「失敗しない家づくり」勉強会 実践塾
コラム1066 2016年12月29日

雨漏り率5倍A

 家の構造はどんな形でも何らかの壁体内空間が生じます。特に木造という構造体は柱という重量を支える部材が立つことによって空気の流れを作ることができ、このことによって木を乾燥させることになり、結果として建物を長持ちさせることが出来ています。ただし、この構造が成り立つのは屋根(軒)が出ていて雨が浸入しないで空気が出入り出来る事が条件です。

ところが、最近の建物はほとんど軒が出ていないものばかりです。デザイン的には洒落て見えても、空気の流通には一番不向きな条件になり、軒のない家で換気をしようということはほぼ不可能になってきます。こうなると完全密閉型でやるか機械でコントロールしていくかしか方法がありません。

前者の場合、暑さ寒さに対し密閉されているわけですから何らかの温度調節が必要になってきます。ということは機械で強制的に換気できるようにしていくと言うことになるわけでデザイン優先を選んだために余分な換気設備が必要になったということになります。

なぜ雨の多い日本の国で屋根が深く出ている建物が多かったのかを考えてみれば、機械設備のなかった時代だからこそ、それを補う方法がとられていたと言えます。軒が出ているということは建物の寿命に大きく影響するということなのですが、今の住宅はそれを簡単に捨ててしまいました。

どんなに優れた部材を使おうともまったく軒(庇)の出ていない構造で雨をシャットアウトしようとしても、何らかの換気空間がある限り、雨は風を伴なって吹き込んでしまいます。また、ぴったり遮断したつもりでも毛管現象で雨はどんどん浸入してきます。

統計的に出てきた数字を見なくとも構造的に雨が浸入しやすい形なのですから、それはどういう結果が出るかは経験が浅くともわかるはずなのです。


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コラム1065 2016年12月26日

雨漏り率5倍

 日経BPという建築情報サイトがあるのですが、そこに出ていた興味ある記事見出しがこれ、「雨漏り率5倍!」という、今、流行のようになっている軒・庇のない家のことです。

実際に多くの統計から出された数字であるというのでかなり信頼できるものと思います。客観的に見てもたしかにうなずけるものがあります。

作る側は「これがトレンドだ」と言わんばかりの設計をしますが、400年前も今も日本のお天気はそう変わってはおらず、当たり前と言えば当たり前のことで4〜5日に一度は雨が降っていることです。

皆さんも周囲の建築に目をやればすぐに気付くと思いますが、とにかく屋根軒・庇のない家ばかりです。これが何を意味するか。たんなる格好(デザイン)だけの問題ではなく、雨の浸入あるいは水切れが悪く乾きにくいという、直近では軽視されていることがボディーブローのように効いてくる負の部分を持っている点です。

家というのは人の住む場所であり、原料が鉄であれ木であれ乾燥していないといろいろな問題が出てしまうということです。一昔前までは素材が木くらいしかなかったのでとにかく濡らさないこと、濡れても早く乾かすことに重点がおかれてきました。

それがアルミ・樹脂などが幅広く使われるようになって昔やれなかったことが今は出来るというケースが出てきています。アルミサッシにより気密性がよくなり、閉めておけば雨が入ってこない・・・。外壁なども防湿シートのお蔭で簡単には雨が浸入しなくなった・・・。 などです。

コスト重視の考えから来るのか、総二階が圧倒的に多くなり、1F屋根がほとんどないから壁が濡れっ放しになる。24時間換気があるから良いと思っているのか、窓を開けて生活するという習慣が少なくなってきているからなのか、デザイン面からも軒・庇がないほうが格好良いと見られるのか、それらがほとんどない。

ちょっと見の感じでは確かに設計事務所かと思わせるような「斬新さ」を感じるが、本当の裏事情はコストが安いことしかないだろう。そこには雨が浸入してくるという高リスクが隠れているのだけれど「当面、問題の起きることはない」と一蹴されているだけだ。


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コラム1064 2016年12月22日

孫も「そんなの関係ねえ」

 ギター侍の「残念!!」は聞かなくなりましたけど、小島よしおさんがまだ活躍しているんですねえ。

先日、孫が台所に来て「そんなの関係ねえ!」と振りをまじえてやるんですよ。どこかのテレビでやっていたのをまねているらしいですけど、もうとっくにそんなブームは終わっていると思っていました。そんなギャグをいきなりやるものだからこちらも見ていて思わず笑ってしまいました。

そういえば、一昨年は「ダメよ〜ダメダメ!」をやっていました。これが流行語大賞になった話しもとっくに忘れましたが、これもときどきやっていますね。

流行語のバロメータとしてはまず子供がおもしろがって口にすることだと言われています。でも、今年はそういうものがなかったように思います。「神ってる」というのも野球からきているようですが、孫は一度も言ったことがありませんでした。やはり、いまはサッカーのほうが人気らしく小さな子には響かなかったのでしょう。

先日のクラブカップのレアルと鹿島の試合などはあちらの選手の名前を何人か言ってましたからね。息子の時代もサッカー全盛でしたから、結局は親が見ていれば(録画していれば)それを見る機会はずっと大きくなるわけで、背景的な理由は存在するのですね。

そうそう、その二番目孫が部屋を出て行くとき、「オッパッピー」と言ってちゃんとまとめていました。


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コラム1063 2016年12月20日

なぜ、みすみす濡らすのかA

 なぜ、管理は大工さんではないのか・・、それは会社(Hメーカー・ビルダー)がちゃんと管理費なるものを計上しているからです。大工さんは指示された仕事をやるだけの作業者なのです。ここに問題が出てきます。

これら大工さんの賃金がもうちょっと出ているならば掃除・片付けは大工さんがやるでしょう。しかし、夜朝残業してこなさないと標準の賃金にならないのではやる気も失せます。なかにはやっている人もいるでしょうがそれは大工さんが良心的だからで現場はそれにおんぶしているだけです。

こういうふうに書くとずいぶんと濡れるものがあるように感じると思いますが、今の現場ではほんの少しになっています。それは天井をあげるための下地材くらいでしょうか。その前にすでに濡れてしまっているほうが多いくらいですから、建ってしまってからのほうがむしろ少ないかもしれません。

「すでに濡れてしまっている」というのは、床を先に作ってしまうやり方です。これは非常に危険なやり方で、断熱材がついた厚い合板下地がぺたっと敷かれ、もちろんこれが床ですから平らに作るわけです。そこへ二度三度雨に当てられ水を吸い込んだ断熱材と床合板は1〜1.5%ほど膨れることになります。

たった数%ですがこれがあとから歪みとなって出てきます。平らな状態で釘・ビスを打ち込まれたのですから膨れた余計な部分はどこへ逃げるかということです。厚い合板というのは下地が周囲だけしかなく真ん中は宙に浮いた状態です。

支えがないから逃げ場のない伸び部分はそこへ歪みが出ます。当たり前のことなのですがこの辺のことが現場では見て見ぬ振りなのでしょう。じんわりと伸びてしまった厚い合板はそう簡単には元に戻らず、そのまま仕上げ材大概はカラーフロアと言われるものが張られます。こうなると仕上げ床まで歪んだ状態で張られることになるので909mm四方がそれぞれへこんだ床が出来てしまいます。

これを作業者である大工さんが知らないはずはないのですが、ここでも「俺はそこまで気を遣ってやるほど手間をもらってねえよ」なんですねえ。

かくして、敏感な人は「あれっ」と思うでしょうが、感じない人はそのまま入居してしまうことになります。まあ、命まではとられないですからその点では過度の心配は要らないでしょうけれど・・・。


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コラム1062 2016年12月19日

なぜ、みすみす濡らすのか

 昔、建具屋さんが作業場のわきに建具用材をたくさん立てかけ、雨に当てながら乾燥させていました。当時、新米だった私は「乾燥させるのになぜ雨に濡らしてしまうんですか」と聞いたことがあります。

そうしたら、その建具屋さんは「雨に当てながら乾かすと微妙にアクも抜けるんだよね」と言っていました。その時はアクって何だろうと理解も出来ずにうなずいていましたが、機械で人工乾燥する時代になって何となく分かってきました。

機械乾燥の場合は高温で木をボイルするようなもので、煮汁みたいな焼け跡の火事場みたいな渋が出ます。これと似たようなもので、木のクセを出にくくする作用があるのではないかと感じています。まあこの場合は天日ですから全体が100度以上になるようなことはなく気分的なものの部類だと思いますが。

それはさておき、それじゃあ乾燥した木はどのように扱うべきなのか。それはもちろん乾燥状態をキープして使うという一言に尽きます。

すでに建物として建っているような場合はどうするのか・・。その場合は、濡れても早く乾かす。水を早くこかすには繊維状に使い、つまり立て使いにしてさっと流れるようにし水を溜め込まない。

これが横状態でいつまでも水切れが悪いと組織内にドンドン浸み込んでいき、抜けるのも時間がかかってきます。木材においてこれが一番ダメージを受けるパターンです。今の現場はこれを堂々とやってしまうんですね。

現場に搬入される建築資材は(現在では)ほとんどが乾燥された材です。構造材においてもこれは同じことで、もし
ひどい雨降りで濡れながら作業をすると大概は取り付けるまで横置きで管理されますので、時期が悪いとカビなど
が出てしまう恐れがあります。

冬は気温が低いので確率は低いですが、夏の時期は気をつけないと思わぬところで問題が出ます。これらは木材でもいわゆる副資材といわれる羽柄材の分類で構造体に打ち付けて使う資材なので直接の重みはかからない類のものです。

これらの資材は現場に納められるともう大工さんの管理下なので私たちの責任ではありません。Hメーカー・ビルダーにおいて、これらの資材は現場監督の管理責任になります。なぜそこで働いている大工さんではないのか?それは、そんな管理するような賃金まではもらっていないからです。


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コラム1061 2016年12月16日

冬でも雨は降る

 地球が回転しながら太陽の周りを回っているという事実は小学生でも知っています。地軸が23.43度傾いていてさらにこの近辺は北緯36度くらいにあり、その上に海に囲まれているため、特有の四季が生まれるのもこの国の特徴と言えます。

最近まで高気圧と低気圧の違いをよく知りませんでしたが、単なる気圧だけで決まるのではなく、周囲の状況で上昇気流が起きるものであれば低気圧、下降気流のものであれば高気圧であるということでした。言われてみればなるほどいうものでした。

それはさておき
街中で建てられている建物はこうした頻繁に変わるお天気の「低気圧」を無視した自分の都合優先の作業が行なわれております。ちょっと前まではツーバイフォーがその典型的な雨濡れ型でしたが、今は大手Hメーカー・ビルダーの木造といわれるものまで仲間入りしてしまいました。

いまや現場で使用される資材は工業製品が多くなり、基本的に水濡れ禁止です。これらを業者が知らないはずはなく、現場管理においてそこを担当する責任者はこれらを忠実に守らなければなりません。

しかし、その管理体制といったら誠にお粗末なもので、シートすらかけていないところもあります。シートでよく見るのが「ブルーシート」ですが、これは非常に薄く一ヶ月も使っていると防水機能がガクッと落ちてきてその用を足さなくなってしまいます。

そもそも、厳重にシートをかけて管理しなくてはならないと言うのは最初から分かっているのだから、現場管理以前の問題なのです。

その点から言うと、床を先に作ってしまう工法などは「最悪の工法」といえるでしょう。効率優先をちょっとだけ修正すればいくらでも避けることが出来るのに、それをやらないと言うのはビジネスの視点でしか物を見ていないからです。口では建て主さんは神様ですなどと言いながら腹では儲けることしかないと言われても仕方ないところです。

何をさておいても屋根野地の防水紙を優先し、周りをガードし、不要な雨ははねのけていかないと乾燥した資材はたっぷりと水を吸ってしまいます。すべてに共通することは「水を吸ったら膨れる」ということです。見つかっていないだけで床はすでにゆがみを起こしています。


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コラム1060 2016年12月15日

税務署からの電話A

 前回の続き。
「電話受けたついでだから言うけどね、あの消費税申告書の複雑怪奇な記入方法は何なの?」
  「はあ、なんでしょう」
「何でしょうって、何で8%の税率なのに国が6.3%だの地方がいくらだのって書かせるの」
  「・・・・・」
「私らは8%だからその金額を受け取って仮受け消費税として処理して、仕入れた分の仮払い分を差し引いた金額だけを記入すればいい事じゃないの」
「そのうえ、納付書は合計金額で納めるのだからあんな書き方は意味がないでしょ」
「あんな複雑にしておいて、とてもじゃないけど税務大学でも出ていないと理解できないでしょ」
「自主申告とか都合の良いことばかり言って事務負担をどんどん重くして、あんたがたの仕事をこちらにかぶせているようなものでしょ」「あんな面倒くさい書類を見てあなたはスラスラわかるの?」「何とかしなさいよ」
  「確かにそうですね・・・」
「国が地方にいくら分けようとこっちには関係ないんだから、そういう事務仕事はそっちでやればいいでしょ」
  「そうですね・・・」
「来年からの申告書はもっと簡単にしなさいよ」

 で終わりました。
こっちから電話かけるのも電話代がもったいないから、いつかかかってきたらたっぷり言ってやろうと思っていました。まあ、かけてきたのは新人みたいな人でしたから何も変わらないでしょうけどね。

国民の声は大事だから言うだけは言わないと。


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コラム1059 2016年12月14日

税務署からの電話

 先日のこと、事務所で仕事をしていると滅多に鳴らない電話が鳴り、税務署からだと言われました。うちは9月の決算で申告納付期限が11月末になっています。何のことかと聞いてみると「申告書のことについてお聞きしたい」とのことでした。

決算書を書いて提出したのは私ですがどういうことですかと聞くと、申告書の記入事項についてですと言うのです。
「何か間違っているんですか」
  「いえ、間違いではなく記入漏れがあるのです」
「どんなことですか」「計算に間違いとかがあるんですか」
  「いえ、そうではなく金額が書かれていない項目があるので・・」
「具体的に言ってみてください」「一応のことは頭に入っていますから」
  「繰越欠損金の金額が抜けているんです」「31欄のところの・・」
「書きもれですか」
  「そうです」
「その金額だったら後の明細書を見れば分かるでしょ」
  「明細書・・・、あっ、ありました」
「そこに詳しく書いてありますよ」
  「はい、それはそうなのですが・・、それが別表1に書かれていないものですから」
「それならそちらで記入しておいてください」
  「はい、そうなのですが・・・」
「わざわざ、それで電話してきたんですか」
  「はい、そうです・・」   

と煮え切らない対応。決定的に金額が違っているとかならば別ですが記入漏れ程度でわざわざ電話してくるほどあちらさんはヒマなんでしょうかね。


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コラム1058 2016年12月13日

聞きなれない名前

 地方公共団体情報システム機構といわれてピンと来る人は少ないと思います。実際に私も名前を聞いて、何の団体か分かりませんでした。「機構」とかいわれると何かと問題が多かった社会保険事務所(年金機構)を思い浮かべてしまいます。

この機構がいわゆるマイナンバーの運営をしている張本人らしいのですが、システムなどの作成は外部に委託で、聞こえはいいですが、要は「丸投げ」で仕組みを構築したものと推測されます。

このシステム作りに各種のトラブルが出て実際の運営に支障が出たと言い、システムを開発した何社かに損害賠償を求めることを決めたということです。この報道をみて損害賠償を求められるのは自分らではないのかと思った次第です。

国民全員と法人にもつくマイナンバー、法人は一般公開され誰でも知ることができるということでうちの会社でも来年あたりからはこの番号をつけて申告するようになるらしいです。

その数、ざっとみても2億は超えるのではないかと思いますが、個人の方のカード取得手続きをやられた方はまだまだ少なく、身の回りの人に聞いてもやっていないと言う人が非常に多くいます。

まあ、手続きをしようがしまいがあちらには番号データはきちっと揃っているのでしょうから、これからはいわゆる名寄せというものが簡単に出来て税金の取りっぱぐれがないという点に関しては揺るがないところでしょう。

それにしても個人カードの通知が来て手続きをしてから気の遠くなるような月数がかかっているのはどういうことなのでしょう。私の場合、写真だの郵送だの手の込んだことをやって送ってから何と十ヶ月も経ってから取りに来てくださいと言われたのですから。システムがどうのこうのと文句をつける前に自分たちの仕事のルーズさを棚に上げておいて損害賠償もないものです。

そのうえ、昨日のニュースでは「プレミアムフライデー」とかで金曜日を3時に退社するようにするとかのたまわっています。「やっぱりきたか」の感じですが、こうして国民の何とかかんとか・・などと言っていますが、要するに自分たちが休むことしか考えていないのです。こんな機構にろくな仕事は出来ないでしょう。

個人カードについては市町村の足並みが揃わない所もまだたくさんあるはずです。損害賠償などと言っている場合ではないのにやることがバラバラです。
それよりはやらなければならない自分の仕事をさっさとやれと言いたいですね。


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コラム1057 2016年12月12日

今月の勉強会

 地元の農家ではほしいも作りが始まりました。この光景が広がると冬が来たなあと感じます。この季節には言ってはいけない言葉があります。「暖かくていい日ですね」と「いいお湿りですね」です。
これを言うと農家の人は「いもが乾かなくて困る」と言われてしまうのです。何事も場の空気を呼んで言わねば・・・

さて、今月も予定通り家造り勉強会を開きました。参加は11名、遠方よりお越しの方もいらっしゃり大変お疲れ様でした。
今回は「工法の話」と言うことで、今の建築事情の裏側に潜んでいる危険なことを中心にお話いたしました。

早いもので、今月も中旬となり、あと三週間でお正月となってしまいます。昔はそれがすごく楽しみだったのですがこの年齢になると来てほしくないと思うのは私だけでしょうか。

ということで、来月の実施は1月の8日に行なう予定です。テーマは「素材の話し」です。工法の移り変わりで資材の選択も大変変化してきています。その良し悪しを「知らなければならないこと」をメインにお話したいと思います。
お時間の許す方は是非ご参加下さい。


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コラム1056 2016年12月09日

お国事情・・お天気

 我々が商売の中で取り扱っている梁(横架材)・桁は米松という樹種が主流を占めています。これらはアメリカ・カナダから輸入されてくるもので、日本で昔から使われていた国産の松が松くい虫でそのほとんどが枯れてしまい使うことが出来なくなってしまったので代わりとして輸入されたという背景があります。

なぜ、枯れてしまったのかというと、それまで輸入されていた丸太に害虫がついてきてしまい、全国に広がったのだろうと言われているのが有力説で私もそうだと思います。

それはさておき
この米松が育っている国の気候環境はどのようなものか、あまり語られません。夏前、ときどきニュースで見ることがありますが、現地の6〜8月と言うのはすごく暑くて乾燥している時期になります。お天気が非常に乾燥して自然発火を起こすような気候になります。この時期は丸太伐採も入山禁止になり作業が出来なくなるくらい異常乾燥する時期なのです。ここが日本と正反対なところです。

日本は乾燥しているといえば冬です。インフルエンザがはやるのも乾燥しているからです。ここが重要です。

アメリカ・カナダというのは冬に湿度が高いのですが気温が低い時期になっていて「腐る・かびる」という条件が揃わないのです。どこの国でも凍るような寒さ・雪の深いときは仕事が出来ません。つまり、この国では腐る・かびる要因のない国であり、そういった気候風土で培われた住宅がツーバイフォーという住宅なのです。

この住宅がそっくり日本に輸入されてきてしまったから問題が起こるようになったのです。あまり雨の降らない国の濡れることを心配しないでよい国のものが、濡らすとカビ・腐りの心配がある国に来てしまったのです。

それでも作り方はそのままで進められますから、まともに屋根が出来るまで20日くらいはかかってしまいます。つまり、このタイプの建物の殆どが雨被害を受けながら作業をしているということになります。合板や部材を濡らした雨は、床が水平に作られているために容赦なく床下へ浸み込んでいきます。

床も濡れ、床下もたっぷり濡れた状態で工事が続行されていくのです。前日の記述したお宅がまさにそうでした。


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コラム1055 2016年12月08日

濡れないようにするB

 今から14〜15年ほど前、近所にまったくのパーツ状態から作るツーバイフォーの住宅が建ちました。躯体は合板と2×4部材(スタッド)で作られており、外壁はレンガのようなものが張り付けられています。しかし、壁内装・天井はほとんどが石膏ボードで張られており、ビニールクロス仕上げであることは当時から知っていました。もちろん
その下にはグラスウールがしっかり入っています。

そのお宅が二階南西の角に目隠しシートを張り、何やら修理工事をやっています。そこは洗濯物を干せるように西面と南面が腰から上部分が解放となっていて、デザインはなかなか洒落ていました。しかし、この家はあまり屋根の庇が出ておらず雨の吹きかけがかなりあったのでしょう。外部解放の場所だけに防水工事はやられていたのでしょうけれど、それが充分でなかったのか、理由は定かではありませんが支障が出たことは間違いありません。

いずれにしてもこの工法に使われていた部材というのはホワイトウッド(通称WW)という北欧材で日本の北海道にあるモミ系の木の仲間です。特にこの木が悪いとかいっているのではなく、この木はヒバやひのきと違って腐りやすい部類に入る木で結露や雨漏りには弱い木です。

上述したように建築当時から記録写真を撮っていましたが、雨に当てられたのが一回二回ではありません。あの時はよく雨が降り、二階が作られ屋根が完成するまでに少なくとも四回は雨被害があったと記憶しています。やっと外回りがふさがって石膏ボードが入った時には1F床の下地合板は大きくふくれ波を打っていました。

この住まいもそれらが乾かされることなくどんどん工事は進められ、入居時には何事もなかったかのように引越しが行なわれました。それからは個人的な住居区域ですから観察することも出来ませんでしたが、その結果がやっと出たということになりました。

私らはいくらシートを張って工事をやったとしても、そこに使われている資材や撤去廃材を見ればどこがどのようにおかしくなったのかは大体想像できます。ここの現場も推して知るべし、もともと濡れていたものが腐ったのか結露でそうなったのか、雨漏りでそうなったのか・・ここはその全部が含まれていると思います。


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コラム1054 2016年12月07日

濡れないようにするA

 どんな資材でも濡れるよりは濡れないほうが良いに決まっています。ただ、ちょっとした雨では大丈夫なものとそうでないものがあるから正しい知識が必要になってきます。

濡れてまずいものについては資材の分野と建物そのものの構造の違いでもありますが、構造のことについては次の機会に書くことにし、ここでは資材についてだけ述べてみます。

建築資材には木材と新建材(建材メーカーが作ったもの)に大別できます。特に後者は殆どが水濡れ禁止です。合板・木屑圧縮板・集成材・Gウール・ロックウール系天井材・複合フローリング・石膏ボードとほとんどのものが濡れないようにと警告書きがあります。

いわゆるムクの木材の場合、きちんと乾燥させたものならばちょっとした雨に濡れても風に当てておけば問題なく乾いてしまいます。集成材や合板は原料としては木を使っていますが同じように扱ってしまうと問題がおきます。

その理由は接着剤をビシッと効かせるためにかなりの乾燥状態にして貼り付けるからです。なまじっかな乾燥状態だと接着成分が組織の中へしみ込んでいかず接着不良を起こすからです。接着するもの全てに言える事ですが「完全乾燥」は必須なのです。

モノを乾燥させると水分が抜けた分だけ縮みます。ムクの木の場合は約 1.5%ほどの収縮をします。これをよく頭に入れておかねばなりません。集成材も合板も出来上がった状態では乾燥品の優等生ということになります。

これらが市場(しじょう)に出回って住宅部材として消費されるまでに濡れてしまうと「ふくれ」を起こしてしまい、問題が発生してしまいます。言い換えれば「干物が水で戻される状態」になるわけです。このふくれは細胞組織の大きさによって差が出ます。もともとたくさん水を蓄えていたものはその部屋が大きいわけですから、乾いても元に戻れるスペースがあるということです。OSBボードという木屑圧縮板は雨に当て続けると15%くらいふくれてしまいます。

耐水性能がよいからといわれるのは、正しくは接着剤が水分で剥がれるということではなく接着剤そのものが水を吸わないというだけのことに過ぎません。原料の木はあくまでも木ですから、水に触れればふくれを止めることは出来ないのです。

その結果は簡単に想像できます。水を吸った分だけ体積がふくれ、釘を浮かし、組織の奥まで入った雨水は殆ど抜けず、その先はカビ・腐りの原因になると言うことです。


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コラム1053 2016年12月06日

濡れないようにする

 いま、世の中の住宅建築において、その使用木材のほとんどに乾燥品が求められています。その乾燥品を提供するには二つの方法があり、自然の中で風に任せて乾燥させるやり方と、機械で強制的に水分を抜いてしまう方法とがあります。

その方法の良し悪しは別として、そのようにして供給された木材は意外と現場で粗末に扱われています。もちろん、木材以外に合板・木屑圧縮板・集成材も入りますが、これらは製造工程の中で乾燥させた上で接着していますから出来上がってきたときにはすでに乾燥品としての資材になりますが、木材と同じように粗末な扱いをされています。

このほかに断熱材や石膏ボードのような工業製品もあり、ちょっとでも濡らしてはいけない部類の建材もあります。

粗末な扱いと言っても、現場で資材を蹴飛ばしながら作業をしているというのではありません。

以前のコラムでの書いたように、今は効率優先の住宅を作るために工場組みつけの比率が非常に高くなってきています。これは大きな住宅メーカーほど顕著になっています。セ○スイ・ダイ○・一○というような有名?なHメーカーほど自前の工場で完成品に近いものを作って現場に搬入し、クレーンで吊り上げるというスタイルをとっています。

別にこのことが悪いといっているのではなく、問題は日本の天気事情を考慮に入れていないということです。

私らの知っている限り、町の大工さんが建てる家は一ヶ月以上前からだいたいこの日と予定を立てますが、現実には、数日前から天気予報をみながら上棟をいつにするかを考えます。条件が悪いときには数日ほど延期するときもあります。上棟当日というのは建て主さんにとってもおめでたい日なのですから、いくら大安であっても家にとっては良い日ではないのです。

このようにしてなるべく屋根を早くかけて防水紙を張り、建物が濡れるのを最小限に防ぎます。これが大手Hメーカーになるほど無視されます。その理由は会社の都合優先の考え方だからです。大手ほど数をこなすために、工場も現場も立てた予定通りに動こうとします。ビジネスとしては大切なのでしょうが、迷惑なのは建物です。

例えば、一度組んでしまった予定をずらすということになるとその後に控えている建物の予定が全部ずれ込んでしまいます。雨の日が続けば続くほど、立てた生産計画はあてにならず、企業売上を左右することになります。手配したクレーン費用やとび職の手配はキャンセル料がかかってしまうため無理してでも予定通りに実行してしまいます。

建て主さんには「きちんとシートがかけられ管理されていますから安心です」と言っておけば何も問われません。
それ以上疑う建て主さんもいないのでしょうが、そのようにして無謀な建築計画が進められていきます。


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コラム1052 2016年12月01日

ある住宅検査会社のコラム

 こういう仕事をしていると、自分以外の業界現状を知りたくてネット検索をすることがあります。なかでも気に入っているのが名古屋の検査会社、数年前に偶然見つけてブックマークに入れておき一週間に一度は見るようにしています。

その中には普段から私が危惧し書いている工場組み立てのいわゆる現場吊り上げ型の住宅が書かれておりました。工場組立というくらいですから町の工務店などという規模ではありません。れっきとした一流?会社です。

欠陥を見つけるのがこの人の仕事なので、基礎の段階から組み立て中、仕上げに至るまで何度も現場に通うようです。その中で取り上げたのが壁内の断熱材の濡れでした。

大雨の中、この現場は組み立てられたのでしょう。床下から見えている断熱材を絞ると水がジワジワと出てきた写真が写っていました。当然と言えば当然なのですが、組み立て中にざあざあ降られた雨は無防備な壁の中に染み込んでいき、逃げ場がないということを証明していたのでした。この人が発見しなければ現場はこのまま進められたのだと思います。

その後、この会社の対応はどうなっていったのかまでは書かれていませんでしたが、事実は間違いなく断熱材が雨に濡れており、このことを建て主さんは知らされるでしょうが、ことがことで、工場で組み込まれてきたものが現場で同じ仕様に対処できるかと言うことです。出来るとすれば仕上げ前の壁(石膏ボード)を全部取り去って断熱材を取り替えるしか方法はないということでしょう。

はたして、この住宅会社がそこまでやるか・・・大いに疑問です。

私の見た、団地内のあの住宅も間違いなくびしょびしょな筈です。これも名前は知られた一流?会社です。


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コラム1051 2016年11月25日

何というひどいことを

 大阪東住吉区の男児のニュースですが、たった1歳の子に食べ物もあげないで衰弱死させたというのはこの親はもう人間ではないですね。この子としては頼るのは親だけだったはずで、ほかに食べ物を得る手段はなかったはずです。

うちにも小さな孫がいるので食べ物をほしがるときの健気さは痛いようにわかります。それに引き換え、親の体格を見ると一ヶ月は食べなくても死なないようなりっぱな身体をしているではありませんか。自分は食べなくとも・・というのはこの人たちにとって死語なのでしょうか。

胃袋の中には何も入っていなかったという報道ではこちらの胃が押さえつけられるような気持ちになりました。

毎日のようにどこかでこのような虐待が行なわれ「またか・・」という思いはいつになったら聞かなくなるのか、実に亡くなった小さな子の魂が不憫でなりません。


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コラム1050 2016年11月24日

54年ぶりとか

 明け方からの雨が雪になり、11月としては54年ぶりの降雪であるとテレビ・ラジオで言っていました。遅い早いは別としても、これほど数センチの雪で話題になるのは関東地区ぐらいのものでしょう。秋田地区の人から見れば「何をこれしき位で」と笑われてしまいそうです。

こちらはまだまだ地温が高いので舞い降りた雪は瞬間的に消えてしまいますが、東北へ行くとこれがまったく違うんですね。春のサクラが散って道路上をあちこち風で吹き流されているように消えることがなくたちまち積もっていくんです。

そんな怖さも知らずに何年か前に12月にノーマルタイヤで秋田へ行って、現地の人に驚かれたことがありました。「久保さん、ちょっと雲行きが怪しくなってきたから早く帰ったほうがいいよ」と言われ休憩もせずにトラックを走らせてきたことを覚えています。

このときは幸いにも積雪にはならず戻って来れましたが、それ以来、秋田へ行く時には天気予報とにらめっこで危ないときはスタッドレスに履き替えていくようにしています。ただ、雪に強いと言っても峠や急な坂などではすべり出したら止まらないのは普通タイヤと同じですので、無難なのは冬には行かないことでしょうか。

それでも、木の成長が晩秋になり落ち着いてきて、切り旬(きりしゅん)の良い時期に伐採された丸太で製材され製品が出荷されてくるのは冬の時期なので、出来れば2月、3月、遅くも4月あたりまでに仕入れしたいというのが材木屋の本音でしょうか。

ただ、スタッドレスという良いタイヤがあっても当地では役に立つのが年に一度くらいで掛ける費用と得られる効果が一致しませんので頭の痛いところです。


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コラム1049 2016年11月22日

コンビニ競争A

 グラグラッ、今朝六時ごろ、かなり強烈な揺れで「またかっ」と驚きました。振幅が大きくあのときの再来かと頭をかすめましたが、幸い落下物もなく一回で治まりましたので安心しました。NHKラジオをつけてみると「津波が・・・」と連呼していて海底で起こったことがうかがえます。

体感的にはあのときよりずっと小さかったのですが、場所が違えば被害の程度も違うのでずっと報道を聞いていました。現在、午前10時ころですがこのまま安定して過ぎる気配です。

さて、前回のコラムの続きです。

 いま、世の中で供給過剰なものと言えば「アパート・歯医者・コンビニ」でしょうか。

そのアパートは市街化区域内の相続等の節税対策で業者にあおられ、需要バランスなんぞ関係なしに作られ、5〜10年過ぎたあたりには結果が見えてくるのですが、おかまいなし高度成長時代のごとく作られていきます。歯医者は患者が少なくてもつぶれない不思議さがあり、医療の世界の七不思議を感じます。

しかし、コンビニだけは何の保護もなしにオーナーが身をすり減らしながら店の経営を支えていく運命にあります。そのうえ、経営が立ち行かなくなって廃業するときも破産の危険を100%背負うわけです。

自由な経済活動ですから一個人がどうこう言う問題ではないのですが、夢見て始まったお店がどうにもならなくなって閉店するというのは大変なことだと思います。ただ、これも自分の努力だけで出た結果なら諦めもつくでしょうが故意に「閉店に追い込まれた」となると別です。

業界トップのセブンイレブンはお客から見れば知名度はあるし、そこそこおにぎりがおいしい、冬はおでんがいい・・など根強い人気があります。他のコンビニもいいところまで追い上げてはいますが順位は揺るがないようです。

しかし、セブンイレブンとはいえ同業の叩きあいもあるようで、本部の采配ひとつで先口のオーナーがコケにされることもザラにあるようです。その対象になる店は地域売上一番の店。なぜかというとそういう場所は他のコンビニも目をつけていて出店を狙っているから本部としては先手必勝とばかりに近所に出店してしまう。

対象2は本部に逆らってお弁当おにぎりなど賞味期限の近いものを廃棄せず安売りなどを続けるお店。以前、訴訟にまでなって話題になりましたが、組織の力から言えば裁判の結果など屁でもないのでしょう。その報復として近隣に他のオーナー店を出店させてしまう。

その手順も、先口のオーナーに相談もしないで決めてしまうという汚いやり方でトラブっているようです。組織には組織のやり方があるのでしょうが、大事なのは現場で働いている人の意思でしょう。それを無視してこういうことを繰り返しているようでは天下のセブンも先が見えてきたと言えると思います。


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コラム1048 2016年11月21日

コンビニ競争

 いまやデパートと言われる大型店舗を抜いて経済活動のトップになったコンビニですが、その世界の競争も半端ではなく出店したと思ったら数年で閉店というパターンも出ています。

我が町内では20年ほど前にそれまで組内の一員だった方が100mくらい離れたところにセブンイレブンが開店したためお客さんが減ってしまい廃業したことがありました。それ以後、セブンイレブンはこの地域の独断場だったのですが、これに対抗すべくということなのかローソンが出来ることになりました。

半年ほど前に二棟のアパートが解体されずっと空き地のままでした。そのうちに細かく分譲され売り出されるのかなと思っていたら予想はみごとに外れ、二週間ほど前から工事の関係者が出入りするようになり、そのとなりの住人にたずねましたら工事前に挨拶に来た人の話ではコンビニだということだとのこと。

まだ、作業途中で看板は出ていませんがすでに店舗の形は出来ており敷地内の仮舗装も終わり7割くらいは出来上がっている感じです。我が家からするとセブンイレブンは道路の向こう側ですがローソンはこちら側です。これから孫たちが利用するとすればたぶん道路を越えては行かないでしょうから新コンビニのほうでしょう。

ずっと勝ち続けてきたセブンイレブンも、うちの娘と同級の子がいました。しかし、こういうお店は24時間営業なので家族の団欒などと言うものは望めなく、いつもケンカが絶えず、その後両親は離婚し子供たちもグレてしまったと娘が話していました。娘いわく、「あいつは不良だから相手にしない」だったそうです

そういう話を耳にしているのでコンビニには明るいイメージが持てません。こちらもある意味商人ですから、表では華々しく見えるものでも裏事情はどうなのかなと勘ぐってしまうのです。

この世界も「良い思い」をするのはトップの人間だけ、現場は3Kよりもきつい「使い捨て」ですからね。どなたがおやりになるのかわかりませんが、20年前におやめになったMさんも複雑な心境で見ていることでしょう。


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コラム1047 2016年11月19日

いくら何でも・・・

 最近、高齢者ドライバーの誤操作で若い方が亡くなっているニュースを耳にします。メディアでも「高齢者」のタイトルをつければ今のトレンドのような言い方だと”過剰に”見出しをつけている気がします。

今日のネットニュースにも「高齢者ドライバー事故を起こす」と書かれていて、その中身をみると運転者は67歳と出ており、「えっ」と思いました。どこからが高齢者という表現をしていいのか法律の決まりはないとしても、67歳でそう書かれると何か割り切れないものを感じてしまいます。

確かに何人に一人は高齢者などと報道されると、若者はほとんどいなくて世の中に年寄りばっかりというイメージがまとわりつきます。しかし、その中でもいろいろな人がおり、元気に何事もなく仕事をしている人もいるでしょうし、私などはすでに66歳ですがアクセルとブレーキを間違ったなどというのは一度もなく、老人の自覚は殆どありません。

もっと報道は流行を追うようなことはせずに中立的な事実を伝えてもらいたいと思います。

警察だって、年齢で仕切るのではなく能力に応じた免許更新をしていればこの手の事故は防げたはずです。そういう意味では行政の高齢者に対する扱い方は不平等であります。

日々、刺激を受けて現役で世の中で役に立ち働いている人に対して大変失礼だと思います。


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コラム1046 2016年11月18日

寒い所から来る木材A

 いくら機械乾燥をかけたからといってすべて解決というわけではなく、腐りやすい木の性質は変わらないし、寿命
が飛躍的に延びるわけでありません。生よりは乾燥品のほうが資材としては良いのですが、それも乾燥した環境の
ままで使い続けられればの話しです。

住宅において屋根下やサッシ周辺、床の条件によって温度差結露をするところがあります。気密性を良くすればす
るほど外側・内側の温度差は出ますから、建物内では見えないところで細かい結露現象が出るようになります。

これらはよく「雨漏りだ・・」と誤解されることがありますが、いまは外壁下地に防湿シートを施工するのでそう簡単に
雨漏りはしません。

しかし、木が腐るのは雨漏りであろうと結露であろうと水分が同じに与えられれば腐る条件になります。そういう所
に使われる木材は腐りやすいか腐りにくいかはあり、やはり材質により時間差が出ます。

そういう意味で他の材種とモミ系の木は建築資材としての価値のつけ方が若干違っていました。乾燥し続けるとこ
ろで使われるなら同じなのですが、そういう適した所が少なく評価として低く見られていたというのは事実あります。

しかし、今や大手Hメーカーからビルダーまでそのようなことを言う人たちはどこにも見当たりません。そこには勝負
の世界で戦える資材であれば、また直近のクレームが出なければ何の問題もないということで利便性が優先され、
建築市場(しじょう)のなかで重要な位置を占めるようになってしまったのです。

要は木材の性質を理解してどういうところで使えばよいかを考えることです。常に目視で確かめられる所、構造体の
ような隠れて見えなくなってしまうところではなく、内装材のような目で見ることが出来、いつでも管理できるところ
に使えば良いということです。

一昔前、年配の人で「なんだ、外材か」と国産材よりも低く見る人がいましたがそれは違います。扱い方次第で国産
材よりも優秀なものは確かにあります。

今は適材適所といわれながら不適材不適所で使われやっていることがめちゃくちゃです。これも紙の上で理論を組
み立て、「俺ならこれだけ安くできる」という人が多すぎるからなのでしょう。


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コラム1045 2016年11月17日

寒い所から来る木材

 現在、輸入材と国産材の比率は以前より少し改善されて75%対25%くらいだと感じています。相変わらず自国に
木があっても輸入され続けているのは根本的な生産コストに違いがあるからだと思います。

遠くの国から船便でやってくるのですからその運賃コストも大変なはずなのに日本では圧倒的なシェアを占めてい
るのです。その一因としては商社問屋が売っている顧客の変化です。その時期が今の住宅業界の主導権を握った
Hメーカーであることと重なっています。

地球各地から入ってくる木材の主な出荷元は南半球よりも北半球のほうが圧倒的に多いです。特に北米・北欧は
桁違いに多いと思います。緯度で言えば日本よりももっと北の地区です。それらの産地は日本より当然のように北
ですから寒い地区であるといえます。

そういった地区で育った木が製品化され船便でやってくるのですから、その船便経路が重要になってきます。単純
に考えても北極に近いところは氷で閉ざされていて航路としては一時期しか使えません。

大半の貨物は暑い赤道近くを通ってくることになります。製品でも丸太でも同じことですが灼熱といわれるような所を
通ってくると、特に水分の多い木材で製品化されたものはカビやすくなって梱包の中のものほど影響が出やすく売
れない製品となってしまいます。

特に日本は梅雨という時期があるために、こういった航路を通ってさらに日本で梅雨を越すようなことになると木材
がカビたり腐りだしたりします。このため、出荷元では人工的に水分を除去する「人工乾燥機」にかけて木材の水分
を8%〜12%くらいに落としてから出荷するようにしています。

木材が乾燥材と言われるようになるには少なくとも三ヶ月から一年くらいかかります。三ヶ月というのは断面寸法の
小さなもので、厚みと巾のあるものはそれに比例して長期間かかります。国産の木材はおもに梅雨の時期に注意
が必要ですが、輸入材は船便の都合で季節に関係なく乾燥していないといけません。

北欧からの材は種類がモミ系の木が多いので特にカビ易く注意が必要です。早く伐採し、早く製材し、早く輸出出来
れば資金が固定化しませんが、乾燥に半年もかけていたのではその分だけ現金が必要になり会社の財務を圧迫
してしまいます。

日本でもその経済理屈は同じで、需要家である商社・問屋・販売店が余計な手間をかけずに売れる商品を希望して
いったために外国ではいち早く人工乾燥機が普及していき国内でも国が補助金を出すなどして追随していきまし
た。そこには自然物である木材を自然環境ではありえない温度管理で人工的に水分を抜いていくのですが、その
弊害は語られることなく機械化は進みました。

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コラム1044 2016年11月14日

今月の勉強会

 昨日13日は茨城県民の日ということで、県管轄の公共施設が無料で入場できたそうです。お天気も良かったの
で各施設は大賑わいだったことと思います。

さて、今月も予定通り昨日の13日に勉強会を実施いたしました。遠路より参加いただきました方もいらっしゃり大変
お疲れ様でした。今回の参加は9名、その後の現場見学にも何人かご参加いただきまして有難うございました。

次回の実施予定日は12月11日第二日曜日です。
市中の落ち葉もかなり目立つようになりました。来月はもう師走、何かとあわただしくなると思いますがまたお時間
の許す方はご参加下さい。

テーマは「工法の話し」、世の中で何種類もある家の建てられ方で日本の気候環境に合わないものがたくさんあり
ます。実際に街中で行なわれているいる現場の実例写真などを見ながらお話を進めていきます。


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コラム1043 2016年11月11日

隠れてまでノルマ達成か

 ネズミ捕りといえばスピード取り締まりのことですが、最近見ないと思ったら健在だったのですね。これで皆さん
思うことは「隠れてコソコソしやがって・・」でしょう。

私個人的な意見でもたしかにそう思います。どう考えてもその道はそのスピード制限に値しないだろうと思うような
速度規制。逆に言えば「あんたらそのスピードで走っているのか」と言いたいほどの規制をしておいて、陰に隠れ
てスピードガンを設置して一丁上がりはないだろうと思います。

もともと警察というのは国民市民の安全を守るというのが仕事なのに、これではワナを仕掛けてお金を搾り上げると
いう行為に等しいと思います。もちろん、危険を防止するための見せしめとして「これはひどい」というような違反は
堂々と取り締まってよいと思いますが、通常の社会的な常識で逸脱しない程度のスピードで走っている車を陥れる
ようなやり方は納得できませんね。

本当の交通安全を実行するなら、スピードを出しすぎるような場所に立って、「スピード落せ!」くらいの垂れ幕を
下げてその先にスピードガンをおいてもらいたいですね。やっている本人たちも「仕事だから・・」と割り切っている
のかもしれませんが、そういうところはびしょ濡れの建築現場で建てている職人さんたちと同じだなと思いますね。

本当に事故をなくしたいとか、本当に良い家を建てたいと思っているのならやることが違うし、自分の心のなかで
本当にそう思っているならそれはそれでりっぱですが、私ならやりたくないですねそんな仕事は。

ここでもウラにノルマがあることは明白です。現に元警官だった友人は「確かにある」と言っていましたし、そういう
命令に絶対的に従わなくてはならない世界がイヤで早期退職したといっていましたからそれは存在するのです。

先日も認知症の疑いのある高齢者が小学生をはねて死亡させてしまいました。これなど、きちんと免許証の更新
時に警察が対処していれば防げたことです。どこを走ったかわからないというような人に免許を出しておいて、傍ら
では恨まれるような集金行為をしておいてやることが逆だと思います。

これで国民の安全を守っているなどとは言えません。
その友人がもう一つ言っていました。何か事が起こり身が危なくなったら逃げろと言われていたそうです。
推して知るべし・・です。


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コラム1042 2016年11月10日

CLTで高層建物?

