「失敗しない家づくり」勉強会 実践塾
コラム740 2014年12月26日

バイオマス発電の余波A
 人間は地球の上で一番えらいと思っている人種らしく、ものの考え方が「ご都合主義」に感じます。
それは、自然界のものはCo2を吐き出しても温暖化に影響する排出量にはカウントしないという屁理屈です。
それはそれで正しいように聞こえますけど、石油を燃やしたCo2と木(バイオ)を燃やしたそれがどう違うので
しょう。同じ空気中に放出されたCo2で何が違うでしょう。

COP何とか・・と言われるものが盛んに討議しても、世間のエネルギー消費量はどれだけ変わるというので
しょうか。今まで通勤にドライブに生活品輸送に使っていた油は劇的に減るのでしょうか。人々の便利な生活
のもととなる機器は使用禁止にでもならない限りは減らないでしょう。

排出量を言うなら石油だろうが木材だろうが空気中(大気中)に存在する総量を論議しなければならないはず
なのに、どうも私にはその辺のところが理解できません。

利便性を捨てずに経済発展などということは今の技術ではありえないはずなのに、25%削減とか口走ってい
たアホな総理がいました。多分、それは原子力のエネルギーに換えれば出来ると単純発想したのでしょう。
それでこのような原発事故ですから言った本人に直接聞いてみたいと思います。

そういう論議の世界はどうでもいいのですが、このバイオマス発電であおりを食っている製材業界と流通業界
はいい迷惑です。こういう現象は補助金なしでは起こりません。もともと電気を起こすことが主業ではないもの
が設備投資して電気を作るということが可能なら、本業としてやっていた所は怠慢なだけと評価されても仕方
がありません。

それを可能にしたのが補助金です。しかも、自然物を燃やしてもCo2排出量に影響しないという屁理屈まで
ついてくるのですから環境にいいとかのおまけまでついてそれやれこれやれの状態です。
何年もかけて成長してきたものが「燃やす」という一瞬のことでなくなっていきます。当然のように燃料としての
林地残材はあっという間になくなるのに発電設備だけは補助金の力を受けてどんどん増殖していくのです。

設備は食べるものがなくなればただの「何とかの塊」です。そうなると食べ物獲得競争に走ります。そのことが
前項で書いた製材品への余波です。

太陽光の「メガソーラー」にも問題が出たように、バイオマス発電あたりにも買取保留とかが起こらないとこの
流れは止まらないでしょう。


トップページへ戻る






コラム739 2014年12月25日

バイオマス発電の余波

 恐るべし国の補助金・・・。 今国内の製材品の需給関係に異変が起きています。その犯人はバイオマス
発電。

ここにきて円安など為替のことに関心が集まって輸入材はもろにあおりを食って大変だという状況が続いて
いますが、そのせいばかりではなく山からの出荷の流れが別の原因で変化しています。

消費税が8%になりその後の反動で消費が落ち込んでいるのは周知の通りですが、木材の価格も需給関係
で決まるため買い気配が弱く、ジリジリと値を下げてきていました。

そうなると山の出荷側は考え方が変わってきて、手間のかかる細物(ほそもの)については面倒な思いをする
なら、まとめてぼんと出荷できるバイオマス発電の原料として売り払ったほうが良いとなり原木市場に丸太を
出さなくなりました。

これが昔でしたら絶対にこうはならないだろうと思うのですが、ここに補助金が絡んできているのです。昔の
製材ならなるべく丸太を大事に製材し製品化しようと努力しました。これは出荷側も同じ考えでお金になるもの
は細い丸太でも手間をかけながらも出荷していました。

手間をかけずにお金を得られるようにするのはどこでもやられていることなのでこの部分だけが悪者というわ
けではないのですが、いままで山に放置されていたような製材するには効率が悪くて敬遠され放置されてい
たようなものまでお金になるとなればうれしい限りです。

直接的にこの放置されるような丸太に補助が出るわけではないのですが、運賃補助という微妙な支援があり
どちらにしてもお金になることには変わりがなく総体的に収入が増えることになるので、補助金の出ているうち
に我も我もと出荷しだすようになりました。

この林地残材だけで済んでいればよかったのですが、バイオマスというのは燃やしてしまえば終わりです。
発電量を大きくするにはそれだけの原料を集めなければなりません。発電設備にも補助金が出されているの
ですから日本全国でバイオマス・・・となるわけです。

そうなるととても林地残材などでは量が足りなくなり、その不足はどこで間に合わせるのかということが出て
きます。そこにグレーゾーンで低価格にもがいている手間のかかる細丸太が狙われたのです。自由経済の
世界ですから話さえまとまれば物はそちらに流れていきます。

そんなわけで今製材界は小角(こがく)と言われる9cm角が非常に品薄になってきて異常といわれる状態が
続いているのです。山に放置されていた林地残材は出荷してしまえばそれで終わりです。もちろん新しく切り
出されるものもあるでしょうが、そのときも出荷振り分けがもっと今より厳しくなるのかもしれません。

汎用性の広い9cm角なのですがこのような原因でますます肩身が狭くなっております。
恐るべしバイオマス。


トップページへ戻る






コラム738 2014年12月24日

木の特徴D

 以前、米が不作になり国民の食料が足りないと騒がれたことがありました。政府は待ってましたとばかりに
米の輸入を行ないました。 これによって外国から輸入される安い米が大儀のように出回り、既存のものと
摩擦を起こしましたが、木の場合もオイルショックのときの木材高騰を受けて輸入されだしました。

この背景には国際収支の黒字解消をアメリカなどから迫られていたこともあり、政府としては渡りに船となった
のです。

このことにより高騰の状況を避けようと大手ハウスメーカーはほとんど外国産の木材に移行していきました。
当初、二割八割程度だったものは長い期間とかけて八割二割りと逆転しました。商社がこの役割を果たした
のですが、国産材はほとんどが市場(いちば)でセリ方式でやり取りされるので乱高下が大きく、多くの資材を
調達しようとするハウスメーカーにはこのことが嫌われたのです。商社の場合は一年を四つに分けて四半期
制で契約し、そのときの為替には左右されますが国産材よりも安定した取引が出来ることが魅力でした。

輸入され始めたころはサイズも「インチ」で日本の建築サイズには合わないものが多かったのですが、徐々に
国内サイズに合わせて輸出してくるようになりいまでは10.5×4.5や90×45のように国内サイズのものが殆ど
になりました。

価格については輸入当初は若干安い価格帯で推移しましたが、現在では国産材よりも10%から20%も高い
状況になりました。これだけ価格が開いてくると以前ならすぐにでも乗り換えが行なわれましたが、前にも書い
たように国産材の不安定な需給関係が嫌われ安定している外国産の木材に片寄っています。

国産材は安いのに使われないという奇妙なことが続いていますが、使わない理由を考えてみれば分からなく
もありません。全体の八割の需要が動くとすると一割が乗換えをしようとしても8%が移動することになります。
これが二割の所へのしかかってくると28%になってしまい、二割から見れば4割り増しになってしまうのです。

いくら安定しているからといっても国産材が現状から4割増えるということは出荷も4割増えないと安定は保て
ないことになり、また需給関係が崩れてしまいます。外材から二割乗換えがあれば国産材からは8割増量に
なってしまうので、このような動きになることはけして好ましいことではなくなります。

35年から40年かけてこのような状況になってきたのですから、ほんの数年で元に戻そうというのは無理があ
ります。国は数年後には国産材需給率5割を目指すなどといっていますが、いくら補助金でケツをたたこうとも
そんなことが出来るはずはないのです。

いま、バイオだの再生可能エネルギーだのいろいろ言われていますが、林地に放置されてきたいわゆる細物
(ほそもの)くらいまでは良いとしても、発電などに木材を使うバイオ発電などはCo2を出さないからと補助金
まで出して奨励しています。しかし、化石燃料だろうと自然界のものであろうとCo2には変わりなく温暖化阻止
など大義名分、絵に描いた餅に過ぎません。



トップページへ戻る






コラム737 2014年12月18日

木の特徴C

 資材の寸法に応じた径級の丸太を製材することが大事なのですが、これらのことは市場性とのバランスも
関係してきます。
丸い図形を書いてその中に四角のものを書き入れようとすると丸の直径の約7割の正方形しか書けません。
これは理想的なまっすぐの丸太の場合でと言うことと同じです。

具体的に言うと20cm径の丸太からは12cm角なら真四角のものが取れますが、15cm角を取ろうとすると角
に丸みがついてしまうということです。

木は元から梢までテーパー状に細くなっています。これは自然界で生き抜くために丈夫なつくりになっていて
釣竿のような体形をしています。栄養を作る葉も光を受けやすくなるために上へ上へと集中していくため、小
さいとき下の方に位置していたものは退化して消滅していきます。

枝の根元は簡単にはなくならないために「枯れ枝」となって残り、のちのちの幹の成長にとっては無用のもの
となりますが自分で切り落とすことが出来ないため、いわゆる死んだ枝として成長する幹のなかへ埋もれて
いきます。この部分が製材されたときに「死に節」となるわけです。

昔は和室が多かったために真壁柱や敷居・鴨居と言う節の少ない(ほとんどない)きれいな木が高値で取引
されていました。こういったきれいな木がとれるのはかなり成長した元木(もとき)という地べたに近い枝のない
太い部分に限られています。一本の木の全体積の二割くらいしかとれません
いまは一軒の家でも和室は一部屋とかあるいはない家もありこのような木材の需要が激減しました。

手入れをされていない森林が増えているというのは数十年前から言われていました。山から生まれる価値が
極端に減っていたというのがこの和室が減ったという時期と重なるのも偶然ではありません。
木は節がなければ育ちませんが、節があることで価値が低く見られるというのも皮肉なことです。
卵が先かニワトリが先かという論議のように似ていますが、まるきり関係ないとは言えません。


トップページへ戻る






コラム736 2014年12月16日

木の特徴B

 いくら優秀であった木材だとしてもないものを使うことは出来ません。昔はこの地区でとれた物を使うしか
なかったというのが本音だと思います。時代と共に流通が発達して手に入る木材も多様化しましたが、適材
かどうかという点から言えばどこの木材でも特徴をきちんと捉えていないと間違います。

ちょっと前まで、「外材は格下だ」という人がいました。これは大きな間違いです。国産よりも優れているもの
もありますが、要はその使い方にあります。

その外国から輸入されてくる木材の代表格には米松・栂などがあります。これはアメリカ・カナダから輸入さ
れています。欧州・ロシアからはホワイトウッド・レッドパイン・唐松などがあります。 東南アジアからも合板として
ラワンが輸入されていますが昔から比べると十分の1くらいになりました。

どこにどのように使われているかを書きますと、
米松は主に梁(横架)などのヨコ使いに多く用いられます。
栂(通称米栂)は構造体の補助付帯物として使うスジカイ・二階ネタ・間柱などに多く用いられます。
欧州のホワイトウッド・レッドパインは構造用集成材に多く使われています。
ロシアからはレッドパイン(赤松)・唐松が多く輸入されていますが型枠用の桟木や天井下地材として多く使われ
ています。

どこの国の木でも育つ環境は違いますが木の体形(枝をつけて育つ形)は同じようなものです。木が若けれ
ば、幹もそれなりに細く、枝も比例して細いものです。幹が大きく育たないと枝も太くはなりません。
絶対に幹よりも枝が太いなどということはありません。枝があってその先に葉っぱがあって多くの年数を重
ねないと大きな木には育たないということですが、大きいからすべて良いのかということには一致しません。
逆を言えば大径木を原料とすると大きな寸法のものに対してはそれなりの節の大きさになるけれども小物を
取る場合には節の占有面積が大きくなり折れの原因にもなるということです。

用途によって適した木があり、径級によって適した部材のとり方があり、樹種によって適した使い場所があり
ます。これらをうまくコントロールしながら使っていくのが職業人(プロ)としての仕事でもあります。


トップページへ戻る






コラム735 2014年12月15日

木の特徴A

 昨日は予定通り12月の勉強会を開きました。お寒い中18名の方のご参加をいただき有難うございました。
今回は普段現場などで活躍しているけれども建て主さんとは殆ど会うことのない通称「下職さんたち」に出席
してもらい、その職種の詳しいお話をしていただきました。年末のお忙しい中有難うございました。

さて本題ですが
この地区でとれる木材と言えば「杉」が圧倒的に多く、次に桧ということになります。これはあくまでも建築材と
しての捉えかたで見た場合のことです。そのほかにはこの近辺では黒松がありましたが、ご存知のように松
くい虫でほとんどがやられてしまい、それにとってかわられたのがアメリカ・カナダから輸入される米松という
木材です。

一般論で言えば杉はやや柔らかく繊維方向と直角に圧力をかけられると潰れる可能性があります。そういう
意味では繊維方向に力の加わる「タテ使い」に向いています。つまり柱に適していると言うことになります。
桧の場合は杉よりも発育が遅く年輪が緻密で木質が硬く折れに対してネバリ力が杉よりもあります。しかし、
発育が遅いということは製品になるまでの適正な太さに育つまで杉よりもずっと長い年数がかかるということ
ですから価格的に同じというわけにはいきません。昔なら単純に杉の2倍というときもありましたが、いまでは
そこまでの価格差はなくなり、約1.3倍程度の値段で取引されています。

杉と桧の二者だけでの産出割合という見方をすれば杉7割・桧3割位ではないかというのが私の見方です。
木の特徴から言えば桧のほうが優れているのですが、市場(しじょう)では汎用性という意味で供給量と価格
も重要な要素となるために圧倒的に使われている量が杉に軍配が上がります。

杉と桧の比較では桧が上ですが、他の木との兼ね合いを考えれば桧よりも優れている木はあります。でも、
それは流通量と価格の問題ですべての人が使えるというわけではないので論議の対象外となります。
土台に適している硬い木ではクリ・ケヤキ・サクラなどがありますが供給面での絶対量が足りません。

それは木の特徴から見れば容易に理解できます。クリ・ケヤキ・サクラなどは杉や桧のようにまっすぐな木は
殆どありません。建築材にしてみれば4mや3m基準のものが主流ですので短いものは継ぎ手ばかり作らね
ばならず効率が悪く嫌われます。現実的にも土台だからといって継ぎ手ばかりあってはあまり良くありません。
その上桧の何倍かするとなれば市場性はなくなります。

土台でいえば、他には外国から輸入されてくるカナダヒバがあります。これらは国産の桧よりも径が大きく
一本の原木から角材が4本〜6本も取れるような太さのものです。硬さもほぼ同等くらいあり市場性もあるた
め注文住宅などにはとても多く使われました。
価格面では以前は桧よりも優位性がありましたが現在では桧が割安になってきたため桧の流通量が多い気
がします。しかし、これは地域差があるため私的な意見であり正確ではありません。


トップページへ戻る






コラム734 2014年12月12日

木の特徴

 住宅に使う木材は圧倒的に針葉樹が多いのですが、最近では従来からの木の特徴を活かした使い方を
無視したようなケースが多々見受けられます。ひと口に特徴を活かしたといっても硬さ・温かさ・加工のし易さ・
汎用性(とれる量と価格)・耐久性など多岐にわたり、そこへ市場バランスが加わり設計の段階で樹種が選ば
れます。

このことに加え、近年の「加工された木」から出来た集成材・合板・MDF(中質繊維板)・PB(パーチクルボード)も
構造体の中に使われるようになってきました。このように種類が増えてくると何が良くて何を避けるべきなの
かよく勉強をしていないと判断できなくなってしまいます。

誰でも「自分の家は良く造りたい」と思っています。しかし、どういった観点から選択すべきなのかを見誤って
いるため業者の提案をそのまま受け入れてしまうことが多いのです。このことはけして業者が悪者だというこ
とではありません。一つひとつの木材は人間のために育ってきたわけではなく、加工されたものについても
施工効率の向上を計って利便性を良くしようと考えられ製品化されたものだからです。

私はこのコラムで色々な批判するようなことを書いていますが、全面否定しているわけではありません。
それらのものを使うには、場所的な適材かどうかを考慮すれば是なのか非なのかという意見を言っているの
で誤解されないようにお願いしたいと思います。

さて元に戻り
住宅は(DIYでも同じですが)使われる場所に対して適材かどうかが大事なのですが、このことが割りと抜け
落ちています。土台に適している木、柱はどうか、横架材には何が良いのか・・・などです。
土台は圧縮される立場です。ですから適度な硬さの木が良いということになります。柱はタテの力を受けます
からそれに耐えられれば合格です。横架材(一般的には梁・桁といいます)は曲げの力を受けるものですから
粘りがあって折れにくいものが適しているということです。

昔、輸送環境が良くなかったころはそこの土地で調達できたものでしか使うことは出来ませんでしたが、今で
は地球の裏側から持ってくるようなものでも使用可能になりました。そのことが逆に使い方を間違っているこ
とにもなっていますが。

杉の取れる地方はほとんど杉、松の産地ならほとんど松というのは結構ありました。秋田は杉で有名ですが
この地区では横架材(梁・桁)まで杉という使われ方をしていました。35〜40前ですと木材市場にもそういった
部材が山のように積まれていましたからその先がどのように使われるのかが分かります。

このようにそこにあるものでしか出来ない(使えない)場合は仕方ないと思うのですが、これだけ品種があふ
れている現代なのに「適材」ということが置き去りにされているのは非常に残念に思います。


トップページへ戻る






コラム733 2014年12月11日

来年度もやるようです

 衆議院解散に伴なう国選は14日に行なわれますが、どうもこのままの様子では自民党の圧勝となる予想
です。今までの選挙でこれほどの明白な勝負の分かっているケースはなかったでしょう。それだけ対抗する
野党が弱体化しているのに700億も使ってやることかと言えます。はっきり言って無駄です。

その圧勝目前の党の公約ですが、今年度実施した木材利用ポイントを来年度もやるようなことが書かれて
います。直接の「木材利用・・・」とは出ていないものの、住宅支援が書かれているということは続けてやると
言うことで間違いないと思います。

ただ、今回の補助制度では外国産の木材まで対象に入れてしまい収拾がつかなくなってしまった感があり、
そのへんをどのように修正するのか官僚さんの頭脳にかかっていると思います。
大局としてはすでにそのように動き出していることは間違いないでしょう。

修正する中身としては
国産材振興の主旨は貫いて欲しい
薪ストーブのようなものまで拡大解釈は避けて欲しい
金額を半分くらいに抑えてもっと利用できる人の巾を広げて欲しい
合板や集成材のようなグレーゾーンの品物は軽減率を考慮して欲しい
外国産の木材を入れるならもっと条件をきつくすべき・・・などなどです。

一番の中身改造は「建て主さんが自分で出来る事務レベル」にして欲しいということでしょうか。

ほとんどのケースは我々木材業者が代行して申請したものでしょう。
建て主さんにこれほどの煩雑な手続きは私らの業界から見ても困難だと思っています。
何と言っても「パソコンが使えないと話にならない」ことでしょう。

世間一般の人が行政(この制度を作った人)みたいに一日中画面を見ていられる人などいません。
そのへんのことが頭の良い人にはわかっていないようです。


トップページへ戻る






コラム732 2014年12月09日

こんな田舎の雑木林まで

 先日、同じ部落の中にある大工さんの家に行った時、以前は目の前が雑木林だったのですが、きれいに
切り払われ太陽光発電がデンと鎮座していました。その面積は一反歩(300坪)以上とあるのではないかと
見ました。
大通りからは乗用車がやっと通れるだけの道幅しかないところで、こんな場所までとちょっと驚きました。

地主さんは市内の人だということで、「雑木林じゃ金にならないから思いきってやった」とのことでした。
大工さんも「けっこう費用がかかるらしいけど業者から良いことをかなり言われたらしいよ」と言っていました。
確かに雑木林ではお金は生まないけれど、こんな田舎まで太陽光発電の営業の手がのびているのかと
あらためて感心した次第です。

九州や四国・中国、北海道に至るまで東電以外では買取り保留などと騒がれているのに随分勇気がある人
だなと思いました。

五十数基ある原発は止まっていると言いますが、国民的節約ムードが高まったこともあり一度も停電になった
ことはなかったですし、上記のような再生可能エネルギーの声が高まり各地でメガ・ギガクラスの太陽光発電
が出てくると、今度は買取保留を打ち出してくるのですからどこが本位なのかわかりません。

いずれにしても、太陽光発電のコストは3〜4倍くらいは掛かっていると想像できます。宅地内や工場内で設
置した人は自家消費ということも出来るでしょうが、このように人のいない野っぱらの接続地点では自家消費
するにも出来ないわけですから「買取保留」になったらどうにも動きが取れなくなるでしょうね。

それよりも、こんな田舎のもと雑木林だった所ですからいくら近所に家が建っていても盗難の抑止力なんて
期待できないでしょうからセキュリティーを万全にしておかないとドロボーさんの餌食になるのは間違いない
でしょうね。


トップページへ戻る






コラム731 2014年12月03日

薄ければ問題ない?

 3.11震災のときは原発までだめになり、そのときに聞いたのは耳にタコが出来るほど「ただちに問題はない」
という言葉でした。放射能の正確な健康被害も何も知らない庶民にとってこれは騙しに近いものでした。

これら、見方を変えていえば住宅にもぴったりすることで、今の住宅はまさにただちに問題はないと言われて
いるのと同じです。国が決めたF☆☆☆☆フォースターと言われる建材は安全マークのように世の中で取り扱
われています。

しかし、このフォースターと言うのはホルムアルデヒドだけで他の揮発物の規制対象ではありません。メーカーと
してもこれだけ騒がれていることですから発散量の低減には努力していますが、ものをくっつけるということを
樹脂でやっている限りはこれらの揮発物をゼロにするというのは技術的に無理なのです。

たとえその量が半分でも四分の1でも八分の1でも吸い続けるということは期間が長ければ総量は大きくなる
わけで、どこでどれだけ健康に影響が出るのか人体実験でもやらない限りはデータなどとれないのです。

放射能は自然界にもあり・・・と、当時言われました。それならこういった建材も自然界にある量くらいまで下げ
てから出荷するか、10年15年放置し発散させてから世に出してくるくらいの安全性を確保してから出荷してく
るべきだと思います。

以前、木材は生材が多く使われそのことが悪であるかのように言われました。しかし、水分があることは生命
に危険を及ぼすようなことはなくこういった石油系の揮発物のほうがよほど問題にされなければいけないこと
のはずです。

安全なものを求めようとしている割には目の付け所が違っているのでは本質的な問題解決にはなりません。
F☆☆☆☆製品が世の中に出ていることは現実的に排除できないですが、自分が選ばなければ良いことで
ちょっとした知識と知恵があれば可能なことです。

作ることを禁止すれば良いと考える人もいますが、今のような経済の環境では無理です。出来ることは一人
ひとりが揮発物の危険があるようなものは避けて通れば良いことなのです。売れないものは作らなくなり、
市場から姿を消していきます。

私らから見れば非常に簡単なことなのですが。


トップページへ戻る






コラム730 2014年12月02日

少数だと問題にならない

 建築する上でこれはやってはいけないという項目が決められるのはかなり問題が大きくなってからです。
大阪寝屋川の入江さん一家が全員シックハウスになったときもそうでした。外出から帰ったとき、飼っていた
ハムスターが口から泡をふいて死んでいたという空気環境で、家族が次々と体調を崩し発症したのですが、
この家を建てたミサワホームは「うっ、こんな空気は人間の吸えるものではない」と言いながら、その原因が
家そのものであることをなかなか認めませんでした。

その後、何年か争って和解となり、家そのものを買い戻しに至るまで5年以上も要しましたが、すでに化学物
質過敏症になってしまった家族は体調が戻ることなくずっと辛い生活を続けることになっていました。

なぜこんなにひどいことが何年もかかってしまったのか。一つは情報のコントロールにあります。1993年ころ
と言えば、まだこのようにネットの普及はなかったころで、情報といえば新聞雑誌が主でした。そこへこういう
事件が起きても、メディアは広告主である住宅メーカーを否定するような内容の報道は出来ないと考えたの
か、あるいは住宅メーカーから圧力がかかったのか、私は両者の思惑が一致して報道されなかったのだと
今でも思っています。
当時華々しく叩かれていた民間の業者の建てた「欠陥住宅報道」は相変わらず続いていましたが、この大手
メーカーの出来事はほとんど耳にすることはなかったからです。

公正中立の立場を貫くなら、広告主であろうが事実は事実として報道すべきなのでしょうが、そこは商業の
世界、報道しないことが直接の違反ではないからやらなかった・自分の不利益になることまでやる必要はな
いと考えたのでしょう。

私も若いときにはこういった商業的構図が読めませんでしたから、なかなか現実の理解には苦労しました。
もし、こういった事例が大きく報道で取り上げられみんなで考えられればこういった被害はもっと少なくてすん
だのではないかと思うのです。

世の中は数の原理と言っては語弊がありますが、少数の時には問題提起が非常に遅れます。
その数が大きくなって初めてニュースになる・・・そういったケースが非常に多いことです。
今でも苦しんでいる水俣の方々やHIV血液製剤で人生が狂ってしまった方々を見ていると、何らこの入江さん
の場合と変わらないのだと思うのです。

今だからシックハウスの家だと判断できますが、当時の大手ハウスメーカーが作る家がそのようなものだとは
思いもしないのは建て主としてはごく普通のことだったと思います。しかし、メーカーとしてはたくさんの建て主
さんの家を供給しているのですからわからないはずはないのです。

組織というものはある意味怖い存在だと思います。現実には「会社の存続が最優先」だと考えるところが多い
からです。
一つや二つはどうってことない・・・騒ぎが大きくなったら対処すればいい。
やっていることはうちだけじゃない・・・他が動き出したら対処すればいい。

個人の力ではいくら自分が正しくても組織力には負けます。これは数(力)の原理です。


トップページへ戻る






コラム729 2014年12月01日

窓はあっても・・・A

 デザイン住宅などにみられる「見栄えの良さ」を重視した窓の設定は実際に生活してみて快適かというと
イコールにはなりません。特にFIX(ハメコロシ)と言われる開閉できないタイプのものは光は入っても空気の
流れにはまったく貢献しません。

最近は特に30cm四方の小さなものを何個かつけてアクセント的にデザインしているものも見受けられます。
設定場所が高い位置だったりするとお掃除も手が届かないし住んでみてから不満を感じることになります。
眺め・景観を重視するならある程度の大きさと見通せる透明ガラスにして狭い空間でも気分的にも広く感じら
れるものにし、高いところに設置するならチェーンを使って開閉できるものにすれば夏の換気にも有効に使えます。

敷地の広い条件の良いところばかりなら苦労はしませんが、今の住宅事情から言えば隣近所の家がまじか
に見えるような距離で生活することになると思います。長年の生活習慣もあるでしょうが一日中カーテンを
閉めて生活している人も最近は多く見られます。

外の眺めは直接数字で表されることはなく基準法にもそこまでは定義してありません。しかし、長い生活では
何らかの精神状態に影響が出るものと思います。建売りを買うなら仕方がありませんが、自分の家を建てる
という注文住宅ではそういうところまでしっかりと考えて設定していく必要があると思っています。

欧米と日本では窓の大きさも違いがあることが分かります。日本では蒸し暑い時季をしのぐ工夫が表れており
高窓と掃き出し窓(床から)の比率は後者のものが多く見られます。畳に寝起きする生活には、低い位置の
空気流通まで良くなるように考えれば当然とことと思います。

近年、洋風化してきた設計ではなおさらのこと、総二階建てでベランダがなければかえって危険なものになっ
てしまうので高窓が多くなってきたのもうなずけます。そのほかにも理由はあります。それはスジカイの変わり
に使われだした面材の影響とコストを下げるために窓の大きさを小さくしていることです。

大きい窓よりは小さい窓のほうが価格が安いのは当然なので、こういう点も数が多ければ総合的に建築費
が下がってきます。面材を使うものは大きい窓より小さい窓のほうが壁強度が出るので、デザインを良く見せ
て設計する傾向にあります。特にビルダーの設計する「規格型に近い注文住宅」にはこの傾向が多く見られ
ます。

しかしながら、一番問題なのはF☆☆☆☆を使っていますといって気密性を良くして住まわせる今の住宅に
あると思います。若干でも揮発物建材を使用禁止ではなく、換気扇で対処するという考え方があるので、実
際には健康な生活が送れるというレベルではなく、余程の自覚があり気をつけてその点をクリアしようとしな
ければ本当に安心して住める「住まい」は手に入らないでしょう。


トップページへ戻る






コラム728 2014年11月28日

窓はあっても・・・

 窓についての考えは様々です。大きく分けて「採光と換気」もうひとつは「眺め・景観」の見るということです。
前者の「採光」は床面積に対しての必要割合を建築基準法で決めています。「換気」は居室容積に対して
一時間当たり0.5回転するようにと定められています。

どなたも確認申請を提出するときにはこの書類の計算式が従前の書類のほかに必要となっていますので、
後のほうのページをご覧になってみると何やら細かい計算式があるのでわかると思います。

我々の常識で言えば窓は換気のためにもあると考えています。しかし行政はそうは判断していません。
FIX(ハメコロシ窓)は開けたてできませんが他の開口部はほとんどが引き違いや押し出しあるいは上げ下げ
方式の可動するタイプのものです。これらの「開けて空気を入れ替える」という行動は任意でやらないと換気
したことにはならない・・・というもので、換気で出来ない人にとっては密室になってしまうという考え方です。

ちょっと考えるとすごく親切で痒い所に手が届くほどの優しさを盛り込んだように受け取れますが、要は換気も
しないで生活して死なれたらそういう設計にしておかなかったから行政が悪いと言われるのを避けるためだと
も受け取れるのです。

いまや窓の開閉まで住む人がアホだから行政が決めておくという考えになりました。行政としてはどうしても
初期の「石油がもったいないから暖まった熱を逃がすな」「そのためには気密をよくしろ」「断熱を良くしろ」と
なり、人間が出す生活排気(汚れた空気)で窒息しないように「強制的に換気扇をつけろ」・・・と指導の手を
さしのべたいようで、ここまでくると小さな親切大きなお世話というほかはないような感じです。

適度な断熱や隙間風をなくすのは良いことだと思いますが、その程度のことは今の建築技術・素材加工技術
の進歩からみれば何の特殊技術も使わずとも可能なレベルになっています。
それでも「これでもか」と気密性を誇って計測器まで導入してその数値を売りにしているハウスメーカーがあり
ます。

私から見れば転覆した船の密室で生活しろと言われているのと同じで、停電すれば一時間ちょっとでで気持
ち良くなれますと言っているのと同じだと思うのですが・・・。


トップページへ戻る






コラム727 2014年11月21日

カビと結露と加湿器A

 家を考えるとき、日本で一番配慮しなければいけないのは湿気との付き合い方です。その点を行政は考え
ておらず、地震などの目に見える(注目される)ものを優先にしてしまいます。
賃貸でお住まいの方はほとんどがカビで悩んでいると聞きます。大型店舗のカワチやウェルシアなどの販売
陳列棚を見ればその裏づけとして充分うなずけるところがあります。

昔なら除湿剤などというものはほとんどなく、天気のよい日に太陽に当てて乾燥させるというのが生活の常識
でした。畳の天日干しなどというのも各家庭でやられていたものですが今では完全に死語になっています。

高気密・高断熱が住宅の売りになったきたのはオイルショックの以後です。すきま風は悪者にされ石油を無
駄にしないよう断熱をしっかりとやりましょうと行政と住宅業界が言い出しました。

この時代の施工はたしかに「箱」は作りましたが、空気環境などという考えはほとんどありませんでした。
そのようななかで暖かい空気を逃がさないようにするには気密性を高め隙間をなくすることはとても良いこと
で、そこから高気密・高断熱がひとつのセットになってきたのです。金融公庫でもこれらの評価を数字で計り
融資額や利率の優遇という措置を取りました。

それによってひとつのブランド化が勧められてきたのですが、肝心の素材については何も配慮されませんで
した。化学物質の弊害というものが認識されていなかった時代はまだしも、その後も大きな方向性は変わる
ことなく現在に続いています。周囲の賃貸住宅や大手から中小のビルダーに至るまでの建物のほとんどが
ビニールクロスに新建材のフローリングというパターンは修正されていません。

高気密・高断熱が多く施工されるようになった頃、どこまで気密性を高めていったらよいのか議論になったこ
とがあります。低気密・中気密・高気密とそれぞれの得意分野のビルダー・ハウスメーカーが隙間をなくする
ことにその必要度合いを主張していました。当然のように気密性の高いほうが優秀だという論理が勝り、方向
性はそちらに向かっていきました。しかし、そこに素材まで含めた議論をしていた人はいません。

気密性が高ければ高いほど空気は動かなくなります。動かない空気環境にはカビが発生しやすくなり、人間
にとって快適であればあるほどダニカビの生息環境も良くなるということになります。

人間の生活には呼吸もするし湿気も出します。料理をすれば燃焼空気は汚れを助長します。いろいろな生活
パターンがあるのに一定の換気設備だけでよいというのもおかしなものです。Aを解決するとBとCの問題が
出てしまい、それを解決しようとするとDとEの問題が出てきてしまうというバカみたいなことばかりやっていま
す。
換気が必要となれば換気扇をつけろ・・・そのまま熱を逃がしてはもったいないから熱を保持するものを設置し
ろとなって熱交換機能のついた設備となった・・・などがその良い例です。強制換気にはこれが一番手っ取り
早いようで設計士の図面にはよくこの第一種(熱交換機能)型のものが指定されます。他にも首をかしげるよ
うなものもあります。それは四種といわれるものです。

強制換気の基準に第四種というものがあり、これなどは面積(体積)に比例した穴があいていればいいという
解釈の出来る規則まであります。単なるほらほらの穴ですよ。

大山鳴動して元に戻ってしまったということでしょうか。

このように機械で生活のすべてを満足させることなど出来ないのにどうしても紙の上で理論を戦わせる人たち
にとっては最後まで詰め込みたいのでしょうね。
ここまでいろいろな設備をつけることを義務付けておいて問題が解決していないのですからアホと言われても
仕方がありません。


トップページへ戻る






コラム726 2014年11月20日

カビと結露と加湿器

 なぜ、カビが出るのか。これは昔から日本の生活で悩んできたことです。昔なら冬は考えなくても良かった
のですが、今は加湿器といわれる文明の利器が出来たお蔭で冬とて論外とは言えなくなりました。

昔の生活環境と今のそれでは何が変わったか、温暖化と言われても季節そのものの気候環境はさほど変
わっていませんから、我々のほうの環境が変わったというべきでしょう。

木材は調湿作用があるからかびないと言う人が業界内にもいますが間違いです。いくら木材とはいえ、際限
なく湿気を吸えるわけではなく限界があります。それとあわせて必要なのは換気です。空気が入れ替わると
言うのは24時間換気のようなゆっくりとしたものではあまり意味はなく、洗濯物が乾くような空気の流れが
必要だということです。

むかし、木材需要が旺盛で仕入れてもすぐに捌けてしまい、倉庫にある物はいつも生のものばかりという時が
ありました。材木屋としてはそれらの生材を管理して自然の風に当てて空気乾燥をするいわゆるエアドライと
いうお金のかからない方法で乾燥させていました。

倉庫ですから風通しは良く作ってあり、どこの方向から風が吹いても林場(りんば)内を通り抜けるようになっ
ておりますが、ちょっと油断して間隔を詰めすぎるとたちまちカビが発生してしまうのでした。
カビが生えるというのは腐朽菌も元気だということで、知らないまま放っておくと短い期間で腐りが出てしまい
まったく売り物にならなくなってしまいます。こうなると焼却するしかなくなってしまいます。

間隔を詰めすぎるということは空気の流れが充分に得られないということで「淀み」と同じことになってしまい
ます。これを今の住宅に当てはめてみると高気密高断熱住宅ということになります。機械で空気をコントロール
すると言うのは悪くはないですけれど、カビの抑制に役立っているかどうかは別物です。ここで加湿器などを
使ったらカビの発生条件が揃ってしまうことになります。

以前、高気密ではなかったですが賃貸の戸建てで雨が漏ってしまうという相談を受けたことがありました。
行ってみると、雨漏りするような所は見当たらず異常はありませんでした。ところがとなりの部屋で加湿器が
フル回転していました。聞くところによると空気の乾燥で風邪を引くのが怖いので冬はいつもかけているとの
ことでした。

賃貸ですからどこの部屋も当然のようにビニールクロスでした。この湿気をタップリ含んだ空気がとなりの部屋
へ流れ込んでいって相対湿度が高くなりマドガラスのところで結露し床に垂れてきていたという理科の実験を
やっているようなものでした。のちに大家さんから板に張り替えて欲しいと要望があり節のある安価なものに
しましたが、そのときも「換気を良くして下さいね」とお願いしました。いくら調湿作用があるとはいえ、永久に
湿気を吸い取れるわけではないのでその点はよく念を押して入居者に伝えてくれるようにお願いしました。

これはちょっと極端な例でしたが、もっと柔らかくこの症状が続くと木材でもカビが出るようになります。
何でも限界はあるものです。


トップページへ戻る






コラム725 2014年11月19日

コンクリート・金属・木

 上の三つの素材を同じ条件で並べてねずみの飼育生存確率を調べた資料がよくこの業界で使われます。
熱の伝導率で言えば金属・コンクリート・木の順番になると思うのですが、不思議なことにコンクリートの方が
一番低い生存率の結果が出ます。
これは実験が行なわれている場所の問題で、金属は薄いものが使われており、しかも机の上での実験です
から、冷たさがどこまでも伝わって冷えるというパターンになっていないからだと思います。

同じ条件といっても室温と場所が同じというくらいで素材そのものの特質が違うのですから冷え方も違うもの
と考えれば当然同じ条件とは言えないのですが、そこはある程度妥協した見方でやっていかないと実験に
なりません。

大局的な見方とすれば「木」の寝床は他のものよりも生存率が高いのはゆるぎないもので、客観的にも他の
素材よりも生き物にとって適材であることには変わりがないという結果になっています。

しかしながら、せっかくこのような実験をやっていても現実の人間の世界は「木」という素材を生かしていると
は思えないものになっています。
それは、木造といっても木が見えない実際に木肌を触れて感じることは出来ないような「木のようなもの」に
なっているからです。特に「われこそはローコスト住宅なり」と言っているものにこの傾向が多いです。

一方で「木造住宅」と思って求めようとしていても、本当の木造住宅であるかと言うと「・・のようなもの」しか
手に入りません。その壁・天井の内装仕上げはクロスだし、床は木に見えるシートを張ったもので硬い塗装が
されており呼吸性はほとんどありません。

新築して間もないのにカビと湿気がすごくて除湿剤が欠かせませんといった声が聞こえるのもこれが原因で
す。肝心なのは部屋の風通しと調湿できる素材を使うことなのですが、高気密・高断熱をうたっているものに
は外出中に風通しの良いというような性能はありませんから当初から無理なのです。

