたら(今日の)築150年
200年という建物は残っていないはずです。
揺れイコール危険と考えている現在と、揺れることで地震エネルギーをしのぐという違いです。
そのために木と木を組み合わせる「木組み」が作られて、ほどほどの柔らかさで対処してきたことが
いままで生き残れてきたのだと思います。
ただ、どのタイプの建物だから万能で大丈夫だということはないということです。
物質は何かに対して共振という厄介なものを持っています。
超高層ビルはいずれかの長周期振動地震には揺れを増幅してしまう性質を持っています。
RC(鉄筋コンクリート)構造はガツンとくるような瞬発的な動きには自重がついてゆけず
腰砕けになる恐れを持っています。
これらを見てもわかるように、使う素材によって強み・弱点をあわせ持っていますから、完璧なものを
つくるというは出来ないと思います。
面材は平面に対してはほとんど変形しないくらい強いものですが、平面に対して直角の動きが
きたときは無防備です。
それはそれで別の壁が対応するのでしょうが、地震はそんなに都合よく面の方向に動きが
あるわけではありません。
そうなると物理の勉強みたいになりますが、合力・分力のベクトルの世界になります。
壁面で弱い部分は平面(床)で補いということになるのでしょうが、硬いものを追求していくと
どこまでも硬いもので対処しなければならないことになってしまいます。
床は壁と違って面積も大きく、何枚かの合板でつないでいます。
ですから壁のようには「一枚岩」ではないので、同じような信頼性は得られないはずです。
結局は接合部に力が集中して、ある限界を超えれば破壊になるのです。
ツーバイフォーの壁工法の建物でも中の間仕切り部分はほとんど耐力壁仕様にはなっていません。
その部分に制振装置などをいれてエネルギーを柔らかく吸収しようという試みがなされています。
これなどは「硬さ」がすべてに対処できないことを知っているからなのだと思います。
耐力壁の面材は釘でとめています。
釘は金属ですが、ビスと違って引き抜き力には若干劣ります。
しかし、ビスでも釘でも耐えられる限界はあるのでそれを超えたら破壊しかありません。
これは他のものでも同じです。
それを考えると50歩100歩と思いますが、いざというときの相撲の粘り越しみたいなものが
あるかないかで家が潰される決定的な違いが生まれるような気がしてならないのです。
建築基準法で言えば違反でなかった昔のタイプのRC(鉄筋コンクリート)建物が破壊されたのをみると
硬いから丈夫だという説はアテにならないと考えるのです。
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コラム371 2012年09月12日
部落内の新築住宅4
一昨日、やっと防水紙が張られ、雨の浸入を防ぐことが出来た現場には、昨日「KMEW」という
クボタ・松下の合併会社の製品、コロニアルが搬入されました。
約35坪くらいの量に見えました。
切り妻屋根ですから無駄はあまり出ないつくりです。
この下地は合板のほうが適しているので素材的には順当と思われます。
重量は瓦と比較すると半分以下、地震についてのトップヘビーを軽減するという意味では
少し貢献しています。
ただ、瓦と違って、熱対策がしっかりしていないと夏の暑さに困ります。
それとメンテナンス、つまり15年以内で再塗装をしていかないと素材が劣化するのです。
それぞれにメリット・デメリットを持っているので良く理解しておく必要があります。
初期投資とメンテナンスを考え合わせるとやや瓦のほうが有利かなと感じます。
最終的には建て主さんがどのように選ぶかですが。
この家はこの先、サッシが入り防風シートが張られ一応は外からの雨は防げるようになります。
ただ、(一般的に施工されているのを見ていると)耐力壁の代わりになる面材の上に直接
防風シートを張ってしまうと思います。
本来このシートは何かにぴたっとくっ付けて張ってはいけないものなのですが、そんなことは
お構いなしで進められるでしょう。
多分、面材のうえにどんどん張られていくものと思います。
だからどうした・・と言われても、致命的なことではないのですが、メーカーの指導書には
内外とも隙間をあけて空気層を作るようにと書かれているはずです。
これはツーバイフォーの住宅でも同じことです。
どこの現場でも下地桟を打ってからシートを張っている現場など見たことがありません。
どちらかというと、この現場に張られている面材は多少呼吸性があるので、万が一、
シートが濡れたとしても蒸発しやすい条件になると思います。
しかし、この面材が合板だとのり(接着剤)が耐水性なのでシートと合板の間に入った
水がいつまでも抜けないということになります。
そうなるとどうなるか、腐りとカビの原因になるということです。
条件は簡単に揃ってしまいます。
栄養・温度・水・・・3拍子揃うことになりますからちょっと要注意です。
政府の答弁ではないですが、「今後も注意深く見守りたい」と思います。
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コラム370 2012年09月11日
また一つ、変な家が・・の続き
ここ数日、連日書いている部落内の新築住宅の様子を見るためにいつもの道を通って
いませんでした。
その間に、07月26日に書いたファインカットログの家が完成していました。
白い木の「ホワイトウッド」と呼ばれる北欧材は、木材保存剤を塗った様子で見事に変身して
いました。
足場が外され、全容が見えるとそれは壮観でとても丈夫そうに見えます。
でも、使われている木が何であるかを知っている自分としては「うまく塗ったな」としか
見えません。
それなりに見える「木材保存剤」は10年未満で効力はほとんどなくなります。
この建て主さんはその辺のところをきちんと説明されているでしょうか。
北米ならDIYの国ですから何でも自分でメンテナンスをするのが当たり前だと思って
せっせと作業するでしょうが、この国はそこまで行っていません。
たいがい、家は建てたら一生物と考えている人がほとんどで、そうでない人も含めて
コツコツと自分で手入れする人はそう多くはありません。
この近所の同じ部落内の家で、ファインカットログに住んでいる人がいますが、私の予想通り
北側の黒かびが目立ってきました。期間で言えば10年未満というところです。
住人は毎日見ているから変化に気付かないのかもしれませんが、確実に傷みがきています。
そうなる前にきちんと保存剤を塗っておかないと、家の構造体そのものなので、手遅れになったら
とても厄介になります。
下から順に積み上げていって壁を作っているのですから、中間がダメになったからといって
簡単には入れ替えが出来ないのです。
そんなことは重々知っているのでしょうけれども、今のところ何の作業もやられる様子はありません。
ログの特徴は(ファインカットも同じですが)すべて下のものに上乗せの形で構造体が作られて
いきます。
しかも、ただ積み上げるのではなく、ずれないようにして実(サネ)を作っておいて重ねていきます。
仮に下から3番目、4番目の交換が必要となっても、素人が簡単に修理出来るものではありません。
それでもやる場合には、作った逆の順序でそこまで分解していかないとなりません。
そういう怖さがログハウスにはあるのです。
なぜ、このような家が出来るようになったのか。
それはこのような作り方をしてもその土地では弊害が出ないから出来たのです。
冬は湿度が高いが気温は低く寒い・・・・・・・・・・腐朽菌が活動できない
夏は入山禁止になるほど高温でカラカラ乾燥・・・腐朽菌が活動できない
どの季節でも腐らない条件が揃うのです。日本とは逆です。
そんな環境の違う国のものが、ポンと家だけ日本に持って来て何もないということはあり得ません。
ただ、その結果が出るには長い期間がかかるために、売ってしまえば勝ちというのが
まかり通っているのです。
ホワイトウッドという木が悪いのではありません。使う人間のほうの問題です。
使う側が理解して使えば外国の木でも充分に役に立ちます。
そこを無理解の人がやるから、やがて起こるクレームも説明できず、ぶつからなくても良い
問題を抱えることになるのです。
まあ、その頃には該当する会社はほとんど潰れてしまって、建て主は訴えることも出来なく
なっているでしょうけれど。
適材適所という言葉は結構使われていますが、このようなケースは一番不適材不適所だと
思います。
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コラム369 2012年09月07日
部落内の新築住宅3
気になっている、部落内の現場続報です。
3日(月)に上棟になり、今日で5日(まだ朝のうちですから実質4日)ですが、すでに3日雨に
うたれました。
今朝、現場前を通ったときには屋根はまだ濡れていました。
夕べもけっこうな雨が降りましたから、防水紙のない野地合板からどれくらい雨漏りしたか
非常に気になります。
現場では、作業者が一日の仕事を終えて帰るときにはロープが張られています。
一応、「入るな」という意思表示なのでしょうけれども・・・
昨日には、単管足場にビルダーオリジナルの文字の入ったネットがかけられて、中の様子が
わかりづらくなってしまいました。
それでも先日書いたように、耐力壁の面材打ち付け作業は着々と進行しています。
さすがにネットが張られると外見上も管理がしっかりなされているなという印象を受けますが、
中身は違いますね。
柱・土台・桁と大部分が集成材使用なのになぜ雨に対してこれほど無防備なのでしょう。
多分、監督はじめ、関係者全員が根本的な材の取り扱い方を理解していないのでしょう。
それとも、部材メーカーの「大丈夫ですよ」を信じて疑わないか・・・
それにしても、最高品質とか上質とか自分で言うことでしょうかね。
ネットの掲載文字が妙に空々しく見えます。
建て主さんもビルダーを信じて現場など見に来ないのでしょう。
たとえ、この状況を見ても第三者からデメリットを説明されない限りわからないでしょうし、
そういうことは考えてもいないでしょうから不思議とも思わないでことが進んで行くと思います。
はたして、屋根屋さんはいつ来るのでしょうか。
これだけ日数が空くことをわかっていたのなら、上棟したときに野地合板の継ぎ目に布テープでも
張っておけば構造体の濡れは防げたでしょうに。
PRの文字が泣きますね。
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コラム368 2012年09月06日
銀行はサービス業だというが・・
事業をしている方なら経験がおありと思いますが、毎月支払う給与の源泉税と市民税の納付が
翌月の10日までにあります。
社会保険は自動で引き落としになるからまだ良いのですが、この二つの税は変動がある可能性が
あるので、毎月窓口に行って手続きします。
この10日がけっこう混むので、なるべく数日前に払い込みを済ませてしまうようにしています。
各種税金の払い込みには窓口で別にもう1枚納付書なるものに記入させられます。
以前は、1枚だけ名前と電話番号だけの記入でしたが、今度からは納付する先1カ所に付き1枚、
しかも納付する金額まで書き入れろということになりました。
まあ、私のところは2枚の記入で済みましたが、これでたくさんの市町村に納める会社は
大変な作業量になると思います。
それにしても、この別に書かせる納付書の意味は何なのでしょう。
自分たちの作業を省くために我々にその手数をかけているのでしょうか。
そうとしか思えません。
すべての納付書に対して必要なら納付書のほうで対処すればいいことではないでしょうか。
たった一枚カーボン紙を増やせばいいだけのことです。
長期的に見てみると、金融機関というのはサービス業と言いながら、一番そのサービスが
怠慢になってきていますね。
預金金利は限りなくゼロに近く、貸出金利だけはしっかり取るくせに。
以前のように外回りはほとんど見かけなくなりました。
特に信用組合・信用金庫は地元の御用聞きと言われたくらい地域に密着していて
預金も引き出しも便宜を図ってくれたものでした。
いまではバイクのお兄さんはほとんど見ることはありません。
口では「皆様の手足となり地域に貢献していきたい」と言いながら、実際は何もやらないで
安全なところへ金を貸し、徹底した合理化のお蔭なのか窓口はほとんどパートさん、
その窓口でさえ「振込みは機械でどうぞ」と言います。
「じゃあ、あんたが窓口にいる意味は何なんだ」と言いたい。
その機械で振り込むにも金額制限があり、一定額以上の振込みは出来ません。
二回にわけてやったとしても、手数料だけは回数分だけしっかりとります。
まるで根性悪のいじわるばあさんです。(おばあさんに失礼ですが)
それならばと
さかんにネットバンキングをすすめ、銀行に来なくても用が足せる、給与振込みまでやれば
ポイントがつくとかおっしゃる。
銀行まで何がポイントだ。
買い物じゃあるまいし、その裏では年会費をきちんととっているではないか。
ネットで詐取されたって銀行は責任などとらない。
そんな危ないものなど信じてやれと言うほうがおかしいです。
それにしても最近は窓口で「身分証明を・・」と言われる場合が多くなったと感じます。
相手が信用できないから要求してくるのだろうが、逆を言えばこっちから預金するときも
相手に「身分証明を・・」と言って見たい気がします。
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コラム367 2012年09月05日
部落内の新築住宅2
昨日の夕方、北西の空が真っ黒になってきたと思ったら、ものすごい勢いの雨。
バケツをひっくり返した・・・という表現がピッタリでした。
気になっている(別に関係があるわけでもないのに)部落内の建築現場はどうなったか。
昼間は、間柱取り付けなどの作業をやっていたようです。
これは面材を打ちつけるための前準備だと思います。
気になる屋根ですが、まだ合板を張ったまま、防水紙が施工されていませんでした。
「はは〜ん、なるほど」と思いました。
きっとここは、屋根屋さんの領域なのだと思います。
通常なら、大工さんは一番先に屋根の防水をするものです。
しかし、この現場ではその分は手間に入っていないのでしょう。
きっと屋根屋さんがルーフィングを敷くところから請負の金額に入っているのだと思います。
皆さんは、合板だから雨が下に流れてしまうと思うでしょうが、そうはうまくはいかないのです。
がばっと降った雨の大半は勢いで傾斜に沿って下に落ちますが、継ぎ目部分からもかなり
落ちます。
下には「濡れてはいけない集成材」がいっぱい。
そこにボタボタと垂れていきます。
これで二日続けて雨濡れになりました。
このように連続して濡れていると乾く時間がないまま、また濡れるというパターンになり、
水がしみこんでいく最良?の環境になってしまいます。
干物が水を吸うと膨れ上がります。
その干物を元通り乾燥させようとすると、濡らす時間の何倍もかかります。
そういうことを現場では理解していないでしょう。
たとえ、わかっていたとしても「俺の責任じゃねえ」と、大工さんは自分のやるべきことだけを
どんどんやるだけです。
だから面材を打ちつけるための下地作業を優先してやるのです。
屋根の防水を先にやった方が良いとわかっていても自分の仕事ではないですから無視。
もちろん、現場監督も(たとえ熟練者でも)見て見ぬふりをして先にすすめるでしょう。
こうして乾ききらない構造体のまま、どんどん次の作業が進められていきます。
はたして、建て主がそこまでわかっているかどうか・・・、私はまったく知らないと思います。
建て主さんも家としての知識をもっと持っていたなら、この住宅会社・この工法は
選ばなかったろうと思います。
知らないということは不幸なことでもあり、幸せなことでもあります。
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コラム366 2012年09月04日
部落内の新築住宅
1ヶ月以上前から基礎工事が始まり、完成してからも3週間以上そのままになっていた現場が
ようやく上棟になりました。
朝、ここの前を通ってきたときは土台だけが敷かれていましたが、夕方には屋根まで出来ていました。
ただし、防水紙は張られていませんでしたから夕べの雨には濡れたはずです。
この地区は完全に市街化調整区域ですので、既存集落(宅地)扱いで、ここで生まれたか、または
以前からここに10年以上住んでいた実績のある人しか建てる権利がありません。
施工会社は地域ビルダーと呼ばれているNホームです。
基礎を見たときからずいぶん北へ寄っているなと思っていましたが、目視でも1mくらいしか離れて
いないように見えます。
建物は切り妻屋根総二階ですので、もし、雪など降ったら完全に後の家へドスンと落ちます。
注目すべきはその構造体、見事なまでに「集成材」です。
土台から桁まですべて張り合わせもの。
土台 米松集成 10.5cm角
柱 ホワイトウッド集成 10.5cm角
桁 欧州赤松集成
野地 針葉樹合板 12mm
床は剛床工法の厚い合板が張られていました。
部材として集成でないのは母屋くらいのものです。
木材の加工はすべてプレカット(工場)加工。
以前、土台は米ヒバの集成が使われていましたが、今は米松に切り替わったようです。
土台としてはずっと米ヒバのほうが役者が上なのですけれども、ここはやはりコストダウンの
結果でしょうか。
土台の下には基礎パッキンが使われていました。
この先、順次書いていきたいと思いますが、なにせ部落の中の通りに面した場所ですので
止まって撮影するなど出来ません。
車の来ないときと思ってもなかなかタイミングがあわない。
怪しまれてしまう・・・
そんなわけで口頭の説明だけになってしまいますがご了承下さい。
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コラム365 2012年08月30日
誰もやる人がいない
先日、長い取引の問屋さんから電話がありました。
内容は関東では大手といわれる地域ビルダーの大工さん探しのことでした。
その名は「杉屋住宅」のおとなりさん。
問屋さんは宇都宮の会社、取引先にそのビルダーと取引している材木屋があり
そこからの依頼らしいのです。
福島県の浜どおり、茨城県寄りに建つ現場があるのだけれど人がいないとのこと。
日立あたりにやってくれる人はいないか・・・というものでした。
こちらはひたちなか地区なので日立地区に詳しい兄に聞いてくれるようお話しましたが
何軒かあたってくれたようですが、該当なし。
すでに大工さんは自分の仕事はなく、どこかのハウスメーカー(HM)に専属で入っていて
個人の仕事はやっていないのが現状です。
たまに、自分で頼まれたリフォームなどやろうとしても、HMから声かけられたときにすぐに
対応できないと二度と仕事が回ってこないということになるため、一日二日程度の簡単な
作業、それも日曜以外はやらないそうです。意外と現実は厳しいのです。
こうして、ある程度形が決まってしまったこの世界、しかし、ビジネスとして捉えている会社としては
数字をどんどん伸ばしていかなければならず、多少自分たちのテリトリーより出たところでも
顧客を獲得していきます。
常識的に考えて、住宅というものは作業する現場の範囲を限定します。
あまり遠くて後々に即対応できないようなところはお客さんに迷惑をかけてしまうので
最初から近くの業者を探してもらうようにしています。
その辺が我々と違うところだと思っています。
つかんだ客は逃がさない・・・という方針から、多少の距離でも契約してしまうのがこのタイプの
ビルダーです。
普通、近くていい現場は手離したくない大工さんを向けます。遠いところはそうでない人を向けます。
遠くをやらされる人は交通費を出して欲しいとか手間を積み増してくれとか監督に要望します。
すると、監督は「いやなら他の人をむけるからいいよ」といってバッサリ切り捨てます。
こうして人員調整が今までなら簡単に出来ていました。
ところが震災後の需給バランスが逆転して立場が変わりました。
リフォームや簡単な修理など、列を作って待ってくれるようになったのです。
そうなると形勢逆転で地元優先で仕事をする人が出てきます。
今までの手法が通用しなくなったビルダーはどうするか、取引の納材屋に紹介させるのです。
納材屋も人の子、買っていただいているお客様から頼まれればイヤとは言えません。
その仕入れ先である問屋へと話が伝わっていきます。
問屋は広範囲に取引しているのでそのルートから探すのです。
とはいうものの、あちらもこちらも震災被害状況はおなじようなもの、そう簡単には見つかりません。
今回、声がかかった問屋さんにも父の代からお世話になっていることもあり、こちらもある程度
声をかけて反応を見ましたがあいにくの状態でした。
そんな事情から「該当者なし」とご返事申し上げました。
それじゃあ建て主さんはどうなるのか・・・、私がそこまで気を遣う必要はないのですが、
きっと、いつも近場をやらせている(優秀な)方を向けるのではないでしょうか。
多少の色をつけて。
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コラム364 2012年08月23日
誠意を示せない人
我々の取引は昔からの掛売りという信用で成り立っている部分が大きいです。
高度成長時代には多少のへまをやる人でも何とか次々と仕事が出てきたので
自転車操業とまでは行かなくとも支払いの遅延程度でまったくの貸し倒れというのは
すくなかったです。
しかし、この不況の時代になると世の中甘くはなくあちこちでボロが出始まります。
自転車操業どころかマンホールに頭から落っこちてしまいます。
まだ、原発の影響で仕事が減ったとか、回りまわってシワ寄せが来たとかだったら
許せるところもあるのですが、こういうタイプの人間はいつまでも頭が切り替わらず
「坪いくら」とかろくな書類も作らずに勝手に仕事を進めて建て主とトラブルになっています。
その結果、工事金を100%回収できずを繰り返しやがては資金ショートを起こす羽目になります。
始末が悪いことに、納入業者や下職業者を下だと見ている人間が多く見られ、
金がないときは次の工事代金が入るまで待っているのが当たり前だと考えています。
こういう人間に限って何かあったら一発大もうけしてやろうと考えます。
実際にあったことですが、
3.11地震の直後にはどこから工面してきたのか屋根瓦の部材がドドドーンと自宅前に積み重なり
あちこちの被害宅に声をかけ、修理作業を受けていました。これがまた驚くように素早い。
そういう貪欲さには感心するのですが、それもこちらに支払いもしないでやっているのですから
「いいクソ度胸」をしています。
こういうのに限って口先がうまいんですね。家族そろって。
口では「払う」と言っておきながら一向に払わない。
売掛金も二年の期間放っておくと法律的に権利が行使できなくなってしまうから、内容証明つきの
郵便物を送達するのですが、それでも何の反応もありません。
その間も払うような素振りだけを見せて引き伸ばし作戦。
当然のように、支払いの悪いやつというのは、一軒ばかりではなく他にも同じようなことをやって
います。
建築の同業者に聞いてみるとあちらもこちらもです。
それでもこういう人は「かえるのツラに何とか」なんですね。
平気です。開き直っているとしか思えません。
信用を大事にしていても、それはお互いに思っていればの話しで、こういうタイプの人間には通じません。
人の好意を悪用されるだけです。
こちらも、ある程度見切りをつけなければなりませんので、法的手段に移ることになります。
今は法的に供託金を積めば、いきなり「仮差押え」が出来ます。
のんきに通常の裁判をと考えていると財産隠しをやられてしまう可能性があります。
(こういうタイプだからその可能性大です)
おさえる内容は「預金」と「車」、それに仕事中の資材と現場です。
金額はどうでも相手を押さえ込むことが出来ればその効果は大きいです。
世間的メンツを気にする人間なら素直に払うかもしれません。
それが出来なくても、相手にショックを与えることは出来ます。
私らも長いことこの世界で掛売りをやってきました。
そのほとんどの人たちはきちんと支払いをしてくれます。
ただし、ほんの一握りの人がタチの悪い人なのです。
永年の自分が原因で世の中に迷惑をかけていることを自覚していないのです。
お金の管理が出来ないくらいなら建築には手を出すべきではありません。
ただの「職人」として活躍していればいいのです。
そのほうがよほど迷惑になりません。
でも、錯覚してしまうのでしょうね。
戦後の高度成長期の需要が旺盛だったころ、自分は棟梁になったつもりで采配を振り
皆をアゴでこきつかい、「虚像の棟梁」をやってしまったのを何時までも忘れられない・・・。
墓穴を掘った今でも、もう一度花を咲かせてやると息巻いている・・・。
哀れです。
「儲かったら自分の腕、損したのは世間のせい」
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コラム363 2012年08月21日
おかしな理屈
近頃、やたらと太陽光発電と蓄電が騒がれています。
それにエネファームとか新たな自家発電まで加わってきました。
ガス業界も負けず、巻き返しに注力しています。
エネルギー効率を語るには、きちんとした物理理論と数字の説得が必要だと思うのですが
この部分がまるで欠落しています。