 九州・博多での道路陥没事故は規模が半端ではなく、ビルの基礎が見えるほど大きな穴になっていました。
これを見て「人間の知恵の落とし穴ではないか」と思ったのは私だけでしょうか。

すべての工事はきちんとした書類上で確認され、業者もその通りに施工しているのになぜこういうことになるのか。
これはこの事故だけでなくすべてのことに通じると思うのです。この住宅業界も一見きちんと決まりごとを守って
作られているように見えますが、中身は薄氷を踏むようなことが行なわれていると感じています。

私がこのコラムで何度も主張してきた「接着剤に頼りすぎた資材」のことです。

住宅はモノが入っているのではなく生きている人間が住んでいる所です。近頃の住宅はその主要部材のほとんど
が接着剤に頼った製品で占められています。床・柱・桁・梁・屋根野地に至るまで何かしらの接着剤が絡んだ製品
です。最近はそれにくわえて壁面まで合板・木屑圧縮板・あるいは鉱物資材にとってかわられています。

これらが先進的ですばらしいとみるのか危険だとみるのか、世間の評価はほとんど前者です。

そしてさらに、ここ数年前からCLTという新しいタイプの資材が加わってきました。
これはクロス・ラミネーテッド・ティンバーという名前の頭文字をとったもので、主に壁工法のような使い方をするた
めの部材です。詳しくはネット検索でみてください。

この部材も100%接着剤で出来ています。主要な木材以外は構造用集成材と同じように接着剤で張りつけられて
いるのは同じです。がっちりくっついて丈夫そうに見えますがそれを支えているのは接着剤です。

これで高層建物を作るという動きが出てきています。

私はここに大きな疑問を持っています。日本にも木造でかなり高い建造物はありますが、せいぜい3F建てが限度
でそれ以上のものは木を使って建てるという習慣はなかったと思います。

確かに科学技術は進歩しましたが、いくら優秀だとは言え、接着剤だけで張りつけた資材で高層物を建てるという
発想は無謀だと思います。誤解してもらいたくないのは、こういう新しい分野にチャレンジしていくのをすべて反対
しているわけではありません。いろいろな試験をして確信を持ててもいきなり人間が入る建物になぜこれが必要な
のかということです。

やるのでしたら人間の関係しない所など他のケースで長年の実績を積むべきであると思うのです。

直近のデータを見る限り、画期的・丈夫であることはわかっています。しかし、このデータに欠けているものは現実
の実績、つまり過去形でのデータではないということです。そんなことを言っていたら鬼に笑われると言われるかも
しれませんが、絶対に崩壊しないなどということを誰が保証するのでしょうか。


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コラム1041 2016年11月09日

残業200時間とは

 「取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは・・」というのが電通の鬼十即らしいですが、これをまと
もにやっていると200時間は超えてしまうといわれる。これだけ働くには定時で勤務しても一月180時間くらいなのに
残業でもう一人分以上を働いたということになります。

まじめに仕事をしてしまう社員の方も「命と引き換えに給料をもらっている」と言われるくらいの会社ですが、それじゃ
あ、取締役なんぞはそれ以上にやっているのでしょうか。
良い会社なら社員以上に役員は働くといわれているのですから、当然やっているんでしょうね。

そこまで社員をこき使っていて、天下の電通といわれるまでの有名企業がこのザマでは、とても根が深いと言えま
す。ここまで放置していたくせに、今頃になって動き出し、周回遅れと言われても仕方がないほど御立派な対応の
労働基準局は一体何をやっていたのでしょう。労組も同様。
まるで、交通事故で人が大勢亡くならないと信号機が付かない・・みたいなお粗末さです。

まあ、定時で帰宅してもきちんと給料とボーナスがいただける労働基準局の皆さんには痛みなどわかるはずがない
のでしょうが、やることが遅すぎます。

以前、うちにも労働基準局から重箱の隅を突っつくような指導を言われたことがありましたが、そんなヒマがあるの
なら潜入班でも作って大企業に乗り込んでホコリをたたき出したほうがよっぽど支持されると思うのですがねえ。

まあ、一番のワルは会社のトップでしょうね。会見では白々しいことを言っていましたが誰もそんなこと信じる人は
いないと思いますからかえって逆効果を生むことになると思います。

これを逆手にとって改善するには、労働基準監督署のメンバーがこういった会社に三年くらい出向で研修に行くの
が一番良いアイディアだと思います。


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コラム1040 2016年11月08日

電球は熱も出すA

 白熱球は各メーカーも製造を中止するところが多くなってきましたが、各家庭ではまだまだ現役で活躍している
所が多いです。一方、LED電球は電力消費が少ないと高い評価を受けていますが価格もまだまだ高いです。

この事故現場でもLEDを使うことになっていたという説明を受けていたと大学側では言っていましたが、実際は
白熱球が使われて事故に至ったという悲惨な結果が出てしまいました。しかし、これが仮にLEDだったとしたら
100%起きなかったかというと少々疑問が残ります。

LEDというのは直流動作の機器です。その個体の中に直流に変換する整流装置というものが組み込まれており
商業電力の交流を直流化して点灯しています。この整流装置は半導体で出来ているためまったく熱を出さない
わけではなく密閉状態で使えば安全というものではなく一部で誤解されているところがあります。

大学側もLEDを使うからと言われて半ば納得していたようですが、こういう子供が中に入れて遊べる空間では
展示物個体の後から光を当てるべきだったと思います。こういう言い方は「たら・れば」の評論みたいになってしま
いますが、大変悔やまれるところだと思います。

住宅火災の多くにダウンライトの過熱というのがあります。これは天井の中に照明を埋め込む方式で、周囲の使
用建材は必ず不燃材を用いることとされています。それでも可燃物が接触していたりなどの施工不良や排熱のま
ずさで火災になっているのですから”たかが照明”と侮れません。

電球を発明したエジソンもさぞ残念がっていることでしょう。


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コラム1039 2016年11月07日

電球は熱も出す

 まるでやってはいけないことを大の大人がやってしまったという印象を受けた東京・新宿のイベント会場の展示物
火災。専門家の意見「木屑は可燃物より燃えやすい・・」 こんなことは専門家でなくともわかること。何という愚かさ
か。

燃える前の写真を見たら木屑というより鉋屑(かんなくず)に近いものだ。これがもっと細かい木屑だったら火の手
が上がるのも遅くばっとは広がらない。報道するほうもするほうだ、確かに木屑には違いないが発火条件がまるで
違う。

作品を作ったとされる日本工業大学も物の性質を理解して利便性の工場に貢献する学問の分野でありながら、何
とお粗末な取り扱いだったのか。アートイベントという性質上ましてや子供が遊べるようになっていたのならモノが
何であれそんな単純なことを誰も気がつかなかったのだろうか。

自分でも個人のデスクに白熱電球があり毎日使っているが、100wなどといったら点灯中に触ろうものならヤケドを
する。まして直近に可燃物などがあれば簡単に火災になるから、カーテンなどが触らないように気をつけている。

燃えたということはその距離が数センチあるいは触れていたのかもしれない。仮に20cmも離れていればそう簡単に
着火することはない。なぜならば照射されるだけの熱なら電球自体の熱で上昇気流がおき、そう簡単に着火温度
まで上昇することはないはずだからだ。それはおそらくかんなくずに埋もれるようにセットされていたに違いない。

工業大学の学生がそんなこともわからないのかと首をかしげたくなる。

お亡くなりになった五歳の子のご冥福をお祈りいたします。


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コラム1038 2016年11月04日

そんなに甘くない

 先日、太陽光発電のことを書いたら、あるHPのサイドCMに「設置料無料で太陽光を始めませんか」という文句
の宣伝が出ていました。一体中身はどのようになっていて無料なのか気になってのぞいて見ました。

話しの要約は
太陽光発電は設置しても所有権は設置会社にあること
いままで買っていた電気はその設置会社から買うこと
昼間発電していた電気は消費しても良いけどその設置会社に料金を支払うこと
夜間の電気はその会社を通じて買うこと
契約期間のメンテナンス料は所有会社が負担すること
契約(仮に20年)満了後は無償譲渡される
契約期間中でも残存価格に応じて買い取ることが出来る

などでした。

要するにあなたの屋根を貸して下さい そして電気も一緒に買ってください というものです。
電力自由化というのはこういう芸当も出来るんですね。

ここで個人宅では何を警戒しなければならないか。
何もしなければkwあたり24円で使える電気が31円とか33円とかになる
これを契約20年ならその累積分を差額7〜9円高く買い続けるということになります

そのほかは、契約期間が過ぎれば無償で譲渡・・というところでしょうか。
契約会社からすれば、廃棄しなければならないような設備を個人宅に無償譲渡することでその費用がかからない
という点ではないでしょうか。

屋根の上に間借り人を住まわせてしまったようなもので、何か増築とかリフォームなどが必要となったときは邪魔に
なっても所有権があちらですから勝手にいじるわけには行きません。

それらのわずらわしさがなければ、二十年後からの発電収入は相当落ちても利用できないこともないと思います
が、私は厄介モノになる確率が大きいと思っています。
統計によると20年後というのは発電率が15%落ちるといわれています。

それ以外にも設備は老朽化してメンテナンスが非常にかかると思ったほうが良いでしょう。特にケーブルは契約が
切れたあたりから問題が起こると思います。なにせ、太陽に当たっているんですから。

あとは「やるかやらないか」は個人の選択ですね。私ならやりません。


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コラム1034 2016年11月03日

別の現場でも

 ここのところ、大安日で重なったのか前日書きましたミサワの現場の他にもクレーンが作業している現場があり
ました。見たところすぐアパートだなという造りでした。通常の一般建築ではクレーンが連日来て作業をするという
のは稀ですから現場をチラッと見ただけでわかりました。

ここでも同じように雨の中作業をしていました。工法はパネル式ではありませんが、使われているものは集成材で
あることはすぐわかりました。2日目に通過したときは1F部分が終わり2Fの床になる厚い合板を敷いているところ
でした。

数年前から過剰だと言われながらも建っているのがアパート。需給関係から見たらとっくに供給過剰なのになぜと
思いますが、これも相続対策のひとつで進められているからなのでしょう。例えば、建物は初期投資で1000万円
かかったとしても税務評価はそれ以下になりますし、土地は人の住む建物ならば半分以下になるのは知られてい
ます。

そうすると、建物を借金で建てて相殺し、地価評価をぐっと下げられれば相続額の圧縮になります。世間で行なわ
れているアパート建設はこの理由が最も多いと思います。資産のあるところの人は悩みますね。

ところがこのアパートの建設内容を見て見ると、実に手間を省いた作りになっていて我ながら感心してしまいます。
一般の家での上棟にあたる躯体組上げ作業時にはすでに石膏ボードが搬入されるんです。これは雨の心配が
あるということでしっかりとブルーシートがかけられ濡れないようになっています。

これも今の工法が床を先に作るように段取りされているからできることで、二階の床が出来たら同じように二階分
のボードがクレーンで吊りおろされます。タマちゃんの家でもこの方法がとられているのを見たことがあります。

真冬の雨が少ない時期ならまだしも、前線がウロウロしている時期にこういう作業を堂々とやるのですから驚いて
しまいます。これも「おれがやればもっと効率よく出来る」という知能人がいるからなのでしょう。現場サイドでは、
どう転んでも怖くて出来ないと思うのですが、上からの指示であれば所詮雇われの身、逆らうことも出来ません。

オーナーも目的が相続対策ですし、業者も渡りに船の売上アップに必死と来ていますから意見があってしまうとい
うところだと思います。ここでも一番の被害者は入居者でしょう。バリバリの揮発物発散建物で新しいだけの危険な
部屋で過ごすことになるのですから背筋が寒くなります。

オ−ナーもすべてに良いというわけではなく、一年も経ったら入居者はどんどん引越し、家賃収入で返せるはずの
借入金が持ち出しということになります。そうなると言われていたことのほかにボロボロとデメリットが出てきて、元も
とっていないのに手放すという事態にもなってきます。

30年保証などといってもちゃんとウラがあり、首を絞められるのは同じなのですが果たしてそこまで理解しているか
どうか。結局は建てた業者の勝ちなんですね。


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コラム1033 2016年11月02日

またもびしょ濡れ

 わずか6km弱の通勤路ですが、実にいろいろな建築現場を見ることができます。昨日はその途中にミサワホー
ムの作業を見ることが出来ました。

朝は未明からの雨で強雨とまではいかないまでも結構な雨が降っていました。その中、パネル式のパーツを吊り
上げ1Fの壁が作られていました。作業員は合羽を着て手元に来た部材を一生懸命留めつけています。

10時半ころ銀行にいくのにもう一度通ったら1F壁の半分くらいのところまで作業が進んでいました。雨はやんで
みなさんモクモクと作業をしていましたが、進み具合からいくと夕方までに1F部分を終えるかなという感じです。

今朝は別ルートで来ましたのでその後はわかりませんが、二階建てだとしたら本日も同じように作業をしているも
のと思います。

このようにパネル方式というのは工場で出来るだけ形を作って現場吊り上げで大工工賃を安くあげようとしますが、
何しろパーツを組み立て終わらないうちは屋根の部分にいけないのでその間の雨被害が避けられません。

知ってか知らずか建て主さんらしき人はいませんでしたから、現場が濡れながら作業をしているなどとはわかりま
せんから会社としては好都合なのでしょうけれども、目の前を通る人はこの状況をしっかりみているわけです。

まあ、見ていても何が問題なのかを理解していなければ状況を理解できませんが、私のような人間が見てしまうと
「ああ、この建て主さんも大変なメーカーを選んでしまったな」と思うのです。

どのように建て方をやろうとも当事者の自由ですし、雨にぬらしても特段法律違反になるわけではありませんが、
せっかく工場で効率よくやろうと思って段取りしてきたものを雨でびしょびしょにすることはないと思うのです。
無情にも今夜半からまた弱い雨になるという予報です。最近の天気予報は外れませんからねえ。

そのことよりも、もっと以前に、なぜ安全を求めて建てる家なのに「合板」なのかなと思うし、一生の買物だとか言わ
れている割には、せっかくの上棟なのになぜ立ち会わないのかなと思う次第です。


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コラム1032 2016年11月01日

野ざらしではダメA

 私のような材木屋はどのような条件なら木が長持ちするか(逆に短命か)を時々実験しています。わざと野ざらし
で木の塀とか柵を作ったり、どういう樹種が早く腐るかとかチャンスがあれば実施するようにしています。
しかしながら、その結果は10年単位くらい時間を要するもので試して一ヶ月とかで結果が出ないので歯がゆいと
感じるときもあります。

このコラムでも書きましたが、その結果としては先人たちが言ってきたことその通りに答えは出ています。

法隆寺で有名な西岡棟梁も言っていましたが、「ヒノキは強い」というのは赤身が強いのであって、白身俗にシラタ
丸太の周囲の部分であれば杉と大差なく腐るということを言っています。濡れにくくする、ぬれても早く乾かす、これ
が非常に大事であること、どんな高級材でも条件さえ揃えば腐るということなのです。

木にはもともとのDNA的な特徴があり、腐りやすい腐りにくいの優劣があります。それは木が優秀だとか劣ってい
るだとかではなく、その木にとってはそこの環境にあった種の保存をしてきたということで現在に至っているという
ことなのです。

それらを人間は高級材だとか低級材だとかランク付けしていますが、それはその木たちにとっては何ら責任がある
とかではなく、ただ自分たちの種の永続のために長い間環境になじんできたということであり、人間がとやかく言う
問題ではないのです。

利用させていただく側としては、それが住宅にとって適材かどうか判断し、日本の環境にあった使い方をしなければ
いけないのに、一部の人たちが自分の都合に合わせて勝手に加工し使い方を誤っているというのが現実です。

集成材は小さな木片から大きな部材を作れるという利点はありますが、接着剤でくっつけたものなのに強度が1.5倍
だとか、雨のあたる場所にも平気で使ってしまったり腐り安さなど考慮もしないという使い方です。

土台に目粗米松が使われたり、柱にトウヒ(もみ系)が使われたり、横架材に柔らかい欧州赤松が使われたり、今ま
でそのような使われ方をしなかった材が平気で利便性や価格だけで選択されたり、やることがメチャクチャです。
目粗米松・もみ系の木が悪いわけではありません。使い方を間違っている人間が悪いのです。

このような使い方をしている業者・ビルダーは価格競争に勝つことしか考えていないのでしょうね。
今の住宅事情を西岡棟梁が見たらきっと嘆くでしょう。


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コラム1031 2016年10月31日

野ざらしではダメ

 事務所へ出てくるときにいろいろなルートを通って来るのですが、そのなかに地域ビルダーの展示場があります。
そこは「自然素材をふんだんに使って・・・」うんぬんを「売り」にしているところでもあります。

十年位前にショールーム周辺を飾り付けしたのでしょう。野天に太目の材(柱)を立てて横材には丸太を両サイド
落としたいわゆるタイコ梁とでモニュメントのようなものを作りましたが、木材保存剤のような着色が見られましたが
雨よけの笠木みたいなものは一切ありませんでした。着色前の木材は米松だったと記憶しています。

設置した当初から、「ああ、これはそんなに持たないな」と思ってみていました。最近、ここを通ってみたら案の定で
した。組み手接合部分は早々腐ってしまったのでしょう。その脇に補強材みたいな木材が打ち付けられ脱落するの
を防いでいました。これは1カ所だけではなくあちこちの部分で目立たないように補強処理がされていました。

我々の業界というのは木を扱っている割には木の性質を分かっているとは思えないような扱いをしています。まだ
一般に方が木の塀を無造作に作ってしまったというのとは違い、これを業としているわけですからもう少し木の性質
を知った上で扱ってほしいなと思うのです。

木を露出で使って良いというところは基本的にありません。京都の清水寺でさえ舞を舞ったとされる舞台の下は
木組みが露出していますが、きちんと小屋根がつけられ雨が早くこけるように上部がナナメに加工してあります。
その上、この木はヒノキの赤身だけを使っており、もっとも雨に強い作りにしてあります。

それと比較して、外部に木を使うというのはまったく間違っているとはいえませんが、「持たない」ということを前提に
やるべきで、それでもそれ相応の措置をして使うべきだと思っています。よく「木材保存剤を塗っておくから・・」とか
言われることがありますが、あれだって木組みの奥深い部分まで染み込んでいるわけではありません。

雨水はそんな所にも容赦なく入っていくのですから、腐る条件をそろえてしまっているということになるのです。

大きな木材が露出で組んであって壮観に見えるのは良いですが、はたしてその後の長期間にわたる劣化現象を
きちんと理解してやっているかというと、この状態を見る限り、そうではないと感じるのです。
この状態は一人や二人でどうなるという範囲ではなく、作った逆順序で壊さなくてはならず作業としては大ごとにな
ります。

危険を避けるための処置としてやったならば近日中にまったく新しいものとすべてを交換するか、撤去したままで
何もやらないか、あるいは腐らない措置をきちんとしたものを設置するかしないとまた同じことが起きるのは確実で
す。

これをみた消費者が「ああ、やっぱり木はダメなんだ」と思われても仕方がないような見本でした。


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コラム1030 2016年10月29日

太陽光発電の採算B

 個々の条件により、業務用メガ発電は機器窃盗の恐れもあり保険は欠かせないと思います。個人住宅であれば
屋根の上ですが業務用は地ベたに設置してあるのが多いですから盗難は充分に考えられます。

少し前、九州・四国地区で電気買い上げをストップするという出来事がありました。この傾向は送電キャパが一定
のラインを超えると伝送線を破壊してしまうということが起きるからです。住宅の発電量ではこんな事態は起こらな
いですが、メガとなれば無視できないので買取りストップが出来るとしたのでしょう。

住宅用でもこの制御装置を付けたものは33円として買い取るけれども、付けていない場合は31円と低くなってい
ます。関東地区ではこれはないようなのですが、今よりも火力が能力を高めればそういうことも起きるかもしれま
せん。今後、各地で原発が再稼動し電力供給力が高まってくると、電力会社からすれば太陽光発電は邪魔者扱い
になっていきます。これは間違いないと思います。いままで取り付けてしまった人は既得権でそのままでしょうが、
これからやろうとする人は個人も業務も制御装置をつける方向になっていくと思います。

採算という面から見ると自家消費が主な家庭用は電力会社の供給するものよりも製造コストはあきらかに高いで
すから、「儲かる」という表現は似合わないと思います。それに朝と夕方との発電の少ないときは受電になるので
売りと買いが相殺されてほとんどメリットは出ないと思います。

10kw以上の場合は24円ですから買うよりもはるかに高く売れるという時代は終わったと思います。誰しも金銭感
覚で得かどうか決めると思いますので、今後の需要は伸びないと思います。現にこれらの設置業者の倒産はかなり
多くなってきています。

別に太陽光発電がダメだとか言っているのではなく、採算性を考えたら無理な部分がたくさんあるということで、そ
れ以外の考えで設置するのは個人の自由ですからこの意見の範囲外だと思ってください。

その昔、電力会社の発電コストは6円/kwhと聞きました。震災の原発被害で見直されてきた原価アップを考慮し
ても11円ほどではないかと推測します。国の保護で需要化全員負担ということになりましたが、これがもし拒否され
るようなことになればあきらかに高いコストのものを使うことになるわけです。あくまでも個人の自由判断ですが。


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コラム1029 2016年10月28日

太陽光発電の採算A

 通常の一般住宅(3.5kw)を基準にして現実的な数字を考えてみたいと思います。この3.5kwというのはピークの
発電のことで日照があれば3.5kw出るわけではありません。

まず、機器の致命的なロスとして温度ロスが必ず存在します。日に照らされるわけですからそれなりに温度が高く
なり、そのことで発電能力を下げてしまいます。これが意外と大きな数字で15%くらい減になります。それと年数
劣化で20年後には15%ダウンすることがわかっています。ですから年平均としたら7.5%減算しておかないといけ
ないことになります。さらに汚れ等の日照を遮ってしまうロスが7%くらい考えておかなくてはなりません。

この設備は直流を生み出します。一般家庭の商用電源は交流ですから、これに波形をあわせた交流を作らなくて
はなりません。そのためジェネレーターという変換器を使うことになります。いわゆる太陽光発電の周辺機器です。
これを動かすのも自分のエネルギーを使うので、この自家消費があるため8%ほどさらに減ります。
ざっとあげても4割弱のロスがあるのですから、業者どおりの数字は鵜呑みに出来ないことになります。

肝心の日照についての考えですが、朝日が照り始めてから真上に来るお昼のときまで、また、夕方へ向かって
日照が減っていく、いわゆる実効日照の計算が必要です。快晴だからといって同じ光量が差す訳ではありません。
いわゆる山型のものを平らにしたらいくらになるかを計算しないと近似値が出ません。

その数字はピークの約三分の二くらいになります。これに年間の日射時間をかければパネルの発電量が出ます。
茨城県の年間日射時間は直近のデータでは1858時間です。これも朝の晴れか昼の晴れかは明記してありません
から実効の数字に修正しなければなりません。

ここまで出した数字はNEDO新エネルギー産業技術総合開発機構で出している数字とほぼ一致します。
NEDOの数字は1kwあたり年間発電量は1000kwになると書かれています。これは毎日2.74kwhを発電している
のと同じことになります。これはあくまで最良の条件の下の発電の数字であり、ここから設置角度のロス、交流変換
へのロス部分を除外していかねばなりません。

そのほかにも機器が壊れたときの修繕費まで考慮しなければ実際の「実入りの数字」にはなりません。


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コラム1028 2016年10月27日

太陽光発電の採算

 東日本大震災後、急速に太陽光発電が作られて来ました。ひとつは国の後押しもあり初期の買取設定が42円と
破格の値段を出したことでした。当時の業務用電力料金は、私らみたいに変圧器を持っているところだとkwあたり
11円くらいでしたから、いかにこの価格がかけ離れていたかわかります。

当時の買取価格を見て「これは長くは続かないな」と思っていましたが案の定でした。いまは10kw以上の売電価格
はkwhあたり24円+税となっています。
それでも大手のHメーカーは10kw以上の設置を勧めて販売攻勢をかけています。

一般家庭では10kwも載せられる屋根面積など極少数の人しかいません。ひとつのパネルが250Wくらいですから
40枚も載せないとこの数字にはなりません。とてもとても現実からかけ離れています。

通常、一般住宅の作りというのは延べ床面積が40坪としてもワンフロア面積は20坪弱です。
ということは、屋根面積は2割り増しで考えても25坪ですから切り妻屋根だったらその半分(12坪)が可能ですが、
設置限度はこの範囲内になりメンテナンスのことも考えれば7〜6掛けということになります。

250W出力のワンパネル面積は約ベニヤ板一枚に相当します。これを14枚セットしたとして3.5KWですから、納得の
いく数字になると思います。また、これらの重量はKWあたり60Kgとすると200Kgになります。大した負担にはなら
ないと言われますが、重くなるのは間違いありません。

このことから考えても通常の家では10KW設置というのは標準よりもひとまわり大きく、しかも片屋根の家でないと
達成出来ないということになります。

余談ですが、一般家庭では10K未満で余剰買取が原則ですから、まずは自家消費して余った分だけ売りなさいと
いうことになって、そのうまみはほとんどなくなっています。


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コラム1027 2016年10月26日

視聴率の不思議

 ネットに掲載される○○番組の瞬間視聴率とかの数字はどうやって測るのだろうかという疑問がずっとありまし
た。民放ならその数字が高い低いでCMの効果にも影響するのだから納得もできるのですが、いまいちその
方法はというと詳しく調べたこともないので不思議だなと思っていました。

統計というのは2000以上を超えればほぼ全体の数字が大した誤差もなく当てはまると聞きます。たぶん、無作為に
こういった数字を調べるにあたり協力してくれる家庭を抽出して、何かの機器を貸し出し個々のテレビに連動させ、
その選んだチャンネルの種類を収集して視聴率換算で数字を発表するのでしょう。けれども、それが正確な数字を
繁栄しているかどうか信じるか信じないかは、私は後者のほうですね。

都会と地方では趣も違うでしょうし、すべてが同じ放送をしているわけではないと思います。そんな中、一応の目安
として知りたいと思っているのはCMを出す側の人たちであって見る側の我々には見るか見ないかだけでその数字
が関係してくるのはゼロなわけですから気にとめることもないと思います。

ただ、日本人の悪いクセで、「あれはいいらしいよ」とか「流行っているらしいよ」とかの迎合思考には向いていると
言えるでしょうからまんざらでもないところがあると思います。

私は・・というと、ほとんどテレビは見ないし、見たい番組があれば予約をとってあとから見るほうなのでまったくその
数字には貢献していませんが、その録画した番組さえも見ることができずどんどん溜まっていっています。今の録画
装置は昔とは比べ物にならないくらいのビッグなボリュームが溜められます。しかしながら現実は厳しいです。

家人はそれさえも「見ないんだから消せば」というのです。それはなぜかというと、孫の番組を優先して何かあったら
録画を見せて黙らせようという魂胆があるからです。そのためにも我が録画スペースを削ろうという作戦らしいので
す。

徐々に孫の好きなどらえもんとクレヨンしんちゃんが増え、私の好きな笑点が狭められていっています。


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コラム1026 2016年10月25日

20年以上前の花壇の柵

 先日の階段製作の後、みすぼらしくなってきた花壇の柵を撤去しました。道路沿い3mほどの直線距離に杭を3本
打ち込み、そこへ横桟をつけてその上に短冊形の板を打ち付けたものです。当時、使ったのはすべて米ヒバ。
杭はさすがに地中に打ち込まれていたので三分の一くらいはやせ細りましたが少しふらつきながらもしっかりとして
いました。

地表に晒されていた部分は古ぼけていましたが、丸ノコで切断してみると全然腐っておらず、ぷ〜んと米ヒバの香り
が漂います。家を建ててから30年ほど経っていてその数年後に設置したのは覚えているのですが正確な年数は
忘れました。しかし、間違いなく20年以上は経っていて日々の風雨に晒されていたのは確かです。それでもこの香り
ですからあらためてヒバ系の赤身は強いなと感じた次第です。

当時はインパクトドライバなどというものはまだなかったころで、打ち付けていたのは釘でした。その釘はしっかりとサビ
がまわっていましたが木の中に埋もれていた部分はもう一度使えそうな軽度なものでした。これもヒバの抗菌力の
お蔭ではないかと思います。

以前、玄関前のアプローチに敷いていた枕木状のヒバ角も、長年地面についていたのに大したシロアリ被害もなく、
撤去したとき切断してみたら同じようにぷ〜んとヒバの香りがしました。これが他の樹種だったら形がなくなっていた
と思います。

もともと木材は枕木のように使うのは特殊で、あれも下は土ではなくて砕石ですから腐る条件がまったく違います。
それと比較すると格段の差があるわけですが、この木の抗菌力は大したものだと思います。

今の住宅は内装に石膏ボードを張ってクロスにしてしまいますが、せめてこういうものを使ってくれたら調湿作用と
抗菌力で人間の環境にも貢献してくれると思うのですが、現実は外部に木を使って「ふんだんに木を使いました」と
まったく逆になっていますね。


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コラム1025 2016年10月24日

久々の工作A

 寸法を揃えなければいけないところを線の内側と外側にカットしてしまったら、合計刃物厚み2枚分の誤差になっ
てしまうわけです。それを気付かず持ち帰ってしまったために組み立てる段になってから「あれっ」ということになり
ました。

たった2段の構造物でも一軒の家の階段を作るのと同じ要領が必要なわけですが、数えただけで側板の墨付けの
間違い、段板のカット間違い、上段の切り込み厚み間違え、見返りの寸法間違え。そのほかに段板を組むときに
コの字に切込みを入れて側板に主要な力が伝達できるようにするのですが、その作業にはプロならルーターという
機械を使いますが、そんなものは持っていないので丸ノコでたくさん切り込みだけ入れてあとはノミで削り取る作戦
でした。

そのノミの巾サイズが大きすぎて平らに削れないミス。巾の広いノミを斜めに使い、何とかごまかせるほどの平らな
状態に出来ました。しかし、次にもまたミス、インパクトドライバーを忘れて手動のドリルで穴をあけることに、これがまた
長年使わなかったのでスムーズに回転しない。556があったので吹き付けて数分、何とか動くようになった。

何とか穴はあけたものの今度は適寸のビスがない。ああ、俺って使えない・・・。
以前に物置を建てたときに周囲に落ちていたビスが何本か捨てないでとってあったのでそれを使うことに。

さて、側板と段板の組み付けですが、一人作業の悲しさ、ちょっと持っていてもらえる人がいない。

インパクトドライバーがないので、これまた奥から引っ張り出してきた昔の順回転だけの電動ドライバーを使うことに。
しかしこれがまた力が弱いときている。何とか予備穴をあけておいたのでビスを一回転くらいねじ込んでおいて、
側板を脇の下で支え、段板を手で押さえ、一気にねじ込みました。一発目は何とか成功!、同じ要領で締め付けて
いくと「あれっ、8個目の穴がない!」ああ、俺って使えない・・・。

もう一度、手回しのドリルで穴をあけ、最後のビスを締め、継ぎ接ぎだらけの作業は何とか終わりました。

さて、最後はウッドデッキに取付けですが、ここでも小さなミスが・・・、上段の切り込み、つまりウッドデッキのくわえ込み
部分の切り欠きがちょっと小さい。ここでもノコの入れ方を間違った様子。物置から切れないマルノコを出してきて
わずかに刃一枚部分を削る。最後にストントおさまるはずが今度はその深さを違えてた。ウッドデッキの見返し部分に
当たってしまい、くわえがあと1cmくらい入らない。

「もういいか、少し空いていたくらいのほうが雨が当たっても早く乾くからなあ・・・」と自分勝手な納得の仕方をして
試合終了。本日の所要時間、段取りから完成まで四時間半。

家人からは「ご苦労様でした、でも、ここは少し空いているね」とさっそくのミスを見つけられたじたじ。
住宅はクレーム産業といわれるけれどその通りだわいと・・・。


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コラム1024 2016年10月23日

久々の工作

 我が家のウッドデッキは基礎の背丈が高かったので地面へおりるのに小さな階段が必要でした。もともと東側に
一つは設置していたのですが、孫たちがやってきてからは洗濯物の量が一気に3倍になったために干す場所も
比例して必要になりました。

今までは、臨時に
ブロック二個の上に丈夫な角材(700×150×90と500長のもの二段使い)を横にして階段の変わりにしていました。
しかし、高齢になってくると足元がぶれたりして踏み外す危険が増してきたので、東側のようなきちんとした階段を
作って欲しいと家人から言われていました。

それはちょうどキッチンをリフォームする数年前に自作したもので、工場にあった半端材で間に合わせたのですが、
形は45度傾斜の二段作りで全体高さが64cmでしたので、これと同じように2段(上りきり3段)で作ることにしました。

地面にはブロックを敷きますので、この上場からは15cm上がりの一段目として計算し、二段目は21cmアップの高
さとしました。3段目はウッドデッキの上がり面ですので21cmアップしただけの切り込みだけです。

一段の上がりを7寸(21cm)としたのは45度傾斜だと三角関数1・1・√2 が使えるので斜面の間隔がちょうど
30cmになりとても線を引きやすくなります。階段の側板ですから左右一対の同じものでなければなりませんから
その辺は注意しながらやったつもりなのですが線を引き終わってちょっと離れたところから見てみたら何か変・・。

どこかで基準線を間違えたみたいで一枚だけ最初からもう一度やり直しになってしまいました。定年過ぎると使えな
いって言われますが、まさにその通りでした。

何とか間違いを修正し今度は左右対称になりましたので、あとは段板だけの製作でしたが、巾の狭い端材を使って
2枚あわせにして一つの段としようとしてここでも小さなミスをしてしまいました。鉛筆で印しをしたところのどこを切る
かで刃物の厚み分の誤差が出てしまいます。

2段ですから計4枚のものを必要とするのですが最低でも2枚づつは必ず合っていなければいけないのに1枚だけ
その位置を間違えたようです。あとは段だけだから簡単だとバカにしていたのがいけませんでした。


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コラム1023 2016年10月22日

住宅の商品化B

 住宅にはいろいろな工法・素材の使われ方がありますが、それらを見極められる人はほとんどいません。つまり、
質をきちんと見分けられるにはすべてのことについて深い見識と経験が必要なのですが、そういう人は徐々に高齢
化し少数になりそのうえあまり声を出すということをしないのです。

人間誰しも最初からそれがわかるわけではなく、先人たちがやってきたことを継承しながら部分的に改良を加えて
いって次の世代にも通用するような建物にしてきたわけです。しかし、今の家を見ていると「次の世代にも・・」という
ことより、今いかに目の前の勝負に勝つかという意識しかないような作られ方をしています。

たしかに作るコストを重要視することは大事なことです。しかし、そのことによって質が下がってしまうことになるなら
「より良い家造り」に貢献しているとは言えません。しかし、商業社会に生きている限り「勝ってなんぼ」の環境から
逃れられません。それは予算に余裕のある顧客に対しても、ローコスト希望の人にも中身がちょっと違うだけで、や
られていることは殆ど変わりません。

そもそも住宅を商品と呼ぶこと自体が異常です。しかし、大手中小を問わずほとんどの業界人が「商品」と呼んでい
ます。私はそこに問題点があると考えています。

商品はマニュアルどおりにやれば誰でも同じに扱えて売れますが、売っているほうも買っているほうも中身を理解し
て取引しているかというと住宅に関してだけは当てはまっていません。

商品はバラつきがあってはいけませんから当然のように目利きの必要な自然物は排除され、工場で作られた工業
製品が重宝がられます。タマちゃんが作る大安心の家はどこの現場の建物もまったく優劣なく同等でなければいけ
ません。これらの質がバラバラだと建て主は大安心の家を買ったことにはならないのです。

このためにはすべてにわたってぶれない資材・均一な部材でなければいけません。もちろん国が決めた耐震基準
にも数字で即座に答えられるような内容になっていなければなりません。そうなると個性のある住宅等と言うものは
吹き飛んでしまい、パッケージ化されたパソコンを買うのと変わりなくなってしまいます。

国が決めた耐震基準、国が決めた空気環境、防火基準・・・、すべて国が介入して決めてきた数字を数字で答えら
れない建物は通用しなくなってきているのが今の住宅です。

その住宅の質が良いのなら何も問題はないのですが、そうではないのです。


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コラム1022 2016年10月21日

住宅の商品化A

 この住宅業界にはいろいろな異業種からの参入があります。もともとの大工・工務店から成長を遂げてきた人達
は極少数でほとんどいません。最近ではヤマダデンキがエスバイエルを抱え込んでこの業界で一旗あげようとして
います。ちょっと前ではMUJI良品計画が同じようにこの部門に入ってきました。

業界に関係した異業種からもあり、ダイワハウスなどは私らが高校生のころは工事現場の事務所などに使われる
仮設事務所などをリースしていた会社でした。今ではセキスイを抜いて売上はトップになったといっています。これも
私らから見れば仮設事務所のグレードが上がったような家にしか見えません。

この会社は時代を読むのがうまいというのか、JAなどと組んで高齢化した農家の土地を住宅地として整備し、小規
模開発方式で建売り分譲をさかんにやっています。一方でJAもシロアリ業者と組んで害虫駆除と称して住宅分野
に参入していますからタダ者ではありません。

世界のトヨタと言われる車会社もずっとずっと前からトヨタホームという会社を持っていて、車を売っている営業マン
を住宅部門に配置換えしたり、あるいは取引関係いわゆる系列といわれる先には家を建てるときにはこちらで建て
るようにと無言の圧力がかかるような誘導があるのだと聞きました。

それを言ったら、日立製作所だってグループの日立ライフを通じて社員・取引業者に半ば強制的に家を売るし、車
は日産車でないと工場に入れないようにしていたのですから50歩100歩ですが。

なぜこのように本来の「本業」ではない業種から参入が続くのか、それは金額の魅力だと思います。そして、それを
可能にしたのは資材の工業化と建築基準法、それに国交省大臣が行なう工法・資材の認定・認可制度だと思いま
す。認められた資材・工法で建てるならどんな人・会社でも箱ができるという仕組みになっていったことです。

それが住宅を「商品化」させていったもとになったと思っています。


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コラム1021 2016年10月20日

住宅の商品化

 一昔前の住宅事情は需要が供給を大きく上回り、山・製材業者を含めて挽けば売れるという時代が続きました。
しかし、高度成長というものは永久には続かないもので今のような落ち着いた経済状況に必ずなります。

人間の一生の間には必要なものが必ず存在し、その消費量がある一定量あり間違いなく経済を動かす物量となり
それが世の中を動かすという構造が存在します。それがある時期に集中したり疎になったりして景気・不景気を作り
出していると思っています。しかし、組織という企業人は前年比いくらの伸びがあるかで評価されるため、その景気
不景気に関係なく業績を伸ばしていかなくてはならないノルマみたいなものを背負っているため、ある種のネズミ講
に似た数字の追求をしていかざるを得なくなります。

ここに「住宅」というものが入り込んでくると経済社会の中での「数ある中の一つの取引」となり、他のものと同じよう
な取り扱われ方をし出します。これが今の「質の低下を招いている」住宅産業の実体だと思うのです。私はこれに何
かずっと違和感を持ち続けていました。

「何が質の低下か、向上しているじゃないか」と言われそうですが、私がこの世界に入って内側から見てきたその
中身の評価は完全な質の低下だと思っています。何が質の低下かという中身ですが、それは行政が誘導している
ところの建築基準法であり確認申請であります。かといって、この二つが全部間違っているとは思っていません。

問題はその主旨と細かい取り決め、特にほとんどのものを数字で評価し良し悪しを判断してしまうところです。
その上にいくつもの省庁の判断が入ってくることです。まあ、こういう国のタテ割り行政の仕組みが悪弊を生んでい
ると思うのですが、我々が何を言ってもこの構造は改善されることはないと思います。

数多くある問題の一つに「耐震」というものがあります。これは地震に対していかに耐えられるように作るかという
ことで、行政はこれを硬くすればするほど丈夫だと考えています。その証拠に壁強度3とか5とか数字の大きいな
モノほど高い評価を与えています。しかし、硬いイコール丈夫ではないはずです。

これらの数字は試作した壁パーツなどの実物実験で計測したものですからその数字として正しいとか間違っている
とか言うつもりはありません。それはそれとして妥当な数字が出ているものと思います。ただ、地震は人間が想定し
たような揺ればかりではなく、ありとあらゆる角度から揺れるものです。

ベクトルの講義をするつもりはありませんが、そういった複雑な動きのほかに瞬間的移動(ガル)の数字が加わる
のですから、破壊力のメカニズムは試験結果だけで判断できるような簡単なものではないはずです。この瞬間移
動の力こそ硬いものに対して破壊力がストレートにいくのではないかと考えています。

家を硬く作るのは簡単で合板や面材を沢山使えば良いのですが、所詮、それを止めつけるのは釘・ビスです。例え
面材・合板が丈夫で耐えられたとしても最終的に踏ん張るのは釘・ビスです。すべての面で窓もなく均一なら平均
的にエネルギーは分散できるでしょうが、家には必ず開口部があります。風通しをよくしようと開口部を大きくとって
いればいるほど、その開口部の角に揺れのエネルギーが集中してくることになります。