これなどは上の実験とはまた違うパターンで木にビニールをかけて生活しているようなものと同じですから、
生存率実験で言えば金属に近いものといえるかもしれません。

口のきけないねずみと同一には出来ませんが、せっかくの木造と言いながら本来の木造住宅になっていない
ものを「木造で建てました」と感じられるのか、私にはとても疑問が大きいと受け止めています。

余談ですが、カビが出るというのは空気の流れがほとんどないことを示しています。本来、風が吹いていたら
菌は着床できずかびの大量発生にはなりません。そこに人間の湿気が加わり温度も適温となれば条件が揃
ってしまうので「そんなばかな・・」となってしまうのです。

木造とは名ばかりの建物を建てて最後までわからないで住めるのならそれも良しでしょうが、残念なことです。


トップページへ戻る






コラム724 2014年11月12日

メガソーラーの弱点A

 メガソーラーは住宅用の設置と違って野っぱらに多くあります。その危険性とともに買い取り拒否のリスクも
考えなければならないとなると「とらぬ狸の皮算用」となり、負債だけがしっかり動かず償却計画が成立しなく
なります。
10月16、17日で書きました九州電力の買取り保留事件はまだまだ序の口で、これから設置計画をしている
大勢の方々にはこれまで以上の危険性が伴なってくるということになります。

ネット広告を見ているとそのような危険性は微塵もないような内容で、「エコビジネスは今のうち・・」とばかり
儲かるイメージがいっぱいに書かれています。

以前(今もでしょうが)、アパートの完全借り上げで入居者も保証、絶対に損はしませんからと口車に乗った
オーナーさんが現実をみたら銀行への借入金も払えないほどのお金しか回ってこなくて、しまいには土地も
建物も手離すといった惨劇にあってしまったケースを耳にしました。

結局は建てさせた会社と管理会社の儲けの手伝いをやっただけの徒労となったのですが、法的に訴えても
その契約内容には間違いがなく建て主さんは泣き寝入りをさせられた・・・というものです。

そんな儲かるビジネスなら自分でやれば一番良いことなのですから、まったくの他人に儲かりますから・・・と
話しを持っていくはずがないと思うのです。この太陽光の話しもその点では同じことだと思います。

他にも過去には「太陽熱温水器」がありました。屋根の上に装置を載せて水をお湯にするというものです。
これを載せても主たる給湯器が不要になるわけではなく、結局は二重の設備をつけさせられ儲かったような
気分だけ味わえたというものでした。

メンテナンスも不要というような振れ込みだったのに結構修理も必要で、壊れたまま屋根の上に放置されて
いる家もあり、リフォームするときについでに下ろしてもらえませんかという注文も過去にはありました。
「もとは取れましたか?」と聞いてみると「そんなことはありませんでした」という返事が返ってきます。

人間、ほとぼりが冷めてしまうと何か新しいものに飛びついてしまいます。私は人間性がひねているので最初
に何でも疑ってしまう癖があります。
この太陽光発電でも、良いというならまず学校や警察・役所・病院・老健施設などの公共的な昼間に大勢の
人がいて電気を必要とするところでやるべきだと言って来ました。
最近はそのような所も多く見受けられるようになって来ましたが遅すぎると思っています。

一番必要なのは絶対に電気を絶やせない原発でしょう。いくらお金をかけたって起こる事故の規模を考えた
ら高い安いの問題ではないはずです。つなぎの電気が確保できるまで確実なる電力量を蓄えられる蓄電池
を備え冷却装置を動かせるようにしておくべきでしょう。

供給する側ほどこういった安全策が必要だと思うのですが。


トップページへ戻る






コラム723 2014年11月11日

メガソーラーの弱点

 6,7年前の話しですが、うちの事務所で4tユニック車が盗まれたことがありました。
土曜日の夜、多分11〜2時くらいの時間帯であったと思います。道路に面した入口には太いステンレスの鎖
が通してありましたがものの見事に大型カッターで切断されていました。完全なプロの仕業です。

警察が来て検分をしましたが、「ああ、これはプロの仕業だな」といって書類を書いていっただけでした。
聞くところによると、翌日には解体切断されてコンテナに詰め込まれ封印されて東南アジアに輸出されてしま
うとのことでした。

そこまでわかっているなら何とかなるだろうと思いましたが、警察としては形式的な書類を作るだけで探す気
はないようです。

こちらも普通のカッターでは切れないだろうと思っていたくらいの太さのものを張っていたのに簡単に破られ
持ち去られたのですから野っぱらの無防備な所にメガソーラーが鎮座していたらあの方たちにすれば「どうぞ
お持ち下さい」と言っているのと同じに見えるのではないかと思うのです。

一応はフェンスはありますよ、でも無人だし・・・、
そんな具合ですから私らの事務所に浸入してくるより楽に作業が出来るものと推測できます。

心配していたらその通り、盗難事件が起きました。滋賀県での出来事でケーブルだけバズッと切られ持ち去
られました。被害額は何と1600万円相当。これだけの金額になれば本体など狙わなくとも充分に魅力があ
るとみたのでしょう。何しろ大きなカッターでスパッとやるだけですから、本体のネジなどをいじっているよりは
ずっと楽で「稼げる」ということになります。

彼らは見ているんですねえ。どこかで・・・
これからこの手の盗難はますます増えると見て良いでしょう。
セキュリティーをしっかりやらねば思うとおりの電気料は稼げないという計算です。

クワバラ クワバラ


トップページへ戻る






コラム722 2014年11月10日

気付いていない怖さA

 昨日の勉強会は16名の参加がありました。遠路よりおいでいただいた方もあり感謝申し上げます。
テーマは「予算の話し」でしたが、一口に予算といっても単独では語れない部分があり、全体の中の予算
としてみていかないとうまく理解できません。

規格型の住宅なら総額は決まっていますが、一つひとつの部材を積み上げていく家造りはすべてが決まっ
て初めて金額が表わせるものですからつかみどころが難しいのです。

今の家造りはどうしても営業サイドの引き込まれが強く、自分で理解していない内容を噛み砕かないまま
相手の提示してくる内容に対して選択しているということが多く、自分が納得して建てた家にはなっていませ
ん。供給する側もそれは充分に知っていて、相手に考えさせる余裕を与えないような営業の仕方で攻めます。
そうしていかないと上司からの指示された期間で契約が取れないからです。

同じように見えて中身が変化しているもの、それは一番住宅の部材です。
構造体も昔の材ではありません。下地材も昔のものではありません。内装仕上げも昔のものではありません。

畳ひとつ取り上げても中身は藁(わら)ではなく発泡スチロールやインシュレーションというチップをさらに細かくした
ものを使っているし、表面の畳表と言われるものもナイロン製から紙のものまであります。
厚みだって本床(60ミリ)と薄い12ミリのものまで数種類あります。

これらが敷かれていれば「畳」と表現されていますし、丁寧にその中身が表示されているなどというのは見た
ことがありません。

聞かれなければ答えないと言うのがこの業界の「普通」ですので、たとえ質問しても「大丈夫です」と言われ
それ以上突っ込めないというのが現実です。
建て主が聞けない質問出来ないというのを見透かしたようにどんどんその内容は変わっていきます。しかも
それが法律に違反していないから言葉巧みに「コストダウンしました」とか「工期を圧縮しました」とかすり替え
にされてPRに使われてしまうのです。

住宅の内情については我々業界のものでさえうかうかしていると変化したことに気付きません。良いことで
「改良」されていくなら良いのですが、その弊害もあわせて考えていかないとどこでしっぺ返しを喰らうのか
わかりません。

「予算の話し」でそこまで掘り下げていくのは無理がありますし、一つひとつ取り上げていくと枝葉が大きくなり
すぎ、とても二時間では終わらなくなってしまいます。

参加者の「・・・についてはどう思いますか」とかの問いかけも出ましたが、なるべくテーマから外れないように
お答えして、また次回ということにさせていただきました。参加された方、お疲れ様でした。


トップページへ戻る






コラム721 2014年11月07日

気付いていない怖さ

 9月末、つくばの材木店の若手社長さんがある中学校から招かれて「一日講師」をおやりになりました。
その掲載ブログはこちら  詳しい内容はこちらで見ていただくとして・・・
このような企画はこちらにはないので非常にうらやましいと思いました。

いまや、住宅は買うもの・・商品として、売る側も消費者側も考えています。もうその時点からズレが生じて
いるのですが、そんなことを言っても何のことと逆に質問されてしまう時代になってしまいました。

若い人がアパート暮らしをしていて、家庭を持って、子供が出来て、さて家でも・・・となったときに行動をおこ
すのは、まずネット検索、本を買って読む、住宅展示場へ見に行く・・です。

はたしてこのパターンで自分たちが安全に住める空気環境の家が手に入るだろうかと考えたとき、私らから
見た答えは「ノー」です。理由は簡単です。新しい家の質がアパートと同じだからです。
ビニールクロスの壁と新建材のフローリング張りでは何も変わっていないのです。

まず建て主さんがこの点に気付かなければならないのに、太陽光発電や住宅機器設備、最終的には価格
にしか目が行っていないのです。住宅は高い買物であることは間違いないのですが、金額にばかり気をとら
れていると肝心の「安全」とは何なのか感覚のずれを起こしてしまいます。

住宅メーカーも価格競争の中でいかに生き残って建て主さんの心をつかむかに努力しています。
そのこと自体は悪いことではないのですが、本当に安全であるかを考えたとき、自分で自信を持って言える
かといったら多くの関係者が疑問を持っていても口をつぐんでしまいます。

出ない情報はないことと解釈してものごとが進められても根本的に消えたわけではないので、そのツケは
誰が払うのかといったら建て主であることは間違いないのです。

「アパートと同じような家を造ってどうするの」と言いたいのですが、そのような声はなかなか消費者に届きま
せん。しかし、我々も手をこまねいているわけではなく出来る限りの予算で情報発信をしています。

「フローリングとビニールクロスの家が普通だと思っていたが、昔のような風通しの良い家のほうがずっといい
なと感じました」というコメントを見たとき、少数であるけれどもこのような理解をしてくれる将来の建て主さんが
出来たことをうれしく思いました。

なぜか我々も頑張って情報発信を続けていかなければいけないなと感じたのです。


トップページへ戻る






コラム720 2014年11月06日

部落内の家

 先日、久しぶりに以前通勤に使っていた道を通ったら、旧家の母屋が解体され始めていました。
私の知っているところでは、以前ここにはおじいさん夫婦・若夫婦・子供たちと三代の家族が住んでいました。
けして面積としては広いほうではありませんが、塀も大谷石の良いもので庭も松など手入れが行き届いて
いてきちんとした家に見えていました。

それが3.11の地震で塀は崩れ家の屋根瓦が少しずれ、壁には数箇所のヒビが入っており最近まで修理され
た様子もありませんでした。そして、ここ半年くらいは人の気配さえ感じられず庭は草が伸び放題になってい
ました。

私の見たところでは家の損傷は倒壊するほどの致命傷は受けておらず、ちょっと小壁を修理すればまだまだ
使えるレベルであると思っていました。それが先日、機械が入ってバリバリと始まったのでちょっと驚きました。

このタイプの家は今の建て方と違って家の中心に太い柱をすえて東西南北から梁をのせ、まさに木組みでも
たせる「伝統工法」で建てられています。一見すると古臭い建物のように見えるのですが、これがなかなかの
優れものでして、地震の時にはいわゆる今の家の揺れない造りとは違って「揺れてショックを吸収する」動き
をします。

これが今の人たちには「壊れる」と映るらしく、もうこの家はダメだとなり、このような解体の運命をとどってしま
うのです。最近の大工さんも町医者的な役目をしている人はほとんどなく、このような建物の特徴を話すことも
していないのでしょう。揺れるイコール潰れるとしか考えない建て主さんに「いや、それは違うんですよ」と言う
人がいなくなっているんです。

当家の人も、塀は下二段だけ残って上は全部崩れましたから余計にそう思ってしまったのかもしれません。
非常にもったいない話しだと思います。
このあと、どのような家が建つのかまたは更地のままなのかわかりませんが、うすっぺらな今風の住宅が建つ
のだとすると二重に残念です。

あそこの家でも住宅メーカーだからうちもそうするか・・と、わりと簡単に家というものを見ているのかもしれま
せんが、もっと勉強して今までの良かった点を継承して、さらに今までの欠点をカバーするような家を建てて
もらいたいのですが、世の中の流れというものはどうも反対の方向へ行ってしまうようです。


トップページへ戻る






コラム719 2014年11月05日

頭の互換性が問題A

 パソコンというものはスイッチを入れると自動的にいろいろな機器が接続されているかどうかをチェックしに
行くようです。また自分の中でも立ち上がる順番があるらしく、その中にはセキュリティーのソフトが早く起動
するみたいです。

いきなり、メールを開き添付ファイルでも開いたら大変なことになるからでしょうが、これが使っていると段々
チェック時間がかかるのかいわゆる「パソコンが重い」という状態になってきます。
このPCにはトレンドマイクロのクラウドという方式のセキュリティーソフトを入れていますが、とにかく遅い!

以前なら難なくアプリケーションソフトが開いたのに、今は朝の大掃除をやってからみたいな感じで、もう勝
手にしてくれと落ち着くのを待つようにしています。
こちらとしてはPCのプロでもないので「これを使わないと大変なことになる」と言われればそうせざるを得ま
せんが、何ともまどろっこしくてストレスが溜まります。何かメーカーの手玉にとられているみたいで・・・

自分の頭もずいぶんと互換性がなくなっていると感じていますが、パソコンも互換性がないソフトがたくさん
あります。例えばXPからWin7に変えて今まで使えていたソフトが受け付けてくれない・・・というのも経験し
ました。WordなどのOfficeは互換性があるようになってきましたが、他のいろいろなアプリソフトはほとんど
だめなのではないかと思います。

実際にXPで動いたホームページ作成ソフトNo.11をWin7でやろうとしたらNOでした。
素人考えではあたらしいパソコンなら以前のアプリソフトでも受け入れてくれると思うのですが、狐とタヌキの
化かし合いみたいに次々と拒否されます。これらは「もったいない」と思わないのでしょうか。

くやしいですけれど何が不足でそう出来ないのかわからないので、仕方なく新しい「対応」できると書かれた
アプリケーションを買って使うようにするしかありません。家庭用ならそれほど重要な資料もないでしょうから
おじゃんになっても諦めがつくでしょうが、ビジネスのものはそうは行きません。

結局はネットのつながないで済むものは孤立させて作業させ、念のためペアもしくは予備2台でいざというと
きの備えにする考えが良いのではないかと思います。必要最低限のものだけネットに繋いでウィルスソフト
は万全にするというパターンです。

いろんなことが出来るのは良いことですが、ダウンされる期間が短くなってきていることは昔より早いので
それらの防御を考えておくのは必要なことだと思います。パソコン自体が安くなってきているのでそういった
手段も可能になってきました。バックアップをとっておいてもシリーズが変わって受付拒否になれば何のため
の策かと思います。

「私はもう疲れました」「別の機械に取替えの準備をお願いします」なんてソフトは出来てこないのでしょうか。


トップページへ戻る






コラム718 2014年11月04日

頭の互換性が問題

 昨今、パソコンの寿命による入れ替わりがどんどん短命になってきている気がします。
95年あたりのテキストぐらいしか扱わなかったPCはいまでも動いているのに、動画などが使えるようになっ
た今では比較にならないような短命なモノになっています。

光通信でなければ問題にならないといわれるほど消費者の要求は膨れ上がり、電話線にとぐろを巻いたよう
なケーブルで何でも出来るという時代になり、得をした気分とどんどん移り変わっていくOSの変化について
いけない自分がいて複雑です。

その光ケーブルも思いもよらない弱点があるらしく、悩みは絶えないようです。それは「カラス・・・」
モノがものだけに最先端をいっている割には意外な伏兵がいたようでどのように防ぐかを思案中とのこと。
それはさておき
テラ・ギガというどこかの回し者のような処理能力のパソコンと回線のスピードが合わないと不味いらしいの
で、個人宅でも仕方なしに光にしましたがどうもこれはNTTの独占のようで、他社においても光回線だけは
借用する形になっていてONUという端末機器まではNTTの工事範囲になっていました。

個人宅では以前からヤフーのADSLを使っていましたので、そのまま光に移項しようと思っていました。
一番のネックはYahooで取得していたアドレスが使えなくなってしまうからです。それはそれで良かったの
ですが、いままでの金属線を使った固定電話の扱いをどうするか抜け落ちていました。

手続きはネット回線からしたのですがどうもこの年齢になると理解力にかけるようになってきて、何か余計な
契約をされるのは困ると思い、これは要らない、それも要らないとオプションを拒否してシンプルにしたつもり
でおりました。すると今までの固定電話のことが抜け落ち、光回線を使った電話に自動的になると思い込み
手続きを完了してしまいました。

さてさて、NTT工事の方が来てONU端末を接続して帰った後、自分でルーターにセットしてもツーという音が
出ません。いままでのモジュラージャック金属線につなげば音が出ます。「あれっ」と思いながら後日確認の
電話をしたところ、「今回の手続きには光から電話を接続するようにはなっていません」と答えが返ってきまし
た。

これは困った、このままでは固定電話の基本料+通話料がまるっきり別回線でかかってしまうことになり、
光にした恩恵が薄れてしまうことになります。それでふたたびYahooに連絡をして光回線を利用した電話を
申し込みました。今回の手続きで単純なミスをしてしまい二度手間をかけてしまいました。といってもむこう
さんはしっかり工事料をとるようですが。

本日、NTTから確認の電話があり、光回線利用の電話が9日に切り替わるとの連絡がありました。
これで今回の件は落ち着くと思いますが、どうもネット上の「理解できるような説明」の不足に不満が残るの
でした。

画面上にいきなり「BBフォン」だの「ホワイト光電話」なんて出てこられたら「何だ、こいつは」と思うのは私だ
けでしょうか。

「電話はデンワでいいじゃないか、ホワイトって何か白く光る電話か?」と・・・。


トップページへ戻る






コラム717 2014年11月01日

どっちが悪い

 今、2008年に放火事件で消失し再建した韓国の崇礼門で騒ぎが起こっています。国宝一号と言われて
いるこの門の再建は国の面子がかかっているのですから、よもや手抜きなどの工事は行なわれることは
ないだろうと思っていましたが、この国の人は簡単にそれをやってしまうようです。

復元に要する費用は250億ウォン(約25億円)とされましたが、その門に使われた木材は見る限り乾燥も
していない生材であることがネット写真を見ただけでも分かります。朱色に塗られた柱は樹種が何であるか
は写真では判別できませんが、韓国の金剛松という素材が使われるはずでした。
どこでどうすり替わるのか、何本かは価格の安いロシア松が使われているとも書かれています。

丹青(木材に塗る保存剤のようなもの)も当初予算の何分の1かになっており、その差額は誰がどうしたの
か、警察が捜査しているとのこと。
一部には安い日本の塗料が使われたからこうなったとも書かれているとのこと、この国はどこまで日本を
コケにすれば気が済むのでしょうか。

いまはネットでかなり詳しく写真も掲載されるため、私らが見ても原因が何なのかすぐにわかります。
これは完全に未乾燥材を使った結果です。丹青(顔料)のせいなどではありません。

韓国文化財庁では政府基準標準仕様25%のものを使ったと弁明しているそうですが、とんでもない話です。
これは完全に未乾燥材です。おそらく検査を通すのに表面だけ計るような簡易な水分計を使ったのでしょう。
こんな柱になるような太い木の水分など表面だけ計測しても何の役にも立ちません。でも、書類が通れば
OKなのでしょう。

あとからバレるようなことはやらなければいいのに、そこは官僚のなせる常識なのでしょう。裏の話しでは
予算は出ているのに納入の段階直前になったら材の変更が言い渡されるというのですから、その浮いた
分のお金は一体どこへ行くのか考えなくとも分かることです。

木のことなど何にも理解していない人が指図するのですから、今の日本の家造りと似ているとも思います。
門の完成が2013年というのですから、少なくとも材の調達まで4年はあったはずです。
この間に素材を乾燥させておけば、これほどの柱の状態にはならなかったはずです。

官僚は旨い汁を吸って責任は職人に押し付ける、職人は直前になって変更されるから何も言えない。
でも、おかしい話で、言えないということはないはずです。
国宝級でこれですから役人も国民も「どっちもどっちも」です。



トップページへ戻る






コラム716 2014年10月31日

当たり前のこと

 一般的常識で言えば、ものを買った、何かの対価で支払いをしたという場合には支出内容を書いてその
費用項目(支出区分)別に資産的支出か費用的支出か誰が見ても分かるようにするのが「経理」であると
思っていましたが、政治の世界って違うんですね。

県議から国会議員まで政治活動費・政務調査費を「打ち出の小槌」みたいに使っています。よく5万円以下
1万円以下は明細なしでもよいとか聞きますが、なぜ金額のラインで不要OKになるのでしょう。
このような決まりを作ったのは誰か。議員です。表向きの言い訳はいちいち面倒だから・・・、裏の事情は
自由に作れる金のもとを作っておき、いざ必要なときの飴玉にしたいから・・・なのでしょう。

領収書さえあれば金が出るとなればそこらじゅうの領収書をかき集め簡単に公金を私物化出来ます。
100万・200万円くらい家族や秘書に言えば、数日で現金が手に入ります。こんなおいしい手を考えたのは
誰でしょう。議員です。

金を出すほうも出すほうです。1万円以下だから規則どおりに明細さえ分からないものでも出金するという
のは、一般の会社だったら即否認されます。税務上でも同じです。交際費の性質のものなら資本金の大小
で損金にならないものもあり最低でも一割は損金として認めないという税法上の縛りがあります。つまり、
費用としてお金を出しましたという解釈にならないということです。

一般社会はこのような常識が普通なのに、議員は違うんですね。

政務調査・政治活動といえば何でもお金が出るといった筋の通らないようなことをちゃっかり決めておいて
「政治には金がかかる、金がかかる」と何かといえば発言があります。
ものの考え方に何かをするには現ナマが必要だというのが根底にあるからで、今の I T インフラを使って
誰もが公平に情報発信できれば切手代だの手土産だのそんなものは必要なくなると思うのですが。

SMバーの領収書まで入れてしまった秘書を責められるでしょうか。その前に「何でもいいからかき集めて
来い」と命令した裏金作り担当者の責任を問うべきでしょう。

観劇会の費用も、一般的に見れば参加者だってどれだけのコストがかかっているか、薄々感じているでしょ
うに、「全額払っていると思った」などとコメントしています。金額的なことは多少のズレがあったとしても不思
議はないでしょうけれど、その先の金庫(収入欄)に入るべき現ナマがどこへ消えたのか・・・それは説明し
なくてもわかっていることです。

それでも収支報告書になってしまうんですから、この方たちの経理(財務)感覚というのは「特殊な頭脳」を
持っているのでしょう。

このようなザルみたいな制度があってもきちんとした経理処理をやっている議員もいるのでしょうけれど
この体たらくを見ているとほとんどの方々がおやりになっているのではないかと推測できてしまうと言っても
言い過ぎではないと思います。

理想を持って議員さんになった人でも、何年かすると「議員特典」をフルに利用してアジをしめてしまうので
しょうね。

「法律に触れるようなことは何もしていません」「小さな間違いです」「本人に弁済させます」・・・etc
そんな言い訳、世間では通らないんですけどねえ。

思い切って、マイクロソフトにでも「誰にでもできる管理OS」を発注してみたらいかがでしょう。

トップページへ戻る






コラム715 2014年10月30日

非住宅木造建築という分野

 いまや、世の中の「人の住む建物」の80%(私的見方)は機械加工で処理されるようになりました。
この良否は別として、プレカット会社の営業戦略が人の住む木造住宅から非住宅木造建築へと向かっていく
ようになってきています。

大型商業施設、集会所、コンビニ、美術館、図書館、公共的なものを含めるとこの世界はかなりの需要があ
ると見込んでいるようです。代表的なものは大館の樹海ドームがあります。ここは多目的スポーツフィールド
として各方面から利用されています。

私もここへ一度見学に行ったことがありますが、「大断面集成材」のカット見本が観客席外側の通路におい
てあり、大人の胸の高さくらい梁背(はりせい・・部材の断面の意)があるカット見本が置いてあり、想像して
いた以上に圧巻で感心しました。

一部には鉄の接続部がありすべてが木で作られているわけではありませんが、これだけのどでかい規模の
ものを作れるということを目の前で見ることが出来てあらためて日本の技術の高さに驚き大変参考になりま
した。1997年に建造されたこの施設は木を使用した大型の建物としては初期のものと思います。

これらをはじめ、いままで鉄骨やコンクリートで作られていた建物を木造でやるという気運が国を挙げて高ま
って来たことがバックにあるということです。ひとつは数年後の国産材シェア50%にするというもの、もうひとつ
の理由が地球温暖化防止というお題目です。
木は自然界の中でCo2を吸って固化したものだから・・・という何となくうなずいてしまうような考え方です。

国内大手コンビニの中には新規出店のときにオール木造で建物を建てて地球温暖化に貢献していますとPR
材料にしているところも出てきました。しかしその中身はと言うと、集成材・合板が主役でムクはほとんど見当
たらずですから、ほとんど「木を使ってます」というパフォーマンスに近いものだと私は思っています。

原料としては確かに木を消費していますが、出来たものは工業製品みたいな性質になっていて、自然物と
言うには非常に違和感があります。しかしこの世界はつじつまさえ合っていればOKのところがあるので、疑う
人はほとんどいません。

話しを戻して
なぜ、非住宅分野に乗り出していくかというと、人口減少による木造住宅の縮小化という市場飽和状態から
の脱却です。出だしは大工さんの処理能力を超えた需要をまかなうために考え出された機械加工ですが、
一度出来てしまうとその機械をフルに動かすために注文を引っ張ってくるといった補助的役割から主役的
役割に変化してきたからです。

10の仕事をこなすと12へ・・・・、やがて目一杯まで加工するようになると今度は機械の更新で倍の加工力
を備えさらに上を目指す。そういったおいしいビジネスがあるなら私のところもと大手資本の企業がどんどん
参入してきてますます加速状態になり、仕舞いには世の中の仕事を食い尽くす、これってある種、携帯電話・
スマホの世界に似ている所があります。

ビジネスとしてはとどまる所を知らず、住宅需要に限界を感じてきたから非住宅に進出して行ったというのが
正しい見方だと思います。工場としては住宅であろうと非住宅であろうと食い物(加工作業)があればそれで
良いわけですから関係なく、統計上の数字として業界紙がまとめた数字を出しているだけに過ぎません。

いずれにしても、この先「非住宅需要」を食いつぶしたら今度はどこへ行くのかが興味あるところです。


トップページへ戻る






コラム714 2014年10月29日

それでエコなの

 私の事務所の近くにJホンダ・ケーズデンキ・住宅展示場があります。ときどき、パソコン事務用品を買うため
デンキやさんへ行くのですが、その出口に展示場があるため車が途切れるのを待ちながら正面を見ています。
ここのところ毎回といってよいほど、どこかが建て替え工事をやっています。それも彼らにとって「商品」の入
れ替えに過ぎないのだと思いますが、その防塵シートには同じような「エコを目指して・・」とか「ゼロエネ・・」
とか、時代の最先端をいっているかのような文字が並んでいます。

しかし、その展示場の規模は「見せるもの」なだけに豪華で大きな規模となっています。通常ではそんな
でかい建物を誰が求めるのだろうというほど迫力があります。

あまりにも現実離れしていて、見るだけなら楽しいでしょうけれど実際に自分の生活規模として考えたら
合致する人は極少数になることでしょう。

住宅展示場というのは住宅見本の集積場みたいで、見る人にとっては効率よく見られる便利さはあります
が、展示場側(各メーカー)から見ればとなりはライバルということになり、その仲でいかに選ばれるかを競
い合い営業戦線に臨んでいるわけです。

一方で見学者はどうしても「リニューアル」とか「新商品発表」とかの垂れ幕に弱く、何かイベントをやってい
るとかの「寄せもの」に引き寄せられて行き、アンケートにお答えいただいた方には・・にひっかかってしまい
後日の猛攻を受けることになります。

展示場出展者(社)はおよそ10社から15社ほどあります。これが順々に建て替えていくのですからこれに伴
なう産業廃棄物の量も半端ではありません。使いもしないものを数年で壊してほとんどのものが再使用され
ることはありません。エコと言う垂れ幕をかざしながら「非エコ」をやっているのですから押して知るべしです。

この流れは住宅会社の大きさには関係なく、ほとんどの展示物が同じ運命を辿っています。この風景を見て
いると、住宅は今や「商品」という呼び方で、これで生活をするという「住まい」ではなくなったのだと強く感じ
ます。

垂れ幕の文字がいやに白々しく見え、「言ってることとやってることが違うだろう・・・」とつぶやきながら
安全を確認して道路へ出ます。


トップページへ戻る






コラム713 2014年10月28日

太陽光発電の弊害

 ちょっと電気の話しで恐縮ですが、家庭に配電されている電気は「交流」という種類で、電圧波形を見ると
きれいな正弦波(規則ただしい波型)になっています。これの振幅回数が50回/秒なのが関東、関西は60回
行ったり来たり往復運動をします。

この波形は「きれいなウェーブ」をしていて、つまりなめらかな波型をしている波形です。これは発電所でター
ビンが回転してできるものですからきれいな曲線の波形になるのです。
一方、太陽光パネルで発電された電気は直流という電圧が一定で変化しないものです。直流の一番不便な
所はこのままでは電圧の変化が出来ないことです。このままでは電線につなぐことは出来ません。

直流をきれいな波形の交流に直すというのは簡単なようで難しいものです。基本は電力会社の送ってくる
交流の波形とまったく同じにしたものを作るのが理想ですが、今の技術ではまだ無理です。この部分を担当
するのがいわゆる「パワーコンディショナー」と言われるもので直流を交流に変換する機器として太陽光パネ
ルの出口に設置されます。

家庭・工業用の電気は送電されるときは高い電圧で送電ロスを少なくし、近くまで来たら電圧を下げて使い
ます。ですから近所には大きいモノから小さなものまで変圧器が存在します。これらを通ってきた電気の線
に自分たちの電気を注ぎ込むには波形タイミングを合わせること不可欠になってきます。

もし、送電の波形に逆の波形をぶつけてしまうと大変なことになります。これら送り出しのタイミング調整を行
なうのもパワーコンディショナーの仕事です。これらの「合わせるタイミング」は送られてくる電気の電圧変化
をキャッチして波形の山と谷の部分を合わせるのですが、これらの作業は電子回路が受け持つため物理的
寿命が避けられません。

上記で直流からきれいな波形の交流を作るのは難しいと書きました。まだ家庭用の小さなパワーを送り出し
ているうちはいいですが、どんどん増えてきて総力としてメガクラスになってきたりあるいはメガソーラーという
企業が参加してくる馬鹿でかい電力を乗せるとなるともともとの発電所で作ったきれいな波形の交流が質の
悪いガシャガシャの交流になって配電されるという現象が出来てしまいます。

近年、電子機器を使うことが多くなった会社・家庭でこの質の悪い交流によって出てしまう悪影響が懸念され
ます。そうなると、そのもととなる発電業者・家庭も含めた多くの再生可能エネルギーがストップを食らうことに
もなる可能性があります。

すでに送電網のパンクを心配して受入をストップした電力会社が多数あります。これらの要因も大きく影響す
るものと思います。


トップページへ戻る






コラム712 2014年10月27日

ツーバイフォーの耐震化A

 この建物の特徴は、パネル化されていて外側には構造用合板を壁内側には石こうボードを張ることで
耐力壁と認定されています。したがって、各部屋を一つの建物として考えたものをくっ付けたというふうに
考えれば各部屋が耐震強度が出るということになります。

ところがこのパネルセットの厚みは115から120ミリくらいになり、隣り合わせになる部分に開口部をつける
となるとあわせてパネルどおしが背中合わせになり、240ミリほどの壁厚みになりそれ以上の開口枠をつけ
ることになります。

これまでに見てきたツーバイ住宅ではそのような施工はやられていません。私の事務所前に建てられた
ものもいわゆる間仕切りとなる内部壁は両面から石こうボードを張っただけでした。
これはどう考えても木造のスジカイ的なものにはならず、外周のX軸、Y軸と同方向の内部壁の揺れの違い
に差が出てくるはずです。

もっと分かりやすくいえば、田の字が一つなら真ん中の十字だけ構造用合板がない状態ですが、これを
四つ合わせたら、大外の外周壁以外の内壁は両面が石こうボードだけになるということです。
石こうボードもまったく耐震性がないわけではないですが所詮石こうボードです。タカが知れてます。

木造住宅ならどこの壁にもバランスよくスジカイを配分しろということで定められていますが、いくら重量が
軽いツーバイだからといって、これに二階が載るようだったらその負担は半端ではないはずです。

メーカーの動きを見ていると何故か耐震部材(正確には制震装置)を入れるようになってきました。もともと
木造住宅をけなすくらい胸を張っていたのですから、何もやる必要はないはずです。でも、こういう動きに
なってきたということは弱点を抱えているからカバーしておかないと大変だということなのでしょう。

東北の地震のときも倒壊はなかったが内部壁のひび割れは相当な数にのぼったと想像されます。
ただ、倒壊はゼロでしたと言っても内部のヒビについて言わないことは違反でも何でもないですから、その
ことでウソをついたことにはならないでしょうから「モノは言いよう」です。


トップページへ戻る






コラム711 2014年10月24日

ツーバイフォーの耐震化

 阪神大震災の時にはハウスメーカー、特にツーバイフォーメーカーが、「木造は壊れた、ツーバイは一軒
も壊れなかった」と大々的にPRをしました。しかし、このときも比較の対象があまりにもひどすぎると批判を
受け、つぎの地震のときからはそのような表現は見られなくなりました。

例えていえば、高校陸上部の男子と70歳一般人の競争みたいなものでその開きはあきらかに高校生に
あるのと同じことをやったのです。もし、ツーバイが木造と同じ時期に建っていたら勝負はどちらに転げた
かわからなかったはずで、当時の合板精度から言えば地震以前に合板寿命で自滅した可能性だってある
のです。

木造の建った時代にはツーバイは輸入されていなかったし、もし同じスタートラインに立てば木造住宅のほう
が勝ち目があったと考えてもおかしくなかったのです。
情報と言うのは怖いもので最初に発してしまえばそのインパクトは強烈で、つぎに内容を訂正してもすでに
入力されたものは一人歩きをしてしまうもので取り返しがつかないのです。

この「地震に強い」と言われているツーバイですが、現実にはさほどでもありません。その理由は構造を見れ
ば分かるのです。
分かりやすく説明すれば、頭の中に「田の字」を描いてみてください。田の中に十字の区切りが出来ていま
す。これが弱点になります。

現場で施工されるときは田の字のまわりは構造用の合板でがっちり釘打ちされて動かないようにしていま
すが、中身の十字の部分は構造用合板は使われていません。スタッドと呼ばれる補助桟と石こうボードだ
けで(中にはGウールが入りますが)壁が構成されています。スタッドを両面から石こうボードで挟んでいる
格好になり外周のように耐力壁ではないのです。

つまり、カブトムシのように外骨格は丈夫だが中身はふわふわということです。

これが面積が小さいうちは良いのですが大きくなればなるほど外周と中身の耐震バランスがかけ離れて
きて地震に強いとは言っていられなくなります。
単純に中身も構造用合板を使えば済むことだと思いますが、色々と支障が出てきてしまいます。
そこでその弱い部分に耐震部材をセットしようと言うことに流れがなってきました。

木造業界からこのような点を突っ込む人はいませんからツーバイ業界にとってはとてもありがたいことで、
「さらにパワーアップしました」とか良いほうへ引っ張っていく宣伝素材にさえしています。何のことはない
何とかこの弱点をカバーしておかないと規模の大きなものほど不利になると彼らはわかっていたのです。

耐震の考え方は重心を偏らせないことと、ショックを柔らかく受け止めることです。
この点から言うとツーバイも今の木造の面材を使用した耐震壁も「柔らかく」という部分に反してきます。
行政も硬いことは良いことだと(数字評価できるから)判断していますが、そんな行政が考えるほど地震の
揺れは甘くはありません。

硬いということは開口部があればその隅に地震の崩壊力が集中して、いざと言うときにはそこから破壊が
始まります。ゆっくり揺れる地震ならさほど影響はなくても急にガツンとくるものには他が動いてない分まで
開口部の隅に力が集中するのです。それよりも全体を柔らかく動かせるようにして一点集中を起こさないよ
うにしたほうが、「トクダワラ」部分が持ててもう一歩と言うときに威力を発揮します。

揺れるということを悪のように考えがちですが、破壊力を柔らかく受け止めるという意味では優れていると
思います。このようなことは行政が評価しませんが、昔の家はごく自然にこれらをやってきました。

代表的な建物は京都清水寺の舞台下です。あそこには面材もスジカイも一本も入っていません。
タテとヨコの木の組み合わせとクサビだけで構成されています。行政の「良いと言われる理論」ではこの
建物はとっくの昔になくなっています。

最近の地震に対する考え方は、建物も頭も硬くなり過ぎています。


トップページへ戻る






コラム710 2014年10月23日

インスペクターという制度

 アメリカでは住宅を建てる場合、まったく利害関係のない第三者が「監理」をするという制度があるそうで
すが、これを日本でもやってきちんとした家を建てられるようにするということになり、普及に力をいれている
ようです。しかし、この制度の良い所はわかるのですが建築士という資格を持った人がやることで費用もか
かるとなかなか普及していません。

事実、市中の現場を見ても会社の現場監督を見るとこはあってもこの第三者監理(インスペクター)を見る
ということは私の経験からもありません。それはまず第一に建て主さんの意識がそこまでいっていないという
のが本音だと思います。

制度の目的・効果としては確かに良いものであると思いますが、これらはあくまでも書類どおりに作られて
いるか違反はないかということだけであって、今の満足できないような空気環境しか規定していない現実
を見れば、所詮無駄金ということでしかないと思っています。

仮にインスペクターの方がその点を突いてきても、書類上のことでは一切瑕疵はないのですから言われた
業者も修正する必要はなく現場は着々と書類どおりに作られていくものと思います。多分、気付いていても
書類にないような余計なことは言わないと思いますが。

ケースによっては正直に提言したインスペクターが逆に訴えられることもあると思います。そんなリスクを犯し
てまで他人様の健康を気遣うかといったらノーでしょう。ただ、ビジネスとして淡々とチェックしていくだけだと
思います。