なぜ、電力会社が都会のど真ん中ではなく田舎で大型設備を使い電気を起こしているのか。
その電気を送電線を使い都会へ引っ張ってくるのにどれだけロスが出るのか。
それが効率が良いからやっているのだろうから、その近くに大型太陽光発電を作れば
一般家庭でいちいち設備する必要はないわけだし、保守点検だって効率よく出来る。
なぜ、電気が足りない、停電になったら大変だとか言われているのに電気自動車が宣伝されて
いるのか。
いざとなったら電気自動車は家に電気エネルギーを供給できると言っていますが、そのため込む電気は
どこで作っているのか。
もともと送られてきた電気をためこんだだけで降って湧いた訳ではないでしょう。
量的にも、1日か2日かの問題ですべてが解決できるわけではありません。
必要なのは家庭より緊急性の高い病院や介護ホームなどのはずです。
個人に補助金まで出してやるなら、公共の機関で必要なところへ援助してあげればいいのです。
そもそも、エネルギー変換効率もはっきり示されていないのになぜ「蓄電」なのか。
夜の電気が余っているなら、発電所のすぐそばで大きな蓄電池をそろえればいいことです。
消費者側は何も投資する必要がなく、ただ節電に努めればいいだけのことです。
それをやらないのは効率が悪くものにならないからであって、それを個人に押し付けるような
策はどうみても感心できません。
蓄電がものにならないから原発でもディーゼル発電だったのでしょう。
それが出来たなら原発は安定していたはずです。
その理屈が民間にはなぜ蓄電にすり替わるのか。私には理解できません。
個人的に太陽光発電を設置するとしても
借り入れしてまでやることでしょうか。借りれば利息を払わねばなりません。
ほとんど無利息の現時点でも借りるには2%3%以上の金利がかかってきます。
200万円の金額は最終的に300万円支払うことになります。そこまでしてやることでしょうか。
喜ぶのは設備業者と銀行だけです。
決定的な欠落事項は「そのものを作った生産総エネルギーが表示されないこと」
それでいて生み出す電気がなんぼとか、話しになりません。
こんな片手落ちの欠落したものはありません。
それがゼロでできるなら世界のエネルギー問題はとっくに解決しています。
公正取引委員会は不当表示で取り締まるべきです。
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コラム362 2012年08月18日
食料への執着
我が家の番犬(名前はサン)の散歩コースに公園が二ヶ所あります。
近いほうが第一公園、遠いほうが第二公園。
その両方の公園の周囲にサクラの木がたくさん植わっています。
この時期、セミの声がうるさいほどしますが、その生まれ出てくるのがこの木の周辺なのです。
セミはずっと地中で過ごして成虫になるときに出てくると聞いていましたが、実際に目にしたのは
最近のことで、今まで気にもしていませんでしたからその様子など見たこともありませんでした。
ここ数年ですが、我が家にもちょっと大きなハクレンの木があり、そこの周辺からセミの幼虫が
出てきてかえるようになりました。
それを注意してみていると実に用心深く、敵にやられないように巧妙に出てくるのです。
ただ、このハクレンの木の下には夏の暑さ対策で犬の居場所になっているため、セミも慎重に
出てこないと犬とその鎖などにより出てきたところをはじき飛ばされたり踏み潰されたりする可能性が
大きいのです。
ま、それはさておき
日没となり、本当に薄暗くなりだした頃、地中から1匹、抜け殻ではない中身の入ったセミが
そうっと出てきます。見た限りではひとつの穴から何匹も出てくるということはないようです。
薄暗くて同じような色をしているので枯葉交じりの地面では良く見ていないと見失ってしまいます。
歩くスピードはのそのそとゆっくりなのですが、これがちょっと目を話すとあれっと思うほど先に行っていて
早いんです。
セミの抜け殻は何度も見たことがありますが、中身の入ったものはあまり見ていません。
それがゆっくりながら確実に木の上目指して移動していきます。
大概は木の葉の裏側の目立たないところで落ち着いて場所確定となるのですが、中には変なところへ
上ってしまうやつもいます。
植木の柵などや名札の杭等、のぼってしまって時間切れとなったのか、そこで脱皮してしまうもの。
テラスの階段にのぼっていってしまってそこで脱皮したものなど、いろいろなケースがあることが
わかりました。
これまで二回の脱皮シーンを見ることが出来ました。
人間で言えば首筋から背中にあたるところが割れてゆっくりと盛り上がってくるのです。
そして、地上に落ちてしまいそうな反り返った状態からゆっくりと起き上がって殻の外側や葉っぱなどを
しっかりつかんで最後にお尻が出て無事作業終了になります。
ハネはほんの数十分くらいで成虫の形まで伸びてきます。その色がまた鮮やかで薄い若竹色をして
いるんです。
最初は透き通るような色だったのに朝には立派なセミの色になっているのですから自然の力は
すごいなと思います。
それはさておき
例の公園には夕方になると決まってカラスが地べたの付近をうろうろしているのです。
普通、カラスが公園で遊んでいるなんて考えもしませんでしたが遊んでいたのではないんですね。
通常なら薄暗く、とっくにねぐらに帰ってしまう時間なのですが、残業しているんですね、これが。
不思議なことに、毎回出会うカラスが同じように見えます。
きっと背番号でもつけていれば同じだとわかるんですがそこまではできません。
その動きを見ていてわかりました。
なんとセミの幼虫が地上に出てくるのを待ち構えているんです。
カラスは頭がいいと聞きましたがほんとにいいんですね。
それにしても、セミの幼虫を狙うとは確実な食料確保手段を見つけたものです。
そうなるとだまってみていられずに、ツカツカと公園内に入って行き「こらっ」と言いたくなって
しまうんですね。
いままでに何回かカラスを追い払ったのですが、そこで食べ損ねた幼虫は何匹くらいいたのか。
夏の真昼間、ジィジィとうるさい様に鳴くセミの中に助かったセミも鳴いているのかな・・なんてね。
鶴の恩返しってことは聞いたけど、セミの恩返しはあるのかな。
「ない、ない、ない」
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コラム361 2012年08月17日
仕事に戻りました
昨日まで、夏季休暇(盆休み)でお休みしていました。
本日から通常の仕事に戻りました。
といっても、私は12日(日)には家造り勉強会のセミナーをやってきましたから13日から休みだった
ことになりますが。
それでも皆さん熱心です。今回は14名の方が参加されました。
テーマは「予算」の話しでしたが、
実際、過去に家を建てられた方のデータをもとにお話いたしました。
予算組みするまでの希望、見積りしてからの組み替え方、そのための必要データなど。
構成比率を実際に%で見てみると、いかに自分がずれた考え方をしていたかもわかります。
その意識発見とどこを重点的に考えていくかを認識するかなどをお話し致しました。
会の終了後、那珂市のFさんのお宅を拝見させていただきました。
家を建てられる方はご自分の意思をしっかりと認識している必要があります。
見学するときに、その建てた方の意識を読み取ることが大事です。
どうしてこの人はこれを選んだのか、どのように生活したかったのかを読み取ることは
自分の家づくりでも大変役に立つことです。
展示場で「売る為の箱」を見ても参考になることはあまりありません。
あるとすれば「空間の体感」くらいでしょう。
それは家を建てようと思ったら見に行くのではなく、図面の最終チェックのときに行くのが
一番グッドタイミングです。
さて、来月は「業者の話」で、各協力業者の人が何人か来てくれます。
どの業者の人が来てくれるかはまだ決まっていませんが、直近になったらお知らせいたします。
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コラム360 2012年08月10日
シロアリと木
先日、自宅の植木の整理をやったとき、もう20年以上前に作った道路との境の柵をゆさゆさと
動かしてみました。
これが意外としっかりしていてまだまだ使えることがわかったのです。
木の柵ですから打ち込んである杭も木です。
当時、地中に埋め込むのだからとわざわざカチカチのアテ木を選んで杭に使いました。
※アテというのは木の成長期に風などに負けまいとしてできる反力のようなもの。
建築用材としてはまがり・ねじれなど狂いが多く出るので好まれない。
木は水分があると腐朽菌により腐りが出ます。腐るには空気と温度も関係します。
それらの条件が揃うと菌の活動により腐りだしやがては土に還って行きます。
自然物としてはごく当たり前のことなのですが、住宅の部材としては困ることになります。
腐る度合いは樹種によっても差が出ます。
腐りやすい木の上位から言えば、白っぽくて軽い木、そして硬くて重い木の順序になります。
樹種でいえば、モミ系(外国から入ってくる木ではホワイトウッドなど)
腐りにくいのはアピトン系(昔、自動車のボディ材に使われた)茶系の硬くて重い木。
一方、腐ることと似ていてシロアリの被害との違いは、
白っぽくて軽い木が好まれるのは同じですが、濡れていなくてもシロアリに食われること。
要するにシロアリの食い易い柔らかさがあるものが結果としてエサにされることが多い。
木は成長する特徴に、トンガリコーンをかぶせるように外に外に年輪を形成していきます。
その十数年から二十数年くらいは白い色の部分に葉っぱで作った栄養分を蓄えています。
しかし、それ以降の内側の年輪にはほとんど栄養分がなく、色も赤っぽくなっていきます。
腐る順序はまわりの白い部分が早いのですが、中の赤い部分も少し遅れるが腐ります。
しかし、シロアリに食われるケースではまわりの白い部分は食われるが、芯に近い赤い部分は
若干はかじられるが致命的な被害は受けません。
昔からの人たちはこのことをよく知っていて、薬など使わずに知恵で対処してきました。
硬くて赤身の強いもの・・・それでいて手に入りやすく加工がし易いもの。
そういう部材(資材)を経験からうまくつかってきました。
いまでは基礎というコンクリートを使って家の土台は40cm前後高くなっていますが、
昔は掘っ立て方式で直接柱が地面におりていました。
高級な建物ほど、礎石というものを用いて直接土に木材が触れないようにしていましたが
次第に一般の家もこの方式で建てられるようになって来ました。
ですから、その時代は余計に腐る・食われるということに知恵を絞ったのです。
腐るのは、木を乾かしておけば防げます。
問題は食われないようにすることです。
健康被害を気にする人はたくさんいますが、大手ハウスメーカーのやることなら何でも安心だと
思う人もいます。
しかし、大手のメーカーでも防虫・防蟻処理をバッチリとやっているところがかなりあります。
昔からの食われにくくする工夫よりも薬剤処理で均一化するほうが楽ですし、国の安全基準を
クリアしていれば、量販するにも好都合だからです。
問題なのは国の基準が本当に安全なのかという点です。
これは簡単なことで、虫が寄り付かない食わないということは人間にとっても安全でない
ということでもあります。
そういった薬剤処理で安全を謳っているのはある意味「だまし」に近いことです。
大手だから・・・とか、 国が基準値を示しているのだから・・とか、一度そういうデータを取り払って
自分の基準で物事を考えてみてください。
何十万円もかけてシロアリ業者に予防的な防除を頼んだり、大手メーカーに言われたことが
本当にそうなのかを考えてみたときには意外と簡単に答えが見えてくると思います。
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コラム359 2012年08月07日
基礎パッキンの働きはいかに
通勤途中の気になる現場があり、ときどき立ち寄ります。
そこは今時の基礎パッキンを使った家です。
土台パッキンが見えないくらい 外壁が張られたが通気部分は
防風シートがかぶさっている 確保されたのか
この写真からでは、(左の写真)通気スペースが確保されているようには見えません。
仕上がった右側の写真を見ても裏側のシートがカットされたかどうかまでは確認できません。
たぶん、きちんとカットされたあとに土台水切りを取り付け、本体サイディングが張られたことと
思いますが、道路からの写真ではそこまで確かめることは出来ません。
もし、シートがそのままだとしたら、この家の床下通気はほとんど望めないでしょう。
昔ながらの換気口ならば見えるのですぐわかりますが、こうして隠れてしまうタイプでは
ずっと現場に張り付いていない限り設計図どおり施工されたのかわからないのです。
たかが防風シート1枚・・・ですが、通気性の問題にはレッドカードものです。
基礎パッキンのメリットはチラシ等でも誇大広告ぎみに書かれていますが、現実を見ると
そうではないことがわかります。
この現場がきちんとカットされていなくて密封状態ならば、この家の寿命は3,4割縮まると
思います。それでも結果が出るまでは10年以上はかかると思うので保険の対象には
ならないはずです。
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コラム358 2012年08月04日
ビジネスだから出来る・・・
需要と供給とは怖いもので、安いものを選ぶとそれに応えられるものを提供する仕組みが
出来上がってきます。
住宅についても、行政・業者も目先の問題しか見ないから、長期優良といっても中身のない
「口先だけ」のものとなっています。
今朝方、地元の大工さんが店に立ち寄って、屋根の修理のために野地板を購入していきました。
話しによれば、屋根の修理を依頼されてめくってみたら下地がボコボコになっていたそうで、
依頼主も高齢なので傷んでいるところだけ直すことになり、1坪だけ杉の野地板をもっていきました。
「いやあ、あけてみたら合板なんだよね」
「それが、どうしてかある部分だけ踏み抜くくらい傷んでいてね」
「あまり費用がかからないようにしてほしいというので部分修理でまかなう事になったのさ」
「昔はねえ、合板は画期的なものだと使われたが、年数が経ってみないとわからないものだね」
「これが他の現場を見てもそうなんだけど、昔ながらの板を張ったところは傷み具合がほんと少ない」
「何十年て月日が経ってみないとわからないもんだね」
昔はまだ野地板くらいだったけど、いまはもっと深刻です。
構造体のほとんどが集成材と合板・木屑圧縮材ですからね。
少なからず、先ほどの大工さんの言うとおり、何十年か経ったらほとんどの「接着剤使用」のものは
同じ運命を辿ることになるでしょうね。
昔の建築の救われることは、構造体には張り付けた物は使っていなかったことです。
しかし、今の住宅は違います。
25、30、あるいは35年後かにこういった危険性のある住宅被害が現実のものとなるはずです。
現場で「見て・知っている人」は集成材を使おうとする人はほとんどいません。
それならば、大工さんは知っているのだからそういう工事はやらないだろうとお考えになるかも
しれませんが、そうはいきません。ハウスメーカーでの現場では、大工さんはただの作業者です。
現在、現場を取り仕切っている人は、住宅会社の人間です。大工さんではありません。
この人たちはマニュアルにのっとって作業をしていればそれで問題なしと思っている人たちです。
手本どおりに作業をやっていれば何にも問題点はないと考えている人に疑問点など湧きません。
たとえ、気付いたとしても自分の利益に反することはやりません。
業界の競争に勝ち、利益を出して生き残ればそれでいい。
自分の住まいとして置き換えて考えるなどということはまずありません。
家を「ビジネスとして」しか考えていません。
質を第一に考えるような職人・大工さんはあまり情報を発信しません。
逆に、この世界では価格的に受け入れられるような「ビジネス」として動き回る人間のほうが
建て主側からは良く見えるようになっていて、契約を獲得しています。
それは今の現場を見れば一目瞭然です。
現場を知っていたら、構造体に集成材は使いません。
現場を知っていたら、構造体に合板は使いません。
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コラム357 2012年08月03日
意外と早い
先日、7月27日に書いたコラムで、ローコスト住宅金物工法の屋根が防水紙まで出来ました。
意外と早かったです。約1週間でした。
私の予想は10日でしたから3日も予想を更新したことになります。
とはいってもこの現場、かなり遠方から施工者(大工さん)が来ているようで、この先どのように
展開していくのか興味があります。
現場には安全のために組まれた足場(いわゆる単管足場というもの)ががっちりガードしており
ネットも張られているため、中の様子をうかがい知ることは難しくなりました。
そんな中、防塵ネットの一部に何を誇示しようとしているのか、「最優秀品質賞」という垂れ幕が
つきました。
こういうものの言い方は自動車業界にも見られますが、最近は住宅業界でも当たり前のように
なってきました。
しかし、その根拠は何なのか・・・さっぱりわかりません。
どこの誰が表彰したというのでしょう。 まあ、大体は想像がつきますけどね。
裏事情は(あくまでも個人の想像ですが)
こういったビルダー・住宅会社が「何とか協会」という仲間で作ったような組織で、お互いに回り番
みたいに表彰をしているんだと思います。
自分で金を出してその分で広告宣伝をしているようなものです。
まあ、この垂れ幕を見て「わあ、この家って最高の品質なんだ」と思うような単純な方はいないと
思いますが、イメージとして「良さそうに見える」という錯覚は起こさせる要因になっていると思います。
ようく見ると、どこの誰と言う協会名などもどこにもないですから多分その類だと思います。
基礎高30cm程度(近くに行けないから計れない)
樹脂製基礎パッキン使用
米松の集成土台 太さは10.5cm
床は厚物合板の一発張り
柱・桁は真っ白な木の集成材 それに金物接合方式
屋根野地は針葉樹合板12mm
これって、何のことはない「ローコスト住宅」の見本みたいなもの。
最高品質に値するようなものではありません。
それでも、この表示は公正取引委員会から文句も言われないのですから何かおかしいですよね。
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コラム356 2012年08月02日
異様な光景
最近、住宅建設がまた復活してきたように見えます。
私が家から事務所に出てくるまでの通勤経路に数軒の新築物件が建っています。
しかし、そこを見ると実に奇妙な施工がされていて首を傾げてしまいます。
従来の日本の建築というのは手早く屋根野地をあげて防水シートを張り、構造体が
濡れないように段取り良く作業がされたものです。
ところが今は違うんですね。
現場は作業効率優先で全体コストを下げるために努力がされ、資材の主力が合板と集成材、
そしてこれまたその扱いがめちゃくちゃです。

きっと、特注のでかいブルーシートなのでしょう 見事です。
でも、良く考えてみればシートを張る時間があるなら屋根野地を張ってしまえばいいでしょうにね。
この建物の組立順序
土台を敷く→床の合板を敷く→壁を作る→屋根を形作る→屋根野地が張られる
いわゆる、典型的な面工法の建物です。
一流メーカーだけにお客様へのパフォーマンスも欠かさないところが立派です。
「濡れないようにきちんと処理してますよ」ということなのでしょうけれど、お客さんがこれをみて
はたしてそう解釈してくれるでしょうか。
展示場を見ただけで「わあ、すてきね」で決めた建て主さんは、ここまでは見抜いていなかった
と思います。まあ、それがわかればプロ以上でしょうけれども。
月曜日は雨の予報、それとこの入道雲、いつ夕立がくるかわかりません。
クワバラ、クワバラ・・
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コラム355 2012年08月01日
まだ尾を引いている海水浴場
茨城県の放射線量の告知も「問題ない」というレベルまで下がったとはいえ、海水浴可の看板の立った
海岸はまだまだ人気(ひとけ)が少なく、海の家は去年同様閑古鳥が鳴いていると聞きます。
あと10日もすれば海には白波が立ち始めシーズンは終わってしまう・・・。
「ああ、今年もか」と嘆いても仕方がないと思うのだが、生活のかかっている人たちは必死です。
復興支援とか何とか言われるが、すべてに支援が行き渡るのは不可能ですし、
余計に生活必需以外となれば、優先順位が下がるのも致し方ないと思うのです。
わかっているんです・・、わかってはいるんですがねえ。
一個人では出来ないから行政が代行する・・・この税制度がうまく働かず、借金漬けで余力すら
ないのが国の現状です。
「国民の生活が第一」とか白々しい名前の政党名をつけた方がいるようですが、元奥さんに
三下り半をつきつけられ、これからの政治活動にプラスになっているとは思えないような状況で、
また分裂か・・・、とうんざりさせられている国民は、「別世界のトンチンカンな方々」に期待するのは
無駄だという教えだけが強烈に焼きついたことと思います。
そんな人たちが口にするのは「解散して国民の真意を問うべき」という言葉ばかり。
消費税が上がったらまた公共事業をやろうと目論んでいる誰かもいるようです。
「やはり、経済が活性化してお金を回さないと・・・」と40年以上も前の考えを真顔で語る人が
いるんですから、何とかにつける薬はないと言われても仕方がありません。
震災で被害を受けた東北の人たちも、自分たちで出来ることから始めています。
この地元でもマネ出来る事はどんどんコピーしていって、経済を回していくしかありません。
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コラム354 2012年07月30日
持続の難しさ
テレビでもネットニュースでもオリンピックの情報がたくさん流れています。
まだ序盤戦だから先は長いと思うのですが、取れるはずの金を逃したとか、まさかの敗退とか
メディアの神様的物言いにはあきれます。
私など、世界と戦ってこれだけの成績を収められるのだからすごいと思ってしまうのですが、
どうも報道の世界は捉えかたが違うようです。
誰かが言っていましたが
オリンピックは「代理戦争」なのだそうです。
と言っても、勝ったからといって相手の領地を分捕れるわけではないのですが、あきらかに
国の威信をかけてやっているという雰囲気もありありと出ている国があります。
国の予算のかけ方も最近はずっと大きくなってきたらしいです。
それだから余計に「必ず金を・・・」と言う選手が多くなっているのでしょうけれど、同じ考えを
持っている世界中の選手がやってくるのですから、そう簡単にはいくはずがないです。
選手のレベルも各国まちまちでしょうが、人口の多い国ほど強い選手がいるのは共通しています。
ただし、何回もオリンピックに出場し、勝ち続けている選手はほんとうに数が少ないです。
4年に一度だけという開催で、どこにそれだけ力を保持できるかと言うとその壁はとてつもなく
厚い壁と思います。
水泳北島選手も100m平決勝で5位と終わったと報道されていましたが、よく頑張ったと拍手を
贈って上げたい気持ちです。
手と足がバラバラで泳いでいる途中で迷いがあったとコメントしていましたが、一流ともなれば
パーフェクトを目指しいくつもの修正点を自分でカバーしていくのですから我々凡人にはそこまでの
奥深さはわかりません。
とはいっても、優勝した選手は58秒台で勝っているのだからそちらにも拍手を贈りたいですね。
老いというと失礼ですが、選手生命のピークを過ぎるときは必ず来るわけだし、誰も止められません。
スポーツの特徴もあるでしょうが、鍛えきれない年齢を超えた難問は素直に受け入れるしかありません。
だから・・・と言うわけではないですが、負けても「まさかの敗退・・・」などという、勝って当然のような
言い方は変えた方がよいと思うのです。
相手だって成長しているのです。
もっと広い視野で世界の選手を報道してもらいたいのですね。
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コラム353 2012年07月28日
絶対服従の世界
組織で動くというのは指揮命令がきちんとしていなければ成り立たない。
したがって、上司の命令は絶対服従を意味する。
しかし、仕事内の「やらねばならないこと」は別として、プライベートにわたっても混合され、
一般市民の常識では理解できない「歪んだ絶対服従」の世界もあるらしい。
「断われない」「あとが怖い」「何をされるかわからない」
どこかで聞いた言葉だが、これが学校でも民間企業の職場でもない、ことあろう「警察組織」の
中のことだとという。
ところは非番のカラオケボックス
30代男性警察官4人が20代女性警察官を呼びつけ
「服を脱げ」
ブラウスとズボンを脱いで、同僚の警官のものと交換・・・
無理やりキスをされ・・・
それを命令した巡査部長がみて喜んでいる。
ほかの警部補、巡査長も見ていただけで手は出していない。
映画の一場面だとしても警察を侮辱している。
しかし、現実に行われたというから狂っているとしか言いようがない。
県警の話しでは
被害届けが出ていないので立件出来ないという。
これもお見事!!!!!
