「失敗しない家造り」勉強会実践塾 スマホ版
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掲載は一週間分の押し出し方式で表示します。


次回の開催は3月10日、第二日曜日です。
会場は正面玄関電光掲示板をご確認の上おいで下さい。
よろしくお願い致します。



2019年02月15日

アパート建築のビジネス化

 昔むかしの話・・といっても50〜60年前のことですが、その当時の大工さんというのは年中仕事があるわけではないので、ヒマな時は農業をやったり部落内の家をまわって包丁とぎなどをやったりと副業的なことをやっていたのが当たり前だったようです。実際に当事務所の北側に住んでいたじいちゃん棟梁はこれと同じことをやっていたと話していました。

また、ちょっと形は変わっていましたが大工さんの奥さんが床屋さんやパーマやさんをやっていたことも多かったです。棟梁だって職人さんだって仕事がなければ食べていけませんからこういう形が多かったのだと思います。それだけ人口の割には建物の建築が少なく、逆に言えば長持ちした建物を作っていたから建築サイクルが長かったとも言えます。

戦後の復興期には人口も増えそれにつれて住宅需要も増えていきました。もともと、「お願いします」と相手方から頼まれてから仕事をしていた「待ちうけ」パターンだったわけで、そこへ営業マンを据えて攻め込み型の仕組みを作ったのがハウスメーカーでした。見本を作ってガンガン攻め込む手法のハウスメーカーと、頼まれたら仕事をするパターンの勝負では、良し悪しは別として前者が勝つのは当然でした。

個人が住まう住宅は本人が住むために行動をおこすわけですから「その気になった人」が対象となりますが、賃貸アパートでは本人が住むわけではないのに土地情報がお金さえ払えば誰でも取れるので「その気がない人」でも攻撃目標にできるというのが大きな違いです。

個人住宅が40万戸になるという時代では全員が食べていけるキャパはありませんから、大手ハウスメーカーが賃貸物件に傾倒していったというのもうなずける話しです。しかし、ここにもノアの方舟はあり、全員が乗れる席などありません。出来てしまったビジネス母体は需給状態に関係なく生き残ろうとします。

サブリースが考えられたのはまだある程度なんとかなるという状態で効果が出るのですが、それもほんの初期だけのもので低迷が長く続けば仕組み自体が成り立たないわけです。それでも押し込み型の営業をやるとなれば「騙し」の世界に突入せざるを得ないので「約束と違う」という声が出るのは時間の問題だったのです。

基本的に、住宅をビジネスとして倍々ゲームのように捉えていること自体がおかしいのです。需要が減って仕事にありつけなければ農作業をして食いつなげばいいのにそれが今のハウスメーカーには出来ないのです。


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2019年02月14日

根深い圧力A

 人も企業も楽して儲かるものには触手を伸ばしていきます。一棟の規模がはるかに大きく一般住宅より手がかからず儲かるとなれば放ってはおきません。オーナーとの打ち合わせだって個人住宅みたいに面倒ではないし、オーナーのほうも自分で住むわけではないので建築仕様のことよりも入居者の有無のほうに関心があります。

サブリースという方法を考え出したことはグレーゾーンの人たちにも利益があるかのように仕組んだ魔術と言えます。こういうマネは町の大工・棟梁では考えつきません。こうして顧客獲得の実権を握った王様も自分だけでは建物は作れないわけですから現場での作業者なしでは成り立ちません。

誰が頭になって建物を作るかは会社でも棟梁でも理屈は同じですが、決定的に違うことがあります。それは会社の場合、作業者を使い捨てのように外注という名の下に下請け作業をさせることです。そこにはA・・B・・C・・との中から安く工事をやるものを選ぶだけで継続的な技術継承のことを考えに入れていないことです。

自分が生きて継続して事業をしていくには社員の継続がなければアウトです。その部分だけはクリアしても下職といわれる職人領域は目を向けようとしません。短期的に見ればそれでいいのでしょうが職人の場合は今日募集して明日から実働というような一朝一夕にはいきません。そういったプラスアルファのお金を出していれば継続的人員も確保できるでしょうが、朝から晩まで働いてやっとお勤めの人の8割7割の賃金、しかも福利厚生など望むべくもなくでは後継者なんて無理です。