☆☆☆☆マークが出来てしまったため怪しいものでも堂々と売られ・使われることが可能になってしまい、
そのため、疑うことさえ「しない・できない・されない」環境が整ってしまったのです。

どこまでいっても本当に救われない状況はこの住宅業界のガンと言っても言い過ぎではないと思います。
食品のように作り育てる所を見ないと分からないものではないのですから、建築資材はちょっと力さえつけ
ば見分けがつき、分析器にかけるまでもなく自分で判断が出来ます。

法律が身を守ってくれる時代ではなくなりました。いままでも守ってはくれませんでしたが・・・


トップページへ戻る






コラム709 2014年10月22日

配慮しなければならない点

 家を建てるとき、自分の事ばかり気にとられていると周囲の家とミスマッチすることが多々あります。
一番多いのが日照ですが、窓の配慮もしなければなりません。特に今は隣家との境に木を植えるなどの
「目隠し」になるものをやるスペースが少ないのが現状です。お風呂は目隠しルーバーを付けることで防げま
すが、意外と脱衣場には設けません。後の家は南側が大きくとってありますから夜にお風呂に入るときなど
電気をつけていればいやでもシルエットが見えてしまいます。

北側以外にもあります。家の間隔は南北よりも東西のほうが接近しています。どこの家を見てもそうですが
となりには手を伸ばせば届きそうな距離のとり方をしています。1Fならこちら側は居間、あちら側は寝室、
2Fなら子供の部屋と寝室とかバッティングしてしまいます。

そこで窓の位置が同じなら目と目がばっちり合ってしまいます。ロミオとジュリエットならいいでしょうが、
お隣さんとなるとアイコンタクトはなるべくは避けたいところです。
特に後から建てる場合には自分が注意すれば避けられますが、あちらさんが後から建てて「こんにちは」と
なってしまうとストレスになってしまいます。

防火の上からも同じことが言えます。このこんにちは状態になっていると、どちらかの家から火が出た時に
もし雨戸を付けていなかったら(閉めていなかったら)一発で火が入ってしまいます。それがペアガラスであろ
うとワイヤー入りであろうと余り大差はありません。

いまは外壁は見るからに高そうなものにして、雨戸もつけないような家がたくさんあります。これは明らかに
予算配分のミスをやっています。本物のタイルですと「売り」にしているメーカーもありますが、肝心の雨戸が
ないようでは配慮したとはいえません。

周囲の配慮ばかりではなく自分の所のアクシデントにも注意しなければなりません。ここの地区は春先に
湿った重い雪がたまに降ります。そのときに太陽光の設置に片屋根ということになると、雪の滑り台を作っ
たようなものでどどどっと雪崩状態が起きて屋根全面に乗っている雪が一度に落ちてきます。
もし、ベランダなどに人がいたら命に関わるような事態になることさえあります。

「たら・れば」の話しかもしれませんが、通常の屋根だったら助かったかもしれないと言うことだってありうる
わけです。2Fの場合はこれに加速度が加わるのですから平屋の二乗倍くらいの破壊力になります。
真下が駐車場であれば愛車はボコボコかペシャンコになっているでしょう。どちらにしても想定できること
ですから、最初に考えておくことは必要です。

秋田地方に行くとそういうことは良く考えられていて、どこに雪を落としたらよいか、生活に支障が出るのが
少ないかを配慮されています。年に一・二度であっても対策が必要なのは同じです。

最近の片屋根を見るとそういった配慮はなされていなかったのだろうなとつくづく思います。


トップページへ戻る






コラム708 2014年10月21日

多く見られる片屋根

 最近の住宅が変化してきたと思うのは屋根にあります。庇を出さなくなったのは少し前から見ていました
が、その他にいやに片屋根が目立つようになって来ました。どうもこれは太陽光発電を載せる計画がある
ようで、その下準備として設計されているようです。

今までの住宅屋根としては切り妻・寄棟が多かったのですが、寄棟はどの面からも屋根が上っていってい
るので切り妻よりも受光面積が小さく不利でした。切り妻にしても棟を中心に南半分だけが有効なだけで
北面は設置不可でした。

その点で最近の屋根の形を見ていると何となく納得できるのですが、その北側に位置するお宅は以前よ
りも日当たりが悪くなってしまうこととなります。建築基準法があったとしてもそれは日照まで保証するもの
ではなく、合法でも北側の家(1F)はほとんど日が当たらなくなってしまいます。

現実、我が家は冬至のころには前の家が建て替えをしてからは(片屋根ではありませんが)一階の茶の間
にはほとんど日が入らなくなりました。非常に生活ストレスが溜まりますが違法なわけではないので苦情も
言えません。
相手方が最初から建っていたなら諦めもつきますが、建て替えでこちらが新たに日陰になったときは別で
「失ったもの」という感じがとても強くなります。

これからは人口が減っていき、土地の値段も安くなっていくでしょうから、ぜひこういったケースを想定し
皆さんも土地探しは充分に配慮してもらいたいと思います。


トップページへ戻る






コラム707 2014年10月20日

田舎の事情A

 その地に生まれ育ち・または10年以上住んだことのある人は、これら調整区域であっても家を建てること
ができるようになりました。この緩和措置で随分と建築条件がゆるめられ、お嫁に行った人でもその権利
を行使できるようになり、実際に家を建てている人もたくさんにいます。

農業振興(農振)地区というのは、字の如し、農業を振興させるためのものであって、たとえ農業を営んで
いる親から生まれても、他へ嫁いで行った人は別の家族を作るわけですから特別扱いは不公平だと思って
いました。事実、我々商売をしている親から生まれたものは同じ地区で同じ学校へ行っていたにもかかわ
らず、自分(親所有)の敷地であっても建築認可が出ませんでした。

私はこれらを人種差別だと言ってきましたが・・

世の中にはそれでも股の下をくぐって悪いことをするやつはいるもので、次男三男の息子や嫁に行った娘
さんの名義で家を建ててほとぼりが冷めたら別の人に売ってしまうというケースが多くみられ、それでは
余りにもひどいだろうと問題になりました。

通常なら家が建たない道路沿いでも商売をするという名目ならOKという条件もあって、小さなお店を経営
するという名目でそれらしきお店風に作っておいて、数年したら経営が成り立たないので廃業しますと言い
通常の部屋にしてしまうという手口もありました。

きつねとタヌキの化かし合いみたいなことが長く続き、行政もその都度縛りをきつくして乗り切ろうとするの
ですが、そこは民間の知恵のほうが上回っていて後手後手になっていました。どうせなるならそんなこと
をせずに堂々と建てられるようにしてしまったほうが良いのでしょうが、そこは行政のメンツもあって上記の
ような措置になったのでしょう。

その調整区域でまったく農業に貢献しない人たちが家を建てるということは、他所から来た人との差を何と
解釈するのか、いずれにしても「人種差別」は解決しないし、ゆっくりと農地は減り続けているのです。
もともと、この制度が出来たのはどこそこにとめどなく家が建つのを防ぐ目的で、行政の効率化という名目
がありました。

人口のどんどん増えていった時代には有効な策のように見えましたが、今では逆に減る始末。抑制しなけ
ればならない状態からいかに増やしていくかを考えなければならなくなったのは皮肉と言うべきかもしれま
せん。

秋田あたりだと、都会に出て行ってしまった相続人が権利を放棄し、それの尻拭いを行政がやらざるを得な
いという事態になっていると聞きました。人が減るというのは新たな問題が発生することにつながるというこ
とですね。まだ買い手がつくような土地ならいいでしょうけれど、お金をかけても売り先が見つからないような
地域だったら元も取れないでしょう。

どこか、FCチェーン店舗が全国展開して頭打ちになったときのような状態に似ています。


トップページへ戻る






コラム706 2014年10月18日

田舎の事情

 昨今の少子化問題は政治の世界で盛んに議論されていますが、どうもやることが理論だけで解決する
ような簡単な問題ではないのにズレたことばかり言っています。

この田舎においても長期的に見て高齢化による畑仕事の継続が困難になって耕作放棄をする農家が
出てきています。私が生まれた1950年ころには大勢の子供がいて長男は家を継ぎ二男三男は分家だの
婿さんに行っただの、今とはまったく事情が違っていました。

そのころ、特にこの辺は大規模農家ではなかったので、一戸あたりの耕作面積が食べるには狭すぎると
いうケースが多く、親だけが畑を耕作して息子たちは普段はお勤めに出て繁忙期だけ手伝うという形が多
く、そのようなパターンで生計を立てておりました。
それがまだ同居しているケースならその家も住み続けることが多いですが、別の敷地に家を建てて暮らす
人も多くいて、その場合には親が亡くなるとそこだけが住人がいない廃墟状態になります。

後継者といっても普段お勤めに出ている人は専門業ではないために、その耕作地を引き継いでやる人ばか
りではありません。手をかけられなくなった土地は、同じ部落の比較的若い(といっても30代40代の人では
ありません)農家の人が代わりに耕して以前と同じように作物が作られています。まだこれは良いケースで
耕作地そのものを放棄してしまう人もいます。

手をかけなければいけないことはわかっていても、費用のことを考えると自分の住まいと親の建物・耕作地
まではとても無理という人も多く、草ぼうぼうということになってくるのです。
今の時代、解体するにしても母屋と物置(蔵)をあわせると200万円くらいはかかってしまいます。それらを
考えると簡単には踏み切れずにいるのが現実です。

売却するにしても更地にしてからでないと売れない、しかも市街化調整区域で買い手が限定される上、売値
が安いとなればなおのこと踏み切れないのは理解できます。農地売却はもっと難しく相手も農家で耕作権を
持っている人でなければ売れません。今時、土地を買ってまでやるという気奮のある人はいませんからさら
にハードルは高くなります。

当時、住宅ブームで造成された団地で最近ポツポツと歯抜け状態が見られますが、田舎の調整区域だって
もっとひどいのです。


トップページへ戻る






コラム705 2014年10月17日

九州電力ショックA

 高値買取りの仕組みを考えたのも官僚であり、その差額をいやおうなしに我々に細切れにして降り掛け
ようと決めたのも官僚です。議会がそれを可決したのだからと国民全員が了解したものと決めてかかって
いるのもこの仕組みを考えた官僚です。

一戸当たりわずか数円の負担ですと言っていたにもかかわらず、やがて300円近くの負担になろうとして
います。これってまるで詐欺です。消費税の負担のときもそうでした。

その考え方は「茹で蛙」方式で、最初はぬるく、徐々に上げていって目的の金を搾り上げるといったさも国民
に配慮しているかのようなやり方です。

私はもともとこの国民(需要家)全員負担をさせること自体がおかしいと言ってきました。しかし、そんな反対
をされるのは計算どおりかのように屁のようにかわしました。へたなパブリックコメント募集作戦をしておいて
その結果はおおよその国民の合意は得られたという筋書きです。PCを扱えない人はカヤの外です。

たしかに施工(設置)する人が少数の場合は上の理論で間違っていません。しかし、これらの比率が10倍
100倍1000倍になったら物理的に増加していくわけです。それでいてこのパンク騒ぎですからいいかげんに
しろと言いたくなります。

電気の世界をぎゅうじっているのは電力会社でありバックは国です。ここへ民間力が加わってきて勢力の
関係が崩れれば誰が困るかです。当然、電力会社です。バックの国は痛くも痒くもないでしょうが、しわ寄
せは100%民間にきます。上りかけたハシゴを外されたら誰だって怒ります。
これからはこの手の集団訴訟も出てくるでしょう。

送電線の能力をあげれば(つまり増設すれば)済むことだとわかっていますが、それはやらないでしょう。
原発事故の前までは現状でほぼ足りていたのに、その後にこういうことが起きたのですから大きくコストの
かかることを積極的に電力会社がやるでしょうか。それはノーです。

電力会社の発電量をコントロールすることもやらないでしょう。やれるのだったら夜間割引までして昼との
バランスをとる必要はないはずです。他の国では夜間発電はぐっと落として昼夜のバランスをとっている国
もあるそうです。なぜ技術立国の日本で出来ないのか不思議です。

それと他の問題は、発電した所に近い場所で消費するといった地産地消をやられたら一番困るのは電力
会社です。今のところはすべての電力量を買い取り配電する形を維持しているから呑気でいられるのです
が、本当に電力自由化をやられたら価格問題さえなければ地産地消の方が勝ちます。たとえ裁判を起こ
され、電力会社がペナルティーを払わされたとしても馬鹿でかいコストをかけることよりもキズは小さくて
済みます。つまり、この局面では買取り保留でしのいだほうが一番好都合ということになります。
ということは現状は何も変わらないし、発電・送電分離も送電線増設も絶対やらないということです。

一昔前、都合の良いように図面を書いて解体・建替え・裁判の社会問題まで起こした設計士がいました。
都合の良い作文だけ書いて(エサだけまいて)その結果集まりすぎた魚を酸欠死させたようなものですか
ら似たようなものでこの罪は大きいです。

一般住宅においては余剰電力を売るという形式になっていますから数字的には大規模メガソーラーのよう
な影響力はありません。結果として高い発電コストのものを自家消費させて余った分は買ってあげるといっ
ているのですから、その家としては高いものを食べさせられているといったことと同じことです。

こんな理由は販売する側にとっては関係ないことで、自分に有利な運びになるようにセットの販売はなく
なることはないでしょう。エコだエコだと言うだけで陰に隠れた不利な情報は相変わらず出ていません。
流れとしてはもっともっとKWの稼げる大型のものに売り営業がかけられています。
パワコンという交流変換機が10年未満で壊れるような寿命でエコなんてとっくにどこかに吹き飛んでいる
のにです。
おまけに、最近のネット広告には「20年壊れないパワコン」と称してさらに売込みを計っている会社も出て
きました。
それ見たことか、前から言っていた交流変換機が短寿命であることを証明したようなものです。


トップページへ戻る






コラム704 2014年10月16日

九州電力ショック

 ここのところ、電力の買取り保留が話題になっています。主にメガワットクラスの大規模発電をする再生
可能エネルギー太陽光発電を指します。住宅用の10kw未満の規模のものは対象外です。

ネコも何とかも・・・と騒がれている再生可能エネですが、こいつは儲かるとなると企業やファンドも出資し
ここひたちなか市内でもあちこちに地べたに設置された大型の発電パネルが見られるようになりました。

ドロボーから見ればお宝がゴロゴロその辺に転がっているように見えるでしょうが、その点は心配ないの
でしょうか。それはさておき、これらのパネルで発電された電力はほとんどが電力会社に売る目的で設置
されています。

もちろん、太陽光で電気を起こすのですから昼間に限定されます。その昼間に作られた電気を送電線に
乗せるのも昼間ですから電車に例えて言えばお昼時のラッシュアワー帯になるわけです。
限られた電線に乗せられるのは電車と同じく上限があるので乗り切れなくなりパンクします。

そこで電力会社は買取りの中止せざるを得なくなり「空いている電車にお乗りくださるようお願い致します」
そうすると乗客が「約束が違う」と怒り出します。そうなんです。混んでいようがいまいが時間帯が同じなの
ですから自分の設定では計算上の収入が得られなくなるので不平をブツブツ言います。

別の時間帯に買いますと言われてもそう都合の良い時間にだけ発電できるわけではなく自由性は殆ど
ないと言ってよいものです。高値で買い取るからビジネスになると思って参入したのにそれじゃ話しが違う
わけです。文句を言うのも当然です。

一方、設置してしまって行き所のなくなった電気はどうするとなり、それじゃあ仕方がないから貯めるしかな
いだろうということになります。これでまたお金がかかり蓄電設備を供給する会社が儲かることになります。
そうなると皮算用は計算どおりに行かなくなり、こうなった責任は誰がとるんだとなります。

ものには何でも限度があり、送電線とて二倍も三倍も供給できるような容量にしておくには初期のコストが
かかるわけですからそのような余裕は持たせてないはずです。それは分かるのですが、そこまでして電気
を乗せなければいけないような仕組みにしてしまって、乗れないからアウトですというような始末になるのは
片手落ちと言わざるを得ないのではないでしょうか。設置者が怒るのも無理はありません。

消費者といっても建て主さんが屋根の上で発電して余った電気を売るだけならこんな心配などないので
しょうが、ボリュームが違いますからね、メガ・ギガというのは。
まだまだ後続組がいるのに今がこれではどうするのでしょうか。


トップページへ戻る






コラム703 2014年10月15日

部落内の新築工事

 私の生まれた馬渡地内も大分世代交代になってきました。住まいもかなりの年月が経過し、ぽつぽつと
建て替えをするところが出てきました。
もともと、私の店は他からの転入者でかれこれ65年ほど経っているのですが、歴史ある部落内の方々か
ら見ればまだまだ「よそから来た人」と受け止められているようで一部の人を除いては私らの入る余地は
少ないと感じます。

地元の大工さんの高齢化の廃業等もあり、次々と町医者的な大工さんが消えていっています。
かろうじて親戚などに大工さんがいればその人に依頼するということはあるけれどもそれは非常に稀なケ
ースです。そうなると、そこに住んでいらっしゃる方も依頼先がなくなり自然とハウス展示場などに足を運ぶ
ようになります。

そういう流れに乗ると好きとか嫌いとかいうことすら出来ずに相手方の建築方法で建てることになります。
ちょうどいま部落内で建てている現場もそんな感じのする家です。かなり面積も大きな建物ですが、気にな
るのはその資材です。

先日、たまたま通りかかったところ石こうボードを山のように積んだ4tトラックが入っていました。
「ははーん、やはりそうか」とため息が出ました。そういった素材が搬入されるということはどのように仕上
げられるか見なくても分かってしまいます。

「ここの人はどういう家造りの勉強をしたんだろうか」 「いまの家造りに疑問を持たなかったのだろうか」
「安く上げるための素材選びに危険は感じなかったのだろうか」と余計な心配をしながら通過しました。
所詮、よそ様の家なのですから余計なことなのですが、それでも行く末を案じないわけにはいきませんで
した。

4t車ということは4山は軽く積みます。単純計算でも400枚は超えています。あくまでも想像ですが、これ
だけのボードということはほとんどの壁・天井がクロス仕上げということになります。それはそれは考えた
だけでも気が遠くなるような枚数(面積)です。

工事が終わったときのニオイはたまらないでしょうね。私は今からそのニオイが鼻の先にツンときて息を
吸いたくなくなります。
お断りしておきますが、私はクロスを絶対的な悪だとは思っていません。ただ、人間の住む居室空間には
向いていないとはっきり思っています。

素材と揮発物質を考えたらどんな内装にすべきかを提言したのだろうかとこの業者の意識を疑います。
☆☆☆☆マークだからと何の疑いも持たなかったのでしょうか。だとすれば余程何も考えていない業者
なのだろうなと思いますね。

和室の塗り壁だってあるだろうと思いますが、それはまずないでしょうね。だって、建てたときには化粧に
なっている柱は見えませんでしたから、百歩ゆずってあったとしても後付の柱が施工される和室のような
ものであると思います。一発仕上げの漆喰でも塗られれば良いですがそこまではいかないと思います。
これはあくまでも予想なのですが、予算優先なんだから壁のように見えるクロスを貼ることになるのでは
ないでしょうか。


トップページへ戻る






コラム702 2014年10月14日

二週続きの台風

 大きいという前触れの台風でしたが、夜中の通過ということもあって何度か乳飲み子に起こされながらも
風の様子を気にしていましたが、前回以上にはならなかったようで朝起きてみたらモノが吹き飛んでいた
様子もなく一安心でした。

上を見ると、またアンテナがさらに廻されていて本来北北東に向いているはずのものが前回90度強風で
右に振られ、今回またさらに60度ほど廻されまったくの南を向いていました。
やはり、神様はうまい具合には戻してくれず、もうすこし意地悪をされたようです。

アンテナを上げたときは充分に締め付けたつもりなのですが、60歳を過ぎて施工したものは筋力の低下
もあるのでしょうか、若いときのようにはいかずに完璧ではなかったのかもしれません。
また近いうちに安全帯をつけて電柱に上っていくことになりました。

今回、自宅のほうは大したことはなくてよかったですが、進路によっては同じ勢力でも被害の出方が違うの
で事務所のほうが心配でした。19号はやや山側を通過したとみえて、こういった場合には私らの工場や
資材置き場は南面に対してオープンになっているのがほとんどで雨風の吹込みがもろにきます。

工場の製材機械も雨のしぶきがかなりかかったようで今朝チェックしたらうっすらとサビが出ていました。
サビの原因は雨ばかりではなく、湿度の高い南風が吹いたときも機械の鉄の温度が低いため結露し、同じ
ような状態になります。早めに機械を動かし油分をつけてやれば問題はありません。

事務所の道路側の壁面から雨漏りがします。北東の風が強いと毎回湯沸し用のキッチンの窓上からポタン
ポタンと落ちてきます。これがお客さんのところなら大変なクレームになるところですが、我が事務所はお隣
の大工さんがやったもので常用(一日いくら)手間でやってもらったこともあり近所でもありなかなか苦情を
いうことが出来ません。

まあ、腐りの心配はあるものの、建物が参るのが先か、こっちが先にあの世に行くのが先か比べっこして
様子をうかがっています。


トップページへ戻る






コラム701 2014年10月11日

またやるのかな?

 何かすごく規模の大きい台風がまた来るらしいですが、今の予報はかなり精度が高いからまた当たって
しまいそうです。私が趣味でやっているアマチュア無線のアンテナもかなり受風面積が大きいので、前回
の18号でも90度回されてしまいました。その修正をしなければならないと思っていた矢先にまた19号と
いうことなのでうまく元へ戻ってくれないかなと思っていますが、神様のお取り計らいはそうは甘くはない
でしょうね。

 先月の末で木材利用ポイントの申請条件である着工日のひとつの区切りが過ぎました。
400億以上の予算をかけた問題多き補助制度でしたが、その消化具合も当てが外れたように予算余り
状態になっているようです。

キャッチフレーズに「その木どこの木?」とまで言っていたのに外国産もほとんどOKとなり、その意味も
遠のいてしまった感がありますが、肝心の余ってしまった予算の行方はどうなるのかそっちのほうが興味
があります。
9月で集計した8月末のデータでは7割弱という数字が出ていました。このままでいくと現実にはかなりの
ポイントは未消化ということになり、民間の会社なら担当者はどこかへ飛ばされるかも知れないような
予想外の結果になる模様です。

それでも、官僚の生活は揺らぎませんからどうということはないでしょうが、一応「君、だいぶ結果が違う
じゃないか」というお小言ぐらいは出て欲しいと思います。

問題は、一度これだけの大盤振舞いをやってしまうと「来期」はどうなるのかなということです。想像ですが
多分またちょっと内容を変えて何かしらをやるでしょう。過去の原発推進の運び方もそうでしたけど、I Tを
フルに活用して「パブリックコメント」なるものを募集して、仲間内だけで「よかった、またやってほしい」と
賛成意見を有利に

ただ、やるのでしたら目的が森林事情の改善(シェア復活)なのですから、それなりの現実的効果が出る
ように企画してもらいたいものです。
みなさん頭の良い方が揃っていらっしゃるのですから、外国からふたたびクレームが出ないような作文を
作っていただいて、その上で国産材が復活するようなウルトラCを考えていただきたいと思います。

今回のイベントをを見た限りでは国産材のシェアをどれだけ上げられたか大分多くの疑問符がつく結果と
なる模様ですが次にやるときはその辺はうまく立ち回って欲しいと思います。
民間ならあくまでも結果がものをいいます。これだけの予算をかけて「やってみたらダメでした」では一度
は許されても二度やると馬鹿だと言われ左遷されます。

データが把握されなければ次なる手は打てないはずですから、今回の教訓をもとに是非ともそれはきちん
とやって欲しいと思います。


トップページへ戻る






コラム700 2014年10月10日

住まいとしての基本要素

 車の車検等で求められるのはタイヤが磨耗しすぎていないか、きちんとブレーキが利くか、ライトは切れ
ていないか、方向指示器は正常か・・など対外的な危険を防止または意思表示できるようにすると言う点
でチェックがされます。したがって、エンジンの出力が落ちたとか車体がサビて格好が悪いなどという面は
関係ありません

 住宅も本来ならばこのように考えられるのが筋なのでしょうが、現代ではデザイン性・省エネ性能・
高気密・高断熱性能など目の向く先が違ってきていて考え方そのものが「すてきな商品」を選ぶ感覚に
なってきています。木造と言いながらその内装にはクロスなど調湿作用のない仕上げであり、デザインを
優先して外部にわざわざ木を使ってみたりとまるで逆のことをやっています。

どの業者を見ても競い合うように見栄えを良くし「きれい・早い・簡単」に作れて儲かるものに傾いていって
います。そこに隠れている負の情報はほとんど発信されません。果たしてこいうものに生命を預けて良い
ものでしょうか。

 ナイチンゲール看護論という本があります。
この本には、人間が生きるために一番大事なものはなにか・・・それは空気だと書かれています。
確かに息が吸えなければみんな即、死んでしまいます。今の住宅は窒息しないまでもその空気が健康で
生きるに値しないようなレベルであることに殆どの人が気づいていないのです。

そんなバカなと思うかもしれませんが、まわりの使用建材を一つひとつ見れば自然物で出来ているか
工業物なのかは見分けがつくと思います。工業物にはほとんどが石油系の樹脂・接着剤がからんでいま
す。接着の原理を考えるとどろどろした柔らかいものが対象物の中へ浸透していって、次に柔らかくしてい
る成分が揮発してカチカチになり接着という工程が完了するのです。

これらは接着するための架け橋になるものだから「架橋」と言われています。耐水性接着というのは
固まったらその後は水を受け付けないものだという意味で「濡れても剥がれません」と言っているのです。

耐水性でないものは固まったあとも水に濡れると組織の中へ染み込んでいって柔らかくなってしまうから
やがて剥がれてしまうわけです。障子の紙を貼るノリのようなものはこのタイプですから霧吹きで水をかけ
るとぺらっと取れるわけです。耐水性のものか非耐水性かはこの違いなのです。

横道にそれましたが、この架橋が固まったからと言ってぴたっと揮発が止まるわけではなく、その後もじわ
じわと発散しているのです。
これが化学物質過敏症を引き起こす大きな原因で、ホルムアルデヒドだけのことではありません。

物を作るための物質一つ一つは違法でも何でもありません。知恵の集積として作られたりっぱな製品なの
ですが、要はそれを利用する側の知恵と意識の問題なのです。
こういった人間の知恵で作られたもの(使われているもの)が便利さと引き換えに悪さも引き起こして
いるのです。その危険要素が分からないと何を言っても(聞いても)その先が読み取れないのです。

中国産の食品で農薬に敏感になっている人はいますが、これと同じくらい住宅にも配慮が必要なのです。


トップページへ戻る






コラム699 2014年10月09日

理論で作られた住宅と矛盾点B

 省エネとかエコとか世間ではいろいろ理屈をつけて売上を伸ばそうとしています。しかし、根本は全体の
比較をしなければ判断できないはずです。何を以って省エネ・エコというのか、アフリカの裸足で暮らして
いる人と生涯消費エネルギー量を比べたら100%負けています。

たしかに「エネルギー効率」を高めることは良いことです。身近なことでいえばハイブリッドのプリウスです。
リッターあたり35kmとか言われていますが(実際に走れるのは26kmくらい)これも単なるエンジンだけで
走行距離が改善されたのならすごいと思うのですが後部座席の下にすごい量のバッテリーを積んでいま
す。
これらの「作るためのエネルギー」は換算されたのでしょうか。何年くらい耐久性があるのでしょうか。
また廃棄する時のことは問題ないのでしょうか。
今までとは違った量のバッテリーを作るのにかかったエネルギー量も半端ではなく、何もなかったはずは
ありません。

話を住宅に戻しますが、これらの省エネ・エコ・ゼロエネなどは各省庁・住宅メーカーでバラバラなことが
やられています。太陽光発電・エコキュート・24時間換気・火災警報器・オール電化と電気自動車・・・、
一見良いことのように思われているものは本当に良いものなのか考えてみるべきだと思います。

プリウスと同じ考えで、太陽光発電は設備を作ったエネルギーよりもパネルで発電するエネルギーの方が
大きいのか。エコキュートも自分が消費した製造エネルギーより大気中の熱を集める装置のほうが直接
消費するガス・電気エネルギーよりずっと上まわるのか。24時間換気であらゆる生活パターンがカバー出
来るのか、自分が息苦しくないのか。火災警報器を設置することより毒ガスを出さないものを使わせたほ
うが良いのではないか・・・などなどです。

青色発光ダイオードLEDの発明でノーベル賞を受けた人がいます。これらの研究は確かにすごいことです。
しかし、いくらLED照明が良いものだからと言って今までの使える物まで捨てて切り替える必要があるの
でしょうか。こぞって名前を売るかのような「私のところは省エネに貢献してます」と言い放っています。

外された「まだ使える蛍光管」はどこへ行くのでしょう。
こういうケースは「もったいない」と言わないのしょうか。


トップページへ戻る






コラム698 2014年10月08日

理論で作られた住宅と矛盾点A

 行政の考え方は目の前にある問題だけをAからBに移せばそれで解決したと思っているところがありま
す。またそういう考え方で認可されたやり方をしていればハウスメーカーも楽であり、根本的な解決はなか
なかしていないのが現実だと思います。

新建材やクロスを多用した部屋での空気環境は依然として良くなっていません。臭いニオイは元から断た
なきゃダメと言われます。でも国の考え方はそれをやると経済的混乱をきたすとしてその部分だけを解決し
ようと別の設備を使わせ余計なお金をかけさせます。

その例として24時間換気があります。この仕組みは部屋の容積を計算し一時間につき約半分の量を換気
扇で強制的に入れ替えるというものです。ここでおかしいと思うのは換気するくらいなら発生するものを使
わなければいいと思うのですが、そうすると国内の建材メーカー・製造業者が大打撃を受けるのでやらない
のです。

これも行政が考えた数字のマジックで、さも強制換気によってものごとが解決されるかのように受け止め
られがちです。しかし、これによって内部の空気環境はほとんど変わりません。よく考えてみてください。
常に内装建材等から揮発している物質は部屋に充満しています。そこへ吸気と排気の枠を設け機械で
吸い出す(吐き出す)ことをしてもピストンのようにきっちりと半分の量を出せるわけではなく、ちょろちょろ
と入ってきた分が出ていく分に流れていくだけで理想の計算どうりには薄まらないのです。

考え方として、それじゃもっと強く換気すればいいのではないかとも思います。しかし、こうやるとせっかく
の暖めた空気が短時間で逃げていってしまうことになるので適していません。そうなると今度は熱を逃がさ
ない方式を考え出すのです。それが全熱交換方式です。

外から入ってくる空気は(冬は)冷たい、中から排出する空気は暖かい、これらを熱交換器で温度だけ
変化させるのです。夏はこの逆でエアコンの冷えた空気をそのまま捨てないという意味で作動させます。
基本的には一階に一つのセットが必要で二階と共用することは無理があり出来ません。

このセットはダクトが家中(該当する部屋全部)にはりめぐらされます。熱を交換するところを心臓部に
排気と吸気のダクトが必要です。

この設備は単なる数十ワットの換気扇で行なう2種3種とは電力消費が大きく異なり、設備のボリューム
そのものが大きくなります。当然金額も大きくなります。この設備の欠点は汚れ始まったらメンテナンスが
大変だということです。吸気も排気もまったくきれいな空気ではないので徐々にダクトに汚れ物が付着し
ていきます。機械も永久的に回り続けるものではないのでいつかは壊れます。

お掃除と設備の更新が必要であり、そこまでして設備をしなければ生きていけないのかと思います。

単に揮発物建材を使わなければ済むことで、冬だってちょっと窓を開け換気すれば良いことがこんなに
複雑な設備を使わなければいけないような本末転倒の建築基準法になってしまっています。基本的に
窓はあっても任意で開け閉めしなければならないからデータとして表記できる換気にはならないと考えて
いるらしいです。住宅にはよほどアホな人間が住むと思っているのでしょう。


トップページへ戻る






コラム697 2014年10月07日

理論で作られた住宅と矛盾点

 今の住宅は基礎まで断熱し温度管理をしてしまうものがあります。推進者は暖房効率を上げてヒート
ショックをなくしエコな住宅を目指すと言っています。その裏には機械力を使って屋根付近で温められた
空気を床下まで引き下ろしてきて基礎コンクリートを暖めて、その暖めたコンクリートからさらに各部屋に
暖気を送り込むといったものです。

その目的を達するにはまず家中がポットのようにそっくり保温状態になるように断熱材がはりめぐらされ
ます。もちろん基礎を暖めるのですから基礎コンクリートの下にもがっちりと断熱材が敷かれます。
これは当然ながら外の世界へ触れているところですから自然界の虫などにも接していることを意味してい
ます。

こういった方式はどこかに一度蓄熱をしてそれをまた引っ張り出して部屋に供給するというやり方をします。
蓄熱する場所が基礎コンクリートならその外側に断熱材をめぐらすことになりますから上記のように断熱
材が自然界に触れるようになるということです。

これが床部分から上が断熱される領域とするならば床下と基礎は外の世界と同じになるわけですが、
蓄熱する場所をほかに設定しなければなりません。
この辺のところが各業者(考案者)の施工方法の違いとなってきます。

話しを元に戻して、基礎を暖める方式はコンクリートそのものに熱を蓄えさせるのですからこの熱が外界
へ逃げていってしまわないようにしなければ何もなりません。そのために断熱材でくるむのですが、ここで
理論どおりにいかないことがおきます。

外の世界にはいろいろな虫がいると言いましたがシロアリもその一つです。この種の虫は自然界の中で
大事な役目をしている虫で倒木や残木などを喰って別のものに循環させています。シロアリそのものも
ほかの天敵のえさになりその栄養源を供給する立場になっています。

誤解してはいけないのは、これらの虫は自然界ではごく自然に「循環作業」をしているわけでそこにいる
限り害虫ではないということです。そのように判断するのは人間側から見て都合が悪いからで、彼ら(虫)
からみれば当然の生きる行為であるわけです。

これらの虫が生きるために活動し、当然ながら人間の作った断熱材の直下にも来ます。そこで彼らは勢力
範囲を延ばすために当然のように(自分たちの仲間が大量に死なない限り)断熱材を喰い進みます。

断熱材はポリスチレンフォームで出来た空気の層ですから死ぬことはなく非常に簡単に突き進むことが
出来ます。そのためにハイスピードで基礎から木材部に到達できるのです。しかも、断熱材の中を突き進
むのですから人間に見つかることなく安全に進めることになります。
そしてその先は白い柔らかい餌、ホワイトウッドのような好みの木材がタップリあります。

この方式でかなりのシロアリ被害が出て、推進者側はシロアリの通過ができない目の細かいメッシュ(網)
で断熱材の外側をカバーすることにしたのです。

でもこれが完全に施工できたのかどうか電子回路のチェックのようなわけには行きません。
相手は二ミリもあれば楽々通過してくる小さな小さな集団なのですから、水も漏らさないような完全な施
工など出来るとは思えません。

理論で考える奨励者と、なるべく楽にやろうとする施工者という現実の違いです。


トップページへ戻る






コラム696 2014年10月06日

勉強会の再開

 私事で9月の勉強会を一回だけお休みいたしました。その後、続けられるかどうか悩みましたが、思い
切って再開することに致しました。いつもの開催は第二日曜日としていましたが、6月ころからプライベート
の予定があり第一日曜日に変更していました。一回休んで次が週の変更となったので皆さんが間違わな
いか心配しましたがこちらの都合にもかかわらず熱心な方11名にご参加をいただきました。
台風前の足元が悪い中を有難うございました。

今回は素材の話しということで直面している問題を2時間にわたってお話しいたしました。
これまでに18年間いろいろな住宅の「言われない・見えない問題点」を訴えてきましたが、それでもなお
我々納材業者から見る今の住宅の問題点はなくならないのですから現実は深刻なことなのです。

ものごとを深刻に受け止めるかどうかはまったくの個人の自由なのですが、それでもきちんとした情報を
届けることは私らの職業人としての義務だと思っています。
例えば、スーパーなどで売っている目玉商品のタマゴですが、どんな飼料・飼育方法で出来ているのか
きちんと説明されているものは見たことがありません。買う人もそこまでは求めていないのかもしれませ
んが、なぜ安売りできるのかを疑問に思う人もいるはずです。

見た目に同じ、それらがなぜ価格が違って売られているのか、「向うが安く売るって言うんだから構わな
いんじゃない」と言われればそれまでなのですが、私はそのわけを知りたいと思います。同じように見える
ものが2倍以上開きがあるということは逆に言えば高いほうの生産者は怠けているのかという見方にも
なります。

それと同じ考え方が550万円の家と2000万円の家とにもあるからです。ある意味、情報を発信するほうの
やり方がうまいといえばそれまでですが、まったく(ほとんど)住宅のことなど知らない単なるCM契約料が
いただけるからと出演する役者さんでは「顔を見たことがある」というだけで住宅の中身なんぞ何も知らな
い存じないわけです。

それをイメージで何となくと評価するのは見ている側の消費者の勝手な想像でしかないのですが、それを
求めてしまう人がいるということは、世の中にはそのタイプ人がいかに多いかということです。

品質が同じで安いものを提供できるならそれに越した事はありません。しかし、実際にそれが出来るなら
とっくにやっているというのも言えるのですから「何かある」と考えるのが防御の心だと思います。
中国からの輸入食品には目を光らせるのに、金額の大きい住宅にはほとんど警戒をしないというのは
どう考えても片手落ちといわざるを得ません。


トップページへ戻る






コラム695 2014年10月04日

虫だって菌だって効率主義

 前回、有識者と言われる人のあきれたコメントのことを書きましたが、腐るということは悪いことでは
なく、自然界では大事な巡回という役目をしているということです。

この有識者は住宅の劣化等級から比較していろいろな実験をやったみたいなのですが、等級の高い
ヒノキが下のランクと変わらないような腐り方をするものもあったという、200片ほどの木っ端(木片)で
実験データをとったと書かれていました。
しかも、この実験にはある種のきのこ菌を付着させてと付け加えてありました

こんなものわざわざデータ取りなどしなくても分かっていることで、鬼の首でもとったような言い方をする
ようなことではないのです。木材(ムク材)はバラバラで例えヒノキと言えども米栂注入材と同じようなもの
もあると言いたかったらしいのですが、集成材メーカーや建材メーカーから研究費を出してもらっていたの
か、その辺は不明です。

これは腐りについての話しですが、虫の害にも同じような話しはあります。

シャーレーの中にシロアリと木片をいれてどれだけ喰うかとかの実験をやって比較をしたデータを発表し
どの木はどれよりも強いとか言うアレです。実に非現実的で参考にもならないようなことをさも現実の世界
で起こると誘導するような始末の悪いものです。