警察でこれだから、国民なんて守る気はさらさらないというのが良くわかります。
人が死ななきゃ動かない、動いても面倒臭くなく処理する。
わずらわしいことはことごとく窓口で追っ払う。
見事なまでの組織といえる。
いっそのこと、世界遺産に登録したらどうだろう。
幸いにしてこの女性警察官は他の部署へ配置転換になり、そこの上司へ打ち明けて
事実が公になったという。
まともな人がいたから良かったろうが、もしこの女性警官が命を絶つような事態になったとしたら
どうだったのだろう。
「今後このようなことがないように厳粛に受け止め対処する」という決まり文句のような
記者会見が行なわれるのだろうな・・・
人間って怖いですね、小さくても大きくても権力を持つということは・・・
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コラム352 2012年07月27日
また一つ、変な家が・・その3
事務所に出てくる途中に道路工事中のところがあり、車線変更でけっこう混むところがあります。
その手前から抜け道を通ってくるのですが、その団地内に新しく興味の湧く住宅が建ち始めました。
まだ、基礎の土台を敷いたばかりの段階なので写真を撮らせてもらっています。
本日あたりから構造体の組立にかかるようなのですが、その素材を見て「なるほど、今の住宅だわい」
と思いました。
構造体は全部白っぽいSPFという集成材です。
土台は良く見ると米松の集成材です。
その下には樹脂の基礎パッキンが入っています。
この建物は機械加工には違いないのですが、金物工法という金属で接合する方式です。
土台と柱を緊結するものは親指くらいの太さのピンです。
したがってホゾ穴というものはありません。※
下記写真参考
実際に撮影している現場と同じタイプのものです。
みなさん、縫い糸の針の頭を想像してください。 糸が通る小さな穴があいています。
この穴が一〜二個縦にあいている金属棒(土台にとめる為の穴も下側に一個あいています)が
土台から突き出ているように見えると思ってください。
ここに柱の下部の真ん中に金属棒が入るだけの穴があいているものを差し込みます。
そこへ今度は柱の横からひき抜き止めに細いピン(ドリフトピン)を差し込みます。
柱を固定するのはこれだけです。
この現場はユニ○ーサルというローコスト住宅です。
現場状況からすると床には厚い合板をばたっと敷く「剛床工法」という方法がとられるようです。
がっちり作った外柵には「はいってくれるなよ、出来上がるまでは・・・」と言われているような
気がします。
屋根野地は何が張られるのかな・・・
内装はF☆☆☆☆マークのクロスなんだろうな・・・
床は何色が張られるのかな・・・
と楽しくなります。
この金物工法は接合金物を現場で取り付けるので結構時間がかかります。
たぶん、土台の上に厚い合板を敷いたらその上で取付けをやるのでしょう。
ここ数日はお天気が良いようですが、屋根野地が張られ防水紙を敷くまで何日くらいかかるか
非常に興味があります。
私の予想 本日より(早くて)10日後
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コラム351 2012年07月26日
また一つ、変な家が・・その2
憧れだけで手に入れると後から必ず「後悔」がついてきます。
まさにこの建物はそのことがこれから展開しようとしていると思います。
別に非難しているとか、だめだと言っているのではありません。
ご自分で決めてGoサインを出したのですから充分に納得したのだと思います。
(与えられた情報の中では・・という条件でしょうけれども)
ただ、この地で何故ログハウスなのかと従来から抱いている私の疑問点は変わりません。
その理由は
気候環境があわない
北米・北欧の気候は日本とは逆で、冬に湿度が高い 夏は湿度が低いという環境です。
つまり、冬には湿度は高くても気温は低くて雨ではなく雪が降ることが多い。
夏には気温は上がっても湿度が低いから、夏冬ともに木の腐る条件が非常に低い。
日本はご存知の通り四季があり、カビ・腐りの心配をしなければならない。
使用素材が現地と同じ
現地では当たり前に使っている木でも、こちらに持ってくると腐りやすいというものもあります。
この木がまさにそうです。
モミ系の木というのは比較的軽く、乾燥して使うと暖かみの得られる木です。
木質はやや柔らかく加工性は良いです。むしろ、内装材に使ったほうがよいくらいです。
ただ、北海道の木でも言えることですが、これらを関東地区に持ってきて使うと、カビやすく
腐りやすいことは知られています。エゾ松などが良い例です。
ここ日本で使うなら、杉の赤身、ヒノキの赤身・・外国の木なら米ヒバ、米杉などが適材と言えます。
ファインカットと言っても丸太の性質を残しています。
少なくとも3分の2以上は丸太のままです。
丸太というのは必ず円形で芯を持っています。
これらが乾燥すると芯から外に向かって放射状の割れが出ます。ほとんどの木に出ます。
ログとして横に使うのですから、外気に触れる外側に多く割れが出ます。
外側が割れるということは雨水が入り込むということです。
木が横に使ってあるのですから抜けにくいのは当然ですが乾きにくいということもあげられます。
4日に一度くらい雨が降る国としては非常に不利な条件です。
乾きにくく溜め込みやすい・・・、非常に木の腐る条件が重なります。
屋根にOSBボード
この建物に使われた屋根材はOSBボードです。木屑圧縮材と私は言っています。
前回のコラムに写真を載せましたが、平べったい笹欠き状の木片を接着剤でプレスしたものです。
この製品がどれだけの信頼性があるのかというと「未知」のものです。長期的にはという意味です。
なぜ、気温変化など気象環境の激しいところにOSBなのか・・・私には理解できません。
やるなら最低でも壁と同じものの厚い板を使用すべきでしょう。
こちらも、杉の赤身、ヒノキの赤身・・外国の木なら米ヒバ、米杉などが適材でしょう。
屋根下の受け材・母屋に集成材
この建物はヤネタルキに背のある大きなものを使ってあります。おおよそ18.0cmくらいに見えます。
その関係か、母屋がかなり間隔があいています。約1.8mくらいになっています。傾斜が10分の10
カネ勾配くらいに見えますから充分なのでしょう。
その母屋が集成材でした。
しかも、完全に露出している部分が60cmくらいになります。ここは将来問題になるでしょう。
以前お伝えした某ハウスビルダーの展示場と同じ環境だからです。
この地区は北東からの雨がかなり当たります。それをまともに受ける位置です。
土台に米栂注入材
別に健康を気にしないなら薬剤の入った米栂でも構いませんが、適材で言うならヒノキ・米ヒバです。
基礎が低い
基礎が低いというのは床下の管理がしにくいことを指します。
シロアリのチェックばかりでなく、給水排水関係の管理にも床下はタップリあったほうがよいのです。
この高さではほふく前進でしかすすめません。
通気口がなく基礎パッキン仕様
この現場は樹脂製の連続型基礎パッキンを使っていました。全周の表面積を計算すれば
通常の換気口よりも開きの面積が大きくなるというフレコミですが、実際は雲の巣・ほこりで
計算どおりの通気(風の流れ)はないと思います。
これも基礎換気口の角割れが怖いからだと思います。
木の収縮と建具
上記で木の腐りなどにふれましたが、もう一つ説明しておく必要があるものに「収縮」があります。
乾燥・吸湿で変化の出ることにより、横積みになっているログには上下に動く「収縮」の影響が
出ます。
一本のログの大きさが18.0cmとして、一本で2mm動く(伸縮)すると開口部の上部で約2cm
動くことになります。通常の家では考えられませんがログでは当たり前のことです。
そこに建具(主にドア)が付いていると、壁全体が上下するから建具に影響が出てきます。
つまり、建物が収縮すると開口部も規定の高さに足りず扉がこすったりして不具合が出るのです。
そのために、壁(ファインカットログ)とは干渉しないドア枠が必要になってきます。
けっこう、これは難しく、壁をコの字型に囲む枠が必要となってきます。
開口部ですからしっかり閉まるというのも大事です。それでいて壁とは干渉しない取り付け方が
必要になってきます。
ログの劣化対策
この建物は外部が建物本体・壁そのものなので、腐らせるわけにはいきません。
そのためにはそれにふさわしい材種を使わなくてはならないのですが、そこが完全に抜け落ちて
います。
結局は(将来)割れるであろう部分にコーキング処理をし、まめに腐り止めの塗料を塗ることに
なるでしょう。
屋根(下地)の劣化
屋根もおおよそ25年程度で全部新しくすることになるでしょう。接着技術の向上を考慮しても
屋根直下の苛酷な環境を想像すればその程度です。
屋根に3箇所の天窓あり
この屋根には南面に2箇所、北面に1箇所の天窓がありました。前述では平屋のようだと
書きましたが、はっきりと2F建てのようです。妻側に張られたOSBボードにも中位の開口が
ありました。
その天窓ですが、北側はさほど問題ないのですが、南側の位置というのは夏は困るほど
暑くなります。 それも配慮したのでしょうか。
この地区のちょっと離れたところに外壁側も室内側も平らになったファインカットログを使った
家があるのですが、建築後10年くらいでしょうか、北側にはすでに黒くカビのようなものが
出ており、かなり丁寧に保存剤・防腐剤を塗っておかないと将来困ることになりかねない状況に
なっています。
この辺のことを両方の建て主さんはどこまで理解していたのかなあと想像してしまいます。
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コラム350 2012年07月26日
また一つ、変な家が・・
自宅から会社に来るときに、部落内の細い道を通ってきます
そのまわりには現在進行形の小規模開発の造成地が2箇所くらいあるのですが、
そこにはいろいろなタイプの家が建っています。
いまは既存集落という扱いになり、その土地で生まれ育ったか、10年以上住んだことがある人なら
その土地を買って家を建てることができるようになっています。
こまかい法律のことはさておき
そこに建っている家には様々の問題点を含んでいます。それを少し書いて見たいと思います。
ただし、写真を掲載すると営業妨害になると訴えられるかもしれないのでその点は省きます。
ご理解下さい。
3週間ほど前から基礎工事が始まりました。
どのくらいの高さかというとベース(ベタ基礎)部分から30cm立ち上がっただけでした。
通気口がありませんでしたので、基礎パッキン方式だということがここでわかりました。
ここは施工する会社名からすると、ムクの丸太を横にして互い違いに組み上げていく
ログハウスであることは予想がつきました。
数日前から骨組みの作業が始まりました。ここはファインカットログという、機械で一定寸法に
仕上げ調整されたホワイトウッドというフィンランドあたりから来る木材を使っています。
従来のログハウスといえば天然の丸太そのものを互い違いに乗せていく方式でしたので、
そのほとんどがちょっとづつ形状が違うので高さ調整が大変でした。
その点、このファインカットログというものは端から端まで均一な大きさになっているので
組立が早く出来ます。
最近見かけるログハウスと言えばほとんどがこのタイプです。
まず、その形状を説明します。
時計の表示板を思い浮かべ、まん丸な丸太の断面だと想像してみてください。
11時から1時の方向に切り落とします。
7時から5時の方向も切り落とします。
次に1時から5時の方向も切り落とします。
積み重ねるために上下にオス実(さね)、メス実が加工されています。
おおよそですが、こうして残った部分がこの組み立てる構造体の形だと思ってください。
ちょうどお月様の半月状態にやや似ていますね。 ※下記写真参照
この現場はそんな形状の木材を使っています。
まず、背の低い基礎コンクリートの上に基礎パッキンが乗り、そして土台が乗ります。
材は米栂の薬品を注入したものです。
その上に床用の下地合板が全面に敷かれます。
次に上記のファインカットログが交互に積み上げられていきます。
一応、この建物は平屋のようで、ヤネタルキが打ち付けられていました。
このホワイトウッドはモミ系の木で、比較的軽量なのですがあまり腐朽菌に対して強くありません。
それはさておき、問題は屋根に張られた野地板です。最近三井ホームでも使われだした
※OSBボード(オリエンテッドストランドボード)という木屑圧縮材です。
建物の妻側(への字になった屋根の直下部分)にも張られていました。
現在のところ、大雨で濡れたということはまだありません。
また、今週中は雨マークは出ていませんが、今の時期突然の夕立も怖いです。
メーカーでは完全耐水ですからと言うでしょうが、素材そのものには雨にあたれば
水を吸い込みます。
こういった接着剤をからめた物は水分を飛ばしてから接着しないとお互いくっつきません。
たとえ、ぴたっとくっついていても素材は木の性質に変わりはありません。
乾燥したものが水に当たればどうなるか・・・当然、吸い込みます。膨張します。
それでも「耐水ですから安心です」と言うでしょう。でも、水は吸い込みます。
早く、雨が降らないうちに防水紙を張らなくてはなりません。それは床も同じです。
※OSBボードの原形 材種はアスペンなどの雑木 ※ファインカットログの形状 材種 ホワイトウッド(モミ系)
産地 北米 産地 北欧
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コラム349 2012年07月25日
近い将来の不安
つい先日、業界紙に「構造用集成材200万立方メートルへ」という記事が載っていました。
単純な考え方ですが、これを木造住宅棟数の比率で見てみると3分の1が集成材で作られて
いることになります。
しかし、なかには柱はムク材を使っている人もいるでしょうから、棟数から言えばもっと多いと
いうことになるでしょう。
それはさておき、この数字をどう見るのか、業界内それぞれの解釈があると思いますが、
私にとっては異常な数字だと受け止めています。
いくら日本の接着技術が向上したからといって、今までの2倍3倍と寿命が延びたという実績は
未来形なのですから誰も持っていません。
まったくこれからのもので過ぎてみないとわからないということです。
しかし、現実にこれだけの生産量があるということは紛れもなくどこかで消費されていると
いうことです。
それは我々の木造住宅の業界でも機械加工を優先させて住宅の均一化を計っている
HM(ハウスメーカー)・ビルダーです。
彼らにとっては、クレームがなく初期強度が明確でお墨付きがある集成材はなくてはならない
ものです。
AさんもBさんも同じような家の品質を保てないとどちらかから苦情が出てきたときに
一番困るのは自分たちだとわかっています。
ムク材を使って、夜中に「ピリッピリッ」と割れて音がすると建て主さんは、「悪い材料を使った」
「これはクレームだ」とメーカー・ビルダーを訴えます。
言われたほうも、その音を自然のものである・強度の低下はないと説得できず、素材納入業者に
「割れないものを持って来い」「クレームにならないものを納入しろ」と言います。
その点、集成材は1本1本見なくても均一で、クレームにはならず寸法精度もしっかりしています。
よって、工場加工も安心して任せられます。
受けるほうでもそれは同じです。
どっちが背だとか、腹だとか、上むくりだからこの向きで使うとか、柱でもどっちが上とか判断しなくて
使えるのです。
もちろん、集成材というのはラミナと言われる3.0cmくらいの平たい板を張り重ねていくのですから
接着剤で張りつける分だけ人間(機械)が手を加える分の加工費がかかります。
それを考慮しても何故ムク材より高い集成材を使うのか。
それはクレーム処理まで入れた全体費用が安く上がるからです。
しかし、ここに抜けているものがあります。 長期の実績です。
接着剤で固めたものはいずれ劣化してダメになります。
そこの部分は長期的なずっと先の事なので、言わなければわからないということもあり、ほとんど
情報が出ていません。
私としてはそこの「一番重要な部分」が抜け落ちていると思うのです。
ほとんどの人が25年30年あるいは35年のローンを組んで家を建てます。
そこの期間に何かが起きてはいけないのに未知の不安が払拭されていないのに
何のためらいもなく使ってしまうというこの業界の姿勢が欠落していると思うのです。
自分の家だったら使うか・・・
業界の人はほとんど「ノー」というでしょう。
他人にはどうでもよいものを売っておいて、自分ではやらないというのは犯罪に近いと思います。
本当に自分の尺度で判断して、良いか悪いかを考慮して見る必要があると思います。
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コラム348 2012年07月24日
昔ながらの土壁
今の若い方で、特に関東地区にお住まいの方は、塗り壁をやるときの下地で「竹小舞」という
方法をほとんどの方がご存じないでしょう。
まあ、関東ならラスボードという半分穴のあいている石こうボードを下地として、メーカーの調合した
壁材を塗るというのが一般的な左官作業になってしまいましたからなおさらです。
昔ながらの、竹を組んでそこに「泥壁」という下塗りを練りつけるという方法そのものは見たくても
すでに現場がないのですから無理というものです。
そんな貴重な塗り壁を実際におやりになった建て主さんがつくばにいらっしゃいます。
http://tsukuba-ryokuyuukai.seesaa.net/
場所はつくば市要というところです。
建て主さんはKさん・・・、かなりの年月をかけて家づくりを実行されました。
かなりの年月・・というのは、どのくらい前からか存じ上げないくらいこの「つくば緑友会」との
かかわりが長かったということでもあります。
課外授業の森林見学などでもお会いしていました。
それ以前からでしょうから4〜5年はかけているでしょうね。
その建物がほぼ出来上がり、22日(日」)に完成見学会があり参加してきました。
上記ブログには上棟前からの経過が見られますので是非さかのぼって見て下さい。
よく、住宅は完成したところを見てもわからないと言いますが、まさに仕上がってしまうと
壁の裏側がどのようになっていたかはまったくわかりません。
外見は普通の建物に見えますが、近づくとあちこちに目を見張るところが多数あります。
見どころを少しあげてみます。
基礎の通気口がありません。
どうしているのかというと、栗の赤身材「ネコ」というもので土台を浮かしてあります。
現代の基礎パッキンは良くご存知だと思いますが、あれの本家です。
今は樹脂製で将来の問題が心配ですが、こちらは何百年もの実績があるものです。
外壁が杉の羽目板の赤身をたて張りに使っています。
赤身は腐りにくい
タテに張ることは水切れがいい
雨が当たっても早く乾くことを優先した使い方です。
庇(ひさし)と犬走り
庇 洗濯物が難なく干せるようかなり深くなっています。
犬走り まわりの地面は土ですが、雨が降ったときの泥の跳ね返りを防いでいます。
外回りだけ見てもかなり工夫されていました。
でも、これらは昔は当たり前にやられていたことなのですね。
そういう物がどんどんコスト削減とかでなくなってしまっています。
ロングランで言えばこういうことが大事なのですけれど、最後は「お金」「予算」で簡単に
省かれてしまっています。
この続きはまた近いうちに。
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コラム347 2012年07月19日
時代の流れか、またひとつ
昨年、県北水府地区の製材所がやめたという話がありましたが、今月またもう一軒、里美地区で
老舗製材所が廃業するということです。
私の店としては、父の創業当時からの取引で半世紀以上(木材市場経由)のつきあいでした。
これも時代の変化かと受け入れるしかないと思いますが非常に残念です。
戦後、間もないころの製材機は水力でした。川の水をひいてきてタービンを回す方式で、小さい頃
山(製材所)へ連れられていったときに見たのを記憶しています。
水力で丸太を挽けるなんて何てすごいことなんだろうと感激したのを覚えています。
あれから、製材機械も進歩しました。
いまではコンピュータ制御になり、台に乗せれば何がどれだけとれるかぱっと計算できるものまであります。
作業内容も細分化され、出来るだけ同種類のものを挽くようにシステム化され効率アップを図っています。
そのうえに、求められているものが乾燥材です。
これには二つの方法があり、ひとつは時間をかけて自然の風に触れさせて水分を抜いていく方法、
もう一つは機械に入れて強制的に水分をとばす方法です。
世の中で行なわれているのはほとんどが後者です。
とはいっても、そこまで出来るのは組織化された大きな事業所に限られ、大部分の零細工場は古い
機械で製材し、未乾燥材を出荷しています。
買い手側も自分の倉庫でしっかり管理して出荷すれば必ずしも乾燥材でなくても良いのですが、
在庫を持たない時代の流れといいますか、それだけ資金が固定化するのを嫌い、てっとり早いものを
求めるようになりました。
木材市場に乾燥品と未乾燥品があれば後者は敬遠されるようになります。
昔の右から左へ物が動いた時代なら何とかなりましたが、今は事情が違います。
結局は乾燥材が優位になり、商品回転率も落ちることになります。
もちろん未乾燥よりは乾燥させたもののほうが製材所でも良いことはわかっていますが、タダで出来る
わけではありません。
乾燥設備も付帯物を入れたら1基1億以上かかることはよく知られています。
設備コスト・維持コストを考えたらとても小規模の製材所ではやっていけません。
お金を借りるにあたっても経営が赤字では返済できません。
小さな工場では個人保証も確実に裏付けされます。
これだけ市場(しじょう)が低迷していたら良いときだけ基準にして考えるのは危険すぎます。
結局は、丸太を丁寧に扱い、気を遣った製品を作り出している製材所がだんだん立ち行かなく
なってきて消えていく運命になっていきます。
世の中、エコだの地球にやさしくだの言われていますが、一番エコな仕事をしている製材所が
振り落とされていっています。
かたや、大きな設備と石油をどんどん使って乾燥品を作っていく大型(組織型)工場がどんどん
公的資金(補助金)を使って業界を席巻していっています。
かつての繊維業界のように、いま製材業界は大きく方向が変わろうとしています。
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コラム346 2012年07月17日
想定ミス
先日、所用で東京から千葉へと車で移動しました。
ちょうど良い機会だから東京湾アクアラインとやらを利用することにし、首都高速より浮島ジャンクションに
向かって湾岸線を進んだのですが、合流するはるか手前から3.5Km渋滞と表示されていて延々と
動かないのです。右側2車線(西行き)はぐんぐん流れています。
まさか、それでも「高速」なのだからとそのうち動くのだろうと軽く考えて待っていました。
5分、10分・・・まるで事故でもあったかのように動きません。
何かおかしいと思い、右側車線に出て西行きの流れについて行きました。
ありました、確かに3.5kmの渋滞がありました。
しかし、流れに乗って川崎・大黒に行ってしまうので田舎者のふりをして割り込ませてもらいました。
こんなときは「水戸ナンバー田舎者」は得ですね。
うまくジャンクションに入れたのに、それでもまだノロノロ歩行者並みです。
ここは多摩川を渡ってからアクアラインにつながるので、一度左によってから時計回りに270度方向を
変え合流しながら進むのですね。
湾岸線東行きと川崎6号線と合流しながらさらに車線がせまくなり、結果的にはトンネル入口で2車線に
なりました。これじゃあ進まないわけだと変に合点。
海底トンネル部分は9kmほどあるらしいのですが、四半分くらいはおばちゃんの自転車並みの速さ、
徐々に流れは出てきましたが、それでも40km/h程度。
ラジオでは「渋滞、追突に注意」のアナウンスを何十回聞いたことか。
後半は一般道くらいのスピードになりましたが、こんな状態ですから海ほたるは駐車待ちの長い行列、
車列を見ながら「はい、残念でした」とパス。
洋上へ出てからは順調に進み、千葉側へ渡ってからはまったく混むところはなくスイスイでした。
期待していたのですが何とも味気ない「アクアライン初体験」でした。
これでまだ割引がありましたからいいですが、正規の料金だったら怒りますね。
まあ、話しのタネに通ってはみましたが、これは完全に設計ミス、想定のミスだと思います。
毎日首都高速を利用している人は、「都会は渋滞が普通だ」と思えるかもしれませんが、
田舎者としては異常な光景でした。
首都高の6号線だって、ある程度の流れはある渋滞です。
しかし、ここはまるで違います。
いくら羽田の飛行機を眺められるからといってもひど過ぎます。
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コラム345 2012年07月12日
なぜ住宅は低質化するのか
みなさんが家を持とうと考えたとき、よそよりも質の高い家を手に入れようとします。
これがごく自然のことですが、現実はそうは甘くありません。
その昔、家を作るのは棟梁(大工さん)が100%采配をふりました。
しかしいつの頃からか、設計という頭脳でものごとを作る部門が出てきて、大工さんは
現場で作業するだけのいわゆる現場労働者になりました。
その辺から住宅の質はどんどん変化したと思います。
そんなバカな・・・、これだけ長期優良とか省エネとか次世代住宅とか言われているではないか
と思うかもしれませんが、私から見れば完全に質が下がっています。
進歩・進化という捉えかたはある角度から見れば当たっているかもしれません。
しかし、住宅というものは長く・安全に・環境負荷がなく・・・という総合的な見方をしていかないと
合格点にはなりません。
F☆☆☆☆などと言っているレベルで健康住宅を語るのはおかしいことです。
それはすべての化学物質に対して万民が安全に暮らせるというレベルではないからです。
何百という化学物質のある部分だけ低濃度に抑えたからといってそんなに簡単には解決などしません。
私は世の中に出回っている新建材を敵視しているのではありません。
人間の知恵で開発した優れものもたくさんあります。利便性がよく重宝するのも確かです。
しかし、これが人間の居住環境という害があってはならない空間に使えるだけの適材とは
一致しません。
安全に暮らせるというのはこのほかにも必要なことがあります。
躯体がしっかりしていること、しかも解体するときまで・・です。
それについても接着剤を使った製品は構造体あるいはそれを補助するものには不適だということです。
土台・柱・桁と主要構造体が集成材で、しかもその躯体を補助するスジカイ、または同等の役目をさせる
面材、これらもほとんどが合板であったり木屑圧縮材などです。
接着剤が絡んでいるものが初期強度があるからといって、永久的に持ち続けるわけではありません。
いつかは破壊するときが来るのです。
昔ならまだ、柱も桁も梁も見えるような建築方法でしたが、いまはほとんど見えません。
それをどうやって危険を知るというのでしょうか。
メーカーが担当者が「絶対大丈夫ですから」という言葉を信じるのでしょうか。
確信も持てないのにそれはあまりにもいい加減です。無責任です。
人間の作ったもので完全なものなどありません。
その不完全なものに命を預けてもいいと思うならそれは個人の自由ですが、実際には
命を落としてもいいなどという人はいません。
そういう素材でもいまは「長期優良住宅」の部材として使われているし、国がお先棒をかつぐかのように
認定しているのですからどうしようもないのです。
基礎コンクリートでさえ60年しか持たないといっているのに100年とか200年とか言い出すのですから
国が一番始末に終えないのです。
こんな国民を馬鹿にした表示をしても何の罪にも問われないのですから、この国の危機意識は
ほとんど機能していないと思うのが正しい評価だと思います。
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コラム344 2012年07月10日
看板の付け替え
昔、よく、政治家が禊(みそぎ)という言葉を使っていました。
身に罪や穢れ(けがれ)がある者が、川や海の水でからだを洗い清めること、と辞書には出ています。
今の政治でも、法律で罰せられないようにくぐり抜けているのがいるみたいだから流れは変わって
いないのだろうと思います。
洗い清めると言えば、旧社会保険事務所ですが、看板は架け替え何事もなかったかのように、いまは
年金機構と名前を変えてしまいました。
しかし、当時のデタラメがまだ尾を引いていて解決しない年金需給者がたくさんいます。
マッサージチェアがありました。
パソコンは、何文字か打ったら何十分の休憩をさせるなどの手厚い労働条件もありました。
社会保険の納付率を上げるために、不払い隠しの脱退指導もしていました。
今日、その年金機構(社会保険事務所)から電話がありました。
「こちら、算定基礎の書類担当の○○と申します」
「はい、何か・・」
「今回、郵便にて書類をお送りいただいたのですが」
「はい、それが何か・・」
「実は、ひたちなか地区につきましては、今回○○までおいでいただくことになっておりまして」
「はい、行けないから郵便で送ったのですが・・」
「今週の13日金曜日までワーク○○○に来ていただきたいのですが」
「行けないから郵送したんです・・」
「どうしても来ていただけませんか」
「はい、・・」
「そうしますと、ご面倒でも水戸の事務所まで来ていただかねばならないのですが」
「だから、何故郵送じゃダメなんですか・・、いままではOKだったでしょう」
「今回は皆さんに面談することになっていまして」
「だって、何故面談しなきゃいけないんですか、きちんと書類を出しているでしょ」
「でも、そういうことになっておりまして」
「要するに、あなた方は信用できないからちょっと来いと言う意味ですか」
「・・・・、ちょっとお待ち下さい」
「お待たせしました、やはり水戸の事務所に来ていただくようになるのですけれど」
「だから、行けないから行けないといっているんでしょ、用事があるんだったらそっちから
来なさいよ、書類はいつでも見せてあげるから」
「・・・、ちょっとお持ち下さい」
「それでは今回は郵送書類というかたちで受付しておきます、お忙しいところ失礼しました」
言葉こそ丁寧でしたけど、お上の「申し付ける」という根性がアホみたいに出ているやりとりでした。
かつての「デタラメをやっていた自分たち」ってどこへ行ったんでしょう。
自分たちのほうがよほど信用されていないのにまだ気付いていないんですね。
禊(みそぎ)は済んだのでしょうか・・・ いえいえそんなはずはありません。
看板は付け替わったけれどもしっかりと生きております。 水面下で。
「仕事はまわりのみんなを見てやらなあかんで」
「なんでや」
「アホか、お前1人まじめにやったらわしらが目立つやないか」
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コラム343 2012年07月09日
7月の勉強会
梅雨のど真ん中と言っても、ひたちなか市近辺はあまり梅雨らしくもありません。
けっこう、曇りの日も含めると梅雨らしい雨の降る日は少ないような気がします。
さて、昨日は194回目の勉強会(定例会)を開きました。
参加者は15名。
そして今回
つくば市北条の同業者であるヒダ木材さんの社長さんがおいでくださいました。
この方はまだお若くて、主なる活動は「つくば緑友会」にて行なっています。
遠いところから有難うございました。
北条と言えば5/6の竜巻ですね。
ヒダさんのところも、被害が大きかったいわゆる竜巻の通り道から200mくらいしか
離れていませんでしたので、倉庫のシャッターが強風であおられ、車が飛んできた
瓦礫で被害にあわれました。
直接の通り道でなくてもこれだけのパワーがあるのですから自然の力は怖いですね。
現地はまだまだ復興には時間がかかるということです。
2時間のセミナーのあと、近くの建築現場であるMさん新築現場の家を見せて頂きました
こちらは平屋建てで29坪、今月の末には完成予定ですので今回を逃すと見られないという
タイミングの課外授業でした。
来月は那珂市のFさん宅を見せていただく予定です。
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コラム342 2012年07月06日
スマートなんかじゃない
今日は金曜日、新聞にはたくさんの住宅広告が入ってきた。
そこに並ぶキャッチフレーズは皆同じ、「スマートハウス」だ。
太陽光発電・エコキュート・コージェネ・蓄電・オール電化、照明にはLED
あと、電気自動車なんてのもある。
そして、広告住宅の中身といえば集成材と真っ白なビニールクロス・新建材の床
室内環境としてはほとんど呼吸性のないものばかり。
24時間換気と火災警報器をつけなければならない住宅が堂々と「長期優良」と
書かれている。
どうみてもわからないのが「電気自動車」だ。
原発が吹き飛んでもオール電化・電気自動車が環境にやさしいと言われているのは
何をどう考えればよいのだろうか。
小さい頃、と言っても中学校だったと思うが、エネルギー不変の法則と言う理論を習った。
あれは確か理科の授業だったと思うが
AのものからBへ変化するとき、例えば石油から電気を生み出すという場合、いくら効率を
高めても石油の全エネルギーが電気にはならない。
それはすべてのものに当てはまると教えられた。
ならば、石油を電気に変えてそれをまたバッテリーに蓄えて走る自動車は非効率という
ことになるはずである。
それがなぜ環境に優しいとなるのか。なぜ、電力不足なのに電気自動車なの?