丈夫そうに見えて弱かったのは2011年の地震のときにもその例は沢山見ることが出来ました。今まで硬くて丈夫だ
といわれてきた鉄筋コンクリートの建物が壊れたことです。笠間市役所・高萩市役所の建物が使えなくなるほど被
害を受けました。これは硬くて融通性の利かないものだから慣性の法則についていけなかったという物理のような
勉強問題でした。基準法がどうのとかの問題ではなく結果として腰砕けしたことは事実です。

木造が鉄筋コンクリートと違う特質を持っているのは軽量であることと柔らかさです。これらをうまく使いこなすので
はなく逆に殺してしまっているのが今の住宅だと思います。(つまり、それを推奨しているかのような基準法です)


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コラム1020 2016年10月19日

風邪と病院

 人それぞれの意見というものは何かしらの根拠を以って主張するのでしょうけれど、ときには納得できないことも
あり、言い争いにもなります。今度の長男孫の風邪もそうでした。

ちょうど、先週の金曜日が学校の遠足で、帰ってきたら何か風邪っぽいのです。それでも本人は元気がまだあり、
下の弟達と遊んでいました。その夜から少し咳が出始まって翌日の土曜日はインフルエンザの予防接種の日と重な
っていました。

予防接種は事前申し込みなのでその日に出来ないとまた申し込みしなおして日にちがずれます。ちょっと厄介だな
と思いながら申し込んでおいた行きつけの医院で見てもらいました。胸に聴診器を当ててのどをみせて大丈夫です
ねということで注射を打ってもらいました。そのときに風邪っぽいんですが診てお薬をもらえないでしょうかと言った
のですが、まだ大丈夫みたいだから症状がひどくなったらいらっしゃいと言われ、ああそうですかと帰ってきました。

さて、家に戻ったら、何で風邪の薬をもらってこなかったの?と問い詰められました。やっぱりか・・と思いましたが
先生がひどくなったらまた来なさいと言ったのでそのまま帰ってきたんだけどと言っても、「ひどくなったら困るから
言っているんでしょ」と一撃。つい、「じゃあ、あなたは医者以上なのか」と言いたくなりましたがぐっとこらえて・・・

こういう時ってあちらの言うことが正しくなってしまうんですね。その晩熱が出だして一層咳がひどくなってきました。
日曜日は一日寝ていました。熱も38度ちょっと。こうなると何も言えません。「明日、朝の内に病院へ連れて行って
ね」と言われ、「風邪なんだから寝てれば治るし逆にわざわざ病院へ行かないほうがいいと思うけど」と言ったら、
「私の言うとおりになったでしょ」「これ以上ひどくなったら困るから言っているのよ」ときついお言葉。

その後は火に油を注ぐことになるので何も言わないことにし、月曜日の朝、孫をもう一度そこの医院に連れて行き
ました。「あらあ、ひどくなっちゃったの」と看護師さん。専門やさんだからそうかなと思ったのにちょっと軽い言葉だな
と思いながらも診察と薬をもらって帰ってきたという物語になりました。

ああ〜あぁ、俺は単なるパシリか。


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コラム1019 2016年10月18日

雨の中・・A

 本音と建前というのは政治の世界だけではないようで、この住宅業界も同じだと見ています。ま、字が建前だけに
もともと関係があったのかもしれませんが。(本来の建前と言われているものは建舞たてまいといい、その昔建った
お祝いとして舞を舞ったところからきていると聞きました)

それはそれとして、
いまの時代も昔の建物も木材は雨に濡らさないというのは基本ですが、仮に昔の建物は雨にあたったといっても
今のように濡れてはまずいいろいろな資材は使われていませんでしたし、一番先に屋根を作っていたので無防備
状態ではなかったのです。これが今の住宅と昔のものの違いです。

人間が逆らえないものは自然の力です。統計から言っても4日に一度雨が降るこの国で、そう人間様の都合に合
わせてくれるはずのないのが天気です。だとすれば、その変えられないお天気に差し支えない方法で立てる様に
するのが人間の知恵というものですが、そこにはほとんど考えが行っていません。

いくら大安でも雨の降る・降った日は良い日とは言いません。ですから、前以って長期予報を注視しほぼ大丈夫だ
ろうなという日を上棟日にするとか、融通を利かして早めに屋根まで作ってしまい儀式だけ該当日にするとか、ある
いは、上棟そのものを翌日に延期するとか出来るようにしておくことです。

これが出来るのは地元の大工・工務店です。建物のことを大事に考えるならこの方法が一番良いことです。

でも、大きくなればなるほど仕事も詰まっており一つずらすと後が全部ずれてしまい、大きな不都合と損が出ます。
それを防ぐのには予定を立てたとおりにやってしまうことです。運んでいる人、現場に待機している人、すべて手配
した通りで動けば予定通りの数字が見込めます。こうして、実際は現場が進められていくのですが建て主さんには
不利な情報は一切出さない・出していないというのが現実です。

この現場のように、当日仕事を休んでまでは来ないというのが実情ですから、ビルダー側もあまり気にすることなく
仕事が進められるのです。その現場での「現実」はどうやっても変わることはなくびしょ濡れ状態で進行していき
ます。たとえ、建て主さんがその状態を見ていたとしても、「今日はやめて延期して欲しい」と頼んでもいろいろ理由
をつけられ変更されることはないでしょう。

何十万円も余計な費用がかかる・耐水性能の良いものだから大丈夫などと言われたら大概の建て主さんは反論
できないでしょう。かくして、しみこんだ雨はそのままの状態で次の作業へと入っていくのでした。

気密性の良い住宅としては長い間にこれがボディーブローのように効いてくるのですが、これを知る人(現場サイド)
は何も意見を言うことは出来ないようになっていますから、建て主が異常事態を知ることは出来ません。

住宅をビジネス商品だと考えるようになったら終わりです。
大手ほど「商品」と言っていますけど・・・


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コラム1018 2016年10月17日

雨の中・・

 昨日は秋晴れで久しぶりに北側の植栽を手入れしました。枝葉を落としてだいぶ明るくなりましたが、これから先
何年くらいこの作業が出来るかなどと考えるとちょっと不安でもあります。軒の高さくらいまで止めておいた幹もいつ
の間にか脇芽を出して太くなっていました。

手ノコで入り組んだ所を切り飛ばしスカスカになる手前でやめてだいぶ風通しも良くなったのですが、運動不足の
筋肉が夕方からやりすぎの信号を出しています。本格的な筋肉痛は明日からでしょうか。

さて、今朝は金曜日の夜から風邪を引いていた長男孫を医者に連れて行きました。家を出て信号を曲がって少し
進んだ所に今朝から建て始まったような建築現場があり、横目で通り過ぎました。秋の天気は変わりやすく、今日
は早朝から雨模様です。

ここの現場は約一ヶ月ほど前から基礎が出来ており、なかなか建て屋の工事をやらないので気になっておりました。
それがやっと始まったと思ったらこの雨。通常の上棟なら土日とかにやるのにおかしいなと思っていたら、なるほど
工場で作ってくるパネル式の住宅でした。

現場には4tクレーンが路地をふさぐ格好でアウトリガーで踏ん張り腕を高く延ばして壁を吊り上げていました。控え
のトラックはその脇のコミュニティーセンターの駐車場を借りたのかそこに3台ほど吊り上げ待ちをしていました。
もちろんここまでくるとシートをめくって待機ですのでパーツの壁は雨に濡れ続けています。

白い木材にパネルが張られた壁がワンパーツごとに吊り上げられていくのですが、はたして通算何時間ぐらいこの
雨に当てられているのでしょうか。おそらく今日の作業が終わるまで雨よけシートは掛けることが出来ないでしょう。

工場で「乾燥品」で組み立てられた壁パーツはものの見事に現場でびしょ濡れ状態。これを建て主さんは知ってい
るのでしょうか。おりしも今日は月曜日、通常のお勤めの方なら出勤日でしょうからこの状態を確認することは出来
ないでしょう。

この工事受注の案内板を見てみると、水戸市内のかなり棟数をやっている中堅ビルダーです。こういう会社は数を
こなすがゆえに現場の管理監督が難しくなって、工場生産比率の高い管理のしやすい住宅を扱うようになります。
その結果、現場の都合よりも会社の都合が優先するようになって、パーツの発注・搬入・組み立てと予定を組んだ
とおりに工事が進められていくようになります。

その結果がこれです。


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コラム1017 2016年10月15日

35年で劣化

 一昨日の東京大停電は地下ケーブルの劣化が原因らしいと言われています。35万世帯というと当市の約5〜7倍
の世帯にあたるものと思われますが、近年滅多に起きないと言われる停電もないということではなく、起こってしまう
と大変な被害が出てしまいます。今回はまだ暗くならないうちでしたからそれでも違ったでしょうが、夜だったらもっと
大変だったろうなと想像できます。

一般的な送電線は住宅付近では6600Vで送られてきていて所々で変圧器で200・100Vに落とされて供給されてい
ます。一般の家庭ではすでに100Vになったものを受けていますが、我々のような大きな動力を持った工場では自前
の変圧器を設備して直接6600Vが敷地まで入ってきています。

最近ではNC旋盤とか精密な作業をする機械(パソコンもそのひとつ)が増えてきて、何か事故などを起こして停電
にしてしまうと近所にも大迷惑をかけてしまいます。ということで毎月、電気保安協会の方に管理を依頼して漏電や
劣化の確認をしてもらっています。もちろんこれらは有料で年間20万円弱の費用がかかります。

客観的に見て、どこまでが電力会社の責任でどこからが我々の持分かというと、道路から引き込まれてきている
電線はあちら、敷地内に立っている受けの電柱から内側はこちらの責任ということになっています。近年、この内側
の部分の責任が厳しく問われるようになってきていて、その境目部分にいざと言うときに切断できる「パス」という
装置を付けさせられました。もちろん、100%自費です。

この取付費用についても、当初、電力会社の責任で付けるべきだといってきましたが、多勢に無勢、結局はこちらで
取り付ける羽目に。(今でも納得してませんが) その上に、電柱から内側の引き込みケーブルも25年ほどで新しい
ものに取り替えるという決まりになっています。これらを含めて幸いにして自分の所から事故を起こしたことはなく世
間様にも迷惑をかけたことはありませんが、その対価は安いものではありません。

そこまでやっておいて事故をなくすという電力会社の信念はりっぱですが、いざ自分のこととなるとこのザマですから
あいた口がふさがりません。ケーブルを35年も取り替えず、しかも目視で検査していたなんてどこの国のことなので
しょう。目視で絶縁状況がわかるなら私らだって出来ます。こんなこと、やっていないと同じことです。答弁も考えて
言えと言いたいですね。


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コラム1016 2016年10月14日

信用されてない

 我が零細会社でも、世間様と同様、毎月一回仕入れたものに対して対価を支払う「支払日」があります。
その支払い先に、ホールディングと名のつく建材問屋がありますが、ここの集金担当(一応営業担当なのですが
営業に来たことは一度もないので・・)は当日の朝、必ず「「本日のお支払いは現金でしょうか、小切手でしょうか」
と電話してきます。

我々の世界では(他でもそうでしょうが)小切手というのは現金扱いで経理の仕訳項目にも小切手というのは存在
しません。それでもこの担当は聞いてきます。その領収書を見れば金額がチェックライターできちんと打たれ、備考
欄にも現金・小切手・約手・相殺・・とタイプで記入されるようになっています。

そのうえに、こちらの印をくださいというのです。確かに支払い者側も間違いなく支払いましたとの証明にするらしく
チェックライターで打たれた金額の控え書類下にきちんと社判ゴム印と支払い者印を押すようになっており、相違な
く集金しましたという、それは何か悪いことをしているかしていないか判断する踏み絵みたいな書類です。

以前、小切手支払いのところを小額だったので現金にしたら、領収書の内容が違ってしまうので作り直してきます
と言われました。私のほうでは金額が違うわけではなく備考金種の違いだけなのでその領収書で構わないと言った
のですが、経理が受けてくれないので作り直してきますと言うのです。

そこまで信用されていないのって思いましたが、大きな会社になるとそれが普通なんですねえ。
そこはサラリーマンの宿命、会社で決められたことはきちんと守らなければお給料がもらえない・・・。
行って帰って書類を作り直して時間を無駄にして、小額の集金なのに大変だなあと。

言い換えれば何も信用されていないってことですね。前述の三井住友とは大きな違いですわ。


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コラム1015 2016年10月13日

11億ってどのくらい

 副支店長というと支店長の次に偉い役職なのかなと思っていたらそうでもないらしく、一般の我々にはあまり
理解できない職務階級になっているようです。まあそれはどうでも・・、三井住友・大森支店の方が外貨取引の
オンラインシステムというのを使って過去9年間に11億円という巨額のネコババをしていたと報じられました。

事件が明るみに出たので「元」という文字がついていましたが、りっぱなのは取られた銀行のほうだと思います。
2007年からと出ていましたが、この間、何にも見抜けなかったということでまんまと11億円を抜かれていたわけ
です。農協のお姉さんが一人でまかされて・・・というのとは組織レベルが違いすぎるくらいなのに何というお粗
末さなのでしょうか。

オンラインと言うからには電子機器上の取引でしょうから各支点の現金残高の確認よりも簡単なはずです。
悪いことをするはずがないと思っていた人間がやってしまったのでわからなかったということなのでしょうが、
それにしても金額が大きすぎますね。

大金の陰に女有りと言いますが、この場合にも女性関係に1億ほど使っていたといいますから、男というものは
予期しないお金を持つとろくなことを考えない種でもあるようです。

悲惨なのはこの方の身元保証をされている方(たぶん親族)だと思いますが、とても11億の保証は出来ないで
しょうから身包み剥がされて世間に放り出されてしまうことでしょう。何とも耐え難いことです。

女有り・・につぎ込んだのはほとんどマンション購入だそうですから、そのマンションも取り上げられるでしょうし
その女性も住む所を探すハメになるのでしょうが、まだ親族の方よりは恵まれていると思います。

1千万円は百万の束が10個、それのさらに10倍が億、さらに10倍が10億円。
ああっ、やっぱりわからない・・・

銀行というだけあって、こういうことの対処にも「引当金」の処理をするのでしょうか。


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コラム1014 2016年10月12日

地盤調査

 前回のひたちなか市 I さん宅からすこし間が空きましたが、今回新しく水戸市上河内(かみがち)というところに
療術院の建物をやらせていただくことになりました。
勉強会当日9日の午後に地鎮祭を済ませ、昨日11日に地盤調査を行いました。私もその現場に立会って来ました。

方式はスウェーデンサンデング式といって、やり投げのやじりに似たネジリのある(ちょうどソフトクリームの先)の
ような金属をネジ式の鉄棒を連結させて100kgの圧力をかけ回転させながら土中に進入させていきます。
(参考写真は各現場案内にも載っています)

場所としては那珂川の本流から150mほど離れたところで、県道からはおおよそ2mくらい高くなっている土地です。
水戸の高台と那珂市の台地の間には約1kmくらいの低地が広がっており、いまはきちんとした堤防が設置されて
おりますが、堤防もなかったその昔はこのどこかに本流の流れがあり変化し続けてきたものと推測されます。

地盤の中身としてはN値が3以上あれば地対力があると判断できますが、河川に近いのでどのくらいのものなのか
非常に興味がありました。見た限りでは100kgのおもりで回転しながら進入するという状況が見られたので、極端に
地質が悪いというというほどではなさそうです。

3.7m過ぎくらいに少し柔らかい層があるようですが100kgで自沈ですからそれほど心配することはないようです。
ただ、硬い支持層がとても深く二ヶ所は8.6m、あとのところは15mまでヤジリを進入させましたが手ごたえは得られ
ませんでした。予想したとおり、その昔の河川の流れによる削られ方とか、流れによる堆積物の影響があったものと
思われます。

建物を建てた場合、地下2mから3mくらいのところが一番建物への影響が出ます。この土地はその部分はN値が
しっかり出ていますのであまり問題はないのではないかと思っています。以上、目視の感じでお話ししましたが、詳し
いことは分析結果を見てからの判断になります。

※自沈の意味・・回転しないで進入してしまうものをいう。
  100kg荷重の場合と、75kg、50kg、25kgと判断が分かれる。

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コラム1013 2016年10月11日

今月の勉強会

 なかなか安定しないお天気の毎日でしたが、やっと秋らしくなってきてこの三連休には各地で市民運動会やら
稲刈りやらが行なわれていました。それでも、最近の気候はお彼岸くらいまでには何となく入れ替わっていたもの
が、数日から10日くらいずれ込んできたような気がします。

さて、今月も予定通り一昨日に家造り勉強会を開催いたしました。参加は9名、今回は「業者の声」と題して左官屋
さんが出席してくれました。お蔭様で活発な質問等も出て盛況な勉強会でした。遠路より参加された皆さんもおり、
大変お疲れ様でした。

来月はまたスタートに戻って「設計の話し」をお送りしたいと思います。お時間の許す方はご参加下さい。


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コラム1012 2016年10月07日

火災警報器A

 統計数字というのは実に惑わされるところがあります。例えば、交通事故、警察では昨年と比較して死亡した人が
少なくなったとか言いますが、それが亡くなった方の何に貢献するんでしょう。遺族の悲しみは去年亡くなった方も
今年の方でも同じなのに、警察の力で少なくした・出来たみたいに聞こえるのは何かおかしいと感じます。

いつでも安全運転をしなければいけないのに「秋の何とか週間」とか「○○警報」とか、何か変ですよね。

話しを元に戻して
住宅での火災を防ぐということは意味が二つあるように思います。行政は不燃という考えが、「建物が燃えないこと」
民間の我々は命が助かることと考えます。

ところが現実は家は焼け落ちないが人は亡くなっている・・という点です。昔の話しを持ち出すと笑われそうですが
昔の家の火事というのは真っ黒な煙が上がるというよりは白っぽい色の煙が多かったです。これは使われている
ものが違っていたからで、逃げ遅れた場合は別ですが、比較的初期の段階で有毒ガスを吸うことなく逃げられた
からと考えられます。

昔の逃げ遅れで亡くなった方はノドが火傷(やけただれ)してますが、今の亡くなり方は真っ黒なススがついている
という違いがあります。これは使われている建材の違いで、今のものはそれだけ石油系の樹脂で出来たものを使っ
ているから真っ黒な煙で一撃でぶっ倒れる・・ということになるのだと思います。

実際にあった話し、私が高校一年のとき、部落内で住宅火災がありました。私は授業を終えて通学していた勝田駅
を出ると、自宅方向に煙が上がっていました。方向がピッタリに見えたのでもしかしたらと自転車で急ぎ飛ばして帰
ってきました。実際は自宅1kmほど手前の部落民家が火事だったのですが、途中に見えた煙はほとんどシロだった
のを覚えています。

当時、ここには五人くらいの家族が住んでいましたが、みな農作業で家にはおらず、おばあちゃんが一人留守番を
していたそうです。そのおばあちゃんも逃げ出していて無事だと聞きました。ちょうど50年前のことだった思います。
もし、これが今の住宅だったらこのおばあちゃんは助かったかどうか、たぶん亡くなっていたと思います。その根拠
は前述の通りです。決め手は今のような石油製品が使われていなかったこと、藁葺き民家だったから当然ですが。

今の住宅建材は不燃かどうかは国交省大臣の認定が必要です。それは単なる燃えないかどうかであって、燃え
る瞬間に有毒ガスを出すかどうかの基準ではありません。したがって、不燃材を使ったからといって人間の命が
守られるわけではなく、振り返ってみたら家は残ったが肝心の住人は亡くなったということになっているのです。

それは消防署の統計から見ても容易に判別できます。火災警報器をつけるつけないよりももっと大事なことがある
と思うのですがそこの点を追及する人は誰もいません。

コスト、コストといって有毒ガスを出す安い建材を選んでおいて、対処療法みたいに火災警報器をつけることよりも、
火災初期に安全に逃げられるものをつけることのほうが本来の「自分を守る」ということになると思うのです。
しかし、国も地方行政も業者もそこの視点が違っていますから何の解決にもなっていません。

人間の命は何よりも重い・・・なんてことを言っていながら、建物のほうが大事といっているのと同じで納得できませ
ん。

24時間換気もこの考え方と同じです。だったら、換気が必要な資材を使わせるな・・と言いたい。


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コラム1011 2016年10月06日

火災警報器

 この設置が住宅に義務化されたのが2006年ということで、初期にこの設備をつけた家は10年を経過することに
なります。これ以前の住宅では義務化ですから当然費用の問題でつけないところもあるでしょうし、初期段階では
つけた家でも同じ理由で放置しておく家もあるでしょう。

消防庁が発表した2015年の火災統計です。(消防庁火災統計と入力して検索してください)

気になるのが、放火を除いた住宅火災が、施行前のデータより4割も減ったという数字の意味です。警報器のお蔭
で火事にならずに済んだというところにもって行きたいのでしょうがちょっと違和感を感じます。
というのは、4割減というほど威力が本当にあったのかという中身です。死者も三分の二、焼失面積も二分の一と
聞くと警報器万々歳みたいに聞こえますが、何を基準にしてそう表現するのでしょう。それは「火災」をどこから火災
と見るのか火災ではないとみるのかどこで区別しているのかということです。

火を出して警報機がなって「それ火事だ」というときはすでに火事になっているわけで、それが四割減るということ
はどこかで区分けしていなければきちんとした数字にはなりません。発生はしているけれどもボヤだから火事としな
いのか、数そのものが減っているなら警報器に関係なく単なる火災件数が減ったということであり、警報器のおか
げみたいな表現にはならないはずです。イマイチ区別がわかりません。

これらを冷静に見れば、火災件数が減ったのは警報器をつけたからではなく、単純な数字の減であるということ。
死者が三分の二ということは発生件数の4割減という数字が土台ならむしろ件数に対して亡くなった方が増えて
いるということです。
焼失面積は二分の一になったといっても、それじゃあ半分の被害で済むのかといえば火事は火事で大して変わら
ず、住めるか住めないかに関しては水もかけられているんだから住めないということでしょう。

何かアラ拾いしているみたいに見えますが、住宅の火災というのはこの警報器みたいなものをつけたからといって
「安全に近くなった」みたいに考えるのは危険だと考えます。
世間を見渡せばその内装仕上げに関しては石膏ボードにクロス仕上げでほとんど変化がなく、火災時には有毒ガス
を出すのは何も変わっていないからです。

たしかに石膏ボードは不燃ですが仕上げ材は石油製品であるわけですから先に火がつきます。燃え出した途端
ものすごい有毒ガスを出すのですから、これが警報器で検知できて助かったというのもウソではないにしても死者
三分の二はマユツバだと思うのです。いえ、ケチをつけるつもりはありません。ただ、私の意見として本当かなと・・

問題の本質は危険なものを使わないということだと思うのですが、この国は考え方が違っていて建物が燃えない
ことが不燃だという考え方を持っています。その点で言えば石膏ボードは優秀な製品なのですけれども、その先の
仕上げ材は適切なものとは言えません。

そのほかにも家には石油製品の生活用品が沢山有り、生命の危険性があるからということなのでしょうけれども
「火災が四割減」というのはどこから持ってきた統計数字なのか、ちょっと信じられません。


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コラム1010 2016年10月05日

山形のぶどう園

 何年前からだったかよく覚えていませんが、秋田に木材仕入れに行くときに通るR13号道端に小さな屋台で
ぶどうを売っているところがありました。場所は南陽市椚塚(くぬぎづか)というところなのですが、そこは化粧品屋
さんのお店の駐車場の隅っこに折りたたみ式の屋台のような小屋を設置して売っているお店でした。

時期的にくだものですから8月後半から10月初めころまででしょうか、その屋台で私と同じくらいの年代のおばさん
が通る車のお客さんを対象に商売をしていました。

年に何度も通るわけではないので、たまにこの屋台を見つけると寄っていました。最初はこういった類のお店は
高いし味もそこそこなのだろうと思っていましたがここは違いました。茨城でもぶどう農家はあり、味もよいとは聞い
ていましたが、山形のそれは別格に感じました。

植物は昼間と夜の温度格差があればあるほど甘味が出ると言われています。お米もそうですが桃・ぶどうも確かに
そうなんですね。そのぶどうの種類もおばさんに教えてもらうのですがすぐに忘れてしまうのです。デラウエア・
キングデラ・ピオーネ・ゴルビーと覚えていられるのはこの辺まで、あと好みの種類は(種有りですが)スチューベン
というとても甘いぶどうがあります。

いまは孫の面倒を見なくてはならないので、なかなか秋田にも行けず、ここを通る機会もありませんが、そこは宅
急便という方法があるので、8月末から今頃まで、いちばん旬のものを何度か送ってもらって味わっています。
おいしいものを食べられるというのは幸せを感じます。スーパーにも同じようなものは売っていますが一度味わって
しまった舌の感覚はなかなか妥協を許しません。今シーズンの注文もあとワンチャンスでしょうか。

今回の18号台風もうまくそれてくれるといいのですがどうなるでしょうか。
今夜未明の天気が気になります。


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コラム1009 2016年10月04日

誰がおかしいのか

 相変わらずのドタバタ劇場を演じている東京都ですが、行政の特徴として、一度決めたものは何があっても曲げ
ない・訂正もしない・謝りもしないということだと思います。数年で部署が変わってしまうシステムも不正をやられたく
ないというバックの考えがあるのでしょうが、逆に責任もとらないという風潮を後押ししているのも事実だと思います。

民間でこれだけの騒ぎになったら担当はクビかどこかの窓際でしょうが、そこは行政の良い所、きちんと賞与も出る
し、おとがめもほとんどなし。実にすばらしい就職天国の世界です。都議会のドンもかなり叩かれているようですが、
法律に触れたとは思っていないでしょうし社会的に見てマズイという自覚もないもでしょうから追求したって無駄
です。

良く有識者とか第三者とか言っても、こういうことを見るとまず眼中にはないことがわかります。・参考意見としては
承りましたが・・という程度で形だけ作れば後は自分たちの思ったようにやりますといっているのと同じことです。
震災の風評被害よりこの地下水問題は深刻だと思います。やることをやらず、後から暴露されると自分たちは間違
っていないと主張する。おかしくなったのにその元を作った人がいないという奇怪な事件です。

建設業者と都との癒着うんぬんの前に、施工業者は図面どおり建てているわけですからこの部分はシロですよね。
発注していないような内容の工事をやるはずはないのですから明白な都の原因であるわけです。

もうこうなると、ワトソン君かコナン君に出てきてもらうほかないですね。


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コラム1008 2016年10月03日

患者のいない歯医者さん

 今年から小学校へ通いだした長男孫ですが、いつも放課後は学童保育を利用しています。この決まりごとは必ず
親か親族が迎えに行くことになっていて防犯上のことを考えた方法をとっているものと思います。

この迎えに行くときに通るのが上記の歯医者さんなのですが、不思議なことにお客(患者)さんの姿(車・自転車)を
ほとんど見たことがありません。私が通るときだけの瞬間的なことなのかもしれませんがいつも奇異に思っています。

市内には過剰なくらい歯医者さんがあると聞いていますが、どこも採算割れで廃業などの声を聞いたことがありま
せん。これも実に不思議なことだと思います。我々の世界だったらすぐに灰色のウワサが立ち、興信所から電話の
問合せが来てしまいそうですが、この世界はきっと別なんでしょうね。うらやましい限りです。

最近のコンビには高齢者向けに宅配までやるようですが、歯医者さんも出張治療などをやって売上を稼ぐように
なるのかもしれません。被災地などではそういう動きがあるとも聞きますので不可能ではないと思いますが、設備
の問題でネックがあると思います。

よそ様の心配をしているどころではないのですが、自分がおかれている環境を考えるとどうも素通りできないのが
頭のスミにあって、ついついそこの駐車場を見てしまうのです。はたして腕が悪いのか立地条件が悪いのか中に
入って確かめる勇気まではありません。ハイ。


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コラム1007 2016年09月29日

スズメバチ

 ちょっと前、どこだか場所は忘れてしまいましたが、町民マラソンのコース内で橋の桁下に巣を作っていたスズメ
バチを刺激してしまい、大勢の人が刺されたと出ていました。いまは敵さんも住宅難なのか条件が揃えばどこでも
巣を作ってしまうようで、人間の世界とあまり変わらないのだなあと他人事のように思っていました。

ところが、いつの間にか製材工場の奥にソフトボールの二倍くらいの巣が出来ているのを弟が発見しました。
刺されたらまずいので近づかないで欲しいと言われ、すぐにホームセンターで駆除グッズを買ってきて処理してくれ
ました。

あちらさんも雨が当たらない条件の良いところを選んだのでしょうけれど、こちらとしてもはなはだ迷惑なわけでして
不法侵入として処理させていただきましたが、知らずに加工機械などを動かしたら危ないところでした。
周辺にはけっこう林などがあり生息条件の整っているところはあるので、まさか工場の隅に巣を作るなんて思っても
いませんでした。

人間の世界もどんどん変わっていっていますが、昆虫の世界もそれなりに厳しさがあるのでしょう。


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コラム1006 2016年09月28日

園の運動会B

 この保育園は園児数が600人ほどいるそうです。一歳以上(ねむの木)二歳以上(竹の子)三歳以上(杉の木)
四歳以上(樅の木)そして就学前が樟・くすのきという名称です。ざっと見渡したところでは一園児に対して両親・じじ
ばばそれに兄弟などもいましたから、少なくとも四倍の規模にはなっていたと思います。

かけっこは二歳以上の子からやっていました。さすがにねむの木は無理のようで、親やじじばばが付き添う競技だけ
でした。入退場門の近くにはスタッフが準備したと思われる衣装や道具などが置いてあり、胸からプレートを下げた
スタッフが忙しく動き回っていました。

三番目の孫もアンパンマンのドキンチャンの格好をしてお遊戯をしましたが、何か観客席のほうを見ながら気になる
様子で何度か振り返っているうちにばあばちゃんを見つけたのか安心した顔になり手を振っていました。
(とビデオに映っていました)

次から次へとスケジュールがこなされ、お昼のところまでは見ていました(正確に言えば見ている人を見ていた・・)
ですが、年少の竹の子さんの出番は午後はないようなので、暑さのこともありばあばちゃんとも相談し、担任の先生
に先に帰りますと挨拶をして一足先に三番目孫だけを連れて帰ってきました。
さすがに疲れたのか、駐車場を出て1kmも走らないうちに爆睡状態で家についても目を覚ましませんでした。

家に戻ってからも一時間ちょっとほど寝てましたが目が覚めたら「お腹すいた」で、ゼリーを食べさせ何とかごまかし
ました。それから間もなくして、あとから帰ってきた二番目の孫が参加賞の金メダルを持っているのを見て大騒ぎ。
「僕のがない」とダダをこねられ、今度保育園に行ったらもらえるからねといくら言ってもききわけがなく参りました。

二番目孫もかけっこで一着になったので自慢したかったのでしょうが、いくらそっちへ持ってって隠しておきなさいと
言っても見せびらかすんですねえ、これが。すったもんだの挙句、千切れる寸前まで戦いは続き、結局食べ物で釣り
その間にメダルを隠して一件落着となりました。

こういう子を600人も扱っているのですから保育園も大変です。スタッフの皆さん大変お疲れ様でした。


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コラム1005 2016年09月27日

園の運動会A

 陣地の見張り役は楽そうで結構きついところがありました。曇り時々晴れの予報を信じて大した日除け作戦もやら
ずに行った為、じわじわと日に照らされ途中から熱射病になってしまうのではないかと思うくらいでした。

家内が持っていった日傘があったためずっとそれをさしていましたが、どうにも照り返しは対処できずじっとがまん・・
でした。しばらくしてトイレにたったとき、グランドの周りにある杉の木の脇を通ったらこれが意外と涼しいんですね。
「なあんだ、これなら無理して前のほうへ陣取ることもなかったな」と思ったくらいでした。

でも、せっかくテントも設営してしまったことだし、今さらお引越しも面倒だしと自分に言い聞かせ結局はそのまま。
(意外とズボラな性格なのです)

何でも一度は経験してみないとわからないということってありますね。まあ、来年は行くかどうかはわかりませんが
(たぶん、付き合わされるでしょうけれど)そのときは環境情報を充分検討して下準備していきたいと思います。

忠実に見張り役をこなしていたために、孫の競技はほとんど見ることは出来ませんでした。それに我が陣地からは
すでに何張りかテントが設営してあり、グランドの様子はすでにそこでほとんど見えないうえ、さらにその先には応援
している人の後姿がぎっしりでしたからいかようにもならなかったですね。

しかし、優秀な撮影班がいたために帰宅してからじっくりと動画を楽しませていただきました。それを見て参加した
孫も運動会の二次会をやっているような興奮ぶり、「見てみて」と映っている画面を見て自分はここにいると教えて
くれます。

今の機械力はすごい。


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コラム1004 2016年09月26日

園の運動会

 ずっと雨続きだったお天気がやっと回復し、ぴったり合わせたように園の運動会が行なわれました。こちらに来た
ときはまだ6ヶ月で、ミルクオンリーだった三番目の孫も二歳を過ぎ四月から竹の子組に入園し、今回初めての
運動会を経験しました。

しかし、朝方、身支度をする段になってからみんなとお揃いの白の靴下を履くのを嫌がり、ひと悶着。結局はいつもの
お気に入りの赤い靴下を履いて行かせ、集合前のどさくさにさっと履きかえらせるという手段で乗り切りました。

二番目の孫(四歳)はかけっこに命をかけているみたいな力の入れようで、見ていても笑ってしまいました。

会場は、園の運動場は狭いのですぐお隣の小学校のグランドを借りて行なっているようで、早々とテント村が出来
上がっていました。場所はすでに6〜7割埋まっていましたが、我々も適当な所に小さなテントを設営し、開場を待ち
ました。

園児は8時20分集合ということでしたので15分になったら先生の所に連れて行ったのですが、周りには泣いている
子がたくさんいて本人も泣き出してしまいました。でも、そこは先生も慣れたもので孫をぐいと引き寄せ列に並ばせ
ました。そうなると観念したのか直に泣き止みそれなりに整列していました。

やがて園長先生の挨拶で開会し、ラジオ体操などがやられたのですが、もうテント村からはどこにいるのやら分から
ず見つけるのは諦めました。当日の参加はじじばばと息子、小学校に入学した長男孫、それと県南に住んでいる娘。
二番目と三番目の孫が選手参加で別行動でした。

保育園の運動会は親が参加する項目が非常に多く、息子はほとんど何かの競技に付き添い、テントにはほとんど
いませんでした。ばあばちゃんは見つからないように陰から見ていてこれまた留守、娘がビデオムービーの担当で
同じようにほとんどいないため、陣地は私が見張り役で終始しました。


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コラム1003 2016年09月24日

政治活動費

 出しもしない郵便を出したことにし、行ってもいない視察をしたことにしてまで搾り出し給料の変わりにするならば
もうこれは政治活動費とは言えないのではないでしょうか。

その手口をみるともうちょっと気の利いた細工をすりゃあいいのにと思うような三流のバレバレ領収書でいかにも
つじつまを合わせましたと言わんばかりのものが目につきます。

なかにはきちんと正直に政治活動費だけに使っている人もいるのでしょうけれど、これだけ後からあとから出てくる
と全員がやっていると言われても仕方ないような有様です。

きちんとした教育を受けてきたはずの大人がこれですから、子供たちにウソをつくなと言っても迫力も何もあったもの
ではありません。とてもとても恥ずかしいものですが、当のご本人様たちはとなりがやっているから俺も・・という程度
の感覚しかないのでしょう。

以前、見聞きした県庁職員の年度末予算消化のテクニックもこれと同じようなことであり、大人として恥ずべきこと
です。民間の個人会社だってもうちょっときちんとしているのにモラルがどうのとかいっていられないところまで来たと
思います。

国もまったく腰を上げる気がないようで、国税だって本来は給与源泉の対象になるはずなのに動きません。せっかく
個人番号制度を作り上げたのですから一発検索が出来るくらい活用してもらいたいものです。
そのまえに、政治活動費(政活費)は「生活費」と名前を改めたほうがいいですね。


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コラム1002 2016年09月23日

週刊文春

 いろいろなところですっぱ抜きをやっている文春ですが、よくもこうネタがあると感心します。岩手被災地の視察で
地元担当者におんぶさって水たまりを超えたという政務官がいたそうで、何とも日本の政治のお粗末さを露呈した
形となり笑いものになっています。

問題はおんぶではなく実母のほう、長野の実家の母親が近所からお金を集めまくって5億円以上の金銭トラブルに
なっているとのこと。あるところにはあるものです。
政治に金はつきものといいますが、本当にお金がかかるんですね。でも、そのお金を配当付きで返せるということは
その先にお金が湧いてくるところがるということでもあります。

M君が60歳ということは母親は少なくとも80歳以上になると思います。こういうお元気なお年寄りがいることは日本
の国も介護保険支払いが少なくて済むから歓迎なのでしょうけれども、社会的には一癖有りで迷惑を被っている人
もいるから看過できないところでしょう。

さてさて、その資金の流れはどのようになっているのか興味の尽きないところです。
捜査もこういったところに個人番号制度を活用してもらいたいですね。


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コラム1001 2016年09月21日

メクラバン

 豊洲の敷地ですったもんだやっていますが、徐々に誰がいつ変更したか明らかになりつつあります。こういう騒ぎ
を見ているといつも思うのは「やったもの勝ち」ということと行政の「知らせないテクニック」です。

前都知事の方も「騙された」とかおっしゃっていますけど、トップにいた人間がそういうコメントをしますかねえ。
これが民間会社だったら通用しないことくらいわかっているのに、被害者みたいにシラを切るのですから大したもの
です。

それに都の組織図に築地市場の部署があったなんて初めて知りました。まあ、都で管理しているとなればこういう
部署があっても不思議ではないのでしょうが、それにしてもそれらトップの人間が盛り土されていなかった部分に
ついては「知らなかった」と言っているのですからりっぱなものです。それじゃあ一体あなた方は何をしていたの?
ただのハンコウ押し作業をやっていただけなの?紙と現実のチェックはしていなかったの?と疑問が出てきます。

所詮、行政は事なかれ主義と言われても仕方ないようなお粗末さです。

すでに設計図どおりの工事をやってしまったところにはストップをかけることは出来ないし、訂正するとなれば解体と
もう一度作る経費がのしかかってくるのですから、これらの関係者は首がかかっても文句は言えないと思います。

こうなると過去の社会保険庁みたいなものですべてにわたって仕組みを変えていく必要があります。

何かが行なわれていてそれを見抜く力がないのならいてもいなくても同じなのですからいないほうが良いに決まっ
ています。民間なら当然のことでしょうがこういう組織は何の罰もないですから職務怠慢で環境衛生部門に移って
もらい、ごみ収集作業に出向従事してもらうのが一番良いと思います。


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コラム1000 2016年09月17日

25年ぶり

 私の家では孫の面倒を見るようになってから新聞をとらなくなりました。今の若い世代の家庭では新聞を読まなく
なったといいますが、高齢者家庭の私の家でも例にもれません。たまに勧誘の人が来るが「読んでいる暇がありま
せんから」といつもお断りしています。事実、読んでいる暇など本当にないのです。

世の中の情報源と言えばわずかに見るテレビと息子のスマホからの情報くらいでしょうか。昨日などは三田寛子の
ダンナの不倫問題で少し盛り上がりましたが、そんなことはどうでも良く、25年ぶりに広島カープが優勝したらしい・・
(ずいぶんずれている・・)と。

特に野球ファンでもなく、どちらかというとサッカーのほうが面白いと思っているのですが、昔はそれほど娯楽がなか
ったせいか、野球の話題しかなかったように思います。まだ小さかったときは大人の世界の「金」のことなど頭には
なく、純粋に強いものにあこがれたものです。

社会人になってほどほどにお金が関係してくることがわかると強さというものはお金に比例すると言っても良いほど
社会構造が出来ていると考えるようになりました。そんな中、逆境に立ち向かっていたのが広島カープだったと思い
ます。

古葉さん、衣笠さん、小早川さん、大野さん、もう思い出せない・・・いい選手がいました。かたや、札束でかき集めた
選手で優勝するのが当たり前というチームもありました。そういうことを知ってからはそのチームが嫌いになり、もと
もと好きでなかった野球からさらに遠ざかりました。

今では浦島太郎のようになってしまい、今の野球の仕組みもガラッと変わったのには驚いています。ストレートに
優勝はしたといっても、その後にまた上位同士で決定戦みたいなことをやるんですね。これって何なのでしょう。
主催者側のほうに金が入るように仕組んだとしか思えないのですがあまり意味がないように思います。

セ・パ交流戦とかもわかりません。規定引き分けなんていうのもいい加減なものです。勝負ならPK戦をやるように
きちんと勝負してその日の勝敗をはっきりすべきです。もともと、野球が嫌いになったのは高校のときからでした。
高校野球の地区予選で学校中で応援に行かされたことでした。

たかが部活の野球でなんで授業も休んで応援に行かなくてはならないのか。どうせやるなら卓球部の試合だって
応援に行くべきだと。おまけに試合に負けると三年の応援団から「お前らの応援が足りないから試合に負けるんだ」
と訳のわからないことを言われ、「くそーっ」と思ったものでした。

そんな嫌いな野球ですが、こういうチームが優勝すると何となくうれしくなります。監督さんの名前もわかりませんが
是非とも日本一になってほしいです。


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コラム999 2016年09月16日

高速取引って・・・

 「親しい友人の誘いで出資しました・・・」とのコメントは江角マキコ氏。その投資先って何だったのだろうと思って
いたら、「高速取引」という言葉が出てきました。

投資などしたことがない私などは言葉からして何か高速道路に関係したことなのかなと思っていたら全然違うんで
すね。一時、お金持ち主婦の間でやられていたデイトレードというものがあり話題になりました。
これは特にその会社の業績など株の上下する要因を詳しく調べて長期的に値上がりを期待するのではなく、要は
株価の上がり下がりをグラフで見て、そのギザギザを予想するという単純な考え方で、大きな利益を見込まない
シングルヒットを繰り返し利益を得るものです。

どうもこの形態の読みをPCにやらせ瞬時の取引で差益を得るということらしいのです。「リスクは殆どありません」と
いう言葉で勧誘していたようですが総額で110億円も集めたというのですから金集め能力としてはハイレベルです。
目の前で実演までやられてはちょっと欲のある人は吸い込まれてしまいそうです。

株はマージャンと同じ、損する人が3人いるから1人が勝つ。やればやるほど勝つのは胴元だけ、これらをやった人
なら痛いほどわかっているのに、素人が乗り込んでいって勝つなんていうのはビギナーズラック以外にないのです。

江角さんも我々貧乏人とは違う資産をお持ちでしょうからその気になってしまったのでしょうが、いかんせん親しい
友人というのがまずかったですね。まあ、生活に困るようなお方ではないでしょうから痛くもないでしょうがもったい
ないことをしたと思います。気になるのはその集めたお金がどこへ消えたかでしょう。