しかも、これが有名な研究機関だの大学教授だのがやるからみんなそうだと信用してしまう。

米栂に防虫防蟻剤を注入したものを通称「注入土台」と言っていますが、これが出来たときなどもこういう
裏宣伝があったというか御触れがあったのか「シロアリも喰わず腐らないんだってよ」という話しが広まっ
て、ずいぶんと世の中で使用されました。

それでもシロアリの被害はなくならなかったのです。実際には家がどのような環境で周りの自然界と接して
いるかを理解していないので、シロアリはその先の食べられる所まで行っただけの話しなのです。
そうなると行政も恥の上塗り面目丸つぶれみたいに基礎から1mまでの高さをすべて防虫剤処理しなさい
と言い出しました。これによって化学物質の健康被害が出たのは歴史が証明するところとなりました。

このように研究室での実験が世の中で起こるようなことと誤解されて一人歩きをすることは多々あります。
昔から行われてきたことはそれだけ実績があったから残ってきたわけで、有識者が科学的にどうだとか
声をあげ理論で詰めようとしてもまた別の問題が出てきて、さらにその対処で何かをやらなければならな
いというような堂々巡りになり、客観的に見れば何もやらないのと大して変わらないという結果がでてしま
うのです。

シロアリの薬なんて高々10年の効力です。それが過ぎればほぼ喰っても死なないのですから、周囲に
いるお仲間はこんにちはと言うかどうかわかりませんがカリカリとやるだけの話しです。決定的なものが
ないのですからどのように来ないでもらえるのかを研究したほうが断然良いはずです。


トップページへ戻る






コラム694 2014年10月02日

 ヒノキの芯材

 先日の業界(ネット情報)にヒノキの芯材(赤身)でも腐ったという記事が載っていました。
そのニュアンスがヒノキの赤身なのに腐ってしまった、赤身は丈夫で腐らないと言われていたのに腐った
というとても新発見みたいな「上から目線」の言い方でした。

言う方も言う方ですが、そういう記事をストレートに載せるほうも載せるほうです。

自然界の中で育ってきたものは必ず自然界に戻るようになっています。ただ、その期間はさまざまで
変化する形態もバラバラです。一般的に言われることは「ヒノキは丈夫だ」ということですが、これとて
おかれた環境で短くもなり長くもなります。

杉はヒノキほど丈夫ではないといわれていますが、環境でいくらでも逆転します。杉の辺材とヒノキの
それを比べると大差なく腐ります。それはその部分に木の栄養分があるからで腐朽菌もその部分から
繁殖するからです。もし、赤身が全然栄養がないとしたら腐朽菌は増殖できませんから腐らないと言う
ことになりますが組織があるわけですからまったくないということはありません。

その辺のところが「頭脳でモノを考える人」はわかっていないのだと思います。モノが腐るというのは
栄養素・水分・酸素・温度が揃わなければ作動しません。長持ちさせるということはそのどれかを取り除い
てやればよいのです。

大昔の埋木というのは地中深く木が埋もれてしまい酸素がいかなかったから腐らなかったのです。
法隆寺の1000年以上の耐えている構造体は年中空気に触れて風に晒されて乾いているから腐らない
のです。北欧の永久凍土では温度が低すぎて菌が繁殖できないからそのまま残るわけです。
腐りやすいと言われている木でも水中に完全に沈めてしまうとなかなか腐りません。これは水中の酸素
の量が空気中のそれよりもずっとずっと少ないから腐朽菌が活躍できないからです。

ですから、ヒノキであろうとウッドデッキの材であろうと条件さえ揃えば時間がかかるだけで腐るのです。
こういった間違った意見・情報を出すから消費者がその情報は正しいと思い込んでしまうのです。

私のお店は私が生まれたときから木材を扱い始めたと聞いています。そのときからの古い倉庫が奥に
まだしゃきっとして建っていますが、たかだか30年そこそこの小径木を組み合わせて使っています。
私は今64歳ですが、この倉庫はすでに60年以上を過ぎていますがまだ腐っていません。

こんな簡単なことが「頭の良い人」にはわかっていないのですから、今の住宅がどうあるべきかなどと
いうことは期待しても無理です。でも、皮肉なもので大衆の目は有識者に行っているんですよね。


トップページへ戻る






コラム693 2014年10月01日

住まい 昔と今の違い

 モノの良し悪しを判断するのには基本的な条件が分かっていてその上でAとBを比較するという行程
がなければ正しい判断をしたとは言えません。その基本条件というのは昔も今も変わっていないはず
です。

家の建築条件としては
 1建物を必要とする人がまんべんなく素材(資材)を入手できること 汎用性
 2人間としての安全を確保できること 地震・防犯・各種気候条件・防火・耐久性などの安全性
 3健康を維持できる素材であること 素材安全性
 4環境への負荷 生産・廃棄安全性
 5価格が飛びぬけて高くないこと 価格汎用性

ざっと思いつくことをあげてみましたが 2 3 4 の部分は大きく疑問符がつきます。
まず、昔の人は家を建てるとなると材の準備に相当の期間をかけました。その期間は一年以上です。
確かに今のように効率の良い時代ではありませんでしたが、それでも資材を集めるのはゆっくりでした。

今みたいに機械力はなかった時代ですが、資材をじっくりと集めるというのはそれなりの理由がありま
した。その一つが乾燥です。素材をそれだけ時間をかけて集めるということは生木(なまき)を使わないで
済むことになり、取り扱いも楽になり家のためにも良いことだったのです。

次に木組みです。同じ木造住宅といっても昔のものは太い柱(タテのもの)に横架材(ヨコのもの)が差さっ
て構造体として使っていました。さらに古いタイプは柱が直接礎石の上に乗るようになっていました。
今のようにスジカイというものはなくて大きな四角の木組みになって、これが平行四辺形に歪んで地震力
を分散していました。この点が今の耐震壁との大きな違いです。

一昔前はもちろんのこと集成材などありません。今よりも建つ件数も少なかったので大きな部材も何とか
手に入りました。ですから、接着剤が何年持つかなどという心配はいらなかったのです。そのうえ、接着
剤の揮発物なども気にすることなく建築が出来ました。

人は(特に日本人は)新しいものが出るとすぐに取り入れたがります。それは売る側が開発・研究して
商品化するものがほとんどで特に住宅ブームが沸き起こった昭和35年以降にあります。
その一番最初のものが合板でしょう。当時は平べったく大きな面積が張れるものはほとんどありません
でしたから、合板の人気は相当なもので大工さんたちもこぞって使いました。

しかし、そこには接着剤の隠れたデメリットがあったのがみな気付きませんでした。うちの店でもこれら
新建材と称する物を在庫する専門の倉庫を作っていたくらいですから押して知るべしです。私はその倉庫
の片隅に何年も住んでいましたから累計ではタップリの化学物質を吸い込んでいた計算になります。

知らないというのは本当に怖いことです。


トップページへ戻る






コラム692 2014年09月30日

大規模リフォームのポイント

 我が家でも昨年に大規模なリフォームをしました。きっかけは強風でコロニアル屋根の金属棟が剥がされた
ことでした。そのときは部分修理をして済ませましたが、考えてみればどうもこの先あちこちと継ぎ接ぎの
修理が続くのではないかと思ったことがきっかけでした。

それにしても現状のコロニアルで何年耐久性が残されているかという点でした。コロニアルは軽くて地震等には
有利なのですが、何せ薄いスレート板のようなものです。10〜15年ごとにしっかりとした塗装が必要で
太陽の照射熱にも天井裏の輻射熱がきついといったデメリットがあります。

ただ、コロニアルというものは屋根傾斜(勾配)がゆるいので瓦に変更するといっても角度が足りないので
やるとなると屋根組みの傾斜から変えなければなりません。そうなると短期間で済ませるというわけには
いきませんので天気の安定した時期を選んでやることになり一層限定されることになります。

私のところでは時期的な問題はありませんでしたが屋根角度の問題からもう一度コロニアルでやることにし
ました。とはいっても同じ仕様では熱問題が解決しませんので一計を案じ二重屋根にすることにしました。
以下、方法です。

 旧コロニアルをはがし防水紙のルーフィングまで撤去します。もともとの合板はそのままですぐに新しいルーフィング
を貼ります。その上にもう一度タルキ桟をつけます。そしてタルキとタルキの間に固形のポリスチレンフォームを
いれます。タルキの高さが30mmですから25mmの断熱材を入れることが出来ます。

そしてその上にもう一度構造用合板を張ります。そのうえに同じようにルーフィングを貼ります。こうして屋根
下地を二重にすることで断熱を強化することと万が一の漏水時の雨の浸入を防ぐことができます。
これは意外と良い結果をもたらしました。まだ一年しか夏を経験していませんが輻射熱の感じ方がまるで
違います。

この方法ですと短期間ですばやく屋根替えが出来、万が一雨が降っても防水紙をしっかり張ってあれば
通常に生活していても家具などを濡らす心配もありません。当時、使用していたのは構造用合板という
ラワンの素材のものでしたが、この時点で30年が経っていました。平均的な合板の寿命は25年と言わ
れていましたが、我が家の屋根は若干上回っていましたが腐ったりブワブワしたりなどの劣化状況は見ら
れずそのまま継続して遣うことが可能でした。

万が一、この合板が傷んだとしても新しい防水紙が貼られているので漏水の心配はほとんどなく、屋根と
しての耐重量を問題も一番上の屋根野地合板が担当するので構造上も問題はありません。

大局的に見て今後の耐久性を考慮すると中一回の塗装で30年を限界とすれば本体は計60年もつことに
なるので家全体の寿命としてはその辺が限度かなと思っています。
この考え方は給水排水も同じでこれらの寿命もあわせて家の寿命(ゴール)がほぼ一緒になれるはずと
思っています。

構造体の木に対しては乾燥さえしていれば100年は大丈夫と思っていますが、今の家は「基礎」という
コンクリートを使っています。このコンクリートは昔だったら100年は大丈夫といわれていましたが、実績と
しての寿命は60年そこそこのものであるとわかってきています。基礎がとにかく家を支えているのですか
ら、いくらその上のものが良くても耐久性としては基礎がポイントになってきます。

特殊な建物は別としても、同じような方法で建てられている住宅はやはりこのような耐用年数で考える
のが妥当ではないかと考えます。どこかの教祖様のように空中浮揚できるような工法が確立されれば
また別でしょうが、通常の住宅地ではそっくり移動できるスペースがあるというお宅は稀でしょうからね。

前項で書いた大規模なリフォームの現場で一番のポイントとなる点がそれです。
そこまで考えている営業マンならすごい眼力だと思いますが私から見れば踏みとどまるべきだと提言しま
すね。まあ、結果が出るのは私があの世に行ってからでしょうから・・・。


トップページへ戻る






コラム691 2014年09月26日

近所の大規模リフォーム

 私の住んでいるすぐ近所で大規模なリフォームが行なわれております。どのような規模かというと
構造材だけを残して全部撤去するような大掛かりな工事です。要はスケスケになるまで解体してしまう
というもので、思い切ったレベルと言うべきでしょう。

もちろん、この間は建て主さんは仮住まいで暮らすことになるわけで新築とまるで変わらない動きをしな
くてはなりません。いろいろ考え方はあるのでしょうがここまでやるのなら・・・というのが私の見方です。

この建物は、想像するに築35年から40年は経っているでしょうか。ちょうど私の家を建てるときがS60年
でしたから、この地域の建物としては5〜10年は先に建っていたことになりますから計算はそうは違って
いないはずです。

新築と違ってリフォームはチェックする所がたくさんあります。
 すでに基礎も含めた躯体がそれなりの経年変化をしていること
 建てられた時代背景が適材という点で必ずしも満足いく材でないものが使われていること
 これから先、何十年かこれらの部材が使用に耐えられるかを判断しなければならないこと
 これらに対し、かけるお金と得られるメリット(恩恵)のバランスが取れているかということ
 位置的には現時点と変わらないが建て替えと比較した場合その融通性が出るのかを考えること

おおよそ以上の点を考慮した上でどうするべきかを判断しなければなりません。
丸裸までにして構造体だけを残すようにするなら、当然動脈硬化を起こし始まった給水排水なども
この機会に整備すべきです。

結果として残るのは基礎と構造体だけになりますから、その二つが使用に耐えられないなら解体のほう
が良いわけです。ゴミの出る量にしても手作業で解体していかなければならないリフォームなら手間を
考慮したら一気に機械解体したほうが金額が下がるかもしれません。

建物に対する「思い入れ」が加味されるとしても現実には耐久性が増すわけではない場合には全解体
で行なったほうが良いという場合が多いのです。

最終判断は建て主さんが下すものとしても、そのデータはしっかりとプロが提示していかなければなりま
せん。
そこにビジネスの「営業心」が入ってしまうと本当の意味で建て主さんのためになっていないリフォームを
進めてしまうことになります。

ここの建物もしみじみと構造体と基礎コンクリートを見たわけではないのできれいに外壁下地まで出来て
しまった今となってはその判断は難しいと思う次第です。


トップページへ戻る






コラム690 2014年09月25日

物置作りで考えたこと

 今回の物置作成では蒸れないようにすることが大事でした。おもちゃとか食器などはあまり湿気の影響
は受けませんが、布団・洋服などはカビなどの心配があります。
手っ取り早く、合板や新建材を使ってしまう方法もありますが、それではこれらのものがダメになってしまう
恐れがあるので避けたいと思っていました。

二階建てならきものやふとんは二階に収納するのがベストですが、我が家は平屋ですのでこれらの保管
にはけっこう気を使っていました。特に押入れの下の段の床が作った当初合板でしたのでカビが発生して
悩みの種でした。これは10年そこそこで板に張り替えてずいぶんと改善されました。

体験上、合板・新建材というものは接着剤を使っているため、ほとんど空気の流通がありません。その為
冷たい氷水のコップと同じように温かい側に結露を起こします。この結露が合板の木の部分に悪さをして
カビを発生させます。カビが出来るとダニが発生し、その先は合板が腐り出します。

ちょっと考えてみればわかることですが、実際の現場では作る人は指示通りの作業をするだけで、そんな
ことまでは考えて作っていません。どちらかというときれいに早く作業が出来るように進められています。
これらは現代の歪んだ家造りの考え方がそうさせているのだと思います。

私は納材屋としていろいろな現場を見てきましたが、人が住むスペースを作っているのに改良どころか
改悪になっていく建物を見て何かが間違っていると思い続けてきました。一個一個の部材は優秀な性能
を持っていても全体として考えた場合、その部分がスライドしていないという今の住宅は何かおかしいと
思います。

モノがかびるということは人間も同じ環境にいるわけですから身体に良くないことは明白なんですが、
そこは大きな問題にならなければ世の中が動いて来ないというか、ほかが堂々とやっているのになぜ
自分の所だけそうしなくちゃいけないのという精神があるのだと思います。

緊急的な措置だったのですが今回の物置作成にはそのことが一番配慮しなければならないと思っていま
した。

調湿作用を活かすには吸ってくれた湿気を吐かなければそれ以上の働きが出来ません。つまり通風と
調湿はセットでなければ意味がないということです。昔の人たちはそのことを熟知していたのです。
文明が今よりも発達していなかった人たちのほうがやっていたことが理にかなっていたのですから皮肉
なものです。


トップページへ戻る






コラム689 2014年09月24日

にわか作りの物置

 今回の息子家族の民族大移動で急遽こしらえた物置について少し書いてみます。

物置・倉庫・蔵といろいろな呼び名がありますが、同じモノを入れるにしてもニュアンスが違います。
蔵はがっしりとした構造体に漆喰と板張りが浮かんできます。
倉庫というと大きな面積で工場のようなイメージを受けます。

物置というと小さな規模で家庭用品や農作業道具などを収納するためのものというイメージが強いです。
住宅地の中での物置ならば金属製の1.0〜2.0坪くらいの家庭菜園の道具などを入れるような規模を
想像すると思います。

今回必要だったのは、4t車1台の荷物が入るスペースと、荷物がきちんと保管できる(熱くならない)
最低限の性能でした。
おおよその種類別における住み分けも大事でしたので、4.5帖スペースを3部屋分確保しました。
2.7m×2.7mの小部屋が三つ並んでいる形式です。

構造体は住宅ほど規模は大きくないので若干細めの9.0cm角を使用しました。
開口部は各部屋の真ん中(庭側)にドアを設置し、お隣側にアミド付き小窓をつけ、屋根はコロニアル葺き
断熱材入り二重屋根にし、壁も固形の断熱材を入れました。

外壁は入れるもののことを考えるとトタンというわけにもいかず、住宅と同じ防火サイディングを張りま
した。
内装は杉の節あり板を使い棟近くには共通の換気スペースを設け、3号室のヤギリ部分に換気扇を
付けました。こうすれば各部屋の空気を引っ張ってこれるので蒸れをずっと少なくすることが出来ます。
もちろん1号室のヤギリにもフードをつけて吸気が出来るようにしています。

おかげで、荷物を入れておいても中に入るとさわやかな感じがし、少しも蒸し暑さを感じません。
基本的な通風と断熱をやれば快適であることがあらためて分かりました。

各部屋の振り分けは食器・日用品・洋服・家具・おもちゃ・自転車など分類できるように構成しました。
1号室、2号室、3号室と呼ぶようにして、各部屋共通に床にスノコを敷き、3号室は左右正面と三方に
二段ほど棚を作ってもらい、合計3段使いとして荷作りした段ボール箱を全部入れるようにしました。

2号室は布団類などをいれるのにあとから棚を作ってもらうことにして、とりあえず3号室に入りきれな
かった段ボール箱を積み上げました。これで約半分を使ってしまいました。残り半分にあちらで使って
いたテーブルなどを利用して布団類を積み上げ洋服類などを入れてこれで満杯。

1号室は背丈の高い下駄箱やカラーボックスなど積み上げても差し支えないものなどをいれ、部屋スペース
をあけるために邪魔になったベッドやタンスなどを運び入れました。これでほぼ1号室も定量となりました。
予想どおり、3部屋がほぼ満杯となりましたが、あふれるようなことはなかったので安心しました。

これが空っぽの家に4t車1台なら苦労はしなかったのでしょうが、我々の今までの生活していた状態で
その上に一世帯分の荷物ですから収めようと思っても無理なのははじめから想像できました。
大変おおごとになりましたが思い切って「大型の物置」を作って正解でした。

この大型物置ですが、室内が非常にさわやかなのです。やはり、きちんと施工すれば良いものが出来る
んですね。将来、荷物が整理できてスペースが空けば、我が趣味の第二無線室に出来るかも・・・。
でも、多分財務省の許可が下りないでしょうね。


トップページへ戻る






コラム688 2014年09月22日

補助金と差別

 今回の木材利用ポイントも間もなく末日で締め切ろうとしていますが、いろいろな面から問題が出たと
思います。

 一番大きなことは年度という短期間で国産材シェアを広げようとしたこと。
 やり方が複雑でPR不足がたたったこと。
 一軒の補助額が大きかったこと。
 他の材種からクレームが出たらほどほどのアメをしゃぶらせようと初めから考えていたようになったこと。
 大局的に、税金を投入してやるべきところを違えていたこと。
 ポイント請求の商品の募集(リスト)にハテナのような業者が入っていたこと。
 申請条件に看板を作れだの作文のツジツマあわせみたいな要件が多かったこと。
 確認申請をしたリフォームでないと内装の木質化だけやるケースには条件を満たさないこと。
 パソコンが使えなければ相手にならないというような仕組みになっていたこと。

最も強く感じたことは
この仕組みが非常に役人的な年度予算消化策のような印象を受けたこと・・・です。
結果的に国産材だけを振興させようとした訳ではないという「大義名分的言い訳」を予想して、あえて
国産材利用ポイントと名前をつけなかったふしがあることも隠せないと思います。

結果はまだ出ませんがこの策で世の中の何が変わったのかというと、「何も変わらなかった」という
ことでしょうか。
単なる税金のバラマキ、予算をとってしまったから使った、作文さえ整っていれば自分に責任はない
そういうことです。
あとは
適当にパブリックコメントを募集し評判が良かったという既成事実を形作り、きっとまたやるんでしょうね。
子供・孫のことを考えたらこんなことやってほしくないですね。

これだけの予算(400億以上)をかけるなら幼稚園・保育園を充実させて待機児童がどうのなんてことを
まずなくしてもらいたいですね。

経済評論家の人が、日本は借金大国だと言われていますが純資産(国の手持ち資産)を差し引けば
38兆円の借金だけだと言っていましたが、これだってりっぱな債務超過でしょ。
こんなことやってられないわけです。 

やっぱり、最後は国民の資産(預金)を踏み倒す算段ですね。だって、国債の大半は銀行が持っている
んですから。


トップページへ戻る






コラム687 2014年09月19日

どっちが悪い

 もし、無施錠でドロボーに入られたとしたら、警察は「何で鍵をかけておかなかったの」と言うでしょう。
でも、議員さんの世界は違うんですね。費用でもないのに堂々と出張経費をいただけるようにしておいて
後から不正がわかったら本人のモラルがどうのこうのと言っているんですから。

もちろん、やった本人が一番悪いのですがきちんとしたチェックもないのに申し出さえあればお金を振舞っ
ていた会計係のほうにも責任が問われるべきと思います。
いつも、「これが民間なら・・」と比較されますが、その前に「やってはいけないこと」が欠落しています。

自分の金ならこんなことが出来るでしょうか。家庭の中の会計係だって絶対やらないと思います。
「なんでアンタこんなに同じ費用が多いの?」ととがめられます。議員支出ならフリーパスなんて、独裁者
の単なる金庫係でしかありません。自分の金じゃないから関係ないと腹の中で思っていると正々堂々と
宣言しているのと同じです。騒がれなければ永久にやっていたのでしょうか。多分そうなんでしょうね。

いまなら、飲酒しているのを知っていて脇に乗っていても幇助(ほうじょ)という罪に問われます。
こういう法律って行政にはないんですね。「そうだろうとわかっていて金を出していたら金庫係も同罪」
なんてね。第三者機関の行動証明書がなければ支払い拒否とか、支払いは申請してから確認終了後
一ヵ月後に口座振込みとか、チェック機能をもたせるのはそう難しくはないと思うのですが。

一番効果があるのは、不正発覚時には三倍返しとか五倍返しの罰を与える・・でしょうか。
金が払えないときは身体で返してもらう。山奥の強制労働10年とか・・・、北朝鮮になっちゃう。

まあ、野々村君をはじめ他の後ろめたいことをやっている方々もいきなり大きな額を狙ったのではない
でしょう。最初は小さな消しゴム一つからスタートしたのではないでしょうか。お店側も一個やられたとき
は分からないでしょうけれども、大量に・・・となると黙ってはいないはず。

そんな小学生以下のモラル・機能がないなんてあまりにもお粗末!


トップページへ戻る






コラム686 2014年09月18日

見た目と中身A

 見た目じゃわからないと言いますが、赤ん坊は正直です。大阪にいたときの生活とこちらのそれが
はっきりと違うのです。

大阪では良く泣いて短い時間で起きました。抱き上げてみるとその下が熱いくらいなのです。
ところがこちらでは良く寝てくれて布団の下がほんわか温かい程度のものなのです。

あちらでは夜二回起こされましたがこちらではほぼ一回、この違いは還暦を過ぎたベビーシッターとしては
驚きでした。
布団はほぼ同じようなものですが、大きな環境の違いは、こちらは風が通って、畳の生活・・・、あちらは
クロスと建材フローリングとエアコンつけっぱなし・・・。

赤ちゃんはそれをちゃんと感じ取って「泣き声」で表現していました。エライ!

よく、比較としてコンクリートの升と木で作った升でねずみの成長実験をやった話を聞くことがありますが
このストレスの感じ方の違いを赤ちゃんも同じようにわかっていたという証明みたいなものです。

知恵と知識がある大人のほうが鈍感であるというこの結果はもっと皆さんに知ってもらいたい点だと思い
ました。

何で家を構成したほうが良いのか、どのように通風を感じられる家にしたほうが良いのか、内装に危険な
新建材を使わない工夫をしていく・・・こういう「抑えなければならないポイント」さえわかれば90点以上の
家が出来ると思います。

見た目で展示場(美人に見える)にコロっとやられる前に、基礎的な勉強をしておくことは自分自身にとっ
て大きな資産になります。
私がトップページで書いてある「一年くらいはじっくりと・・」いう意味はこういうことです


トップページへ戻る






コラム685 2014年09月17日

見た目と中身

 人間、見た目じゃわからないと昔から言われていますが、還暦を過ぎる年齢にもなるとそれが実感と
してわかるようになります。小ぎれいな顔をしているのに性格がよくない人もいますし、目立たない人でも
気持ちの優しい方もいます。それは短時間ではわからないけれども長く付き合っていると自然と染み出て
くるものです。(男も女も同じです)

人間の良し悪しがわかるまでは時間がかかりますが、住宅は見ただけでわかります。私らから見れば
非常に簡単なのですけれども、一般の方からは難しく見えるようです。
それは抑えるポイントの違いにあります。
基礎的なことさえわかっていればそれに反することを排除していけばよいことで、何の難しいこともありま
せん。

ところがこの住宅業界は経済優先・売上至上主義で動いており、人の健康を守る住宅を提供している
とは言えないような工法・資材・設備で推し進められています。
大きければ間違いないだろう、大きいから信頼できるという大局的な見方はこの業界には当てはまりま
せん。

大きければ大きいほど安定した売上と利益を追求します。そのために(会社としては)努力されているこ
とが、需要者としての利に一致しない建物になっているのですが、それは公表してしまったら会社生命に
かかわることだから黙っているという構図になっているのです。

「そう言われたって、他に何がある・・」と言われれば、確かに住宅展示場には地場の「良い建築」という
ものを理解している業者のサンプルはありません。本と展示場で90%が決まると言われているのですから
それも無理はありませんが、まったくのゼロではないので探してみる努力は必要だと思います。

ただ、探すと言っても何がその違いなのかを知らないと探しようがありません。一般の方には特に比較し
て住んでみたという経験がありません。従前アパートに住んでいてそれと同じようなつくりにしてしまえば
比較すら出来ません。古民家のような建物に住んでいて大きなマンションに移ったというなら大分わかる
だろうと思います。

そういった建物の持つ「特有の環境の違い」というものを感じることは大事になってきます。
今回、私らは約40日間大阪のマンション(鉄筋コンクリート製)の建物に生活しました。ですからその違い
をひしひしと感じたのです。

もちろん、大阪はここ茨城とは温度差もかなりある地区です。一概に同一の比較は無理だとしても、その
差を感じられたことは大きな収穫だと思っています。

こういう建物は両サイドはお隣ですから音も完全にシャットアウトされていますし、玄関のドアの外側は
別の世界ですからを開けて生活するということもしていません。まず、風を通して生活するということが出来
ないのです。

室内の環境と言えば、床はフローリング(合板製の塗装された床材)と壁はクロスという呼吸性のない
ものが使われていますからさわやかさがまったく感じられない空気の中で動き回るしかありません。
当然のように「エアコンのつけっぱなし」の生活です。確かに気温はコントロールされるのですが、淀んだ
空気の中で何とも言えないストレスを感じながらの生活でした。

ところが、こちらに移って来て、以前の生活に戻ったらそれは忘れてしまうほど不快感を感じないのです。
この点が非常に住宅では大事になってくると思います。

引越し荷物を全部出して空っぽになった部屋は非常に広く明るく良い環境のように感じられましたが、もう
一度ここで生活したいかを考えたら「私はゴメンだ」と思いました。


トップページへ戻る






コラム684 2014年09月16日

木材利用ポイント・・その後B

 前項で国産材を使った場合・・・と書きましたが、正確ではありません。実際はあとからあとからあれも
これもと外国産の木が付け足されました。もうこうなるとどこが国産材振興なのかわからなくなります。

米松OK、ホワイトウッドOK、欧州赤松OKとなると米栂が入ってないのが不思議に感じます。
まあ、このいきさつは担当役人に聞かなければわかりませんが、まったくの圧力がなかったと言えば
ウソになるでしょう。

それも今月の末までに着工されたものという限定がありますから当初のスタートからはハンディが出ま
した。それでもプレッシャーをかけた業界はしてやったりということでしょうが、大局をみればおかしいと
いうことには変わりありません。
要は圧力をかけるほうもかけるほうだが受けるほうも受けるほうだとあきれてしまいます。

まあこれだけの大掛かりな仕掛けを作っておいて大盤振舞いをしたのですからみんなから喜ばれたの
は間違いないでしょうが、予算を分捕った割には消化が良く出来ていないようで、このまま行くと再々
延長になるのは必至ということになるでしょう。大会社なら首が吹っ飛ぶようなことでもそこは官僚、
カエルの何とかに何とかで責任など取りませんからへっちゃらなんでしょう。

豪華な牛肉・カニ・高級家具、とてもりっぱなカタログまで無料で送られてきており、相当お金をかけたの
であろうことが容易にわかります。東北復興とか言いますけどここまでやってよいものか・・・
こういった補助金の利権にありつこうとする人たちにはとてもおいしいイベントでしょうが、はたして税金が
このように使われているのは国民が許すのでしょうか。

いくらカニ牛肉であっても食べるものくらい自分の力で何とかしろよと言いたいですが、そうでもしないと
経済が動かないのでしょうか。
ま、「もくぽ」なんて訳のわからない短縮語で言い表しているくらいですから余程の聞きなれた人でないと
理解は出来ていないと思いますがね。

果たして、今月の末までにウルトラCの着地は出来るのでしょうか。HPには利用状況が逐次出ている
ようですが集計の結果は一ヵ月後ですから何とも実勢を把握するとまではいかない役者不足です。
今の時代なんですからせめてデイトレーダーのように瞬間の情報を表示してやればいいのにと思います。


トップページへ戻る






コラム683 2014年09月11日

木材利用ポイント・・その後A

 当初、この制度は厳格な基準のもとに国産材だけを推進するような構成になっているものと思っていま
した。我々も一般の方も「木材利用・・・」という言葉の響きにはいわゆる「ムク材」を指しているものと考え
ると思います。

しかし、中身をみてみると国産材を使っていれば加工されたものからほとんど国産材とは判別できない
製品になっているものまで含まれていて、どこが木材振興なのか疑いたくなる内容になっていました。

合板も原料が国産材ならOK、集成材も国産の材が使われていれば対象、よくよくわからないのが薪
ストーブに補助金(ポイント)が出ることでした。これは10万ポイントと他のものよりは少なかったですが
薪ストーブの本体そのものはほとんど外国製のものが主流で国産品はゼロに近いものです。

要するに薪が国産なら木を使うことにつながるからということなのでしょうが、ここまでくると「何でもあり」
になってしまいます。

もっとわからないのが、外装品についてです。外壁に木を使うことは火の管理から推奨されることでは
なく、国交省でも耐火基準などを決めて認定をしているくらいなのに、これにも木を使えば補助金を出す
ようにしたことです。さらに詳しく言えば、国産の木片チップを混入させた防火サイディングにもその権利を
与えています。

さらに付け加えるなら、ツーバイフォー住宅であっても合板の国産材使用比率が基準を満たしている、
あるいはスタッドといわれる補助桟の部分が国産材のものならこれまた対象になるようにしてしまった
のです。

多分、こういう解釈にさせたのは大手の住宅メーカーでしょう。

結果から言えば、どんな使い方をしようと国産材が含まれていれば飴玉をあげます・・ということになった
のです。これは大手住宅メーカー・ビルダーからすればおいしい内容でした。
ちょこっと国産材に比率を上げれば30万ポイントをいただけるのですからすごい営業手段に使えるわけ
です。

この策の陰では、国産材の需給率を50%に上げなければならないという、どこかの誰かさんの言った
言葉が響いているものと思います。行政(役人)はトップの言ったことを達成するためには市場バランス
など無視しても自分たちの領域さえ数字の達成が出来ればそれで良いということなのでしょう。

客観的に見ても、この補助金制度はまもなく終了しますが、どこまで率を上げられたかという検証をして
みないとただ税金をばらまいたということにしかなっていないと思うのです。

民間なら費用対効果を求められるところですが、彼らはそんな責任はもともと取る組織ではありません
ので、一部の人から好評でしたなどと言われるとまた来年度も予算請求するということになることは間違
いないと思います。

はたしてこんなやり方で日本の山林が復活するのでしょうか。
私はそんなことより建て主さんの健康のほうが心配でなりません。
だって何も住宅の質なんて変わっていないのですから。

やっている所が林野庁なのですから住宅の質を求めても無理なのでしょうが・・・。


トップページへ戻る






コラム682 2014年09月10日

木材利用ポイント・・その後

 しばらく家造りのことから離れていましたが、久しぶりに木材利用ポイントについて書いてみます。
林野庁HPにも掲載されている通り、地域材の木材、正確には構造体の材積を過半数以上利用した
住宅で今月末までに工事着手したものが対象で、末日までに契約を交わし作業に入っていないと申請
資格がありません。

一般の方は希望すれば誰でもポイントがいただけると思っている方がかなりいるようで誤解をされて
います。

この手続きは基本的には建て主さん本人がやることになっていますが、私らから見たらそれはとても
無理で、以前行なわれた家電エコポイントの比ではありません。

まず、工事業者がこの制度のために事前登録をしている必要があります。
つまり登録工事業者番号というものを取得していなければなりません。そのためには正式な建築業の
許可を受けた人(業者)であることが必要です。単なる大工さんです・・だけではだめです。
工事業者は確かに条件に合う工事を期限内にやりましたという証明を出します。

次に、我々納材をするものが「合法木材認定業者」登録をしていなければなりません。
この登録をしておくにはまず木材業者の登録証が必要で、それらをクリアしていることが条件で、納入
業者登録が可能になります。
これは「確かに私らのところから対象となる構造材・内装材を出荷いたしました」という納品証明が発行
されることにより、申請の条件がクリアできることになっています。

この申請は工事が完成してからしか出来ませんが、写真などは事前に撮影しておかないといけません。
それもこういったパターンの写真を撮っておくことと細かい条件があります。もちろん、完成した所の写真
も必要でこういう要件を満たしていないと申請ではねられます。ちょっと不備があっただけで一ヶ月ほど
後回しになります。

この木材利用ポイントはパソコンが使えないとほぼ無理と言っていいでしょう。申請書もPCからダウン
ロードしますし、工事の証明書なども同じようにPCから印刷し業者の人に印鑑を押してもらうようになって
います。

これだけの複雑な作業を一般の方にやれというのが所詮無理というもの。行政の考えていることは理解
出来ません。結局は納材業者の我々が代行することになっています。
今時、PCを操作できない材木店などいないと思いますが、ものの考え方・基準がPCを前提にしている
のですから、I T うんぬんも情報格差であると思います。

今ここでそんなことを言っても始まらないのですが、手続きが難しいことだけはたしかです。

この木材利用ポイントはそのほとんどが(半分まで)商品券と交換し、残りの半分はカタログから復興支援
の品物を選ぶようになっています。ただ、これがえらく割高に設定されているんですね。ただでもらえる
ものだからこの際豪華なものを申請しようとする人もいると思いますが、自分でお金を出して買うとしたら
まず手を出さないだろうなと思うようなものが多いと感じます。(あくまでも私的な感じ方ですが)

こういった制度をうまく商売に取り入れようとした人はかなりの業績アップになるものと思いますが、個人
の感覚から言えばもうちょっと木材ポイントそのものが質素でもよいのではないかと思います。
1200兆円も借金がある国のやることなのかと思うのは私だけでしょうか。


トップページへ戻る






コラム681 2014年09月09日

引越しその後

 一応、荷物の移動は終わりましたが、家族の転入届けなどの事務的手続きなどやらねばならないことが
たくさん残っています。
一番先には住所変更と印鑑登録、運転免許証の住所変更、保育所の手続き、乳飲み子のマル福申請、
それに予防接種、その後は(私は長男ではないので)新規墓所の申し込みが必要です。それが決まれば
大事な納骨があります。

他にも車のナンバー変更(神戸から水戸へ)で保管場所の承諾書、委任状、陸運局の申請書など
やることがたくさん残っています。

荷物の片付けもやらなくてはいけないのですが、息子本人が動こうにも上二人の子供がべったりで
なかなか自由になれません。母親が急に亡くなったのですから父親へくるのは無理もないことなので
すが、そうそう休んでばかりいては次の仕事の準備もあると思うので気が気ではありません。

運び入れたものの何割くらいが片付いたかというと、およそ2割くらいでしょうか。この分で行くと2ヶ月
くらいはかかりそうな感じです。私も事務所に出られるようにはなりましたが、中抜けで乳飲み子の面倒
を見なければならず、10時から2時くらいまで自宅に戻ることにしています。その間、家内が買物などに
出かけるようにしています。

すべてが長期戦になるので頑張ると身体がもちません。いかに楽をしてものごとをこなすかを考えて
いかないと持続できなくなると思います。本来、このコラムは建築の風刺的な内容が特徴だったのです
が、しばらくは子育て日記みたいになってしまっています。まあ、ジジババ子育て日記のつもりでおつき
合いください。


トップページへ戻る






コラム680 2014年09月08日

引越し作業B アリさん到着

 9/1いよいよ荷物が到着です。大工さんに作ってもらった物置は4.5帖三つ分長屋形式に並んだ大きさ
です。各部屋真ん中に入口がついており(第3室のみ棚を設定)2.7m四方のスペースにコの字型の
棚を、下から1m、90cm、と3段分に設定した所に目いっぱいダンボールを入れていきます。ほどなく
ここは満杯となり手前(第2室)のスペースにいれることになりました。

やがて第2室も段ボール箱が半分を占め、残りはふとん類でほぼいっぱい状態です。
第1室は現状で使用していたベッド・タンス・机等を避難させるつもりで考えていたのですが、そうも
言っていられなくなり、下駄箱・姿見・大きなおもちゃなどのガサ物をいれてこれまた一杯になりました。

4t箱型には目一杯詰めてきましたから、分類しながら置くとなるとそれ以上のスペースは必要であると
わかっていましたが、案の定、三部屋分全部使うとは・・・、それにしてもすごい量があの部屋にあった
ものだと感心します。

すぐに必要な子供の衣類などは「すぐ開封」と書かれた箱に入れておいたのですぐに持ち出せました。
それでも「あれ、どこへしまったっけ」というものがけっこうあり、あちこち探す始末。品名明記はなるべく
細かく書くべきだなと反省しました。

さすがに積み込みよりは下ろすほうが短時間で済みます。約二時間弱ですべてを下ろし終え、家具の
脚付け、ベビーベッドの再組み立てを済ませ、異常がないことを確認して彼らは次の現場へ向かって
いきました。午後からはエアコン取り付けの方がやってきました。こちらは二人のチームでした。