その点、太陽光発電は作ってしまえば、燦々とふりそそぐ太陽の光をエサにするから
エコのように見える。 だが、これも落とし穴がある。
製品になってから作り出す電気エネルギーと、設備を作るのに消費した化石・電気エネルギー
を比較していないことだ。
メーカーもそこは実に巧みに振舞っている。
この時代、宇宙にまで作業所を作れる能力を持っていて、たかが太陽光発電の生産消費
エネルギーを計算できないはずはない。
それは自分が不利になるからで、売り手のほうが一枚も二枚も上手だからである。
発電所もない離れ小島ならいざ知らず、密集した地区では一箇所で効率よく発電し、送電した
ほうが絶対良いに決まっている。
これは何についても同じ理論が当てはまり、誰かが誰かの代わりにまとめてやるから
合理的なのであって、各個人でやるのが良いというのなら皆もっている職業というのは
必要なくなる。すべてのことを全部自分でやればよいだけだ。
いい加減、もっと消費者は賢くなるべきである。
となりがやっているから・・・は、参考にならない。
エコだの地球環境だの言う前に、「自分の中の計算」をもっと真剣にやってみてはどうか。
スマートハウスとか何とかおだてられ、入ったのはメタボハウスだったりして・・・
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コラム341 2012年07月04日
電力の買取りという法律
いよいよ、7月1日から電力の買取り制度が始まった。
お題目は非常に立派で、さも納得しそうな施策のように見えるが実に国民を馬鹿にしたやり方である。
再生可能エネルギーといえば、実にエコのような環境負荷のないような気分になれる。
ゼロエネルギーという言葉も住宅の「売り」としてはもってこいの文句だ。
毎週入ってくる広告もこの言葉のないところはほとんどないくらい流行語になっている。
京都議定書でどこかのアホな鳩ポッポちゃんが「Co2の25%削減」などとオオボラ吹いたのも
原子力の増設で可能だと官僚から言われていたのだろう。
その原発も津波で大破され、こんな危険なものはないとわかると今度は「電力不足」という
人質をとったような物の言い方で「再生可能エネルギー」を担ぎ出してきた。
しかし、これらはあまりにも発電コストが高い。
太陽光・風力・波動・いずれにしてもこれまでの方法よりは効率が悪すぎる。
それを埋めるには「補助金」で後押しするしかないと考えたのだろうが、それにしてもである。
そのやり方が汚い。
もともと国が金を出してやらなければならないなら、全額出資してやればいい。
しかし、それではいくらでも金食い虫になるから、補助金という魔術を使って小さなお金で
大きなことをやるという策を考えた。
しかも、補助金を出すからには「こうしろ、ああしろ」という縛りをつけることができる。
太陽光でいえばきちんとデータをとって報告しろということだ。
さらに頭のいい官僚がいた。
高く買い取るというアメ玉作戦だ。
しかも、アメをしゃぶらせたらその分を他のものに背負わせるというウルトラCだ。
これは言い換えれば「税金」である。
イヤでも何でも支払わなければならないものなのだかられっきとした「税金」である。
自分は損をしない・・・だけど目的は一応(形上は)達成できる。
電力会社だって民間企業である。
こうした法律で動かせるなら林業の世界もやればいい。
何も電気の世界だけが特別なのではない。
人間の生命維持には「家」は欠かせないが、電気はなくても健康な人は今日死ぬわけではない。
(あくまでも一般論で・・である)
今の山(間伐事業)の補助金だって、何年後かには国産材需給率を50%に高めるなどと
絵に描いた餅みたいなことをいっているが、現状では市場(しじょう)を乱しているだけにしか
過ぎない。(既報 5/31コラム参照)
あまりにも現場を知らなさ過ぎる。あまりにもやることがチャチである。
それならば、もう一歩踏み込んで、国産材を住宅メーカーに強制的に使わせて、まず需要を高め
販売先を確保する。その上で全国民に全企業に負担金と称して(名目は適当に治山税とか付ければよい)
割り振り、山林事業関係者にも還付する。
こうすれば今の国産材需給の問題など一気に吹き飛ぶというものだ。
そうなると、「我が業界も」と次々に声を出してくるのだろうけれど・・・
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コラム340 2012年07月02日
危険を察知し避ける能力
人間は自分の生命を維持するために食事をとり、たくさんの道具・機械を作り出し、効率よく食料を
得るためにそのギアとして利用してきた。
その昔、狩猟民族も農耕民族も基本は寝て食べて命をつなぐことをやってきたし、活動し、休むという
行為は縄文時代も現代もまったく同じだ。
食べ物は、穀物・動物の肉と何千年・何万年経っても中身は大して変わらない。
違うのはその獲得手段(中身)で「使っているもの」が違っているだけである。
移動手段は、 昔・・・歩き 今・・・車・飛行機・電車
情報発信手段は、 昔・・・のろし 今・・・パソコン・スマートフォン
休息手段は 昔・・・洞穴 今・・・住宅
ただ
人間の脳ミソが作り出した「文明」のちからで、進化してきたものがある一方で劣化してきたものが
あるような気がする。
それは「危険を避ける能力」だと思う。
安心した休息をとるための「住宅」が一番の落とし穴になっていると私は感じている。
食物なら農薬のない自然食品とか健康にはやたら敏感なのに、住宅の部材がこれだけ工業的製品に
変化してきているのにそっちの方面には早い・安い・きれいが優先されてしまい一番鈍感になっている。
口に入れるものはこれだけピリピリしていながら、空気を吸う住まいの空間には無頓着・・とまでは
言わずともかなり意識は低い。
一部で騒がれたシックハウスうんぬんもF☆☆☆☆製品だから安心とばかりにメーカーも消費者も
なにか安全か確保されたような錯覚をしている。
原発の事故でも、放射線量に関してはどこからが危険なのか、国も規準をはっきり出していない
そんな中でも個人で線量計を手にいれ何マイクロシーベルトとやっている人もいる。
しいたけ・野菜・お茶・肉・魚とどこのものが安全なのか神経ピリピリなのだ。
「家は高い買い物だからコストを下げるにはどうするか」とは常に言われるが、
そこには空気環境の安全という意識は「安さ」に負けて消えてしまう。
昔からもっていた本能は文明によって劣化し、危険予知の兆候も感じ取れなくなってしまった。
私は、それよりも毎日吸っている空気環境が脅かされているほうが余程危険だと思うのだが・・・
あちらは「ニオイもない、見えない」だが、こちらはニオイくらいはあるのだからその気になれば
である。
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コラム339 2012年06月30日
住宅のバランス
何を称して住宅の進化というのか・・・
今の住宅工法は、こういうやり方なら強度がどれだけ増すとか、換気量が確保できるとか、
気密性がどれだけアップするとか、数字の展覧会みたいになっている。
しかし、住宅とは数字だけでは評価できない部分がある。
人間が住むのだから(本来のもっている)本能での安心感と心地よさがなければいけない。
F☆☆☆☆の製品を使って仕上げて24時間換気装置をつけて法律ではクリアしたという部屋に
いても、自分で本当の心地よさを感じなければ何のために家を建てたのかわからない。
たとえ、法律的に合格しているものでも自分自身が合格を感じなければ無意味なことだと思う。
よく、ビルダー・ハウスメーカーはわが社ではこれが標準装備で・・・とか言います。
しかし、建てる人によってその装備が必要かそうでないかは別々であって、最初から「ありき」
である必要はないと思うのです。
住宅はさも流行の先端を行かなければならないというような縛りは本来必要ないのに、そういう
錯覚をさせ、そうやっていかに売上金額を稼ぐかを(良い意味で)この業界は努力している。
ビジネスとしてみれば数字を稼ぐことは間違っていないが、人間の住む空間をビジネスと捉えて
同じようにやるのはどうかと思う。
3.11の地震でも、大壁のクロス工法はビリビリに割れたが、真壁の塗り壁は隅のほうがヒビ割れた
くらいで致命的な被害には至っていないのが多く見受けられた。
いくら、外回りをカチカチに固めても家中の壁をカチカチにしない限り衝撃はどこかへ出るわけで
そこが一番の被害箇所となったというのが多くの住宅での平均的な結果だと思う。
こうなるとメーカーは内部に「制震装置」とやらをつければOKとばかりに「売り文句」に加える。
もともと木造は「柔らかい動き」を主軸にした家の作り方(流れ)がある。
これをどんどん硬くしていったのは数字評価しか対象にしてこなかった行政の悪弊でもある。
つまり、行政では「柔らかさ」では地震に対抗できないと考えてきた。
振り返ってみれば、日本の建築は柔らかさの集大成みたいなものだ。
そうでなければ清水寺も法隆寺も薬師寺もみんな消えていたはずである。
これらは100%木組みで成り立っている。
片一方では機械加工をフルに使い、金物でガチガチにして、面材をばたばた張り付け、
それを長期優良住宅と称している。長期にわたって実績も出来ていないのにである。
よく公正取引委員会がだまっているものだ。
原発が廃止の方向へ向かっていくこの時代に、まだオール電化で建て主を説得しているメーカーも
あるが、これこそ時代のバランスを欠いていると思う。
夜の電力が余っているから何とか効率よく使ってもらいたいというのが「止めることが出来ない原子力」
なのであって、燃料を燃やして作る火力発電は容易に出力調整が出来るはずである。
昼も夜も同じ出力でいかなければならない原発とは違った電力の仕様体制が生まれてよいはずである。
いまや再生可能エネルギーという言葉は聞かない日はない。
その装置を作るにも電気・化石エネルギーが必要なのだから、簡単に「ゼロエネルギー」などとは言って
いられないはずである。
結局は、この国は経済が停滞するのが一番イヤなのだと思う。口では省エネだとか言っていながら
それをやらせる別の道具を売りつけて金をかき回したいだけなのだと思う。
補助金・エコポイントを見ればすぐわかると思う。
昔なら、個人の資産形成に関することは国はお金を出せないといっていたのに、いまは車から
太陽光発電からリフォームに至るまで山ほど「おまけ」が出てきている。
国が言うのだから、メーカーが言うのだから・・・はアテにならない。
もうちょっと、本当の省エネとは何なのか、何がバランスがとれた家なのかを自分に問いかけて
みる必要がある。
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コラム338 2012年06月21日
付加断熱住宅
最近、住宅業界でまた聞きなれない言葉が出てきた。
「付加断熱」・・・
何のことかと思ったら、従来の柱の間に充填する断熱材のほかにもう一層板状の断熱材を
施工することらしい。
主に柱の外側にと言うから、いわゆる「内断熱」に「外断熱」をあわせてさらに機能を高めると
いうことらしい。
費用もそれなりにかかってくると思う。
今までにも、外断熱施工をすると60万円くらいはアップするといわれてきた。
材料費・・・外側に断熱をするためにサッシなどを断熱材の厚み分外側に持ち出さなければならないので
そのための補助部材がたくさん必要になってくる。。
手間賃・・・家を作るには材料費と同じくらいの比率で手間がかかるから上記の60万円というのは
納得できる数字である。
かつて
外断熱住宅が言われだしたとき、そこまでしてこの地区で断熱が必要なのかと問いかけたことがあった。
というのは、断熱は必要だと思うが、施工基準がきちんと守られている現場はほとんどないし、
そして、家をそっくり基礎まで包んでしまい、息のつけない家にしてしまうことがどう考えても
バランスの取れたい家とは思えないからであった。
さらに、廃棄物としての厄介さを考慮すれば他の方法をとったほうが賢明だとも思ってきた。
昔から「家は木造がいい」とは言われているが、はたして、今はその木を活かして建てているとは
思えない。
掛け声は名ばかりで、理論で形作られた理想の家ばかり求められる。
もともと木は空気に晒されて長持ちするものである。これだけ断熱材にがんじがらめにされるなら
もしろ鉄のほうが良いのではないだろうか。
これから先、日本の住宅はどこまで断熱に突っ走るのだろうか。
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コラム337 2012年06月12日
”もの”は劣化する
いまの長期優良住宅の部材は実に頼りないものがある。
その構造体や付帯物には木屑圧縮板や集成材がたくさん使われている。
私は43年この業界にいて、資材を納入してきて、その劣化状況も真近で見てきた。
合板も出だしは画期的な建材だといわれた。
木屑圧縮板(パーチクルボード)なども材の有効利用ができて安くてよい素材だといわれた。
プリント合板もきれいで扱いやすくよいものだといわれた。
しかし、合板はノリが命。それがぶよぶよ・ぶかぶかになるとは思わなかった。
木屑圧縮板もザグザグになるとは思わなかった。
プリント合板も色がさめてベロベロになるとは思わなかった。
全部、当初の期待とは裏腹にダメになっていった。
そういう「人間の手を加えたもの」はやがて劣化しダメになることを我々は学んだのに
今の住宅ではそれが全然活かされていないというのもこの住宅業界の特徴だろう。
昔のものはまだこういったものが構造体にまでは至っていなかったのだが、今は違う。
合板も集成材も木屑圧縮材も平気で「構造体」の重要な力のかかる箇所に使われている。
これは大いに懸念すべきことである。
構造体というのは解体されるときまでビシッとしていなければならないものだ。
接着剤が劣化しようとも剥離したりしてはいけない場所なのだから、絶対にそうなっては
いけないものだ。
しかし、今は平気である。
大臣認定を取っているからと大手を振って使われている。
長期優良住宅という名の「優良な建物」にまで平気で使われている。
よく、官僚・大臣が「あってはならないこと・・・」という言葉を使う。
この言葉は実に中身が軽い。要するに他人事なのである。
だが、しかし、けれども・・・、住む人にとっては命取りになる問題だ。
もし、構造体がバラバラになったらどうする・・・
もし、木屑圧縮板がザクザクになったらどうする・・・
構造用合板・集成材が認定を受けていようといまいと劣化しバラバラになるのは同じ。
ただ、いつなるかが今はわからないだけで、いずれなることは間違いない。
それでも認定を取ってしまえば堂々とお墨付きをぶら下げて使ってしまうこの業界。
大手メーカーだから安心と踏み込んできた人は何年か後に命の危険にさらされる。
長期優良だからと言って安心なんかしていられない。
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コラム336 2012年05月31日
補助金の影響2
木材も生鮮食料品と同じで、需要と供給のバランスで値段が決まります。
丸太出材が多く、買い手の欲しい量を上回れば売れ残り、相場も安くなります。
逆に製品市場(しじょう)が活発でどんどん売れれば丸太も消費しますので、
連動して丸太の買い気も旺盛になり、値段が上がっていきます。
前回、これらの丸太市況が低迷していると書いたのは、市場で消費される以上に
丸太が出材されているためにこの現象が起きています。
前にも書きましたが
今や日本の木材需要の8割は外国産、残りの2割が国内産です。
しかも国内産の木材のほうが安いのに大口需要家(大手ハウスメーカーなど)は
ほんの少ししか国産品に移行してきません。
一般の人から見れば何故と思うでしょうが、それは大部分を占めている「8割」という
数字にあります。
仮に2割を国産品に移行しようとすれば、2割しかシェアがない立場から見れば2倍に
なることを意味します。
2割の状態でほぼバランスが取れているところへ2倍になったら、とてもとても丸太の
生産がついていけません。
理想ではそのようにすればいいと簡単に考えても、現実問題としては体制が出来ても
いないのに二倍の供給量にすることなど出来ないのです。
そこで「頭のいい人」の考えることは、機械化して供給量を増やせば言いとなります。
補助金を出して機械化を進め、山からの出材をどんどん増やせば解決すると推し進めてきました。
しかし、市場(しじょう)はそう簡単には動かないのです。
次第に供給量が増えてきたにもかかわらず、使用する側が簡単には移行して来ないのです。
その理由は圧倒的なボリュームの差です。
合板等は国産材を使用することに積極的になってオール国産材の合板がすでに出ています。
しかし、その比率はごくわずかで全体を左右するほどのボリュームではありません。
そして、市況が悪ければ使用量も買い付けも控えられ、原木の仕入れが抑えられます。
もっともっと大きい部分、大勢を占める住宅の構造材・羽柄材などの主用材が国産材に移行して
来ない限り、現状の丸太産出が順調に捌けるレベルまで行きません。
40年以上かかって外国産材に移ってきたものが、官僚が優秀な作文を作ったからといって
そう簡単には戻っては来ないのです。
国は何かというと「補助金で後押しをして・・・」と言いますが、結果としてストーリーどおりに
いってないということに気付いていません。
たとえ、気付いているとしても手続きを間違っていないのだからと責任もとりません。
もっともっと市場調査を正確に推し進めていくことが大事だと思います。
「事件は現場で起こっているんだ」って、「踊る大捜査線」だって言ってますから。
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コラム335 2012年05月26日
補助金の影響
いまや、補助金は経済の活性化に一役買っているのを通り越して悪影響さえ見え隠れしています。
需要と供給はバランスが取れていれば一定のレベルが保たれますが、供給が多ければ市場価格は
下落するのが当たり前です。
木材も例外ではなく需要と供給の関係が成り立っています。
戦後の復興期には一斉に住宅を建てる行為が集中し、木材が高騰しました。
その原因は需給バランスが崩れたからです。
買い手が多く、製品を作る以上に売れたためです。
この状況が日本全国で起こったために、国は外国から木材輸入を主導しました。
住宅そのものも輸入しようとしました。
その裏には貿易黒字の削減という問題もあり、国際批判をかわすためにも一石二鳥だったのです。
輸入材は「船」で運搬するものですから、国内の製品よりも運賃分だけハンディがあります。
しかし、外国材は日本のような森林事情とは違うので生産費用が安くて出材できます。
広大な森林、機械化に適した地形、日本のそれと比較したら船賃をかけても戦えたことです。
そのことによって、汎用性があり、価格・供給量も安定していて、次第にそのシェアを伸ばして
きました。一方、日本では相変わらずの狭い・急斜面で出材費用は下がらず、加えて作業者の
高年齢化が進んでいました。
外国産と国産の木材が押しくらまんじゅうをやっていたようなもので、やがて外国産の勝利となって
8割対2割の供給量となりました。その結果が出るまでには40年以上の年月がかかっていました。
この年月は非常に重いものがあります。
では2割のシェアになってしまった国産材がなぜ「国産材使用」の気運が高まってきたのに
いまだに低迷を続けているのでしょうか。
これには政治が考えている国産化のストーリーと現実の隔たりがあります。
市場経済というものは正直なものです。現実を良く見ていて需給関係が正直に価格に出ます。
品不足なら上がるし、余っていれば下がります。
下がったときに買っておいて・・・などと考えても、現物が動く仕事です。
安いときに通常の何倍も買っておいてと、事情が許すなら誰も苦労はしません。
製品は原木事情に左右され、製品はその先の市場消費量に左右されます。
つまり、一般消費としての市場(しじょう)が売れなければ製材所の作った製品は市場(いちば)に
たまります。たまれば市場会社は製品搬入を絞ります。それによって製材所は原木消費が少なくなり
丸太の「原木市場」の仕入れを少なくします。
通常ならここで山林での原木生産が調整され市場価格が釣り合うようになっています。
しかし、ここ最近では少し事情が違ってきています。その原因の一つが補助金です。
もともと、日本の山には機械が不向きであり、急斜面に植林した木を搬出するには、外国で
使われているような作業機械をそのまま当てはめるのは無理がありました。
しかし、技術が進歩し、かなりの斜面でも作業できる機械が出てきて、不可能だといわれている
部分が徐々に可能になってきました。
政府の考え方も最近になってCo2排出25%削減だの地球環境で温暖化を防ぐだの
人気とりの旗印みたいに、木材需給率(国産化)を5割にする・・・などと言い出しています。
その短絡的な考え方が補助金を動かして機械化し外国産の木材に勝てるようにするというものです。
しかし、官僚・政治家の言うように簡単に結果が出るなら苦労はないです。
40年以上もかけて2割のシェアまで落ち込んだものが5割になるということは現状の2.5倍に
なるということです。現状の2割アップというものとはレベルが違います。
作文では簡単にかけるし、人気とりには使えますが、現実的には「非現実的」なことです。
8割まで使用を延ばしていった理由が価格だけではないことを彼らはわかっていません。
値段さえ釣り合えば国産材にシェアは戻ると思っているのですから「単純」です。
補助金rというのは、何にも条件をつけずに出してくれるわけではありません。
年間活動状況とか何立方メートルの原木を出材するか、その収支費用がどのくらいかかるか
などと、細かな指導があります。
つまり最初に「理想」が掲げられてしまいます。
その理想どおりに社会が動けばいいのですが、国の考えていることなど当面のつじつまさえ
あえば、予算を消化するのと同じような考えですから周囲に及ぼす影響や将来の結果など、
あまり問題ではありません。
一方で補助金を使う側でも補助金だけで資金が足りるわけではなく、銀行借り入れもしています。
その関係で、機械を入れたからには何が何でも目標の数字だけはやらなければならないと
いうことになってきます。
それらが各地で表面化してくると上で述べたような供給過剰を招くことになります。
日本にはまだまだ家の建っている実情はありますが、その素材使用比率が偏ったままです。
それらを修正しないで国産木材使用拡大といっても混乱を招くだけなのに、まったく仕掛ける
順序を間違っているのですからどうしようもありません。
あまり長くなるので、この続きはまた後で。
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コラム334 2012年05月24日
需要と供給
いまは中国を除いた各国のお金が変動相場制で取引されていて、前述した木材取引でも
そのあおりを受けて契約したときと変化があれば片方が損をし、もう片方が得をする。
ここにコーヒー豆があるとして、アメリカでは一杯分の豆が1ドルするとします。
(運賃などは考えないで)日本での豆は100円の市場価格とすれば、貨幣価値の国際比較は
1ドル100円ということになります。
同じく、アメリカ・南米で天候不順不作等で2ドルに豆が値上がりしたとすると日本でも200円に
なるということになります。
ところが、決済時に1ドル70円になっていたとすると、日本の支払う額は30円(2ドルで60円)
安くて済むわけですから、日本としては(支払う側)得をするということになります。
アメリカ側からみれば、この取引がドル建てであれば2ドル手に入るので何の損も出ないように
見えます。
逆に1ドル120円になってしまったとしたら、決済時には20円(2ドルで40円)多く支払わなくては
ならず、支払い側としては損をすることになります。
このように、売り手・買い手に直接責任がなくてもお金の多い少ないに影響を及ぼしてくるのですから
うかうかしてはいられません。
それだけ変動相場制というのは他人の要素が含んでいるということになります。
変動相場制というのは聞こえはいいですが、ここで為替差額を利用して儲けようとする人たちが
出てきます。こうなるともう「株」と同じような性質を持つようになってきて、低金利(ほとんどゼロの)
預金など持っているなら為替差益を狙った利ざや稼ぎのほうが良いとなり、ますます円・ドル・ユーロの
金で金を買うという本来の金のあり方からずれたお金の扱い方になっていきます。
その中でも、勝利者となれるのは少数の人だけで、確実に儲かっているのは取り扱いをしている
銀行そのものです。
動けば動くだけ手数料が入ってくるのですから勝ち負け関係なく最後の勝利者となるのは「胴元」だけです。
不作だから値上がりするコーヒー豆と、札びらで叩いて手に入れる金が同じというのは、どう考えても
おかしいと思います。
本来、お金は物と物と交換するための都合の良い「手段」として使われだしたものです。
それが一つの投機のための商品と同じように扱われているのですから、これこそ税率で差を
つけなければいけないことだと思います。
まあ、日本の国にそれを望んでも無理でしょうけれど・・・
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コラム333 2012年05月23日
輸入材のストップ・採算割れ・製造中止
近頃、ユーロ安とかで1ユーロあたり100円すれすれの相場が続いています。
以前なら120円以上していたものでしたが、その時点を基準にしたら2割近い安値
つまり円の基準で見れば値下がりしたことになります。
そうなるとその分、ヨーロッパ側では実入りが少なくなるわけで採算割れとなってしまいます。
そのせいなのかどうかわかりませんが、ヨーロッパからの輸入材(主に内装羽目材)が
急に絞られ始め、今では入荷がなくなってしまう状態が出ています。
特に最近、ムク材志向の強くなってきた環境でユーロ圏から出てくるものは貴重で、その中でも
木の色が白っぽく他の木材にはない特色を持った「ホワイトウッド」という樹種があるのですが、
我々の勉強会でも便利に使わせてもらっていました。
石こうボードの大量消費からムク材への転換としては非常に有効な素材でした。
ただ、これがなくなったからといって他に代替え品があるのなら簡単なのですが、
「白っぽい」という条件を満たすものはそうはありません。
これと同じようなクラスで欧州赤松というものがあるのですが、やや赤っぽく、経年変化の
いわゆる「やける」という現象がホワイトウッドよりも大きいのです。
そして、松の系統なので節の出方が一箇所からポッと出るのです。
ちょっと微妙なのですが、私たちの好みとしては欧州赤松よりもホワイトウッドのほうが合って
いました。
この製品がなくなってしまうとなれば、国産品では価格と安定供給という面から見ると
杉くらいしか樹種選択はなく、けしてダメなわけではないのですが、内装としての明度が
ずっと暗くなってしまいます。
製品としての汎用性・価格の安定性を考慮するとこの「ホワイトウッド羽目板」は多面的に
優れていたので、ちょっと困った事態になりました。
とりあえずは、欧州赤松でしのいでいくしか方法がありません。
困った、困った・・
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コラム332 2012年05月19日
何か矛盾している・・・
先日、ある大手電気メーカーの展示会に行って来ました。
今は、創エネ、省エネ、蓄エネ(蓄電)を前面に出して精力的に展開しているんですね。
超大企業だけあって、東京ビッグサイトの東館ワンフロア全部を使って展示していました。
その名も「スマートハウス」 NEW BOX。
今、言われている原発抜きの状況を「電気をどのように賄うか」という最先端(に見える)テーマで
各ブースが構成されていました。
いまこの国で賄われている電気エネルギーの比率からスタートし、どのように省エネし、どのように
電力ピーク時に対応するか、足りない部分をどう賄うかを誘導する流れになっていました。
エネファーム・エコジョーズ・エコキュート・蓄電・LED節電・IHクッキング・電気自動車・・
それらをコントロールするための「見える化」というように企業の研究成果の結集みたいな
それは素晴らしい配列でした。
それはそれでわかるんですけどねえ。
電気が足りないといっているのに「省エネのエアコン」だと売り込み・・
それはわかるんですけどねえ。エアコンしか手段がないのならまだしも。
電気使用量が圧倒的に少ないのは「LED」であるといい・・
それはわかるんですけどねえ、何ともない電球は悪なんですかねえ。
ピーク電力の停電回避に「太陽光発電」は有効な手段だといい・・
それはわかるんですけどねえ。タダで設置できるわけではないのにねえ。
自宅でも充電できる電気自動車だ、Co2を出さないといい・・・
それはわかるんですけどねえ、でもその消費量は3000Wも食う・・・
これって何かおかしいんじゃないですか。
走るエネルギーをわざわざ電気に変えて従来のものより効率が良いとか・・・
その前にその電気を作っているのは火力でしょ。原発が止まっているんだから
「一番電気を食うのはエアコンなんです」 「これを28度に設定すれば・・・」
それはそれでわかるんですけど。窓を開ければ風が入ってもっと安く上がるでしょう。
「IHなら月の電気料は850円ほど・・・、火力もガスよりずっと強く短時間で調理が出来る・・」
それはわかるんですけどねえ。器具の代金は2〜3倍はしますよね。
「切れた電球はLEDに取り替えましょう」くらいなら納得が出来るんですけどね。
「洗濯物は朝か夕方にまとめてやりましょう」 言われなくたってそんなことわかってます。
それにしても
巷の、あの「節電騒ぎ」なんてどこへ行ったのでしょうね。
銀行のATMは6時で終わっていました。今は通常に戻りました。
銀行のロビーだって大きなテレビ点けてくだらない番組見せていますよね、今は。
入口脇には大きな利率表が電光掲示板で流れていますよね、節電といいながら。
街の自動販売機は以前と変わらずガンガン電気を消費しています。
原子炉何基分と言われながら・・・
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コラム331 2012年05月14日
みんな気付いていないのかな・・・
お店に入ったとたん、「ムッ」 「何だ、このニオイは」
私にとっては、とても揮発物の充満した耐え難いレベルでした。
ここはアイスクリーム・焼き菓子も売っているケーキ屋さん、一ヶ月ほど前に近所に
出来たばかりのFC店です。
駐車場はいつもいっぱいの盛況振りです。
でもね、
建てていたときから見ていて想像はついていたのですが、これほどキツイとは。
一応、木造というのでしょうか、柱は立ちましたが、真っ白いホワイトウッドという集成柱。
そして、すぐに壁には合板が張られました。
スジカイを使わない、いわゆる面材工法の建て方です。
屋根板も合板とあっという間に建物の形が出来上がりました。
店舗ですから住宅とは違うのですが、それでも人が出入りするところです。
従業員・バイトさんなどは勤務時間はずっとこの空間にいてこの空気を吸っているわけです。
何とも感じないのでしょうか?