どうせ失うなら熊本地震被害にあった人にでもとこちらは簡単に考えますが、本人はそんな気にはさらさらならない
のでしょう。欲は欲を呼ぶから技をかけられる・・高い授業料でした。


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コラム998 2016年09月15日

名義貸しは覚悟して・・A

 騙す側の人間は「誰が騙しやすいか」をいつも見ています。結果として騙された人は被害者になり金銭的な損を
するわけですが、そのコメントを聞くと「良い人だったので信用していた」とか「断わりきれなかった」とか言っていま
す。

別に被害者にムチ打つわけではありませんが、本質をきちんと見ていない理解していないということが一番の原因
だと思います。昨日のコラムの当事者も仕入れ・販売の流れを考えればまともな行為でないことは分かっていた筈
です。商行為の信用があれば声をかけてきた相手だって自力で仕入れできるはずです。

ビジネスのボリュームを上げるための資金調達なら銀行借り入れか資本金の募集で自前の資金量を確保すれば
よいことです。そこをなぜ名義を貸してくれなのか疑問に思わなかったのでしょうか。明らかに投資だと考えてやっ
た人なら別でしょうが、まるでビジネスの世界に疎い年寄り子供みたいな考え方だと思います。

今の世の中、超低金利ですから「儲かる」という言葉にひかれて手を出したい気持ちはわかりますが、未経験者が
簡単に利益が出るようなビジネスはありませんから。

「人を見たら・・・」と言いますが、いくら良い人でもそういう話を持ち出したら疑いの目で見ることは必須ですね。


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コラム997 2016年09月14日

名義貸しは覚悟して・・

 世の中には「歴史は繰り返す」という言葉の通り、いつになってもガードの甘い人が詐欺の餌食になるようです。
それが親しい間柄になればなるほど確率が高くなるようで、断れない心理を逆利用する相手のしたたかさを感じま
す。

実際に私も何度かそういう目にあったことがあり、すべてはねのけてきましたが、断わるときには勇気がいりました。
「今までの詐欺的商法とは全然違うから・・」とか「ねずみ講とはまったく違うから」とかの言い訳を何度も聞きました。
しかし、そう言った本人も最終的には加害者・被害者になって行きました。

「わずか数人を勧誘すれば・・」とか「一日コーヒー一杯分で・・」とか言われると、何となく出来そうな気がしてしまい
ますが、現実はそう甘くはなく最後は宇宙にでも出て行かない限り数のツジツマが合わなくなります。

マイナスイオンなどもずいぶんその対象になりました。イオンという言葉を正確に理解している人なんてそうはいな
いと思うのですが、わからないところをわかった顔をして押し進めるくらいのパワーがないと勧誘も成立しないので
しょう。

つい最近、新手の詐欺が表面化していると聞きました。いままでまじめに中古車販売をやっていた業者が、優良な
顧客の名義を使ってローンを組ませその車を転売して得た利益を名義人にも配当するという手口。最初の車くらい
はきちんと代金を払ってわずかな利益(配当)も支払う。それを何度かやるうちにごそっと引っ掛ける。名義貸しを
した人は車のローンだけが残るという仕組み。

「親しかったので断われなかった」「最初はきちんと支払われたので信用していた」これらはみんなこの手の常套
手段です。

当の本人は雲隠れ、バックにどんな人物がいたのかもわからない。後に残るのはローン会社への支払いだけ。
人生そんなに甘くはない。名義貸しをやるときはドブに捨てる覚悟でやらねばと思うのです。

私の母親が言ってました。「判を押すなら手持ちのお金をくれてやり終わりにしろ」と。その昔、祖母の連れ合いが
無尽会社の印を押し財産をすっかりなくし、厳しい生活を強いられた経験からでした。


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コラム996 2016年09月13日

北朝鮮の豪雨

 いまや、中国も手をこまねいている北朝鮮の異常行動ですが、ここのところの台風被害が1945年以来の豪雨とか
言われており、その被害は想像を超えるものが出ているようです。

これに対して、日頃ツバをふきかけている国際社会にSOSを出してきたというニュースが流れていましたが、果たし
てこの窮状をどのように利用しようとしているのか、この国の腹の裏はまったく読めません。

いくら人道的支援と言っても、安保理に立てついて悪ガキのし放題をやっている国に支援をしようというところが出
てくるのか、日本だって台風被害を被っている地区はあるのに、もしも、そこのところを通り越して北朝鮮の支援など
という言葉が出てきたら国民が黙ってはいないでしょう。

まるで、生活保護を受けていて自分たちはベンツを乗り回し、優雅に外食生活を繰り返している親が子供の食べ物
がないから食料を援助してくださいと言っているようなものですから、冗談も休み休みにしてくださいと言うしかない
と思います。


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コラム995 2016年09月12日

今月の勉強会

 さすがの暑さも峠を越した感じがしますが、ラニーニャ現象とかで今月も暑いと予報されているようです。そんな中
でも孫たちは元気に飛び回っておりますが、さすがにこちらにはそんなパワーはなくついていけません。

さて、今月も昨日に予定通り勉強会を開きました。参加は13名、テーマは「予算・資金」ということで2時間お話させ
ていただきました。遠路より参加いただいた方もおり御礼申し上げます。
今回の現場見学はありませんでしたが、ただいま確認申請中のところがありますので、来月着工が見込まれます。
はっきり致しましたら会場に案内をもって行けると思います。


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コラム994 2016年09月10日

なかなか活かされないもの

 はるか昔、個人番号(マイナンバー)制度がもめた末に法律化されましたが、先日になってやっと市役所から封書
が届きました。簡単にいつでも自分の都合の良いときにいただけるのかなと思っていましたら何と予約制で渡すと
のこと、何と面倒くさいこと。

この個人番号は表立った目的と裏目的を考えると、行政は後者のほうが圧倒的に本命だと思います。いかにして
間違いなく年貢を取り立てるか、一滴ももらさず吸い上げるには自らのタテ割り行政を修正する必要があったはず
です。

国民がどこへ移動しようといくら稼ごうとも見えないGPSを取り付けておけばすぐに居場所はわかり「ハイ御用」と
なります。多くの議員さんたちがずっとずっと反対していたのも、知られてはまずいお金を扱っているからこそそこに
危険が及ぶことはまずいと考えていたからでしょう。

税金というのは動けば動くほど吸いあがるようになっていますから、いくら使途不明金で支払い側に課税義務を負わ
せても一回限りのものであまり意味がなくなります。一度地下にもぐってしまえばどんな法律でも役に立たないと言う
ことでしょうが、それでもグレーゾーンにいる人たちからは搾り取ることが出来ます。

そんな裏詮索はどうでもよく、このカードが今までの役所手続きにどう簡単になるのかあまり理解している人は多く
ないと思います。「こんな便利なことがあります」といくら力説されても利用しない人にとってはアメとムチの後者ばか
りしか及ばないのですから所詮ろくなことはありません。

こちらとしては、手続きをやった人とやってない人との不公平が出ないようにしてもらいたいと思います。


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コラム993 2016年09月09日

固定電話は不要か

 昨今の一般家庭の通信事情はスマホ・携帯が主となり、従来の固定電話の使用はめっきり減りました。我が家も
例外ではなく、普段の連絡は携帯メールしかやりとりしていません。

それでも、長年NTT以外でネット(プロバイダー)契約をしているため、いろいろな不都合が生じてしまい、いきなり
ゼロにしてしまうわけにもいかず悩んでいます。

まあ、ネットを利用するにしてもスマホに切り替えてしまうとそれなりに月契約料金が高いし、我々のような年齢に
なるとキーボード操作にやっと慣れたのに、それ以上に小さい画面で指操作をするのかと思うと気が重くなります。
それに、水分の極端に少なくなった我が皮膚では静電気反応さえ起こらなくなり画面の操作はできないのではない
かと思ってしまうのです。

ないと困るかと考えると、なくても困らないというのが実情です。よって、まだまだスマホは要らない。ガラ携で充分
ということになり、固定電話の昔の黒電話も非常時には強いと聞きますので残してあります。
(でも、ひかりに換えてしまったから今では停電になったら使えませんけど)

会社の固定電話は仕事だから必要だけれど、個人のそれは重要性としてはずっと低くなってしまいました。その他
にも、ジャンク電話がかかってきてイライラします。夕べも孫の夕食でバタバタしている最中に「NTT代理店の・・・」
「無料で設置できる太陽光の・・・」とかかってきました。

「いいかげんにしろ!」とガチャン。


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コラム992 2016年09月07日

NHKは「せこい」

 今のカーナビ・スマホなどはワンセグというテレビ機能がついています。私のカーナビでもテレビを見ることが出来
ますが見たことはありません。その当たり前の機能にNHKは受信料を払えと言っているようです。

これがもし、裁判で認められると全国の所有者は毎月数千円の受信料を払わされることになります。これに対して
さいたま地裁は払う必要はないという判断を下したようですが納得できるものだと思います。

一部の国民は、NHKの映らないテレビを求めている人もいます。これも正論です。見なければ見ないで済むものに
お金は払いたくないというのは自然の論理だと思います。それでも料金徴収人は契約していない人を見つけては
「契約をお願いします」と活動しています。

我が事務所でも、以前に集金人の方からこう言われたことがあります。
「同じ敷地内であっても、会社(法人)と個人は別のものですからそれぞれに契約をしていただく必要があります」と。
私も納得できなくて
「以前は事務所の二階に住まいがあって一つの契約だったのですが、母親が高齢になったので裏に隠居所を建て
住むようになったのです」と言いました。それでも集金人の言うことは同じでした。

「ああ、それじゃ事務所のテレビをはずすからいいわい」と言ったら、それ以上何も言いませんでした。
ということで、うちでは一契約しかしておりません。

もし、こういったつばぜり合いみたいなことが各地で起これば一種の社会問題化するものと思いますが、このワンセ
グ問題も含めNHKが叩かれることは目に見えています。

ワンセグなんてラジオと同じ扱いにすればいいんです。いやなら、NHKでワンセグをやらなければいいだけの話し
ですから。
平均給与が1200万円あると言われている職員給与ですが、我々としてはそっちを先に叩いてほしいですね。


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コラム991 2016年09月06日


汗疹の処置

 以前からの孫の汗疹が良くならず、別のお医者さんへ行ってみました。
そこは今からさかのぼること、家内が38年前に長男を、37年前に次男を生んだ医院でした。今では先代の先生も
亡くなり、その娘さんのお婿さんが皮膚科をやっていると聞きました。
近所の人(医者通)も結構いいらしいよというので、さっそく孫を連れて行ってきました。

今までのお薬手帳も見せて診察してもらったのですが、「う〜ん、この薬で治りませんか」「だとすれば処置の仕方
が悪いとしか考えられないなあ」というのです。

よくよく聞いてみると汗疹の症状と痒くてかきむしってクレーター状態になったところの処置があいまいで、その他に
出来ている汗疹にも素人考えで痒がっているのだから保湿剤が良いだろうと勝手に塗っていたそのことが治りを悪
くしているようでした。

きちんと説明してもらえばこちらもなるほどと理解できるのですが、「これこれの薬を出しておきますから一週間後に
またきてください」と言われただけの診療では、その殆どの処置部分が説明されておらず、家での処置が正しくない
のでなかなか治らないというのが今回の診療でわかりました。

まず、「看護師さんが手当ての仕方を見せますから良く覚えて帰ってください」と言われ、処置室で孫のお尻周りを
出して治療してもらいました。

なるほど、クレーター状態のところには綿棒など清潔なもので局部的に薬を塗り、ガーゼで保護しテープを張って
ネット包帯で仕上げる・・・くれぐれも素手ではやらない、雑菌でさらに悪化するとのこと。納得。
それ以外の汗疹状態のところには速乾性の薬でベタベタ状態にはしない・・・納得。

でもね、夜中に無意識で掻きまくる孫の行為はどうにも止められない。


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コラム990 2016年08月29日

道路冠水

 最近の低気圧は頻繁に集中豪雨をもたらします。アメダスレーダーを見ても青い色ではなくオレンジの濃いものが
映っていて不気味さを感じます。

先日の9号のときも千葉から茨城に進行して東北に移動しましたが、むしろ通過前より後のほうがひどかった気がし
ます。23日には自宅前で孫の園児バスを待っていたのですが定刻を30分過ぎてもまだ着かなくて事故でもあった
のかなと思うほどでした。

「いやあ、お待たせいたしました」「あちこちの道路が冠水していて動かなかったのです」と添乗員さんのお話し。
今は国道と言えども例外ではなく、水戸にお勤めの方が帰る時間が2時間かかったとか話しておりました。
混むところは一つもない自宅から事務所まで5kmの距離ではそのようなことは考えられず、あとから聞いてなるほど
大変なんだなと思った次第です。

途中道草を喰っていた10号もやっと予想可能のコースに入ってきたようで明日あたりは東北地方に上陸の恐れも
出てきました。この地区は今度は海側を通るようですので北風かなと予想されます。北風であれば倉庫も何とか
ガードできる予想ですが、前回傷めつけられたスレート屋根は屋根全体から突き出ていますので被害が出るかも
しれません。

東北と言えば桃、ぶどう、りんごと生り物が沢山ですが、この台風には要注意で収穫を早めに出来るものは早々と
実行してしまったほうが良さそうです。


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コラム989 2016年08月24日

NTT特約店・・・

 一時少なくなったなと思っていたNTTまがいの勧誘電話、今日、久しぶりにかかってきました。
「店長、NTTから料金の値下げのことで電話がはいっています」と事務の人から言われました。

おかしいなと思って出てみると
「NTT特約店○○○ですが、市内でひかり回線をご使用の方の料金がお安くなる・・・・」とやさしそうな女性の声で
話し始めたのです。

はは〜ん、来たなと「いちいち値下げなら言ってこなくていいから文書ハガキで通知してきなさい」と言いましたら
「これは使用者様から直接申し込みを受けないと値下げが受けられないものですから」と来ました。

「値下げに関してそんなものが必要というのはNTTの怠慢だろう」と言ってそれ以上聞いてられないのでガシャっと
切りましたが、今の時代まったく油断もスキもありゃしないという感じです。

何と言っても最初に来る「NTT」の言葉が脳ミソに染み込んでしまうのか、電話をとったものが疑わないのですから
これが高齢者だったらイチコロというのもわかります。(私が出たときは最初から相手にしませんが)

NTTについで信用してしまうのが行政をかたるもの。つい二週間ほど前、自宅の固定電話にかかってきました。
昼間なので家内が受けたのですが、こちらの住所と(私の)フルネームを言って
「市役所○○課の××と申します」
「実は今年の二月にご主人様宛の国民健康保険の還付についての書類をお出ししているんですがお読みになられ
たでしょうか」
「まだその回答をいただいていないのでその確認なのですが書類は届いておりませんか」

「ええ、そういう書類は届いていませんが・・」「主人はまだ働いており社会保険に加入しているのですが、それでも
国民健康保険に関係するのですか?」と聞いたそうです。

「あ、そうですか、それではこちらで調べなおして見ますので10分後にまたお電話いたします」と言って切れたそう
です。

その後、言われたことを忘れて買物などに出かけてしまったそうですが、帰ってから「そういえば、あの電話・・・」と
気付いたそうです。本人、まったく疑っていませんでしたと・・・

その日の午前中11時ころ、市内の放送塔でしきりに
「市役所の名をかたり、還付金がありますという電話が多数かかっております」
「市役所がそのような電話をすることは絶対ありませんので・・・」と言っているのを事務所で聞いておりました。

家に帰ったら「ねえねえ、かかってきたわよ、うちにも・・・」と興奮して言うのです。
これで我が家も世間並みに・・・などと喜んでいられる問題ではありません。クワバラ、クワバラ。

主人はまだ働いていると言ったそうですから、次は社会保険事務所からというストーリーでしょうかね。


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コラム988 2016年08月23日

台風一過

 今回の台風は形が丸いと気象解説の人が言っていましたが、その意味が何となくわかりました。いつもの台風なら
目が過ぎればカラッと晴れていたものが、今回だけはその目が通過したあとももう一つの台風があるような風雨で
少しも弱まることなく吹き荒れていたことが違っていました。

今も昨日ほどの風はないにしても雨の降っている量は同じくらいです。命のほうが大事ですから危ない所には近づ
かないようにして落ち着いてから正確な被害状況を確認しようと思います。

まあ確認は出来ても修理できるかどうかまではわかりません。見たところ、壊れ方がどうも中途半端で部分修理で
済ませられるか、また、やってくれるかどうか迷うような状態なので困ります。

もう一つ、防犯カメラの保護カバーが昨日の風雨で水滴が入ってしまい、ぼーっとした画面になってしまいました。
その保護カバーを取り外して拭こうと思ったのですが、どういうものかビスカバーが外れず手入れ出来ません。
もうこれは専門屋さんに頼むしかないと思い電話を入れました。あれもこれも自然災害ですから修理費がかかるな
あと思いながら売上の少ないこの時期に招かざる客に迷惑しています。

まだ、北海道地区の方は十分警戒を怠らないようになさってください。


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コラム987 2016年08月22日

一度に三つも

 最近あまり経験したことがない「一度に三つの台風」ですが、朝から航空便が欠航とか交通の足並みが乱れて
月曜日から出鼻をくじかれているようです。その合間をぬってというか一昨日、昨日とひたちなか市のお祭りが
行なわれました。一日違いでねえと言われそうですが、実行委員会の方々はほっとしているのではないでしょうか。

今回の台風は順序どおりには進まないようで、後からのものが先に行ってしまったり先発組みが後追いしたりと
空の世界も順不同になっています。その9号が関東直撃の様相になってきており、進行速度もかなり遅く20km/h
と自転車並みと各地で洪水の心配などがされています。

以前、もう四十年くらい前の話しになりますが、那珂川が氾濫し市内の枝川地区でも大きな被害が出たことがあり
ました。それから三十年以上たって堤防の嵩上げ工事がだいぶ出来てそのときの規模の雨量では被害が出ない
ようになりましたが、お天気のことは予想通りに行かないので近年の実情ではまだまだ不安が残ります。

先に進んだ台風も北海道に大雨を降らせ、川が氾濫するなど大きな被害が出ています。
うまい具合に水源地にだけに降ってくれれば万々歳なのですが、どうにもこれだけは・・・。

そんなことを言っていたら段々と雨風が強くなってきました。16:00ころ、 ガラガラという音がしたと思ったら、どうも
鉄骨林場のスレートが飛ばされていました。私らの業種は南面に対してのガードは開放部分が多いため意外と弱く
落下傘状態になってしまいます。逆に北風には壁面が多く強くなっています。

今回の台風は当地の西側を通過中なので一番弱い所を突かれているわけです。飛ばされたスレート破片は幸い
車には当たらなかったので不幸中の幸いと言うべきですが、さて中途半端に飛ばされた屋根部分をどうしたものか
思案に苦しみます。(ただいま16:40、まだ風はおさまりません)

普段から神様を信じていない私はこんなときだけお願いしても聞き届けてはくれないし・・・。


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コラム986 2016年08月19日

魔物が潜む・・・

 あれだけ治安が悪いと騒がれたブラジルのオリンピックも終盤に入り、メディアで騒がれた前評判の人と無名の
選手の人たちの「予想外」が報じられています。いつの世も永遠に勝ち続けられるという選手はいないわけで、栄
枯盛衰はつきものだと考えれば「よくがんばった」ですむ話しだと思います。

勝つはずだと思っていたかどうかはわかりませんが、むしろそれはメディアが騒いでいることであって、本人たちは
優勝に向かって頑張っただけというのが本心ではないでしょうか。

今回はドーピング問題も大きく影響していたし、以前のように大金をつぎ込んで選手強化をやった国とやらなかった
国の差も大きいと思います。

どこかの国では予想外の結果に終わりそうと選手団のトップが早々と帰国してしまったり、またその近くの国では
世界の恥だとか言っている国民もいるようだし、お国事情は様々です。

日本にしてみても他の国と同じように予想外はあちこちに出ているようです。勝てるといわれた人が勝てないのも
あったし全然名前も知らなかった(これはメディアの責任でもあると思う)人が金をとったといううれしい知らせもあり、
帰りのエアポートの順番も複雑だろうなと同情してしまいます。

何だかんだと騒がれている「魔物」ですが、あまりオリンピックの魔物に気をとられすぎていると、別の魔物に足元を
かっさらわれてしまうということもあります。過去に事実を見れば東京オリンピックのときも、どこかのヤクザみたいな
国が島をぶんどってしまったということもあります。

理屈では通らない国がいっぱいあるということをもっと国民・メディアは意識しなければならないと思います。


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コラム985 2016年08月18日

汗疹(あせも)

 お盆前の記録的な暑さは台風の雨で一段落の感じがしますが、子供の肌は相変わらず汗疹でひどい状態です。
なるべくひどくならないように1日に2回くらいお風呂で遊ばせてましたが、それもお盆休みの期間だけで、仕事に
出てしまえば出来なくなりました。

どうも眠りの浅いときに無意識にボリボリ掻いてしまうようで、とくにオムツまわりはひどい状態です。これを何とか
してあげたいと、家内は孫(三番目)の寝ている部屋にエアコンをつけようと計画しました。それも一番高級な多機能
型をです。

電気屋さんへ頼んだら(時期的に混んでいるので)ちょっと時間をくださいと言われてしまいましたが、決心は固い
ようです。その部屋というのは私の寝ている部屋でもありますので設置には賛成なのですが、孫が来るまでは何も
言わなかったのに、ここのところの孫の汗疹を見るにつけ可哀想だと即決ですから私としても複雑です。

今のオムツはおしっこの吸収性能も非常に良くすごいなあと思うのですが、ムレに対してはまだまだ満足行かない
所があり難しさを感じます。背中付近にハンカチなどを挟んであげているのですが多少効果はあるとしても決定的な
決め手までは行かないようです。

とりあえず、9月の残暑も厳しいという長期予報もあり「高級エアコン」に期待したいと思います。


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コラム984 2016年08月17日

隣家の生垣

 我が家では、行く先々を考え手入れの必要な生垣と木の塀をやめて、ブロック二段+フェンスの塀に切り替えま
した。私らがあの世へ行ったとき、男孫三人と息子だけ残ってその手入れが出来るかと考えたとき、どう考えても
無理だと思ったのです。

幸い、北側の木の塀の基礎はまだしっかりしていたので再利用することにして、西側だけはタタキもコンクリートに
して基礎兼用とし草取りが不要になるようにしました。これで少なくともあと30年くらいはノーメンテナンスでいける
と思います。

我々が考えているように世間様でも同じようなケースがあるものと思いますが、仕事場の事務所の南側の農家で
も同じような悩みがある模様です。

今年の冬にはいつものようなホシイモ作りの作業が行なわれませんでした。そして今年の春、そのイモの作付けも
いつものおじちゃんではありませんでした。その農家のおじちゃんがいつも手入れしている自宅北側の生垣がその
まま伸び放題になっています。

聞くところに寄れば体調を崩して入院されているとか。そこには二人の息子さんがいるのですがたまにトラクターを
運転し畑を耕しているのは見たことがありますが、ホシイモ作りをしているところは見たことがありませんでした。
生垣の状態を見ているとおじちゃんが回復しているとは聞かないし、このまま今年は手入れされないで終わって
しまうのかなと思っています。

こういうことは最近身近に感じられることで、特に農家の高齢化は深刻であると思います。息子がいてもやらないと
言うのは周囲を見ていると納得せざるを得ないのですが、自宅においてもそれは特別ではなく、やがてやってくるだ
ろうと想像できることです。

我が家の場合はこのようなことを提案するのはいつも家内からで、「あなたは家のことは何も考えていない」と怒ら
れています。まあ、事実だから反論はしませんけど・・・


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コラム983 2016年08月12日

住宅における木の適正E

 集成材の梁(桁)や柱も適正と言えるものではないが、土台についても最近のビルダーは何でもありになってい
ます。某ビルダーでは米松の目粗製品が使われています。

木材というものはタテの力を支えるのには繊維が通っているだけあって強いほうに入る。しかし横材で潰される方
向には意外と弱いものです。特に柔らかい木、目の粗い木は一個いっこの細胞室が大きいから潰しの力には弱い
のです。

これが何に影響するかというと、柱の沈み込み現象を起こしやすくなることです。上述の通り、木と木がくっついて
いても互角にはなりません。片方はタテ繊維でありしかもホゾの刻み部分があるから接面重力は1.5倍の力がかか
っていることになり、受け手はヨコ繊維ですからそっくり同じ重量を受け持つのですから硬くなければ潰されてしまい
ます。

土台が硬いもの(ヒノキや米ヒバ)が良いと言っているのは、ある程度の硬さが確保されていないと潰されてしまうと
いうことなのです。土台が二ミリ潰されるということは柱が二ミリ下がるということであり、中間の壁が取り残されるこ
とになります。するとそこの壁にある窓は両サイドだけ沈んで中央部は取り残されアーチ型に変形を起こします。

これが後々に「窓が動かない」というクレームになります。今は壁に面材を張るやり方が主になってきましたから、
若干の助けにはなっても家全体の重量を支える能力はありませんから遅かれ早かれ沈み込み現象は起きてしま
います。

この面材使用の歴史はまだ日が浅いので目立ったクレームは聞いていませんが、沈み込み現象が起きるのは間
違いありませんから、将来、建て主さんは心しておくべきでしょう。


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コラム982 2016年08月10日

住宅における木の適正D

 表題についての意見が工場加工批判のような文章に見えてしまいますが、それ以外にも違和感を感じることはあ
ります。現場の工事進行について、あまりにも日本の気候環境を無視した工事のやり方になっていることです。

Hメーカー・ビルダーが効率を優先しすぎるため、お天気のことなどを考慮に入れた工事をやっていないことは次の
ような事柄があるからです。
契約したときから完成の引渡し日が決められる。
そのことによって上棟日も決まってしまい、多くの現場手配(職方・運送)が段取りを組まれる。
特にプレファブリケート(工場生産比率の高い住宅)は石膏ボードや断熱材までセットされた状態で分割出荷される。
現場吊り上げのクレーン車も手配されるから途中で雨になろうとも中止できない。
その殆どが建てる時にはシートを外し待機状態になっているため無防備になっている。
吊り上げ、所定の位置につけられても部屋としての形が出来ないうちはシートも掛けられない。
この時間は結構長く中に入っている断熱材や石膏ボードは濡れ濡れになる。

私らの知りうる大工さんたちはお天気が悪くなると察知すれば日程をずらしたりして構造体そのものが濡れるという
状態にならないように配慮します。いつからスタートすれば濡れずに屋根まで工事が進むか、防水シートが施せる
か、現場判断します。
そして、構造体には集成材や合板は使わないようにしています。これらは接着剤で固められているために非常に
水分のない状態になっていて雨に濡れることは避けなければならないからです。まず、これが守られていません。

現場では床を先に作るやり方が主流になっており、ほとんどの現場で屋根防水紙がかかるまで雨に降られないと
いうことはまずないといってよいでしょう。なぜ濡れるのがまずいのか、現場の人が知らないはずはありませんが、
大工・鳶などの職方には現場の決定権がないから言われるまま仕事をしています。

今日も会社に出てくる途中でこれらの吊り上げ式住宅の運搬車に出会いました。お天気が良いからなのかシートは
かかっておらず、すぐにも吊り下ろせる状態で積まれていました。お蔭で内装の状況も(瞬間でしたが)しっかりと
観察できました。壁はしっかりと石膏ボードが張られており雨が降ったらイチコロだなとわかりました。

今日は山沿い中心に都市型集中豪雨になるところがあるという予報も出ています。こんなんで大丈夫なのかなと
気になるところです。


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コラム981 2016年08月09日

住宅における木の適正C

 以前の機械加工は間違いが多かったのです。たとえば、柱の長さを例にとると、必要な長さは2970ミリだとすると
そこに3650ミリの長さを搬入してしまうと680ミリの余分な長さが出来てしまいます。これが大壁工法ならどちらから
切断しても逆さに使うようにしなければ問題にはなりませんが、真壁工法となると柱が見えるのですから、見える
ところに節などが出ないように配慮しなければなりません。

天然木の木材はそのまま使おうとすると生育時の節が点在するため、和室などのいわゆる見える部分については
節のない(あるいは少ない)部分を出すようにしています。この部分で680ミリも位置取りの差が出てしまうと見えない
はずの位置にあった節が見えてしまうこともあります。

こちらが丁寧にその点検をしてきれいに仕上がるように切断位置を印して加工に出したとしてもその意味がわから
ない取扱者だと建てたときにゴロ見えの状態に仕上がっていることが少なくありません。仮に2970にカットして出し
たとしても逆にされてしまうこともあり、それが現場作業に入ってからわかるのでとても始末悪いのです。

こういったミスのほかにも和室などは見える方向がそれぞれなので間違いが起こらないよう、柱番付けは消えない
もので書いたり余分な長さはカットしてきてほしいと言われます。
それでも、間違いはなかなかゼロにはならないので、工場としてはミスの起こしやすい和室等はやりたくないと言う
のが本音です。

工場としたらノーミスでいけるのは大壁工法の特殊な高さ違いのない現場の取扱者が間違いを起こさないものが
一番有難い作業なのです。そうなると、柱・桁・梁すべて刃切れの良い集成材を使って加工するのが彼らにとって
利益になる作業なのです。

そこには建て主さんの望む建物を実現しようとするものではなく、自分たちのミスを起こさないものを作るという優先
策が存在しているのです。機械加工が当たり前といった現状を裏から見ればこういうことが静かに進められている
のです。これらをどう受け止めるのか個人的に違いますが、本当の丈夫な木組みに適した方法かというとイエスとは
言えない部分が大きくあります。


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コラム980 2016年08月08日

今月の勉強会

 8月の第二日曜日はお盆休みとも重なるので一週だけ繰り上げて昨日8/7に行ないました。参加者は14名。
テーマは「素材の話し」ということで近年の住宅に使用されている資材の変化・その特徴・耐久性について信頼度
の違いなど、通常では知りえない「専門家から見た資材評価」という角度で現実をどうみるかなどについてお話し
致しました。

今回は進行中の現場 I さん宅工事がすべて終わり、早くも荷物の搬入が始まりましたので、会終了後の見学はご
迷惑になると判断し行ないませんでした。

現在、書類作成を進めております水戸市上河内(かみがち)地内のWさんの建物申請が今月末あたりに認可され
そうです。詳しい情報はまた後日お知らせしたいと思います。

参加された皆さん、長時間にわたりお疲れ様でした。
また次回の参加をお待ちいたしております。
次回開催は9/11を予定しております。


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コラム979 2016年08月05日

住宅における木の適正B

 昔の住宅建築の費用比率といえば、木材三分の1、手間三分の1、残りは屋根・左官でした。これが現代のものと
比較すると木材(建材を含めて)13%、機械加工を取り入れた手間なら5%にしかなりません。ビルダーの手間なら
100万円に届かないということです。

それらが何を意味するかということより、いかに安くあげるかが優先されるので、建て主さんもその陰に隠れた不利
な部分を知らずに「安いことはいいことだ」と契約印を押してしまいます。

「手間をいかに安くあげるか」ということと「資材を選ぶ」ということは切り離せない密接な関係があります。これは大
手Hメーカーから町場工務店を含む零細ビルダーまで共通していることで、その仕様は見なくてもわかるくらい単純
な仕上げです。

今の建築は、建て方(上棟)のときまで大工さんがかかわることは殆どありません。それらは工場で機械加工され
直接現場まで運ばれてくる仕組みになっているからです。ある一部のビルダーではその上棟作業まで足場の業者
がセットとして鳶職を手配しその後が大工さんの仕事というところもあるくらいです。

裏を返せば、指示書どおりに組み立てていけば大工さんでなくても形になるということです。今ではそのくらいまで
機械加工が当たり前になり大工さんが携わる部分が少なくなっているということです。

もちろん、そうなると昔の材木を吟味してどこにどう使うかなどということはなくなります。機械加工される以前にそう
いうものは嫌われ機械に都合の良いものだけが選択されるということです。これが集成材が好まれる一番の理由
です。

機械に都合が良いというのはあまり言われませんが事実です。柱を例に取れば、元と裏があり、おまけに若干の
クセを見抜く必要があります。要するにどちらに反りやすいかということです。これらを間違うと柱を逆さに建ててしま
うことになり、また壁に対してデコボコを作ってしまうことにもなるからです。

その点、集成材と言うものは優秀で元も裏もなくどちらに曲がるかなどということを心配しなくて良いのです。これは
ミスを出してはいけない加工側にとっては非常に有難いことであります。


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コラム978 2016年08月03日

住宅における木の適正A

 私は木材を取り扱ってから50年近くになります。その間に「何をやると大きなしっぺ返しを喰らうか」ということを学
びました。住宅建築が旺盛だったころいかに数をこなすために資材を調達するか、いかにその利益を上げるか、
そのために段々と寸法の小さいものが要求され木材がケチられていきました。

いまのHメーカーが10.5cm角であるのもその名残りと言えます。これは一般工務店の建築でも同じことです。
木材と言うものは小さなものほど性質の良いものでないと曲がります。つまり、12.0cm角よりも10.5cm角のほうが
曲がりやすいということです。極論を言うと丸太の状態ならその現状で使えば極端な曲がりは出ません。

数を多くこなさなければならない時、12.0cm角を挽くのには最低でも18.0cmの丸太が必要ですが、10.5cm角をと
るなら16cmの径であればとれることになります。細い丸太でも製品を取れる・・これも数を多く供給しなければなら
なかった時代には必要なことでした。

これを金額的に見れば1.5cmの差が、体積にすれば3割の差になることです。ここで一軒の柱数で言えば130本分
が100本分で済むという事になるわけですからコスト的には超魅力的ということになり、自分(業者)に有利なほうへ
誘導されてしまうということになります

しかし、柱が細いということは揺れ(耐えるということ)に対して弱点になるわけですから喜んでばかりもいられませ
ん。130人で支えるものを100人で支えろと言っているのと同じことなのですから難しい計算など必要のないくらい
わかりやすいことなのです。柱の適正さから言えば12.0cm角が良いことはわかりきっていますが、これも消費者に
正しく伝えられていないため、いまだに10.5cm角が標準みたいに言われています。

木の適正を補佐することには加工も大事な要因になってきます。今では工場で加工するプレカットというものが当た
り前のようになっていますが、これはホゾの長さが非常に短く、下ホゾでは4.5cmしかありません。上ホゾでも5.5cm
しかありません。これは機械加工が始まったときからの宿命みたいなもので未だに改良されていません。

大工さんが加工するいわゆる手加工なら土台の断面分だけ柱のホゾをつけることができるのですが、これも全ての
大工さんがやっていることではなく、大体は7.5cmほどの深さでやられているのが現実です。これらは柱にかかる
荷重と沈み込みに関係してきます。もちろん揺れに対する対抗力も大きく違います。

コストが安いからと細い柱に機械加工をやっておきながら、方や、地震に強くと言っているのですから何か矛盾を感
じます。


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コラム977 2016年08月02日

住宅における木の適正

 最近の住宅を見ていると適材適所を実行している家は殆どないと感じます。それがどうしてそうなるのか大よその
見当はつくのですが、この現象は住宅をビジネスとしてみている業者があまりにも多いということを意味していること
だと思います。

このことが何を意味するのか、殆どの人は考えたことはないと思います。表面上は丈夫な家・地震にも耐えられる家
快適な家と言葉では簡単に言われます。しかし、住宅はあらゆる面でほどほどの合格点が得られないと真の住み安
さは落第ということになります。

ほどほどと言うのは何も適当という意味ではありません。まんべんなく落第点がないという意味の「ほどほど」です。

選択理由としてはいろいろあるのですが、何と言っても身近にあり生理的に相性が良いというのがトップだと思いま
す。鉄・コンクリートなども資材としてはあるのですが人間が理屈抜きで生理的に選ぶのはやはり木だと思います。

せっかくの木を選んでおきながらその性質を活かしていないのも事実です。それは周囲の「木造建築」という現場を
見れば一番わかると思います。建つときは木が見えても完成したときは殆ど見えなくなってしまうことです。これは
構造体においてローコストビルダーほど顕著ですが、一般の建築でさえも例外ではなくなりました。

何も隠れてしまうくらいならもっと経済効率の良いものを使えばよいのにと思ってしまうのですが、使われ続けられ
るというのは経済効率も良いということなのでしょう。もしも鉄であったならば付帯物をポンポン釘・ビスで止める事は
出来ないでしょうから何となく納得です。

ただ、現実には使われているものは殆どが集成材です。こうなると木材といっても適材かという面から考えると疑問
符です。集めて成ると書く集成材は小さい素材を集めてくっつけたものでこれを構造体として使うのはそもそも問題
があります。

その問題とは樹種と耐久性です。当たり前のことなのですがここがあまりにも問題にされないのでおかしいと思って
います。


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コラム976 2016年08月01日

小さな子の脳A

 世の中によくゴミ屋敷という言葉を聞きますが、あれも一種の脳の未成熟現象なのかもしれません。小さな子は
何度言ってもちらかすだけで片付けようとはしません。それは片付けるという行為そのものを理解していないから
だと考えると納得がいくものだからです。

きれいにする・片付けるというのは当たり前の大人なら何ということはなく無意識に近い状態で行なっています。
二歳の孫の行動を見ていると、次々と本を引っ張り出す・おもちゃをぶちまけることなど興味あることは毎回毎回
同じパターンで、大人には散らかすという風にしか見えませんが、孫としては「今遊びたいもの」を出しているだけに
過ぎず、それが散らかしている意識はまったくないのだと思います。

「何で片付けないの!」「出したらしまうのよ」って言ったってどこ吹く風。これで親は頭にきてしまうのでしょう。
脳の回路が未接続、出した物をしまうという脳の回路が出来上がっていない・・こう思えば親の対応も若干違って
くるかもしれません。

6歳4歳2歳の男三人の孫を見ていると日々イライラばかりしてしまうのですが、2才の孫はまだとしても上二人は
ねえ・・と思ってしまうのです。今、言われたことを3秒もすると忘れて同じことをやる・・これは何とかならないもの
かと。こうなると自分の脳の意識改革が先かと思ってしまいます。


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コラム975 2016年07月25日

小さな子の脳

 次男息子の嫁さんがなくなり、孫を見始めてから二年が経ちます。生後四ヶ月だった三番目の子は二年四ヶ月に
なりました。この四月からおにいちゃんと一緒に保育園に通い始めましたが、最近、朝になると「保育園行かない」と
きちんと準備したカバンの中身も出してしまうくらい本格的な拒否反応です。

いつもだましだまし、保育園バスが来るまで何とかしのいで送り出していましたが、今日の朝はついに泣き出しまし
た。何かあの小さな脳の中でいやなこととか思い出したりしてしまうのかちょっとかわいそうな気もします。
そうは言っても、こちらもやることがあるので無理やり乗せてしまいますが保育園で何があったからそうなんだろうし
今まで喜んで行っていたのですからその辺が心配です。

小さな子は今と明日・昨日の区別がつきません。それはまだ脳が未発達で回路がつながっていないからだと言われ
ます。何にもわからない状態から単語を覚え、それをつないでいけるところまで来ましたがそれも簡単な文章だけで
長文はまだまだのようです。

昨日もこういうことがありました。
今我が家では木の塀が傷んできたのでブロック積み+フェンスにする工事を業者さんにお願いしています。
その人たちが来ているときは孫は絶対外に出ようとはしません。何か恐怖を感じるのでしょう。昨日は日曜日で
ちょっとだけ孫と狭い庭先でボール遊びをしました。

そのときにも「おじちゃん来ない?」と言って聞いてくるので「今日は日曜日だからおじちゃん来ないよ」と言うと安心
してボールを蹴ります。少ししてまた同じことを聞いてきます。「うん、今日は来ないけど明日は来るよ」と言うとさっさ
とボールを抱えて陰に隠れようとします。

そして私の手を引いて「じいじ、ぶうぶ」といって安全なところまで下がれと言うように引っ張るのです。今まで見たこ
ともないようなダンプとトラック、工事の車の大きさに驚いて少しここ一週間ほどはビビッていたようです。
それが「来るよ」だけが脳に反応を起こして危ないから逃げておくという行動にさせたものと思います。

まだまだ小さな子には大人の言葉は判別できないようで、何かこちらが大人の考えたで話ししていたことがなんで
通じないのかを思い知らされた感じがしました。一度は子育てしたつもりだったのですがねえ。


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コラム974 2016年07月21日

ある意味、不器用・・B

 限られた領域の中でしか仕事が出来ない人にも意地はあるのでしょう。段取りが悪い監督などはいつもそういう
傾向のある現場で屋内配線を先にやらなくてはならないところをベタベタとボードを張られてしまったりして、そのし
わ寄せは電気屋さんが被ったりちぐはぐなことばかり繰り返します。

こういう現場に限って工程会議は多すぎるほどやってたりして意味がわかりません。私ならいっそのこと現場を熟視
している大工さんに別料金を払ってでも段取り作業をやってもらったほうが良いと思いますけどね。そこはコストダウ
ンの精神が徹底しているビルダーとしては許さないのでしょう。

当の現場を動かしている大工さんの就労環境と言えば劣悪なという言い方がぴったりするかもしれないくらい厳しい
ものです。普通、正社員であれば福利厚生も有給も使えるようになりますが、大工さんの雇い形式は外部発注とい
う下請けに仕事を出す感覚と同じということで成立しています。

一軒でいくら、坪当たりいくらという形で発注し決められた期限内に作業を終えるというものです。ある意味、派遣社
員と同じかもっとひどい立場と考えてもおかしくはありません。ですから、一匹狼は当たり前、というより一人でやら
ないと自分の稼ぎ(取り分)がなくなってしまうのです。

こういった現場をやっていると、作業は人それぞれなので現場によって差が出てきます。立ち回りのうまい人は短
期で作業修了になっても、片一方の人は数日余計にかかるという具合です。これを会社は見逃しておきません。
次の現場になると効率の良かった現場の賃金が基準になり「あの人はこれで十分に出来上がっているから」と下請
けイジメをやります。

一大工さんとビルダーでの力の差は歴然ですから、しぶしぶそれを飲み込んで仕事をすることになります。これが
益々自分の首を絞めていくことになります。いくら工期が迫っていようとも一人作業、他の職人さんは頼めない。
ちょっと文句でも言おうものなら益々遠くの現場をやらされ、ついにはほかされるという運命を持っています。

実際に聞いた話では
現場監督のご機嫌取りのために一緒に飲みに行ったりお小遣いを渡したりする大工さんもいるとか。そういう人は
いつも近くで楽な現場を任されるといいます。こうなるともう「越後屋」のレベルを超えてしまいます。
どこの世界でも裏というものがあるんですねえ。