大阪での取り外しは一人の作業でしたが、取り付けとなると回路の確認やら、室外機の位置による
パイプの持ち出しかべの穴あけ位置や距離の変化で必要部品が違ってきますからそれまでの作業が
時間がかかりますから一人では無理ですね。特に食洗機は流しメーカーにより水栓部分の口径が
違うため型番を確認して合致した部品を必要とすることがわかり後日作業となりました。

ふだん、引越しなど無縁の立場なので大変な思いはしましたが、良い経験でもありました。
それにしても今の引越し業者はすべての作業がてきぱきとしていて感心しました。


トップページへ戻る






コラム679 2014年09月05日

引越し作業A 大移動

 大阪から茨城の自宅まではナビ表示で650kmでした。さすがに私が秋田へ行く距離よりも長い。
一番心配だったのは0歳児のご機嫌でした。何しろ幼児用のチャイルドシートで動けないのですから
「騙し」がききません。大人だっていやですからね。
泣き出されないうちにどんどん距離を稼ぐように、おとなしければSAをパスして走行しました。

4歳2歳の子には紙オムツをしてもらい、「おしっこ」と言われても「オムツにして」と言い含めながら
(4歳はきっといやだったでしょうね)通常だったら昼食・休憩と休みながら走るのをガマンして
東名高速を走りました。

8/30(土)に100kmほど離れた彦根にビジネスホテルを取り、翌日の走行をなるべく楽にするように
しました。ところが高速を降りたとたん、0歳児に泣き出されホテルに入るまでの数キロには難儀しま
した。すぐに部屋に入りお風呂にいれ何とか落ち着かせましたが冷汗モノでした。

翌日は朝8時にホテルを出発し、ひたすら走りました。途中「新東名を走りたい」という息子と「景色が
良いのは旧東名だよ」と意見が分かれましたが、老いては子に従えと新東名を選択。
三ケ日から新東名に入り、オムツ交換のため最初のSAに立ち寄りました。SAの名前を忘れた・・・

いやあ、とてもきれいでした。専用の授乳室もあり、広くてゆっくりとオムツ交換も出来ました。

きちんとした食事はしませんでしたが、車で食べられるものを買い込みいろんな種類の調理パンや
サンドイッチを廻し食いしました。心配していた東京入口の混雑もなく首都高速もスイスイ走行出来、
順調に常磐道に入ることが出来ました。

ここまで0歳児もおとなしくしていてくれ、守谷SA手前で少しぐずりましたがすべりこみセーフ。
ここまでくればこっちのもの。残り一時間ちょっとを無事乗りこなし、ひたちなかICを出ることが出来ま
した。

自宅には午後4時ころ着くことが出来て、ご近所の心配してくださった方へご挨拶をして回りました。
予想以上の順調さで民族大移動が終了いたしました。
さて、明日(月)は荷物の到着待ちですが、守谷に住んでいる娘も応援に来てくれるとのことですので
心強い限りです。


トップページへ戻る






コラム678 2014年09月04日

引越し作業

 今回の引越しでお世話になったアリさんマークの業者ですが、この人たちの質の高さに驚きました。
他の業者との比較と言っても、同じ事を同時並行に行なったわけではありませんのでうまく表現できま
せんが、作業内容は感心するばかりでした。

積み込みは走行スケジュールの関係とこちらの引き払い都合で30日午後の2時に開始となりました。
主任ドライバー1名と補助員(この人たちは多分アルバイト)3名が次々と事前に届いた段ボール箱を
積み込み、布団、家具、自転車などの大物を後方にまとめ4t箱型トラックが満杯になりました。

スーツなどの吊り下げものなどは今は大きなボックスに片っ端から移していくんですね。
家具は大きな腹巻みたいなもので養生しバンドをかけて上手に搬出していきます。
解体できるようなベビーベッドなどはビスを外し、突起物のある家具は脚などをはずし、ほかのものに
キズがつかないように配慮します。エアコンなどは別の専門業者がきて手早く取り外しをします。

3時間半ほどで業者の作業は終わり、車は帰って行きましたが、引き揚げ前も他の物件の作業を手伝う
ために携帯電話で状況の確認をしておりました。
今は深夜の11時から朝の5時までは走れないそうで、その時間に睡眠をとるのだそうです。
身体が健康で若いうちにしか出来ない仕事だと痛感しました。

すべての搬出が終わり清掃し管理者に鍵を渡し我々が部屋を退去したのが6時過ぎでした。
嫁さんの親が子供たちをみてくれて、同じ大阪の柏原市在住の長男夫婦の二人がお掃除などサポート
してくれましたので非常に助かりました。

あちらの両親と長男夫婦の見送りを受け、息子と子供三人そして我々二人が息子の車で出発をし、
途中宿泊の予約をいれた彦根のビジネスホテルを目指しました。


トップページへ戻る






コラム677 2014年08月19日

想定外の出来事A

 結果があるということは必ず原因があると思うのですが、実際にこういう事態に直面してみるとそんな
ことを考えている余裕すらないのですね。
しかし、少しづつ時間が経ってくると「ああだったのかな、こうだったのかな」「何か原因があったはずだ」
などと考えるようになります。

いくら考えてもすでに結果が出てしまっているのですが、そこは生身の人間ですから諦めきれないの
です。大阪と茨城では600km以上も離れているのでどんな生活状態だったのかさえわかりません。
まして、いい大人の家族なのですから親がいちいち首を突っ込むことでもないですから。

夫が出勤し妻がいつも三人の子供を見ながら食事・洗濯・授乳と駆け回っていたことは想像できます。
でも、そういうことをやっている世間のお母さんもたくさんいるのでしょうし、なぜこの子達の母親が・・・
と思うのも事実です。

粘り強いのも人間、あっけなく逝ってしまうのも人間、このどちらも違っていないのですからどこでどう
決まるのかとても知りたいところです。

今日は久々の事務所出勤ですが、明日の午後にはまた大阪へ行きます。とりあえず、今月末で全員が
こちら(ひたちなか市)へ移動してきますので、いまはにわか作りで物置を製作中です。なにせ一世帯
分の家財・日用品があるのですから、その収納出来るスペースを確保せねばなりません。

引越し業者さんの話では4t車1台分ということですので、今の生活していたスペースではとてもとても
足りません。寝起きするだけでも最低限の確保はせねばなりませんので、いままで部屋においていた
家具なども避難しなければなりません。

今月末までに何とか作業を完了してもらえるようにしなくてはなりませんので、またこのコラムの更新も
ちょっと時間が空くと思います。
新築の引越しでさえ、何だかんだと一ヶ月くらいはかかっているのが経験からわかっています。それを
じじばばでやろうというのですから(もちろん息子にも動いてもらいますが)大変なことは明白です。

追伸
多くの方からこのコラムを読んで励ましのお言葉をいただきました。
皆様の優しいお気持ちに深く感謝を申し上げます。

ということで、引越しの処理等でここ一ヶ月は忙殺されると思いますので、家造り勉強会も一回だけ
お休みをさせていただきます。どうかご理解のほどよろしくお願い致します。


トップページへ戻る






コラム676 2014年08月11日

想定外の出来事

 人生というものは何が起こるかわからないものです。

7月22日のお昼ころ、大阪の息子(次男)から嫁さんが倒れたと電話があり、家内と二人で新幹線に
飛び乗り駆けつけたのですが、意識が戻ることなく30日に亡くなりました。
かつてサッカー選手で松田さんという方がなくなったことを聞きましたが、あれと同じ「心室細動」という
心臓が急に止まってしまうものでした。

33歳で、4歳2歳0歳の子供が残され、この子供たちを面倒みるためにずっと大阪に詰めていました。
葬儀を終えてもまだ何か現実が受け入れられなくて、やっとここ数日で今後どうするかを話すようになり
ましたが、とりあえず、乳飲み子を含めた子供たちを優先に考えなければなりません。現地でのサポート
は長期戦になるので無理と判断し、私らの住んでいるひたちなか市へ息子共々連れてくることにしました。

子供たちを社会へ送り出し、さあこれからは自分たちの好きなことをやれるかなと思っていた矢先のこと
で、人生そんなに甘くはないと思い知らされました。

そんなわけでHPの更新もずっとできずにいました。ご覧いただいていた皆様にはご迷惑をおかけしまし
たが、そのような事情でしたのでお許しいただきたいと思います。このような事情ですので、このコラムの
更新も今迄のようには出来ないと思います。その点だけご了承下さい


トップページへ戻る






コラム675 2014年07月18日

深刻な職人不足B

 ものごとの過不足はいつの時代でもあることすからマイナスの要因とは考えずに逆発想でいくのが
良いと思います。一番無理がないのが行列を作ることです。
「うまいラーメン屋さん」に並ぶのと同じように順番が来るまで待ってもらうことだと考えます。

1000円未満の食事には並べても2000万円の住宅には並べないとなると良いものを追求するという
姿勢からはかなり外れてしまうことになるのでそれこそ「無駄銭・高い買物」になってしまうはずです。

こうなれば、仕事が詰まっていても慌てることはなく、質の良い仕事が出来るはずです。
建て主さんも何十年も住む家なのですから一年 二年待つことくらいは家造りの一つだと思って欲しいと
思います。

どうしても日本人の勤勉さはお客様本位で何とか間に合わせてしまおうと努力します。これはこれで
悪いことではないのですが、やれる範囲が限られているのですから限界を超えた所で歪みがでること
は間違いありません。

急激に物事が変わるという経験は消費税の税率変更で全国民が経験していることです。こういった税に
関することは別としても、家造りについては需給バランスが崩れ商品が間に合わないなど良いことは
ひとつも生まれてきません。

時間があるということはじっくり考えることが出来、ミスが少なくなることでもあります。
良い家造りの環境は建て主も造る職人もベストなコンディションでやるほうが絶対の良い結果が出ます。

じっくり待って充分に見極めましょう。


トップページへ戻る






コラム674 2014年07月17日

深刻な職人不足A

 今さら人手不足だから急に募集と言ったって早々若者が他業種から転職してくるはずはありません。
仕事がない・危険・賃金が安いなどが長く続いたのに、これらの条件が払いのけられ将来が有望とは
言いがたいのです。

ワンコインという言葉がこの世界にもあります。一平方メートルあたりの賃金がそれだと言うのです。
値段の根拠は現場の請負面積の契約からきています。大工さんの坪いくらという手間請負と同じです。

通常会社なら原価計算するのに自社の社員給料価格を時間当たりいくらの表し方をします。
そのうえで受注価格のコストを把握しておいて会社の経費を加算してこの製品はいくらで出来ますと
相手に提示します。

しかし、同業他社がたくさんいると他の会社はこれこれでやると言っているのだからあなたの所でやるなら
この数字でやって欲しいとビジネス取引になります。

一社独占ならこのような苦労はしなくても受注できるのでしょうが、そこは資本主義の世界ですから
コストの圧縮を求められてきます。発注す側にとっては支払い金額が減るのですから良いことのように
見えますが、請ける側にとっては大量出血する恐れさえあります。

それがたまたま一度だけというのなら何とかしのげるけれども、毎回となると失血死になってしまいます。
これが急性なら即死なのでしょうが、この業界は真綿で首を絞められるような慢性状況がずっと続いて
いました。

20年以上かけて減り続けてきたものが1年 2年でなど絶対に戻りません。まして手引書を見て明日
から道具を使いこなせるという簡単なものでもありません。
いまは「墨付け」という作業が出来なくてもプレカットという工場加工で家の構造体が出来てしまいます。

しかし、機械加工できるからといってその作業を知らなくても良いわけではありません。作業手順として
はやらなくても理解していなければトラぶったときにどこがどうなのかが対処できません。機械はあくまで
人間の手でやることを代行させるということです。

住宅で言えば「誰が家を作るリーダーか」ということです。これらを覚えていくのには最低でも5年は
かかると見なければなりません。
と言うことは、いまこの状況が好転していって結果が出るのに最低5年はかかるということです。
でも、現状は上向きになるどころか依然として減少しているのですから5年過ぎても今以上になることは
絶対にないということです。

一番先に困るのは大手のハウスメーカービルダーです。この業界は多くの職人を殺し続けてきました。
このことは私がこの勉強会を始めたときから言い続けてきたことです。悲しいかな、何も変わらずに
起こるべくして起こることが現実化してきました。


トップページへ戻る






コラム673 2014年07月16日

深刻な職人不足

 3Kという言葉を聞いたのはかなり前のことでしたが、いま現場ではその現実に直面している悩みが
あちこちで聞かれるようになりました。その現象が深刻なのは型枠業界です。

震災の前も公共工事や民間工事も減り続けてきて「現場がない」「職人を遊ばせるわけにはいかない」
「今仕事があっても先が読めないから手を増やせない」「高齢化でリタイヤする人がいても募集しない」
などと縮小・廃業が続いてきました。

職人さんばかりではなく、それに関連した多方面の仕事が減り続けました。その一つは生コンです。
現場がなければすべてに供給過剰になります。したがって、これらも連動して業者件数が減り続け
(ほとんど倒産なのですが)全体の納品能力はぐっと下がりました。

長年かかって縮小が続いてきたのは業界自体も認識していましたし、将来性がないからこのように
先細りになってきたわけで、当然の資本主義の需給バランスと言えます。
時代というのは皮肉なものでこういうときに震災などの特需が出ます。

いったん休耕田となった田んぼはすぐには復旧できないのと同じように、これだけ縮小されてきた現場
状況は簡単にはいきません。各地で行なわれている行政の入札も参加業者がなく何度も応札不調に
なります。業者だって仕事があるのは有難いですが、自分のこなせる量も知っています。単価が多少
高くなっても実行できないものを取るわけにはいきませんから能力の範囲内でしか入札に参加しない
わけです。

こうなると困るのは行政(現場)です。彼らはものごとを簡単に考えています。一年間休んだ田んぼでも
肥料さえちょっとやればすぐに米が出来ると思っているのです。現場を知らないネクタイをした人は紙の
上でいくらでもツジツマあわせが出来ると思っていますがそんな簡単なものではありません。

まあ、いくら需要があっても順番待ちでじっくりと構えていればいつかは出来るわけですが、そういった
自然体では済まされないのも年度予算でやっている弊害でしょう。それはそれで消化不良繰り越しと
やれば良い訳で、じっくりとした将来性が見えてこなければこの職人さんたちの世界は広がっていかな
いでしょう。

3年先、5年先まで仕事がぎっしり詰まっていて賃金も良いとなれば、それはそれで魅力を感じて集まっ
てくる人は必ずいるでしょう。若い人が就職口がないといってもハイクラスのところばかり見ているからで
あって、視野を広げればいくらでも職は見つかるはずです。

何事も急激な変化は良くありません。じっくりじっくりといくのがよいと思います。


トップページへ戻る






コラム672 2014年07月14日

商工会での勉強会

 先週は50年に一度の大型台風というフレコミでこれは大変なことになると身構えておりました。
開けてみれば「これはいったいどうしたことか」というほどの静けさでした。
千葉に再上陸しましたとのことでしたが、ここひたちなか市ではどんよりとした風のない曇り状態。
九州沖縄ではあれほどの猛威を振るったのにこれほど衰えの早い台風は初めてでした。

さて、今月も定例会を予定通り開きました。今回は17名の方が参加されました。

いつも、ひたちなか商工会議所のお部屋をお借りして勉強会を開いておりますが、この商工会は
昔から会議室のような部屋がたくさんあり、それを商工会会員は格安料金で借りることができます。
もちろん一般の方も借りられますが若干割高になります。

借りる側の我々からすると、駅近くで交通の便がよく駐車場もあり集まりやすく散会しやすいと条件が
揃っております。きのうは218回目の勉強会でしたが、連続18年以上も長く続いたというのもこのような
諸条件のよさがあったからだと感謝しております。

ということで、年間通していろいろな行事とも遭遇することが出来て、世の中の動きがみてとれます。
珠算検定・簿記検定・成人式着付け・暗算コンテスト・産業カウンセラー・整体スクール・電気製品の
展示会・確定申告相談会・そのほかたくさんの研修会など。

いま、計算といえば電卓が当たり前ですが、そろばんに関連した暗算コンクールというのがあるのには
ちょっと驚きました。きのうはちょうどその暗算コンクールと一緒になりました。
みなお母さんやお父さんに連れられて時間前にはぞくぞくとやってきます。駐車場は満杯状態で、わが
勉強会で参加された人たちはいつもより苦労されたことと思います。

暗算はソロバンの玉を頭に置きながら指ではじきながらその残像をたどっていくやり方です。
私はどうもこのタマを覚えているのが苦手で残像がすぐに消えてしまいすぐにコケてしまいます。
こればかりは何をやってもだめで「俺はソロバン(つまり事務職)には向いていない」と今でも思って
ます。
暗算だけがではなくソロバンそのものが苦手なのですが、帳簿の試算表を作るなんて作業はずいぶん
苦労しました。
何せ、貸借をあわせるのに何度やってもその都度数字が違っているのですから何番目が正しいのか
さえわからないのです。もうこうなってくると超でかいソロバンで潰されるような強迫観念さえ生まれ
ます。

いまでは仕訳入力と言ってもパソコンに入れるだけで左右貸借がぴたりと合うことになっていますから
楽なものです。項目され間違わなければそのまま月次年次の試算表がすぐ作れます。あのソロバンで
合わない合わないと悩んでいたのが夢の夢です。ホント便利な世の中になりました。

ちょうど私たちが終わった時間と重なったのか、お母さんに連れられて帰っていく子供たちと出口で一緒
になりました。コンクールとはいえ一種の競技でしょうがそんな緊張はどこにも見えずのびのび溌剌とした
感じの子供たちを見ていて「この子達はこれから光り輝くのだろうな」と思った次第でした。


トップページへ戻る






コラム671 2014年07月11日

議員はおいしい職業?

 ちょっと前までは都議のヤジが話題となっていましたが、いまは何と言っても兵庫県議でしょう。
あれは何度見ても「ウソ泣き」にしか見えません。
よく小さいときには相手を諦めさせるのに使った幼稚な手です。
泣いて泣いてダダをこねて「もう、そんなのほっとけ!」と言われたアレですよ。

それを50近くの大人が人前でやるのですから世界が驚くはずです。
私も何度かネットで見ましたが、あきれるばかりで何もいえませんでした。

そもそも政治活動費だとか言っても決め事が甘すぎです。一切の費用明細が書かれていなくても支出
するなんていうほうがむしろ問題で、何も問われなければ私腹を肥やす議員だって出てくるのは想像が
つくはずです。それをノコノコとやられてから不正だと騒ぐほうがおかしいのです。
(けして議員を正当化しているわけではありません)

通常の家庭で、おかあさんが子供に何にも言わずにお金をばたばた渡しますか?
「何に使うの?」「何で必要なの?」「どれ位するものなの?」と聞かれます。
「買物が済んだらちゃんとお釣りも返しなさいよ」とまで言われます。
これが当たり前のことだと思います。

民間会社であれば「筋のとおった領収書でなければ費用としては認められない」と拒否されます。
仮払いするにしても正当な出金理由と後日の報告・精算は当たり前。
明細もなしで済まされるようだったら個人の認定賞与扱いです。その前にこんなことを繰り返していたら
この会社はたちまち倒産に追い込まれてしまいます。

どこの世界だって不正がやられないよう(出来ないよう)考えられそれを遵守しているはずです。
私らの常識からすればこの議会のほうがおかしいと思います。

もちろんこの議員には不正をしていないという反論の権利はありますが、何せ裏づけがなくては
世の中が認めないでしょう。
そうなればまた泣くんでしょうか?

いくら泣いたってもうガキのようには済まされません。
たっぷりとした時間の中で「臭い飯」を食って反省してもらいましょう。


トップページへ戻る






コラム670 2014年07月10日

木材利用ポイント3

 この制度は国産材を振興を目的としたものだったはずです。しかしながら結果的には外国産のものを
使ってもOKとなってしまいました。
そこであらためてポイントの付与対象内容を読んで見ました。 そこには確かに「国産材に限定する」と
いう文面は一言も入っていませんでした。

この作文を作った林野庁職員は実に頭がいいですね。 最初からこういうことをやると外国から文句が
来ることをわかっていて国産材限定の文字を入れていなかったのです。
まあ、見方を変えれば我々だけが国産材振興と勝手に思い込んでいて、なかなか思い切った補助金
制度を作ったと解釈していただけですから。

林野庁といえば国内の森林を保護振興する役目とばかり思っていましたが、実際は世界の林野を指して
いたのです。 予想通り、外国から文句が来ると基金管理委員会が大臣と協議して・・・と書かれており
ヤリをかわす策が出来ていたのです。

作文のツジツマをあわすというのは実に巧妙に練り上げられたものと思います。ある意味、騙しに近い
ほどりっぱなものです。日本の税金を外国の木材のためにも使えるようにしてしまうなんてさすがです。
日本の行政は、文句を言ってきた者にはほどほどのアメをしゃぶらせて帰すと言われていますが、まさに
それを予想してこういう文章を揃えるのですからセンター前のクリーンヒットでした。

前日も書きましたが、節のある羽目材などはほぼ満額をカバーできるくらいの補助額です。
つまり、外国産の羽目でもほぼタダにしてやるというのと同じなのです。
これっておかしいと思いませんか。

こういう思いをしているのは私だけではないと思います。皆さんも是非、林野庁のHPをみてこのことを
念頭に置きながら文面を読んでみてください。

住宅業界でたっぷり儲けて税金をたくさん納めているハウスメーカーや外国産丸太を買って国内で
製材しハウスメーカーなどに納めている大手業者、資材輸入商社などからたくさんの圧力がかかった
のでしょう。そうでなければこれは外国産の木材を使って住宅を売っている者には何のメリットもない
のですから、ここまで認めるということはなかったはずです。

モノ言う納税者は怖いのでしょう。これからは世界の林野庁と呼ぶことにします。


トップページへ戻る






コラム669 2014年07月09日

木材利用ポイント2

 構造体で該当すれば30万ポイント、内装(床・壁・天井)でこれまた30万ポイントと、知っていれば
必ず申請したくなるおいしいご褒美ですが、いささかやりすぎという感じがしないでもありません。

大きく分けて床と壁・天井に別々に計算することになっています。床については180平方メートル以上
が上限どまり、壁・天井も合計して180平方メートルまでで、あわせて30万ポイント獲得となります。

床はムク材で国産材はOKですが、新建材床は認定されたモノ以外は対象外です。使用面積からする
と壁・天井を杉などのムク国産材を使えば単純計算でも床面積の4倍以上ありこちらのほうが達成が
簡単です。しかも、内装材として使うものは平方メートルという面積ですから厚みは関係ありません。

それにつけて壁材の面に節アリの材を使っても無節材を使っても問題にされません。ですから特等と
いう節アリ材を使えばたちまち180平方メートルをクリアできます。もともと木と塗り壁を推奨してきた
我々は250〜300平方メートルくらいの羽目材を使っていましたから満額を目指すことは容易でした。

仮に180平方メートルぎりぎりにクリアできたとして、300,000ポイントですから、1平方メートルあたり
1,666円の補助ということになります。これは節のある特等材の価格のほぼ8割〜10割をカバーしてしま
うものです。いままでにこのような高い補助が出たことはありません。これには大変驚いています。

つまり、180平方メートル(55坪)はタダだということになります。(現金支給ではありませんが)
茨城県産材の補助制度の場合は茨城県の産地であることが条件ですが、この場合は国産材であれば
OKです。秋田産でも岐阜の産出でも「国産の出荷証明さえ出ればOK」ということです。

当初、この制度は構造体には純粋な国産材だけが対象でした。それがカナダや欧州からクレームが
入り、そんなのは外材締め出し策で納得できないと大変な剣幕で言われました。そうなると役人は弱い
のですね。いつの間にか構造体に米松を入れる柱に欧州トウヒ(ホワイトウッド)を入れるということになって
しまいました。

「え〜、それって国産材振興のはずじゃなかったの」と声が出ましたが、国産材を使っていれば合板も
集成材もOKだし、燃料が国産材を使うならと薪ストーブも対象にしたくらいですから押して知るべしで
しょう。

かくして、どうでもよくなった補助金制度ですが、このお蔭で国産材シェアが23%にまで回復したと
統計を作った役人は喜んでおります。最初に予算取りをした木材ポイントは3月で終わりましたが、
好評につき(誰が好評といったのかわかりませんが)9月まで延長となりました。

いままでは該当しなかった外国産の柱集成桁を使っていたビルダーまで内容を変えずにこの申請が
出来るようになったところもありますので、はたして9月まで予算が持つかどうかも怪しくなってきました。
もうこうなると単なるバラマキの何物でもなく「大儀」だけが一人歩きをしているようなものです。

ただ、きちんとこのメリットを信じ国産材に切り替えてきた人には恩恵がなければなりませんが。
「早く契約すれば補助金がもらえますから」と宣伝文句に操られるのだけは避けてほしいところです。


トップページへ戻る






コラム669 2014年07月08日

木材利用ポイント

 今月はお二人の方が竣工引越しされ、あわせて木材利用ポイントを申請いたしました。

巷では「こんなもの、個人が手続きできるレベルではないだろう」と批判続出なのですが、それはそれ
もうスタートしてずいぶんと時間がたってしまったのですから、好きとか嫌いとかの問題ではなく、手続き
しなければ建て主さんが恩恵に預かれないわけで、われわれ納入業者がその事務をこなしています。

まず、手続きの煩雑さがあります。その前に申請する条件として工事業者がこの制度を利用するための
登録手続きをしておかねばなりません。そのほかに、我々納材業者(資材を供給するもの)も事前登録を
しておかねばなりません。

この登録も誰でも出来るものではなく、合法木材を扱っていますと認定を受けたものでないと資格があり
ません。この認定を受けるにもまず基本的な木材業者登録をしていないと取れないようになっているので
まるで登録の上に成り立っている登録みたいなもので行政の手数料稼ぎをやっているようなものです。

その上にこの手続きはほとんどネット上で行なわれます。ですから、上の条件をクリアしたうえでネットを
使えるものでなければ申請そのものが出来ない仕組みになっています。
昔ながらの材木屋のおじさんで、「俺はパソコンなんて使ったことがねえ」なんていっている人は論外なの
です。

まあ、グチはほどほどにして、これらの資格を持った業者と納材業者がいてはじめて建て主さんの申請が
出来るということになります。何だかんだと言ってここまで理解して申請をしている建て主さんは皆無で
しょう。
よって我々がほとんどの下準備をして、あとは建て主さんにサインだけしてもらうという流れになって申請
が行なわれております。

統計上、国産材の使用比率(シェア)は18%にまで落ちました。それは高度成長の時代の需給バランスの
崩れからきていますが、一度落ち込んだものを回復させるには並みの苦労では出来ないと行政も悟って
いたのでしょう。該当すれば合計60万ポイントという飴玉をぶら下げました。

これは県の行なっている柱プレゼント(20万円)のはるかに上を行くものです。支給条件として半分までは
商品券が獲得できるけれども半分まであるいはそれ以上の金額はリストアップされた商品カタログから
希望の品を選ぶと言う「親切な仕組み」になっています。それも各部所でそれぞれに費用を頭ハネした
ようなお高い設定になっていて、市場単価の1.5倍くらいはするのではないかと思ってしまうような価格の
構成です。

あくまでカタログを見ての印象ですから、本当に価値があるのかどうかわかりませんが、それ以外のもの
を選ぶ権利はありませんので喜んでよいのかわかりません。

まあ頂けるのだからいいかと考えるしかありませんね。

つづく


トップページへ戻る






コラム668 2014年07月07日

どこから狂っているのか

 大ドロボーも最初から大がついたわけではなく、コソ泥といわれる黎明期を過ごしてきたに違いないと
思います。などというとたいそうらしく聞こえますが、要は消しゴム一個からのスタートだったのではないで
しょうか。

いま話題の人、兵庫県議会のN氏その人ですが、遠方の日帰りで195回も出張し、しかも出張したその日
地元のスーパーでカードで買物をしてその分まで政治活動費として請求を出していたというからいい度胸
をしていると言いたいですね。

政治家ってそんなに出張が多いんでしょうかね。いや、本当に行っているんならそれはそれで良いでしょ
うが、記録の裏づけもなく請求すればお金が下りるという甘い仕組みにも問題があります。
これが民間の会社なら事細かに報告書を書いて上司の承認を得てやっとかかった費用が出るという筋書
きでしょう。

「きみ、何でこんなに出張費がかかったんだ」「社長だってグリーン車には乗らないぞ」
 「いやあ。それは成り行きでそういうことになって・・・」
「君はそこまでの器ではないだろう」「それにグリーンだって自由席だってスピードは同じだろう」
 「いやあ、そういわれても・・・」

「じゃあ、これはどうなんだ昼飯にステーキとは」「社長だってステーキなんぞ食わないぞ」
 「いやあ、それも成り行きで・・・」
「昼飯なんぞ家にいたって食べるだろう、これも認められんな」

なんてことが民間会社では言われているはずです。刑事モノではないですがせめて行動表を提示する
とか、抜き打ちで裏づけを取るとか正当な請求をするなら何を調べられても堂々としていられるはずなん
ですがねえ。

払うほうも自分の財布じゃない、いただくほうも領収書(理由書)も必要なしてお金が支払われるんなら
ちょっとくらいという「魔が差す」心が生まれても心情的にはわかりますが、たとえ消しゴム一個でも
「ドロボーはドロボーです」


トップページへ戻る






コラム667 2014年07月05日

また低血糖値の事故

 おととい書いたばかりの低血糖値の運転がいかに危険か、またもや同タイプの事故です。
世の中にはこういう予備軍的な人が何万人くらいいるのでしょうか。
医師からは運転を控えるように言われていたと言いますが、じつに生ぬるい!

今回は首のけがくらいで済んだから良いものを、それでも被害者にしてみればあわなくても良い事故
であることには違いありません。理由は問わず相手を死に至らしめる可能性が大きいのですから、
免許停止は当然です。

私らよりちょっと上の人からは、戦後あまり食糧事情が良くなく腹が減りすぎて目がまわるという話しを
ききましたが、いまはそういうことの逆事情で糖尿病になる人が多いと聞きます。もちろん、DNAの
仕業もあるでしょうが、被害者を出してはいけないという観点からは結論は同じはずです。

早く、医者の権限を優先して警察との連携をとるべきです。それを怠った医師も罰を受けるくらいの
厳しいものにならなければ「運転を控えてください」では解決しないでしょう。もし、医師の身内が診察して
いた患者に事故を起こされて命を落とすようなことがあれば「控えてください」程度の言葉で自分自身が
納得するでしょうか。それを考えたら他人事では済まないでしょう。


トップページへ戻る






コラム666 2014年07月04日

そろそろ格上げを

 スポーツ界では海外に出て活躍している人たちがけっこういて、頼もしいなと思います。そんななか
大リーグではマー君が12勝目をあげたとネットニュースが伝えています。おお、やるなと思いました。

最初にアメリカへ渡っていった投手ではたしか村上さんという方がいたと思います。
そのことはかれこれ40年近く前のことだと思います。今ではたくさんの選手が海外へ行ける様に
なって当たり前みたいに見ていますが、しかし当時としては言葉では表せないくらい大変だったと思い
ます。

昔々、大リーグ選手が日本へ来て試合をやったとき、圧倒的な力でアメリカチームが勝ったと思います。
それから半世紀近く経って今では5分5分かというくらいにまで均衡してきたのはうれしいことです。
(特に野球のファンではないですけど)

先日、ホームランをくらったときに相手の選手が「まぬけ」とか言ったそうですが、本人は試合の中では
よくあることで気にするようなことではないとあっさりしていました。すこしくらいのことでめげない根性は
すごいなと還暦を過ぎたおじいさんでも頼もしいと思いました。

もうそろそろマー君から格上げしてあげても良いのでは。
マー様、マー殿、マー閣下、ミスターマー、ビッグマー・・、パチンコやみたい。
何かしっくりきませんね。

今日はアメリカのインディペンデントデイ。どでかいハリケーンがきているようです。

トップページへ戻る






コラム665 2014年07月03日

記憶にない・・・


 7/1に書いた車の暴走事件について追記します。
本人の取調べに関して、まったく記憶にないと話しているとニュースに出ていました。
これは本当のことで、血糖値が下がると記憶をするエリアが真っ白になって覚えていないそうです。

事務所前の畑での出来事のときもそうでした。数日後に家族(奥さん)に連れられて本人が来ましたが
「お父さん、覚えてる?」「ほら、そこの畑で・・・」と言っても、本当に何も覚えていないといった感じの
表情でした。

こういう人が事故を起こしても、弁護人は「突発的な出来事で・・・」擁護するでしょうが、被害者としては
何も変わらない訳で、どこへ怒りをぶつけたらよいのかわかりません。
結局、病気だから本人の意識がなく悪意ではないからとか理屈をつけられ補償も満足に受けられない
事態になると思います。

こういうことはいつも起こってから後手後手で騒がれ、忘れたころやっと整備されるというのが常です。
いまや、ドライブレコーダーも簡単に取り付けられる時代です。予備軍の人には義務化をするとか、
投薬治療中の人には運転禁止命令を出すとか早く対処していかないと同じような事故事件は再発する
と思います。

飲酒運転がどんどん重罰になっているのに、こういうことがあちこちで起こっているのはおかしいです。
その人の人権をいう前に、何の落ち度もない人を保護することのほうが大事です。


トップページへ戻る






コラム664 2014年07月02日

北国の屋根

 ちょっと季節がズレますが、北国の雪対策屋根について書いてみます。
テレビなどでも豪雪地帯の映像を見ることがありますが、基本的には三つのタイプがあると思います。
1 自然に落下するように作られているタイプ
2 雪下ろしをするように作られいるタイプ
3 まったく雪を落さないで逆への字にした貯め込みタイプ(倉庫タイプの建物に見られる)

一般的に雪の多く降る地方では瓦屋根は少なく金属屋根が多いです。そして、その勾配がきついか
ゆるいか(自然落下型か人力型か)になります。比較的田舎には小さな水路が設けられそこへ雪を流す
方法がとられています。これも生活の知恵でしょうね。

雪は重量があります。一説には1m積もれば三分の1は水という重さになるそうで、それだから雪下ろし
をしないと家がつぶれてしまうと言うことなのです。当然ですが、積もってから下ろすまで屋根に乗って
いるわけですからそれに耐えられなければいけません。

ということで、北国の屋根は軒先をあまり大きく出せません。出すときは下に受けの柱を建てるようにし
ます。
しかしながら、時々秋田へ行くときに周囲を見ていると軒先が破損している倉庫などが目立ちます。
よく見ると、ほとんど関東地区と同じような屋根の造りをしているのです。部材もけして大きくなく軒の
出もこの辺と同じように見えます。

ここへ豪雪と言われる数十センチの雪が積もるのですからたまったものではありません。
ものの見事にへの字に折れています。住宅ならそれなりの配慮をするのでしょうが倉庫となると
予算重視になってしまうのでしょうか。

春先の雪が解けてきた時期になるとこういう景色が目立つのです。雪国の教訓ではありませんが
やるときには基本的なことをカバーできるようにがっちりとやっておかないとあとで高くつくという教え
です。


トップページへ戻る






コラム663 2014年07月01日

また暴走事故・・・


 昨日、大阪の御堂筋で車の暴走がありました。最近、この手のニュースがしょっちゅうなもので
「また脱法ハーブか」と思っていましたら、今度は糖尿病の低血糖値が原因であるとのこと。
どちらにしても被害者が多数出ていることには変わりがありません。

一番配慮しなければいけない運転者が自分の欠落事項を認識していないことが問題です。
医者もこういう人には運転禁止の職務命令を出せるようにしておかないとまた事故は起きます。

個人的な言い分言い訳はあるにしても、全員をそれで縛ることは出来ないとか何かにつけ先手を打って
いないことが被害者を増やしていることにつながっています。

過去にもてんかん持ちの人が朝の集団通学の列にクレーン車で突っ込んで多数の小学生が亡くなり
ました。
本人は(社会的に見ても大したことがない)刑に服し、また社会に出てこられますが、なくなった人その
家族は時間が止まったままです。

以前、この事務所の前の道路で芋畑に乗用車が突っ込み、乗っていた人が畑でのた打ち回っていた
ことがありました。車のナンバーを通報し状況を説明したら表題の糖尿病の患者であることがわかり
家族の指示により砂糖水を含ませたらけろっとしてしまったのには驚きました。

このときは田舎の畑で誰もいなくて本人だけの問題でしたが、あれの都会版だなとしみじみ思いました。
考えれば薄気味悪いことです。

こういった潜在的事故発生予備軍が世の中にはわんさかいると思うと自分で気をつけていてもどう防い
で良いのかわからなくなってきます。やはり、医者が運転禁止命令を出し警察に資格停止の連絡をし
病状が完治したら復帰させるという仕組みを作っていかないと解決しないと思います。

プライバシーだの個人の権利だの言う前に、被害者の生命が優先されるべきだと思います。


トップページへ戻る






コラム662 2014年06月26日

ECO IDLE?