知り合いの家へたずねるのに、何か手土産をと思って、家内と立ち寄りました。
私は最初の一呼吸で「ダメだ・・・」と店を出ました。
とても(私にとって)息を吸えるレベルではないのです。
家内は「何かおかしいの?」とほとんど感じないようでした。
とにかく、中には入っていられないので、「車で待っているよ」と言って、外にいました。
その間にもお客さんは次々と入っていきます。
小さな子供を抱っこした若いお母さんもいます。
みんな平気な顔をして入っていきます。
私には理解できません。
この合板のニオイ、クロスの不快なニオイ。
織り交ざった「何ともいいようのない複雑な揮発物臭」
皆さん、何にも感じないのでしょうか。
外の幟には書いてあるんですけどねえ。
「自然素材を使っています」・・・ってねえ。
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コラム330 2012年05月07日
大型連休最終日の出来事
今年の冬は寒気がなかなか抜けなくて、サクラの開花も各地で遅れました。
それとまんざら無関係でもなく、連休最後の日に急激な天気の変化に大勢の人が
翻弄されました。
私の住んでいる茨城県ひたちなか市ではゴルフボール大のひょうが降り、我が家でも
塩ビの樋が突き破られ、車がへこみ、植木の葉が打ち抜かれたように穴があきました。
その落下エネルギーたるや、すごいものが感じられました。
パラパラとかコンとかそんなものではないんです。
ドン・ゴン・ドシン・・・なにしろ、いままでにない音でした。
降り始めてから毛布か何かをかけようとしましたが、自分の身が危ないと感じやめました。
近所を見ても、カーポートなどあまり新しくないものが軒並み打ち抜かれていました。
今朝方、事務所に出てきたのですが(想像はついていましたが)、倉庫と倉庫の間は塩ビの
波板屋根になっているのですが、プラネタリュームのように穴あき状態でした。
いやいやここまで徹底して穴があくと口もぽかんとあいてしまいます。
もう、補修とかのレベルではないので張り替えしかありませんが、その枚数を数えてまたびっくり。
280枚にもなりました。
雨に濡れてしまうとまずい商品もあるので、問屋さんに早速連絡を入れましたが、担当者も朝から
注文がたくさん入ってきて、メーカーからも入荷日の連絡が来ないという状況だと言っていました。
それもそうだなと変に納得してしまいましたが・・・。
つくば市北條という地区では竜巻まで起こり、何百世帯も大変な被害が出たと報道されています。
亡くなった中学生もいるということで、このお宅ではベタ基礎の土台からそっくり持ち上げられて
隣の田んぼにひっくり返されてしまったような映像でした。
何という巨大エネルギーなのか・・・、恐ろしいの一言です。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
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コラム329 2012年04月28日
物事には順序というものがある
前々回、「4/24 低姿勢なお願い」を書きましたが、また追加して書きます。
昨日、電気保安協会の人が来て機器のチェックを終えて、事務所でちょっと話しを聞きました。
さすが、電気関係の仕事をしているだけあって、東電の内容には(私らより)ずっと詳しいですね。
「社長が交代するとか言ってるけど、また会長か何かになって報酬を受け取る気でいるんじゃないの」
「何せ、桁が違うからね・・・一億だよ、あの人たちは」
「とっくに普通の会社だったら潰れているのに、何考えているんだろうね」
「かわいそうなのは社員だよ」
「あっちこっちから”あたりのやわらかい人間”を集めて値上げの連絡をさせているんだから」
「自分たちは絶対危険なところには行かないしね」
「資金要請だって当たり前って言う態度で言うからね」
「それだけ、良い思いをさせてきたろうって腹なのかね」
「へえ、そんなにもらっているんだ・・」
「日航の社長は電車通勤で年収700万円くらいで会社を再建しようってがんばっていたのに
エライ違いだね」
「そうさ、彼らは何ちゃないさ、こっちが電気を止めたらこまるのはそっちなんだからって大意張りだよ」
「よく、値上げの苦情電話が東電に来るけど、あっちの言い分は違うね」
「値上げのときだけぎゃあぎゃあ言ってくるけど、値下げもしているだろうってね、電話が終わった後
ぺろっとそういうことを言うからね、言いたい気持ちはわかるけど、本当に口に出して言うからね」
「AIJもタチ悪いけど、東電はもっと上だね」
「それでも、この前の値上げの電話は低姿勢だったよ」
「役目とは言え、大変だよね」
「それはそうさ、お前らそれで世間様より高い給料もらってんだろうって言われるんだから」
「担当者も口では大そうすまなさそうに言ってるけど、仕事だからと割り切っているからね」
「でもね、うかがったご意見は上のものにきちんと伝えますのでと言っていたよ」
「そんなもの、言うわけないよ」
「担当の仕事は値上げのお願いで了解をとることなんだから、余計なことはやらないよ」
でもね、こんなことが電話で済ませられるものなのでしょうか。
証拠も何もないと思うのですがね。
そうか、録音をとっているのか・・・なるほど、ガッテン!!
「了解はしません、その前にあなたがたのやるべきことをやってからにしてください」
と言えば良かった。
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コラム328 2012年04月27日
どこにしみこんでいくかだ・・・
本日のネットニュースで、日銀の金融政策決定会合で追加金融緩和策が全員一致で
決められたという。
掲載された写真からは9人ほどのメンバーが写っている様だが、こんなメンバーで
お金の供給量を調節しているのかと意外な印象を受けた。
まあ、何人でやろうとも「出すか、引くか・・」しかないのだから答えは簡単だろうが
それをもっともらしくやっているから、ちょっと「おかしさ」を感じても不思議ではないだろう。
問題は、その金がどこへしみこんでいくかだ。
銀行へ渡った金が資金の必要な工業・産業・商業へ行けば思い通りとなるのだろうが、
そうは単純ではない。
実際にお金が必要なところへは行かず、必要としないところへばかりに流れる。
過去に実績を見ても、国債を買うかファンド系に流れるか、意に反したところへばかりだ。
それでも大儀としてはデフレ脱却とか経済活性化とかたいそうらしく言われているけれども
世の中はそうは行かない。
銀行は相変わらず人より担保しか頭にないし、零細な企業には危険度が高いから貸さない。
大企業に声をかけたって相手はとっくに潤沢な資金を抱えているから借りたりはしない。
だから、結局は安心(と思われる)国債しか手を出さない。
結局は国の思う壺となり、金もない借金だらけの身分がまたまた各所に大盤振る舞いをして
何の効果もないまま消えていく。
残ったのは膨大な国家の借金だけだけど、どうしようもなくなれば、国民の金を使っただけだから
単純に踏み倒せばいいと思っている。
最後には国民の資産を巻き上げ、紙っぺらに替えただけのこと。何の腹も痛まない。
デフレになって、一番困るのは誰か。
借金をしている人、つまり国家だ。
借金が軽くなるようにするにはどうするか、通貨供給量をめちゃくちゃ増やしてインフレにすること、
仮に2倍になったとすると、見かけの借金は半減する。
国は我々と違い、そういった芸当が出来る「打ち出の小槌」を持っている。
けれども、世界が同時にそうなっていかないと1人だけで浮いてしまって首が絞まってしまう。
そうならないようにするにはどこの国も同じように通貨供給量を増やしていくしかない。
幸いにして、EUも破綻しそうな国が何箇所かあるので、お金を注ぎ込むことをやっているから
タイミングとしては今を逃す手はないだろうと思っているのだろう。
過去には
「1割の人が9割の金を握り、9割の人が1割の金を奪い合う」言った人がいたが、それはもっと
顕著になり、
「1%の人が99%の金を握り、99%の人が1%の金を奪い合う」という状況になるだろう。
その先は・・・わからない。
多分、資本主義は悪だ・・・となり、社会主義に移行するかもしれない。
私は生きていないだろうけれど。
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コラム327 2012年04月24日
低姿勢なお願い
一応、小さいながらも高圧変圧設備を持っています。
製材機2台、チッパー1台、皮むき機1台・・・と、据え付けられた機械数は計4台です。
当初、これらに対する契約KW数は65Kでした。
なぜ、これだけの契約なのか、この計算基礎は次のようになっていました。
どこの家庭でもそうですが、契約基本料というものがあって、40Aならそれに対して
1Aにつき26円というふうになっていて、まったく使わなくても1,040円の最低料金
支払い義務が発生します。
これに実際使用した正味使用料金がかかります。
同じように高圧変圧器の基本料に当たる分が、全設備を同時に使ったとしてトータル電力量を
算出され、それが基本料を支払う原形になっていたのです。その電力量総数が65kだったのです。
つまり、使っても使わなくても、設備を持っていればそれだけのギャランティーを払っていたわけです。
いまではデマンドメーターというものが付いて、過去1年間の最高使用量を基準にして今年度の
基本契約料が決まる仕組みになりました。
以前の形式よりも”より現実に近づいた考え方”になったわけです。
これだけの変化が起きるまでには何十年という間、現実にあわない未使用料金まで支払っていた
ことになるわけです。
こういうことが全国的に行なわれていたのですから「親方日の丸」と言われても仕方のないことです。
いまではこのデマンドメーターのおかげで、20kw未満で推移していますので基本料だけで言えば
3分の1ということになります。
ずいぶん本題から離れてしまいましたが、
ついに来ました、東電からの「低姿勢の値上げお願い」です。
ほんと、気の毒なように低姿勢なのです。
こんなことは今までになかったことです。
まあ、それだけ国民全員を敵に回したような事態になってしまったのですから致し方ないところだとも
思いますが、その態度がかえって、何とも「薄気味悪さ」さえ感じるようでした。
「低姿勢で物事を言ってますけど、値上げを呑まないと大変なことになりますよ」と言うような・・・
考えすぎでしょうか。
いろいろ文句を言いたいことは山ほどありましたが、電話をかけてくる人も「人の子」、役目だから
つらいだろうなと変な同情感を抱いてしまいました。
最後には
「厳しいだろうけれどかんばってな・・」と言ってしまいました。 何か変な気分!!
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コラム326 2012年04月21日
隠れた第二報酬
世の中には知らないことがたくさんあるが、この秋田市町村職員互助会が自己破産になったという
ネットニュースをみて、そんな組織があったのかと初めて知った。
共済組合なら知っていたが、こういった「互助会」があること自体「へえっ」と思った次第だ。
しかも、この組織に県から公費負担としてお金が出ていたというのだからなおさら驚きである。
一般的な会社は社会保険+年金基金というのが公に認められた福利厚生だが、それでも
弱小零細企業は基金もやっていないところさえある。 自慢にはならないが・・・
加入者に何か変化があったときに各種のお金が支給されるのだろうから、当然事務組織が
あるはずだ。ということは、現場をやる人と組織を管理する人がいるはずで、その辺がどうも
「天下り」の受入にもなっているはずである。
県からの公費負担ということは、間接的に税金でこういった互助会が運営されていることでもあり
それでは共済組合の延長のようなものと解釈される。
共済なら会社で言えば社会保険と同じわけだから、特に問題があるわけではないと思うが
本来「互助会」といえば個人個人でお互い支えあうというものだから私的な組織のはずだ。
皆から集めたお金で各自に見舞金や弔慰金をあげるというのは、どんなに頭を使っても外部で
運用し増やさない限り、内部経費分だけへこんでいく。
そんな「払った金よりいただけるものが少ない」とわかっているなら最初から加入するアホはいない。
それを公費から補填してもらっていたのだからこれは第二の報酬であり認定給与ということに
ほかならない。
最高裁が違法であるとの判断をしたのも当然である。
となると、早番、その後の収支が成り立たなくなるからあたまの良い人ほど早く脱会したがる。
こうなると「銀行の取り付け騒ぎ」と同じになる。
我も我もと自分の取り分を確保しようとするから、たちまち支払い不能に陥る。
結局は「互助会」の体を成さず自己破産に追い込まれた。
組織で税金という甘い汁を長い間吸い続けたのだから、表面的には加入者が被害者のように
見えるが、本当の被害者は県民である。
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コラム325 2012年04月18日
住宅に不向きな素材
先日、震災被害の修理のために現場を見てほしいという方が来社され、今日その現場を
見てきました。
依頼内容は外壁の修理度合いを見てほしいとのことでした。
使用されていたのはヘーベルという気泡コンクリートで、ちょうどこの家が建てられたあたりから
「火に強い」ということでメーカーでも力を入れて宣伝していたせいか、一般住宅に使われるように
なりました。
ご存知のように、いくら気泡を均一に混ぜて出来たものでも、コンクリートという性質はそのままです。
たしかに燃えないのですが、セメントは水を吸うのです。
そのために、水を吸わないような柔らかい性質の「弾性塗料」を施工する必要があります。
塗料についてはその種のものが施工されていましたので、外からの水は防いでいたと思います。
大きさも施工利便性を考慮すると1820×600くらいのものが限度だと思うのですが、現場で
使用されていたものもそのくらいのサイズでした。
厚みについては当初50mmでしたが、改良されて37mmのものが出たと記憶しています。
このお宅も37mmが使われていました。
昨年の03.11の震災でかなりの被害を受けてしまったようで、どの程度の修理でクリアできるかが
問題でした。
建築年数も30年ほど前ですが、さらに増築した部分があり、当時としては壁強度の計算も
きちんとされていなかったのでしょう、かなりの亀裂が各所に見られました。
いくら弾性がある塗料だといっても大きな軋み(きしみ)ではおとなりのヘーベルとのゆがみを
吸収しきれず塗幕が破壊されてしまいます。それは致し方ないことなのですが・・・
その破損の度合いが大きく見えたのは二階の増築による壁量不足が関係していたのではないかと
思うのです。
中身が木造という柔らかい動きをする素材で、外側は動いてもらっては困るような性質の素材です。
両者は性質が違いますから、施工時にそれなりの策を施した取り付け方をしておかないと、いざと
いうときにはケンカをしてしまいます。
想像するに、かなりの揺れ巾で動かされ吸収できなかった分が亀裂になる・・・
そういう場面が思い浮かびました。
こういった素材の場合、ものが硬いだけに開口部などの弱い部分に力が集中してしまいます。
したがって、開口部分の角にはすごい力がかかってしまい、そこから破壊されます。
破壊の大小は各要因がからんできますが、今使われている防火サイディングと言われるものよりも
大きいものでした。
結果としては
亀裂の入ったところをパテやコーキング、あるいはモルタルで埋めて、最初に施工されたものと
同じような弾性塗料を塗ることだと思います。
もう一つ
この素材は水を吸うと言いました。吸うということは吐かないと水を溜め込んだままになって
しまいます。
外側に弾性の塗料を塗って水の浸入を防いでも、壁体内にある生活から出る水分は出て行って
くれません。
ですから、壁体内に空気が動く層を設けてやらないとカビが発生しやすい住宅になってしまいます。
こちらの住人の方もカビが発生しやすくて困っているとおっしゃっていました。
当時の施工としてはそこまではやっていないでしょう。
これも想像と一致しました。
製品が開発された当初は「画期的な外壁材」として扱われたのでしょうが、素材というものは
いろいろな角度からデメリットを検討してみないと総合的に良い物なのか簡単には判断できません。
たしかに「火に強い」のは間違いないですが、窓など雨戸が付いていなかったら一発で火が入って
きてしまいますから完璧ではないですし、調湿の面でも役者不足です。
それでもこの製品を作り出した旭化成は今でもこれをヘーベルハウスで売っていますからね。
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コラム324 2012年04月17日
春に三日の晴れなし
暑さ寒さも彼岸までのことわざは、今年はちょっとずれ込んだようですが、雨模様の天気は
確実に数日ごとにおとずれています。
そんな中、我が部落の”あるお宅”で某大手メーカーの建築が進行中です。
その名は積水ハウス・・・
建ちはじめた時点からレッカーが数日間連続で来ていました。
私が見た限りでは5日は来ていましたね。
(通常、木造住宅なら1日ですがねえ)
部落の道路沿いですから見たくなくても見えてしまいます。
当初、早い早いと聞いていましたので、1日で屋根まで出来てしまうものと思っていましたが
実際は違いました。
今日で10日ほど経つのに、やっと二階の屋根合板が施工されたばかりです。
しかも、合板が張られただけで防水紙はまだです。
その間にすでに3回の雨に見舞われました。
屋根の骨組みは「軽量鉄骨」でした。黒くは塗られていましたけど、ボルトも締めなければ
なりませんから、当然のように塗りも剥がれる部分は出来るでしょう。
シートの掛けようもありませんからまともに雨を受けます。
屋根が完全にふさがっていないのですから、当然雨は建物の中にも降り注ぎます。
外壁もサッシも取り付けてあるのに何とも奇妙な光景です。
もちろん、工場生産を重視しているのですから、内装の下地まで出来ているはずです。
「雨対策はきちんとしていますから」といわれるのでしょうけれど、見ている限りでは
中身はどうも怪しい気がします。
工場の生産比率を高めているといっても、これでは何のために(誰のために)やっている
ことなのでしょう。
現場で組み立てられているとき(メーカーでは上棟というのか)そのパーツはビニールを
かぶっていますが、雨に完全に対処したレベルとは明らかに違うと感じていました。
パーツを接合するときはそのビニールも取り外すのでしょうから、屋根がかかるまでは
ツーバイフォーと同じ無防備状態になるわけです。
参考写真も撮りたいと思っているのですが、前述しましたように部落内の道路沿いですので、
車を止めてパチリというわけにもいかず、非常に残念に思っています。
周囲には「積水マーク」の入ったバリケードが設置されて、入口のゲートも立派です。
こういうところはさすが大手です、20m以上も道路に面しているのですからPRもぬかりなく
バッチリです。
知っているのか知らないのか私には関係ないことですが、どうもこの日本で屋根なし工事が
進められることに抵抗感を感じます。
この辺の農家は、建て替えのとき、物置(蔵あるいは作業所ともいう)に仮住まいをします。
ですから、この状況を見ていないはずはないのですが・・・
大手メーカーだから間違いないと思っているのでしょう、この建て主さんも。
私の勝手な想像ですが、超大手の「積水」だけに太陽光発電もばっちり載るのでしょうね。
きっと「エコなゼロエネルギー生活」が待っているのでしょうね。
営業トークどおりにいけばの話ですが・・・
ラララ・・セキスーイハウス♪♪
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コラム323 2012年04月13日
メディアの功罪
先週だったか、カンブリア宮殿という民放番組があり、あるローコスト住宅会社のことを
放送すると番組表に出ていたので録画して見てみました。
アキュラホームという埼玉にある住宅会社で宮沢さんという社長さんが出ていました。
要約すると
「なぜ、日本の住宅は高いのか」ということを強調していた内容でした。
参考になったと思うのは
コスト意識をしっかり持ち、工事原価の管理をきちんと行なうという当たり前のことでした。
窓をつけると工賃がいくらかかるか、分単位で工賃基準を出して現場で必要なものは
加算していくという工賃原価の出し方。
資材のタイムリーな現場搬入、
必要な時期に使うものを使う場所のすぐそばに搬入するという作業ロスをなくしたジャストイン納品。
梱包の養生になっているダンボールの節減、必要な時に必要なものだけを入れるから
どかしたりすることがなく、無用の傷をつけないで済む。ダンボール梱包が不要となる。
ほか
各所のアイディア
開口部の上の壁をなくし、扉の高さが天井まで届くものをつける。
こうすると、ドア自体は高くなるが全体の費用が安く済むという点。
クローゼットの中も部屋と同じような仕上げにし、高級感を出す。
こうすると作業が単純化され最終的に全体のコストがかからない。
さすが、コストを重視しているだけあって見習うべきところはたくさんありました。
司会進行役の村上龍さんと小池栄子さんもかなり褒めたたえていました。
小池さん・・「こんなに安く出来るんなら今からでも考えようかな・・・」なんて・・・
私はまったく違う見方をしていましたが・・・
たしかにコストだけを追いかけていくとこの人のやり方は正しいといえるかもしれませんが
私はこの業界にいるものとして別の角度から見ていました。
「コストを削減」といえば聞こえはいいですが、その陰で何が消えて言っているかということです。
そして新たに何の不安要素が出てきているかということです。
村上さん・・「安かろう悪かろうじゃ意味がない・・・」
宮沢さん・・「そうなんですね、日本の住宅はそのものなんです」
「安くてもよいものでなきゃ意味がない」
(おいおい、そんなもの使ってないだろう・・・)
私が見たもの
構造体は梁(横架材)も柱も集成材、もちろんプレカットの短いホゾ。
壁・天井も仕上げは石こうボード+クロス、クローゼットの中も同じ
床は新建材フロアの12mmもの
室内建具・クローゼット建具はメーカーもの(見た限りでは永大産業製)
マドガラスはLowEのものだったが、その枠は出来合いのメーカー品
今はサッシの規格が全メーカー統一されたから窓枠もメーカー製がほとんどになった。
素材は合板またはMDFにシートを貼ったもの。きれいに見えるが耐久性は不明。
これで
「質の良いものを作って100、200年はもつ住宅を提供していきたいですね」
と宮沢さんはお話ししておりましたね。
(話しだけなら法律違反でもなんでもないですがねえ・・・)
これで、日本の住宅を30%安くすると仰ってましたが、何に対して30%なんでしょうか。
大手ハウスメーカーに対してならほぼローコスト住宅もそれはクリアしていますよ。
(いささか表現の違いはありますが)
受け止めるほうはそういうことは考えてないでしょう。(値段だけならねえ)
石こうボードにクロス貼りは他と比べて大して変わらないと思うのですが、それでも
質が高いと言うんでしょうか。
唯一我こそは一番なりと思うだけなら個人の自由ですが、メディアまで巻き込んで
安くて質が高い・・・うんぬんをテレビ画面で言うのは、私だったら気が引けますがねえ。
空気環境の安全、解体廃棄物の安全性から言えば優等生とは言えないものばかり
使っています。これで質が高いというのはいささかズレ過ぎていますね。
それをこの業界全部に当てはめて自分のところだけコスト削減が出来てると言うのが
いささかどころか大いに疑問でした。
取り上げるメディアも素人ですね。その影響力を考えれば広い視野でものごとを
見なければいけない職種のはずですが・・・その部分は伏せてある。
村上さん、小池さん この下で働いている(納品している)メーカー・業者はきついきつい
環境の下で暮らしているのですよ。
年間で300億円以上の売上を誇る会社ですから、資材メーカーから見れば魅力があります。
下職業者も同じです。
支払い金額を1%削っただけで3億ですからね。売れなければ売れないときほどこういう会社が
減収でも増益となるのはそういうことなんですよね。
タダ同然で会社の宣伝をしてもらって、評判は上がって益々繁盛でしょうね。
宮沢さんは元大工さんだったということですがりっぱなビジネスマンですよ。
私はカンブリア宮殿より宮沢さんのほうが一枚も二枚も上手だと感じました。
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コラム322 2012年04月12日
工法の開発と認可