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コラム973 2016年07月15日

ある意味、不器用・・A

 現場にはモクモクと作業をやっている大工さんがいるのですが、この人たちには作業する以外は何も求められて
いない「限られた領域」の中で仕事をしています。

ものを作るのには必ず設計図という書面があります。その書面どおりに作業して建物を完成させるというのが現場
の人たちの仕事です。大工さんはそこの部分の「木工事」だけを受け持つのです。決められた賃金の中で設計図
どおりの仕上げにすればそれで仕事は終わり。他の余計なことは一切やりません。

その理由は、現場には現場監督がいて、すべてを仕切り期日どおり設計書どおりの箱を作らなければならない責任
を持っているからです。その人がいるのにわざわざ賃金以外の余計なことをやる必要はないのです。別の言い方を
すれば、やる余裕などないのです。

それは大工さんが賃金とは言っているものの完全な外部発注という請負制度で仕事をしているからです。通常は
現場を受け持っている棟梁がいて、自分も作業をしながら全体をどう動かしていったらよいかを現場の進行状況で
判断し各協力業者の手配をしたり、我々のように資材を納めるものに「何時いっか何と何を納入してくれ」と指示を
出します。

そうして現場と言うものは順調に進んでいきます。いまはこの指示を出すのが住宅会社の現場担当者なのです。
経験豊富で段取り上手な現場担当なら、各業者の動かし方も絵に描いたようにぴしぴしと指示し作業を進めてい
けるので、現場も資材の納入を待って作業が中断したり、余計なものが入ってきて作業がしづらくなったりという
ものがありません。我々も納入するものに対して余裕を持って対処でき、余計な費用がかかりません。

これがへぼな人だと「何とかが足りない、すぐ持ってきて」なんてことが1日に3回なんてこともザラにあるのです。
現場の大工さんもこっちの配達段取りなんて関係ないと思っているから、今、目の前のものが足りなくなってから
「すぐもってこい」と監督にいう人もいます。

大工さんは何がこの先必要かは充分わかっていますが、いじわるで言わない人もいます。それは「どうせ、俺らは
安い手間で働かされているんだからそこまで協力することはない」と思っているからです。実際、そのような現場で
は「現場は汚い」「工期が遅れる」というのはザラにあり、同時に現場の手直しも比例して多くなっていきます。


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コラム972 2016年07月14日

ある意味、不器用・・・

 仕事の指示も、まったく中身がわかっていない素人みたいなやつに言われると聞く耳を持つ気になれませんが、
世の中はそういうことだらけでイチイチ逆らってやっていたのでは先に進まないのも事実です。

建築の業界で当てはまるのは、現場の段取り・管理をやらなくてはならない監督と、実際に作業をする大工さんで
しょうか。多くのビルダーでは一人の監督が数箇所の現場を受け持つというのが当たり前のようになっています。

人間の管理能力というものは必ず限界があり、特に気を使わなければならない木造の現場というのはせいぜい
三ヶ所くらいまでです。どうしてもそれ以上になると気配りが希薄になりミスが多くなります。

建築現場は作業進行の度合いによって何の業者がタイミングよく入るのか、どんな資材を搬入しなければいけな
いのか・・など、現場の流れを熟知していなければなりません。たとえ現場が一棟しかなくてもそれは同じことです。

人材不足でと言いながら、そこへ素人みたいな監督が入ってくると現場がめちゃめちゃになります。どういった順序
で現場が進行していくのか、今、何の資材が先に必要なのかがすべて頭の中で理解されていないと、もっと先に
納入すべきものを今入れてしまったりして作業の邪魔になるとか、このタイミングで電気の業者が入らないと後から
作業が出来づらくなってしまうとかどんどん全体の工期がずれていってしまいます。

以前、地元のビルダーでIT分野に得意な人がいて、住宅を手がけ始まり、PRも上手だったので、そこそこのお客さ
んをつかんで忙しく動き回っておりました。徐々に雇う人を増やし、現場もそれなりに動かしていたのですが何せその
現場監督は細かいことや資材の良し悪しなどは経験も知識も豊かとはいえず、資材の手配も現場からこれがないと
ダメだと言われてからあわてて手配することが多くて、そのしわ寄せが全部こちらに来てしまい閉口していました。

あるとき、「もっと段取り良く発注してもらえませんか」「こちらも同じ現場に何度も行ける経費なんて最初に見積りを
やっているのでもらえないんですよ」と言ったら、相手はこっちは客なのに一納材屋が生意気だと思ったのでしょう。
徐々に注文が来なくなり見積もりもぱらぱらとなりしまいには何も来なくなりました。

別にこちらが高飛車に出たわけでもなくお願いしますと言ったつもりなのに、相手はそうは受け取らなかったという
結果になりました。

こういう現場が世の中には多すぎるほどあり、我慢して届けなければどこかに持っていかれてしまうという恐怖観念
で仕事をしているのです。まさに間違った「お客様は王様です」なのです。

ここで疑問に思うのは大工さんは何をやっているのか・・です。


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コラム971 2016年07月13日

あれっ、いつの間にか祭日が・・A

 さんざっぱら休日がどうのとか一週の労働時間がどうのとか書類の中身を突っついた揚句に、現場を見せてくだ
さいときました。「いいですよ、どうぞ」と製材工場に案内しました。

そうしたら、製材機の前に立って「ここは危険区域だからここからここまでは黄色いペンキでマークし、立ち入らな
いようにしなければだめだ」とその領域に直角三角形の線を引き、「立ち入り禁止と書け」と言い出したのです。

これには我慢の限界を超えました。なぜなら、製材中に木材のヤニが付いてしまい刃のいわゆるアサリの働きを
しなくなってしまうため、それを取るのに回転している帯刃に石油をつけなければならないのです。そこが危険領
域で入るなと言われれば作業は出来なくなってしまいます。

「あんた、一体何様なんだ」
「現場の作業内容もわかりもしないくせに紙に書いた規則のようなことばかり言ってんじゃねえよ」
「週の労働時間がどうだ?、休日が足りねえ?、それほどここは健康を害するような労働環境なのか」
「それじゃあ、この送材車に乗って1分かかる作業を40秒でやってみせな」
「それなら毎週土曜日休みにしたって構わないから」

「・・・・・・・・・」

「何とか言えよ、このじじい」

「・・・・・・・・・」
「何もそこまで言わなくても・・・」

「あんたら、俺らを馬鹿だと思ってんだろ」
「危険な区域なんてあんたに言われなくっても自覚してるよ」
「刃が高速回転しているのに首でも突っ込むと思ってんのか」

「そうは言っていないですけど・・・」

「だったら幼稚園児に言うようなことはやめろよ」

「私だって職務だから・・・」

「そんなご指導だったらいらねえからさっさと帰りな」
「あんたみてえな仕事したってしなくたって給料もらえる人に言われたくはねえや」
「ここよりもっと指導が必要な所はいっぱいあるだろうが」

相手のじじいも、労働基準局から来たといえば「ははあー」と言うと思っていたんでしょうね。年齢もずっとずっと下の
若造に言いたい放題のことを言われ、ぶつぶつつぶやいたと思ったらそそくさと帰っていきました。

これが何で題名と関係あるのかって?

こういう生産性のない「業界に指導してやる」みたいな共産主義みたいな役人に限っていろんな名目つけて休日を
作ってしまうんですねえ。長い年月みたら一目瞭然ですから。

と言っていたら、今年、また新しく山の日が出来たんですって。海が出来たから山だって・・・・アホか。
そのうち、川の日、池の日、沼の日、空の日、宇宙の日・・・なんてのがきっと出来ますね。
偉い方が亡くなるとその日は何とかの記念日になってしまうし、これでは日本の休日は限りなく増えていくことになり
ます。

これで国際競争力がつくわけないですから。中国・インド・ベトナムとますます生産拠点は日本から去って空洞化
していくでしょう。


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コラム970 2016年07月12日

あれっ、いつの間にか祭日が・・

 日本のような資源のない国は肉体労働か頭脳労働で稼ぐしかないといわれてきました。その点、資源国ロシア・
アメリカ・サウジアラビアなどは基礎的エネルギーをがっちり持っているから強いです。それと比較すると日本は何も
ありません。

メタンハイトレードなどはまだまだ未開発エネルギーで、モノになるまでは数十年かかると言われています。となると
やはりこの国は身体で稼ぐしかなくなるということになります。これは50年前も今も基本的に変わらないことです。

たら・ればの世界ですが、20分の1といわれた中国の賃金と日本を比較すれば、生産部門がそっくり移ってしまった
という事実を見ればこれほど確かなことはありません。その世界の工場もいまや中国からもその拠点を移そうとして
いて、当の中国はこれから追いかけられる立場になってくるはずです。

それでも賃上げ・景気回復を唱えている政府は本当に長期経済の動き・変化を理解しているのだろうか・・・。
とてもそうとは思えないのです。

生産性があがるのは人間の知恵でいくらかは改善できますが、それとて限界はあります。いちいち国が週労働時間
を40時間にしろとか言っても、そこで生産性が理論的に働き向上していくなら問題はないですが、必ず壁にぶつか
るはずです。

以前、(20年以上も前の話ですが)面白い話が実際にありました。

労働基準局の嘱託らしき人物が突然来て「お宅の労働状況を調べに来た」と高飛車に言われたことがあります。
タイムカードやら現場を見て、「週労働時間がオーバーしている」だとか、「休日が足りない」とかのたまわりました。

そのころは第二土曜日だけは休みにしていましたが、その他の週は出勤でした。この業界は言うに及ばず同業者
との競争も厳しく、大企業みたいに土日休みにしていたらお客さんからそっぽを向かれてしまいます。

ただ、今騒がれている一部のブラック企業みたいな労働条件ではないと思っていましたが、役人から見ればそんな
ことはお構いナシだったのでしょう。
あまりにも重箱の隅を突くようなことばかりいうからこちらも頭に来てしまいました。  つづく


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コラム969 2016年07月11日

今月の勉強会

 昨日は予定通り7月の勉強会を開きました。参加は15名。会終了後も建築中の現場を見学するなど皆さん熱心に
勉強されていました。大変暑い中お疲れ様でした。

次回8月はお盆の休暇と重なりますので一週早めて開くことにしています。お盆月は何かとせわしいものですが、
お時間の許す方はまたご参加くださいますようお願い致します。


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コラム968 2016年07月08日

史上空前とは・・・

 私が家を建てた昭和60年ころは、住宅金利が5.5%でいくぶん下がったと喜んでいました。いくら材木屋の息子と
はいえ、材木がタダで使えるわけではなく、きちんと元金だけは会社に支払いました。若干は役得もありましたが、
それでも500万円ほど借り入れ毎月6万円弱支払っていましたから利子は200万円近くになりました。

ところが・・・、今の住宅金利といえば1%を切っているのですね。1000万円借りても毎月の利子は8000円程度。
単純計算でも20年で返済として毎月の支払いは元金均等なら6万円弱になるはずです。

これは日銀の貸出金利の逆ザヤのせいもありますが、私らの時代とは想像できない世界でした。

土地は一時の高値時代の四分の1、高齢化・人口減も目の前に来て値上がりの気配は殆どなし。
そのせいなのかどうか定かではありませんが各地でミニ開発のような50坪程度の狭い土地に家を載せた分譲が
目につきます。

当地近辺でも、親がなくなり子供たちは遠方に所帯を持ってしまい地元にはかえって来ない、結果、相続でその地
を処分するために二つに分筆して買いやすいようにし、業者にそっくり任せてしまうというパターンが多くなりました。

市街化調整区域でも10年以上どちらかが住んでいたとか、そこの生まれだとかだと買える権利を持っているので、
ちょっと不便でも思い切って新築するという方もいます。アパートの家賃くらいで家が持てるとなれば誰しもその気に
なってしまいますが、そこで注意しなければならないのが「住宅の質」です。

土地も安く、家も極力費用をかけないでとなると、業者のやることは目に見えています。

そこなんですねえ、一番の問題は。


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コラム967 2016年07月07日

何と考えてよいのやら

 いやはや茨城も物騒なところになりました。16歳の高校生がまったく顔も知らない人を背中から刺して命を奪って
しまうなんて。

先ほどのニュースでは親に付き添われて自首してきたとのこと。我々の年代からすれば100%理解できない出来事
です。これほどまで簡単に人を殺めることがどうやって脳ミソ回路に出来上がるのかまったくわかりません。

あちこちで「誰でも良かった」という話を耳にしますが、何の罪もない人をいとも簡単に刺せるのか、刺したらどうなる
のか判断できないはずはありません。自分がやられたら嫌な事は人にもやるなということがまるで抜け落ちていま
す。

「何で・・」と考える間もなく命を絶たれた方は言葉もなく残念でなりません。

世の中、何かが狂いだしています。それが何から来ているのか確信できませんが今のゲームの世界の影響が全く
ないといったらウソになると思います。小さいときからピコピコやって「相手を何人殺したから何点ゲット」とかやって
ゲーム漬けになっていたら精神もおかしくなると思います。

亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。


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コラム966 2016年07月06日

高齢になったときの対応A

 周囲の植木も問題ですが、家の中も同じように考えていないと困ります。歳をとると背筋が伸びなくなり、自然と
高い位置のものを取るのが苦手になります。キッチンで言えば吊り戸棚、部屋なら天袋、ロフト、天井収納でしょう。

若いときは何でもなかったことが年齢を重ねると苦になることはたくさんあります。特に物をもって出し入れすること
は身体のバランスをとりにくくなり、2、3段のところでも踏み外して骨折などにつながりやすくなります。
それらのことを考えると将来使いづらくなるだろうなと思ったところは極力やらないという工夫が必要と思います。

最近は若い方でも吊り戸棚はつけないなど配慮する方が増えてきました。和室そのものも減りましたが天袋を設定
する方もほとんどおりません。一時期流行した天井ハシゴユニットの設置も今は殆どありません。これらは良い傾向
だと思います。

安全面を考えながら収納を確保するとしたらきちんとした階段を作って天井裏へ上がれるようにするとか、初期費用
は少しかかるかもしれませんが長期的な使い安さを考えて設計したほうが良いと思います。


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コラム965 2016年07月05日

高齢になったときの対応

 私事で恐縮ですが、我が家では孫たちと同居することになったとき、物置を建てるためずいぶんと庭木を伐採しま
した。ハクレン・くちなし・山茶花・カルミアなど、特にきれいな花を咲かせてくれた植木はもったいないと思いました
が、思い切って処分してもらいました。

そのほかにも西方向・北方向には山茶花・南天やヒバの木が残っており、北側に設置していた木の塀が傷んできた
こともあり、思い切ってブロック二段積み+フェンスにしようかと思い、かろうじて邪魔にならないヒバを残して除去す
ることにしました。

その理由として、息子はまったく植木に興味がない。孫たちはもっと可能性がない。・・・などが容易に考えられる
ため、今のうちに手入れの要らない方法を選択しておかねばならないということで計画を立てました。

先日、西側の植木を殆ど切り倒して、細かく切断し、市のゴミ袋に入れて処分しました。おかげでしばらくはお隣が
スカスカに見えてしまいますが草取りは障害物がなくなったのでとても楽になりました。

あとは業者さんに作業をしてもらうだけになりましたが、どのくらい費用がかかるものなのか見積りが出ていないの
ではっきりとした内容までは未定です。

植木は見ている分には気持ちが和んでとてもよいのですが、枝葉が伸びてくるので高齢になると自分で手入れで
きなくなるのが難点です。最後に残るのはヒバの木だけとなりましたが、これも徐々に処分して行こうと思います。


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コラム964 2016年07月04日

メディアは正しいことを伝えない

 年金支給の開始年齢ともなると人生の裏読みをするのがうまくなってしまい、前述の地球温暖化もまともには信じ
なくなります。それとともに「メディアで伝えない報道」というのを探るのが趣味みたいになります。

新聞・テレビ・ラジオは購読料とCM料を主に生計を立てていますから、民放なら100%広告収入(一部副業もあるで
しょうけれど)で成り立っています。地震などでも、ある区域の同じ被害現場であっても大スポンサーの住宅が壊れ
ていたなら意図的に利害関係のない被害現場を映すだろうと思うのは容易に想像がつきます。

阪神淡路大震災のときはそれが顕著でした。「自分の所は壊れていない」「旧来の木造ばかりが壊れた」と報じられ
ましたが、あまりにも偏った報道の仕方だと突き上げを食い、次回からの映像はそれほどではなくなりました。

放送には必ず編集というものがあって、二時間も三時間も映したものを数分にまとめる場合が多々あると聞きます。
ゆえにその大部分がカットされるのは致し方ないと思うのですが、民放の場合、特にスポンサーに不利な映像が
あったりしたら調整されてしまうでしょう。

そういう見方からすれば何の恩恵もない一般の大工・工務店の建てた住宅なら映し放題でも文句も言ってきませ
ん。あのときのもその結果が出たに過ぎないのですが、見ている側からすれば映っている物がすべてで、他の被害
状況など想像できるはずもありません。結果的にHメーカーに良いように利用されそのPRがのちのちに大きな差と
なって市況の変化を誘導したと思っています。

ビジネスで自分の不利になることは言わないというのは法律でも作らない限り修正されないでしょう。作られても言
わないかもしれませんが・・。近年のメディアは画像なら「個人差があります」とか小さな文字で表示されている健康
食品のPRも見ますが、耳から入ってくる情報はまだまだほとんどが期待はずれのものばかりです。

安い住宅価格で宣伝しておいて「病気になる確率もあります」なんて書いていたら売れませんからね。


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コラム963 2016年07月02日

メディアは謝らないA

 海面上昇もさることながら、例のダイオキシンはどこへ行ったのでしょう。スプーン一杯にも満たない量で数万人
の命が奪えるといっていたあの猛毒です。

あの騒ぎで野焼きが禁止されたことは良いのですが、我々の業界で当たり前にやっていた端材の焼却までとばっ
ちりを受け、高温の処理施設でなければ燃やしてはいけないとまで言われました。

木材まで焼却禁止と言われたのに薪ストーブはおとがめなしでフリーパス。これってストーブ業界の差金かと思う
くらい差別的なことです。お蔭で、事務所の暖房も薪ストーブを入れることになり一年間溜めた端材を一生懸命燃や
す羽目になりました。

我々の業界でも(特に山の製材所は)打撃を受けました。この焼却基準に合った焼却炉というのは小さいものでも
250万円くらいはしました。これが端材を沢山処理できるタイプになると800〜1000万円はすると当時言われました。

こんなご時勢にそれだけの投資を出来る製材所なんていません。どうしても製材を続けるなら、高い料金を払って
専門業者に処分してもらうか自前で焼却炉を設置するしかありません。

それでなくても材価は低迷していて利益すら出ない状況なのに、法律で決められると逆らえなくなって借金しても
設置せざるを得ませんでした。私らの所でも最初は無視して従来の焼却炉で燃やしていましたが、それが金づるに
つながると思ったのか下っ端のチンピラ右翼まで来るようになりました。

それ以降、燃やすのは薪ストーブだけにし、一切外では煙を出さないようにしました。

いつ頃からか、木材は燃やしてもCo2を増やさないとか屁理屈こねたような言い回しが出てきて、自然に優しいとか
まで言われるよぷになりました。今頃になって・・・アホか! 

行政は石油・電気使い放題で原発はあのザマ。今度は太陽光とバカの一つ覚えみたいなことやって電力会社の買
い止め騒ぎ。ふたたび原発の再起動に躍起になっています。実際に全国の原発が動き出したら、家庭の太陽光・
業務のギガ発電だって余計者になって「いらない」というに決まってます。

車は走り放題走っても何の違反にもならず、木を燃やす焼却炉は違反というのですからこの世の中狂っています。


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コラム962 2016年07月01日

メディアは謝らない

 以前、毎日のように報道されていた温暖化による海面上昇、つまり氷が溶けて世界の水位が上がり、低地の国、
ツバルみたいな国が水没するというお話し。でも、最近は時々「地球温暖化」という言葉は聞くけれど水没してなく
なってしまうということまでは言われないようになりました。

当時、私もこの話を聞いてはてな?と思ったものでした。氷の体積は比重が軽いので上に浮いて見えるようになり、
溶ければもとの水に戻るのですから、水面には何の影響も及ぼさないはずと認識していました。学校でもそう教え
ていたはずです。

でも、「天下の公共放送」がそれを放送すると何となく信じてしまうのか、殆どの人がそのように思ったのだと思い
ます。あの時も、私は「それならなぜ直近の海岸は水位が上がらないのだろう」と不思議に思っていました。海には
満潮・干潮がありますからわかりにくいと思いますが、津波のときなどは数十センチ襲来とか表現するのですから
観測している人は一発でわかるはずなのです。

でも、そういうことはありませんでした。

今になって、アレは「やらせ」で、NHKはわざわざ満潮のときを狙って撮影し、住民の困ったようなコメントを、さも
温暖化で困って行き場がないとか放送したというのが暴露されています。

文明国というのは実に身勝手なものだと思います。いろいろな便利な機器を使って散々楽をして楽しい思いをして
どこかの国が水没してしまうなんてことを他人事のように言うのですから。

言っている本人が沢山エネルギーを使って放送し、取材ではガソリンを沢山使って車を乗り飛行機で外国まで行き
電車バスで通勤しているのです。それなら放送はこれで終わりにしますとオイルショックのときみたいに時間を区切
って打ち切りにするとかすればいいのに、それは絶対しません。

今、NASAの観測では南極の氷は年間1000万トン増えていると言っています。

氷河期がなぜ来たのかだって本当のことはわからないのによく言うなと思います。


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コラム961 2016年06月29日

確認申請だけでは家はよくならない

 私らの勉強会では、木組みはなるべく長ホゾで木栓止めが良いと言ってきました。その理由は木を使うなら極力
木と木を組んで地震などの揺れに「しなり」という瞬間的なエネルギーの逃げを作るべきだと考えているからです。

先々月に起きた熊本地震も、太平洋側・東北の各地に被害が出た東日本震災にも共通することは震源地を中心に
した地面の突き上げと横への急振幅、つまり揺れの巾と瞬間的移動の早さが被害と直結することです。

ドンと持ち上げられ急に横に振られる・・この連続エネルギーで建物にダメージが生じるのは明白な事実です。
ただ、この受けるエネルギーも建物の種類によって被害の大きさが違っていたのも分かっています。

どんな素早い動きにも瞬間的についていけるような軽さであれば建物は壊れないのですが、物にはすべて質量と
いうものがあり、早く動かそうとすればするほど質量の大きなものはついて行けなくなります。地面と建物がピッタリ
付いていなければいけないという現在の建築基準法ではこの縛りから逃れられません。

近年非常に多くなってきた施工法として面材を張りつける「面工法」があります。これはスジカイの代わりに一面に
面材を張って揺れなくしてしまう工法で、基準法でも認められている方法です。面材ですからムクの木材ではありま
せんので合板か木屑圧縮板か鉱物の圧縮板のような製品になってきます。

例えば合板を手に持って前後に動かしてみるには簡単にゆがみが出てべこべこ動きますが菱に動かそうとすると
まったく動きません。この性質を利用したのが面材の工法です。これを採用した建物は下からどのような動きを加え
られようとも上部も殆ど同じ動きをするようになります。

行政ではこの工法を壁強度が出ると高く評価しているようですが、いくつかの弱点があります。その弱点とは・・・
国交省の検査基準でも「壁強度」という数字で丈夫さを表しています。これは大きなエネルギーが加わった場合
どれだけ変形が小さく壊れないかを競った数字みたいなものです。3よりは4のほうが上、そういう考え方です。

結果として変形しなくて壊れないものが優秀だと評価されるのです。はてな?、そうすると昔からある建物は全部
落第なの? ということが浮かんできます。その昔からある工法というのは木組みそのもので差し口工法とも言わ
れ、つい最近まで民家でも採用されてきた工法です。

この工法は今の行政の考え方とまったく逆で、揺れに対して「しなり」という考え方で瞬間的な地震エネルギーから
崩壊しないよう自分を守るという、木のほどほどの柔らかさを利用した経験的な工法なのです。でも、この方法を
行政は評価しないのです。


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コラム960 2016年06月28日

別の所でも解体作業

 前々回に書いた鉄筋コンクリートの建物解体は1ヵ月以上かかってやっと姿がなくなり、残すは基礎と駐車場の
スペースのみになりました。木造と違ってこの手の建物は壊すときにも木造の数倍はかかるだろうなという想像が
簡単につきます。

大きなカニバサミのツメを持った重機が常時二台でフル活動していました。そのほかに砕いたコンクリートと鉄筋を
振り分けるザルのようなバケットをつけたユンボが忙しく動いていました。現場からは大型ダンプが選別されたコン
クリートを積んでどこかへ運んでいきます。みていると殆ど現場で選別してから搬出しているようです。

木造住宅でも同じように建物本体にいきなりバリバリとやるのではなく、瓦や手すり、アルミサッシの枠やガラスな
ども出来る限り手作業で分別しながら取り外してから重機が入りますから、鉄筋の建物もほぼ同じ手順で行なわ
れることがわかりました。ただ、町内会のすぐとなりのエリアなのでお隣さんはかなりの騒音に驚いていたようです。

まあ、大型重機で作業するのですからカニバサミで砕く音は半端ではないことは想像できます。直線で50mくらい
しか離れていない我が家でも「ドッスーン」と音がすることがあるのですから隣家では地響きくらいに感じるでしょう。

当初、鉄筋コンクリートの建物は木造の二倍はもつといわれていました。(耐久力という意味で)ところが現実には
40〜50年で壊されている所をみるとマユツバであることがわかります。

ちょうど、市内を走っているときにもう1カ所、鉄筋コンクリートの建物がこれから解体されるであろうという状態の
ネットを張って窓が外されている所を通りかかりました。やはり築50年弱の感じがする建物でした。賃貸でも設備
などエレベーターが付いていないところなどはお客さんも敬遠してしまうのでしょうか。そこも5F建て未満の建物で
した。

当時も今もそうですけれど、これだけ物件が増えてくると条件の良いところを選ばれてしまい、少々安くしても古い
エレベーターなしの所は入らなくなってしまうのでしょうね。都会と違ってこの辺はよほどのことがない限り鉄筋コン
クリート建ての賃貸物件は採算性に合わないと見えます。


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コラム959 2016年06月24日

いい迷惑

 以前、テレビでココアが身体に良いと言われたらスーパーの売り場からココアが消えたというのがありました。
その類はその後もいろいろ騒がれては沈静しを繰り返してきました。

その地方版が私の周りでもありました。住まいの近所のパンやさんがあるのですけれど、そこの店の紹介がテレビ
で放送されたらしく、なかでも「クリームパン」というものがあるのですが、うちの孫も好きでときどき寄っていました。

これが紹介されてしまったのでここ連日の満員御礼が続き、家内の話ではレジ30分待ちだったとか、そのときは
袋一杯クリームパンを買っていったおばさんがいたということで、日本人て何でこうも宣伝に弱いんだろうと思った
そうです。

私もすぐ近くを通ったときがあるのですが、まだ尾を引いていて、駐車場整理のおじさんが「満車」のプラカードを持
って交通整理をしていました。ここ当分その店には近づかないほうが良さそうです。
近所の常連さんとしてははた迷惑なことで良いことは一つもありません。

近所の人も混んでいる中お店に寄ったそうですが、クリームパンはお一人三個までと言われたそうです。お店として
はお客さんが押し寄せてきたほうが良いでしょうけれど、買うほうとしては異常な混雑は迷惑なだけです。その辺の
ことも報道する側は考えてほしいですね。

あまりにも混雑した日曜日の翌日には臨時休業になっていました。きっと粉がなくなってしまったのでしょう。
(水曜日が定休日なんですけどね)


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コラム958 2016年06月23日

思ったより短命

 いま、近所で鉄筋コンクリートのアパート(いまではマンションというらしい)を取り壊しています。築年数は区画整
理の時期から考慮すると40年というところでしょうか。オーナーさんは同じ自治会の方ですが、先代の方が亡くなっ
て相続がからんでいるのが裏事情のようです。

年数からしても建物の償却は終わっているでしょうし、他にもいろいろアパートを持っているので資金には余裕があ
るのでしょう。その中で比較的処分しやすいこの場所は学校の目の前だしどこへ行くにもちょっと移動すれば用が
足せる地区なので売り先もビジネス向けになるのではないかと思ってみています。

それはそれとして、40年の鉄筋コンクリート建物というのはその脇を通るとわかるのですがカビ臭いニオイのする
ものなのですね。最近、入居者を入れていなかったせいもあるのでしょうけれども機械で解体していると風向きで
かび臭さが結構感じられるのです。

丈夫さが売りの鉄筋コンクリートですが、湿気に対しては周りの水分を吸い込んでしまうようで、木造との違いは
結構あると感じます。逆に木造はホコリ臭さは感じますがカビのようなニオイは少ないです。

客観的に見て人間が住む環境としてはどうなのかを考えると、コンクリートよりは木のほうが健康には良さそうと
みています。ただ、今の木造も胸を張って「木造です」といえるほど木の良さを活かしていませんから大きなことは
言えませんが。

梅雨の時期でもありちょっと雨が降ると現場はお休みみたいでなかなかはかどらないようです。


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コラム957 2016年06月22日

孫との戦い

 この四月から三番目の孫が保育園に行き始まりました。往復は園児バスが利用できるのですが必ず受け渡しに
は、親族が立ち会っていないと園まで戻されてしまいます。私立の保育園ですから玄関のチャイムを鳴らしてくれる
くらいはやってくれますので、たまに時間を勘違いしていたときでもそのままで・・ということはありません。

その園児バスを見ていると、土曜日には親が休みだからなのか乗っている子が非常に少ないのです。まあ、当たり
前といえば当たり前なのですけれど。

当初、バス通園では三日ほどべそをかいていましたが今ではさっさと自分の気に入った席へ着いてバイバイと手を
振られてしまいます。じいとしては喜んでいいのやら多少がっかりなのやらで、これも成長してきた証しだと思って
います。

二番目の孫はもう二年近く通っていますから殆ど心配していませんが、三番目は保育園内ではどうしているのかと
考えるときもあります。多分優等生ぶっているんだろうなとか想像していますが、まだそれを覗き見したことはないの
でわかりません。

先日、息子が保育参観で孫の動画を撮ってきました。それを見て何となくわかりました。やっぱり、園では優等生を
やっているようです。先生の言うことをきちんと聞いてお辞儀をしたり拍手をしたりデンデンムシを指で形作ったり、
ほんとうに良い子ぶりでした。

その分でしょうか、最近、家に帰ってくるといやに甘えるようになったのです。二歳を過ぎて自己主張も出てきたの
ではっきりとはわかりませんがその傾向が強くなりました。言うことを聞かずわがままというのか、要求は諦めること
なくまとわりつくのも半端ではありません。

その辺の対応の仕方もばあばはさりげなくかわすのですが、私は本気になってしまい最後には怒ってしまいます。
「子供なんて脳が未完成なんだからまともに話したってわかんないわよ」と言われるのですが、いつもこちらが進歩
してないせいなのか打ってくるジャブに負けています。


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コラム956 2016年06月21日

産地製材所の消滅A

 国産材振興のもとにドバドバ放出された補助金で、年間8万立方メートルもの原木を消費する工場を建てるという
ことは、それだけの消費原木を調達することはもちろんのこと、売り先が確保されていなければ財務関係が成立し
ないのは当たり前のことです。

今現在、作った製品がどこへ流れていくかといえば、ホームセンターの資材館か通常のルートである木材市場です。
このほかには直接ビルダーに売り先が確保されていなければ優秀な機械が絵に描いた餅にしかなりません。
基本的に木材市場は委託販売が主で買い取りはごく一部しかやりませんから市況がもろに関係します。

国産材の捌け口として、直接ビルダーに売り込むには相当の値切りを覚悟せねばなりません。それはすでに外国
から年間契約で木材が供給されるように流れが出来ているからです。住宅は年間棟数を多くやるところほど使用
する材を均一化してバラつきをなくすようにしています。それでないと家自体に不公平が出るからです。

これは大手のHメーカーも同じことで構造体から什器まで均一なもので年間いくらという取引をするからです。そう
いう環境の中へこれらの大型国産材製材所の製品が入り込んでいくというのはかなりの高難度の壁があります。

製材の点でもう一つの難点は原木価格が外国産の木材よりも上下することです。今はその価格が低迷状態といえ
る時期で製品も捌け方が非常に悪い状態です。こういうときは目標の量をこなしたとしても数字が付いて来ず経費
比率が高くなってしまいます。

反対に需要が出てきて製品が高くなってきたときは丸太も高くなってきます。製材所としては良いことのように受け
取れますが、大手Hメーカー・ビルダーになるほど上限を仕切られ価格転嫁が出来ないようになっています。この
場合、製品安の原木高といわれ、価格の安いときよりももっと厳しくなります。

量を沢山作れるというのは製品あたりのコストが下げられよいように感じますが、それは売れている状態の中での
話しであります。市況が低迷している所へ大量の製品が出荷されれば需給関係で決まる木材は益々下げの傾向
に動いていきます。

機械投資した返済金は待ったなしで銀行に吸い取られていきます。数ヶ月は良いとしても年単位ではアウトになり、
効率化を目指してやったことは一体なんだったのかということになります。年間8万立方メートルの原木というのは
製品で4万立方メートル出来るということです。毎月3,000立方メートル以上のものを捌いていくというのは大きな
木材市場二つ分くらいの売りに匹敵するものです。これをずっとキープしていくなどということ自体無謀と言われても
仕方のないような数字なのです。

あまり大きな工場だとこういった市況と市場(しじょう)の感覚がつかめないと思って書いて見ました。


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コラム955 2016年06月20日

産地製材所の消滅

 世の中、景気が悪くなると政府に何とかして欲しいと要望が出るみたいですが、けしてそれが良くなった例はあり
ません。まあ、バブルのころのお立ち台で狂っていた人たちは別として、経済の上弦・下弦は必ずあるものですから
良いときの蓄えを温存し悪いときの補填にするくらいの財務管理が求められると思うのです。しかし、現実は良い
ときが続くと考えてしまう事業所が多いのか、それを悪いときだけ「お願い」を出すのが目立つ気がして、要は神頼
みのレベルでしかないのではと思っています。

つい先日も三重県のほうで大きな製材所の倒産がありました。近年30億円もかけて全自動のような製材機械を
導入し、年間丸太消費量8万立方メートルをこなすというのですから半端な工場ではありませんでした。
しかし数年で倒産するということは計画が無茶だったのかいずれにしても市況の読み誤りであることは間違いあり
ません。

負債額28億円で倒産というと通常の茨城県の製材工場の10倍以上はあるでしょうか。この中にはもちろん補助金
などもあってのことだと思いますが、潰れてしまっては初めからなかったと同じことで、多額の税金をつぎ込みながら
何の社会貢献も出来なかったことになります。行政の責任も紙の上のツジツマが合っていればでは済まされないで
しょう。

経済はどこかにつながって成立しているものです。その歯車が抜け落ちるのはその周囲に多大の迷惑がかかる
ことでもあります。この場合でも、原木市場・山主・出荷作業者に被害が出ているのは間違いありません。


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コラム954 2016年06月17日

世界に通じる「せこい」

 辞任という形であっけなく幕切れとなってしまったマスゾエ劇場でしたが、この辞任に対してニューヨーク・タイムズ
は「せこい」という日本語をそのまま使って表現したそうです。

私の乏しい知識ではたしか「漆」もジャパンと言われていると聞いていますが、呼び方が違っていますから別物で
しょう。しかし、「せこい」だけはSUSHI・SAKEと並んで日本呼びで、もう一つ世界標準語が生まれたことになります。

たしかに、書道をするのに中国服を政治活動費で出したり、似顔絵入りのまんじゅうを買ったり、クレヨンしんちゃん
まで出てくるのですから「普通の考え」では理解できないのは当たり前です。まあ、何と言ってもお正月の家族旅行
の竜宮城へ行ったのを入れてしまったのが致命的といわざるをえません。

お帰りに変な玉手箱をもらってしまって「開けてはいけない」と言われていたものが欲が突っ張ってビックリポンに
なってしまったのはりっぱな童話になりそうです。

これでまた選挙をやらなければならなくなり、一説には50億の金が吹き飛ぶといわれています。
「給料全額返上するからやらせてほしい」とマスゾエ君が言っていた時もあったのですから、ただで働いてもらった
ほうがコストがかからず得策だと思ったのですが、辞任されてしまってはそれも叶わなくなりました。

ニューヨーク・タイムズがそのまま表現するくらいですから、今年の流行語大賞ノミネートくらいには入るでしょう。


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コラム953 2016年06月16日

意味を調べてみると・・

 某大手ハウスメーカーの木造建築と称する「シャーウッド」の意味を調べてみました。
シャー(明るい)ウッド(木)と書かれていました。確かに明るい木ですね、日本でいえばモミ系の木ですから。

というより商品の呼び名としては白い色をした木だから明るいという意味でつけたのだと思いますが、これが住宅の
構造体として使われて良いものかどうかという判断には少しばかり欠けていたように思います。

企業として素人受けするというのは大事だと考えられています。それは間違いないのですが、言葉では適材適所
などといいながら現実には構造材に向いていない木を集成材という手法で変身させました。そして、いとも簡単に
洒落た名前でイメージチェンジし自社商品に使ったことは「大手だから間違いないだろう」という考えを持ったものを
引き込むには充分のインパクトがあったものと感心しています。

もし、これが逆だったら世間にはまったく受け入れられなかったでしょう。恐るべし大企業です。

世の中にこのシャーウッドの原料しかなく他の選択肢がない場合だったら仕方がないと思いますが、まだまだ世の
中には木材(構造材に適したもの)はたくさんあって、これを選ばなければならない意味はほとんどありません。

特にここ日本では高温多湿の四季があり長期的見地からすればシロアリ被害も考慮しなければならないし地震も
たくさんあります。こういった住環境からするとこのHメーカーが採用している「シャーウッド」は落第といわざるを得ま
せん。

誤解を招きますので注記しておきますが
この「シャーウッド」は、原料は欧州トウヒといって、別名ホワイトウッドとも呼ばれています。この樹種は他の沢山の
ビルダー、地方の工務店でも使われている資材で機械加工の工場では常備在庫で使用されているものもあります。

資材屋から見ると、この木は「やわらかい」「湿気・かびに弱い」「木が比較的小さいので辺材が多い」・・ということは
腐りやすい・シロアリに弱い・柔らかいから構造体には向かない・・ということになります。それらを考慮したらこれほど
世間で構造体として使用されていることはおかしいと考えています。

その「おかしい」と思っていることが世間では何の不思議にも受け取られず、「集成材は狂わない」「強度が1.5倍」
「強い」という宣伝で大量に使われているのですからどこが適材適所なのかと疑いたくなります。

大手企業のイメージ作りには脱帽ですが、それにも負けない消費者の知識が大切だと感じています。


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コラム952 2016年06月15日

マスゾエる

 いまや時の人となったマスゾエ氏ですが、粘って粘って「リオまで見逃してくれ、給料はタダでいいから」と言って
いるらしく、それでも都議会は「辞任」させたいみたいな動きで流れているようです。

私個人の意見なのですが、せっかく給料なして良いって言ってるんだからやらせればいいと思うのですが。
どうせここで辞任してもう一度選挙なんて言ってもタダで出来るわけではないのだし、やればやったで50億もかかる
とメディアでも騒がれているのだし、どっちが得かと言うのならタダで働いてもらったほうが良いと思うのです。

そのうえで、任期満了の選挙をやれば一番お金が節約できるはずです。都民の皆様も多少ご不満はあるでしょう
が、その選択方法が一番本人にも反省になるのではないでしょうか。不当に得たものは返す・・・これ原則です。
その上で、個人の蓄財はどこかに寄付する・・・これなら気持ちも治まるというものです。

どの道、この方の選手生命はもう短いでしょうし、社会的制裁も充分とはいえないまでもこれからの監視の目もやさ
しいものではないでしょうから、踊らせてみるのが一番良いと思います。

それにしても半年しか経っていないのに早くもインパクトのある流行語大賞の候補が出てしまいました。

私は「安心してください・・・」よりも「ダメよダメダメ!」のほうがどちらかというと好きでしたけど・・・


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コラム951 2016年06月14日

それはおかしいB

 私の住んでいる同じ学区内に老朽化したアパートを解体し某有名ハウスメーカーのアパートを建てているところが
あります。周囲は立ち入りが出来ないように洒落たデザインをされた柵がめぐらされています。

ここで先日大型車に積まれた石膏ボードが付属のクレーンで部屋ごとに吊り上げられ搬入されていました。ここまで
みるとこの先の仕上げがどのようになるかは明白ですが、アパートだからこれで良いのかというわけには行きません。

一般の住まいでもアパートでも同じ人間が住むのですから仕上げの質が違っていても良いというのは筋違いです。
どちらも最低限安全な空気環境を提供していなければならないのに、周囲を見てみると「どちらも落第」です。

業者もオーナーも入居者も全員が空気環境の意識がないのでまかり通ってしまうのでしょうが、あまりにも無意識
すぎて危険です。こういったところに0.08ppmを決めてしまった行政の判断が水戸黄門の印籠のごとく働いていって
しまうという「防げた悪影響」になっています。

別に石膏ボードが建材の質が悪いとか、クロスが悪だとか言っているのではありません。問題は使う側の意識で
それを人間が吸う空気の環境として良いものなのかという点で不適であると言っているのです。

こういうことが改まっていかないと加害者がいなくて被害者だけどんどん出るというおかしな現象が出てくるのです。
それも全員に出るのではなく、限られた人に出てくるのですから例え出たとしてもすぐにおかしいと気付かないし
原因を突き止めるのにも時間がかかり、難儀をするのは当人だけというケースになって簡単に周囲からも理解され
ないというのが続きます。

アパートというのは特に昼間働いている人が多くて締め切って外出しています。帰宅したとしても完全に開け放って
空気を入れ替えてから生活しているなどという人はあまり見ません。そうなるとジワジワ揮発した物質をまともに吸い
夜もまたそれらを吸い続けるというパターンになると思います。

このケースでもきちんとした確認申請をしているので書類の不備にはなりません。行政も認めるという答えを出して
おきながら責任は一切取りません。紙の上での違反はなくとも現実の問題は大有りです。

これでは病気にならないというほうがおかしいくらいです。


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コラム950 2016年06月13日

それはおかしいA

 弱みというのは何もスキャンダル的なことを意味しているのではありません。自分たちは何で食べているかというと
「国民が稼いだ金の税収」です。ですからその税金が滞ったり企業が破綻してなくなったりすると一番困るのは自分
たちなのです。

いまや石油を使って合成されたものを数えると何百万の数値になると思います。仮に、問題となっていた代表選手
のホルムアルデヒドをあげてみると接着剤という分野は総ナメでアウトになります。 ということは住宅建築用の合板、
木屑圧縮板などは作れなくなります。(もちろん、揮発物はホルムアルデヒドだけではないのですが)