 最近の軽自動車では信号で止まるたびにエンジンがとまり、発車するときにまたエンジンがかかって
スタートする仕組みなっているものが目立ってきました。
車両のうしろにはわざわざ「ECO IDLE」とマークがついています。

地球環境に・・・、燃料節約に・・・というふれこみなのでしょうが、どうも信じがたいと思っています。
この燃料高騰時代ですからたしかに節約術は大事だと思いますが、わずか数秒の間でも止まるんです。
そしてまた信号がGOになるとスタータをまわしてエンジンがかかってスタートしていくのです。

チリも積もればの精神なのでしょうけれども、それって本当なのでしょうか。一回の走行ではたして
何回スタータを酷使するのでしょうか。バッテリーだって相当の負担になるはずです。
こちらはデータがないから何とも科学的な反論ができないのですが、常識的に考えてもそんな簡単な
モノではないと思います。

たとえば、コンビニによったときにエンジンを止める、サービスエリアに入ったときに止める・・のなら話しは
わかるのですが、わずか数秒の単位でそれをやっても逆効果しかないのではないかと思います。
売る為の「受け狙い」なのか、作った人たちも本当にそれを信じているのか、科学的な実証が示され
ないと何ともいえないと思います。

急発進・急停車をしないようにするだけでしたときよりも15%くらいの差があるというデータのほうが
信じられます。私も最近はこれを心がけてスロー発進スロー停車を心がけています。

局部的にエコであっても、全体を考えれば別のところで補佐しなければいけないものはけしてエコでは
ないと思います。


トップページへ戻る






コラム661 2014年06月25日

ヤジを飛ばす無品格議員

 いま話題の都議会S議員のヤジ飛ばし問題、他にもいたという議員はどうしたのだろうか。
世間に都議会をPRしようとした訳ではないのだろうが、どうもやることがSTAP細胞のレベルより
低い。

こういうことが話題になること自体レベルの低さを露呈しているようなものだけれど、他にもいた
「だんまり組」はどんな気持ちでいるんだろうか。自分も選挙のときは必死になって「一票を下さい」と
ペコペコお願いしていたのだろうけれど、相手だって都民の意思を受けて当選した人であるはずだ。

議員を馬鹿にするイコール都民を馬鹿にしたことと同じだ。相手を認めないのは言葉でも暴力でも
やることは同じこと。中東の争っている国をどうこう言う資格さえないと思う。

名乗り出たS議員はそれでも6日後である。「こんなバカな人を選んでしまったのは我々だから」との
都民のコメントは重く切ないものがあるだろう。


トップページへ戻る






コラム660 2014年06月24日

耐震の理論2

 植物は自然界の中で成長するのに風に吹かれ雨にさらされかなり厳しい気象条件で育ちます。
葉をつけた枝が風で揺らされると幹は負けないようにと踏ん張ります。それは太いほうから細いほうへ
幹と枝をしならせて力を分散させることです。

昔からの釣り道具に竹が使われていました。太さはまちまちでも元と先っぽの形状は皆同じです。
糸のついている先っぽはほとんど魚に対して直線になり、太いほうへくるなりにRから直線に近くなり
一転に集中して力が加わらないように分散させています。

これが折れない、つまり竹が生き残るための防御になるわけです。
これらは自然界のなせる業で実に長い時間をかけてきた生き延びるための策だと思います。
木材も基本的にはこのスタイルで成長していきます。

竹は中が空洞だから建築材としては使えなかっただけで、この空洞をうまく利用する知恵があったなら
昔の人は竹をもっと建築に利用していたに違いありません。 まあ、その点はさておいて・・・

木はトンガリコーンをどんどんかぶせていったような成長をするため、樹肉がしっかり詰まっています。
もちろん成長するための枝(節)もありますが、年数が立てば経つほど径が大きくなりいろいろな部材に
使えるようになります。しかし、いくら大きくなってもしなりの原理は失わないのでその点が一番の利点
だと思います。

そういった優れた性能を持っている木材を使用しているにもかかわらず、いまの建築はその利点を
殺しながら使っています。実にもったいないことだと思います。
機械加工・金物補強・面材の使用・・・、すべて木組みの利点を潰しています。

上記のデメリットは前項でも書きましたが、そのほとんどが耐震・コストダウンの名目で推し進められて
きました。
木と金属は合わないことを長い間の経験から知っているのにその方向へどんどん向かっています。
面材も歴史的な実績がないのに表面の数字だけで地震に強いという判断をしています。
それを留めているのは釘という金属なのにです。

今の日本の建築からはどんどん「しなり」というものが失われていっています。これは行政がこのことを
理解していない・できないからです。数字で表せないから基準にならない・・・ということなのです。
世の中ってそんなに数字で固めなければ生きていけないものなのでしょうか。データなどなくても
昔から存在してきた建物があるのになぜ認めないのでしょうか。

行政(お上という人たち)が「ブーフーウー」のレンガの家が一番強いという本を一番先に読んでしまった
からでしょうか。


トップページへ戻る






コラム659 2014年06月23日

耐震の理論


 世の中は、人手不足と住宅コストの圧縮ですでに8割ほどの木造建物が機械加工となってしまい
ました。業界紙においても早くから大工さんの高齢化は叫ばれていましたが機械加工することによる
デメリットはほとんど言われてきませんでした。

いつの世でも何かが普及してくるときに声高にデメリットを言う人などいませんが、現実には伝えて
おかなければいけないことがあるのは事実です。

もともとプレカット加工というのは、けして低くなかった供給力に対して更なる需要がおきていてそれを
満たすために機械加工で間に合わせようと言うのが主旨でした。

機械というのは人間のように一ヶ所一ヶ所違う加工をするのは得意ではなく、連続して同じ動きを
させるのが向いています。コンピュータの命令で動くのですから、そのコンピュータに命令を入れて
おかなければなりません。その作業は人間がやるのでなるべく同じ動きをさせるようにすれば入力も
その分だけ簡単になるわけです。

個人個人の住まいは建売りは別として、一つとして同じ形はありません。それの木組みをどうやって
まとめても加工仕口を一種類には出来ないのです。柱について言えば、一階と二階の柱の位置が
同じだと横架材が105mmなら半分づつに長さを詰めないとゴッツンこしてしまいます。そのほか、
かち合わない箇所はホゾを長く出来るわけですが、その区別をいちいち機械に命令をかけて作業
させるのは非常に非効率になります。

それならばと、一律に短いホゾにしておけば間違いないだろうと短いホゾになってしまいました。

そうなると、引き抜き作用が簡単に起きてしまうのでそれを防ぐのに金物をベタベタ張りつけることに
なるわけです。引き抜きの論理はそれでツジツマが合うかもしれませんが地震で横に揺らされるときの
ことを考えると明らかに木組みのモーメントが違います。

役人は理論でクリアしようとしますが、現実には現場でどう耐えられるかが問題なのです。薄っぺらい
金物をくっ付けているのは数本のビスです。これが横揺れの柱のモーメントと戦って勝てるかという
ことなのですが、ビス類は一度ダメージを受けると復活するのは100%無理です。

金属にしなりというものはありません。もとに復元することもありません。強いように見えても一度破壊が
始まるととまりません。そこが木組みと違うところです。

そこへまた、面材というスジカイの代わりになるものが出てきました。この素材による工法の違いが
ますます家を硬くする方向へ行っています。


トップページへ戻る






コラム658 2014年06月19日

職人不足なのか・・・

 私のところは国道245号線の近くにありますが、有視界範囲にコンビニが二軒ほど見えます。
と言っても、一軒はいま建築中で、あと二週間ほどしたら開店出来るかなという工事の真っ最中です。

こういった店舗はとにかく工事スピードが速く、あれよあれよと言う間に開店してしまいますが、いまの
状況はちょっと違うようです。なかなか工事が進んでいないように見えます。構造体としては軽量鉄骨
で、建物の形を作るまでは結構順調に見えましたが、その後の進捗が思わしくありません。

コンビニといえば内装は決まったように石こうボード+クロスです。しかし下地などはほとんど軽天と
いわれるブリキを折り曲げてCの字を作ったような金属系の下地で進められます。これはほとんど内装
屋さんの仕事で木造の大工さんは出てきません。

極端な言い方をすれば「数日で出来上がってしまった」という感じがするものです。
しかし、いまはその「数日・・」ではとても出来ていないのです。やはり職人さんの不足なのでしょうか。
直接見通せる80mほど離れた場所なのですが、ここ数日変化が見られません。

人のことを心配しているヒマはないのですが、気になってしまいます。

もともと、コンビニは頻繁には利用していませんのであまり自分にとってメリットはありませんが、見なく
ても見えてしまうので無意識に観察してしまいます。これも同じ建築業界、職人さんの不足は例外なく
影響しているのですね。

私らのチームで動いてもらっている基礎屋さんもTさん宅をやっと着工してくれて、昨日基礎の枠が外され
ました。あと数日、養生をしたら土台が載せられます。構造体などはとっくに出来てしまって基礎待ちと
なっていましたが、やっとこれで工事がスタート出来ます。まずは一安心です。


トップページへ戻る






コラム657 2014年06月18日

各ビルダーがずらり

 今月末には完成となりそうな水戸市平須のSさん宅一角には南北に5軒の建物が建っています。
北からSホーム・ご本人宅・Aホーム・Hや住宅・ I 工務店・・・

納材屋の立場からいろいろな研修をさせていただきました。
 ご本人宅以外は、基礎はすべて風窓(通気口)なし、基礎パッキン方式。
            基礎の高さが(低いと言うと語弊があるので)高くない。
            構造体に集成材を使用している。
            床を先に作る方式。
            スジカイを使わない面材工法。
            その上に防風シートを直接張っているからシートが独立していない。
            窓はデザイン的には良いが小さく通風にはちょっと。
            屋根野地はほとんどが合板張り。
            屋根が(瓦はほとんどなく)コロニアルのような素材。
            軒先の出が少ない。ヤギリ換気が見られない。
            すべて太陽光発電が載っている。
            内装がほとんど石こうボード+クロス。
            全般に雨戸をつけることが少ない。(シャッターはある)

まあ、このほか見えない内部に関してもいろいろと違いはあるものと推測されますがその点は不明。
それぞれの考えと言っても、ほとんどが住宅業者のやり方で作られているというのが印象的でした。
結局は規格住宅あるいはそれに順ずるものを「買っている」ということなのでしょうね。

太陽光発電を載せるくらいなら室内を全部ムク材を張ってもまだお釣りがくると思うのですがねえ。
「再生可能エネルギー」をいう前に、自分の吸う空気環境のほうが大事だと思うのですが・・・。


トップページへ戻る






コラム656 2014年06月17日

遅れて出てくる筋肉痛

 以前からアマチュア無線をやっていて、2アマの試験にパスしたことは書いたことがありましたが、
その上級クラスの周波数帯に出るには新しいアンテナが必要で、久々にその工事をやりました。
数週間前にはアンテナを回す(ローテータという)部分の整備をしておきました。

地上では新しいアンテナのパーツを組み立てておいて効率よく動けるように準備をしていました。
いよいよそのセットアップで宅地内に立ててあるコンクリート電柱にのぼることになりました。
15日の朝、晴れていて風もほとんど吹いていなかったので実行することにしました。

1セットで15kgほどの重さがあるのですが、これを一人でセットするのは結構大変なのです。
あらかじめ、トップの部分に滑車をつけておいて持ち上げるのと引っ張るのとバランスよく上げて
いきます。

周波数帯は14MHzですのでアンテナ自体の大きさが一番長いエレメント(素子)で11mほどに
なります。ブーム(心棒)の長さが6.5mで腕力的には何とか大丈夫でも何せ「デカイ」のです。
庭といっても植木などがあり、下で組み立てることが出来ないので、途中に吊り下げておいて
エレメントの取付けをします。
エレメント(素子)は三本ですからちょうど王様の「王」の格好になります。

出来るだけ負担が少ないように王様の王の真ん中のエレメントだけ付けないでおいて、マストにセット
してから後付けで組み上げることにしました。下準備を念入りにやったつもりでも予定をオーバーして
何度か昇り降りをしてしまいました。

お天気が良かったせいもあって、汗がだらだら、日には焼けるわであまり周りを眺めながらという
余裕もありませんでした。下から見るとたった12mの高さなのですが、上にいると「高い」ですね。
大した風も吹かなかったのですがそれでもちょっと吹くとアンテナの風を切る振動が伝わってきて
手元が緊張しました。

すべて一人の作業でしたので朝からお昼過ぎまでかかって何とか設置を終えましたが久しぶりの
ハードな作業でした。作業も終盤のころ上で最後のボルト締めをやっていると、下から「何か手伝う?」
とお優しいお言葉が・・・。 う〜ん、今頃言われてもねえ。 「大丈夫だよ、ありがとう」と上から返事を
致しました。

それにしても久々の肉体作業で一日おいた今日はひどい筋肉痛です。
この分だと数日は続く模様です。 老化と筋肉痛は忘れたころにやってくる。ハイ


トップページへ戻る






コラム655 2014年06月16日

今月の勉強会

 今年の梅雨の予報はかなり当たっていましたが、勉強会当日はとてもよい日になりました。
不思議なことに天候不順で中止となったことは3.11の震災の直後の会だけで、今年の2月の雪の
ときでも実行できましたから高水準成績で突き進んでいます。
今回は父の法事で変更となり、初めて一昨日の土曜日に行ないました。参加は21名、たくさんの方に
来ていただきました。有難うございました。

今回は設計士のHさんと棟梁に参加していただきました。
さすが、現場で鍛えている方たちだけに経験談は皆さんひきつけられたことと思います。
なかでも、市街化調整区域の話題では盛り上がりました。

ほぼ、満席で予備イスまで使って行ないましたが、あとから参加された方にはご不便をおかけいたし
ました。熱心な質問等もたくさん出て、私の独演会とはまた違った良い雰囲気で行うことが出来ました。

会終了後、進行中の現場を見学させていただきましたが、こちらも大部分の方が参加され、ひたちなかと
水戸の両方の課外授業となりました。夕方近くまで皆さん熱心に見聞きしておられました。
長時間お疲れ様でした。

来月は平常の第二日曜日に予定しております。今回見学させていただいた二つの現場も完成して
いると思いますので、ご希望の方は建て主さん直接にお願いして見せていただくようになると思います。
ご希望の方はこちらまでご連絡をお願い致します。


トップページへ戻る






コラム654 2014年06月10日

物理的な理解

 世の中の多くの人が、なぜテレビが映るのか、なぜスマホが動くのか・・・などと理解している人は
ほとんどいないと思います。でも、自分ではときどきこの「なぜ」という文字が頭を駆け巡ります。
性格が理屈っぽいのかもしれませんが、無性にそれらを知りたくなるときがあります。

大概のことはネットで調べればわかるようないい時代になりましたが、それでもちょっと込み入った
内容になってくると専門用語などがいっぱい出てきて「わかったような、わからないような」となって
しまうこともあります。

せっかく、この世に生まれてきて、電気の恩恵を受けて生活しているのだからと身近な「交流の電気」に
ついて調べて(理解して)みよう思いました。まあ、工場でもキューピクルという変圧器を持っているし
三相電気についてもわかったようなわからないような程度だったので、できればきちんと理解しておき
たいと思ったのでした。

しかしながら、電気というものは実に奥が深いというか理解するには工業大学の知識が必要なくらい
「分厚いもの」だと感じました。ウィキペディアでもたくさんの枝葉が出てきてそれを一つひとつ追いかけ
ていくと最初には何を知りたかったのかを忘れてしまうほどに疑問点が何乗倍にも膨れ上がってしまい
それだけでため息が出てしまいます。

目に見えないものだけど、何か魔力を持っていそうな電気。
周波数、正弦波、位相、電位、力率、平均値・・、ああ、なんか当分楽しめそう。


トップページへ戻る






コラム653 2014年06月09日

父の13回忌

 毎月第二日曜日に行なっている勉強会ですが、今回は父の13回忌の予定が入っていたため
14日(土)にずらして8日(日)に東京まで行ってきました。あいにくの梅雨空で途中結構な雨が降り
ましたが、お坊さんにお経をあげてもらうときと墓参りのときだけはわずかな小雨となり、あまり濡れずに
済みました。

なぜお墓が東京かというと、父の出身地が東京だったとのこと。私らとしては小さいときから墓参りと
言うと東京に行けるとうれしくて仕方がありませんでした。場所は中野区上高田、電車では東中野で
降りて歩いて10分くらいの所です。昔戦争があったときにお寺も集団疎開で今の地に移って来たとか
言われています。ですからまわりはお寺さんばかりです。

小さかったころの墓参りは電車利用が多く、乗換えを二回して4時間ぐらいかかりました。
いまは高速道路が整って車で二時間ちょっとで着いてしまいます。
味気なくなったと言えばそうなのですが、日の明るいうちに戻ってこれるのは有難いなと思います。

最近、お寺さんでも人口減の影響なのか、権利を放棄してなのか、守る人がいなくなったのか空き
スペースが目立っていました。今回行ったときには管理会社の人がいて「墓地受付中」の幟が何本も
立っていて利用者を募集していました。(お墓は使用する権利だから販売中とは言わないんですね)

墓地の奥にはペットのお墓もあって時代が変ったと感じました。これから先、20年は生きられるかどうか
わかりませんがお墓の意義って何だろうと思いましたね。

私は長男ではないのでこのお寺のお世話にはならないと思いますが、そろそろ相方と二人で墓地の
話しが出るようになりました。子供たちは近くにはいないし墓守が出来ないとあまり意味はないしと
思うし、「まあ、樹木葬でいいか」と話しています。

親を送ると次は自分たちの番だと誰かが言っていましたが、まあこれだけは順番ですからね。


トップページへ戻る






コラム652 2014年06月06日

需要をこなせない下職さんたち

 消費税が変更される前から駆け込み的な現象は予想されましたが、過ぎてしまえばじきに戻るだろう
と考えられていました。ところが5月末になっても現場は忙しい状態が続いています。

これは今までに縮小の連続で転職・廃業・高齢化の自然消滅で減り続けてきたことが、現場に携わる
実質的な処理能力がガタガタに落ちているということを物語っています。
数字で言えば、10の仕事量に対して対応できる能力が10でバランスが取れていたところ、長い間に
仕事量も処理能力も3に落ちていた。ところが急に仕事量だけが5になって対応力は3のまま。

以前なら5の対応力にすぐ戻れたのが今はそれができない。
それはこの業界が、特に下職さんの考えが否定的な考えになっていて、「いまさら、職人を増やしたって
その後がどうなるのかわからない」 「仕事がない、仕事が減ったと悩むなら現状でいい」という考え方な
のです。

これは型枠業界も同じです。いま、公共工事が入札不落になるのはやる気がないのではなくやれない
から入札に参加しない(出来ない)のであって、この縮小した木造建築の業界とまったく同じなのです。

そうは言ってもいつまでもお客さんを待たせるわけにも行かず、基礎屋さんにも何とかしてもらわなければ
その先が進まず何とも動きが取れないので、再交渉し、現場をやりくりしてもらってやっと工事が開始され
ました。

これでやっと現場がスタートできました。
すでに大工さんの木材加工は終わっていていつでも建てられるようにスタンバイ状態になっています。
あとはコンクリート工事が終われば(ちょっと養生期間をおいて)すぐに現場開始です。

いつの時代も需給バランスが崩れて良い結果が出たことはありません。


トップページへ戻る






コラム651 2014年05月30日

電子化で追いやられるもの

 ここ十数年で、いろいろな分野の電子化が進んできました。特に通信の分野は戦国時代の様相です。
飛脚の時代から長く続いた郵便制度、それがインターネットのメールにとってかわられ、いまや郵便は
企業のダイレクトメールがなければ即廃業とまで言われています。

新聞とて倒産する時代になりました。人口減もありますが特に若い人は新聞をとらないといわれます。
おおよその情報ならスマホで充分に足りるということなのでしょうか。

同じ印刷分野で紙を主体とする本の業界も同じです。電子図書というものがじわじわと広がっている
そうです。紙からタブレット端末に変わっても著作権さえ確保出来れば執筆者はそれでよいのでしょうが、
どこが一番困るのかというと町の本屋さんと製本印刷屋さんでしょう。

お店の宣伝でもチラシを入れる方法しかなかった時代からHPでPRするようになってくると、街の印刷
屋さんは干上がってしまいます。それに関連したエージェンシー(代理店)だって失職してしまいます。
いまや新聞料金で得る利益よりも広告の折込料でほとんどの経費を稼いでいる新聞販売店も同じです。

 IT というものは新しい分野を創造するけれどもその裏側の見えない部分も消し去るということです。

趣味で楽しんでいるアマチュア無線の世界もそうです。
顔も見知らぬ遠方の国の人と交信して、その証しとして「交信証」(QSLカードといいます)をお互いに
発行するのですが、特に地球の反対側のブラジル・エクアドル・ウルグアイなどと交信ができると、その
交信証を部屋に飾ってステイタス気分を味わっているのですが、これもしだいに電子化されつつあります。

ネット上に巨大なサーバーがあり、ここに世界からハム(アマチュア無線家)が登録します。
たとえばブラジルの人と交信したとすると(相手も登録しているとすれば)このサーバーに交信したという
データをアップします。相手も同じサーバーにデータを入れるとサーバーが自動で照合し相手のところに
交信した電子証書を作成し設定した私書箱みたいな所に配達します。これで一丁上がりとなります。

今までですと、国内の転送業務をやっている組織へ送って、そこから相手の国の転送業務をやる組織
へ船便で送られ、さらにそこから本人の住所へ届けられるという手間のかかることをやっていました。
それがネットを使えばこれだけ簡単にことが運ぶというなんとも便利な仕組みが出来ました。

ただ、この組織は国際的なものなのですべてが英語で書かれています。それを訳しながら使っていか
なければならないので自分でもその仕組みが完全には理解できていなくて辞書を引きながら悪戦苦闘
しているわけです。還暦を過ぎてこんなことをやるとは思っても見ませんでしたが、ボケ防止のためと
割り切って頭の体操をしております。


トップページへ戻る






コラム650 2014年05月29日

ガソリン高騰

 最近、どこへ行っても気になるのがガソリン(軽油)価格です。先日出掛けた秋田のときもそうでした。
往復で1000kmを超えると最低1回は給油しなければならないので、どこで補給するのが良いか考え
ながら走ってしまいます。

東北もかなり地域差があるようで5〜7円くらいの開きがあることがわかります。
2tの貨物車なので一回の給油は安全を考えると40リットル前後になります。5円の差があれば200円と
何回か重なれば結構な差になります。

それでもめったに行かないのだからと割り切ればどこで入れても良いのですけれど。
そこはケチな貧乏人根性、自然に店頭価格のほうへ目が行ってしまいます。

GSのほうも知恵を絞っていますね。一般のフリー客をいかに取り込むかを工夫しています。
「プリカ価格」「会員価格」・・・などと小さな文字で安い表示をしていて、「うっ、安い」と勘違いして
入ってみるとそうではなかったり、まあこちらが勝手な思い込みで入ってしまうように仕向けている
のでしょう。

ついつい、今回の秋田行きで”あるGS”のメンバーになってしまいました。
メンバー料300円を払って、1.5回給油すると元が取れる計算ですが、果たして次に行くのはいつに
なるやら・・・

しかし、それでも道路を走っている車の量は減っていませんね。それだけ「車社会」というものが
定着してしまって、田舎ほど車なしではどうにもならない動けないということになるのでしょう。
現在乗っている車で一割走行距離を延ばす方法などというのも言われており、やればそれなりの
効果はあるのでしょうが、かなりの配慮をしなければ5%アップするのも難しいようです。

燃料を入れなきゃ、「ただの固まり」になってしまうし、電車で行けば荷物は持ってこれないし、
運送屋さんに頼めば相応に運賃がかかるし・・・痛し痒しというところです。


トップページへ戻る






コラム649 2014年05月28日

45日で出来る家

 近年、どこのHメーカーでも工期短縮に血眼になっています。しかし、これは建て主さんのためなど
ではなく、作り手に都合が良いから目指しているだけです。最終目的は建築費の圧縮です。

当然のことながら、簡単で早いものが優先されます。となると自然に何が使われ工事が進められるか
がわかってきます。

まず、構造体の加工はすでにプレカット化しています。床下地も同様。屋根は合板でパタパタっと。
内装はほとんど石こうボード+クロス仕上げ、窓枠だって今は付けずクロスを巻き込んで終わり。

開口部はメーカー製の規格ドア。湿式の塗り壁などやらず壁に見えるクロスを張るだけ。
畳だって薄い軽いものでお座りしたら一発で違いがわかる「もどきの畳」です。

これって良く見るとアパートの仕上げと変わっていない、つまり、ちょっと部屋数が増えただけでアパート
仕様と同じなんです。

最近、吉野家と競り合っている「すき家」がアルバイトの大量退職で立ち行かなくなっていると言います。
いわゆる「ワンオペ」と言われる何から何まで一人でこなすという仕組みですが、あまりの労働環境に
働くものがついていけないという事態で「改装中」のわざとらしい張り紙を出して休業続行中です。

住宅も同じようですが、他と違うのはほとんどが高齢化して退職したら絶対戻ってこない(これない)点
だと思います。資材屋もぎゅうぎゅうに押し詰められた価格で納入させられ、しかも素人に毛の生えた
ような監督にアゴでこき使われ、おいしい所はみんなメーカー直納で頭越えですから生きていけません。

いくら宣伝で良いことを言っても、そこに働くものが息も出来ないようならその仕組みは続きません。
エコだの地球にやさしいだのタコが出来るほど聞かされていますが、これもやがて時間の問題で
消滅していくでしょう。

吉野家・すき家はアルバイトだけ確保できれば復活できるでしょうが、大工・職人はそうはいきません。
45日で出来る箱は大した技術はいりません。それで住んでみたら体調が悪くなったというような家
ばかり出来たのでは言っていることとやっていることが違いすぎます。

そこに気付かないと何を言っても始まらないのですが・・・


トップページへ戻る






コラム648 2014年05月27日

メンバーフィー

 最近、私の事務所近くにコスト○という会員制のスーパーが開店しました。
聞くところによれば、4,000円のメンバーフィーを払い、格安の品物を購入できるのだそうな。
この金額を聞いて一般家庭の人が果たして採算がとれるのだろうかと考えてしまいました。

一人のメンバーに対して一人だけ?同伴できるとのことで、買った物を分け合えば安くなるという
ふれこみらしいです。
家内と私が通っているプールの人たちの中にもこのメンバーになって何人かで分け合って買物をして
いるのだと聞きました。

私の考えでは、どこまで近辺のスーパーと価格差があるのか、自分の消費量はどれくらいか、買物距離
を考慮しても尚且つ出掛けるメリットがあるのか・・・、などと思ってしまいますが、どうしてもそれ以上に
利益が得られるとは思わないのですが。

アメリカのように一個のハンバーガー、ステーキの量が半端ではない国の文化と日本のそれでは
ものの考え方がまるで違うと思うのですが、ビジネスとして捉えている人たちにはあくまで数字で動くと
考えられているのでしょうか。

こういうタイプの店が出てくることによって、既存のお店だって黙って指をくわえているとは思えません。
何がしかの対抗策を立ててくるでしょうし、そうなればメンバーになった人だって「お得感」は薄らぐで
しょうし、恐竜対恐竜の闘いみたいになってくることは必至です。

扱い商品が日常の生活用品・生鮮品の分野なだけに、決まった人口が二倍の消費をするのなら話しは
別ですが、段々と高齢化になり人口も少なくなっていく御時世でこのようなタイプのお店が繁盛するとは
思えないのですがねえ。

いくら安く買ったからといってトイレットペーパーを2倍・3倍は引っ張り出して拭きませんよ。
なにせ安さに血眼になっている消費者なんですから。


トップページへ戻る






コラム647 2014年05月21日

事件の背景

 パソコンの遠隔操作がどのようにして可能なのか還暦過ぎの頭にはとても理解できませんが、これら
一連の出来事は他山の石とは言っていられないものがあります。

それにしても、見えないところで悪さをするということは時代がちがっているとは言え、卑怯なやり方には
変わりないことです。

いくら文明の利器を使っても、所詮人間の行動は墓穴を掘るようにできているのですね。
河川敷の土手に埋めたと言うのですからどこまで頭がきれるのか計りかねる所があります。

結果から言うと、なぜこのような犯行に及んだのか、そこまでやるに至った経緯はやはり普段の生活
環境にあると思います。突然降ってわいたように逮捕された人たち、懸命に弁護をしてくれた人たち、
保釈金を出してくれた親、首になるまで面倒見てくれていた会社の方・周囲の方などなど。
すべての人に砂をかけた結果になりました。

彼がこれから受ける罰で、人生の大事な貴重な時間が高い塀の向うで「何を考えられるのか」払う
代償は大きなものになるでしょう。
いずれにしても小学生でもわかるくらいの「刑事犯罪」であり、事後に失うものを
想像できたらそれはゲームの中だけに閉じ込めておくべきものだったことは間違いありません。

親より先に死ぬのも親不孝ですが、親に保釈金を払わせそれをフイにしたのはもっと親不孝です。
この男は人殺しこそしませんでしたが「大勢の人の心を殺しました」


トップページへ戻る






コラム646 2014年05月20日

今度はミャンマーが丸太輸出禁止

 どの国においても輸出品は付加価値を高めて外貨を稼ぐという方向に進んでいきます。
世界の森林国カナダでさえも現在のようにもとから製品が多かったわけではありません。
山から伐採してそのまま丸太で売ったのでは原木代だけですが、製材して相手の希望のサイズを
作り付加価値を高めていけば国内の雇用と経済の発展にも良い結果をもたらします。

ただ、経済インフラが整備されておらず価値を高められない状況の国では相変わらず丸太の状態で
輸出せざるを得ず、いつまで経ってもそれは望めません。ミャンマーもその状態が長く続きました。

この国は天然チークなどが多く産出され、世界からも一目おかれていましたが、何せ国状が不安定で
それだけ違法な伐採や違法な取引(密輸)も横行していたと言われます。一定量しか切ってはいけな
いものを、現場では袖の下を使って倍くらいの取引をしてしまうというのは日常的だったはずです。

何と言っても陸が続いているのですから荷物が国境を越えていくのはわけのないことです。
その辺は日本と違うところで各国が躍起になって取締りをしているということになるわけです。
森林はたとえ民地であっても国の規模で考えれば「国益にかかわること」となります。

その観点からも今回の丸太輸出禁止措置は遅かったくらいだと思います。

禁止となると困るのは買っていた国ですが、まったく売らないというわけでもないので製品を仕入れる
方向に行けばことは済みます。とはいっても、中国のように(いままでは)安い賃金で加工し製品を輸出
していたいわゆる「世界の工場」ではその先が成り立たなくなってしまうわけです。

それは過去のアメリカと日本、日本と韓国、日本と中国、といった経済発展してきた「追いかける・られる」
構図をスライドさせる流れになるわけで、中国もどうやって価値を得るかは自分で探していかなければなら
ないということになります。

手っ取り早いのは、その資源をおさえてしまうのが一番になるわけで、したたかな国ほどアメとムチで
なだめすかしてグワッとやろうとしているのです。Rのつく国とかCのつく国とか・・・

天然のチークか・・・、しばらく見ていないなあ。


トップページへ戻る






コラム645 2014年05月16日

制限と禁止の違い

 法律を作ったからといってスパッとものごとが治まる国とそうでない国があると思います。
特に官僚・政治家が賄賂をもらって便宜を図ることが日常的に行なわれている国だったら簡単では
ないと思います。

環境保護といっても直接自分には関係ないと思っていればなおさらでしょう。まして、アムール虎を
密漁しているわけでもなく、すこし木を余計に切っているだけなのですから。ちょっと位の袖の下は
円滑にことを進めるための接待費くらいにしか思っていないでしょう。

日本のように船で運んで来ないといけないところではなく、鉄道貨物なら港湾の植物検疫だって
やらなくても自国に入ってしまえばどうにでもなるし、我が国とでは扱いが180度違ってくると思います。
まずは公的第三者機関が入らなければそういう保護措置をやっても効果が上がるとは思えません。

資源を輸出する側は最終的にはお金の額だと思いますから、極端な話、量が半分になって価格が
倍になったほうが楽なわけですから相手が喜ぶか困るかは別として「制限」という方法でいけば
自分に優位にことが進められるはずです。これを「禁止」としてしまえばまったくの収入がなくなるわけ
ですから、「うまみ」が得られないということです。

最終的に資源を持っている国は強いのですが、資源がなくなってしまえば話にもなりません。
以前のように唐松丸太の輸出関税を80%にするといって周囲が引いてしまった経験がどこまで生きて
いるのか注目すべきところだと思います。

売るほうもしたたか、買うほうもしたたか、迷惑なのはアムール虎だけでしょうか。


トップページへ戻る





コラム644 2014年05月15日

ワシントン条約による伐採制限

 絶滅の恐れのある動植物種の保護のため、ロシア政府がロシア産タモナラを条件をクリアしていない
と伐採輸出できないようにワシントン条約事務局に申請したと報道されました。ナラはアムール虎が
獲物とするイノシシが生息するのに重要な環境となるとのことで希少性の高いこれらの樹種の保護が
必要と判断されたそうです。

日本が輸入するロシア産広葉樹材は丸太・製品を合わせても2万立方メートルほどということですが
中国がロシアから輸入する量は丸太・製品をあわせて42万立方メートルにもなります。(木材新聞より)
これは統計をとられている数字でいわゆる闇の数字は入っていないということで、闇の数字が合法の
量に匹敵するくらいあるというと半端ではないと理解できます。

中国自体が自国の森林の伐採制限をしていて、不足になった量は他から調達しようとするわけです。
それらがロシアやヨーロッパへ向けられていくのですから世界中に余波が出るということです。

どこでも自国の環境は守ろうとし、どこからかその不足分を持ってこようとします。ですから一国の
事情は世界的に影響が出ることになり、まわりまわって日本にも影響が出てくるということになります。
再生可能エネルギーと同じように再生可能資源を推進していくことは大事ですが、世界の足並みが
揃わないと、特に中国の資源需要は桁が違いますから小さな問題では済まされなくなってきます。

ほとんどの農産物は一年そこそこで出荷できますが、木材となると50年 100年の単位です。
いくら再生可能エネルギーだといっても期間が長いものですから、それこそブレのない長期政策で
やっていかないと成立しません。


トップページへ戻る






コラム643 2014年05月14日

鋼管杭と柱状改良の違い

 いまや地盤調査と改良工事は瑕疵担保責任保険の加入に欠かせないものとなってしまいました。
それだけ昔のような優良の建築候補地が少なくなっていることがわかります。

ここ、ひたちなか市は県外各地の住宅地と比べると割りと平坦な土地が多い所ですが、それでも
まっ平らではありませんから削ったり盛ったりするところが出てきます。

とくにここ十年くらいに造成された大規模開発地というところは山を削り谷を埋めきれいにしたケース
が非常に多く見られます。この規模になると一般の建築業者ではとても出来ませんから、この地方での
いわゆる大手と呼ばれる業者が手がけることになります。

こういった造成地では前述したように同じように見えるけれど盛り土で形成した売り地ができるわけで
その辺のところは地元で昔の状況を知っている人以外は土地質を見抜くことは難しくなります。

盛り土というのは何十年経っても地山(じやま)と同じにはならないので何がしかの地盤改良が必要に
なってきます。このほかに、盛り土でなくてももともと地盤が柔らかい層もあるのでそういったところも
改良の対象になってきます。

その改良方法として、鋼管杭打ちと柱状改良が候補にあがります。このほか表層改良という方法もある
のですが一般的ではないのであまり採用されていません。

この地区の場合、関東ローム層という表層が3.5mから5mほど存在します。その下に支持層といわれる
硬い層があるのですが、鋼管杭打ちの場合、ここまで管を打ち込み垂直の保持力をキープします。
杭はどの位置に打ち込むかというと、基礎の立ち上がり部分(土台が敷かれる部分)の下になると考え
て差し支えありません。

柱状改良もほぼ同じ位置に施工するのですが、支持層までは到達していません。この方法は硬い土柱
を作り、その周囲の摩擦力で保持するという形をとります。ですから深さは3mくらいまでで支える力が
まかなえると考えます。いずれにしても家の不等沈下を防ぐという目的です。

どちらが優位なのかというと、それぞれにメリットデメリットがあります。
鋼管は金属の管ですから長期的にみて腐食の心配があると言われますが、業者営業の話では腐食分
まで管の厚みを見ているから心配ないといいます。
柱状のほうは腐食の心配はほぼありませんが、衝撃のきつい地震の場合、柱そのものが破壊されるの
ではないかと心配があります。

土地を求める人からみれば、買うときに地盤データが欲しいと思いますが、今のところそれまでは整備
されていません。仮に調べてもいいですかと土地販売業者に聞くと断わられるそうです。
あちらからすれば変なデータが出ると売れなくなってしまうという「変な理屈」なのでしょうが、買う側から
すれば当然知りたいデータなはずです。

そこまでしなくとも、何人かの地元の人に聞いてみるということをやればアナログ的なデータは得られると
思います

鋼管杭施工参考のページはこちら


トップページへ戻る






コラム642 2014年05月13日

韓国・・今度はビル倒壊の危険

 本日のネットニュースによると
忠清南道牙山市で完成目前の7F建てマンションが傾き倒壊の危険にさらされているということです。
軟弱な地盤が原因ではないかとして万一の倒壊を考えて消防は周囲を通行禁止にしているそうです。

「「えっ、そんな高い建物なのにちゃんと基礎はやられてないの」と驚きます。

今の時代、住宅だって地盤が弱いなら改良工事をやるのにそんなことがあり得るのかと驚きます。
行政だって建築確認の部分で状況把握とどのような施工がされるのかチェックしていると思います。

完成目前で20度以上も傾いてしまったのではピサの斜塔にも勝ってしまいます。
でもね、あちらは地盤調査なんて技術もなかった時代のことですからね。
宇宙ステーションを造る時代に何も同じことをしなくても良いと思うのですが。

考えられることは、セウォル号のことと同じ、利益優先で工事の手抜きをやっていた。
            例えば打ち込む杭の数をごまかしていた
            検査をすり抜けるのに頭部分だけ写真を撮り、やったように見せかける
            杭自体が不良品を使っていた
            固い支持層まで届かないのにごまかした

などの理由が挙げられます。

いずれにしても、住める状態ではないので取り壊しになるものと思いますが、行政を含め各方面に
影響が出ることは間違いないようです。続報が気になります。

ネット検索は
「韓国」「完成目前のマンション倒壊危機」と入れれば出てくると思います。


トップページへ戻る






コラム641 2014年05月12日

5月の勉強会


 いつも開いている勉強会は商工会議所の部屋を借りて行なっていますが、今回はその駐車場が
いつになく混んでいました。正面玄関を入ったところにある案内板には「電卓検定試験会場」と書かれ
なるほどと合点がいきました。

見ていると小学生くらいの子供たちが親に連れられて次々と上の階へ入って行きます。
「へえ〜、今って電卓の検定があるんだ」と感心していると、あとから入ってきた親子がエレベーターの
ボタンを押してくれ「どうぞ」と言ってくれました。

まあ、あっても不思議ではないのですが、目前で「検定」という文字を見ていると、何か時代が変わった
という感じを受けました。電卓ごときで驚いていてはいけないのでしょうが、そのうちスマホ検定などと
いう分野も出てくるかもしれません(出てこない出てこない)

そんな朝のスタートで、予定通り勉強会をこなしてきました。
この時期行楽日和の日が続いていますが、熱心にお集まりいただいて有難うございました。
18名の参加でした。今回は「予算の話し」でたっぷり二時間お話しさせていただきました。

その後、市内の I さんの現場も見学させていただき、こちらには10名ほどの方がお見えになりました。
現場では約一時間半各部所の説明をし、普段話していることと現実に現場で進められていることを
確認していただきました。

来月はきっと内装の具合もかなり進み完成状態に近くなると思いますのでまた楽しみです。
みなさんお疲れ様でした。


トップページへ戻る






コラム640 2014年05月09日

群飛の時期

 いつも田植えの時期になると嫌われ者の「シロアリ」も活発になってきます。
毎年5月の連休にはどこかで羽アリが見られるのですが冬が寒かったせいなのでしょうか今年は
まだ見ていませんね。

家にとっては害虫と言われても仕方がないのですが、自然界の循環の中での役目としてはりっぱに
作業をこなしている彼らですので、必要以上に嫌われることもないと思うのですが人間から見ると
やはり「害虫」としか考えられていません。