今の住宅・建築資材に共通することはすべてに対して数字化して優秀か否かを表していること
だと思います。
Aという素材を使って面材とすれば耐力壁いくつとしてカウントされ、多いほど優秀とされる。
厚み何ミリの合板を使えば、床間隔を何十センチ飛ばしても差し支えない・・・
集成材使用でプレカット加工でも認定を受けた接合金物であれば長期優良住宅に堂々と
使用可能になる。
今までにないものでも現在の数字さえ表せればそれで問題なし、認定さえ通れば何でも
「お墨付き」の大看板で売りさばくことが出来る・・・、そこに何か違和感を感じます。
3月16日に書いたCLT(クロスラミネーテッドティンバー)もその一つですが、共通しているのは
接着剤を使って作り上げていることです。
新しいものを作り上げていくというのはすばらしいことだと思います。
合板にしても集成材にしても、人間の知恵が集積して今までになかったものを生み出して
いくのですから「発明」に近いものを感じます。
特に集成材は小さな部材から大きな塊(かたまり)を作り出せるのですから、資源の有効利用の
面から言っても画期的なことであります。
しかし、それがどのように使われるのか、どのように影響が出るのかは、その実績を長期的に
よく観察していかなければ良否の判断はできないと思うのです。
今の住宅業界は安く・きれいに・早くできること、そして自分に利益が確保できることばかり
努力しています。
しかし、その中で大きく欠けているものがあります。
本当に長期にわたって耐久性があるものを提供しようとしているか。
空気環境に万全なものを提供しているか。
廃棄する時に安全に処理できるものを提供しているか。
他にもありますが、この3点が大きく欠落している点だと思っています。
「自分ならやるか」
この問いにほとんどのハウスメーカーは当てはまらないことをしています。
まだ、デメリットをきちんと説明して納得してもらってやっているなら救いはありますが、
町の工務店・大工さんもその点では50歩100歩のところがあります。
自分が集成材の梁の下で暮らしていて、そこに命を預けて生活するとしたら
はたして安全な気の休まる場所となるのか、自問してみたら「ノー」という答えしか出ません。
自分でイヤだなと思うことは他人には勧めてはいけません。これは人生の基本です。
まして、この世界のプロです。
そんな立場の人間が自分にウソをつくようなマネをしてはいけないと思うのです。
いくら国が認可したからといっても、国は責任まではとりません。
過去の例が示しています。
業者も消費者もそのことは認識してことをすすめるべきです。
何よりも「危険にさらされる」のは建て主さんです。
見た目は同じようでも中身がまるで変わってしまっていることをもっと知る必要があります。
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コラム321 2012年04月06日
サルカニ合戦
昔むかし、何と柿の種を交換したか忘れたが、最初にサルが柿の種を価値あるものだからと
騙して押し付け良い思いをして、のちにカニが大事に育てた柿の実をまた騙して食べてしまう
という童話があった。
何かに共通するなと思っていたら、今の住宅業界そのものである。
今が売り時と考えたものをたくみに宣伝し、エコだ地球環境だといい、消費者を洗脳する。
そもそも、住宅を商品という言い方をしていることがおかしい。
確かに、他のものと比べ金額が大きいから経済効果はバカにならない。
しかし、そこでトレンド(流行)が住まいに入ってきてどうするというのだ。
大量に作った建材、それをいかに売りさばくかをメーカーは考え、造る側はそれを使って
いかに早くきれいに儲けを出すかを考える。
国は省エネとエコという幟(のぼり)を振り、業者もお墨付きとして逆利用する。
耐震といえば、いかに動かない硬い壁を作るか数字で表し、等級ランクで優秀さを要求する。
そこには昔の木組みなどどこにも入っていない。
いまでは2×4(ツーバイフォー)なのか木造なのか内側から見てみないとわからない。
耐用年数、実績など、未知のものでも数字で表すことさえ出来ればいいのである。
防火の考えも同じである。
燃えないことが最優先で、人が毒ガスで死ぬのは計算していない。
燃えてもいいから人間が逃げられる昔から使っていた素材ははじき出される。
それでいて、早く危険を知らせるために火災警報器をつけろと法律を作る。
けして、燃えたら毒ガスを出す建材を使うなとは言わない。
太陽光発電もしかり、ゼロエネルギーとか人を惑わすようなことを国が率先してやっている。
補助金までつけて。
それでいて、生産するまでに消費したエネルギーをどこかにおいてきて何も言わない。
それを信じて、本当にエコだと思って借金までして実行した人は、後から採算に合わないことを
思い知らされる。
キロワットあたり7万円くらいの補助金を受けたって、借り入れしてやる人は金利だけで
100万円くらい支払うことになる。
過去に太陽熱温水器なるものがあったが、当時の費用で40万円くらいかけていたと思う。
その費用を取り返す前に壊れて使い物にならなくなり、屋根の上のお荷物になってしまった。
使ったエネルギーの回収などというのは太陽にでもならない限り簡単に出来るものではない。
それを実現できたなら、確実に「ノーベル賞」だ。
今の国と住宅業界は「ノーベル賞モノ」だと言って「・・のようなもの」を売りつけている。
サルが熟していない柿の実をカニに投げつけるよりひどい。
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コラム320 2012年04月03日
だますつもりは・・・
ははあ、やっぱり茶番だわ。
「あっというまに蒸発」の頭文字の「AIJ」の国会質問・・・
言うほうも言う方だが招致して真実を話させようなんて考えているほうもアホだ。
上りもあれば下げもある、これは投資の世界では当たり前のことである。
儲かるといわれてその気になるほうも気の毒だとは思うがあちらが一枚上手だ。
金で金を生むなんてことは常識的に考えても不自然なことで、儲かった反対側には
必ずその分だけ損をした人がいる。
それが全員が儲かるなどというのは単なるインフレの時間差攻撃で得た瞬間の
利益みたいなものだ。
こんな子供だましみたいなことを国会の国費を使ってやることか。
そんなこと、警察にでも任せておいて自分たちの本来の仕事をしろと言いたい。
そもそも「地方のおじさんたち」がなってしまった国会議員だ。若干おばさんもいるが。
その人たちが何人集まったっておじさんには変わりない。
そのおじさんたちが神様のように「お前は悪いと思わないのか」と問い正したって
法律的に何も違反していない(裏はわからないが)と思っている人間が悪かったと
言うはずがないではないか。
まあ、あてにはならないがこういうときこそ「特捜」だろう。動けばの話しだが。
若干効果があるとすれば、こういう危険なこともあるから投資家は相手を良く調べて
やりなさいよ・・・という程度のものだろう。
もともとお金は労働や物の価値の交換手段だったはずだ。
それが投資ではなくマネーゲームに入り込んで損したときだけ被害者面(つら)するほうが
おかしい。
きちんとした投資なら「ものづくり」の現場や流通の世界への資金援助をし、その利益配当で
潤うべきものだ。中にはハゲタカもいるだろうが。
そして確実にするためには「担保」もとって、元金の確実性をしっかりしておくべきだろう。
まあ、その役目といえば銀行だが、最近の銀行は油断がならないから銀行にも担保を出せと
言っておく必要があるかもしれない。
かねがね思っていたことなのだが、なぜ銀行は我々を信用せず、身分証明だのと
うるさいことを言うのか。いまじゃそっちのほうが信じられないのだから預金するときは
銀行から「これこれの担保を差し上げますから」と言うのが筋だと思うのだが・・・
1000万円以上は消滅しても文句が言えないのなら預金者はそのくらいのことを要求すべきだ。
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コラム319 2012年04月02日
ストーブの薪 2
本来のストーブの話しに戻って
うちでも通算で4年ほど薪ストーブを使っています。
そこで実行してみての経験を少し書いてみます。
まず、ストーブは安い高いはどこで違うか。
鋳物の質まではわからないが、単なる燃やす行為なのだけれど内部の保護壁が
しっかりしているものが長持ちするようだ。うちのは安物だからそろそろくたびれてきた。
五徳(ごとく)も安物は早くダメになってしまうようだ。うちでは二年目で割れた。
割れたけれどそのままそうっと使っている。
割れないコツは燃焼温度をあまり高くしないでのんびりと使うことかもしれない。
鋳物であるからいくつかのパーツに分かれていて、それを合体させる必要がある。
その継ぎ目部分はパッキン材が使われるのだが、その質も安いものは良くない。
空気口があり、調整が出来るようになっているが安いものは年々その締りが悪くなってくる。
エントツも安いものは学校の暖房と同じようでステンレスの薄いものだ。
確かに熱効率は良いかもしれないが、外部に排気されるまでに急に冷えるから
エントツの内側に付着物がよく溜まってしまう。そのことによって掃除回数が増えることになる。
木酢液がたくさん出てしまう。うちでは犬のニオイ消しに利用しているが。
断熱のしっかりしているエントツは煙が冷えないうちに外へ出るからエントツ内での凝結が少ない。
したがって、ススも少ないし掃除の回数も減る。ただ、輻射熱効率は安いエントツのほうが良い。
エントツの設定条件はなるべく横引きを少なくすること。長くなれば吸い込みが悪くなる。
ススも水平部分に結構早く溜まる。
先端部分が+風圧にならないように屋根より頭を出す工夫をする。
壁などがあると風の向きで上昇気流が負けて排出しなくなってしまう。
部屋が煙だらけになってしまう
薪の種類にもよるが安いものは平均10日から二週間で掃除が必要となる。
エントツは取り外しし易い様に補助金具などを工夫しておく。
一回ごとにネジを緩めたりするのは意外と厄介なものだ。
まめに掃除することによって部屋内部に木酢液が垂れることを防げる。
これを怠るとススやタールの固まったものが溜まり、部屋外部分で継ぎ目から液が染み出なくなり、
水平部分に伝わり部屋に落ちてしまい部屋中が木酢液のニオイで悩まされることになる。
肝心の薪だが
針葉樹よりは広葉樹のほうが良い。
といっても全員が広葉樹を手に入れられるほどの供給量はない。
いかに針葉樹を上手に扱うかだと思う。
乾燥は一番大事だ。
これをおろそかにするとススばかりでる燃料になってしまう。
最低でも1年以上は雨の当たらないところ(屋根付き)で乾かしたい。
これが意外と場所食いなのだ。軽自動車一台くらいのスペースが必要となる。
乾燥は充分にしても、もともと樹脂成分の多いものがあり、松系統は油が多い。
地松・米松ともに火力があるがススも多い。
これらをいかに混ぜてうまく燃やすか・・・だと思う。
針葉樹は火力が強いが早く燃えてしまう。
反対に広葉樹は火力は弱いが火持ちがいい。ストーブのためにもいい。
これをどう組み合わせるかだ。
北国では通常一日中ストーブをつけている。だから、夜寝るときは大きな薪をくべて空気を絞り
ちょろちょろという燃やし方をして、朝まで火種を絶やさないようにする。
それには広葉樹が適している。
昼間は誰かがいるから針葉樹を少しづつくべてあまり温度が高くならないように釜に配慮して
あげると良い。
夜の10時から翌朝6時までは広葉樹で、それ以外は針葉樹で賄えば半分以上は針葉樹を
使うことが出来るから費用に面でも燃料費を抑えることが出来る。
薪は同じ樹種でも様々な大きさのものを用意しておく必要がある。
焚きつけにも紙は使わないほうが良い。特に西洋紙はコーティング材が塗ってあるので、残りかすが
出てあまり良くない。
出来れば、最初から木に着火するほうが良い。うちではぺらぺらの木を別に用意しておき
紙の代わりに直接火を付けるようにしている。
下に溜まる灰もこまめには取らないほうが良いと感じている。ある程度のクッション材に利用し
五徳の損傷を助ける役目をさせたほうが良いと思っている。
薪ストーブはある程度使いこなせないとデメリットも感じてしまうが、慣れればそれなりに「暖かみ」を
充分に味わうことが出来る。
薪をタダ、あるいは安く入手するルートを持つことが大事だ。
それにはいかにうまく針葉樹を燃やすかを考えることだと思う。
頭だけ理解していてもうまくはいかない。
以上、これも経験がモノを言う世界ですね。
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コラム318 2012年03月31日
ストーブの薪
しいたけからシラス・ヒラメまで次々に基準値を超えて操業・販売禁止と報道されて、世の中は
汚染でいっぱいになっている。
県南地区では薪ストーブの自粛まで言われているというからますます住みづらくなってきた。
このストーブについては以前にも、焼却炉で燃やすのはNOでストーブはOKというのが
どうみても納得がいかないと書いたことがあるが、今は違った事情で「困った」になった。
北欧の一流メーカーのストーブは本体とエントツで100万円くらいするものと聞いている。
せっかく設置した高価なものなのに、使わないでくれ、自粛してくれと言われたって
いまさら・・・である。
地上・海上にあれだけの汚染物質を垂れ流しておいて、色も何にもついていないものを、
計器もないのに、どれだけ二次被害になるのかもわからないのに自粛では納得がいかない。
出してはいけないものが出てしまい、すでにそれは手がつけられない状態である。
それがA点からB点に移動しようが消滅はしない。何も変わらないのである。
今日などはすごい強風で土ぼこりが舞い上がっている。こっちのほうがよほど汚染物が
舞い上がって二次被害になっていると思うのだが、計器もないのだから簡単に言い返せない
のが悔しい。
事の重大さは薪ストーブを自粛するとかしないとかではなく、危険と感じる人、いやだと思う人は
出来るだけ該当地から離れることである。
私らは還暦を過ぎ、前期高齢者になりつつある。影響が出るのは20年先といわれる。
すでに気持ちは開き直っているが、若い子を持つ親御さんは確かに気が気ではないだろう。
計器もない、東電・国も国民を守る気がない、すべてが八方ふさがりなのだから自分で判断し
危険から遠ざかるしかない。
覆水盆に返らず、返す気もなし。
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コラム317 2012年03月29日
海も山も同じだ
ついにヒラメもか・・・
昨日、100ベクレルを超え操業自粛をせざるをえないと報道されていた。
ということは近海の海底もばっちりと汚染されてしまったということになる。
わかってはいる・・・、わかってはいるが何とも悔しい。
山林も同じだ。
事故後一年目の新年輪にはしっかりと汚染物質が形成されている。
もう、これからは樹皮だけの問題ではなくなった。
これから毎年一個づつ増えていく年輪がすべて汚染物質を吸い上げる。
年数が経てば経つほど厄介になっていく。
今のうちに「皆伐(かいばつ)」するか100年くらい放置するか、どちらかしかなくなった。
こんな状況においても、国は木材の安全基準値すら示していない。
消費者に聞かれたって、何と答えてよいのかすらわからない。
それで経済成長がどうのこうの言っているやつはどこのどいつだ。
とっくに「県産材振興」などというのは吹き飛んでしまった。
力のある製材所はどんどんやめていくだろう。
原木市場も成り立たなくなる。
山林所有者はどうしようもなくなる。すべてが凍結状態になる。
痛くも痒くもないのに・・・・
それでも当の加害者「東京電力」は生き続けられるのだからおかしい!
いまでも取締役は報酬を受け取っているのだろうか。
値上げを当たり前のように手紙を送ってくるが、自分たちの経費を絞ったのだろうか。
保養施設、厚生施設などは処分換金してから言っているのだろうか。
何をどうやっても現状が回復するわけではないのだが、せめて皆が納得する振る舞いを
してほしい。
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コラム316 2012年03月23日
職人(大工さん)の手間は高いのか
当地においての大工さんの手間は1日あたり16,000円くらい支払われるのが平均的なところだ。
これはスポットと言い、必要な日数だけ依頼する場合の数字であり、常用雇用されるケースとは
別である。
被災地における非常時のような場合、20,000円から30,000円の賃金が払われているとも聞くが
これも特別の場合である。
リフォームなどの短期間の工事にはその工事に必要な期間だけの作業日数が計上され、1日あたりの
賃金が掛け算されることになる。(基本的には新築も同じことなのだが)
受け取る側(職人)からみれば、これで一年間何日働けるかで年収が決まる。
年間52週、雨で動けない日も考慮すればせいぜい300日がいいところである。
単純に計算しても480万円ということになる。
一方、公務員の場合はどうか。
土日、祭日、年末年始、年休をひいたら240日ほどの労働日数である。
これを年齢的な給与額でみてみると(50〜60歳で)600万円はいただいているはずである。
一日の賃金に換算すれば25,000円になっている。
退職金・年金は別で考えてもこれだけの差が出ている。
世の中の見方は、これでも「職人の手間が高い」と評価する。
通勤費は出ない。自費である。
ある程度の道具は揃えなければならない。自費である。
それを運ぶのはトラックかライトバン。乗用車で仕事へ・・とはいかない。
大きな組・工務店に入っていない限り、労災のような補償はない。
国民年金だから将来の生活保障にはならない。
健康保険も会社負担の優遇はない。自費である。
それでも高いと言われる。 何かおかしい。
地域ビルダーで働く大工さんはもっと厳しい。
いわゆる「坪単価請負制」である。
床面積に対していくらと金額が決められる。
まともな金額を得ようとすると、朝早くから夜遅くまで、苦情が出ない限り、土日まで。
それでもやっとすれすれの賃金にしかならない。
手慣れてすばやくこなせるようになるとそれが新しい基準金額になり、さらに締め付けられる。
初めて現場を経験する大工さんはもっともっと悲惨である。
要領がわからないから日数がかかり、素材を間違ってカットしようものならペナルティをとられ、
何とか指示通りの期日に終わらせようとすれば、手伝いの職人さんを頼むしかない。
すると自分の取り分はほとんど消えてしまう。
要領の悪い人ほど遠い現場をやらされる。ガソリン代も出ない。
少し経費を出してほしいといえば、次の仕事の声はかからない。
たまには監督にご馳走しないと次の仕事がまわってこない。
それでも次々にやる人が出てくるから、いやだといえば「毎日が日曜日」になってしまう。
自分の給料はがっちり確保するけれども、相手の価値は認めない。
これでは次の世代・・・なんて夢の話である。
あと二十年もしたら「吊り下ろす家」しか手に入らなくなるだろう。
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コラム315 2012年03月19日
過剰な地盤改良
瑕疵担保責任保険は構造上の欠陥と雨漏りをカバーするのが目的とされている。
しかし、家は地べたの上に建つものだから、地盤の影響が避けられない。
これらの保険会社はよその原因で瑕疵を問われるのはいやだから、地盤の原因となる
領域は切り離しておきたいと考える。
その結果、石橋を叩いても渡らないような厳しい対応を要求する。
一方、地盤の調査会社は現地調査できわどい判定が出たときにどのように対応しているのか。
推測であるが、ほとんどが何がしかの地盤改良の指導が出ると思っている。
いわゆるグレーゾーンの処理である。
通常、地盤の調査はスウェーデンサンディング方式で行なわれる。
(当HPにも現場の紹介の中で掲載している)
ヤジリのついた鉄の棒に25kg×4個=100kgのおもりを背負わせて、回転させながら
進入の仕方をみてどのような地中状態かを判断するもの。
おもりを二個ないし三個乗せただけで自沈してしまうようだったら地耐力が不足だから
何がしかの改善指導が出ても当然と思うが、四個(100kg)をかけて自沈しなければ
大概の場合、地耐力は充分あると判断する。
これは通常ベタ基礎で充分対応できるものだが、四個かけても回すか回さないか位に
すうっと入ってしまえば、グレーゾーンで判断が分かれる。
ただ、これも表層近くで起きた場合と深いところで起きた場合は意見が分かれる。
表層近くならNG、深いところならOKとなるようだ。
私も、何十件と現場で作業するのをみて、分析データと照らし合わせてみているが、
ほぼ境目はどこの現場でも同じような判断をしているようだ。
ただ、ハウスメーカーは人を見るのか、グループの提携会社がやるからなのか、個人的に見ても
やりすぎだろうと思う現場が見られる。
調査分析表を見ていないのに何を言うかといわれるかもしれないが、この土地で生まれ育って
地形などは小さいときからあそこはこうだったとか身体でわかっているから余計に感じるのだ。
いわゆる「部落」とよばれる集落は昔からの土地を知っている人が住んでいるわけで、田んぼや
谷津などと言われるようなところに家を建てるようなまねはしていない。宅地の基準としては
良い所に建ててある。
つい先日、その「部落」のなかで家の建て替えを決断された方がおり、頼んだのは名の通った
一流メーカーのSハウスでした。
解体が始まったなと思って行き帰りによく横目で見ていましたが、解体が終わったらすぐに
1t袋のようなものが十数個搬入されてきました。
「ははあん、表層改良だな」とすぐわかりましたが、どうみても該当地はそういう処理が必要だとは
思えない地区なのです。
大型重機が、現場で袋の中身と土をかき混ぜ1日くらいで作業を終えて引き揚げていきました。
いまは次の作業待ちのようで何もおこなわれていませんが、彼岸明けには基礎作業が始まるものと
思われます。
当家の人はメーカーの勧めがあったからやったのでしょうけれども、何とも「やらされたな」という
感じは拭い去れません。
建築に関してプロとアマチュアがぶつかれば100%プロが勝ちます。
おまかせしているからという気持ちもあるのでしょうけれど、過剰施工を性善説でみるのか
知識と経験がないのですから何も言えないと思いますね。
田舎でさえ、ハウスメーカーですから。
彼らは売上をあげることが仕事ですから。
建て主がお金を払えればドンドン成績をあげようとしますから。
お客様にためと言って、自分のノルマを達成しようとしますから。
建て主は最後まで知らないほうが幸せというものです。
どうか、集成材の家なんかは建てないで下さい。
無理でしょうけれど、このメーカーでは。
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コラム314 2012年03月17日
寝た子を起こすな
やはり、そうだったのか・・・
「寝た子を起こすな」と言っていたやつがいたんだ。
それも保安院と名がつく元所長というのだから、始末が悪い。
なにが原子力の保安だ。
「せっかく騙して寝付かせたのに今更起こす必要はない。何も起きないのだから・・・」
それでこのザマか。
何のための保安なのか、「原子力我が身保安院」と名前を変えた方がピッタリの言い方だ。
この事故でどれだけの県民が被害を被っているのか、この人たちには何の痛みも感じていない
のだろう。
「いやぁ、あの時は正しい判断で、これは想定外だ」で済ませるのか。
痛みを感じているなら現場へ行って避難民と同じ生活をすべきだろう。
こんな状態になっても、きちんとした給料をもらって当たり前に暮らし、ベクレルなどとは程遠い場所で
食べるものも安全な食材を吟味し、自分の健康だけはしっかり管理して生活しているのだろう。
いまさらながら、いまさら・・・だけども、
これだけ安全だと言ってきた人たちはいったいどこへ隠れてしまったのか。
緊急避難しなければいけない状況でも、「メルトダウンとは言えない」と言った東電。
「いらぬ混乱を招く」と指示を出さなかった政府・役人。
住民にとっては何の役にも立たなかったSPEEDI。
アメリカには届いていたけれど。
さんざん汚染物質をかぶってからの避難指示、それも汚染の濃い地域への回避案内もなく。
痛くも痒くもないんだから黙っていればわからないだろうとタカをくくっているとしか思えない。
徐々に広がってくる、知れ渡ってくる二次被害。
真綿で首を絞められるようにじわじわと生活が追い詰められてくる。
もう、どんなに騙しつけても起きてしまった子は寝ない。
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コラム313 2012年03月16日
CLTは集成材?