すべてこういうことは会社対個人で力関係が考えるまでもなく会社に牛耳られており個人がいくら希望を出しても「いやなら別の人」といわれるだけで一個人がどうこう出来る問題ではありません。しかし、この状態が続けば必ず息切れの時期が来て困るのは会社ということになります。

けれども、どんなに時が過ぎてもこういった力関係は変わることはないでしょう。労働する側がユニオンでも結成しない限り対等以上にならない限り無理だと思います。一強多弱は一強が自己崩壊しなければ何も変わりません。多弱が一強を頼らず生きていければ問題は簡単なのですけれど。


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2019年02月13日

根深い圧力

 なぜ、今回のようなレオパレス症状が出たかというと、「力関係」抜きには考えられません。すべてにわたって王様と奴隷の関係が成り立っているからです。もともとアパート建築というのは大工棟梁がいてその下に何人かの職人がいて・・、という形態で構成されてきました。

需要家、つまり発注者である建て主(家主)は棟梁と話をまとめて建物を作っていくというパターンだったのです。しかし、いつしかそこへ住宅会社というものが入ってきました。レオパレス・大東建託・東建ホームなどはその代表格で他にもセキスイ・パナ・・と大手のアパート参入が続いています。

当初、これらの大手でも自前と呼べるのは構造体くらいで他のものはほとんど現地調達が多く、それだけ地域と現場ごとの若干の差が出ていました。いまではそのほとんどは工場生産となり現場に直接搬入されるものは内装の仕上げ材程度のもので、それもどこのメーカーの何と指定されたものが搬入されます。

こういった現場では一般の住宅よりもなお厳しく工程管理されておりいかに監督の裁量によるバラつきを少なくするか、現場での大工作業をいかに少なくするかに重きをおかれます。職人の日当についても一日いくらの契約をしていたのでは一生懸命働く人とそうでない人で差がついてしまい、会社の利益を左右してしまいますから、一棟いくらとかひと部屋仕上げていくらという外注制にして損をしないようにしてしまいます。

すべての下職と呼ばれる業種はこの外注制で仕様どおりの作業をやらされますから、個人の意思など入り込む隙はありません。いやならほかの業者・職人がやるだけの話しです。どうしてこういう形になるのかというと、すべては「営業力」の違いです。昔から職人は口べたで交渉が苦手です。仕事は出来るのですが話すのがヘタだから顧客のほうとしては営業マンのほうが良いとなってしまうのです。

こうなると「仕事を得たほうが勝ち」となりその下で仕事をさせていただくという構図が出来てしまいます。王様が一社だけなら問題なく皆がきちんと生活できるだけの対価を払えるのでしょうけれども、現実にはその王様が何人もいて競争をしなくては受注できないので、会社が儲かって、しかも競争に勝てるような体質になっていってしまうのです。

もう一つ、自分が住むための建物ではないので発注する側も質にこだわるというよりも金額に目がいってしまいます。3000万円よりは2900万円のほうがオーナーとしては有利なので、その100万円がどれだけ質を下げてしまうものなのかというよりは、自分のソロバンに有利かということを考えてしまうのです。したがって、そういう意向の取引を満たすために形が同じに見えて中身が安価なものにどんどんすり替わっていき、作業だってわからない(見つからない)ところは手を抜く・・という結果につながっていくのです。

行くべきところに行き着いたのがレオパレスであり、順番がちょっと早くなっただけで中身なんて同じようなものなのです。ご主人様だけうまいものを食べているからこうなるのだと思います。飼い犬に手をかまれるとはこういうことを言うのでしょう。


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2019年02月12日

2月の勉強会

 最近の天気予報はかなりの確率であたるようになりました。一週間前から「雪になるかもしれない」と言われていましたが本当でした。気象衛星と観測地点の充実が精度の高い予報につながっているのだと思います。

さて、今月は部屋都合で祝日の月曜日に行ないましたが、お忙しい中5名の方に参加いただきました。今回のテーマは1月の分を繰り下げて「工法の話」でした。レオパレスの不正施工の話も織り交ぜて、2時間、工法の何が違うのか将来どういう弊害が出るのかという点などお話しいたしました。