先日の日経にア○ンテという名前の会社が東証一部に上場されたと出ていました。
これぞ、殺虫剤を一面散布して「害虫」と言われるシロアリを退治することを業務としている会社なの
ですが、何か違和感を持ちました。

今の住宅は工業系の製品が非常に多く使用され、それに比例して接着剤が使われています。
揮発濃度が問題になって、いくぶん改善されたとはいえ、それはホルムアルデヒドだけの話しです。
内容から言えば「やらないよりはマシだがほとんど変わらない」というのが的を得た言い方です。

それにこのシロアリの会社の上場という記事を見て、「う〜ん、世の中一つも変わっていないなあ」
と思ったのでした。

この会社と手を組んで業績を上げている(手数料稼ぎをやっている)のがJAです。
彼らは組織はでかいですが、シロアリの生態をきちんと知って対処法を理解・把握している人たちでは
ありません。ときどき見かける折込チラシにはどこで写したのかボロボロになった床下の写真が掲載
され、自分の家もこうなると恐怖心を煽られるような内容になっています。

世の中、大きい組織だから正しいことをいっているとは限りません。しかし、大衆の見方は性善説で
物事を見ています。農協がやっていることだからという受け止め方をします。
でもそこに健康という文字が保証されているわけではないのです。

言われていないだけで、原因がわからないだけで体調を崩している人はいるはずです。
(もっとも、一番体調を悪くしている人は現場の作業者でしょうけれど)

先日も、ローコスト住宅の建築現場でシロアリ処理の全面散布作業がやられていました。
私は自分が体調が悪くなる可能性があるのでそこには近づきませんでしたが、住む人のことを
考えると、そこまでわかって施工してもらったのかなと疑問に思いました。

ちゃんと浸入しにくくして、もし突破されたら人間がきちんと管理してほんとに少量の薬剤でやっつける
というふうに出来るようにしておかないと自滅すると思います。
けして薬至上主義では解決しないことだと思うのです。 クワバラ・クワバラ

要は、消費者が賢くなり避けるべきものは避けるという流れになっていかないとダメなのですね。


トップページへ戻る






コラム639 2014年05月08日

田植えの時期

 ひたちなか市周辺では5月の連休はちょうど田植えの時期と重なります。
あちこちの田んぼで田植え機が活躍しています。よく見ていると「五条植え・十条植え」と手品師の
早業以上の機械捌きで一面が30分程度で植え終わっていきます。

人力で植えるのはほんの隅の機械が届かない所だけ。
ここだけは人の手で補足されていきます。
一反(300坪)の面積を人力の何分の1かでこなしてしまうのですから技術の賜物といえます。

こういった機械力がなければ普段はお勤めに出ていて休日だけ農業をやるという「日曜農業」も
成り立たないわけです。
いくら機械代金が高くとも収穫に見合わないからといって手で植えるということも不可能だと農家の
人が言っているのもうなずけます。

それにしても一回転するだけで苗を上手につかまえ瞬時に植えていくのですから神業です。
私など田植えそのものよりこの機械のメカニズムのほうに気をとられてしまいます。
機械の力を発揮すために稲の苗をセットするのも計算されているのだと思いますが、一回につかむ
苗の本数もきちんと植えられているのですからその辺の仕組みがどうなっているのかも興味が
ありますね。

あらためて、日本の機械力のレベルが高いことを再認識いたしました。


トップページへ戻る






コラム638 2014年05月07日

連休中の出来事

 連休後半のお天気は二日晴れあとの二日は良くなかったですね。
以前から趣味として続けているアマチュア無線のアンテナ整備をしようと思い、その部品をそろえて
お天気状態のよい日を待っていました。

私の場合はコンクリート製の電柱(コン柱)を使用しているのでそれらに使うパーツが違ってきます。
まあそれはそれとして基本的にアンテナを回転させるという行為は同じなわけで、その部品交換が
必要でした。

何週間か前に錆びたボルトにCRC556を吹き付けておいて作業時に手間がかからないようにして
いました。そして作業内容をシミュレーションして何度も昇らなくて良いように考えていました。
でも何か抜けているんですねえ。結局、4回も昇り降りしてしまいました。
お蔭でひざはカクカク、腕は疲れるわで予想以上の疲労感を味わってしまいました。

通常、高所に昇るときは手足四点として三点支持で昇り降りします。作業は両方の手でやりますから
100%安全帯に身を任せるのですが、それでも素人の悲しさ、年中作業をやっているプロとは違い
何か不安でそうは行きません。

春でお天気の良い日を選んだとはいえ、上で作業をしていると汗がタラタラ出てきます。私はメガネを
かけているので直接汗が落ちて見えるものも見えなくなってしまいます。これも予想外でした。
ポケットに入っていたハンカチでめがねを拭いて、滴り落ちる汗はシャツの腕部分で拭う・・・。
まあいろんな「予想外」が出ましたが、予定の半分くらいは作業が進みました。

今まで使っていた旧ローテーター(アンテナを回すモーターみたいなもの)を下ろしてしみじみと見て
みると雨風に晒され日光で照り付けられ色はあせて防水テープはひび割れていました。
それでも十年以上活躍してくれたのですから日本の製品は優秀だなと思いますね。

新しいローテーターをあげて試運転して正常に動くことを確認してワンステップ終了としました。
あとは本命のアンテナを上げるだけになりましたが体力のこともありこれでよしとすることにしました。

なんだかんだと趣味の世界も大変です(笑)


トップページへ戻る






コラム637 2014年05月02日

孫の顔を見に大阪へ

 今年の連休は分断型といわれ、前半と後半に分かれるためにどちらかというと後半に交通混雑が
集中するようです。
その混雑を避けてということではなかったのですが、前半に大阪へ行って来ました。

次男息子夫婦に第三子が3月に生まれたので初顔合わせに行くことを少し前から決めていました。
いつも新幹線で行くのですが今回はちょっと他も見たいところがあり車で行くことにしていました。
茨城から大阪(茨木)までは650kmほど、いつも行っている秋田よりちょっと遠い距離です。

こちらを朝の4時に出て、首都高速も渋滞なしで通過できたので順調でした。
それに今は名古屋の中心部を通らずに湾岸線のほうをまわって草津ICに行ける様になったので
昔から比べれば楽になったようです。

あちらに着いたのは二時ちょっとすぎあたりでした。柏原に住んでいる長男家族も合流し賑やかな
時間となりました。生まれた孫もいれて5人のパワーはすごかったですね。
長男が生まれたときはあまり騒がないようにと言っていたのが、もうごちゃごちゃの状態、おもちゃで
ギューン、バタバタ、パンパンパン、ドドドド、・・と上の子が遊んでいても何ちゃない感じで寝ています。

あとの子ほど鍛えられると言いますけど本当ですね。何があってもちょっとのことでは動じない・・・。
ガンガンうるさくても寝るときは寝てる。環境って恐ろしいものでそんな中でもちゃんと生活していける
んですから。

久方ぶりに抱っこした孫の感触は何とも言えませんでした。肌がとってもきれいで柔らかくてぷくぷく。
今の自分の肌と比較にもなりませんが・・・(笑)

スープの冷める距離に住んでいる子供(孫)たちですが、とても温かい時間でした。


トップページへ戻る






コラム636 2014年04月25日

今度は「川の日」か

 海があるなら山もあるだろう・・・立法府というのは何を考えているのだろうか。
それを審議して施行するのは国会であり議員だと思うのだが、陰で立案しているのは官僚だろう。
作為的だと感じるのは8/11と言う日付け、それでなくてもお盆月なのに何と涙が出るくらい感謝に
値しない日なのだろうか。

一般の会社は業務成績が下がらないようにどこかへ仕事のしわ寄せがあるものだ。だが公務員は
何も困らない。部門によっては忙しい所もあるだろうけれど、そのときはバイトを頼めばいいし、すでに
中身はそうなっているし、自分の腹は何一つ痛まない。
銀行だっていくら休んでも貸し付けた金の金利がお休みってことはない。

これで8月は祝日が出来た。次は6月だ。
カビの季節だから「カビに親しみを感じて、カビの恩恵に感謝する」なんていう具合か。
その次は・・・。
いくらでもある。
海→山→空→川・・・、自然に増えていく昭和・緑うんぬんの日、教育の日なんてのもいいな。
極めつけは「何も考えない日」かな。

そのうち、「あれっ、○○さん 今日は出勤ですか」 「はい、仕事は久しぶりになります」なんて会話が
聞かれることだろう。

文句を言わない所から税金は搾り、文句の出ないうちに祭日を増やす・・・これで国際競争力がどうの
とか言っているのだから気楽なものだと思いますね。

学校が困るとか聞きますけど、本当に困るのは生徒で益々塾の必要性は高まること間違いなし。
まあ、考え方を変えれば産業の発展に寄与していると言えなくもないな。


トップページへ戻る






コラム635 2014年04月22日

地べたの太陽光発電

 最近、市街地の中での「地べたに設置する太陽光発電」を見受けます。
地べたですから屋根のように面積を気にすることもなく空き地内には自由に設置できるわけですが、
面積いかんによっては日照が充分に確保できるのかどうか心配してしまいます。

私の見た限りの現場では、日の出から日没までは(充分とはいえませんが)日当たりは確保されている
ようです。しかし、それが将来まで確実なのかはわかりません。
そこの場所は市街化区域で南面が現在は畑で何も建っていないのですが、将来は宅地になって何か
家が建てられる可能性のあるところだからです。

そうなると、施工してある面積の何割かは日が当たらなくなる可能性が出てきます。まあ、日陰になって
も発電率がいきなり 0%になるわけでもないから部外者の私が心配する必要はないのですが、どうも
その辺の所まで設備を売った業者が配慮したのかどうか疑わしくなります。

もう一つ、
地べたということは人間がそこに立っていられるのですからドロボーにとってはお宝が地面において
あるわけですね。きっとノドから手が出るほどの物に見えるのではないでしょうか。まあ、地べたに設置
仕様というくらいですから規模も大きく費用もかかると想像できますから、私のような貧乏人ではとても
出来ないことですので、保険ぐらいはきちんと掛けると思いますがね。

私のところでも、出入り口にはステンレスのチェーンが張ってあり大きな真鍮の鍵がかかっていたのに、
ハンドルロックまでされたユニック付きの4tが10分足らずで盗まれましたから、プロにとっては朝飯前の
準備運動みたいな楽なお仕事になるのではないでしょうか。

日本の警察は、物が盗まれたのは「ものがどこかへ移動した」と考えるらしく、人でも死なない限り本気
では捜査しません。「ああ、これはプロの仕業だな」「売りさばきは海外だな」なんてしゃれたことを言い
ますが、資料を作って帰るだけです。

このようなことが起こらないことを願いますが、いくら私が願ったところであの方たちには通じないでしょう
から。
儲かると思ってやったはいいが、借金だけ残った・・・なんてことにならないようにお祈り申し上げます。


トップページへ戻る






コラム634 2014年04月18日

いくら接着力が強いと言っても

 近頃の住宅は「剛床工法」といって90cmか1mくらいの升目に組んだ木材の上に24mmや28mmの
厚合板をぺたっと乗せて床下地として施工される現場が非常に多くなりました。もちろん留めるのはエア
ガンで打ち込んだ釘です。

それが地震の時の「床のゆがみ」をなくするのに非常に有効だと言われます。しかしながら、良く考えて
みればその下にはベタのコンクリートがあるわけですから、はるかにそちらのほうが頑強なはずです。
2F建てならまだしも平屋などはどこに施工する意味があるのか私には理解できません。

本当の理由は仕事の簡略化でいかに大工さんの現場作業を短くし総合的な費用を圧縮するかで
採用されているのです。地震という地球エネルギーにいくら厚くても釘を打ち込んだくらいのものが
勝てるわけはないと思います。

床を作るのは、昔からの工法なら、大引き(90×90角)を設置しその上に45×45位のネタという部材を
30cm間隔にのせます。そしてその上に下地合板(1820×910×12)を乗せます。(フローリング張りの場合)
ですから合板の下の空いているところは最低30cmはあることになります。

でも、この剛床工法は91cm四方は何もなく、そこへ24mmか28mmの厚い合板が乗るのですから
前述の12mmで30cm飛ぶのと比較すると3倍なのですから物理的には36mm厚みがなければ
ならない計算になります。

これを採用している現場はほとんど24mmの合板ですから、比率で言えば曲げモーメントが弱いという
ことは明白です。たしかに新品の初期では接着剤も強いでしょうが、問題は経年劣化でどこまで耐えら
れるかという点で評価が分かれるということです。

いくら総合的な厚みがあるとはいっても所詮接着剤は樹脂です。今の樹脂接着剤は強固ですといって
も永久的にもつわけではありません。その辺はうすうす知っているのでしょうけれど直近の競争と利益
確保とを考えると「自分ならやらない」ということでもやってしまうのです。
これは悪魔に魂を売ってしまうことです。

手堅く20年は大丈夫だとしても50年ははてなマークです。

50年後なんて現役ではほとんどの人がリタイアしてしまうのですから、責任をとるという人が事実上いない
わけです。
少なくとも、昔の大工さんなら次の世代まで大丈夫なようにと作るでしょうけれども、今の時代は売れる
ことが最優先で危険を背負うことなど自分の責任ではないと思っているのです。

ましてF☆☆☆☆認定品を使っているのだからそういった罪悪感などゼロでしょう。
私ならこんな家は要りません。


トップページへ戻る






コラム633 2014年04月17日

F☆☆☆☆の裏事情

 住宅をよその世界から見てみると、長い間その業界でノウハウを培ってきた人と異業種参入の人が
いることがわかります。
そこへまた行政という住宅に疎い人たちが住宅の細かい決め事に深くかかわっていることです。
いわゆる、工法と部材と認定です。

そこで展開されていることは(認定された工法と合法資材のなかでという意味で)価格競争とブランド力
で推すことが主になって、違反ではないのだけれど肝心のことが抜け落ちていると感じます。

何が欠落しているのかというと、現実に法律のあるなしに関わらず、居室内の空気の良否状態です。
多くのHメーカー・ビルダーはどこのどの建物をとっても違反部材を使っているわけではなく「合法」
なのですが、前述したように違反か違反でないか直接空気を吸うものにとっては法律のあるなしは
健康を害するか害さないかという点では何の保証にもなっていないということです。

法律というのは問題がおきたときにどっちが悪いのかと白黒つける手段にもなってます。
交通信号なら事故が起きないように文章の中では赤は「止まれ」、青は進んで良いとなっています。
片方が赤信号で突っ込めばその人が悪いとなりますが、住宅はそれがないということです。

交差点で信号待ちをしている歩行者がいます。
よく見ると逆光で赤がついているのにそれよりも少しだけ明るく青が光ってしまい無意識に見ていると
青に見えてしまい、反対側も目の前の色は青いからそのまま行ってしまう・・・、そしてドン!

駆けつけた警察官は「確かに信号は青のように見えるが、交差点は徐行して進むことになっている」
と訳のわからないことしか言わない。ここで逆光で他の色にも見えてしまうあいまいな信号をつけた
行政は責任をとらず、結局、はねられた歩行者は法律があってもなくても痛い目にあう・・・ということに
なる。

そもそもF☆☆☆☆マークは安全ではないのに、さも安全であるかのように一人歩きをさせてしまった
行政の対応は怠慢と言うべきでしょう。それは行政が本当の危険性を分かっていないから「両者歩み
寄れ」といった和解のような決着をさせてしまったのです。

行政(国)が恐れているのは経済の混乱(お金がとまってしまうこと)です。
ハムスターが血を吹いて死ぬようなことがあっても接着剤が原因だからと使用禁止にしたら世の中は
大混乱に陥ります。石油を使っている製品つくりをしている会社は全部ストップしてしまい経済は破滅
してしまいます。

かなりの被害が出て世の中で騒がれない限りは何も動きません。
騒がれても一人二人では相手にもされません。国民の命と財産を守るなんていったってそれは表向き。
裏ではお金(経済)のほうが大事なのです。F☆☆☆☆マークが出来たときも着地点は真ん中によれ
でしたから根本的な解決にはなっていなかったのです。

揮発物が弱くなっただけでなくなったわけではないのです。だから余計にわかりづらくなって悩む人が
多くなっているのです。
Hメーカー・ビルダーが面積使用制限のない建材を使えば違反にならないというお墨付きをもらってしま
いましたから責任をとる人はいなくなりました。

これからの裁判は昔以上にやりづらくなってしまいました。


トップページへ戻る






コラム632 2014年04月14日

215回目の勉強会

 昨日はお天気にも恵まれとてもよい日でした。家造りの勉強会へも18名の方の参加をいただき
内容の濃いお話しが出来ました。(と私が勝手に思っているだけですが・・)

会終了後には市内に上棟する現場があるのでそちらを見学させていただきました。
参加された方の半数以上が現場においでになり、こちらも中身の濃い課外授業になりました。
棟梁はあいにくとご自分の知人の方のお葬式ができたとかでそちらにいっており留守でしたが
ちょうど、建て主の I さんがおいでになりお話をしていただきました。

参加された方のみなさん長時間どうもお疲れ様でした。


トップページへ戻る






コラム631 2014年04月11日

けして言い過ぎではない

 1996年から続けている表題の勉強会は、18年目に入りましたがまだまだ消滅するどころか参加の方
がずっと継続しており減っていません。みなさん本当に真剣に聞いていただいて、少なくとも複数回は
参加されており熱心に通っておいでになります。

下馬評では3回もやれば来る人はいなくなるだろうと思われていました。しかし、残念ながらそうならず
開催のたびに15〜20人の方が来てくださり、先月215回目をクリアいたしました。

ではなぜ途切れなかったのかと言いますと、それはそれだけ住宅に問題が多く出ているということに
なるのです。何の問題もなければ「それはおかしい」「それは危険だ」という情報を出す必要もないわけ
なのですが、現実は進化どころか住宅の質が後退しているのです。

この(住宅)業界では金額が大きいだけに最終的に何で決定されるかと言うとまさにお金なのです。
売る側からしてみれば、いかに他社との差別化を図るか、いかにデザインよく消費者受けするか、
いかに耐震性能が高いか、それでわが社はこれこれの値段ですとたたみ込むのです。

その方法といえば、完成した所を見せる完成見学会と展示場誘導方式です。
それが何がいけないのかといわれれば、中身の「質を見抜けていない」ということです。

木造軸組みと言ってもたしかに骨組みには木らしいものは使っていますが、正確に言うと木が原料の
工業製品と表現したほうがぴったりするような集成材と合板・圧縮材ばかりです。

しかし、どの家を見ていても壁・天井仕上げ(内装)は石こうボードにクロスを張った共通パターンです。
床だって合板の製品です。その上、断熱材は木を窒息させ殺すような吹き付けタイプが徐々に多くな
ってきていますし、窓は風をどうやって入れるのか首をかしげるようなデザイン優先の縦長の洒落た
タイプが使われています。きっと24時間換気があるので心配ありませんとでも言われるのでしょう。

すきま風がまったくなく、断熱材で骨組みが窒息して、しかも骨組みが集成材と合板と来れば「健康」
などという文字はどこかへ吹っ飛びます。

資材を認定する国交省も所詮素人の集まりです。数字でしかものごとを評価しません。
45分耐火といえば45分持ちこたえられれば良いだけの話で、初期の有毒ガスが一撃で大の大人を
倒すことなどどこにも出てきません。

もちろん、F☆☆☆☆マークを授けてしまってからは「安全な建材」と言われる「揮発物の出続ける
グレーな資材」が大手を振って現場に搬入されています。

現実はそんなに甘くはありません。

値段を競うHメーカーには空気環境の安全なんて当てはまりません。
ただ名前が有名だからというHメーカーにも当てはまりません。
有名タレントを起用しているHメーカーも当てはまりません。 
彼らはそんな家には住んでいません。

一生懸命売っている営業マンも自社では建てません。
営業マンの上司もなおさら建てません。
社長はもっと建てません。

なぜならば、その中身を知っているからです。


トップページへ戻る






コラム630 2014年04月08日

一般人と政治家の違い

 お金を貸す(借りる)にも担保をがっちり取る場合と無担保の人がいます。
その違いは巷の報道を見ていれば誰でもわかるのですが、誰が無担保で借りられるのかです。
我々なら、資産の裏づけ、連帯保証人と二重三重にハンコを押させられ、一度でも返済が遅れよう
ものならヤイヤイ催促され三度くらいになると一括返済を迫られ差し押さえとなり人生が転落し始め
ます。
でも、政治に携わっている人は特別なんですね。
ろくな担保も出さないで何億も借りられるのですから。
もちろん、借りるということは返すということがついてきますから、その算段がなければ出来ないこと
なのでしょうけれども、「私はこれこれの収益を上げているから返せるのです」という説明などされた
ことはないし、聞いたこともありません。

あの方たちから見れば我々はそういったバックすら持っていないのだから論外だと見ているのでしょう
けれど、一万円でも一億円でも確実に返せなければ迷惑をかけるし、そこまでしてやる意義を考えて
しまいます。

仮に、返せる手段が自分の器量で可能な範囲を超えていたらどうするのか、それを説明するのは
非常に大事なことです。しかし、それがなくても借りられるとなれば闇のルートがあると考えるのが
順当ではないかと思います。その辺のところを国税庁は国民が納得するような動きを素早くしてもらい
たいと思いますね。

この部落の中には知人からお金を借りまくっている人がいますが、金額にしてみれば小さく皆も断わり
きれなくて返って来ないことをうすうす承知で貸しているようですが、それとはレベルが違いますね。
何しろあちらさんは「億」ですからね。しっかりと甘い蜜(利子)も吸えるんでしょうね。

辞任するしないとかの問題よりも、私としては「はっきりとした金の流れ」のほうが知りたいですね。


トップページへ戻る






コラム629 2014年04月05日

何のための木材利用ポイント

 以前にあった「住宅エコポイント」というものは、場所が決められどういう施工をすると対象になる
と明確でした。断熱効果を上げエネルギー消費を抑えると言う一応の大儀が見えました。

しかし、今回の木材利用ポイントはただの税金バラマキとしか言いようのない駄策です。
国産材の振興目的かといえば、米松や欧州トウヒ(ホワイトウッド)までも入るといいます。
当初は誰が見ても国産材振興の内容でした。
国産の資源を使っていれば構造体・内装材はもちろんのこと、合板や薪ストーブまでその範囲に入れる
といっていました。

それが外国からクレームが来ると、「木材」という文字は海外の材にも当てはめて差し支えないと判断
したのか、どこの誰が範囲を拡大解釈したのか知りませんが国際摩擦は避けたいという意向があった
のだと推測します。

どんな形であれ木が使われればいいということになると受け止められても仕方がないような内容です。

米松から欧州トウヒとなれば、他の資材も黙っていないでしょうね。ロシア材、カナダ材、南米、アフリカ
と建築資材は全部認めろとなっていくでしょう。

さてそうすると締め出しを食らうのは鉱業(工業)製品です。
今まで使われていた鉱業物製品の製造者からクレームが来ることになりますがどうなるのでしょうか。
最終的には予算がなくなりましたからここで打ち切りですと逃げるのでしょうか。

いずれにしても、この木材うんぬんを言っているのは林野庁です。
林野庁って、国際的な機関でしたっけ。
いつから外国産の木を使えと奨励する省庁になったでしょうか。 
ばかみたい。


トップページへ戻る






コラム628 2014年04月04日

5%から8%へA政治家は非課税扱い?

 本体1,000円+税金5%で1,050円だったものが1,050円を本体価格としてこれに8%を加算した金額
で請求され、消費者庁に問い合わせたら「一概には言えない」と言われたといいます。
いままでずっと利用してきてそういうことになったら誰もが便乗値上げと感じるのは当然だと思いますが
彼らは違うんですね。

まあ値上げするタイミングも悪いし、表示の仕方にも問題があるのではないかと思うのですが、片方で
2%のインフレを目指すといっているんですから一体誰を見て政治をしているんだかわかりません。

5億だか8億だか知りませんが、名目だけ借入金(非課税)として済ませておいて返していない人もいる
んですから、こういうお金からなぜ搾り取れないのかもう一度検討してもらいたいですね。

体調が優れない(と本人が言っている)ので肝心の会合には欠席していると言うし、過去にどこかの
誰かさんに厳しく「説明責任がある」と言っていたのが今度は自分の所に戻ってきて恥ずかしすぎて
顔を出せないというのが本当のところなのではないかと疑ってしまいます。

もともと「消費」ではないものには課税しないというのであれば、「頂き物」と考えるのがスジでしょうから
贈与としてきちんと受益者が払うのが決まりな訳で、自分たちで法律を作っているんですからその辺は
もっとビシッとやってもらいたいですね。

税金の名前を付けるときからもうちょっと配慮していれば解釈の問題も出ないですんなりといったので
しょうけれども、消費税と付けてしまったから「性質の違うものには非課税」なんてことになるわけです。

国は「本気で国民の生命と財産を守らなければならない」なんて言っているんですから、この際、
「みかじめ税」と名前を変えたらどうでしょうか。

それにしてもどうやって未返済の5億の金を工面してくるんだろう。個人的な「みかじめ料」のパイプが
設定されているんだろうか。
化粧で人を化かすのと政治で化かすのはカテゴリーとしては同じだな。

そうそう、ちょっと影が薄くなったけど5000万円の人もいたな。
いくらトラさんがいい人でも、貸したものは返してもらいたいと思っているんじゃないかな。


トップページへ戻る






コラム627 2014年04月02日

5%から8%へ

 31日の夕方、いやにガソリンスタンドに行列が出来ているのを見て、また油の値上げかなと思って
いましたら、消費税が8%になるから並んでいたんですね。

我々、流通業者は中間の位置にいるために、計算上の問題だけで実際には区切りを切って処理する
だけなので最終消費者の方々とは増税の感覚が少し違います。

厄介なのは、非課税品目があることでこれは違うこれは8%とあとから分けなければならないこと。
そのうえ、申告時には国が何パーセント地方が何パーセントと分けなければならないことです。

5%だろうが8%だろうが全体で徴収しているんですから、そんなことは自分(国)でやりゃいいことで
しょうに、都合の良いことだけ自主申告だの言っておいて面倒くさいことを全部納税側に押し付けて
くるんだからずるいったらありゃしない。

以前、内税にしろだの自分(国)の税徴収をカモフラージュするかのように言っていた時がありますが、
そんなもの、体の良い騙しみたいなものです。
通常、家計が苦しいからどうするかと言う時には歳出を削減するのが当たり前ですが、国会議員・官僚
の数を減らす何てことはほとんど聞きませんしね。

膨れてくるときだけは人口比率から言ってバランスが取れるようにとか言われ議員さんはどんどん増や
しておいて、逆になったら減らさないのですからやっていることがバラバラです。

国会議員で決めたと言うことは国民が多数決で決めたことと同じなのですから、ちゃんとした家計で
やってくれれば別に文句は言いませんが、何か飴玉をしゃぶらせてごまかそうとするような小ざかしい
ことをやるので、それじゃあもっと先に延ばしてもいいのではないかと思われるだけです。

すでにそんなことをしている余裕はないでしょ。


トップページへ戻る






コラム626 2014年04月01日

STAPはSTOPになってしまった

 どうも、傍(はた)から見ていると組織の都合ばかり言われている気がしてならないのです。
きちんとした研究成果は、理研という会社で最終的に責任を持って確認し、発表するものなのでは
ないかと思うのですが、どうも形勢が不利になってきたと見ると「トカゲのシッポ切り」みたいな形に
持っていこうとしているように見えてしまいます。

もっと客観的に言えば、部下の不始末は上司の不始末、しいてはトップの責任と言うことになり
そういった結果を作り出した作業環境にあると思うのです。
聞くところによれば、プランを立てて予算を取れれば、今度はそれなりの結果を求められる・・・
企業であるわけですからまったくのスカでも良いというわけではないですし、予算を与えたほうの技量
も問われるべきであると思います。

あくまでも想像の域を出ませんが、万能細胞の研究には相当のプレッシャーがかかっていたものと
想像できます。
だからといって不正をしてまでぴたっとした着地を演出することはないと思いますが、そういうことを
やらざるを得ないような心理状態に追い込まれたのは事実なのではないでしょうか。

かっぽう着のおねえさんもさすが捏造という言葉まで使われると「そこまで言うことはないんじゃないの」
と反論しているそうですが、まあ、同情の余地はないとしても、会社の薄情さには「そこまでいうか」と
個人的には感じました。
思い切って発表を遅らせて4月1日エイプリルフールにすればよかったようにも思うのですが、会社も
最終結果を本日にしているのですからどっちが本当なのでしょうかねえ。

私のような古い人間はスタップもストップもAなのかOなのか同じに聞こえてしまいます。
きっとかっぽう着のおねえさんはアメリカへ行っちゃうでしょうね。




トップページへ戻る






コラム625 2014年03月27日

ヒヤヒヤの秋田仕入れA

 高速の終点、石巻から延長されている無料共用道路を運転していくと398号線にぶつかります。
そこを右に向かって走っていくと志津川へ出ます。
そろそろ給油しないといけないなと思って入ったガソリンスタンドの人が言っていました。
 「ここはどちらかと言うと春先のほうが湿り雪が多いんですよね」
 「でも、今回は特別なくらいひどかったですけどね」

仙台の先、東部有料道路は石巻といってもかなり内陸側を走っています。道路からは被害状況は
見えませんでしたけど、志津川から先は違っていました。3年過ぎても被災地は当時のままのよう。
ところどころに先行して出来たガソリンスタンドとコンビニがあるだけ、他は何もありません。

道路のアップダウンに伴なって「ここから先、津波浸水区域」という看板が出ています。
海岸線に近づき、また遠ざかっていくとそこにも標識があり、いかに規模の大きなものだったかが
実感できます。かつてそこに生活していたであろう形は何もありません。今回の雪でしっかりと覆われ
ているため何かあたらしい造成地みたいな感じですが、すべてが波で持ち去られたという「重み」は
充分すぎるくらいドドドンときました。

「ここもか・・・」
低地に差しかかるたびに「ここまで来たのか」と何度も何度も心が重くなります。
映画やドラマの世界ではなく、まさに現実がそこにはそのままありました。

志津川(南三陸)、気仙沼、陸前高田、大船渡、釜石、大槌、山田、宮古市・・・破壊された町の連続
でした。

テレビというのは映された部分しか見えていませんが、自分がそこに立つと全広角で見ることになり
ます。この重くのしかかるような迫力の差はとても言葉では言い表せません。


トップページへ戻る






コラム624 2014年03月26日

ヒヤヒヤの秋田仕入れ

 3.11の震災以来、寄付などの支援は個人的にしてきたつもりでしたが、まる3年経ってどうなっている
のか、ずっと気になっていました。

年に数回は秋田へ仕入れに行っていますが、今回はちょっと遠回りして宮城・岩手・青森経由で行って
みることにしました。
3週間ほど前に予定を立てて、3/21から4日間、ちょうど月曜日の朝に木材市場に入れるように段取りし
宿も予約を入れておいたのですが、お天気だけは予想が出来ませんでした。

何と爆弾低気圧と言われるほどの等圧線の狭い低気圧にあたってしまいました。
20日から21日未明にかけて太平洋側の東北地方に強い雪をもたらした低気圧を追いかけるように
車を進める形になってしまいました。

当初の宿泊は宮古市でした。緯度的には秋田と同じくらいの位置だったので途中高速を使えば楽勝で
着けると思っていました。
車は2tトラックでスタッドレスタイヤもはいているし、いざと言うときにはチェーンもあるしでそれほど困らない
だろうと考えていたのですが、これが意外と役に立たないんですね。

2tトラックというと自重もそれくらいあるのですが、荷役バランスが取れるようにと空っぽのときは後が
予想以上に軽くなっているんです。
荷物を背負って走るときには何ということはないのですが、カラ荷のときは軽すぎてダメなんです。
まるで役に立たないノーマルタイヤみたいで大変でした。
ちょっとした坂になるとほんとだらしない。

幹線道路はよく除雪されていたので何ともないのですが、脇道はほとんど除雪なしなので入ることも
できません。大きな道の駅などはそれでも主なる部分だけは雪を取り除いてありますが、脇に寄せて
あるだけなので駐車スペースは半分くらいしかなくあまり空いていません。

コンビニはどうかなと思うと、人手がいないのかほとんどグチャグチャのまま。
とても運動靴程度ではびしょびしょになってしまいそう。
北へ行くほど積雪量は多く、40cmくらいはザラでしたね。

結局、幹線道路だけは走れるけれども他の部分はまったくと言ってよいほど停車も出来ないほどで
休憩もままならない状態でした。

難関は宿泊する所への進入路でした。一応は一台だけは通れるように除雪はしてあるのですが、
完全ではなく路面に薄く残っているのです。三陸はアップダウンもかなりあるところで本通りもそうで
すが、脇道も結構あるんですね。乗用車ならFFなどが多いのでしっかりと雪を捕まえられるのですが
何せ、空荷のトラックですから頼りない・・・。


トップページへ戻る






コラム623 2014年03月20日

再生可能エネルギーの原点

 位置の識別装置GPSは最初軍事用に開発されたといいます。
今は誰でもこの機能を利用することが出来ます。時代は変わってきました。

八木(正確には八木・宇田アンテナと言う)アンテナも日本ではほとんど関心をもたれず、アメリカが
軍事用に利用して、日本の軍通信を傍受し解析していたと戦争が終わってからわかりました。

今、このアメリカ軍が目指そうとしているものに太陽光発電があるそうです。なぜ、太陽光発電なのか
と言うと、現地での補給物資を極力減らすためと言いうことです。
ちょっと的を得たような得てないような気もしますが、現地で調達できるものが多ければそれだけ
本国からの輸送物を減らせるという理屈らしいです。

いくら大国アメリカとは言え、軍事費を削減せざるを得なくなってきた台所事情があるのだと思います。
ここ何年かかけてどれだけメリットが出るのかデータを集めるといってました。

これも軍が率先して再生可能エネルギーの踏み台というかたたき台を作ろうとしている動きなのだと
思います。こういうところが日本の国と違う点だと思いますね。

日本ははっきりしたデータも揃わないのに一般国民にやれやれと煽り立てます。やれば儲かるといった
詐欺のような表現も混じっており、国が言うのだから間違いないだろうとその手に乗ってしまう人が
大勢います。

費用としては大量に作らなければ安くならないといったことはあると思いますが、それをペイするために
まずやらなければならないことが国によってこうも違うのかと思わされます。

軍といえども国の行政機関です。
その大きな組織である軍の組織で実験データを蓄積して使えるものは国民に解放していくという、
まさに国が主導する形がきちっと作られています。

私もこの過去のコラムに書いてきましたが、この国は直近の予想データでものごとを片付けてしまい
ます。いつも結果はこうなるはずだ・・・でです。

経済も潤沢に発展しエネルギーも使わないようにと言うのは「理想の世界」ですが自分の所さえ数字
のツジツマが合えばそれでいいというものではないはずです。
地球という金魚鉢のなかでやることが別室ですなどという理屈は通りません。

ゼロエネルギーなどと言うのは自分の庭にゴミがなければそれで良いという考え方です。


トップページへ戻る






コラム622 2014年03月18日

確実なものだけをA

 手引きどおりにやってもうまくできない
 論文もおかしい
いよいよ、STAP細胞の真偽が明らかになってきました。

「やっぱりそうか」
ユニットリーダーというのは若い一個人が引っ張っていけるものなのだろうか。
すごいという反面、何かを感じていたと言うともっともらしい表現になるけれど、時間と共に徐々に
明らかになってきた部分を見るといかに万能細胞が難しく神秘に満ちたものかが理解できます。

やってしまった(まだはっきり決まったわけではないが)ことは否定できないにしても、こういった
研究そのものは大事なことであるから是非とも続けて行って欲しいと思います。

その次にくるのが誰がこれを仕組んだか・・・という点でしょうか。

目立ちたくて個人の意思でやったのか、組織的にips細胞に対抗しなければと計画されたのか
それは時間が経てば自然にわかってくるでしょうが、私的な判断ですが後者のような気がします。

会社の知名度をアップするというだけではこんな無謀なことはやらないでしょうけれども、組織の
焦りで行われてしまったというのは完全に否定は出来ないと思います。
また、考えたくはないけれども広告宣伝費をかけずに名前を知らしめると言う方法もアリかなと。

やっぱり、一個人が出来ることではないよなあ・・と思いながら、ちゃんと確実なことだけをやって
欲しいと思った次第でした。


トップページへ戻る






コラム621 2014年03月12日

確実なものだけを

 「あせり」がなかったのかといえば否定できないと思う・・・
外部から刺激を与えることによって自ら変化を起こすようなこと・・・  
刺激惹起性多能性獲得細胞 STAP細胞と呼ばれる研究が一躍脚光を浴びて、さらに疑問点がたくさん
出てきて「同じようにやっても出来ない」という騒ぎになっています。
そして、「論文を取り下げ、もう一度完全なものにしてから発表するのが良い」とまでなっているようです。

生物・植物すべての「世代を受け継ぐもの」にはおかれている環境に対して生き延びられるように
自分からその要素(DNA)を変化させていく力を備えていると考えるのは私らのボンクラ頭でも充分
理解できます。

ただ、人工的にその現象を起こさせようというのはかなりの理論と研究が必要であると思います。
これらのことが出来るのは高度の教育を受けた人や設備・資金的な環境の整っている人に限られると
思いますが、それでも心の中では「これだけやったのだから、結果が伴なわなければ」と考える人も
いるのではないでしょうか。

けして、ミスを犯した当事者は責められないと思います。むしろ、メディアのほうが大騒ぎして勝手に
舞い上がり勝手に落っこちて話題性だけを追求している結果を露呈しているような気がします。
研究している人の頭脳をせきたてるようなことはせずに出来たら出来たでそのことだけを発信する・・
それで良いと思うのですがねえ。

ミスは誰でもする・・・その積み重ねで大きな発見にぶつかる・・・100のうち99は失敗も当たり前
そんな見守り方をしてあげたいと思います。

取り下げを提案している人も「きちんとしたものが出来てから」と言っているのですから、どこかの
目が見えないと言い続けてきた人よりずっと正直です。

私らの業界だって似たものです。 確実性のはっきりないものをお墨付きを得たように売っている
業者はいっぱいいます。人には売るけど自分では使わないという人がいっぱいいます。


トップページへ戻る






コラム620 2014年03月11日

3.11の三年目

 大地震から三年も経つとボランティアも報道もめっきり少なくなって、被災者は取り残された感じが
するとアンケートにも答えていると言う。
福島原発で避難した人たちと地震被害だけで避難した人たちの「格差」も生まれていて、同じ被災
なのに処遇が違うと不満をいう人も出始めた。
行政も避難者が住民票を移さないまま生活しているから、生活ゴミの処理など財政にかなりの負担に
なってきていると聞く。