今の技術では、仮にホルムアルデヒドが他のものに置き換わっても人間の吸う空気環境が一挙に解決などということは
ありえません。そうなると、売り先のなくなった資材は山積みになり、会社は立ち行かなくなり、時間の問題となり
ます。

会社・その関係者・家族も困りますが行政だって税収がなくなるのですから大変なことになってしまいます。こうなる
と、この被害を被っている現実の建て主・未来の建て主さんはまったくカヤの外に追いやられていて、困った者同士
が何とか良い方法はないかと知恵を出し取り繕い策としてロシア的交渉をやったのです。

「出来る」「出来ない」「そこを何とか」「いやあ、そこまで行くと逆立ちもできない」とすったあもんだあやって決めたの
が、0.08ppmという発散濃度基準です。でも、これは合板等に使われている架橋という役目をするホルムアルデヒドだけ
なのです。これが皆さんの家に使われる建材などに記載されているF☆☆☆☆(フォースター)と言われている製品
の行政とメーカーで決めた数字なのです。いくら星が四つあったとしてもレストランなどの評価に使われるミシュラン
とはまったく違うものなのです。

さて大変なことになりました。このフォースターは使う面積の制限がないのです。つまり、建材にF☆☆☆☆のマーク
があれば今までと同じ何の制限もない家(箱)が出来てしまうのです。

建材の製造メーカーも流通も販売店もF☆☆☆(スリースター)の面積制限のある物と一緒に置いておかないという
条件さえ守ればいくら使っても(売っても)かまわないということになったので、内心胸をなでおろしているのです。


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コラム949 2016年06月10日

それはおかしい

 長い間、ミニコミ紙で使っている題名ですが、これがなかなか用なしにならないと言うのがこの業界の抱えている
「病」だと思っています。病といったら何かの症状があるだろうと思うのですが、住宅の病は厄介で殆ど自覚症状が
見られません。

それは誰もが「おかしいはずがない」「行政に申請したものなのだから正しいはずだ」と思っているからです。
しかしそれは書面の上だけの決め事に合っているというだけで、決め事そのものが不安を抱かせるような要素が
あるからです。

ひと頃のように商売(売上)が順調にいっており、あまり考える必要がなかった時代と違って、幸か不幸か、住宅の
中で使われている資材についてじっくりと考えることができるようになってくると、その現実が何かずれていると強く
感じます。

一つひとつの部材としてみていると気付かないものでも、住宅としての総合的な安全を考えると「それはちょっと・・」
と思えるものがとても多いのです。中でも、10年以上前に改正されたシックハウス対策マニュアルがその一つです。
この中で感じるのは、行政と建材メーカーの間だけで決められたいわば紙の上の妥協点をまとめただけのもので
あり、この議論の中には一般消費者の声はまったく入っていないということなんです。

F☆☆☆☆マークについても通称フォースターといわれ名前だけは何となく立派そうに見えるのですが、私ら資材屋
から見れば「多少、気マシくらいかな」程度のものでこれらの製品を使ったからといって確実に健康面での安全が
確保できるのかと疑ってしまう程度のものでしかないからです。

だれしも、行政が「確認申請を受けそれを認めた」といえば、確かな建物が手に入ると考えます。しかし、現実はそう
ではなく、いくらかニオイが減った程度のもので何の問題解決にもなっていないというのが現状です。では、なぜ、
お茶を濁した程度のものでお墨付きを出してしまったのか、それには税収を頼りに動いている行政の弱みがありま
した。


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コラム948 2016年06月09日

今年の流行語

 毎日どこかのテレビで彼の顔が出てきますが、もう見ているとこちらも相当に気分が悪くなってきています。メディア
もご苦労さんなことですが、貴重な電波を使っているのだからもうそろそろこれよりも価値のある報道をしなければ
いけないと思うのです。

ネットの世界でもすでに「マスゾエる」という言い方が出ていて意味はすぐに想像できてしまうのですが、ここまで来る
と今年の流行語大賞はもう決まったようなものでしょうか。

自費で雇った第三者(弁護士)なんて何の意味もないと思うのですが、この人には「逃げ切る有力な一手」なので
しょう。その内容たるや、良く恥ずかしくなく「弁護士やってます」と言えるなと思うのは私だけではないはずです。
すでにそういうのって第三者なんて言わないでしょう。

いっそのこと、「まったく法律には問題ありません、あるとすればこのような議会・行政を付託した皆さんの責任では
ないでしょうか」ぐらいの開き直りをしてしまったほうがすっきりすると思うのですが。

6/1まで在籍すれば夏のボーナスも100%出るというし、返還するのはいろいろ問題が出るので無理だろう・・・なんて
ドロボーに追い銭みたいなことになっています。

あーあっ、いいご身分だな。 こっちは相当に労働意欲がなくなるわ。


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コラム947 2016年06月08日

地元の業者さえもA

 たった2日しか経っていないのに壁には防水紙が直接貼られていました。屋根が完全に終わったかどうかはネット
が邪魔で確認できませんでした。

現場では大工さんのものと思われるボディーにシートのかかったトラックが一台、もちろん「・・・材木店」のものでは
ないとすぐにわかる「ノー看板」の車です。ボディーの中にはきっと沢山の工具が積まれているはずです。

建築現場において誰がリード役で進められているかはこういう外見を見ると大体わかります。その殆どが「手間請け」
と称して「一棟の賃金がいくら」という決め方をされてその中で作業をしています。これは数多くやっているビルダーも
同じで、いわゆる「現場ごとの請負業務」というかたちです。

先日、ネットニュースで取り上げられていたのがこの請負と称した社会保険逃れです。通常なら作業するのは社員
あるいはパートさんであって会社で福利厚生として社会保険に入っていなければなりません。ところがこの業界は
外注と称して現場ごとに手間賃を決めてよその事業者へ発注したようにします。こうすると自分の社員であれば負担
しなければならない社会保険の費用の半分をカットすることが出来るのです。

作業を任された人(大工さん)はすべてこの中で経費を含むすべての支出を賄うことになります。当然のように健康
保険も全額自腹で市の扱いである国民健康保険に加入していなければなりません。どうも、労災については親会社
が工事用の労災に加入するパターンで多く行なわれているようです。

かくして、現場では朝早くから夜遅くまでなるべく音を出さないように言われながら作業が進められていきます。
本来、この防水紙(防湿シート)は内部・外側とも浮いた形で施工されなければならないのですが、この現場も他と
同じように面材に直付け施工になっています。これでは水どころか湿気も外へは抜けないのです。

万が一、このシートと面材の間に雨が侵入した場合は乾かなくなります。その場合には面材にゆっくりと水がしみ
こんで行き、さらにその内側に発散するのを待つしかありません。防水紙とは外からの水をはじくのには都合が良く
出来ていても中の水を外にも出してはくれないのです。

正しく施工されていないのは単なる「パフォーマンス」でしかありません。その辺のところがどこまで理解されて行な
われているかというと大きな疑問が残ります。


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コラム946 2016年06月07日

地元の業者さえも

 私がちょくちょく近道してくる団地内の一角で売り出した6区画ほどの建築条件ナシの土地ですが、すでに5軒は
売れて家が建ち始めています。そのうちの一区画に地元市内の「材木店と名が付いた」建築業者が建築中です。

材木店というだけあって土台は桧を使っていましたがその寸法までは確認できませんでした(見た目、10.5cmかな)
数日後には建物に面材が張られ防塵ネットがかけられていて詳しく知ることが出来なくなりました。ただ、使われて
いる面材の製造メーカーは確認できました。その製品は(商品名はいえませんが)パルプケイ酸質混入セメント板と
いう言わば鉱物製品でした。

面材はこのように「鉱物系」のほか「木質系」「木屑系」と様々な製品があります。いずれも留める方法はビスか釘
ですが、その殆どはエアガンで打つ釘止め方式です。(ビスよりも圧倒的に早いからですが)

この施工は柱を建てたら屋根が出来ないうちから面材を打ちつけていきます。大体どこの現場を見ていてもその
順序に大きな変化はありません。ちょっと前までの「スジカイ方式」だと仮スジカイを使いながら屋根を作りそれと
同時並行的にスジカイの施工をやったものでした。

面材打ちつけ工法は、最初に基準になる水平の部材をレベルで計測しておいて取り付けます。面材そのものは
きちんとした直角が出ていますから柱を垂直にしておいてエアガンで釘打ちするだけで施工が簡単です。これらの
施工手間はスジカイ方式と比較すると非常に早いものです。
それゆえにこれほどまでに普及してしまったというべきなのですが、忘れ去られているものがあるのも事実です。

今の競争社会では何だかんだと言いながらも受注できなければ「負け」になります。だからどうしても表面上質が
高いと見られるようなもので価格が抑えられるやり方を採用していかざるを得ないことになってきます。
要は行政が認めている中のもので効率が良いものを採用していくということです。

ただし、それは行政が間違いなく信頼に値する長期的にも間違いないというものがあって初めて成立することです。
そこが問題なのです。


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コラム945 2016年06月06日

今月の勉強会

 毎月一度開いている勉強会も今回で240回目(満20年)となりました。96年の12月にスタートし、地震や大雪に
より開催が出来なかったこともありましたが、幸い、自己都合で出来なかったということだけはなく、健康な身体に
生んでくれた親に感謝です。

ということで、今月も昨日6/5に勉強会を行ないました。せっかくの240回なので以前から出演をお願いしておりま
したTさんにも快諾をしていただきましたので、久しぶりの「建て主さんの声」をお届け致しました。
お聞きになられた皆さんの感想はいかがだったでしょうか。

今月の参加は16名、他に茨城朝日と読売タウンの方にも取材をしていただくなど盛況に進めることが出来ました。
皆様のご協力を心より感謝申し上げます。

今月は商工会議所の都合で第一日曜日に開きましたが、来月は通常通り第二日曜日の10日に予定をしております。
どうぞまたお時間の許す方はご参加くださいますようお待ちいたしております。
次回のテーマは「工法の話」です。


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コラム944 2016年06月02日

つかの間の楽しみA

 釣りをやられている方ならお分かりだと思いますが、いつ釣れるかわからないのに糸を垂らしているのなら魚屋
さんへ行ったほうが早いと言われることがあります。無線もこれと同じでインターネットの時代で携帯電話やスマホ
もパソコンも何でもあるのに何で無線なのと言われます。

いまから100年以上前、タイタニック号が沈没した事故がありましたが、あれにはトンツーの無線交信が行なわれて
いて、他の船から氷山の警告が入っていたにもかかわらず、タイタニック号の無線技師がレール岬と交信中に入電
したために、いわゆるかぶせという状態になり、「うるさい、だまれ」と打電したために相手の船の通信士が怒って
その後のコンタクトがとられなかったことで起こった人災みたいな事故だったというのは有名な話です。

そのときにはまだ電離層まで使って交信できていたかどうかはわかりませんが、長点と短点を使ってトンツーを行な
っていたのは事実であります。この単純な音の組み合わせで通信を行なうことを世界遺産に登録しようという動きが
あることをご存知でしょうか。これは日本アマチュア無線連盟というところで動き出しているもので、個人的にはそこ
までやる必要はないと思っているのですがどうなることやらです。

ここで「電離層」という言葉が出てきましたが、この意味はちょっと専門的になり眠気を誘ってしまう人もいると思い
ますので省略いたしますが、この電離層というところで電波が反射し地球(地上・海上)と再反射を繰り返して地球の
裏側まで電波が届くというものです。

この電離層というのがまた面白い働きをする層でいつも同じ状態ではなく昼と夜、季節によってその働きが変わって
くるという不確実の働きをします。これが無線をやっているものにとってはたまらないのです。それは聞こえないより
もいつも聞こえていたほうが通信は出来ますが、太陽の影響などでいつも変化をしているからこそ「未知の空間」で
あるわけで、この辺のことが家族に理解されていない一番の理由でもあります。

そんなわけで、味方を増やすには三番目孫しかいないと考え、これをどうにかだましてトンツーを覚えさせ、末永い
「世界遺産に匹敵する価値ある趣味」を継続することを企んでおります。


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コラム943 2016年06月01日

つかの間の楽しみ

 材木屋という商売をやっているくせに、ちょっとばかり電気に興味を持っていて小さいときからラジオなどをいじる
のが好きでした。それが触手を伸ばしたのか不明ですが、今でも電気には興味があり、特に電波に引き込まれて
います。

おりしも今日は電波の日とかで、TVで貢献のあった人が表彰されているのを見ました。まあそれとは無関係であり
ますが、我が家ではベビーシッターの合間にこの電波を使ったアマチュア無線を楽しんでいます。

すでに二年近く孫たちを面倒見ているので、特に寝起きを共にしている三番目の孫などは我がもの顔で私の無線機
をいじくりまわします。もちろん、いじられても電波が出ないようにしてありますが。

無線も二通りの楽しみ方があって、SSBという音声で交信するもの、CWといってトンツーでするものがあります。
他にもパソコンを併用して交信したり、特殊な設備でデジタル信号の交信をしたりと多種多様な世界です。
また、持っている資格によって出られる周波数帯出られないところがあったりします。

これらの中で私はCW(トンツー)のほうを楽しんでいますが、これがなかなかのボケ防止になります。

なぜこの方法だったかというと、音声と言うのは資格を持っているいないに関係なく言葉だから理解できます。
でも、トンツーの場合は何を話している(打っている)のかわかりません。だから「ばかねえ、そんな下らないこと
しゃべって何になるの」と言われないのです。

そう、私の家族はまったくアマチュア無線に理解がないのです。

以前は、子供たちが巣立ってしまって夫婦二人だけでしたから「敵」は一人だったわけです。ところがそこへ四人も
増えたため、息子が敵陣に加わってしまいました。
「庭先の電柱はいつ倒すの」とか「台風なんかで近所に迷惑かけたらどうすんの」とかうるさいのなんのって・・・。

それでもめげず、家族のひんしゅくを買いながらイヤホンを耳にさし、電鍵をトントンやっております。
もし、ご理解のある方がいらっしゃいましたら援護をよろしくお願い致します。


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コラム942 2016年05月31日

異様な数のカラス

 人間の世界は人口減で空き家が増えているというのに、カラスの世界はますます勢力を伸ばしてきている感じが
します。近所の山林にもいつの間にか数え切れないほどの招かれざる客人が増えてきてしまいました。

近所の電線にはうるさいほどの数の列ができており、製材工場の屋根の内側の鉄骨の梁にもいつの間にか常駐
する始末。セキレイやツバメの巣もあっという間に見つけられ二次被害を被っています。しかし、何とかせねばと思い
ながらもこれといった対策が打ち出せず困っています。

以前、倉庫に野良猫が侵入してウンチをされ困ったことがありました。このときはネズミ捕りのちょっと大き目のネコ
獲り箱をつくり、捕獲したら遠方においてくることを繰り返しました。さすが、ネコは帰ってくることはなく、次第にその
必要はなくなりました。ウンチも困りものですが、カラスも一羽二羽ならまだ許せるとしても大群となると不気味という
より恐怖に近くなってきます。

羽目材のカットサンプルを手裏剣のように投げつけ追っ払ってやるのですが、忘れたころにはまた同じです。
そこでハト小屋の原理の「入れても出られない」工夫をした小屋を造って捕獲作戦をやることにしました。

捕まえたら生きたまま吊り下げて見せしめにするつもりです。(捕まるかどうか分かりませんが・・・)
材木は売るほどありますから心配ありません。


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コラム941 2016年05月30日

桁が違う

 いまはネット情報が手軽に見られるので世界の大きなニュースは簡単に見られます。それによりますと韓国の大手
造船会社「STX造船海洋」の法定管理(会社更生法にあたる)が申請されたと出ていました。その金額6兆ウォン、
日本円にすると5400億円、これが金融債務だけだというのですから全体はもっと大きいでしょう。

世界の流れで見てみると昔は日本が先行していた受注が(国策もあって)韓国が上回るようになり、そして今は中国
が国の支援を受けて王者になっています。その中国も構造的な危機が迫ってきており、安泰ではなくなってきていま
す。

一度膨れ上がった事業体は経済の縮小という波に対応しずらくなっていき、大きいがゆえに小回りが効かない体質
になってしまい、このような事態になるというパターンを踏んでしまうという韓国版です。
このほか、取引債務をくわえると8000億円を超えるかもしれません。

国が支援するということは実力以上のことが出来てしまうので良い事ではないという見本かもしれません。
次は中国の番ですが韓国よりももっと国営に近い事業形態なので抱えている爆弾は大きいはずです。


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コラム940 2016年05月28日

雨の日の発電量は

 ご近所の(ビジネスとしてやっている)太陽光発電設備ができて半年以上が経ちます。冬の間は南西の角付近が
その南側にある山林の影響で日陰になっていましたが、お彼岸以降はそれも解消してフル活動しているようです。

とはいっても、曇りや雨の日は日光があたらないため、開店休業状態になります。それでも真っ暗闇ではないです
から、多少は発電しているものと思います。はたしてそれはどれ位なのか、昨日ちょうど電気保安協会の人が定期
点検に来ましたので聞いてみました。

さすが専門のプロ知識を持っている人なので掛け値なしの話が聞けます。
「ずばり、今日ならピークの5,6%かな」
と言っていました。

「えっ、10〜15%は発電しているって聞いていたけど」
「いやいや、こんな天気ならそんなもんですよ」
「それより高調波のことが気になっていたから計測しておきました」

「せっかくの雨の日だから、どれ位こういう日だと出ていないかを記録しておくと晴れた日との比較が出来ますから」
「ほかでもこの高調波ではいろいろトラブルを起こしているところがあります」
「特に中国製の製品は多いです」
「ここはまだ国産品だから良いと思いますけどそれでもゼロではないですから」

一般の人には耳慣れない言葉の「高調波」ですが、これは太陽光発電が電気を起こすと言ってもそのタイプが
直流ですから電池と同じわけで、電線に来ている電気は交流なので直結するわけには行きません。
そのためには発電規模に応じた変換器が必要なのですが、これがその厄介な高調波を出してしまいます。

これを防ぐには高調波の持っている波形とまったく逆のものをまぜてやり打ち消してしまうことです。それには正確に
逆波形を作れる装置が必要になってきます。この装置が結構高いということです。だから、安価な中国製などは
この辺のところをきちんとしないで売りに出してしまいあとからトラブルになってしまうんですね。

安いものには何でも裏があるということです。


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コラム939 2016年05月27日

日本でもっともセコイのは

 燃費ごまかしで社長辞任までいっている三菱自動車をはじめ、イエローカード的なスズキまで話題には事欠かない
昨今ですが、何といっても日本一セコイのは都知事でしょうね。

お正月の休みに誰と政治の研究をするのか、回転寿司で誰と話し合いをするのか、スイートルームで誰に失礼に
ならないように振舞うのか、店主が「来たことなんてない」と言っている、一杯400円コーヒー代で18,000円も(使う)
支払うような政治活動って何なの? 子供の服や美術品がどこで政治とつながるの? クレヨンしんちゃんがどこで
政治に関係あるの? 自分で指名する「第三者」ってどんなお仲間?

聞けば聞くほどあきれて「開いた口がふさがらない」とはこのことです。

自分の家を事務所として使わせ家賃を44万円もいただいていたなんて私もやりたい! 
もう孫なんか二段ベッドに押し込んでも一部屋空けちゃうから 誰か舛添さんの事務所電話番号教えて!!

先日のマイクロソフトも悪質だと思ったけど、これで特捜が動かなかったら日本は終わりかな。


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コラム938 2016年05月26日

ネットも本もセコイ

 いまやどんな手を使っても客をつかんだほうが勝ちという時代になってしまいました。先日、ネットでニュース検索
をしていると、(やほおーとか日本読みするところですが)トピックス欄のずっとしたにそれ以外の様々なニュースが
掲載されているのですが、その中にCMを巧みに紛れ込ませてクリックさせようとしているところがあるのです。

そのサムネイルには純日本建築の一部と見られる写真が載っていて、コメントがこれまた魅力的な坪20万円、40
万円で出来ると書いてあり、一体どんなものなのかなと見入っていました。その中身は8割がローコストビルダー。
まあその日本建築の写真を見せて客を引き込んだからといって誇大広告にはならないのだろうけれど、やることが
セコイ。「お客さん、お客さん、3,000円ぽっきりでどうですか」という、アレと同じです。

Webの世界も広告で身を立てていかなければならないのはわかりますが、もうすこしマシな誘い方はないのかな
と思いますね。

そうかと思えば、住宅本(チンチロリンに似た発音をするところ)は直接郵便で広告掲載申し込みを送りつけてきて
2ページで80万円、4ページなら100万円、6ページなら120万円でどうですか・・です。
二回目からは特別割引で半額ですとか、紳士服のAOKIみたいなことを言っています。

他の住宅会社はそういう中でCMを出しているのかと思うと、この本で業者と巡り会えて建てましたという建て主さん
が気の毒でなりません。


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コラム937 2016年05月25日

えっ、何の行列・・

 最近の学校って運動会は5月にやるんですねえ。私のところから直線で100mくらいしか離れていないところに
今度、孫が入学した小学校があります。

こちらの都合もあり、学童保育とやらにお願いしてあり、夕方4時ころに迎えに行くようにしているのですが、金曜日、
運動会前日のこと、いつも通って行く東側の門が何本ものテープでふさがれていて、お姉さん以上おばあさん以下
の人達がそこに立っていて「ここは通れません」と言われてしまいました。

「私は学童の迎えでいつもここを通っているのですけど、それもだめなんですか」というと、「はい、今日は通れま
せん」「あちらの正門からお願いします」と言われてしまいました。

この学校は北側に正門があり、その東側と西側にステンレスポールに鎖が通った臨時門があります。普段は鎖が
張ってあって工事車両や行事のあるときだけ解放になります。その鎖のちょっとした隙間から出入りしていたの
ですが、5人もに同じように口を揃えて言われては無視するわけにも行かず、しぶしぶ正門へ、でも何か変。

このちょっと先から何やら行列が出来ているのです。おかしいな、行列のできるラーメン屋があるわけではないし、
その数が異様に多いのです。しかも並んでいる人は男性も多くみんな若くてシートのようなものを抱えている・・・。

「そうか、運動会の場所とりか」と納得ができました。しかし、その数たるやものすごい人数。学校の敷地の周囲長さ
は一辺が約100mほど、北側正門はほぼ真ん中にありますからその先頭からの距離は何と80m以上並んでいる
ことになります。そして正門近くまで行ってなお驚いたのが、その列が西側にも出来ていたこと。

その並んでいる人たちはみんなお知り合いなのか、ぺちゃくちゃがやがやとてもにぎやか。その脇を通り抜けて
学童保育の建物に近づき孫を引き取って帰ってきましたが、はたして先頭の人はいつから並び始まったのか・・・。
孫もその異様さに不安になったのか私の手を握り締めて「じいちゃん、あの人たちは何の御用でいっぱい並んで
いるの」と聞きます。

「う〜ん、ヒマだから・・」ともいえず、「明日の運動会の場所取りだよ」というと「お仕事はしなくていいの」と聞き返し
ます。今日は金曜日、子供のほうがずっと鋭い!


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コラム936 2016年05月23日

サルも木から

 周辺の畑では特産の干しイモの苗の植え付けが行なわれています。空にはツバメが忙しくエサ取り飛行を行なっ
ています。この鳥は飛びながら虫を捕獲するというのですから運動能力は抜群のものがあると思います。

それでもお天気により虫の飛んでいる高さが違うのか高く飛んだり低かったりとさまざまです。日によっては人間の
腰の高さぐらいに飛んでいるときもあり、そうなるといろんな障害物があるわけですから高度な飛行技術が求めら
れると思います。

早く飛べば飛ぶほど瞬間的な障害物にも出くわすでしょうし、その限界がどのくらいのものなのかも興味があるとこ
ろでしたが、そんなことを思っていたらご臨終になっているツバメを見つけました。会社の出入り口脇のコンクリート
製の門の足元にすでに息絶えていました。どうも車と衝突したようです。

事務所前の道路はバイパスが出来たお蔭で一時期よりよりは交通量が減りましたが、それでもかなりの車が通り
ます。制限速度は40km/hですぐ先に信号もあるために飛ばしていく車は少ないですが、ツバメの飛行速度もあり
仮に事務所側から飛び出されたら南側は視界が広がっていますからツバメのほうで分かりますが、北側から来る
車はまったく見えませんから避けられないと思います。たぶん、このツバメもそのケースだったと推測できます。

かくして、遠い南の国から飛んできたツバメもあえない一生を終えることになってしまいました。合掌。


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コラム935 2016年05月20日

消化不良で

 最近の建設業界、特に型枠の業種は、これまでに業界規模が三分の1あるいは四分の1に縮小したことで、その
処理能力がグンと低くなってきています。これによって地震災害などで緊急的に行なわなければならない作業など
で消化不良が起きてしまうという現象がみられるようになり、最近では通常の発注工事の入札にも応札がないなど
行政でも近年にない現象だと困惑しています。

産業の空洞化で国内事業者はすべての分野で規模縮小がみられます。それは海外に生産拠点を移したから製造
部門ばかりということではなく、次第に連鎖が建築業界にもめぐってきています。

それは作業をする人ばかりではなく、資材を納入している人も関係してきます。現場がこなせる量というものが正常
であれば、資材の供給に変化があれば敏感に上下する傾向が過去にはみられましたが、最近では資材が上がり
下がりしても捌ける量は変わらないということから昔のように乱高下がなくなりました。

昔は現場が動いているとちょっと先を見て買っておくかとかの「仮需」が生まれましたが、いまはそういった考えを
する人はほとんどなく、むしろ為替で上下することのほうが多くなりました。

今回の消費税増税もタイミングが悪いのか見送り気分が大きくなっているようでどうも先が見えてきません。大手
Hメーカーも相当にお客さんを煽っていたようですがそのような原因で資材費があがることは言われているほどは
ないと思っています。ただ、石油系原料の資材は確実にあがってきており、その手の資材を使う比率の大きい業者
ほどコストは上昇しています。


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コラム934 2016年05月19日

余計なお世話A

 ここ数年、従来の「メールと電話だけ」の携帯等はガラケイと呼ばれているようでITの世界ではもはや化石に近い
存在になっているようです。そういわれれば、電車に乗ったときなど、回りを見ても昔のように「俺は携帯を持って
いるんだ」とばかり大声でしゃべっているアホはいなくなり、指をすっすっと横に動かしている人ばかりになりました。

正直言って、スマホとiphoneの違いが何なのかわかっていませんから自分自身が化石みたいなものです。
PCを使ってのFacebookがせいぜいで、LINEとかTwitterなんとかになるともういけません。

世の中ではスマホ全盛のような感じになっているみたいで、おおもとのディスクトップPCはどこも頭打ちで、むしろ
シェアはどんどん下降していると聞きます。たしかにオフィスでも場所をとらないノート型が主になっていますし、無線
LANはどこでも使えるようになってくれば固定的なディスクトップ型は敬遠されると思います。

くわえて、タブレットやスマホなるものが出てくるとますます従来の型は少なくなっていきます。

世の中、売上が減ってくると、あるいは他社競争に負けそうになると、データをごまかしたり今回のように勝手に
OSを変えてしまったりと、あとから避難されるような姑息な手段に出るところがあります。

燃費ごまかしで社運が傾いてしまった三菱も日産に吸収されるようで、真の被害者は消費者ばかりではなく社員・
工員の家族・下請けの業者にまで及んでいます。

やることは一時しのぎでその後に大きなツケが来るとわかっていてもやってしまう・・・、この体質は何なのか。
マイクロソフトもこのことがわかってやっていたのか。あまりにも幼稚なグレードアップ事件でした。

次はマックにしようかな。


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コラム933 2016年05月18日

余計なお世話

 最近のパソコンは頭が良く出来ているようで、勝手に自動更新をしてしまうので迷惑なことがあります。これはXP
で動かしているのですが、主にネットを見るのはWindows7を使っています。

昨日(17日)にHPのアップをして正しく更新されているかどうか見ていたら、急に画面が止まってWin10に作業が
開始されてしまいました。あららっ、どうしたことかと思ってもどこをどうやって止めればいいのかわからず、まごまご
しているうちにOSが10になってしまいました。

PCに明るい守谷の方に電話してみると、
「それは数日前に予告があったはずで、それを拒否しておかないと自動で更新されてしまうらしい」と言うことが
わかりました。
くわえて、「1ヵ月以内に処理すればもとのOSに戻るけどそれを過ぎると10を使い続けるようになってしまう」とも。
「えっ、そんな話しは初めて聞きます」「いつものアップグレードのお勧め画面だと思って×印を押して消してました」
どうもこれで真相が判明してきました。

いつも出てくる「余計なお世話」の画面の中に、日にち指定で17日にWin10に自動アップされてしまうように書か
れていたようでした。

もともと、その気もなかったので半ば無意識に右上の×マークをクリックしていましたが、それだけだと正式に断った
ことにはならないように仕組まれていたようです。どこまでもマイクロソフトの汚い根性が見えてきます。

幸い、スマホを持った人が来社し、困っていることを話したら検索してくれて、戻し方を探してくれました。
Win10になった画面からスタートメニュー「設定」をクリックし、設定の更新とセキュリティー→回復→Win7に
戻す→・・・とやって何とかもとの7に戻ることが出来ました。

この騒ぎのお蔭で午前中パソコンと格闘してしまいました。
もともと10にはするつもりもなかったのですが、いざこんなアクシデント状態になると無知の私はお手上げ状態です。
Win10では今のセキュリティーは使えないと宣伝されていましたからまったくアップする気はなかったのです。
それにWin10だと動かなくなってしまうアプリもあると思ったのでなおさらでした。

こんなこちらのミスとはいえないような騙しに近い仕組みにしてアップ画面を送ってきたMSは批判されて当然でしょ
う。


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コラム932 2016年05月17日

苦手な食べ物

 誰しも苦手な食べ物はあると思いますが、同居している孫たちは野菜が特に苦手なようです。これは完全に親が
嫌いだったから子供にも食べさせなかったというのが理由みたいです。というのも、三番目の孫は生後4ヶ月で私ら
と同居しましたから、離乳食以来、ジジババの食べるもの何でも食べさせましたので親の好き嫌いはまったく影響せ
ずに育っているからです。

上、二人は相変わらず野菜嫌い、「食べなさい」と言われるから口には入れますが、いつまで経っても飲み込みませ
ん。最後はいつもお茶(麦茶)で流し込むようにしているようです。一方、三番目はといえば、梅干、もずく、らっきょ・・
なども難なく食べます。特に好きなのは味噌汁、こうなると日本人そのもの。ただし、辛いものはまだ食べさせていま
せん。ほか、うえの兄弟が食べているものはすべて同じように要求してきます。

三番目も4月から保育園に行き始めたので、今までのようにお腹が空いたときにはいつでも台所に来て「んま、んま」
といって食べ物を要求していたのができなくなってしまったので、帰ってきてからのオヤツがとても待ち遠しくて仕方
ないらしく今まで以上にがぶりついています。

家内曰く
「自分の子供はこんなに食べる子はいなかった」とあきれています。

昔、亡くなったうちの親父が言っていました。
「食べ物は何ぼ食べても医者へ行くよりは安い」ってね。


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コラム931 2016年05月16日

段々出来なくなるもの

 高齢化が叫ばれているのは日本だけではないはずなのですが、それはさておき、マンション以外の戸建て住宅に
おいてはどこの家庭でも抱えているのが植木だと思います。

目に優しい緑を与えてくれ心が安らぐのは良いのですが、植物ゆえにどんどん成長していくので手入れが必要にな
ってきます。人間に背丈くらいならまだ良いのですが、脚立を使うから、さらに植木ハシゴを必要とするようになって
くると、作業が大ごとになってきて、町中だとその枝葉の処理にも苦労しだします。

まだ自分たちだけが目の保養にと楽しんでいるうちは良いのですが、これが世代交代で子供の時代になると同じ
ように考えているかというと一致しません。「そんなものは一切必要ない」と言われてしまうかもしれません。また、
我々は小さいときから草取りを当たり前のように手作業でやってきましたが、今の子供は親が学校にまで行って
奉仕作業をやると聞いています。

当の子供たちは何をしているのかと思いますが、そんな子供たちが親になって果たして我々と同じように草取り・
植木の手入れなどをやるかと考えたら「ノー」だと思います。そうなると、現在の植木はただの厄介物。
とくにうちの場合を考えると100%やらないと思います。

行く末は「人が住んでいるのにオバケ屋敷みたい」となるのは簡単に想像できることで、そうなると今の内に手を
打っておくべきかなと考えてしまいます。そうなると一番先にやっておくべきことは大きな植木を撤去すること。
「これは私たちの記念樹だから・・」とかの感情は一切抜きにしてかからないとまとまりがつかなくなってしまいます。

「とにかく、大きなものは処分する」ということが優先で行なう必要があります。

我が家でも数年前からカリン、梅、山茶花、ハクレン、ハナミズキ・・と処分してきました。昨日はいよいよヒバの木も
切りました。全部で十数本あるのですが一度には無理なのでまず2本だけ。フェンスをかけるのに邪魔になるトゲの
ないバラと山茶花も処理しました。当分の間見通しが良すぎますが、慣れればどうってことありません。

また来週にも農水省地域保全課の局長から命令が出ていますので自分の趣味はお預けです。


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コラム930 2016年05月13日

分別のない大人

 東京都知事になった舛添氏は政治学者と聞いていました。以前テレビで見たときも話すことが自信を持っている
ようで素人目には好感が持てると思っていました。しかし、実際に権力を握る立場になってしまうとやることが違う
ようです。

鳥取の平井知事は東京都を大企業、自分の所を中小企業と評し、「やはり、大企業のトップは違いますね」と皮肉
を言っています。

何をやるにしても自腹でやるなら文句も言われませんから、批判されたくなかったら自費でやればいいものを、なま
じっか平民は納得できないような「間違ってはいない」などというものだから余計に油を注いでしまっています。

私らは中小企業以下の零細ですからそんなことをやっていたら自分の身が即危なくなってしまいます。今回の秋田
行きだってトラックを自分で運転し荷物も積んでいかに経費をかけないで戻ってくるかと考えているのです。
運送業者に頼めば身体は楽ですが仕入れコストを押し上げてしまいます。零細の会社なんてそれが当たり前の方
法です。

食事なんて家にいたって外にいたって食べなくてはいけないものは自費で当然です。ただ、宿泊などの費用は家に
いればかからないものですから出張の費用として計上します。公金を扱うものならこれ以上の厳しい自己規律があ
ってしかるべきなのに大人としても恥ずかしい限りです。

他の地方の知事さんのコメントもたくさん載せてほしいですね。


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コラム929 2016年05月12日

二年ぶりの秋田A

 以前、秋田へ行くときはいろいろなコースを使っていました。なかでも一番遠いと感じたコースは6号から4号へ
そして盛岡から秋田へ抜けるR46の山越えコースでした。次はちょっと下の北上から横手へ抜けるR107のコース。
どちらも550kmはある乗り甲斐のある距離でした。

いまでは迷うことなく里美・須賀川・福島・栗子・米沢・・13号北上のコースです。新庄からは7号線日本海まわりか
そのまま13号を走り続けるかそのときの状況で決めていますが、今は13号も狭い所はほとんどなくなり、走りやす
くなっています。ベテランの運転手さんに聞いても秋田と茨城の行き来は殆どがこのコースをとるそうでなるほどと
思います。

以前の里美349号の山越えは茨城・福島の両側で道路が狭く一台しか通れないようなところが数箇所あって、荷物
を積んだトラックは停止・発進が苦手なのでイヤだなと思って118号を走ったこともありました。しかし、大子付近も
道路がくねくね曲がっていて距離に相当無駄が出ます。今は里美349号がそういったところは殆ど拡張されてほぼ
直線に近い走りが出来るので殆どこちらのコースを利用しています。

全行程を高速利用で行っても、ドラプラ表示では6時間かかると書いてあります。これは紙の上での計算ですから
たとえ乗用車で行ったとしても8〜9時間はかかると思います。トラックで荷物満載でこの距離を走ったらタイヤが
悲鳴をあげてしまいます。少し時間はかかりますが安全に走れるのはやはり一般道ではないかと思っています。

一般道を使って行っていいなと思うのは周囲の景色を見ながら走れることです。13号なら里の新緑と遠い山の雪を
見ながらの運転、7号利用なら最上川の絶景と船くだり、日本海側のきれいな海岸線ですね。
高速ではこうは行きません。

いつも泊まる象潟の宿は、建物は古いのですが夕食がとてもよく、その日にとれた魚を丸ごと一匹煮魚にして出して
くれます。私は刺身は嫌いではないのですがこの煮魚だけは別格で何度食べてもうまいと思います。これがビジネス
料金で味わえるのですからたまりません。
秋田ではお酒が本場みたいな感じがしますが、まったくの下戸である私には殆ど興味はなく、ついついこっちに目が
行ってしまいます。

こんなことばかり書いているときちんと仕事はしているのかと思われてしまいますが、それはそれでちゃんとこなして
おります。ハイ


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コラム928 2016年05月11日

二年ぶりの秋田

 今年の連休は5/2が谷間となり前後に3連休が並びました。ちょうどこの谷間が(息子の会社が連続休みで)木材
市場のほうは営業日にあたっていましたので、孫の面倒も任せられると思い、出かけていくことに予定していました。

大阪から孫たちを受け入れてほぼ二年、秋田への仕入れも電話でお願いして送ってもらっていましたが、久々に
自分でトラックを運転して行って来ました。

片道500km以上はあるので日帰りは無理ですので、2日の日程で行くことにしています。今回は5/1(日)に出発し
秋田の比較的南に位置する象潟(きさかた)というところに泊まり、翌2日(月)に木材市場に入りました。

東北は車の量も信号もこちらから比べるとずっと少なく高速道路を走る意味があまり感じられません。大概は一部
だけ高速を利用しますが今回はすべて一般道路利用でした。(本当の理由はただケチなだけなのですが)

2t車平ボディーで積める量は金額にしてせいぜい50万円程度のものです。ディーゼルの軽油は往復でも1万円位、
しかし、往復高速を使うとこのほかに2万円がかかります。とても零細な会社ではこの費用が仕入れコストに響いて
しまいます。

それに乗用車と違って120〜130kmとスピードが出るわけではないのでどんどん追い抜かれていってしまいます。
もう一つはこちらから秋田へ全コース高速で行くとなると常磐道・東北道・秋田道と長い距離を走ることになり、約
40kmくらい走行距離が延びてしまいます。

そんな理由からあまり高速を使わないのですが、逆に一般道のほうがゆっくりと運転できて周りの景色などもちら
ちら眺めたりも出来るので都合がよいのです。

今回見応えがあったのは福島のハナミズキでした。茨城の里美を通って東館から須賀川へ、4号で北上し福島へ、
市内に入ったら間もなく西通りに入り栗子方面へ向かいます。この西通りのハナミズキが見事でした。

私の家にもこの木はありましたが、いつも2、3輪しか花をつけませんでした。この木はそんなものだと思っていまし
たので、その花の咲き具合にはちょっと驚きました。ひたちなか市の昭和通に植えてあるこの木でもさほどではあり
ませんでしたから見とれてしまいましたね。

さくらは終わってしまいましたが、これだけで充分な花見が出来てしまいました。


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コラム927 2016年05月10日

変わらない気候環境なのに

 近年の住宅の特徴は実にデザイン重視が先行しているように思えます。屋根の軒が小さいか全く出ていないもの
まで、そして地震からの教訓で軽量化優先なのか金属屋根が目立ちます。その傾斜もゆるいものでほぼ平らに見
えるものもあります。窓は小さく縦長のものがいくつも並んでいます。

これらは殆どが設計士主導で進められている現場が多いことです。いわゆる「デザイナーズハウス」とか言われて
いるものです。中の間取りまでは分かりませんが、建て主さんの意見がどこまで取り入れられて建てられたのか、
外観を見ればその一連の流れは大体想像できます。

住宅は家族がそこで実際に生活するにあたり、全員が支障なく不満なく暮らせることが必要です。どこかの格好良
い旅館か別荘で数日だけ過ごすのとはわけが違い、転居か解体するまで住み続けるものです。通勤・買物・洗濯・
布団干し・季節物の入れ替え、雨の連続日・強風の日・蒸し暑い日など実際に起こる天候などもしっかりと考慮され
対応できるものになっていなければなりません。

それらがほぼ満足できたうえでデザインが良いというのなら納得できるのですが、現実はいささか違うようです。
彼ら(彼女ら)のデザインする住宅というのは確かに目を引くような斬新さを感じます。しかし、そのことと現実の生活
を重ね合わせて「住みよい家か」という観点から見れば一致しないものが多いと思います。

1 金属屋根は熱を溜め込むので夏に暑い
2 屋根(軒)が出ていないのは壁がいつも濡れやすく乾きにくい
3 窓が小さいのは風が通り抜けにくい 小庇がないのでちょっとした雨でも吹き込んでしまう

何かというと「コストをかけずデザインを良く」と言いたいのでしょうけれど、暑さ対策が余分に必要だし、将来のメン
テナンスが早まり再塗装費用が予想以上にかかります。その上、空気の流通が悪いということはカビの発生率が
高く、それを防ぐには除湿や換気を機械的に行なわなければならないといった不都合が次々と出てきます。

ただし、上記のような家を作ったとしても法律には違反したことにはならないので、住んでみて後から不満が出ても
施工者に文句を言うことは出来ません。使用部材を偽ったわけでもないし、確認申請・建築基準に違反したわけで
もないからです。そこに住む人はただただガマンして住み続けなければなりません。

日差しがガンガンで雨が降らない地区なら屋根は平らでも構わないし窓は小さいほうがいいです。
しょっちゅう雨が降る所では床が高く湿気から遠ざかる設計が優先です。
雪が沢山降る地方では基礎を高く作り雪を落とす方向と落ちた雪をどう除くかを考えた設計が優先です。

この日本では何が必要なのか、良く考えてみれば「省いてしまってはいけないもの」が見えてきます。


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コラム926 2016年05月09日

5月の勉強会

 昔は「5月なんとかの別れ霜」とか言われましたが、いまは霜の心配どころか半そでを引っ張り出すような暑い日
が多くなりました。

さて、今月も予定通り5月の勉強会を開きました。参加者は21名、定員を上回り予備イスまで使って聞いていただき
ました。窮屈な中、長時間お聞きいただきありがとうございました。また、会終了後は現在進行中の市内の現場を
見学させていただきました。

次回はいよいよ「240回目」となりますので、いつもの予定を変更して、久々に「建て主さんの声」をお送りしようと
思います。ゲストに2003年に建築され現在13年目のTさんが出席してくださることになっています。この方には
2008年にも一度出ていただいておりますので、その後の生活感などをお聞きできると思いますのでお楽しみに。

何だかんだと言いながらも20年、一部の下馬評では3回で消滅するだろうと言われていました。しかしそうはなりま
せんでした。3.11震災で一度だけ休んだ以外、毎月一回づつコツコツと開いてきましたから満二十年間やってきた
ことになります。