CLT(クロスラミネーテッドティンバー)
CANADAWOOD カナダウッドHPより
ベニヤ板というのは大根のカツラ剥き状にしたものを直行させて貼り合わせたものを言いますが
CLTは集成材の原料になるようなラミナという形状のものを横に何枚か並べてくっつけたものを
さらにベニヤを作るのと同じように直行させて大型パネルを作ると言った表現が合っています。
ツーバイフォーパネルは構造用合板とスタッド(裏桟)の組み合わせですが、これの木製版みたいな
感じです。
これで壁面一枚を作ることが出来ます。 これが徐々にシェアを伸ばしてきています。
人間はどんどん新しいものを作り出しては住宅に採用していますが、これも性質は集成材に
ほぼ近いものといって間違いないでしょう。
集成材とCLTの大きな違いは
前者は横架材の梁・桁に使われるのが主ですが、CLTは壁面そのもの、床そのもの、という
ツーバイフォー方式と同じ使われ方をするという点です。
ツーバイフォーは原則、工場での生産比率を高めない限りは現場の作業が多くなりますが、
CLTは工場で主要壁面を作ってしまうので、現場では図面どおり機械で吊り上げてセットするだけの
作業に近くなることです。
現場作業の多い少ない・工法の良否は別として、素材そのものを見れば接着剤で貼りあわせた
「合板・集成材」と変わりないということです。
これらが構造体に使われることがどういうことなのかとなれば、以前から主張してきたことと同じです。
ノリが切れれば「終わり」ということを意味しています。
確かに、門型フレームなどには適していますが、所詮それは接着剤でくっついているから成立して
いるだけの話しで、樹脂寿命が永久に続くということは考えられません。
その点が、以前の集成材と同じにしか考えられていないのが残念です。
これから採用してくるハウスメーカーも出てくるでしょうが50歩100歩というところでしょう。
クワバラ、クワバラ・・・
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コラム312 2012年03月15日
「この紋処が目に入らぬか・・」 ハハア・・
住宅の内装材(特に揮発物のもの)規制の基準が出来たことによって、シックハウスは
なくなったか?
とんでもない話で、0.08PPMというあいまい数値が一人歩きし、潜在的な予備軍がどんどん
増えていると思います。
なぜ、確信を持って言えるか・・・それは自分が刺激臭を感じるからです。
でも、世の中はすでに「安全です」が大手を振って歩いています。
さすがに、0.08PPMが決まったときのように「健康住宅の最先端です」みたいな広告は
なくなりましたが、それは話題性が低くなっただけで現実は何も変わっていません。
数種類の揮発物(VOC)が規制されただけで同じ石油製品を使って接着剤が作られているのは
変わりませんから、座っていたイスがAからBに変わっただけなのです。
国の裁定というのは国民の健康を守れるだけのレベルにはなっていません。
それは決めたときの中身が「お互いに歩み寄れ」となってしまったからです。
揮発物というのは人によって濃淡は関係なく極微量でも反応を起こしてしまう人もいます。
それらがロシア式交渉で真ん中とは言いませんが、メーカー接着剤を含めた製造者にきいて
製造不可能になるぎりぎり手前で承諾を得たようなものですから、はっきり言って何の役にも
立っていないのです。
そんな交渉の結果が「F☆☆☆☆」マークをつけられるのですから、そこから先は簡単に想像が
できます。
国は一番下に「それでも完全ではないですから換気に気をつけるように」と、何のことかわからない
ようなコメントを付け加えています。
要は、個人個人で気をつけなはれ・・・ということで落着させてしまったのです。
それにこの先に24時間駆動する換気扇をつけることとしてしまったのですから、何を考えているかは
想像がつくと思います。
臭いものはシャットアウトしろ、使うなではなく、こういう別の装置をつけなさい・・・
それで「揮発物を薄めなさい」とご指導されたのです。根本的に何の解決にもなっていないことが
わかると思います。
それでも、この国は「安全で長持ちする住宅を所有することを推し進める」と言っています。
一般大衆の皆さんは私なんかの話より、お墨付きを信用すると思いますが中身はとんでもない
ものです。
くれぐれもニセ水戸黄門に騙されないように。
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コラム311 2012年03月6日
JIS認証取り消し
世の中には一般の消費者に知名度のある住宅機器メーカー、いわゆるメジャーな世界と
その裏方を務める部材供給メーカーがあります。
そのほとんどが、OEMと称して外注システムで支えられています。
これらの資材メーカーにもJAS・JISなどの認証製品があり、それが看板メーカーの品質を
支えている面が多くあります。
木質系の勉強机、流し台メーカーの基材、洗面台の基材、家具などのベース材などに使用される
PB(パーチクルボード)というものがあります。
この代表的なメーカーに大倉工業があります。
このメーカーがJIS規格を取り消されました。 JISですから日本工業規格ですね。
ものづくり(製造業)においては、100%ロスなしの製品が出来るわけではありません。
作るうちの数%あるいは0.何パーセントという確率で規格外品が出来てしまいます。
それらを認定基準に照らして不良品が出ないように出荷をとめたり市場に出ることを
抑制します。
強度不足、研磨不良、密度不良など様々なハネる要因があります。
それらを厳密に検査したかどうか(しているかどうか)検査機関がチェックしています。
多分、内部告発なのでしょうけれども、
充分な検査をしなかったり、出荷してから形だけしたり、データを少しごまかしたり・・・
規格外製品が世に出てしまったことになりました。
新聞では、まだはっきりとした影響・被害は出ていないと書かれていましたが、
それは、気付いていないというだけで、製品に使われてしまったのは間違いありません。
今後の状況によって被害が明らかになることもありますが、特別なことがない限り、ほぼ
そのままということになるでしょう。
きちんとしたものを作りますという約束で「認証」を受けていたものが、きちんとしていなかったと
なれば最終的に被害が出るのは消費者のところです。
今一度、何故「認証制度」ができてJIS・JASのマークをつけているのか熟慮してほしいと思います。
それを信じて購入しても中身が違っていたらそれは詐欺です。
最初から騙そうと思ってやっていたわけではないとしても、結果として騙していたことになります。
これが中国なら「またやったか」で終わってしまいそうですが、品質に自信を持っていますという
日本で行われたというのは問題です。
今回の発覚で会社は大きな損害を出しました。
何十億もかけた設備が役に立たなくなり、顧客である納入先にも多大な迷惑をかけたはずです。
評判もよく、取扱量も多かっただけに、取引先の対応はもっと大変です。
ちょっとした「ずる」、昨日やってなんともなかったから、製品のハネ率を低くしたいから、などなど
現場での仕事にゆるみが出ていたのは間違いないと思います。
また、これが上司の指示で行なわれていたのか、会社ぐるみだったのかも関係者には明らかにして
もらいたいと思います。
それにしても、この会社の失ったものは大きい。
たぶん、この部門は切り離し売却することになるでしょう。
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コラム310 2012年03月02日
「私がやれば」の、この業界
あるHPに「私は木のマイスター」と書かれたいかにも魅力的な構成のページがあった。
思わずクリックしのぞいて見たが、何のことはないただの集成材と金物と合板を主力に
したものだった。
集成材を使ってマイスター?
接合金物をたくさん使ってマイスター?
厚物合板をたくさん使ってマイスター?
この世界は何でもアリに見えてしまう。
虫のアリではない。それはアリに失礼だ。
関西の地震、東北の地震を例に挙げて
住宅の強度は構造体であると言う。 確かに間違いない。
でも、何かおかしい。
マイスターとかソムリエなどというのは自分から発する言葉だろうか。
まわりの人から見て「あの人はすごい」「素晴らしい仕事をする」と認められてそういう呼び名を
まわりが使うのではないか。けっして自分から言うものではないような気がするのだが。
まあ、それを言ったら、車だって大手のハウスメーカーだって同じようなものか。
「2011年グランプリ獲得」・・・それってなに?
自分たちで作ったいわば身内の会で表彰しているようなもので何を基準にしてグランプリなんだか
よくわからない。
若い頃は気にもしていなかったが、年齢がいろいろな経験を重ねてくると裏を考えるようになる。
「なあんだ、そんなことなのか」結局は「手前味噌」「お手盛り」「自己過大評価」でしかないわけだ。
そんな住宅でも平気でシックハウスを起こすようなツンとしたニオイがするんだから笑ってしまう。
それはするはずだよ、基本的に、石こうボードにクロスの体質は変わっていないんだから。
ノリが改良されてと言ったって、AがBに変わっただけで化石燃料の成分には変わりないのだから。
これで長期優良住宅を名乗って自分でマイスターと言っているのではある意味ピエロか。
いやいや、ピエロは自分を犠牲にして他人を笑わせるのだから質が違う。
高級、優良と言っておきながら不安なものを売るのだからまったく逆だ。
この世界は「私は詐欺師です」と言っているようなものだ。
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コラム309 2012年02月28日
ダウンサイジング
一地方の零細業者としては想像もつかない数字としか言いようのないレベルである。
4480万円ではない、4480億円・・・
札束を積み上げたらどこまで届くのか・・・・
バカな想像をしてみてもくやしいが規模がわからない。
私らからしてみたら、電子部品産業の花形であり、あの目にも止まらぬ速さでロボットの腕が動き
にぶく光る円盤のようなものが次々に流れていく。
あのどこに競争力がなかったのか、皆目見当がつかないと言うのが正直な気持ちだ。
次々と出る機種に巨額の設備投資が必要だというが、あれほどの優れたロボットでさえ
役に立たなかったのかというとさらに理解が出来なくなってしまう。
マネージメントとすれば「かけたお金に収入が見合わなかった」ということになろうが、
半導体産業というのはそれほどすさまじいものだったということか。
いつも自分を基準にしか考えられないが、天然の世界で育ったものを見極めてどのように
使いこなしたらという低いレベルではないことだけは確からしい。
あれだけ性能が優れていて200円台、値崩れしたら50円台・・・ますます理解不能である。
それを「億」の単位をかけて勝負する・・・私ならやらない・できない。(相手にもされないだろうが)
電子の世界は怖い。
会社更生法ということは経営陣は総退陣になるのだろうが、果たしてそれで今後の戦いが
成立するのだろうか。メディアでは製品の的を絞りすぎたのが敗因だと出ているが、それなら
今後の挑戦をきっぱりとあきらめて別の分野にお金をつぎ込んだほうが賢明ではないのか。
国の弁明も「やむをえなかった」程度なのだから。
所詮、他人の金だと思っているからそんなことを言っていられるのだ。
個人だったら、命をもっていかれる。
生きた銭を使え!
ほかにももっとお金をかけていかなければいけないところが山ほどあるだろう。
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コラム308 2012年02月24日
原発の余波
間もなく原発のメルトダウンから一年が経とうとしています。
食品などの直接口にするものは真っ先に汚染が問題になりました。
シイタケ・お茶・葉物野菜などは直撃をくらい、コメも栽培してから「待った」を食らい、
来季の栽培も危ぶまれています。
木材も例にもれず、丸太樹皮には汚染物質がかかり、計測器では反応が出てしまうなど、
その影響は計り知れません。
木材は一年に一つづつ年輪を増やして育っていきます。
そのこれからの長い年月に地中から吸い上げた汚染物質が蓄えられていくのですから、
今のうちに汚染物質を取り除かない限りは「汚染木」として成長していってしまいます。
今年は樹皮がどうのこうのと言っている状態ですがこの先はそれだけでは済みません。
セシウム半減期30年となると毎年育っていった年輪のその部分に30年経っても半分にしか
減らない物質が蓄えられているわけですから、近隣の木は全く使えないとなるわけです。
誰かのスキャンダルだったら一年もすれば記憶から消えていってしまうでしょうが、この
物質は厄介でしっかり残っています。
すでに、首都圏では県北・福島地区の木は大丈夫なのか保証できるのかという声が上がって
います。
消費者としては当然のことです。
これに対して我々木材業者はどこまではっきりと答えられるのでしょうか。
何の指針もないまま、問い合わせを受けても何と答えればよいのでしょうか。
汚染数値を正確に測る機械さえない。安いものでは正確な数値が出ない。
誰がどこまでどうするのか。
たとえば、その測った数値が安全なものなのかダメなのか。
それさえも知識としてないというのが現状です。
せっかく、県産材が注目されだしてきたばかりだというのに、これでは総倒れになります。
原木の段階ではダメだとしても、製品になった時点でのしっかりした管理値を示し、
消費者に安心してもらうためにやるべきことがあるはずです。
一個人ができなければ誰がやる・・・明白です。
茨城県が動かなければならないはずです。
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コラム307 2012年02月22日
十数年ぶりの風邪
2月の勉強会のときに何かノドに異変を感じていたのですが、大したことはないだろうと思っていたら
風邪にやられてしまいました。
幸いにしてインフルエンザではなかったのですが、鼻・ノド・微熱と体調がさえませんでした。
最初、鼻の奥だけがヒリヒリした感じだったのですが、だんだんとノドに移ってきていました。
「これはちょっとまずいな」と思っていたら身体全体がだるくなってきて、お医者さんに行こうと思ったら
15日(水)はあいにく休診日、その翌日に受診して、薬を処方してもらったのですが、ついに金曜日は
ダウン、一日寝てしまいました。
土曜日は会社に出てきたものの体調は万全ではなく、事務処理にもミスが出ました。
お客様にも迷惑をかけてしまい自分ながら情けなくなってしまいました。
幸い、お客様のほうから間違いの指摘をいただき大事には至りませんでしたが、これが発注となると
別の商品が届いてしまい大変なことになるところでした。お客様に感謝です。
ミスをするときというのはそれだけではなく、毎月20日は問屋さんへの支払いのための振込みを
するのですが、そこでも一件振り込み漏れをやってしまい、帰ってきてから気がつく始末です。
風邪の症状を和らげる薬を飲んでいたからといって言い訳にはなりませんが、
「お前、なにをやっているんだ」ともう1人の自分が言っています。
昔はこんなことはなかったのですが、これが年齢というものなのでしょうか。
今回の風邪でわかりました。確実に体力が落ちているのを自覚しました。
うがい、手洗い・・・単純なことですが、大事だとつくづく反省しています。
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コラム306 2012年02月13日
2月定例会
昨日は定例会を開きました。17名の参加で盛況でした。
遠方より、つくば緑友会の益子さん(守谷市)がおいでになり、現場見学までお付き合いいただきました。
有難うございました。
今回のテーマは「素材」、いわゆる建築に使われる材料です。
木造と言われてはいますが、皆さんの思っている「木造」の部材は大きく様変わりしています。
そのなかで、構造体といわれているものの変化を主にお話しいたしました。
ハウスメーカー・地域ビルダーなどの家の構造・使われている部材などの今昔の違いです。
みなさん、想像以上に中身が変化していることに驚いている様子でしたが、お話ししたのは
まだまだ一部分であり、このほかにも大きく変わっていることなどはたくさんあります。
ある意味、私らも販売しているものでもあり、「売りたくないもの」「使ってほしくないもの」なども
あります。
そのようなものも我々流通の業者としては注文を受ければ「毎度有難うございます」といって
配達しなければならない運命をもっています。
家を建てるときに、何が悪いものなのか、何を避けなければならないのか、知っていなければ
いけないことがたくさんあるのに、いつも建て主さんは知らされないで工事が進められていきます。
まず、それはいけない・・・という意識を持ってもらうためにというとおおげさになりますが、
基礎的な学習をしてもらうのが第一の目的です。
皆さんは、建築のことは素人だと思っていますし、それは当然のことなのですが、
知らずに渦中に巻き込まれるというのが現実としてあるのです。
健康被害・最終的に解体されるときのゴミの問題まで入れたら性善説ばかりで考えていては
ダメです。
その辺のところを広く浅く知っていただくためにお話をしているのですが、はたしてどこまで
伝わっているのか心配なところであります。
来月は3/11(日)に行なう予定です。お時間の許す方はまたご参加下さい。
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コラム305 2012年02月06日
互換性
最近では仕事の一部となったPC(パーソナルコンピュータ)でありますが、日進月歩どころか、
あれっと言う間にXPからビスタ、はたまた7(セブン)に変わってしまいました。
何がどう変わって進歩しているのか後退しているのか私にはよく理解できていませんが、
不満としてあげるのなら互換性をしっかりやってからにしてもらいたいということですね。
改良というのは、作る人にとっての改良であって、必ずしも使い手にとっての改良には
なっていないということです。
何かというと「これには互換性がないため・・・」というコメントが出てきて動かなくなることです。
PCというのは名前の通り、人々が簡単に使えることであるはずですが、単にマイクロソフトMSの
お金儲けに翻弄されている気がします。
古いものは読むが新しいシリーズで作ったものを古いXPでは読めない・・・では互換性があるとは
言えないと思います。
今回、3年ちょっと経ったPCのHDD寿命を心配して新しいWin7を購入しましたが、Wordも2010シリーズに
なっていて、上記のようなことになりました。
このPCに入っているWord文章は2003のものでWin7で作ったものが読めません。
何か方法があるらしいですが、一般人の使う処理できるレベルのものとは面倒くささが違います。
こうなると取り替えるときには同じものを予備に1台揃えておくしか方法はありません。
外付のHDDとか言われますが、戻せずに別のPCに読ませようとしたらアウトでは役に立ちません。
メーカーの戦略というものもあるのでしょうが、どうやって庶民がPCを大事に使っているのか
もうちょっと理解しておいてほしいものだと思いますね。
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コラム304 2012年02月02日
目玉商品
ここのところ、ホームセンター(HC)の折込チラシがよく新聞に入ります。
そこには建築資材の目玉とも言うべき合板がたいがい掲載されています。
JASコンパネ1800×900×12mm 990円(税込み) これだけ見ると安いと思います。
でも、チラシ以外の商品は意外と高く、何点か買うとすると合板の目玉分は消滅します。
敵もあっぱれですね。ちゃんとバランスをとっています。
こちらも商売ですから、安く売りたいのはやまやま、しかしこちらは掛売り・配達付きが原則。
土俵が違うのですからHCと同じには出来ません。
でも、消費者から見れば現金・引取り価格なんてものは気にならないのでしょうね。
大工さんでさえ、「HCはいくらいくらでお前のところは高い」と言う人がいます。
こういう人は本質を理解していません。
いったい自分はいくらの時給で動いているのか。
時給2000円もする人が現金持って荷物など動かして元が取れるんですかって言いたいですね。
そんなことしているなら、自分は現場で大工作業をしていたほうがよほどお金が稼げるでしょうに。
私なら絶対にやらないことですがねえ。
本当に安いものを求めようとするなら、きちんと規格(品質レベル)を知って買わないと
逆になりかねません。と言ってもそれが出来る人は限られているでしょうけれど。
HCの商品には大きく分けて合板類と木材があります。
この中で合板は規格に基づいて作られたものなので、表示さえあればどこのどういうものかが
わかります。
一方、木材というのはJAS規格というものがありますが、業界の中でも正しく理解している人は
少なく、またこれらをきちんと表示している製造者もほとんどありません。
昔から木材は専門屋が現物を見て価格をいくらと主張し、売る側もマンツーマンで折り合いが
つくかつかないかで商売が成立していました。いわば、魚のマグロと似ているところがあります。
両方とも自然界の中で育ってきたものなので、産地も違えば当然木の質も違ってきます。
その辺が総合的に評価されて取引されていましたので、いきなりHCの価格表示を見て
それが妥当かどうかを判断する(できる)のは相当な経験を積んだ人でなければ不可能です。
まあ、そういったことがあるから木材は難しいと言われるのですが、そういった認識・経験がない
人がその場で判断するのは正直大変に難しいと言えます。
だから、HCでも木材でたっぷりと利益を出しておいて、合板ではチャラになればいいというくらいの
値段で売るのだと思います。
どこでも売り場がタダの経費で運営できるわけではありません。扱う人もそれなりに慣れて
いなければなりません。
違う点は配送なし、現金取引、集金(掛売り)なしという点だけです。
私も職業柄、時々HCを見て歩きますが、木材はどこでも高くついています。
それに、等級の割りに品質が悪いです。これは一口に言っても理解できません。
そこがHCの狙いでもあるのですが。
社会勉強のために一度じっくりと両者を比べてみることをお勧めします。
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コラム303 2012年02月01日
からっ風
ここ、ひたちなか市は冬になるとホシイモが盛んに作られています。
この近辺の土地はサツマイモの栽培に適しているということです。
種類はタマユタカ(白い色をしている)と、最近出てきたイズミ(黄色くてねばりがある)があります。
イモも連作はあまり良くないといいますが、他の野菜は不向きな土地ということで毎年作付けの
ほとんどがイモです。
今期の作柄は原発の影響もほとんどなく、平年以上に収穫が出来たと言われています。
検査の結果もOKでしたし、各農家では朝早くから作業小屋から蒸気をもうもうと上げながら
作業をしています。仕上がった製品の出来も(例年より)良い気がします。
私の事務所がある町内(組内)でも2軒の農家が大きく作業をやっています。
昔なら未明の2時頃に起きて薪で蒸かしていましたからその作業は大変なものでした。
イモの保管方法も「ムロ」という、畑に深い穴を掘って、頭を藁でフタをして、寒さで腐るのを
防いでいました。
いまでは保管方法も科学的になって温度をコントロールしながらビニールハウスで管理しています。
昔は周りの畑も冬の作がないところでやっていましたので土ぼこりなどの影響を受けていましたが
いまはホコリ止めとして麦のバラ蒔きをやって10cmくらい草が生えた状態にしてホコリがたつのを
防いでいます。
今年は北陸地方が大雪で難儀しているようですが、こちらの関東側にはその流れの「からっ風」が
ふいて、ホシイモの乾燥作業を助けています。せまい日本でこれだけ気候が違うのも不思議です。
近所の農家でも、ハウスの頭だけビニールのかかった形で雨を避けることができて、両サイドはあけて
風が入るようにと工夫されていて昔とは違うなと感じさせられます。
イモは寒さがきつくなると糖化して甘くなります。我々もなるべく甘いものを食べたいのでシーズンの
中盤以降のものを狙って買うようにしています。
スーパーなどではかなり高い値段で売られていますが、我々は近所ということもあり、Kgあたり1300円
くらいで購入することが出来ます。
農家としては米のような手間のかからないような作物で生計を立てたいと思っていますが、地域の
特徴でそういうものはやや不向きなのでホシイモを作っています。ただ、どこでもそうでしょうが、
だんだん作業する人が高齢化になって後継者の問題がおきています。
たまに若い人が手伝っているのをみますが、わずかです。
この業界にも問題は大きくのしかかっているようです。
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コラム302 2012年01月31日
地震・火事・民事再生
福島県いわき市はいま、地震・津波・原発汚染・風評被害と大きなダメージを受けています。
その中、創業100年老舗といえる長寿製材業者が民事再生法を申請して倒産しました。
私の父の代にも過去に何度かこの製材所から角材などの製品を買ったことがあります。
勿来の関という名所の近くにある大きな工場でした。
3/11の地震被害、風評被害、1/17製材工場の火事、資金難・・・3重苦4重苦が重なり
ついに継続を断念したとのこと。
この業界、普通にみても経営が苦しいのに、これだけの苦難を背負ったらまず立ち直れないでしょう。
措置が民事再生ということですから、裁判所に認められれば債務免除で堅実に経営できるかも
しれませんが、それでも周囲の状況から見れば大きな縮小になるでしょう。
いまはどんなに古く名門だといわれても業界の中では通用しません。むしろ、老舗であるがゆえに
自由が利かず、どどどっといってしまうほうが多いのです。
負債総額9億円といいますからこれも半端な金額ではなく、二次三次倒産が考えられます。
原木市場、直接の山主さん、金融機関など・・・なかでも原木市場などは相当なダメージを受けた
はずです。
まだ、金融機関は引当金を設定していますから直接の損益には影響ないでしょうけれども、
民間はそんな余裕はありませんから大変さはわかります。
各所に影響が出ないように祈ります。
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コラム301 2012年01月30日
1万7777人
毎年、1月の最終日曜日にわが町ひたちなか市では市民マラソンが行なわれる。
その数や、17,777人と報じられた。スタッフまで入れると2万人は軽く超えるだろう。
単純に収支だけを考えると大きな赤字だが、行政は周辺の経済効果を考えれば
やったほうが良いと判断しているようだ。
参加者にはTシャツとかんそう芋(完走をかねたシャレ)、スタッフには日当とウインドブレーカー。
いつもなら東電の名入りなのだが今年はどうだったのだろう。
多少のスポンサーはいるのだろうが、市の負担は増えたものと想像できる。
聞くところによると、スタッフは7時前に集まり、受け持ちの走者番号の確認と計測タグをセットする
という。
いまは2万人ちかくいるからいちいち人間ではカウントできない。
今だからこういうハイテクが使えるようになったから便利だが、昔だったら大変なことだろう。
事務所と私の家はこの道路を挟んで5kmくらい離れているので、開催日には半日以上通行止めに
なるために出て来れない。遠回りすれば事務所のすぐ近くまでは行けるのだが100mくらい手前で
フルマラソンのコースになっているので用事があってもお休みにしてしまう。
それに付け加えて、今年は寒い!!