たくさんの義援金だってどこでどう使われているのかも(寄付した側から見れば)イマイチはっきりして
いない。
雇用や社会的つながりが崩壊してしまうと、戻れますと言われてもその後の生活が成り立たないの
だから、若い人ほど躊躇するのは当然のことだろう。

最初は「水・食料・トイレ」、「仮の寝る所」、次は安定して寝られるところを確保、そして継続した生活が
できる所、医療福祉の可能な所、周囲とのコミュニケーションがとれるところ・・・と、レベルが回復して
いかなければならない。
地震被害だけでも大変なのに、原発のダブルパンチで現状復帰が絶望的なところはどうしろというのか。
これに高齢者には「時間との戦い」が加わる。


トップページへ戻る






コラム619 2014年03月10日

3月の勉強会

 2/9は大雪で難儀しましたが、昨日は快晴のお天気で支障なく開くことが出来ました。
今回は15名の参加があり、かなりの質問も出て賑やかでした。テーマは「工法」ということで
今、巷ではどのような建築方法がありどのように変化してきているかをお話しいたしました。

小さなアクシデントといえば、家内が風邪でダウン、急遽、事務員さんに手助けをしてもらいました。
いつも当たり前のようにやってもらっていたのに、ダウンとなればこれまた1人ではできないことを痛感。
個人の小ささに力不足を感じます。あらためていつのもサポートに感謝です。


トップページへ戻る






コラム618 2014年02月28日

理解できない世界

 自分がこれまでに生きてきた中で、自分自身で何をどれだけ決めてきたかを自問すればその中身は
非常に乏しいものだと感じます。
小学校・中学校は義務教育だから行ってたし、高校は親がほぼ決めて「お前は商業へ行け」と言われ
(本当は工業へ行きたかったのですが)自分で稼ぐことは出来ないし最初からそういうものだと思って
ろくな裏道も覚えず3年間を大過なく通わせてもらいました。

ある意味、商業高校で簿記をみっちりやったことで商売の財務管理の重要性を理解できたのは大収穫
であったと今になって親に感謝しています。
何事をするにも財務の収支は一番大事なことであり、分相応でないことをやろうとすれば必ず歪みが
出ます。

帳尻という言葉がありますが、「出る・入る」のバランスであり、大福帳とも言われ単式簿記の基本になり
ます。複式簿記というのはそのお金を何に使ったかという明細をわかるようにしただけのことで特別な
やり方ではなく第三者が見ても理解しやすいように考えられた方式であり、家庭の中でも教育費とか
項目を分けていることと同じで、集計・全体バランスを見るには好都合なやり方です。

「仕事」として収入を得るなら経費が必ずついてまわるわけで丸儲けということはありえません。
経費が予定をオーバーすれば必ず支払い不能に陥ります。いくら良い仕事をしても褒められる事では
なく周囲に迷惑をかけます。建築業界の中にはこの収支のバランスをとれない人がいるのです。

イケイケドンドンの高度成長期ならちょっと位のつまずきは次の現場で何とか調整できたでしょうが
今ではそういうことは致命的になりキズがどんどん深くなっていくばかりです。それでも頭が切り替わって
いなくて仕事さえあれば何とかなると思っている人がまだ少数ですがいます。

作業が出来ることと監理が出来ることは違います。片方が出来ないなら誰かにもう一方の役目をして
もらうなり、弱点を認め補っていかないと顧客である建て主さんと取引業者に迷惑がかかります。

人間は自分の弱い所をなかなか認めようとしません。しかし、それは自分の都合であってお客さんの
ことを大事にしていることにはなりません。

相変わらず「坪いくら」の世界で通用すると思っていて、いまだに原価計算すらしていない人がいます。
よその世界ではとても考えられないことです。


トップページへ戻る






コラム617 2014年02月20日

騒がれたときには

 そっちこっちで「SOCHI」と報道されています。(親父ギャグ・・・冷)
ほとんど、すべることが苦手な私はスキーもスケートも大して興味もないのですが、このメディアの
大げさな報道にはいささかズレを感じています。

沙羅ちゃんも真央ちゃんも「金」でなきゃいけないみたいに言われて、それが重圧になったとは思えま
せんが、こんなはずじゃあなかったというのが勝負にはあるもので、殺されるわけではないのだから
次に頑張ればよいのだと思うのはアマチュア的な考えなのでしょうか。

その分、ある意味ノーマークに近い選手が良い成績を残しているのですから勝負の世界は水物です。
ハーフパイプは名前くらいは知っていましたが、ひらひらコンビまでは知りませんでしたし、パラ(並列)で
走るスピードスノーボードがあるなんて竹内選手が銀メダルをとるまで知りませんでした。

いまでは各スキー場でもスキーよりもスノーボードをやる人のほうが多いそうで、時代は変化している
のだなあと思いました。

国内では雪の被害で村が寸断されていて多くの人が困っていると言われています。その割にはNHK
の報道が少なすぎると批判を受けているようです。とてもとても高い放映権を払っているのですから
そうそう簡単に予定を変える訳にもいかないのでしょう。半分は国営みたいな組織なので非常事態の
ほうが優先だろうと言われても仕方がないことですが、責任者は迷うと思います。

とばっちりは総理にまでいっているそうで、皆が雪被害で困っているときに料亭まで行って天ぷらを食べ
ていたとツイッターで書かれ、片方は官邸で弁当を食べていたとしても何が変わるんだと反論して、また
それでもめているとか、いろいろなことを言う人がいるものです。

お天気も文句言えないですけれど、勝負の世界も温かく見守って勝ったら勝ったで賞賛してあげれば
良いのではと思うのです。メディアだって神様じゃあないんだから。


トップページへ戻る






コラム616 2014年02月17日

水回り製品各社の特徴

 ひと昔前の水回りといえば流し台・調理台・ガス台と分れた「単体もの」が主流でした。
しかし、いまでは一枚天板のシステムキッチンがほとんどで、ステンレスのほかに人造大理石という
アクリル樹脂が素材の高級クラスが多く販売されています。

一見、どこのメーカーも豪華さは同じように見えるのですが、ちょっと掘り下げてみてみるとずいぶん
キャビネットなどの素材が違っていて耐久性にも違いが出ることがわかります。

そして、水回りメーカーは建て主さんの奥様に見てもらい直接商品を決めてもらうようにショールームを
つくり「目で見てもらう視覚商売」をするために建て主さん自身に足を運んでもらうように仕向けます。
大手ビルダーのようにあるメーカーが指定されていて、色だけを選ぶと言うやり方になっているところ
以外は大概この方式で自由にメーカーを選べるようになっています。

そうなると水回りメーカーも消費者心理をつかめるような商品構成にして「あなただけ特別に・・」という
雰囲気作りをしてきます。特にキッチンは多くの方に目に触れるものでもあり見てくれの良さが強調され
ます。

豪華に見えるだけではなく、扉の裏の機能だとかも細かい配慮がなされています。それはそれでよいの
ですが、その豪華に見せるための使われている素材がMDFやパーチクルボードだったりするので、長期的
な耐久性に大きな差が出てきます。

ご存知のようにMDFやパーチクル(PB)は木屑の圧縮板ですから曲面加工や重量感を出すには都合の
良い素材ですが、いかんせん接着剤で固めたものです。それにその素材だけでは化粧には役者不足で
他の仕上げ材と併用され豪華さを作り上げています。

モノには相性というものがあって整合性が悪いものがあります。このMDF・PBも接着剤で固められた
ものですから「接着剤が命」となるわけです。曲面加工した所などに貼り付けられたものはどうしても
無理が出るために剥がれやすくなります。

素材としてはどっしりしていて重量感があるのは良いのですが、それより大事なのは耐久性だと思うの
です。こういった種類のキャビネット(扉の類)は開け閉めしても軽々しくないので良いのですが欠点も
あるということを理解しておくべきでしょう。

もう一つ大事なことは価格の設定です。
定価というのは誰が決めるのかと言うと、決め事はありません。各社自由に定価設定をしていて150万円
とか200万円とか勝手に決めます。
素人側の心理からすると豪華で値段が高い割には値引率が大きく自分が優遇してもらった感じを味わい
たいと思う気持ちがあります。
彼らも充分にそれを知っていて定価は高く値引率を大きくして優越感を味わえるように設定してきます。

その考え方にも各社の違いが出ていて、割と正直に定価設定をしていて引き率も常識の範囲内と言う
スタイルのところから「受け狙い」優先で定価は高く引き率が大きくというところまであります。ですから、
逐次ショールームへ足を運んだときはこういうところをチェックしてみると意外な発見が生まれてきます。

それから
こうしたショールームは見積書を作ってくれますがすべて定価表示のままです。実際に自分がいくらで
買えるのかはショールームでは教えてくれません。そこは工事をする業者納品する業者を通して値段を
調べることになりますので我々のような販売業者や水回りの工事業者に聞いてみてください。


トップページへ戻る






コラム615 2014年02月12日

へこんだまま

 ここ数日間、事務所の電話機がおかしいのです。
今では当たり前になっているプッシュホンのボタンがへこんだまま出てこないのです。
何かの引っ掛かっているとかそういった感じではなくペタっとしぼんだままという感じで底にくっついて
いる状態です。

電話会社に連絡をしたら保守管理契約をしていないから出張実費の請求をすることになるが良いかと
言う承諾を求められました。
「んっ、何それ」と思わず言ってしまいました。

この電話機は使い出してまだ二年と四ヶ月、通常の使い方をして壊れるようなシロモノではないはず。
内容としては光回線にしてネットも共有できるようにしただけのことで、そんなことはどこでもやってい
るし、別に叩きながら使っていたわけでもないし、落としたわけでもありません。

当時導入した営業マンが出てきて、同じような話しをするのでまたまたこちらがカチンときました。
「通常の使用で壊れるようなものを提供しておいて修理費を請求すると言う会社の仕組みについて
法的に間違っていないかもしれないが心情的に売る側のあなた個人だったら納得できるのか」と
問いかけました。

当初は型どおりの返事しかしませんでしたが、何度か押し問答した結果、内部で内輪に直してみますと
なりました。

ということで、ちょっとした部品の不具合なのでしょうが責任がこちらにあるかのごとく言われた故障劇
はトラブった電話機を持ち帰って不具合を見てみるということになりました。

ここで思ったことは、大会社と言うものは自分の強い立場を利用して言葉巧みに売った後も保守契約な
どと称して管理料をとる仕組みを作り、何事があってもなくても利益が上がるようにしているのだという
ことです。

私らの世界ではこんなことは出来ません。何かクレームがあればすぐに飛んで行ってこちらの責任なら
直ちに修理するというのが常識です。状況を把握して消耗品的な部品の場合にはそれなりの負担をお
客さんにお願いすることはありますが、管理契約をとるなどと言うことはまずありません。

ボタンがへこんだままで出てこないなどというのは明らかに商品の欠陥です。しかも三年未満では。
そういったことを平気で15,000円以上はかかりますと最初に言ってくるのですからどこが一流なのか
疑いたくなります。

まず、見に来て状況を確かめてどちらの責任で直すべきなのかを判断するのが先でしょ。


トップページへ戻る






コラム614 2014年02月10日

関東の雪

 ここ数年、スタッドレスタイヤが役に立たなかったのですが、今年はちょっと違いました。
予報では8日夕方には強い雨ということでしたが、見事に外れて積雪15cmとなりました。

めったに降らない地区ですから高速道路・電車まで大きく乱れてほぼストップ状態。
そのしわ寄せが幹線道路へ集まってこれまた大渋滞、商店や食堂などもだいぶ休業してました。

幸いに土日ということもあってどうしても会社へ行かなければならないという人は別として、お休みに
あたったというのはある意味ラッキーだったのではないでしょうか。

毎月第二日曜日に開いている家造り勉強会も今回だけはぴったりと影響を受けてしまいました。
それでも3組5人の方がおいでになり予定通り行ないました。
ほんと、皆さんの熱心さには頭が下がります。
足元の悪い中ご参加くださいまして有難うございました。

夕方には幹線道路は走行する部分だけは路面が乾いた状態になりましたが、北側日陰の部分に
対してはまだまだ凍結している所がみられ、慎重な運転が必要でした。
いつもですと1日で消えてしまう雪も今回は量が多かっただけに歩道などはグチャグチャ状態のまま、
何とかなるだろうと思っていたのですが今朝も同じ状態が続いていました。
今朝の高速道路状況も水戸から北へは依然としてストップしているようで、その分の流れが国道に
スライドしていて今の時間(午前10時)でも渋滞しているようです。

我が事務所でも敷地内はまだ除雪していないので真っ白な状態ですが、なにせ年齢が・・・なもので
自然にとけるのを待ったほうが得策かなと思っています。

北国の人から見れば何のことはない雪もこの地区では大騒ぎ。自然のことゆえ、じっとしているしか
ないようです。


トップページへ戻る






コラム613 2014年02月03日

高止まり

 全般的に値上げ分消費税が実施される前の駆け込みによる資材高騰が高止まりになってきました。
あらかじめ予想されてこととは言え、直近の納品に関しては多少影響が出てきています。
すべての品物について充分な在庫が持てれば何も問題はないのですが、現実はそうも行かず、何がし
かの欠品が出る物もあります。

いつもトップに上がるのは合板なのですが今回もそうでした。
「品物がない」「新規の注文は一週間から10日ほど待って欲しい」などと言われます。

ないないと言われている割には製造側では残業しながら作っていると言い、全体的な量から見ても
流通段階で言われるほどの不足はないはずなのです。たしかに輸送のトラックなどは燃料費の高騰で
やりくりがつかないといわれているくらいですから若干のコストアップは仕方のないところですが、例えば
一回に1,000枚の合板を運ぶ大型トラックの費用にしてみれば10円程度のもので注文のたびに値段が
上がるということはまずありません。

ここでいつも関係してくるのが商社とメガ問屋と言われる存在です。

上述のように一週間から10日待っていると相場が変わるからで、全国的に動く需要動向をうまく取り込み
一日でも二日でも「品物が少ない・足りない」「次の品物はいくらアップです」とやるのです。
こうして時間差攻撃を使い当該決算期にはすごい利益を計上するのです。

問屋に聞いても以下同文なのですが、直送されてくる運転手に聞いてみるとけしてそんなことはなく
荷物も倉庫にいっぱいあると言うのです。

「上げ」のときはほとんどこうなるのですが、逆の場合も必ずと言ってよいほどあり、まったくの「逆現象」が
おこります。

注文すると翌日入荷する 
小口で言うと何とか一車にしてくれませんかと言う
積み合わせ荷物で配送する   などです。

そろそろ、そういった現象が3月ころには出てくるものと思います。とは言っても売る分の品物だけは
持っていないと話しになりません。ハイ


トップページへ戻る






コラム612 2014年01月29日

乃木坂46と農林水産省A

 特に国産材を使用すること・5割にすることに反対ではないのですが、問題はそのかける時間です。
私が高校を卒業するころ(S43年)はイケイケドンドンの初期で、すでに5年ほど前から建築ブームで
した。
まわりを見ても住宅需要が旺盛で供給がすでに間に合わないという状況になっていました。

いつの間にか、住宅は大工さんが請け負うものとなり、我々はその大工さんが顧客であり、商売の
相手方は建て主さんではありませんでした。
ですから、いかに大工さんに気に入られる材を提供するかを競っていたわけです。

今は木材は乾燥していなければ商品じゃないという風潮になりましたが、この時代は乾燥させている
時間がなかったのが現実でした。そのくらい需要が上回っていたのです。

常に売り手市場となれば価格が上昇し続けます。建築単価に大きく響くものですから、いかにそれを
抑えるかに知恵が絞られ外国から材を輸入してくることになっていきました。
外国と言っても今のように世界各国から入ってきていたわけではなく、ラワンは南方フィリピンあたり
から、構造体になる木はカナダ・アメリカあたりから米栂が主でした。

このころから(輸入材についてきた害虫が原因だと言われている)日本の松の木に「松食い虫」として
被害を広げていき、ほぼ日本国中の松がやられました。その代わりに輸入され始まったのが米松と
いう構造材です。

最初は足りない分だけ外材で賄うといった感じでしたが、扱ってみると日本のような競り形式の需給
関係で値段がポンポン変わる方式ではなく、四半期と年契約とかの規模の大きなものなので安定的で
あったということもありじわじわとその勢力を伸ばしていきました。

途中経過は略すとして四十年以上そういう状態が続いてきて今の国産材2割輸入材8割の比率になった
のです。ですからどこかの官僚・政治家が何年後には5割の需要を賄えるようにすると言ったって、所詮
ここまできてしまった供給体制はくたびれかかっていてすぐに戻せるようなものではないのです。

この国の官僚・政治家ははっきり言って「アホ」です。実際は民間が経済を動かしているのに、ちょこっと
塩コショウをふれば何でも可能になると思っています。その単純な細胞は「俺がやれば何でもできる」と
つじつまさえ合えば何でも文章で解決すると思っている「霞ヶ関特殊頭脳」だからです。

アメをしゃぶらせてちょこちょこっとやれば、簡単に5割が実現できると思っているのでしょうか。
山の手入れさえままならないと言っているその面積が7割もあるこの現実をわかっていません。
世間ではせっかく国産材を使おうと動いたにもかかわらず供給体制が整わない・価格も不安定だからと
またもとの外材に切り替えた住宅メーカーもあると聞きます。

現実的に今は消費税駆け込み需要もあり、資材は高騰しています。じわじわとゆっくり上がるのではなく
急に上昇するというのは、見積りをやったにもかかわらずその納品時には価格が変わってしまっていると
言う状況になりビジネスが成り立たなくなってしまいます。

多少のインフレは仕方がないとしてももっと時間をかけてじっくりとやらなければ「歪み」だけが大きくなり
誰の利益にもなりません。なぜ、40年もかけてこうなったことを数年で元をとろうなんて考えるのでしょう。

おまけに、カナダあたりからフェアなやり方ではないとクレームがつく始末で、何を血迷ったのか今度は
米松まで対象範囲に入れてしまいました。いったい国産材振興の旗はどこへ消えたのでしょう。
やるとなったら誰がなんと言ってもやり通すくらいの太っ腹なやつはいないのでしょうか。

乃木坂46を引っ張ってくる前にもっと緻密な作戦を練らないと、またまたねじれた社会現象が起きて
何のための国産材振興なのかわからなくなってしまいます。


トップページへ戻る






コラム611 2014年01月27日

乃木坂46と農林水産省

 AKB48と似たようなアイドルグループで乃木坂46とかの集団が別にあるんですね。
それはどうでもよいのですが、農林水産省ではこのグループに木材利用ポイントのPRを依頼している
ようで、今日のネットニュースにその写真が載っていました。

何年か後に木材需給率を5割にアップするとかどこかの大臣が大見得を切ったものだから、何が何でも
木を使えとばかりに自分の省に薪ストーブを入れたような記事と見てとれます。
消費者の部屋なんていうものも初めて聞きましたが、その部屋にですよ、霞ヶ関のビルにですよ、煙を
吐き出す薪ストーブとは驚きです。

ま、エントツと本体で100万円は下らないようなものとお見受けしましたが、何を考えているんでしょうね。

年齢からすると二十歳前後に見えるガキっぽい女の子に何を教え込んだんだかわかりませんが
都会のど真ん中で、「広い範囲を暖めることが出来る」「火を見ると気持ちが和らぐ」とか、
「地域も森も活性化されます」とか台本に書かれているから話しているようなもので、何がデメリットなの
かもわかっていないと思います。

設置したのはビルの1Fだと言うことですが、煙はどこへ抜けていくんでしょうか。
燃料の薪はどこから調達してくるんでしょうか。隣近所の建築解体物でももらってくるのでしょうか。
都会だからそもそも木がない・・・。もちろん、山から運んでくるのでしょうね、ガソリン使って。
充分に乾燥させなきゃいけないのだけれどどうするのかな。
燃料の木の特徴は理解しているのでしょうか。そんなものわかるわけがない。
薪の確保場所、薪割りはどうするんでしょうか。そもそも火の管理はだれがやるの。
洗濯物が干せないと言われたらどうするんでしょうか。霞ヶ関だからそれはないか。
近所から煙たいと苦情が出たらどうするんでしょうか。これはあるな。

余計なお世話ですが
火入れ式をやったとかかれていますが石油でもしみこませて火をつけたのでしょうか。
まさか、それはないでしょうね。

まさかのついで、
自分で設置しておいてポイントの請求なんかしないでしょうね。


トップページへ戻る






コラム610 2014年01月21日

低濃度被曝A

 疑ってかかると言うことをしないのも日本人の特徴だと思います。
「そんなはずはない」「名が通っているんだから大丈夫なはずだ」「大きいのだから間違いない」など、
メジャーになってしまえば「信用できる」となってしまうこの世界は中身と大きくかけ離れています。

そこへ国がF☆☆☆☆を付けてしまったのですからメチャクチャです。
まあ、その後、星十個くらいつける厳しいランクが出れば見方も変わるのでしょうが。

F☆☆☆☆製品を使っても安全ではありませんと言っているくらいですから、それならなぜこんな
決め方をしたのかと疑問に思います。

経済が停滞するのは困りますが、健康が脅かされることが押さえつけられるようでは本末転倒です。
残留農薬ならぎゃあぎゃあ騒ぐのに揮発物は「人によっても違いがある」などと都合の良い解釈を
します。
その数字を決めたとおりにやってあの議員会館のシックハウス騒ぎですから笑われてしまいます。

根底にある問題は解決するに超難問というわけではありません。
そういう素材を使わなければ良いだけのことです。

シックハウス過敏症になった人、あるいは一歩手前まで行っている人ならすぐにわかることなのです
が、「問題の物質濃度」が半分だから四分の1だからどうのとか言うレベルではないのです。
国はそのことをわかっていません。単なるロシア的交渉みたいな「真ん中に歩み寄れ」で決着させて
しまいました。

人々はそういう経緯さえ理解していません。そういう関係者・営業マンが家を売っているのですから
その先は知れています。

もし、仮に、その数字を決めた関係者の本人・家族などがそのような境遇になったらどう考えるので
しょう。自分たちが決めたことだからと黙っているのでしょうか。家族の苦しみをただガマンしてくれと
いえるのでしょうか。

議員会館でさえ、改善が必要だと言われているのに根本は何も変わっていません。潜在的な数が
増えていようとも絶対的な異変量が世間に出ない限り大勢が動かないのと同じように小手先の処置で
逃げてしまうのは今までと同じです。

たくさんある揮発物質の中でホルムアルデヒドだけが中途半端な位置に規制され、そのことですべてが
解決したような錯覚をしているのが現実で何も解決していないのです。

健康な人にいくら「こうですよ」と話しても通じないのもこのケースです。
「なったらおしまい」という危険性を情報発信していくのは大事なんですけど、あまりにも皆さんが
性善説でみているので難しさが倍増してしまうのです。


トップページへ戻る






コラム609 2014年01月20日

低濃度被曝

 これは原発の事故問題のことではなく、家庭の中の今起こっている出来事です。
それは1秒の休みもなく動いている(呼吸している)空気環境です。
今、このことが水面下で潜在的予備軍を増やし続けています。ちょっと前までは空気のことなど気にも
とめることなく生活できていましたが、これがじわじわと脅かせれてきています。

中毒と言ってもいろいろあります。急激に表れる症状を「急性中毒」といいますが、もしこれらが非常に
低い濃度で長時間被曝したら「何かわからないけれどおかしい」というような慢性的な中毒症状になり
ます。
93年の大阪・寝屋川の○サワホームのシックハウス事件は大別すれば強烈な刺激臭というレベルから
急性中毒の域だと考えています。外出先から帰ったら、ハムスターが全部口から血を吹いて死んでいて、
そして家族全員が化学物質過敏症になり今もその苦しみが続いているというまさに悲劇でした。

それまではシックハウスという言葉さえなく被害者の方は「気がたるんでいるからだ」とか「怠けている」
とかまともな扱いを受けませんでした。たしかに1人か2人だけ症状が起きても稀なことだと処理されて
しまい相手にもされません。それは水俣のときもまったく同じでした。

ようやく「シックハウス・シックスクール」という社会的認知がされたところですが、これが揮発基準が
あいまいな値に決まってしまったために、一方でこれを安全だとお墨付きのように利用する業者が出て
きてビジネスの売り言葉に使い成績をあげる事に利用しています。

そもそも、住宅と言うものを「ビジネス」の範囲に入れて良いものなのでしょうか。
地域ごとに違った建て方をして地場の木材を使って地場の人が作業をやっていたパターンから、今は
ビジネス組織が住宅を扱っています。彼らは住宅を商品だと言います。商品は均一でなくてはならない、
よその業者と競争して勝つためには何かの差別が必要だと、どんどん価格を下げ、使う資材を変化させ、
さもそれが優秀だと思い込ませています。

学校上がりの新人営業マンから古参まで木のことを理解していない人ばかり集まって何棟売るかを
競っています。自分でも住むとしたらそれを買うのかと言えばノーと言うのですから、生活のためには
自分の心と一致しないものを売っているわけです。そんなものを買わされる消費者は知らされていない
被害者です。

それもこれも変化が激しい中で本当に必要な情報が殆ど出ていない中で決めさせられるのですから
自分が力をつけていくしかないと思うのです。


トップページへ戻る






コラム608 2014年01月16日

米・野菜と家の比較

 一般的にスーパーなどに買物に行く場合でも、例えばニンニクひとつとっても中国産か国産かと
見比べます。野菜でも低農薬とか書かれているとついそっちに目が向いてしまいます。
食料の場合は敏感になっても無理はないと思うのですが、一方で住まいの環境というと耐震だとか
デザインだとか価格が優先されてしまいます。

その優先される理由としては知っていてそうするのか、知らずにいるために思慮の範囲に入っていない
のか、大方は後者だと思うのです。

前回、朝日、読売のミニコミコラムに書いた内容ですが、
昔、シンナーを吸っている奴をみて不良だバカだと言っていました。しかし、今そのバカなことを我々が
知らずにやっているのです。それはあまりにも工業製品を多用しているからです。

いやあ、そんなことはないだろうと思っている方もいらっしゃるでしょうけれど、現実は深刻です。
使用建材はF☆☆☆☆マークの製品で安全だと国も評価しているではないかと言われます。
もちろん住宅メーカーも大手ビルダーも一言も害があるなどとは言いません。
でも、そうだからと言って安全であることとイコールにはならないのが落とし穴なのです。

それじゃあ住宅機器新建材は全部悪なのかというと、一つひとつは違法でも何でもないのです。
法律で決められた揮発成分基準をクリアしているので違反とはいえないのですが、その基準そのもの
がザル法に近いので役に立たないのです。

なぜ、役に立たないような法律を作ったのかと言えば、シックハウスにかかってしまった多くの人たちが
「それはおかしい!」と訴えたのです。それに対して国側は製造メーカーに「この問題を解決しなさい」と
言いましたが、製造側も「そんなことをしたら新建材そのものが作れない」と反発したのです。

その物質がホルムアルデヒドであり、それだけがつるし上げられ問題視されました。現実にはこればかり
ではなくほかの揮発物がたくさんあったのですが、メーカーがこれ以上は出来ないというレベルで妥協
してしまい、なぜかこれだけの規制値を作って終わりになってしまいました。

なぜホルムアルデヒドが問題になるのかと言うと、新建材に使われている接着剤の使用過程で欠く事が
出来ないものだからです。

わかりやすく言うと、ペンキを塗るのに原液では濃すぎるのでシンナーなどの液を使います。しかし、
塗って乾くまでは必要ですがそのあとは不要のものでもしこれが乾かなかったら厄介なことになります。
これと同じことを接着剤の中で行なっているのです。
貼り付けるものに対してどろどろになった接着剤は組織の隙間に入り込んで行き、その後はカチカチに
なって剥がれなくなります。そのお蔭でAとBがくっつき離れなくなるのです。

そうして作られたのが基本的な合板であり圧縮板などになるわけです。ただ、この時点で完全に揮発
してしまったわけではなく、残留分が少しづつ出続けると言う特徴があるのです。これがいわゆるVOC
と呼ばれるもので通常の自然界にはないものですから人間に障害が出てしまうのです。

その揮発する成分がいったいいつまで出続けるのかというと、5〜10年くらいはかかるだろうというのが
経験上の結論です。少しづつ減りながら半永久的に出続けるといったほうが正確かもしれません。
ですから、そういう環境で住むということは長期曝露を避けられないということになるのです。

安全な家というのはまず自分たちが吸う空気の「安全であること」が最優先されます。
このことがあいまいなF☆☆☆☆を作ってしまったため危険なことを安全だと誤解するようなことになり
また国民もそのことを疑わずハウスメーカーの言うことを鵜呑みにしています。
そのことが一番今の家造りに欠けていることです。


トップページへ戻る






コラム607 2014年01月15日

1月の定例会

 この勉強会でいつも利用させていただいているのが商工会議所です。
会の開催日が第二日曜日ということもあって、大概 1月のこの日は成人式の着付けがこの同じ建物の
中で行なわれているため、新成人の着物姿を何人か見ることが出来ます。

不思議なことに、この人たち、普段見ず知らずの我々には向うから挨拶してくるなどということはめった
にないことですが、この日は自然に「おはようございます」と言ってくるのです。
こちらも「おめでとうございます」とおかえしします。
雰囲気が華やかだからと言えばそうなのですがなにか不思議なうれしい感じです。

さて、
今年最初の勉強会を12日に行ないました。今月の勉強会は「業者の話し」ということで建具屋さんと
畳屋さんの出席をいただいて大いに話しが盛り上がりました。参加者も22名ほど、予備席まで使って
聞いていただきました。

その後に、市内のKさん宅現場の見学も行ない何組かの方が訪れました。棟梁にも現場で説明をして
もらい、前回と今回の進行状況、床・壁・天井など木の使い方の違いなどを聞きました。
建て主のKさんにもお話を伺い、皆さん参考になったものと思います。
Kさん、どうもありがとうございました。


トップページへ戻る






コラム606 2014年01月11日

バイオマス発電の悪影響A

 燃料が不足するから銘木まで・・・というのは極端な話しとしても上級クラスの丸太まで食いあさると
いう事態は充分にあります。常陸太田市宮の郷の日立造船のバイオマス発電は年間6万tのチップを
必要とすると言われています。
単純計算ですが365日ぶっ続けて動いて1日に11t車15台を消化していく計算になります。

果たしてこのような量を賄えるのかという点です。

机上の計算ではいくらでもつじつまは合わせられるでしょうが、現実となれば他の絡みがかならず
出てきます。
燃料としてのチップというには「含水率」と「どこから調達するか」の問題がついてまわります。
バージンチップは混ざり物がないけれど含水率の低いものは少ない
産廃(建築廃材)などは乾燥率はよいが不純物混入率が高い    などの問題があります。

これまでの産廃はムク材が多かったけれどもこれからのものは合板などの混ざり物が多くなるという
ことが予想されます。
そして景気不景気での需給変動が大きく100%アテにできない点もあります。

いまでさえ東京の建築廃材を原料にしているパーチクルボードのメーカーは原料の不安定さを言って
いるのですから、これから実行しようという人たちはそれ以上にルート確立が難しくなるわけで、作文の
通りに行くはずがありません。

現在、宮の郷には木材乾燥機が5基ほどありますが、一基あたり25万円分の化石燃料が必要だと言わ
れており、これをバイオマスで運転させるにはお隣の木材加工場からの端材供給もしてもらってやっと
足りる位で運営しています。
このように設備を動かすには需給のバランスが非常に重要であって、紙に描いただけの構想で成り立
つなら苦労はありません。

特に燃やすだけの低級材は運賃のコスト比率が高くつきます。
「運送屋の儲けを手助けしているようなものだ」とさえ言われます。

考え方として、余分廃材を処理するためにちょっとコストがかかるがバイオマス発電をやるというのと
なんぼの発電をするから必要な分をかき集めるというのは本末が逆です。
そのことによって今迄バランスが取れていたところが崩されるのは目に見えています。


トップページへ戻る






コラム605 2014年01月10日

バイオマス発電の悪影響

 この業界ではさかんに代替エネルギー「バイオマス発電」という言葉が出てきます。
たしかに原発事故以来、他のエネルギーを見つけ総量的にバランスをとろうという考えは理解できる
のですが、問題は今迄にもそれなりに流通していたところとのバッティングが狂わないかという点です。

日本の森林事情は戦後植えた丸太の適齢期を若干過ぎており、製材に適した径級のオーバーサイズ
問題が浮かび上がってきていました。
製品というものは製材効率を考えるとデカければ良いというものでもなく、挽ける製材機械の都合も
あります。例えば20cmの径の丸太を挽くのは得意だが40cm以上は挽けないという種類のものも
あります。

効率を考えるとある種の決まったサイズだけ挽ける機械の方が製品に対する製造コストが圧縮できる
ので、良くて安いものを作るにはそういった形態の工場が多くなっていくわけです。逆に言えばその
サイズの丸太がなければ工場が動かないということでもあります。

また、全然別の方向でおこった電気の不足を補うための発電事業が国の政策もあって林地残材を
有効活用しこれを賄おうという動きが出てきました。これ自体は大変よいことなのですが、これも度を
超すと悪影響が出てくるのです。

ご存知のように、自然界で育った木材は一級(A)品の優等生ばかりではなく、製材には不向きな
質のものまでいろいろあります。昔ならオダガケといい田んぼでとれた米の天日干しに細い丸太など
がずいぶん使われたり、建築現場でも現場の足場などは木製の細モノが使われていました。
これらのものは時代の流れで田んぼではコンバインで稲の茎を細かくして田んぼに散らしてしまうし
建築現場では単管足場にとって変わられ、生産地としては売り先がなくなってしまいました。

そういったお金にならないものが山には残され、自然に朽ち果てて肥料になるのを待つだけでした。
これを林地残材と言っています。
これらを有効利用するという意味でのバイオマスなら大歓迎なのですが、量のバランス問題です。

発電となれば公共的な考え方が高いものです。一万キロワット発電すると言ったら2千キロや3千キロ
では済まされません。少なくとも8千・9千は作っていかないと自身も採算が取れないし需要家も電力
不足で他を探さねばなりません。実際には数社のラップがあるから大停電などということはないにしても
理屈としてはそうです。

一旦動き出したら一定の量を消化していく設備というものは、原料の供給都合でやめたり動かしたり
することは出来ません。それがあちこちで我も我もとなったらどうなるでしょう。食べるものが無くなった
らどうなるのか考えてみてください。山地残材どころではなく製品にするものまで食べ始まることになり
ます。もうこうなると本末転倒と言うべきでしょう。

これがこれから起きてくるはずです。こういった設備には必ずと言ってよいほど補助金が絡んできます。
補助金と言うのは厄介なもので「こう決めたらこれしかやれない」「他の方法では主旨が違うからダメ」
という縛りがとても多いのです。

すでに合板用として使われだしたB材が量が不足してくるとA材まで手を出しているという現象も出てきて
います。これらと同じことがもっとすごいボリュームでC材で起きてくるという事です。

そのうちに燃料が足りないからと銘木まで駆り出される日が来るかもしれません。


トップページへ戻る






コラム604 2014年01月09日

○○○屋住宅という名の現場

 昨年の暮れから某ビルダーの家が通勤途中の団地に建てられています。
名前からして全部の部材にヒノキを使っているからその名前なのかなと思っていましたが、全然違い
ました。

基礎はベタですがけして高くありません。
通気口はなく薄い基礎パッキンらしきものが挟まっていました。
土台も集成っぽい感じがしました。
なかなか現場に近づけないから信号待ちの交差点から注視するしかありません。
柱も桁も集成材の模様。組み上げはすべて接合金物を使用しています。
床には暑い合板が先に張られ屋根も合板張りでした。

建ったと思ったらスジカイの役目をする面材が張られ、きらきら光るようなシートが直に張られていま
した。
この先はもう直接中へ入っていかないと何も見えませんからどのようになっているのかわかりません。

ネットで調べてみると断熱材はアクアフォームという泡の断熱材を吹き込むようです。
シロアリ防除の薬もバッチリやるようです。
社長の自己紹介もネクタイをビシッと締め、専用のブログも書いています。
HPには良いことずくめのことがたくさん書いてあり、なかにはヒノキも選択出来ますと書かれています。
思わず「うまい!」とうなってしまうくらい、知らない人には良く見えてしまう内容ばかりです。

まあ、数々の疑問点があるのですが法律に違反しているわけではないのでいちいちここには書きま
せんが、健康で家族を守れる家ではないことが大体わかります。これは他の住宅メーカーでも殆ど
同じことですが、名前からして少しは違うのかなと思っていましたからちょっとがっかりでした。

タマちゃんセンちゃんクレちゃんアイちゃんイイちゃんも殆ど横並び、特に目立った自家専売のようなもの
が見当たらずいかに価格競争に勝つかを優先した商品を「売り」にしていますね。

この現場、朝早くから夜遅くまで大工さんが作業をしています。早出残業をやらないと手間にもならない
という現状が見てとれます。仕上げまで見なくともどのような内装になるのかもわかりますので、あとは
どのくらいのペースで作業が進むのかを確認してみたいと思います。


トップページへ戻る





コラム603 2014年01月06日                                               

似ている電話番号

 新年明けましておめでとうございます。
本日からの仕事開始なのですが、いつもながらの間違い電話ばかりで本命の電話が少ない仕事始めと
なりました。
笠間稲荷は局番違い、市役所は四桁が非常に間違いやすい番号で似ているのです。
「ご祈祷は何時からでしょうか」「ゴミの収集は・・・」と、こんなのばっかりです。
それでもこちらも商売ですから「どちらにおかけになったのですか」「それはかけ間違いですから・・・」と
丁寧に対応していますが、今さらながら局番選局は大事だなと思いましたね。

通常はこちらで電話番号を選べるなどというのはあまりないのですが、古くからの利用ということもあって
新しい局番が出来るときに電電公社(現NTT)から連絡があり何局か提示され選ぶことが出来たのだと
先代の社長が言っておりました。

まあ、枯れ木も何とかの賑わいと言いますから一本もかかってこないよりは良いとすべしなのかもしれま
せん。「オレオレ詐欺」「あなただけにロトの当たり番号を・・」なんて電話よりはずっとずっとましでしょうか。

今年はお正月の3日から有楽町の火事騒ぎやエクアドルの物騒な話題が飛び込んできています。
せめて近隣の人たちだけでも何事もなく過ごせる一年でありたいと思います。

それではこの一年間よろしくお願い致します。


トップページへ戻る





 

コラムのページ

トップページへ戻る

2013年までのコラム

2015年のコラムへ

これはあくまで、個人的な意見として、長年この業界にいて感じていることを書いています。
素材を否定しているとか、個人を誹謗中傷しているわけではありません。

更新は不定期ですのでご了解ください。