この間、参加してこられる方の数もさまざまで、スタートしてちょうど一年目の時には5人というときがありました。
あるときは38名もの参加があり、声も届かない・サンプルもなかなか回らないなどのお叱りを受けたこともありまし
た。今回の参加も加算すると延べ4,612名となりましたので、平均すれば毎回20人弱の方がお聞きくださったことに
なります。

今後も健康で身体がもつ限りは続行していきたいと思っていますのでどうぞよろしくお願い致します。


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コラム925 2016年04月28日

近所のコンビニ

 便利なという意味のコンビニエンスストアですが、組織運営はFC(フランチャイズ)形式をとっているところが多いようで
近所のセブンも本部指導がかなりきついのか、当初のオーナーはスタートして何年か経ったら夫婦は離婚して、
子供たちは荒れるようになってしまいました。

ちょうど私の娘とこの家族の二番目の男の子が同じクラスだったので聞いてみたことがあるのですが、娘いわく
「あぁ、あいつは不良だから・・」とすぐ返事が返ってきました。

でも、その店は場所が良いのか結構売上が多いらしく周りの人たちも便利に利用していました。そのお店が先月
突然に敷地に解体用のパイプが組まれ建物が取り壊されました。とりたてて震災時に大きなダメージを受けたわけ
でもなくお客さんが急に減ったわけでもないのにおかしいことだなと思っていました。

こちらとしてもオーナー事情を知っているだけに、20年近くやって、当時子供だった娘の同級生も社会人になった
ことだし、廃業するかどこかへ転居するのだと思っていました。ところがすぐに地盤調査らしきものが始まって基礎
地盤改良工事が行なわれ、その後には同じセブンらしき店が作られているではありませんか。

ただ、見たところ、以前のようにお店の右側に2F部分があり家族が生活していた居住スペースはなく、誰も住まな
い純粋なお店のスタイルをしています。昨日この前を通ったときには駐車場部分の舗装工事をやっていましたので、
間もなく開店するものと思いますが、まだ使えそうな建物を壊して新しいものにする意味はどれだけあるのか私には
理解できません。

私たちが便利に利用しているコンビニも裏側では3K以上にきつい仕事だと言われます。そこへもってきてFC本部
の教育的指導が半端ではなく、自分たちの思うような商品は勝手に売れない、日売り80万円を超えると無断で近く
に同じ店を建てられてしまう、期限切れ近い商品の管理が思うようにできない等。

大きな看板をつけている割には本部の言うとおりに動かないとボディーブローのような圧力をかけられるなど、
オーナーの負担は想像を絶するものがあるといいます。
こうなると、オーナーとは名ばかりで徳川幕府の支配下にあった外様大名みたいな感じさえします。

仕事って家族が幸せになれるようにしていかなければいけないものだと思うのですがFCトップにはビジネスでしか
ないのですね。

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コラム924 2016年04月27日

何をいまさら

 東京オリンピックのエンブレムが予告通りのものに決まりました。傍(はた)から見ていると笑ってしまいそうになる
のですが、やることが見え見えでもうちょっと大人の選定のようにできなかったのかと思います。

一昔、当ひたちなか市が旧勝田市と那珂湊市と合併するときに新市名と市のマークを募集しました。その時だって
まわりの殆どの人がひらがなでひたちなか市なんて日立市と那珂町が一緒になったような感じでイヤだと言って
いたのに一番不人気の名前に決まってしまいました。

アンケートを実施した記憶もありますがそんなものは形式で、きっと裏側では一部の人間だけで決めてしまっていた
のでしょう。おかげで小学生の町みたいな名前ですねなんて冗談を言われたこともあります。

ちなみに
ひたちなか市にあるのに流通港湾は「常陸那珂港」、ネモフィラで名が知れている公園は「ひたち海浜公園」、
葬儀・火葬場は「常陸海浜広域斎場」ですからほとんどの市民は使い分けが出来ていないと思います。
私なんて人口10万の勝田市と4万の那珂湊市の合併は「勝田市」になると思ってましたから。

行政のやることなんてこんなものかと思っていますから、このエンブレムだって裏側で何をやっていたのか大差ない
と思いますね。暗いモノトーンがひとつ、他は全部明るいアピールどの高い柄、素人目には後者でしたね。
「どうせやるならもっとうまく立ち回れよ」と言いたいのは私だけではないと思います。


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コラム923 2016年04月26日

東京は人が多い

 何年かぶりで東京へ行く用事があり電車に乗りました。何と最近の特急は自由席がないんですね。東京駅まで
乗り入れが出来て新幹線に乗るには便利になったという話しはちょっと前に聞いたのですが、すべてが指定席に
なっているとは分かりませんでした。

東海道新幹線でも3両くらいは自由席があったと思います。でも、常磐線はありません。この差は何なのか・・・。
まあ、JRだって民間の企業だから利益が出るように考えるのでしょうけれども、ここまでの変化はちょっと受け入れ
がたい思いです。

普通電車が少なくなって特急が増えたことも事実ですね。たしか、昔は1時間に一本くらいしか特急って走っていな
かったと思いますが今の時刻表を見ると二本は走っています。上り下りとも上野間を乗ろうとすると確かに少ないと
感じます。まったくなくなれば文句も出るのでしょうが、やや少なくなったというレベルで運行すれば「まあ仕方ない、
特急で行くか」となるのを狙っているような心理作戦みたいに感じます。

それと、列車の重量が軽くなったと感じました。昔の感覚でいくとどっしりとしたものがレールに乗って揺れていると
言う感じでしたが、今では何か揺れ方が違うんですね、車両そのものが軽くて「軽いものが揺れている」という感じ
を受けるのです。どのくらい軽いのかと言われても困るのですが体感が違うのです。

諸々の用が済んで電車移動で感じたのが、乗客の殆どがスマホをいじって「個の世界」に入っていることでした。
私は電車の中というよりは人を観察するのが好きなので、じろじろは見ませんがさりげなく何をしているのかを見て
いると、5人の内4人は指をすっすっとやっていますね。逆に少なくなったのが本を読んでいる人でしょうか。

土曜日でしたから通勤地獄のような混雑はありませんでしたが、それにしても東京は人が多いところです。
久しぶりの田舎者には人疲れしました。


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コラム922 2016年04月22日

知らなさ過ぎ

 毎月20日は問屋さんへの支払日になっています。最近はネットバンキングが多くなってきたと聞きますが、あれは
電子の世界で信用できませんので、小切手か現金で支払うようにしています。(もちろん、振込みもありますが)

現金はそのときに確認して金額が間違っていないかどうかを受け取る人も数えていきますが、小切手はチェック
ライターで打刻して銀行印を押します。このとき金額ばかりに気をとられていてカンマを入れ忘れてしまうことがあり
ます。今回もこのミスをやってしまいました。別に金額を間違ったわけではないので小切手そのものが無効では
ないのですが、どうも間が抜けているというか形が落ち着きません。

集金の人にもそのことはお話しして持って行ってもらったのですが、昨日該当小切手の金融機関から電話があって
小切手を差し替えて欲しいと言われたのです。金額が間違っているわけでもないのにそう言い続けるのです。

「金額が間違っていないのだからそのまま通用するはずだ」と言っても「お手数でもお願いします」と言い方は丁寧
だけど、ゆずらないのです。しまいにちょっと頭にきて
「それが無効なのか」「だめなら差し替えるけど、金額が間違っていないのだからその小切手は有効なはずだ」
「法的に間違っていないのだから差し替える必要はないだろう」「それでも差し替えろと言うのか」と言いました。

相手はしばらく黙ってしまい、すると、「ちょっとお待ち下さい、確認いたします」だって。

数分後、「それではこのままお支払いしておきますので、次回ご来店のときにカンマを記入していただけますか」と
まだしつこく言っていました。別にその必要もないのですがよほど上司からきちんとした書類にしろと言われている
のでしょう。こちらもあきれて「はいはい、わかりましたよ」と生返事をしておきました。

こちらも、以前に小切手帳がいきなり2倍になり、なるべくその発行を少なくすべく気を使っているのに、簡単に取替
え再発行を求めてくるのですから少々カチンときます。

こちらの経費節減の気持ちなんてまるで関係なしですから。


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コラム921 2016年04月21日

6区画の好評販売中

 私が事務所に出てくる途中の団地内に、もともとそこの地主さんだったのか広い土地なのに畑になっていた所が
ありました。そこが最近、六つに区割りされ建築条件ナシの土地だけ販売という形で売り出されました。

地形は南北に二軒、東西に三軒並びという一枚の土地を区割りしたものです。接道は南面・東面北面道路で西側
は隣地住宅が建っております。

想像するに、たぶん相続があったのだと思います。この辺も例にもれず、団地内ということで市街化区域です。
その土地で畑をやっていても親は農地の耕作権を持っていて優遇されても、子供はお勤めで全然農業はやって
ないとか安く相続できる権利がない場合が多いのです。まわりが住宅が建ってい入るということはその土地も宅地
並みの課税をされているはずです。

いざ親が亡くなって相続となるととても引き継ぐだけの現金を保有している人ばかりではなく、そのために売却する
といったケースが非常に多いのです。まあ、この想像は大きくは外れることはないと思いますが、特に私が興味を
持っていたのがどこから売れていくかでした。案の定、南東の角の土地が一番先でした。

次は一番条件の悪い北側の真ん中の土地でした。余程安く設定したのでしょう。本来なら一番嫌う位置ですので
売るほうもプロだなと思いましたね。売れたのはこの二区画だけで残り四区画はまだのようです。

世の中、安さで動く人は必ずいるのだなとあらためて思いました。
あとからきっと「こんなはずではなかった」と思うと(私の勝手な想像で)思っています。


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コラム920 2016年04月20日

2011.03.11を思い出すA

 現地では50代の女性がエコノミー症候群でなくなったと報じられています。通常の睡眠はあちこちと寝返りを打ち
ながら体位を無意識に変えています。車などで寝起きしているとこの体位を変える事が出来ないので血が固まって
しまうとのこと。実に怖い現象です。

3.11の時には車で寝るところまでは行きませんでしたが、事務所の隅っこの60cmくらいの巾の見本台のスペースに
一週間は寝起きしていましたから考えてみれば危ないところだったと思います。

本日も震度3とか4とかの揺れは発生しているようでそのエネルギーは一向に治まる様子がありません。支援物資も
集まってきてはいるようですが、それを捌く人手がまったく足りず必要とされるところになかなか届いていません。
そういった要望に沿った人力支援の配分をする組織も必要になってきていると思います。

自主避難をしている所には何の支援物資も届かないといった事例も東北のときに経験済みのはずですが、その辺
の対応もうまくいっていないようです。

殆どの方が「まさか、九州で地震が起きるとは・・」とおっしゃっていたので、こういった備えと言うか予知も考えて
いなかったのだと思います。一日も早い復旧をお祈りいたします。


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コラム919 2016年04月19日

2011.03.11を思い出す

 最初の地震が余震であるなどというケースは初めて聞きました。今回の熊本地震はいまだに活動が納まる様子
はなく、地形が山有り谷有りの起伏が多いため山崩れ橋の崩落で救助活動もままならない状況のようです。

知人の息子さんもその熊本に住んでいるとのこと、連絡はとれたものの物資が不足していて救護所に行っても
3人に1人分とかの食料しか配られなくて、しかたなく同じアパートの住人同士で食料を分け合っていると言うこと
でした。

3.11の地震の時も同じような思いをしただけに何とかしたいと思う気持ちもありますが、報道もその辺のところを
うまく伝えていないような気がします。

こちら側で良かれと思って送ったものでも、あちら側では役に立たないというものが多数あるそうで、また役に立た
ないまでも非常に非効率なものがあるとのこと。経験しているはずなのに忘れてしまっている部分があると感じます。

良かれと思っているものに「カップラーメン」・・・これは水と燃料を必要とするので良くないとか。
小さな子に飲ませるために「粉ミルク」・・・これも水事情が悪く殺菌など必要とするので良くないとか。
送るなら水と燃料のセットでというのが好ましいと言えるというのは支援の経験者の弁。

やはり、こういうことは救援のプロが独自で情報を発信し、的確なものだけを集めるという仕組みが必要であると
感じます。


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コラム918 2016年04月18日

コンビニとパワハラ

 最近のネット世界をのぞいてみると容易にこの言葉が出てきます。特にトップを走っているセブン何とかの会社が
圧倒的に多くあちこちで見られます。名前は同じでもFC(フランチャイズ)だから資本は自分で出していますが、殆どが
本部の指導の下に動かなくてはならない仕組みになっています。

しかもその指導料(ロイヤリティー)が高いと来ているから、バイト代を払って電気量を払って残ったものはごくわずか、
勤務の穴を埋めるために自分の身体を酷使して揚句の果てにウツになり、最後は仕方なく止めるというケース。
うまくいっていても一日の売上が80万円を越えると承諾なしに近所に店を出される・・・など。
いやはや、24時間開いていて我々には便利なコンビニも裏側事情は大変な世界なのだなと思いました。

有名看板のブランドを維持するためには指揮命令系統が大事だと言うことは分かるのですけれど、訴訟が起こる
ような業態では誰のための店なのかが分かりません。頑張る人の利益も確保し本部も潤うというのはマニュアル
だけではない何かが必要だと思うのですが、鈴木敏文さんもそこまでは考えが及ばなかったのでしょうか。

誰かが犠牲になって生きていくという形態はどこの世界でも長続きしないと思っていますが、FCに入るほうも良い
ことばかり見ずにデメリットを理解して入らないと人生を棒に振ることになると思います。

この構図を見ているとなぜか建築の世界にも共通することではないかと感じてしまいます。大手のHメーカーは仕事
が切れなくあり、喰いっぱぐれがないと思って入ったが手間賃はどんどん締めつけられ朝早くから夜遅くまで稼がない
と世間一般の取り決めでのまともな手間さえ稼げないという現実。作業が間に合わないからと言っても他の職人さん
を頼んでいたら自分の分がなくなってしまう・・・、だから朝から晩までの悪循環。

こんな世界に跡継ぎなど生まれてきません。当然のように職人高齢化の波は押し寄せ、自然消滅があちこちで聞か
れます。何事か災害や事故があっても対応はほとんど出来なくなり社会全体が動かなくなる日が来ます。

生きているうち、自分が動けるうちに知恵を使い行動をおこしていかないと資本力とホワイトカラーに打ち負けてしま
います。他でも同じようなことはあるのでしょうけれども特にこのセブンはウルトラ級です。
私はなるべく他のコンビニを利用するようにしていますが・・・ハイ


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コラム917 2016年04月15日

当たり前のことなのに

 世の中には法律に引っ掛からないスレスレの言い方をして、さも自由設計とか言っているHメーカーがあります。
住宅に名前や型式が付いていること自体規格型の家であることを示しているのですが、それでいて注文住宅と
表現しているのは何とも変な話です。

彼らの言う「注文」というのは、数種類の機種・色から選ぶ、左右の図面パターンを換えるということで、基本的な
構造・使用素材を自由に出来るというものとは違います。
ですから、水回りなどでも「指定のメーカーの指定のクラス」で何色かある中から選ぶというのが「選ぶ」という意味
です。

我々のいう自由に選ぶというのは、どこのメーカーのもどの機種でも建て主さんの好みのものを選んで見積もりに
加えるということですので「選ぶ範囲」がまるで違います。

構造体などでも土台には桧の赤身を使って欲しいという希望であればそれが記入され、合板は使わないで欲しい
といわれれば代わりの素材で考えます。注文住宅というのは建て主さんの希望を実行するのですから、建てる側
のスタイルを押し付けるものとは違います。

しかし、何でも建て主さんの言うとおりということではありません。例えば土台に適しないあるいは価格があまりに
も高価である場合などはきちんとそのメリット・デメリットを説明し、それでもそれを希望する場合は「自己責任」で
使ってもらうということに了解してもらいます。

最近のHメーカーCMを見ていると、「天井高2700mmを実現」とか、我々の世界では希望があれば普通に実現で
きることなのに、「特別に努力して実現しました」言わんばかりの表現をしています。何となく滑稽にも思えるのです
が、これが一般の消費者から見れば素晴らしい・すごい努力をして実現したんだと思わせるテクニックみたいなも
のを感じますから「大手のなせる業」なのでしょう。

昔、巨人の長島さんが「何でもないゴロを難しい取れそうにないゴロを取ったという風に見せるのがプロだ」というこ
とを聞いたことがありますが、まさにそのテクニックなのかもしれません。良い意味での騙しのテクニックでしょう。
でも、家はそんなテクニックを使うものではないと思います。


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コラム916 2016年04月13日

住宅に○○賞は似合わないA

 日本人というのは何をさておいても「ブランド」を信頼する国民だと思います。それを逆手にとって売る側は何か
というと見慣れたロゴを商品に表示します。まあ、物がよければそれで良いのですが、必ずしもそれは一致せず
私が買った仕事用の靴は一度も洗っていないのに小指の付け根のいわゆる歩行時に折れる場所が破れてしま
いました。

靴などは殆どが中国で作られているもので、もともとブランドのマークがあろうとも信じてはいませんでしたが、そ
れでも一度も洗濯しないうちからメッシュ部分が破れ穴があいてきたのにはがっかりしました。

無名の製品・商品であろうとも質を見抜ければこんなことにはならなかったのでしょうが、悲しいかな私にその力
がなかったので4千円相当のお金をドブに捨てたと考えるしか納得する方法はありませんでした。
物には必ず質があり、それを見極めて買わないと必ずしっぺ返しが来るという教訓でした。

靴でさえこれですから、2000万円も投資して手に入れるものは本当に注意してかからないと人生がかかってい
ると言ってもオーバーではないくらいの注意力が必要だと思います。
とは言うものの、どこをどう注意すればよいのかその方法すらわからないというのが住宅であると思います。

住宅はあまりにも広い知識と経験が必要であると思っています。ただ、難しいからダメだではなく自分なりに出来
ることがあります。それを少しづつ積み重ねていけば100%は無理としてもかなりの理解が出来てきます。

「・・・大賞」とか「・・・大臣賞」などの幟(のぼり)や足場にかけられたネットを見るたびに「中身と違うな」と感じな
がら現場を通り過ぎます。


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コラム915 2016年04月12日

今月の勉強会

 一昨日、毎月の勉強会を開きました。今回は17名の参加をいただきました。
テーマは「業者の話」で基礎の担当である横須賀土建さんに来ていただきました。
半年に一回くらいのペースで毎回どなたかにお願いしているのですが、今回も基礎や擁壁などの専門的なお話
しをしていただきました。

我々も普段は自分の仕事で動き回っているため、同じ家の受け持ちである他の業者のことはあまり知る機会が
ありません。そういった意味では見識を広げるには大変ためになる時間でした。

会終了後には、完成間近の水戸現場と上棟直後のひたちなか現場を見学させていただきました。
どちらも見所がたくさんあるのですが、時間も限られていましたので棟梁と私とで分担してそれぞれの現場で
説明をさせていただきました。

勉強会でお話ししていることと現場で実行されていることの両方を体験していただくという、参加者にとっては
そういった機会はあまりないのではないでしょうか。
来月はまた状況が進行していると思いますので各自現場に足を運んでいただきたいと思います。


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コラム914 2016年04月06日

住宅に○○賞は似合わない

 消費税の増税がささやかれている中、相変わらず街のあちこちでHメーカー住宅が建っています。
そこには「省エネ大賞」「経済産業大臣賞」とかの垂れ幕がヒラヒラ風に揺れています。

通りすがりの人たちがこれを見たら、「ああ、賞をとっているんだ」「中身が良いんだろうな」と誤解するだろうなと
思います。

でも、私の見方はちょっと違います。このぶら下げている賞がどのようにして作られているか・・の裏側の判断が
違うのです。大概の場合、車でもそうですが仲間同士の評価しあうような組織を作っておいて、そこの取材を担
当しているようないわゆる所属記者に投票してもらいます。記者のほうも普段から飯のタネとして付き合っている
相手ですから投票してほしいと言われれば断ることはありません。

業界は違えどやっている中身は大体このような仕組みになっていて、その業界に合ったような「何とか賞」という
のを作っているのが現実です。いわば、お金を出し合って作ったお手盛りの賞なのです。世の中の人はいちいち
そんなことは考えませんが、職業柄ナナメに見る癖がついているせいかどうしても真正面から受け取れないとい
うのはそういうことです。

現実に戻って、そのような賞をいただきましたとデカデカとした垂れ幕を見れば悪いイメージを抱く人はいないで
しょう。でも、それは目の前にある住宅の品質とは何の関係もないというのが真実です。

ここの建物も以前コラムに書いたように、工場で半分以上を作ってきて現場で大きなクレーンを使って吊りおろし
積み木のように作っていくタイプのものです。ですから、途中雨に当てられていたこともあり壁の中には雨が入り
込んでいる可能性大の家です。

同社のほかの現場でも同じように雨に当てられながら建てていたのを見ています。そこにも「何とか賞」というの
が垂れ下がっていました。一国省庁の大臣たるものが、雨に当てられびしょびしょの家に対して「賞」を与えてい
るならそれは仲間内のお手盛り賞です。

何をどのように宣伝しても法律違反にはなっていないでしょうが、仲間内で褒めあって作った垂れ幕なんぞ、何
の価値もないと思っています。24時間換気を装備させた家に大臣賞はないと思います。


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コラム913 2016年03月28日

マイナス金利の余波なのか

 仕事の関係上、ときどき、集金時に手形を受け取るときがあります。これはほとんどが取り立てに回されるの
ですが、このときに取り立て手数料なるものがかかります。以前ですと一通につき216円を支払っていたのです
が、なぜか今回は648円ですと言われました。

「えっ、いつから三倍にも上がったの?」「どこの世界にいきなり事前連絡もなしに三倍に上げて当たり前の顔を
しているの」と窓口で言ってしまいました。

「すぐに確認いたします」と窓口嬢は言ったものの「何も間違っていない」という顔をしています。何分かして、
名前を呼ばれ「すみません、手形取立料は216円でした」という返事。

以前にも小切手帳を発行してもらったとき、いきなり2倍になっていて窓口で文句を言ったことがあります。最近
マイナス金利だとか騒がれているから、いよいよこういうところにまで及んできたかと思ったのですが、間違いだ
と聞いてほっとしました。

税金と手数料は取りやすいところから取ると言うのが鉄則のようで、ウカウカしていられない時代になってきまし
た。金庫代わりに金融機関を利用するにしてもこれからは国自体が危ない状態なのですから危険分散は欠か
せなくなってきています。

どこの金融機関なのかは言いませんが、もうちょっと窓口嬢にはしっかりしてもらいたいと思います。ほんと、どこ
で損をするか分かりません。


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コラム912 2016年03月17日

小さな子まで花粉症

 身内の話しで恐縮ですが、同居している三人の孫のうち、真ん中の子が花粉症であることが分かりました。
ここのところ、よくクシャミをする・目をこする、夜は鼻水が沢山出て目が覚めるなどです。風邪を引いたのなら
熱が出るはずなのにそうでもないし、いやに目をパチパチさせるなと思っていました。

先週、お医者さんへ連れて行って血液検査をしてもらったら、杉と桧の反応が大きく出ていました。
まだ四歳なんですがねえ。

「お洗濯はなるべく外に干さないで下さい」
「外出するときは表面がツルツルするような花粉の付きにくいものを着せてください」
「静電気の発生するような衣類はなるべく避けて下さい」
「外出から戻ったらそっと脱いで花粉症ではない人が外でパタパタと花粉を叩き落してください」
「目のまわりは花粉が付きやすいから時々水道水で顔を洗ってあげてください」

そんな、無理ですよね。 あ〜ぁ、この年齢から薬のお世話になるのか・・と思うと可愛そうです。

今日は三番目の孫が、風邪なのかアレルギーなのか分からないような症状なので同じく検査をしてもらいに
行って来ました。まさか、二歳の子は違うと思うのですがねえ。その結果は来週です。


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コラム911 2016年03月16日

いまだに言っている

 勉強会にはいろいろな方が参加してきます。もちろん、この会が初参加という方もいらっしゃいますが、殆どの
方はどこかの展示場や現場見学など参加されてきます。

そこで耳にするのが「集成材を使っているので狂いません」とか「ムク材よりも丈夫です」という表現をいまだに
使っていると聞くことです。参加(あるいは見学)された方は「係りの人がそういっていましたよ」とおっしゃってい
るので本当に今でもその言葉が生きているようです。

入社時に「集成材はムク材だ」と教え込まれれば、真っ白な新人は何色にでも染まるでしょうけれども、実に恥ず
かしい社員教育と言わざるを得ません。それが地方のビルダーならまだしも大手と言われる住宅メーカーがそれ
ですから、根本的に頭脳を入れ替えないとダメだということになります。

ものごとを誇大に伝えれば法律に違反しますが、この業界ではそういったことは通用しません。「丈夫です」と言
う根拠が何なのか、きちんとした意味も教えず社員教育すれば、それで給料をもらっている人は間違ったことは
言っていない・教えるはずはないと考えます。そういった薄っぺらい知識しか持っていない人たちが社会で堂々
と語るのですから世の中に出る歪みは大きいと思います。

丈夫さと硬さは似ていますが違うものです。例えば、ここにムク材の4.0m×24.0cm×12.0cmの横架材があると
します。これをAとします。この他にまったく同寸の集成材Bがあります。材種は同じです。
仮にこの材を横にし中央の位置に徐々に荷重をかけたとし、100kgまでは何の変化も起こらなかったとします。
そしてその重量を段々増していくとAは少しづつたわみはじめるが、Bは150kg過ぎた所からたわみが始まると
いうことが「1.5倍」の正確な曲げに対する表現です。

ただし、このことは丈夫であるかどうか、つまり崩壊(破壊)するかどうかとは別物です。Aが300kgかけたところ
でぼりっと折れたとします。強度が1.5倍ならBは450kgかけたところで折れた・・・これなら確かに「1.5倍」で間違
いありません。しかし、ここまで正確に話している(言っている)営業マンはいません。

ただ教えられたから「1.5倍の強度が・・」と言っているだけです。自分に(誤解の)罪はありませんがほかの人に
その通りはなしてしまうのですから罪人(つみびと)に間違いありません。
こうなると、オレオレ詐欺の受け子みたいなものです。

なぜ、公正取引委員会は黙認しているのでしょう。不思議でなりません。


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コラム910 2016年03月14日

今月の勉強会

 3月に入ってからあまりパッとしないお天気が続いております。そんな中、今月も予定通り勉強会を開くことが
出来ました。お申し込みをいただいていた参加者数が16名でしたのでちょうど良いかなと思っていましたら、何と
22名の方がおいでくださり、となりの部屋からイスを持ってきたり資料も足りなくなるくらいうれしい悲鳴でした。
テーブル席につけなかった方、大変申し訳ありませんでした。また遠方よりおいでの方も大変お疲れ様でした。

今月は「予算の話」と題して2時間聞いていただきました。
次回は「業者の話」ということで協力業者の方に出演をお願いしています。
お時間の許す方はまたご参加下さい。お待ちいたしております。


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コラム909 2016年03月10日

木組みの違い

 神社仏閣の木組みは伝統工法と呼ばれ、一般の木造建築の組み方とは一線を画しています。
この木組みは基本的には京都・清水寺の躯体木組みと同じです。太い柱に横架材が刺さるという差し口工法と
いわれるものが基本になっています。

細かく言うと、このほかに必ずクサビというものが出てきます。これは横架材の補助部品として並行して使うもの
です。これによって接合を強力なものにし、建物の矩(かね・・直角)を維持し、いざ、地震だという時には変形す
る建物の接合部分の犠牲となるようにまずクサビが押しつぶされます。

清水寺のクサビはちょっと違っていて、ある程度以上になるとはじき出されてもっと変形に自由になれるようにし
てあります。つまり鋭角な平行四辺形になることです。

地震というものはどこまでも地面が動くわけではなく、動く巾が20cmとか限度があります。その動く巾とスピード
が建物にダメージを与えるわけで、それがしのげれば潰れないということになります。昔の大工さんはそのことを
経験から知っていて、どのくらいのしなりが確保できれば大丈夫かということを現場で実践してきました。

これを実践するということは当然のようにそれに付いている塗り壁がエネルギーを受けます。しかし、日本の古来
の壁は「真壁」といって柱と柱の間に納まるように作られていますから一つの面積が小さく出来ています。
ですからかなり揺れてもその壁がストンと全部落ちてしまうことはなく部分被害で済むということになります。

もちろんそれは地震規模にもより、一面が全部落ちてしまうかもしれません。しかしながら壁が落ちたからと言っ
て「崩壊」したわけではなく、被害のレベルによってまず塗り壁が落ちたという考えになります。こういった場合は
落ちた壁面をきれいにとってしまい、中の通し貫(とおしぬき)を確認し、破損していなければ建物を引き起こし、
もう一度クサビをぶち込んで矩(かね 直角)をだして壁を塗りなおす・・という手順で修復します。

今の古い民家も基本的にはこの工法が採用されていますが、何せ「壁が落ちた」「潰れかかった」と言われます
が、実際はその辺までは建築者(大工さん)は想定して作っていたのです。保険などの支払い対象も半壊・全壊
と判定がさまざまですが、このタイプの家に限っては半壊よりも軽い被害といったほうが正しいのです。

実際、3.11の地震の時にはかなりの保険金がおりたという人もいます。この辺は保険業界も建物の特徴を理解
していないものと思います。建て主さんとしてはラッキーだったと言えますが・・・


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コラム908 2016年03月09日

京都へ行ったなら

 観光地として訪れるのが一番多いのは何と言っても京都です。新幹線で停車する前に駅付近の景色を見て
いると「昔」と「今」が入り混じっていると感じます。

その訪れる先として代表的なのは清水寺だと思います。ここは崖っぷちに建てられたお寺で、その構造が実に
良く分かるお寺さんです。私も数年前に訪れましたが皆さんが見る「顔」の部分はそっちのけで構造体に見入っ
ていました。

構造はいたって簡単、タテの部材に太いケヤキ柱、それにヨコ部材が刺さっているだけの単純構造です。これで
何十年と重量を支えてきてのですから驚きです。残念ながら、いま、住宅をこのような構造体でやりたいと確認
申請しても認められません。行政は必ずスジカイを使えとなります。

タテとヨコの部材だけで長い間地震などの揺れから身を守れたのはなぜか。それは地震エネルギーをうまくかわ
せる構造であったからです。これはれっきとした事実なのですが、行政はこういったことを数字で表せないから
認めていないというのが本音です。

行政が認めようが認めまいが何十年、何百年という実績には何ら変わりはありません。現にそれらの建物はき
ちんと建っているのですから。

いま、世間を見渡してみると建物に面材といわれる建材をペタペタ張り付けて地震に強いと言っています。それと
比較してみると考え方がまったく逆であることが分かります。こうした事実を頭におきながら建築比較を出来るよ
うになると出掛けるのが楽しくなります。是非皆さんも視点を変えて観察してみてはいかがでしょうか。


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コラム907 2016年03月04日

門型工法についてA

 Hメーカー・ビルダーは地震に対し強いと言いますが、これも理論のすり替え的なことがあって正しくもあり、正
しくないこともあります。

地面から受けるエネルギーは揺れる瞬間スピードと揺れ巾、それに建物の受動能力と共振が関係してきます。
この受動能力というのは木造・鉄骨・鉄筋造りにおいてバラバラであり、躯体の大きさ・重量によって共振周期が
違うので我々の木造建築でその計算までできる人はいないと思います。

しかし、この地震国で長い間鍛えられてきた実績は貴重なもので、これらの経験を基にした従前までの木組み
は「生き抜いてきた実績」として考えて良いと思っています。

この住○林業の門型工法BF(ビッグフレーム)もそれに近いものですが、大きな違いは集成材を使っていて金物で
接合しているという点で従前の木組みと同じには捉えられません。

その理由を挙げると、集成材の木材は小さな木片を張り合わせているために柔らかさがないこと。このことは強
度が1.5倍と言っていたことと関係しています。一般に強度1.5倍と聞くと強さが5割増しになってと捉えがちです
が、強さというよりたわみ始めるのが1.5倍の重量をかけたときに変形が始まるという言い方が正しいのであって
強度と言うのは不適な言い方です。

変形が始まるのがムク材より1.5倍のエネルギーであるということは硬さだけ数字が大きいと言うことでしなりが
ない分だけ接合部に1.5倍のエネルギーがかかるということでもあります。金物と木がぶつかり合えば金物が必
ず勝ちます。ということは1.5倍の硬さを持っているものは1.5倍の破壊力を受けるということでもあります。

そうなれば集成木部は破壊され木組みは成り立たなくなるということです。これは初期の症状ですが、接着剤が
劣化してくるともっと小さな力でも破壊が始まるということになります。

こういった門型フレームを採用するなら、同じムクの木とムクの木で昔のように伝統的な木組みで、金物は使わ
ず、クサビを使って耐震と言えるものを造るべきです。


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コラム906 2016年03月02日

門型工法について

 前述のBF(ビッグフレーム)工法も部材を大きくしてある意味「木組み」の性質を活かそうとしています。しかし、
その方法がまったく違うので同じに見ることは出来ません。

Hメーカー通常の柱と言えば105mm角ですが、この工法は横に5本くらい並べ合わせたような平べったいもの
を作って横揺れに対するモーメントを耐え忍ぶといったやり方のものです。またこれらを接合するのは金物です。

これで行くと柱が50cm以上ありますから横の部材(横架材)が小さくては簡単にぶち折れてしまいますのでそれ
なりに大きくしてあります。これらを桁勝ちという方法で接合しますが、この桁勝ちというのは横架材に対して柱
が刺さることを意味します。

つまり、横架材が長く通っていて1F部分の柱が何本か刺さるというもの、2Fならその上に2F部分の柱が乗って
いくという組み方をするというものです。ですから、一般の建築で言う「通し柱」というものは存在しません。

柱が平べったく5本くらい並べてあるのと同じということは、この部分で耐力壁を形成しているのと同じですから、
昔の太い柱に桁が刺さった差し口工法と似た働きをします。ただ、昔の工法は金物を使いませんがこの工法は
金物があって初めて成立する工法なので似て非なるものと言えます。

大きな開口部が取れると宣伝している裏には、昔の人たちが実績のあるやり方を当たり前にやってきたことが
存在していると言うことなのです。今初めてこのHメーカーが開発したものでもなく特殊なやり方でもないのです。

ただ、そこに使われているのが適材ではない素材を使った集成材であること、金物でガチガチに締め上げられて
いることが違うという点です。


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コラム905 2016年02月29日

そもそも安全の解釈が違う

 最近は孫育ての関係でEテレしか見ていませんが、たまたま点けたTVが民放になっていて大手の住○林業
のCMをやっていました。横綱白鳳がBF(ビッグフレーム)と言われる集成材を触りながら「丈夫そうですねえ」 と
言っていました。出演が横綱だけにそれらしい雰囲気は出ていましたが、触っていたものが柱・桁とも欧州赤松
とホワイトウッドの集成材でしたから何とも違和感を感じました。

住宅の部材に何を使うかは法律で決められているわけでもなく自由なのですが、それでも昔から日本では柱に
は杉・桧、横架材には粘り気のある松系統という使い方をされていました。

今のような新軸組み工法の前の伝統工法では、太い柱に差し敷居・差し鴨居という100%近い「木組み」構造体
で家を形作っていました。それがいつの時代からか、今の柱の太さになり、柱のホゾが横架材のほうへ刺さる方
式となって、スジカイをいれて壁強度を作るというスタイルになりました。

この違いは建築の確認申請にも「大きな解釈の違い」をもたらし、いまだに昔の組み方では認めてくれない・・・
という事態が続いています。

行政の評価というものは数字で表せるものでしか甲乙の判断をできません。微妙に木組みで「耐震」の受けるシ
ョックをかわすと言うのは数字化できていないから認められないというものです。

そもそも、行政が建築を認可するということは何なのか。建築を認めるということはその(認めた)家が人の安全
を保証するという解釈になることと思うのですが、行政はそうではないようです。それはある書面上の決め事を
クリアしているというだけで「保証」という言葉はどこにも出てきません。

この「ある書面上」の決め事は、理論上で考えられたツジツマであって、これによって一定の基準を超えていると
いうだけのものでその先の責任はまったくないに等しいものなのです。

数字というものはそれを満たしているというだけで適材かも判断しませんし、耐久性も判断しません。揮発物問題
もF☆☆☆☆であれば良しとされ、そのなかで使われている分には建て主さんにとって良否が分かれても違反に
はならないのです。

集成材を触っている横綱白鳳も「・・・そう」と言っているだけで何の根拠もありません。お金を出している会社も
何も責任をとりません。10年だけは瑕疵担保責任保険があり躯体の保証はありますが、このくらいで壊れること
はありません。

私もこんな状況を確認できないのが残念ですがきっと「その時」は来ます。


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コラム904 2016年02月25日

他力本願の世界B

 昔の人はよく、「人に物をあげるときは良いものをあげなさい」と言っていました。でも、それは現代にはまったく
通じません。どの辺からそうなったのかは分かりませんが、今では「他人にはカスを、自分では良いものを・・」と
なっていることは間違いありません。

まさか住宅ではそんなことはないだろうと思っているかもしれませんが、住宅にこそ「無意識の意識」が存在する
と思っています。私は47年間この業界にいて結果的にそう感じています。

私が社会人となったときには高度成長期の真っ只中でしたので、就職率は100%で当たり前、年々給与は上が
っていくし、建築資材は入荷待ちがザラでした。こういった市場の原理は当然のようにインフレ傾向になり、早く
家を作らないと損をするという環境になっていました。

自然と「売り手市場」になり希望者は順番待ち、一年先などというのはあちこちで聞きました。待つのがイヤなら
他へ行ってくれとなり、こういった環境が続くといかに楽して金額を動かすかという気持ちになって行きます。
こういう気持ちが「素材をケチる」「自分の利益をいかに確保するか」という本来の住まいからビジネスの世界へ
と意識変化して行ったのだと感じます。

苦労をしなくても仕事が取れるというのは結果的に人間を堕落させていきます。しかし、それでも自分の力で仕
事がやってくると考えていれば何の営業活動もやらないで済んでしまいます。その結果、将来このような事態に
なるなど考えも及ばなかった・・・ということになったのだと思います。

こうした中、本来、住宅の持つ「人間が安全に暮らせる器」ということを理解していない人たちが資本力の力で大
々的にPRし、どんどん住宅業界に入り込んできました。それが今の住宅業界の姿であると思います。
たしかにPRは大事ですが、その発信量と質は一致しません。その辺のところが消費者には正しく理解されてい
ないと思います。

我々のやっていることは、PR面に関して言えばあちら100対こちら1くらいのものでしかありません。しかし、やる
べきことは本来の住宅の質を問うような「当たり前に安全な住宅」を作れるように声を届けることだと思います。


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コラム903 2016年02月24日

他力本願の世界A

 たしか、勉強会を開始する3年前だったと思います。大阪の寝屋川市の入江さん一家が新築した家に引っ越し
た直後、全員シックハウスになり、子供たちは学校にも行けなくなりました。

Hメーカーは今でも営業している○サワホームでした。メディアでも広告主の不利になることは書けなかったのか
意図的に抑えられたのか一部の情報誌にしか掲載されませんでした。

その後、長い裁判が続き、98年に建物を買い取ることで合意がなされたと記憶しています。しかし、入江さん家
族の健康は今も回復することなく化学物質過敏症で苦しんでいます。

今この記事を見ようと思っても一部のネットにしか掲載されておらず、その事情を知ろうとしてもなかなか難しいと
思います。

こういった「苦しみ」が家を建てたことにより起こってしまうなど誰も考えないし対岸の火事くらいにしか思っていま
せん。でも、こういった要素を持っている建材は周囲にいくらでもあり、我々もそういうものを取り扱っていたので
す。

ずっとずっと以前から、この建築業界は新しいものが出来るとこぞってそれらを採用し、早く簡単に儲かるように
とやってきました。それ自体は悪いことではなかったと思いますが、それらの悪影響(デメリット)を誰も考える人
がいなかったことです。

処理能力を上回る仕事量が来てしまえば何とか早く処理して次の仕事へかかりたいというのは業者として当然
のことでありました。しかし、こういった情報が広く出回らなかったことで防げた被害も拡大していったものと思い
ます。

誰も病気の家を作ってやろうとする人はいませんが、知らないうちは許されるとしても、ちょっとでもそういった情
報をキャッチしたならば是正していくのが筋だと思います。でも、Hメーカーはそれをなかなか認めませんでした。

一度使い始めた便利な建材は、それをやめるとなると大変な出費を強いられることになり、企業存続を脅かすこ
とになります。しかし、そんな住宅ばかりどんどん増えていくとそこに住む人はどんどん不健康になり何のための
家造りなのかわからなくなります。

そんなことを何とか修正していきたいというのもこの家造り勉強会を始めた理由でした。


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コラム902 2016年02月23日

他力本願の世界

 いまから21年前、現在のようにまだPCが普及していなかったころ、伊藤忠が開発した「簡易CAD」が問屋を
通じて紹介されました。私はこれを見て「これは武器になる」と直感しました。

このPCは今のものから比べれば百科事典くらい厚みがあり動作も速くありませんでしたが、大工さんがこれを操
作できれば「仕事獲得」に大いに役立つと思ったのです。ですが、それはものの見事に打ち砕かれました。

その分厚いノートPCを持って54件の大工さん・工務店さんへ回りましたが、殆ど同じ答えが返ってきたのです。
「なんだ、材木屋が機械を売りにきたのか」でした。 そしてその次に「仕事がきたらやってやるよ」でした。

21年前と言えば関西の震災・オーム事件があったころでした。世の中はどんどん大手志向になっていき、町場の
大工さん・工務店さんはどんどん仕事が取れなくなっていき、大工さんは簡単に大手の手間請け作業員になって
いきました。

そんな時代でしたが、さして逼迫感も持っておらず「(仕事は)来たらやってやる」と言っていました。そんな中、高
額なPCを持って行ったのですから拒否されて当たり前だったのですが、これで私の中の一つの決心が出来まし
た。

今まで私らがお客さんとしてきた大工さんたちは、もともと営業ということをせずに仕事が舞い込んできた時代を
長く見てきたため、飛ぶことを忘れてしまった鳥のようになってしまったこと。仕事がなくても手間稼ぎできるので
真剣にお客さんに接しなくても良かったのです。ですから、その機械を採用するなどという人はいるわけがなかっ
たのです。

せっかくの技術力があるのに大手の手間請けで、しかもどんどん買い叩かれて手間が安くなる中でブツブツ文句
だけ言っても始まらないのにもったいないと思ったのです。その技術力を生かすには誰かが広告塔になり、チー
ムを組み、広く一般の人に情報を発信し、同じ土俵の上に立つことだと考えたのです。

このことがなければ今の勉強会は生まれなかったでしょう。


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コラム901 2016年02月20日

運が悪いだけ?A

 職人さんにもいろいろな人がおり、この人なら仕事を頼みたいと思う人もいます。でも、その人がビルダーなど
の手間請け作業に入ってしまうと、せっかく出た仕事も「今、この会社の仕事を抜けるわけにはいかないんだよ」
と言われ、断わられてしまいます。

こちらとしてもせっかく窓口として建て主さんの役に立てると思っていたのが流れてしまいます。通常ならこういう
時にこそ対応して普段からの「顧客を大切にする」ということを実行してもらいたいと思うのですが残念です。

営業力がないということは我々の世界にも同じことが言えるのですが、何せ、その先の工務店・大工さんに受注
力がなくなっているのですから八方塞となってしまいます。

工務店・大工さんが仕事が細くなるとその下にいる全職種(基礎から建具まで)連動してしまいます。昔の大工さ
んなら「喰えなくなったら農業をやる」ということでしのいでいました。私の事務所北側の亡き棟梁も「駆け出しの
ころは仕事がなくてねえ」「よく畑を耕したもんだよ」と言っていたことを覚えています。

そうそう、奥さんがパーマやさんをやっていた人も結構いました。農業に代わって収入の道を確保していたという
のもあるのでしょう。今思えばそういう時代だったのかもしれません。

職人の世界は「雨の三日も降れば干上がる」と言われるほど収入が安定していません。会社のように月給制で
はないし、福利厚生もなし、弁当・ケガは自分持ちといわれるほど厳しいものです。そんな環境で3Kと言われる
前から条件の悪い職業だったのです。

昔は「でも・しか」と言われたこの職人の世界、「職人にでもなるか・職人にしかなれない」という悪い環境で選択
肢が殆どなかった時代に職人さんになった人はその殆どがリタイヤの年齢です。高齢になると高い所にはあが
れない・不注意でケガをすることが多くなり、本人も体力の限界を知りその世界を去ってしまいます。

会社なら毎年人を採用し教育し次の世代の労働力を確保していますが、職人の世界は一種独特で弟子をとって
育てて・・という個人企業ではやりたくても出来ないという環境にあります。そういった現象が20年前以上から
出ており、将来困ってくるだろうなと想像できましたが、誰も実行する人はいませんでした。

時代を読んだからこうなったのか、何もしなかったからこうなったのか、決定的な答えは難しいですが、これから
困ることは「減りすぎた職人で仕事が回らない」であることは間違いないと思います。


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コラム900 2016年02月19日

運が悪いだけ?