以前なら通行止めになる前に事務所に出てきていて、旗を振って応援をしたものだが、今はその
気力もない。寒いときは家にいてコタツにもぐっているのが一番だ。
気温は6度くらいしかなかったようでちょっとコンディションとしては良くなかったみたいだ。
それでもこれだけの人数が駆け抜けるのはちょっと見ごたえがあるのだけれど、寒さは堪える。
周囲にも恩恵と迷惑があふれる。
大きなスーパーや量販店には無断駐車がいっぱいだ。
いつも買い物をするあるスーパーにはいつもの3倍くらいの違法駐車があり、店長さんが書いた
「違法駐車はやめてください!」というビラがたくさんの車の窓ガラスに貼られていた。
私らもやっと空いている場所を探して車を停めたくらいだ。
これで、直近で恩恵があるのは宿泊施設だけか・・・
他はあまり思い浮かばない。
そうそう、10年以上前の話だが
この近くにひたちなか市民球場というのがあり、そこで高校野球の好試合があった。
夏の甲子園、県予選のたしか、常総と水戸商業の組み合わせだった。
この田舎が、周囲の道路、路地に至るまで違法駐車であふれたことがあった。
うちの事務所前の県道なんか対面通行の二車線しかなく
最初は片面だけだったのが、そのうち両サイドにも停めるようになって、大型などは1台がやっと
通れるくらいの巾しかなく、あっち側から車がきたらもう通れない。
たちまち、中古車センターみたいな大渋滞が出来てしまった。
もちろん、うちも出るも入るも出来なくなった。
そのとき、警察に何度も電話して、「何とか取り締まってください」と頼んだが、一度もパトカーが
来なかった。
この辺はイモ畑なものだから、片車輪は半分畑に突っ込んで停めていく。イモが踏みにじられ
農家もいい迷惑だった。
いま考えても惜しいなと思う、10年分くらいの駐車違反は稼げたのになあ。(どうでもいいけど)
ほんと、警察って肝心なときには役に立たないものだってことがわかった「大きな教訓」でした。
さて、来年は2万人を超すのかな。
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コラム300 2012年01月28日
変な解釈
スマートハウス、エコ住宅、二酸化炭素を排出しない太陽光発電・・・
車でも、電気自動車EV、ハイブリッド・・・これに様様な補助金。
何か変だ。
今日の(木材)業界紙にも自動車メーカーマツダが自社での熱電併給の装置に間伐材チップを
混焼させて使うという記事が出ていた。
この装置が1億3500万円といい、1億円が補助金だという。
補助金とは実に不思議なものだ。
一個人、一企業には資産形成の援助になるから出来ないという「しばり」があるはずだ。
マツダといえば私らの感覚からいえば「大企業」にはいるクラスだと思う。
その資金調達可能な優良企業に「補助金」が出るということはどういうことなのか。
そしてこの企業は「車」を作っている。
車は二酸化炭素排出の大きな部分を占めるものだ。
それを助長するために補助金を使っている。
しかも、森林環境を良くするためだというお題目がついて堂々とした「補助金」で74%も
カバーしている。
ということは、トヨタも日産も「環境を守るため」と言って、いろいろな補助金を受けているのか。
行政の解釈は、何かの大儀があれば何でも通るということなのか。
マツダの場合は2000tの間伐チップを使い、1900tの二酸化炭素を削減できるという表現をしている。
石油を燃やそうが木材を燃やそうが空気中にCo2が出るのは同じだろう。
しかも、これらの燃料を作るために必要なペレット製造の機械が要る。
これは、いつだったかアメリカで、自然物から燃料を100作るために70の石油を使って製造して
エコだと言っていたのに大して変わりはない。実にこっけいとしか言いようがない。
その先にエネルギーなしに走れる車でも出来ればりっぱだが、その車たちはまたまたCo2を
吐き出すのだからこれをどうカウントするのか。
この国と企業の悪いところは
エコと言われる設備を作るのに必要な製造エネルギーを一切カウントしないところにある。
太陽光発電も、その設備を作るための製造エネルギーよりもその後に発生させるエネルギーが
何倍もあるならこれは画期的なエネルギー革命になる。
ノーベル賞をダブルで受けるくらいの価値があるはずである。
だけど、実際にはそうはならない。
設備の耐用年数と部品の劣化がどれくらい費用負担になるかがわかっていないのだから
未知への挑戦というか国民を引きずり込んだ実験でしかない
そこから先がいくらエコだと言っても、すでに地球という大きな金魚鉢にCo2を大量に吐き出して
いるのである。
過ぎてしまったことは考えない・・・なら、原発の問題も過ぎてしまったことだから仕方がないで
済ませられるのか。
結局は、あれだこれだと動き回って地球にいっぱいのCo2を吐き出して何も改善されないのだろう。
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コラム299 2012年01月27日
福島からきました
つい先日、事務所に男の人が前掛け姿で入ってきました。
「こんちわ、福島から来たんですけど・・・」
「えっ・・・」
「ミカン買ってもらえないですか」
(なんで、福島なのにみかんなんだ?)
(東北支援ならそこの産物だろうが・・・)
(それに何となくアクセントが都会っぽい)
「・・・、ここは事務所なんで、人もいないし、要りません」
いままで、ニコニコしていた顔が急に不満そうな顔になって、しかも妙な間をおいて無言で
出て行きました。
何か、福島から・・・というと、全員が買ってくれるみたいな態度でした。
それはそうでしょうけど、身元もわからないのに、いきなり飛び込んできてそれはないでしょう。
よく、東北支援とか悪用する人がいますが、この人がそうだとは決め付けたくはないですが
可能性がゼロでもないし、わからないものは断るというのが私の心情ですから気の毒ですが
お帰り願いました。
仮に本物の「福島から来た人」でも、どういう身分なのか、わかるような札を下げておくとか
何かのアピールをきちんとすべきでしょう。
私も少ないながらポケットマネーから大枚を(銀行経由で)寄付しましたので支援はしている
つもりなのですが、なにかすっきりしない出来事でした。
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コラム298 2012年01月26日
まだまだ増える集成材
この業界で「忙しい」という言葉があてはまるのはプレカット工場と集成材工場、合板工場くらいか。
国でも、国産材の使用比率を50%まで高めるといっている。
茨城県でも丸太の集積を行なう新しい組織ができたが、どうもそれは大手集成材工場へ原料を
納めるための役目を担うようだ。
巷では中目(24cm〜28cm)級の原木が入ってこないといい、製材所でも思ったように製品を
生産できないところもあるらしい。
理由をたどっていくと、どうも集材・販売の流れが変わってきているというところに行き着く。
世の中の需要は、大きな営業力を持つハウスメーカーと地域ビルダーのほうへ吸い込まれていき
地域の大工さんには直接声がかからない。かかるのは現場で働く「労働者・作業者」としての
需要で、もはや棟梁と呼ばれる作業の域は少なくなった。
当初プレカット工場は、大工さんが忙しくさばききれないところを機械でカバーしていこうというもので
あった。それがいつの間にか、機械が主力になりコストを下げるための道具として「命」を持つように
なってきた。
現状では立場が完全に逆転し、機械が市場(しじょう)をリードしている。
ハウスメーカー・地域ビルダーはこれを武器としてますます営業攻勢をかけていき、シェアを伸ばしている。
発注者も陰の危険性は認識していても口に出さないし、建て主も家はそういうものだ安いに越した
ことはないと考えている。
プレカット工場では加工しやすい材が適材とされ、末端の考えている適材とは考え方が違う。
その点では、集成材は寸法精度が高く機械にとっては好都合の素材となる。
今までの集成材は原料は100%国外からの輸入品で作ってきた(完成品もあったが)
それが最近はミックス製品や純国産材の集成材も生産されるようになったという。
その材種候補は「杉」だ。
大きな流れとしての国産品への切り替えは歓迎だが、現在はそのスピードが速すぎると感じる。
ラミナー(集成材の原料となる板)供給のため、建築材用の丸太へも手を出し始めており
需給バランスを崩し始めている。
国産材を使うことは良いことだが、この集成材を作るということは必ず人工乾燥させる設備が
必要になり、石油や電気を大量に消費する。合板も同様である。
表面上は国産材を使いエコだと言いながら、陰では非エコなことをやっていかなければならないのは
どうも合点がいかない。
人間が人工的に作った集成材が完璧なものなら何も問題はない。
だが、所詮接着剤で貼り付けた物であることは否定できない。
過信してはいけない「人工物」である。
どうも、このことが忘れ去られている気がしてならない。
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コラム297 2012年01月24日
いよいよ10%へ
税金は何のためにあるのか。
言うまでもなく
富の循環と、地方で出来ないことを国でやる。
また
国際的な海外との政治調整をするためであると認識している。
隠れ借金まで入れたら1000兆を超すこの国で法人税・所得税を合わせても
40兆そこそこの実入り(収入)で借金(国債)の返済がほぼ同額まできていて
自転車以上、火の車になっているのにまだ野党も政権奪還だのと時代錯誤もはなはだしい
ボケたことを言っている。
いままでにこれだけのツケを溜めてきたのは誰なのか、何を今さらである。
税金というのは重くなればなるほど経済が疲弊する。
昔、ある国で何年間か税金をゼロにしたらたちまち経済が好況になり、その後の国の収入が
伸びたという話しを学校で聞いたことがある。
ただ、この場合は国に借金がなくある程度の富を蓄えていたということも実行できた要因だろうと
思う。
日本のように年間40兆近くの返済をしていかなければいけない立場ではそれは出来ない。
家庭の収入に当てはめてみれば、給料分そっくり借金に返済しなければならず、生活費は
またどこかから全部借りてこなければ回っていかないことと同じである。
こんな狂った家計はない。
それでもお父さん・子供たちの要求は減るどころかもっと増やせと主張してくる。
これで行く先は「破産」しかないのだから、行く行く日本もギリシャと同じ運命になるはずである。
ただし、今は日本よりもっと収支状況の悪い国があるから目立っていないだけでの話しで
時間の問題だと思っている。
国が預金の保護金額を1000万円に決めたというのも将来の破綻を見越していると思う。
国債は紙切れになり預金はほとんど取られ、やがて新円切り替えのような措置がとられると思う。
過去にも日本の国はそういうことをやってきたのだから可能性はある。
賢い人は「需要のある物」に替えている。金が高くなっているのもその表れではないか。
通常国会も150日と長いがどこまで消費税をもっていけるか。
脱藩した議員もいるから当分波乱は続くと思う。
所詮、選挙に勝てないから今のうちに・・・という考えなのだろうが、そういう人が「国のために」
仕事をしているのかというと違うと思う。
まず国会議員は半分でいい。
国は国の仕事を、県は県の仕事をきちんとやってくれればいい。
福祉・介護のうんぬんを言っているけれども、そこに使う前に借金返済で消えてしまいそうだ。
1割の人間が9割の金を握っていて、9割の人間が1割の金を奪い合っていると言われる。
いまはそれ以上かもしれない。
税金の仕組み働きを再考するときが来ていると思う。
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コラム296 2012年01月21日
納得できない・・・
100年、200年、長期優良、スマートハウス、ゼロエネルギー・・・etc
この国はやたらと住宅を誇大広告でかき回すようになった。
そして
人が住まう家にこれだけの呼び方をする業界は不思議だなと思っている。
(物件・作品・商品・住まい)
行政は何でも数字で表したがる
壁量はいくつ・・・だから高評価、一方で昔の貫工法などはほとんど評価に値しないという矛盾
それじゃあ、昔の家は全部潰れたのか。 ちゃんと残っているではないか。
田舎へ行っても、そこここに古民家のような100年以上耐えてきた姿が見られるのに
そういう木組みをしようと思ってもスジカイを入れろという親切なお言葉が出てくる。
長期、長期という前に考えてみよう
今の建築基準法によれば土台は基礎に緊結することになっている。
その基礎はコンクリートで作られるが、これの耐用年数は高々50年である。
税法だって60年の償却しかみていない。(これを取り替えるには空中浮揚しかない)
これらをどうやって100年、長期優良住宅とやらに当てはめるのか。
上屋は100年もたせることは可能でも基礎がダメになるのが見えみえなのにそれでも
そんな矛盾はどこ吹く風・・・こうなりゃ言ったもの勝ちか。
知らないやつは何でも言える。
集成材や合板を使っても長期優良住宅になれる。
だけど、その使っている部材をみれば100年はおろか50年さえ実績のないものだ。
そんな中身のものに「お墨付き」のマークを与えるんだからこの国は狂っている。
「すべてのものがもつなんていっていない」
「それじゃ、躯体がだめになったらどうして取り替えるのか」
「まだダメになったわけではないから言う必要はない」
「構造体が弱体化して潰れたらどうするのか」
「まだダメになったわけではないからコメントできない」
それでも長期優良住宅と言えるんですね。
私も確認できるまで生きていられないのが残念だけど。
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コラム295 2012年01月20日
まるでオセロのよう
日本の国は国民を守るのではなく組織の結束がもっとも重要であるというのが再認識された。
「問答無用、おまえがやったんだ!」でシロもクロにしてしまう恐ろしい組織のようだ。
千葉県流山市の事件では3人の身内が疑われ、やがて逮捕され罪人扱いとなった。
幸いにして、弁護士のついた後は不起訴となったようだが、自分と置き換えたらどうだったろうかと
考えさせられてしまった。
終始一貫「やっていません」を貫けるだろうか。
言葉の揚げ足ではないが、何かこの人のように「じゃあ、逮捕してみろよ」と言ってしまったら
これ幸いに認めたということになってシロがクロにされてしまうのだろうな。
組織の裏側は検挙率を上げろとノルマがあるのだろう。
交通違反の罰金も年間ノルマがあると聞く。
そりゃ、表立ってはイエスなんて言う筈がないだろうけれども、こういうことが各所にあることは
我々の長い経験から察する常識で考えるとうなずける。
布川事件もそうだったし、組織で動き(当時は成果となった)犯人にしたことが、後から誤った事件
だったことがわかっても、当時の関係者(取調べ者)は絶対謝らない。
今回、このように3人の上司が頭を下げて謝罪したのは、こちらの世界では当たり前のことでも
あちらの世界では異例のことなのだろう。
部下の失態は上司の責任と言っても、やはり当事者が出てこないのは疑われたものには
不満が残るだろう。
ここまで行かずとも、住宅の世界もかわらないところがある。
「集成材」をムク材と教育して売ってしまうハウスメーカーもあるくらいだから、組織で押し切る姿勢は
同じかなと思う。
また、謝らないのも同じ。
このオセロは一旦クロになってしまったらシロに戻れないところが違う。
くわばら、くわばら・・・
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コラム294 2012年01月19日
「注文住宅」という「規格住宅」
「ものは言いよう」というが、世の中は自分だけに有利な表現があふれている。
車などは、基本的なものがほとんど出来上がっており、カスタマイズできる部分というのは
ほんの少しの部分であり、これらはほぼ「規格品」といっても良いと思う。
だが、住宅に関しての注文という言葉は個々のケースによりゼロからの積み上げで造るものを指し、
パターンが出来上がったものに何種類かの色柄を選ぶという進め方のものとは意味がまるで違う。
特にローコスト住宅の場合は、共通性をもたせて使用部材を統一していかなければ、仕入れ量が
まとまらず、受ける側のメーカーもスケールメリットが出ないからそれはやらない。
結局は○○シリーズの何種類から選んでくださいとなって、提示された数種類の中から色を選ぶという
ちょっと変な「注文」という形式で進められることになる。
受け手側の消費者は「注文」というからには100%自分たちの思いが形になると錯覚するが
それは勝手な思い込みで、所詮は規格住宅の相手ペースに引き込まれてまとめられてしまうのである。
そこへ、相手の営業マンが熱心だったりすると(大概は熱心だが)「あの人はとてもいい人だ」となって
住宅とは関係ないところで契約を決めてしまう。
売り手側は、来たお客をいかに注文であるかのように見せて、規格品に引っ張り込み、自分のペースで
ことを進めるかが訓練されているから、単なる仕事をこなしただけという感覚で、建て主のためを
おもって対応してくるわけではない。
そういった形で仕事をしているのだから、規格部分+各自条件の違う設備などにわけて金額が
出ることになり、「あなたの場合はこれだけ追加になります」と言われるのである。
どこのメーカーもそういうやり方だから、数箇所も回ってくるとそういう選択しか出来ないと思うように
なり、あきらめの境地になってしまう。
昔から住宅は「建売り」と「注文」があったが、今と違い、区分ははっきりとしていた。
今のような建売りに近い規格住宅が注文と称され売られるようになったのは、やはり価格の競争に
勝つためになってきたのだと思う。
価格を下げることは昔からやられてきたことで、今のようなやり方を今後も進めていくと必ず質の低下に
なる。(すでになっているが)
その部分は見抜かれないように売る側もしているから厄介になってくるのである。
建売りはどちらかというと「商品」に類するものであり、注文という「建て主にあわせたものの造り方」
とは一線を引いた部分があったのだが、今ではその建売りを底上げしただけのような「名前だけ注文」
の規格住宅が闊歩している。
新聞に入ってくるチラシをみれば、そこには「商品、新商品が・・」と記されている。
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コラム293 2012年01月18日
名前だけはスピーディ
役に立たないものに400億も金をかけてシャーシャーとしていられるのは責任が明確でないからである。
巨額の開発費と運用経費をつぎ込み、名前だけはSPEEDI とは笑ってしまう。
しかも、そのデータはアメリカにだけ教えて、国民は置いてけぼり。
いったい何のためにこういう施設を作ったのか。
まさか、裏でどこかの国と取引があったのでは・・・う〜ん、無きにしも非ずか。
原子力担当が経済産業省、危険察知データ集めが文部科学省、健康被害を受け持つのは環境省。
実にうまく責任が回避できるように組まれている。
出るわ、出るわ・・・後から後から不手際が・・・
結局は、国民を守る何てことは絵空事で、まずは自分の責任が問われないように立ち回ることが
優先されていたという証明でもあったわけだ。
「実体を正確に反映していない予測データの公表は、無用な混乱を招く・・・」
それじゃ、正確な判断も出来ないものを何百億もかけて何をやろうとしてきたんだ!
「緊急事態に対応してもらう機関に、情報提供する一環として連絡した」という。
まったく矛盾している。
実態を正確に反映していないものを情報提供するのは余計に対応が混乱するとは思わなかったのか。
非常に被曝者をバカにしているコメントである。
もう、名前は「スピーディ」を返上して「ノロマ」にしたほうが良い。
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コラム292 2012年01月17日
砕石の余波
ついに、建築資材まで汚染が明らかになってきました。
砕石会社から出荷された建築骨材(生コンクリートの砂利の代わりのもの)に使用された砕石が
高レベルの汚染を受けていたという事例です。
食品などは厳しく線量を測定していながら、建築資材などには手を打っていないという
またもや後手後手の施策です。
賛成させるための手段はあちこちに知恵が働くのに、こういうこととなるとさっぱり動かないんですね
この国は。
所詮、国民の安全などというのは口先だけで、腹の中では税金さえあがればいいと思っているとしか
思えません。
行政が調査してわかったことではなく、一般の児童・生徒がつけている線量計で発覚してくるのですから
お粗末以外のなにものでもないです。
あの麦藁帽子はどこへ・・・・ あの大金をかけた「スピード」とやらはどこへ行ったのでしょうね。
もう、あんな設備は要らないですね。もっと簡単な風向計だけあれば用は足ります。
もう、あんな役に立たない「オフサイトセンター」も要らないですね。
形だけ整えたって、いざというときにダウンするようなものは最初から要らないのですから。
危機管理なんてこの国には最初から形だけしかなく、本当に緊急でもどこを見て判断しているのか
その基準さえずれているのですから、国民を守る・・・なんていうのはウソっぱちです。
いままでも「安全だ」といってきたのですから、これからの発電所は是非お近くに建てて頂きましょう。
すべての施設が徒歩10分でいけるような場所がいいですね。
「結果的にそのような製品を出荷してしまったことになり申しわけありません」と砕石会社の方が
言っていましたが、謝る必要なんてないですよ。
一番先に東電と国がその言葉を言うべきでしょう。
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コラム291 2012年01月13日
いかん イカン 遺憾 こらっ!
最近、政治家・官僚・会社役員の不祥事など、「イカン」という言葉が多すぎます。
「きわめてイカンです」「たいへんイカンなことです」
言葉の感じが極めて他人事のようでイカンです。
辞書によれば
「充分な結果が得られず、心残りなこと・・・」となっております。
ということは悪いことをやっておきながら充分な結果が得られないという
犯罪の完璧性の追求を指しているかのように受け止めてしまうのですが、
言っている本人は
「残念です」という意味の使い方をしているつもりなのでしょう。
半導体企業の支援・指導をしてまわりからはとても熱心な人だと思われていたのに
裏で3000株5000株と買っていたという。
しかも、まわりには「株には手を出すなよ」と強く言っていたというから、きっとそのあとに
言葉が続いたのを言わなかったのでしょうね。
「俺がやって一人で儲けるから・・・」
経済産業省っていったい何をやるところなんでしょうね。
最初に入ったときを考えると「国民の利益のために・・・」というりっぱなお考えも
あったんでしょうけど、どこから狂ったのでしょうか。
入省式のとき、みんな同じことを言いますよね。
この家の金銭管理は誰がやっていたんでしょうか?
だんな、奥さん、いずれが手を出しても罪になることはわかっていたでしょうが、
エルピーダ、ルネサス両方の買い付け額(800万円)を考えると、単独で出来たとは
思えないのですが。
私なんか、20年以上も前の話しですが、
相談ナシでゴルフの会員権(50万円)を買ってしまったら、ものすごい剣幕で怒られました。
「これからどうやって生活していくの!!」
もう、何ヶ月も針のムシロでしたから・・・
いかん、いかん・・・、自分の財布の感覚で人の内情を推し量るのは住む世界が違うのですから。
比較しちゃイカンです。
でもね、
これで得た利益と、失った将来の利益はどう考えても後者のほうが大きいと思うのですがね。
小沢氏なんか、4億の金でさえ逃げ切ろうとしているのに、割に合わないですなあ。
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コラム290 2012年01月12日
比較
住宅は高い買い物だというのは誰でも知っているし、よく考えるべきだとも言います。
しかし、「知っているし、考えるべき」といわれているわりに現実と乖離(かいり)しているのも事実です。
質がよくて安いことは良いことですが、安くても質が落ちていれば「買い得」にはなりません。
その辺の難しさが住宅にはあります。
大きさ(建築面積)が同じでも2000万円の住宅と1500万円のものとはまったく質が異なります。
まして1000万円すれすれなどというものは根本的に考え方が違ってきています。
車なら、動いて用事が足せれば一応の間に合わせ(手段)になります。
それでも3ナンバーと軽では、走行安定性も耐久性も事故にあったときの安全性も違います。
住宅に戻って考えると2000万円と1500万円を比較してみると
使われる素材が違います。
加工方法が違います。
木組みが違います。
耐久性(長期的に見た安全性も含めて)が違います。
廃棄性が違います。
居室空間の(空気の)安全性に違いが出ます。
このようなことを書いても、見た物が同じに見えたらきっと見抜けないでしょう。
住宅瑕疵担保責任保険が出来て安心だという見方もありますが、あれは役に立たない保険です。
現実に10年という瑕疵補償がなされていても、10年くらいで症状が出ることは皆無だし
補償の範囲が雨漏りと構造的欠陥の場合だけです。
雨漏りというのは人的な被害で、設計(屋根や壁が入り組んでいたり)段階から怪しいのはわかりますし、
当たり前の施工をしていれば簡単に漏るものではありません。
構造体の欠陥などというのは建てる前に目視ではっきりわかることで、保険を掛けて補填するような
シロモノでもありません。
F☆☆☆☆製品の建材さえ使っていれば「安心です」と言われます。
長期優良住宅だって認定取得できます。
合板だらけ、石こうボードだらけの家になっても同じです。
住宅瑕疵担保責任保険にはパスできてしまいます。
何せ、ほとんどが完成したところを見せて迫ってくるのですから正常な判断なんて出来ません。
ローコストで長期優良なら「平和」そのものです。 そんなに甘くはありません。
素材・工法・耐久性を知らない行政が「長期優良住宅」を言い出すのですからメチャクチャです。
そして、他の業界から入ってきた「異業種参入者」が、我こそは真理なりとこれを利用するのですから
メチャクチャを通り越してグチャグチャです。
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コラム289 2012年01月10日
原発の影響
今年もよろしくお願い致します。
先日、定例の家造り勉強会を開きましたが、終了後に、茨城県産の木材には放射性物質の
影響はどのくらいあるのかという話しが出ました。
業界紙によれば、現時点では皮に付着した放射性物質の値が高く問題となっているという話は
載っていましたが、これは製材する前に皮むきをされるので、問題はないとされています。
また木材部分の製品についてはほとんど検出されないということで問題ないということでした。
これから問題になるのは、今後成長していく形成層(新しい年輪)部分で地下から吸い上げた
水分と共にその物質が蓄えられていくだろうからそれをどうするのかということです。
木材の成長は表面の皮の直下に新しい年輪(栄養分)が形成され、少しづつ太くなっていきます。
ということは、ある程度成長した木は製材されるときに外側が挽き落されるので、きれいな部分だけ
残りほとんど影響が出ないものと推測されます。
一方、若い木はこれから成長する(太っていく)ので中心に近い部分に物質が溜め込まれて
いくことになります。問題になるのはむしろこちらのケースだと思います。
放射性物質は最初は降り注いで葉や皮に付着する現象が考えられ、次第に地面に染み込んで
水分と共に幹に吸い上げられ蓄積される道をたどると思います。
減衰する期間が長いものほど保持するのも同様に長くなるわけですから、その木が安全なのか
どうかは地域全体で検査して判断しないといけないことになります。
まだまだ、米やしいたけなど一年単位の作物が騒がれているときですが、これからは育成期間の
長い木材にも影響が出てくるものと思います。
Co2をださない・・・、コストが安い・・・なんて言っていた人はどこの誰でしょうか。
それらのメンバーは今ではテレビにも出てこず、だんまりを決め込んでいます。
こんなに皆が苦しめられるものなら最初から不便な思いをしていたほうがまだよかった。
原発が止まっていようが動いていようがその危険さには大して変わらないものだということも
今回学習いたしました。
再稼動できなくて、さらに今回のようなダメージを受けて同じような被害が出てしまったら
どう対処するのか(できるのか)
肝心なときに「オフサイトセンター」は役に立たないし、スピードとやらの設備も情報を出さなければ
ないのと同じだし、やはり風向きを見て逃げるしかないのかと思うと頼りはローテクなのだなと
しみじみ思いますね。
これだけ技術が発達しているのですから、せめて空中に放出されるときに色くらいつけて出せるように
してほしいと思います。
銀行強盗に投げつける「カラーボール」のあれです。
距離が遠くなって拡散しても、色が薄れない技術など、天下りの施設を増やすくらいなら
そっちのほうがよほど役に立つと思うのですがね。
これくらいの皮肉でも言わないと「腹の虫」がおさまりません。
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