 私たちの木材販売店は流通の中の一部分として歯車のようにかみ合っています。私らの先には大工さん・工
務店などの最終工事業者がいて、後ろには仕入先として木材市場・建材問屋があります。

最近、銀行の金利もマイナスになるなど一向に経済が良くなる気配は感じられず、先行きの暗いことばかり言わ
れています。人口の減少、少子化問題も言われていますが、むしろ産業の空洞化で職が狭められ就労先がなく
なったり非正規雇用となったりするほうが多いのが消費を控えてしまっている原因ではないかと思っています。

そんなパイの少ない中、壮烈な販売合戦を繰り広げているのがHメーカー・ビルダーです。この外、工務店・大工
さんがいるだろうとお考えでしょうが、一般消費者である建て主さんにはほとんど見えていません。

こういった現象の中で大工さんである職人さんはそのHメーカー・ビルダーに手間で雇われてしまっていて、自分
の意見など殆ど言えないただの作業者となっています。このことは大工さんに限らず、左官・電気・基礎・屋根・
板金・設備も同様です。

長期的に見ると宣伝を大きく行なう営業母体を持った組織が王様となり、それ以外は奴隷になってしまったとい
う形です。正規社員の方はお分かりにならないでしょうけれど、現場で働くものは非正規雇用と同じで使い捨て
状態が続いています。

自分の社員なら社会保険も有給休暇も与えなければ違反になりますが、この人たちにはそれがまったく当ては
まりません。同じ現場で働くものでも「外注」という形にすると福利厚生など簡単に吹き飛び、賃金までジワジワと
圧縮できていくらでも使い捨てに出来るのです。まさに仕事をとったものが王様でありそれ以外は皆奴隷なので
す。

実際に仕事をする大工職人さんも、一度この世界に入ってしまうとなかなか自分の仕事が出てもそれをこなすこ
とが出来ません。自分の都合で抜けようものなら「次の仕事はいいよ」と断わられてしまうのです。継続的に仕事
にありつけるのには絶対に断らないことなのです。

そうすると、自然と一般のお客さんの要望には応えられなくなり、しまいにはまったく声がかからなくなります。
生きるためとはいえ、そういう事情で続けなければならない「作業」とは一体何なのでしょう。


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コラム899 2016年02月15日

めがねの破損

 思わぬところでアクシデントは起こるもので、久々に上二人の孫を保育園に送り出し、「さあ、家に入ろう」とした
ところ、抱いていた三番目の孫がいやだと言いだし腕を振り回しました。その拍子に私のメガネに腕があたり、吹
き飛んでしまいました。運悪く落ちたのがコンクリートのところで、左目のレンズの端が欠けてしまいました。

全損とまではいかなかったのですが、何とも見づらい状態でこのまま使う気にはなれず、お世話になったメガネ
やさんに電話を入れてみました。ところが、「この電話は現在使われておりません」というアナウンスが流れつな
がりません。

「おかしいな、番号は確かに間違っていないのになあ」と思い、街のお店事情に詳しい商工会議所へ電話して
聞いてみました。
すると「Nメガネさんは残念ですが廃業いたしました」という返事でした。

はて、どうするか・・・。 どこもここもあちこちに量販店が出来て経営が厳しいとは聞いていたが廃業では点検し
てもらうにも不自由をするなと・・・、かといって、量販店に出向くのも気が向かないしと思っていたら、弟が自分の
メガネで世話になっているお店を教えてくれました。

早速、電話で確認をして行って来ました。

このメガネを作ってから何年経っているかも忘れていましたが、久しぶりにショウケースを眺めていたら何とも
しっかりしたお値段で「たかがメガネ、されどメガネ」でした。私よりもずっと年配な店長さんにいろいろ説明をして
もらい無難なところを選びました。

以前は下向きの視界が良く見えるようにと下半分ノンフレームの枠にしていましたが、今度は落下したときにも
ガードできるように全フレームのものにしました。レンズは今のものと同じ度数のものを入れることにし、傷になっ
たレンズを測定してもらいました。

当初は量販店しか選択肢がないかなと思いましたが、長期間使うものだからずっと面倒見てくれる町の眼鏡屋さ
んにしました。これは家も同じことですね。何かあってもすぐ対応してくれる・出来ることは双方にとってメリットが
あるものと思います。

ぜひとも、この眼鏡屋さんには頑張ってもらいたいですね。


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コラム898 2016年02月09日

プリンターの劣化

 仕事柄、パソコン(PC)を使うことが多いのですが、最近のPCはメモリーが大きくなって各作業が重複して出
来るようになったことは良いのですがハードディスク(HD)がクラッシュすることが多くなった気がします。

業務の場合はいろいろな作業を一台のPCでやらせると、もし壊れたら他の作業も出来なくなってしまうという事
態が発生してしまいます。そのために、作業の内容によって販売管理・財務管理はそれぞぞれのPCに単独でや
らせるようにしています。このほかにネット接続できるものをHP作成ほか文書作成などの作業がバラバラに出来
るよう複数台持っていますのですべて止まってしまうということは避けることができます。

ネットワークが構築されているわけではないので、PCが複数台あるということはプリンターもそれに応じて必要に
なってきます。このプリンターが結構経費がかかります。本体価格は安いのですが、インクがかなり高くついてい
ます。その上、頻繁に使うものとそうでないものが出てきて、適便スイッチをON・OFFしていないとヘッドが詰ま
りを起こすようになります。まるで使わない鉛筆をいつも削り続けているようにです。

オーバーな話しですが、三回インクを買うと本体が買えてしまうという具合です。純正でないインクもあるようです
がネット評判を見てみると、詰まってしまって修理に出したがそちらのほうが高くついたなどの情報が出ていると
目先の安さには手を出せないでいます。

このほかにピンチローラー(紙送りローラー)の劣化によってうまく用紙が入っていかなくなることです。これはあ
まり使用頻度とは関係なく劣化が来てしまうようです。こうなると部品交換しかないのですが、これらは使い捨て
という感覚の商品みたいで買ってしまったほうが安くつくのはどこのメーカーでも同じようです。

一度買ったらずっと使い続けられるのは理想でしょうが、売る側からすればそれでは困るということなのでしょう。
なるべく新規買い上げを増やすために何か策をめぐらせているのかもしれませんが素人の知るところではありま
せん。


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コラム897 2016年02月08日

今月の勉強会

 昨日は時折白いものが舞い降りてくるようなお天気で、さすがに節分が過ぎたとは言え、まだまだ春は遠いと
感じる二月、このようなお寒い中、遠路よりご参加くださった方もおり大変お疲れ様でした。
今回の参加は12名、テーマは素材ということで現在多くの現場で使われている代表的なものを取り上げて良否
の解説を致しました。

会終了後、水戸市鯉渕のOさん宅の現場を見学させていただきました。

今月は商工会の都合で一週繰り上げとなりましたが、来月はいつもの第二週に行なう予定です。また直近で
開催変更となるときもありますので当HPの勉強会情報のページをご確認のうえおいで下さいます様お願い致
します。


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コラム896 2016年02月05日の2

近所の住宅

 部落内の旧農家の家があったのですが、いつの間にか無人になり草ぼうぼう状態が続いていました。
そのうち、重機が入りそれまで住んでいた旧家は解体され草も刈られきれいになりました。てっきり、そこの誰か
が新しく建て替えるのだと思っていたら、不動産屋さんの看板が立ち、数区画に分けられ売りに出されることにな
りました。

そこの南側には大和ハウスの建物(2F)が建ち、9割近く工事が進んでいます。ちょうどその後に基礎が出来た
と思ったら、数日前から土台が敷かれ、まっ平らな床が出来てそこにブルーシートが雨除けのつもりなのでしょう
ご丁寧に敷かれました。

今朝ほどそこを通ったら上棟用のクレーンが待機していて、今日はそこの建て方作業が開始されました。先ほど
所用で通ったところ、二階建てではなく平屋のようで野地合板が張り終えていました。

今日の作業はここまでのようで現場には誰もいませんでした。
「え、この距離で平屋かよ」と思いましたが他人様の家なので余計なお世話だと思いそのまま事務所に戻りまし
たが、後から建てるならもうちょっと考えればいいのになあと感じました。

まあ値段が安かったのでしょうが、いくらなんでも後の区画を買って平屋とは、相当勇気があるか考えていなか
ったのか、見ただけで冬の午前中には殆ど日が当たらないというのがわかります。

現状で見てみると、基礎は結構低い、通気口ナシ、基礎パッキンが見えた、土台は何を使ったのか確認できて
いない、床は今流行の厚合板張り、柱・桁は全部白っぽい北欧産の集成材、屋根は針葉樹合板。
まだ防水紙は貼ってない。通ったのは三時半、この時間なら防水紙を貼って帰れるはずなのにやってない。

これはきっと手間請けの大工さんの仕事に違いないと思いましたね。自分の仕事ならいくら雨は降らないと思っ
ても防水紙は貼っていきますからね。これじゃ、朝の霜がとけたらせっかくの床が水滴でビシャビシャです。
ブルーシートが・・? それは本日の建て方で邪魔だったのかきれいになくなっていました。

さて、このあとはどのように仕事が進むのでしょうか。少し見せていただくとしましょう。


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コラム895 2016年02月05日

献金はワイロです

 よくもまあ次々と政治家のネタが出てくるものです。甘利君が退席したと思ったら今度は遠藤君に煙が立ち始
めました。
日本国民の悪いクセでしょうか、何かをお願いしに行くには菓子折りを持っていかないと失礼だと思っているよう
です。「越後屋、お前もワルよのう・・」という、箱の底に魔法の品の入った菓子折りです。

越後屋側も足のつかないゲンナマで御礼をするのですから、いくら国民総背番号制にしたってわかりっこない
はずです。ゲンナマそのものに足跡を追跡できるマイクロチップを埋め込むしかありません。

何かというと政治は金がかかるとか言い訳のように言われています。
昨日の国会中継で民主の誰かが「たった10人の議員を削るのに・・・」と言っていましたが、それに対して安倍君
は「10人といえどもその地域の声が・・・」と言っていました。(けして民主支持ではありません)

「ムッ・・それって県議レベルの考えじゃあないの?」と思って聞いていましたが、国会議員たるもの今や地方の
県会・市会のレベルと変わりなくなってしまったようで何とも情けないという感じを受けました。

狭い地域での選挙区にしたのは一体誰だったのでしょう。地元に帰って報告うんぬんは国のレベルで仕事をや
っている人ではないみたいです。国会レベルなら全国対象でしょう。

悪いという行為は見つかれば何倍ものペナルティーを課されるようにしなければやり得になります。
大人が決めた法律で大人が守らないというのは子供に対して恥ずかしいことです。
守れない法律なら作らないことです。そのかわり、高い税率で実入りがなくなるようにする事。

本当に国のためと思って出すのなら国庫に納税(寄付)でやれば良いはずです。
そうならないのはみんなワイロだからです。 これを私は逆説の証明と名づけています。

献金はワイロです。援助交際は売春です。

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コラム894 2016年02月04日

建築業界を見渡して感じるものA

 我が建築業界では「景気が良い」と答える人はまずいませんが、ホームセンターへ行くとトラックに資材を積み
込んでいる建築業者と思われる人が忙しそうに動いているのを見ます。

その品物はといえば、合板・石膏ボード・Gウール断熱材・新建材フロア・規格ドア・巾木などです。
もちろんこういうところに集まってくるのは「値段」でしょう。その殆どが私たちの仕入れ値にちょっと毛が生えた
くらいの値札です。これが出来るのはほぼ現金扱いで引き取りしてくれるからです。

私らのところでは、殆どが現場まで配送して伝票(掛売り)扱い、月末に締めて請求書を出してと経費がかかりま
す。値段だけで言えば安いですが、工務店・大工さんが自分で動いてやっても自分の手間賃を考えたら我々を
利用したほうが得なんです。しかも現金払いですからいちいち支払いをしなくてはなりません。ところによっては
カード利用も出来るようになっていますが、それでもサイトは一週間で引き落としされます。

もう一つ、ホームセンターでは構造体を見ることはあまりありません。
構造材が見えないのは、いまはプレカット工場から直接現場に搬入されて行くからこういうところでは扱う必要が
ないのだと思います。これも今の住宅事情の特徴といえます。

これで世の中にどのような質の住宅が供給されていくかが私らにはわかってしまいます。
大手Hメーカーの長期優良住宅でもローコストの住宅でも中身は大して変わりません。

木造と言われたって集成材と合板だらけ。加工はプレカットとなればホゾは短いし金物で補強していくのが当然
の建物になるし、仕上げ内装が石膏ボードベタベタとなればビニールクロスに決まっているし、使っているものが
大差ないのですから。

大工さんの持っている道具も今では丸ノコとエアガン釘打ち機さえあれば仕事ができると言われている程です。
それだけ出来合いのものをくっつける組立やさんに近い作業になってしまったと言うのが実情です。

果たしてこういう道具で作られる家が人間に対して健康で安全に暮らせる家になるのでしょうか。
私は「ノー」だと思っています。


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コラム893 2016年01月29日

金融機関を見て感じるもの

 世の中で、他人のことを考えないで中身が変わっていくものに税金と銀行があります。これらに共通しているの
は「とり易いところからとる」ということでしょうか。税金は昔からそうでしたが銀行も最近は負けていません。

最近の出来事では手形帳・小切手帳でしょうか。昨年何月だったか忘れましたが使っていた両帳がなくなったの
で、あたらしいものを申請しました。これらはいずれも綴りの中にある半券みたいなものに印を押して次のものを
発行してもらうのですが、出来たというので窓口に行ったら何と値段が倍になっていたのです。

どこの世界に小切手帳一冊(前回は600円)が1200円だと言われて「ああ、そうなんですか」と言えますか。
印刷代が急に2倍になったのか前回までの価格が間違っていたのか、そういった説明が一切なしに2倍ですと
言われても納得できるものでもありません。結局は力関係で1200円払わされることになるのですが、こっちは
何としても腹の虫が治まりません。

ささやかな抵抗ですが、なるべく小額の支払いは現金で、あるいは振込みで済ませ、使用枚数を少なくすること
くらいです。振込みにしてもきっちり手数料は取るくせにその構成原価はオープンにしません。
おまけに2時以降は本日中に届かない(入らない)ことがありますとか書いてある。
オンラインで操作しておいて何が本日中に入らないだ。


きょう、ちょっと両替の必要があってJ銀行に行ったら、機械が新しくなっていて、画面にキャッシュカードを入れて
くださいと表示され、後からここのおばさんが「11月から仕組みが変わりまして当行のカードを差し込んでいただく
ようになりました」とおっしゃるのです。

「え、それってここの取引でカードを持っている人じゃないと使えないってこと?」って聞いたら、「申し訳ございま
せん、お持ちでない方は窓口でお願い致します」だって。これってはっきり言って取引外の客を排除するってこと
だよね。
自分ではここのキャッシュカードを持っていたから今回は出来たけど、何か銀行の腹黒さを強く感じましたね。

両替なんて何の利益もないものは切り捨てろという上層部の考えなのでしょう。あれだけの年間利益を出して
いるJ銀行でこれですから押して知るべしです。


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コラム892 2016年01月27日

建築業界を見渡して感じるもの

 人生の中で終盤に差し掛かるようになると、「あれはこうしたほうが良かった」とか「こうやるべきだった」とか
反省が出てきます。住まいに関してもその思いは共通な点が多いと感じています。

前回も書いたとおり、誰のために商売をしてきたか、散々我が売上のために努力しておいて末期になってから
「世のため・人のため」ではすでに手遅れなわけで「なぜもっと早くそれに気付かなかったのか」ということです。

商売で売上に励んだこと自体は悪くないとしても、励んだ(売った)ものが相手のためになっていないものも沢山
あったのは事実でありますから、心の中では帳消しという分類になってしまうと思っています。

電化製品・工業製品ならまだしも、「人間が生活する・安全に生活する」という点から言えば、住まいというものは
本質的には変わってはいけないものだということに経験を積めば積むほど感じるのです。

このことは取り立てて自分が正義面(つら)をしているとかウルトラマンのような正義の味方ぶっているわけでは
ありません。納材業者であるから内面から見えることがあり、世間一般に行なわれている住宅建築について多く
の疑問を持っていて「自分ならやらない」というものが段々と大きくなっていったと言うのが本音です。

それらを一個人で変えられるとは思っていませんがやらないことには何も始まりません。このままではいけないと
いう気持ちが少し上回っていたので、とりあえず実行・・それじゃあどうしたらよいのかと考えたわけです。
これで何もせずにこの仕事からリタイヤしたらばきっと後悔するだろうなと思う部分が確かにありました。

今の住宅ははっきり言って病んでいます。人間の健康を維持するため家族を守るために建てる家なのに逆に
そこで健康を害しているといっても過言ではない状態です。


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コラム891 2016年01月26日

コスト削減は大事だけれどB

 私がこの業界には入ってきたころ、つまりS44年のころには旺盛な住宅需要の真っ最中で、大工さんは一年先
の注文まで持っていたのが普通でした。そういった需給関係の中で何が行われていたかというと、「坪いくら」の
中身をいかにしたら自分の利益が多くなるかの努力としていたというのが本音だったと思います。

そのため、基礎はギリギリ低くなり、使用している木材寸法は少しづつ小さくなっていき、早く施工できてきれいに
見えるものが喜ばれていたのです。この考え方は建てる業者の都合優先であって、建て主さんが望んでいたも
のとは別物で今の住宅事情とほとんど変わりません。

たしかに、早くきれいに作るというのは建て主さんにも望まれていたことですが、当時の気運としては「質が下が
る」とまでは考えていませんでした。合板を使ってものちのち剥がれるとか空気環境のこととか未経験の部分が
多くあり、悪意があってそのようにしていたとは言えなかったからです。

しかしながら、今の住宅建築に関しては当時の経験が活かされているとはとても言いがたい状況で、本来使うべ
きではない所も効率化の名目が優先されていて減るどころか逆に拡大しています。合板はもちろんのこと、木屑
圧縮板など床、壁、屋根まで多方面にわたってです。

それを後押ししてしまっているのがF☆☆☆☆マークのフォースター製品の出現です。これらは過去に問題のあ
った本筋を解決することなく、むしろ和解的な考え方で半端な形で「お墨付き」を与えることになってしまいました。
法律という「争った場合に安全圏に入っていられる免罪符」みたいなものを手に入れたHメーカーはこれらをフル
に使って業務を拡大していったからです。それらの陰で今は隠れたシックハウス予備軍が静かに増えています。

けして語られることのないデメリット、これがやがて「ジワジワ」と効いてくるボディブローのように現してきます。
ちょっとばかり予算を削るために大事な質まで落としてしまった住宅は、ローンが払い終わらないうちに何かの
問題が出て来ると私は思っています。


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コラム890 2016年01月25日

切手も変わった

 世の中は何事も少しづつ変化しているようで、先日も切手の変化にちょっと驚いたことがありました。
久しぶりに外出したときのこと、出かけるならついでに郵便局へ寄って切手を買ってきてくださいと頼まれました。

毎月発行する請求書は殆どが郵送のためかなりの枚数の切手が必要になってきます。いつもの通りワンシート
下さいと言ったらデザインがいろいろあるのですがどれにしますかと聞かれました。いやはや、たくさんの図柄が
あるもので迷ってしまいました。

それに、私のワンシートというのは100枚つづりのことを意味していたのですが、提示されたのは10枚つづりのデ
ザインのもので、しかもシール状になっていて剥がしてぺたっと貼るだけになっているものでした。確かに便利に
はなったのですが、端数で欲しいときはどうするのだろうと余計なことを考えてしまいました。

もちろん従来の水を付けて貼るタイプのものもあるのでしょうが、バリエーションが増えたのは間違いありません。
ただ、ちょっと気になったのが10枚の内8枚は二段×4での横一列でピッチリ並んでいたから分かったのですが
あとの2枚が左側にデザインの中に溶け込んでいるように見えて、一瞬実際に使用する切手だとは思いません
でした。
実際に郵送しようとしたときに、シールを剥がして貼ったのが8枚なので、あと2枚はどうしたのかとあとから気が
付きましたが、その2枚が離れていたため危うく捨ててしまうところでした。

カラフルにいろいろなデザインを考案するのも大事ですが、使用者が誤って捨ててしまうようなことなく使えるも
のにしておいてもらいたいと思いました。


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コラム889 2016年01月22日

コスト削減は大事だけれどA

 ものごとのコスト削減がすべてにわたって悪というわけではないですが、質が下がってまでも削減というのは
本質からずれてしまいます。価格は表から見えますが質は簡単には見破れません。それをどうやって「危険を感
じるか」です。

住宅に例をとるならば、何の材料を使ってどのように加工されどのように建てられどのように仕上げられていくか
ということです。ここで初めて金額が出て来て安いか高いか妥当なのかという質を論議できるわけです。

ところが今の建築ストーリーというのは完成したものを見て金額を提示されて決めるパターンが殆どで「吟味」と
いう工程がまるで抜け落ちています。これでは質がどうのとか論議できるはずがありません。

作る側(供給側)は金額に合わせた工事をしていかなければ自滅するだけですから、その中での工事内容しか
施工しないし出来ないことになります。その会社が生き続けているということはそういうことです。

物置や倉庫を建てるなら保管するものにもよりますが、命を預けるわけではないのですから金額オンリーの考え
方でも許されると思います。しかし、人間が暮らす「家」としたらそれはNGです。
何を基準として考えるのか。その指針を明確にしておけばさほど難しいことはないと思います。

例えば、耐久年数を最低でも50年目標とする 
     そのうえで、解体するときまで構造的に不安が出ないこと
     機械器具等を使わずとも不快と感じない普通に暮らせる居室内容にする
     気候環境に耐えられる・順応できるような家にすること
     解体するときに難儀なものが出ないようにすること
     妥当な費用で処理できること

最低これだけの目標を立てて進めればそう簡単にドブに足を突っ込むような家にはなりません。

これらの内容をキープ出来て、そのうえで初めて金額という話しにいかないと「家を建てるレベル」には到達しま
せん。結局は価格に振り回された低質住宅を建てただけということになってしまいます。


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コラム888 2016年01月21日

コスト削減は大事だけれど

 今回のスキーバス事故では、バックに相当深い原因がいくつも潜んでいるようで、何が安全なのかわからなく
なってきています。最初からわかっているのが「格安ツアー」であること。この裏には数種の要因が関係している
ようで簡単に一つの理由だけではないことです。

物理的に見える原因と見えないものを想像するに、コストを下げるために行なわれたことがたくさんあり、それら
の要因のほうが多いような気がします。バスの損傷もかなりひどく検証で分かるかどうかも難しいような状況です
が、それは専門の人が綿密に調査し解明することですから我々の口出しするところではありません。

ものには必ず原因と結果があるわけで、何が危険か何が安全かを見極めることが必要です。文明的な仕組み
セキュリティーがなかった昔はすべて自分の判断で行動していました。だから何か事故が起きても個人の領域
で納得せざるを得なかったところがあります。

しかし、今の時代は何をやるにしても誰か他人様との係わり合いが出てきてお金のやり取りで対価を払う仕組み
になっています。対価という字も価値に対するという意味があると思います。もし、この価値に対するバランスが
とれていないような場合にはどういうふうに判断するのか。

「安いんだからいいんじゃないの」で済まされることならまだしも、命がかかっていることに「格安」という文字が出
てきたなら何がしかの危険を感じる「回避本能」が必要だと思います。それは個人差があり一様には言えません
が何事もなく生きて来れた人にとっては簡単ではないと思います。


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コラム887 2016年01月20日

早い対応で好感度

 連日メディアをにぎわせているココイチのビーフカツ問題ですが、出るわ出るわでなかなか収束する気配があり
ません。ネットでは見つけた人とそれを対応した会社の素早さが高く評価されています。

こういう「食」に関することはきちっとすべきことは当然ですが、半ば常態化したと見られるような処分業者の実態
はもっと公にされて当然でしょう。

ここ数年は産地偽装がずいぶんとあり、京都の老舗が廃業となった例もあります。安全面から言えば産地偽装
ですから不良品を売っていたわけではないのですが不正は不正です。

その地のブランドというのは昨日今日に出来上がったものではないため、ある種の貫禄があります。例えば灘の
酒なども茨城の北のほうの酒蔵から移送されているものもあると聞きます。その地域で出来る量というのは必ず
や上限というものがあります。

これに対して出荷量が足りなくて売り切れという事態になったということを聞いていないのはやはり何かの調整
作業がやられているものと考えてもおかしくはないわけです。

いろいろ勘ぐるとあまり良いことは出てきませんが、この木材業界でも似たようなことは行なわれています。
例えば茨城県産の柱ですと言っても本当に立ち木も茨城で製材(生産)するのも茨城で流通も茨城からという
のは厳密に言えば立証できません。

個々の製材所がどこから原木を仕入れてくるかで産地が混じってしまうので県内・県外というのはわからなくなる
からです。大きな製材所になればなるほどある一定の量の丸太を集めなければならないのでそういうケースが
多々あるということです。

茨城は福島と栃木の両方から入ってくる確率があります。もっと北では宮城・岩手なども可能性としてあります。
太径木となればもっともっと全国版になります。千葉の原木が秋田へ行ったり秋田の原木が名古屋へ行ったりと
きちんとした産地表示でもなければ現物だけ見てわかるというものではありません。

要はどこまでが「産地」として許されるのかです。福島の丸太が茨城で製材されて「県産材」と出荷されても誰も
困らないのですからその辺のところは柔軟性があってよいと思います。

県産材の補助金制度なども県の税金を使うから「県産材」と明記するのでしょうけれど、実体は地元の木材市場
を通じて入手したものは伝票提示などで確認する程度でそれ以上の追求はしていません。


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コラム886 2016年01月19日

爆弾低気圧

 予想は出来るけど防げない・・・というのがお天気です。ここ数年の気象衛星等の刷新もともなって、かなりの
確率で「はずさない」予報は出来るようになりましたが、その先は何十年も「何も出来ず」だと思います。

今回の低気圧も当地では台風並みに暴れました。事務所にいてもいつ工場の屋根が吹き飛ばされるか心配で
した。ご存知のように製材工場というのは構造上三方向がふさがっていればよいほうで、私らの所では二方向だ
けしか壁らしいものがありません。

隣接して木材林場(もくざいりんば)もあるので出入りできるように開口部もあり風の通りはすごく良い構造です。
木にとっては乾燥環境が良いのですが、人間にとっては冬の寒さは殆ど外の世界と同じです。

以前、製材を盛んにやっていたころは、丸太が外に野積みになっていたので雪に降られると雪払いが大変でし
た。小さいころは何で一生懸命雪を払いのけているのか分かりませんでしたが、実際に仕事をするようになって
からはすぐにわかりました。

雪が積もることによりその後の寒さで丸太が凍ってしまうと、微妙にしみこんだ水が木の中で凍ってしまい製材す
るときに氷を挽くようになってしまい、フラフラになってしまいまっすぐに挽けなくなってしまうのです。
これはここばかりでなく北国の製材所でも同じことで冬の季節中ずっと悩みが続きます。

東京では数センチの積雪があったと聞きますが、ここでは雨風だけでした。雪による凍結という心配はなくなりま
したが別の面でヒヤヒヤでした。それは雨漏りです。

紺屋の白袴とはよく言ったもので、材木屋の事務所というと、さぞりっぱに作ってあるのだろうと思われがちです
が、これがよく雨漏りがするんです。特に今回のような北東の風雨のときはポタポタどころではなくダラダラと落ち
るような感じです。

原因は大工さんの施工レベルによるものです。漏るわけですから高いわけではなく逆なんですね、これが。
防水テープ処理と防水シートの施工に問題があります。事務所の北東方向というと、大体湯沸しなどの水回りが
あります。この湯沸し付近の窓と換気扇部分からですが、風の強いときは必ずといってよいほど雨漏りします。

当時の施工を見ていて思ったのですが、そのときは「ああ、こういうふうにもやるのか」と見ていましたが、やっぱ
り正論で施工しないと漏るんだなあと納得しています。

これは自分の所だからこちらが納得していればそれで良いのですが、他人様の家一軒の責任となればそうは
言っておれませんので納得のいく施工法でやるのは言うまでもありません。いずれにしても勉強不足の大工さん
は世の中にゴロゴロしているので、きちんと選ぶ必要があります。


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コラム885 2016年01月18日

寒さで電池が持たない

 情報端末機器の進歩はバッテリーの進歩でもあると言われています。そのバッテリーがこの寒さで「電池切れ」
となることが多く出ているそうで、ネットでも話題になっています。

20年前の電池と比べると大きさは二分の1、四分の1になって性能は向上しているという感じがします。特に携帯
スマホではその影響が大きいと思いますが、本領を発揮できる温度範囲が意外な落とし穴になっているのには
うすうす気付いていました。これはスマホの電池に限らず、電池そのものが同じような状態になるようでそれに
気付いていなかったというべきかもしれません。

例えば普通のアルカリ乾電池、これもデジカメに良く使いますが、気温が低い所で撮影していると通常の半分くら
いで「ピー」と電池切れの警告サインが出て動かなくなってしまいます。
「おかしいな、さっき入れ替えたばかりなのに」と思って、予備のものに換えても結果はまた同じ、通常の半分くら
いで動かなくなってしまいます。

何となくおかしいと思って捨てないでとっておいて、戻ってからテスターで測ってみるとそんな消耗しているような
電圧ではないので時計や懐中電灯などにいれて再使用しています。温度さえ下がっていなければほぼ新品と同
じように働いてくれるようです。

何でも使用範囲に何度から何度の間でと書かれていてもすべてが同じように作動するわけではないこと自覚し
ながら使えば腹も立たないと思いますが便利なものでも落とし穴があることをあらためて感じた次第です。


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コラム884 2016年01月15日

ろくでもない電話ばかりA

 今日は「光電話がお安くなるお知らせです」でした。相手の名前も覚えようとしないのでこの文句しか頭に残っ
ていないのですが、前回の電気料金が安くなりますのタイプとほぼ同様の手口みたいです。

過去にはNTTの代理店というフレコミの会社も多数ありましたね。NTTのところだけは大きな声で言って、あとの
部分は一回では聞き取れない・覚えられないような言い方で、最近はゼロにはなりませんが少なくなりました。
最終的には何らかの機器をつけさせその売上を稼ぐというもの。

そうそう、昔、「消防署のほうから来ました」と言って消火器を売りつける詐欺がありましたが、アレと同じです。
「・・のほう」を小さく言って、さも、「消防署から来ました」と聞こえるように言うあのテクニックです。
あの手法は今でも生きているんですねえ。

光回線だと電話機もおまけみたいにナンバーディスプレイが表示されますが、個人宅ならまだしも、事業所では
どこからかかってくるか分かりませんので一応は全部出ますから着信拒否のロックをかけてしまうのもはばから
れます。

行政、特に消費者庁も移転問題でガタガタする前にこんな所をしっかり取り締まれと言いたいですね。まあ行政
からすればいちいち民間の取引に首は突っ込めないというところなんでしょうけれど。
せめて、「飯のタネ」のもととされているNTTと電力会社には、その辺のところの防止PRをやってもらいたいと思
いますね。


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コラム883 2016年01月14日

ろくでもない電話ばかり

 銀行へ出向くと、カウンターそばの電光掲示板に「詐欺電話に注意」という文字が、限りなくゼロに近い預金金
利の案内と共に次々と出てきます。巷ではタンス預金も増えていると聞きますし、旅行から帰ったら4500万円も
盗まれていたというニュースなどを聞くと「へえっ、そんなにお金を置いておく人もいるんだ」と驚きます。

盗られる人と届けてしまう人といろいろタイプはあるようですが、地球のどこかにお金が移動してしまったのは確
かで、預金も手持ち金もない我が身には関係ないと改めて思うのです。

これは簡単に分かる犯罪ですが、分かりづらい詐欺まがいの電話はしょっちゅうかかってきます。私らの所では
高圧変電設備を持っているために「電気料金が格段に安くなります」という設備詐欺がほとんどです。

まず、「社長さんはいらっしゃいますか」と切り出されます。社長はいないが責任者ですと言うと、やおら省エネに
ついての節約テクニックがあると話し出します。この先は大体分かっているので受話器を置いてしまうかそのまま
にテーブルの上においておきます。そうすると何十秒かは勝手に話しているのですが、反応がなくなったのがわ
かると自然にあきらめて切るようです。

根性があるヤツはもう一度リベンジ電話をかけてきてこちらが受話器をとったとたんガシャっと切るものもいます。
こういうヤツはもともと罪の意識などない犯罪者の手先みたいなものなので失礼でも何でもないのですが「よくや
るわい」と感心してしまいます。

騙されないということは相手を見抜くことでもあります。省エネだとかゼロエネだとか言葉巧みに言われている今
の住宅についてもグレーゾーンに近い設備詐欺みたいなものです。これをつければ環境に貢献できるとか甘い
言葉は巷にあふれています。

私らの高圧設備についても、大体が、それらが出来るならもともとの設備会社がなぜやらないのかと言うことで
す。
変なパーツをくっ付けさせてありもしないデータを示し、これだけの省エネになって料金はこれこれで・・という省エ
ネ劇場を繰り広げます。うまい話に乗ってしまった社長さんは半年か一年後に手玉に取られたことにやっと気付
きます。そして、泣きつく先が高圧電気管理者です。相談を受けた側は一様に「やってしまってからではねえ・・」

こういう話は信販会社とグルになっているから裁判をやっても勝てないようになっているんです。結局、ろくでも
ない付加設備を捨ててローンだけは払い続けることになるのです。

なぜ、社長さんは・・・といってくるのか、社長というのは経営者で常に財務の内容を良くしようと考えている立場
なのですがなぜか電気などの部分的なこと理論には弱いという「職業的弱点」があります。
彼らの狙いはそこにあります。知識がなくて権限がある・・これぞ詐欺のターゲットになるのです。

このことは住宅でも我々の工場の電気のことでも同じことで、ある程度の基礎知識は持っていないとやられてし
まうということを物語っています。


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コラム882 2016年01月13日

住宅にキャラクターは不要

 住宅の価値を問うときに装飾部分を除くとどうなるか。つまり、華々しく宣伝されている部分や展示場などの見
本展示物、それに伴なう営業費用を除いた住宅価値ということです。逆に言えばどんな営業経費をかけようとも
有名人が出ていようとも元々の建物価値はまったく変わらないということです。

タマちゃんで言うならば、昔はみのさん、その後キムタク。セキスイなら天海○○、いまは・・名前がわからない。
住友は白鳳、ユニバーサルは谷原・・・、美川さんはどこだったっけと名前が出てこないのが残念ですが、共通し
ていることはやれる所は組織が大きいということです。

これらの人たちはCM料をいただけるから指示どおりの言葉をしゃべっているわけで、住宅のじゅうの字さえも殆
ど理解せずにカメラに映されているだけです。なぜ、こういうことが行なわれるのか、視聴者心理を探っていくと
有名人がやっているから良いと感じてしまうと言う結果が統計数字上でも出ているからなのです。

スーパーの食品も同じ心理を利用して、選ばれやすいようにピカチューや妖怪ウォッチのキャラクターを付けてい
ます。けれども、中身のウインナには価値の変化はまったくありません。

食品はまた別として、住宅に関してこれらの「売る為の経費」がどれだけかかっているかを気にする人は殆どい
ないと思いますが、調べようと思えば簡単に出来ます。

大きい会社ほど株式を公開しているため財務諸表を簡単に手に入れられます。それらを見てみれば営業経費が
どれだけかけているかはすぐにわかります。損益計算書などにはどれだけ広告費を使っているかちゃんと載って
います。

それらのPR費構成比率は最低でも6%にはなっています。つまり、一軒の家に例えてみれば6%分が価値に関
係ない部分となっているわけです。その数字が安いか高いかは個人の受け止め方になると思いますが、けして
安いと受け止める人はいないでしょう。


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コラム881 2016年01月12日

1月の勉強会

 いつからか、祝日を連休にするために都合よく くっつけてしまうことをやりはじまりましたが、こちらとしては15日
なら成人式という入力がされているため、「あれ、今日は何で着物の人が多いの?」とあとから気がつく始末。
いまひとつ頭がついていきません。

そんな中、今月も10日(日)に勉強会を行ないました。参加者は10名、あらたに若い方も3名ほど参加されて、
かなり熱が入りました。
今月は「工法」のテーマでしたので、現在行なわれている世間の建築実情とその問題点を探るべく、表側の華や
かな部分ではなく、「裏側から見た」本当に知らなければならない現実を知っていただくために2時間聞いていた
だきました。

とかく、今の住宅に関する入口というのは「完成したところを見て決める」という行為が非常に多くなっています。
これがすべて悪いと言うわけではないのですが、現実には完成した所を見て中身が分かる人は殆どいません。
出来上がりが同じなら中身は同じかと思いがちですが、現実はその中身がどんどん変化していってしまい、住宅
の質を大きく変えてしまっています。

知らないなら知らないで最後まで気付かなければ良いのですが、そうは甘くはなく、あとから大きなツケがまわっ
てくるのです。

せめて自分の家を建てようと思うのでしたら基礎的な知識と現場を見る力を養っておかないとそれは叶いません。
そのための準備は少なくとも1年間くらいは必要と感じます。


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コラム880 2016年01月07日

使う根拠は・・・

 事務所に出てくる途中に団地の裏道を通って来るのですが、その団地内でまた二軒ほど新築の家が建て始ま
りました。いずれも名前だけは一流と言われるHメーカーですが、その使用部材を見ていると情けなくなります。

一つは○井ホーム、もう一つはト○○ホームです。

前者はツーバイですから壁面は構造用合板で形作られていますが屋根はOSBボードを使っています。
後者は軽量鉄骨で最近はユニット化している建て方をします。こちらは面材にOSBボードを使用しています。
いずれも似たり寄ったりですが、使っているものはある意味共通しています。

以前にも書きましたが、OSBボードというのは一般に建築材には適しない雑木(ざつぼく)と言われるようなもの
を「ごぼうのささがき」みたいにし接着剤でプレスしたもので、サイズは合板と同じような規格が作られています。
特徴は合板よりも安いという点です。ハウスメーカー(HM)が使う理由はここにあります。

こういった製品は最初の強度が30年後にも同じという保証はどこにもありません。確かに法律には違反していま
せんが、建築を熟知しているものなら使用をためらいます。

しかし、当面どうなるものでもなく接着力劣化による崩壊というのは何時頃やってくるのか誰も言い当てられませ
ん。私でもわかりません。だからと言って構造体の部分、あるいは屋根下地の重要な部分に使えるという理由に
もなりません。

でも、勇気あるHMは競争に勝つためどこまでもコストの圧縮に力を入れます。その結果、安くて直近同等のも
のなら何でも使ってしまうというのが真の裏事情です。彼らは対前年比なんぼの成績アップを求められます。そ
れが何年経っても続きます。受注したらその中で規定の利益を上げなければならないと言うのが暗黙のノルマ
になっています。

そういうところから「つめられるものは何でもやれ」ということになるのです。

これらのことを果たして「自分の場合でもやるか?」ということですが、答えは完全にノーです。

ノルマのため、給料のためにやっているので法律違反しているわけでもないのにそこまで配慮することもないと
考えています。たとえ、適材ではないという意見の人がいたとしても組織が決めたことは修正されません。

ま、こういうことが簡単に変化していってしまうというのも、建て主さんが完成品を見て決めてしまうという非常に
不思議な契約の仕方をしているからで、中身を知らないという実に業者側にとっては都合の良い仕組みになって
いるからなのです。

大きなHMは安心だなどというのは通用しません。この建物もいったいどのくらい存続しているのかなと思いなが
らも、自分の残りの寿命を考えたら確かめることはできないなと感じています。

中日本高速道路の笹子トンネル事故裁判でも会社は控訴しなかったですね。アレは完全に樹脂に頼りきった施
工をしていたからで、遅かれ早かれ起きた事故でした。さて住宅の場合はどうなるのか、何年後に同じようなこと
が起きるのか定かではありませんが、私は必ず起きると思っています。


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コラム879 2016年01月06日                                                                    

新しいページになりました

 あけましておめでとうございます。本日から新年の活動が始まりました。
今年一年またよろしくご愛読下さい。

なお、お使いになっているPCの種類により画面等がずれて表示されることがあるようです。
こちらのHPが「どこでも配置モード」で作成しているためのようです。
もし、不具合がありましたらご一報下さい。


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これはあくまで、個人的な意見として、長年この業界にいて感じていることを書いています。
素材を否定しているとか、個人を誹謗中傷しているわけではありません。

更新は不定期ですのでご了解ください。

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