次回3月は、10日(第二日曜日)に行なう予定です。お時間の許す方はご参加下さい。内容は当HPにも掲載してあります。


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2019年02月09日

またまた出ましたA

 チャイナでは空き家が5000万戸もあると報じられています。しかし、この国では作るのも国の息がかかったところがやりますし、これがGDPの数字にも関係してくるので、世界にむかって「中国は成長し続けている」というパフォーマンスをするためにもやめることが出来ません。売れようと売れまいと作ることが数字を作ることのようになっているからです。

それでも自国以外には持っていけないのでいつかは破綻するときが来るでしょうけれど日本はマンツーマンで成立してから工事になるので契約者が出なければそこで終わりになります。いくら大きくても「大きければ大きいほど量をこなしていかなければならない宿命」を持っています。もうそこには需給関係などといっていられない立場に立たされているのです。こうなると社会悪というほかないでしょう。

必要のないところに押し込みをやるということはどこかに歪みが出ます。近隣のアパートにしても満杯になっているところなどひとつもありません。ところが新築のアパートは不思議なことに満員御礼の幟が立つのです。一説には息のかかった「サクラ」がいて新築入居から数ヶ月で他の新築へ引っ越す役目の人がいるそうです。いわば自前で満杯にし次のターゲットを狙うという手口です。

裏で操作すればずっとばれないでいけるでしょうが、それとて限界があります。オーナーのほうもちょっと警戒心のある人ならおかしいなと思うでしょうし、しっかり市場調査して自分で判断できる人なら営業マンの言うことは鵜呑みにしないでしょう。でも、次々と被害が出るということはそういった横のネットワークが働いていないか人が良すぎるかのどちらかということになります。

セキスイの55億詐欺事件のように劇場型でやられたら一個人の知恵ではかなわないかもしれません。いずれにしても「対等の取引」ではなく「押し込み型」「詐欺型」のビジネスになってきていることには違いありません。この会社ばかりではなく、類似の同業者はみな似たような手法でやっていますから「同じ穴の何とか」であると思います。

一番の被害者は入居者とオーナーでしょう。張本人は自業自得でしょうからお情け無用だと思います。


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2019年02月08日

またまた出ました

 昨年の5月、アパート主力のビジネス展開をしていたレオパレス21が重大な施工不良の建物ありと公表しました。重大な・・とあるのは、こういったアパートすべてに共通する界壁という隣室との境を完全に防火しなければならないところをやっていなかったというものです。

ほかにも、この手の建物は音が響きすぎるという悪いほうの評判が多く出ていたのですが、緊急時に危険に晒されるという状態とは少し違うので表立った内容は界壁のほうが大きな問題にされました。前回と今回の追加発表は同じようなものですが前回3ケタ台の不良箇所棟数が4ケタになったということで、案の定という受け止め方です。

その数1324棟、緊急を要する修理により1万4千人強の人に移動してもらって補修するというもの。前回の会社側の修理見積りは一棟につき60万円と発表していましたが、そんなもので何が出来るかとこのコラムでも書きました。一次退去してもらって修理して戻ってきてという手順からすれば、一棟で約10人ほどいる計算であれば二度の引越し費用とその間の住居費、現場の工事費を入れれば当初の10倍はかかるはず。

おまけに「レオパレスはダメだ」という評判落ち、これからの入居者減を考慮すれば天文学的数字になるはずです。この会社はサブリースも手がけていてそちらのほうでも訴訟を起こされています。いずれにしても良いほうに転げることはありません。

問題はなぜこのようなことになったのか・・です。ある意味、「なるべくしてなった」というべきでしょう。それは会社の利益最優先主義の結果だからです。不動産だけ扱っていれば仲介手数料だけの世界ですが、建築まで手を出して、そのまた先の管理まで範疇に入れてその費用でまた荒稼ぎ・・。

この会社の喰い散らかしたあとには幸せになる人はこの会社以外はないのです。需要があろうとなかろうと相続問題で税金対策に建物を建てさせ、「損はしません」とウソをいい、どこからそんな経済理論が出てくるのかと思うほどボンボンあちこちに賃貸アパートが出来る。それでも次から次へやっていかないと・・・という自己中心的理論が麻薬のように続く。

勝ち続けるためにはライバルを蹴落としても受注しなければ利益につながらないので最後は詐欺師みたいになる。必勝パターンは永久には続かないということを知らないのでしょう。もっと利口になるべきです。不思議なことにネットの世界ではこのニュースが報じられるボリュームが非常に少ない気がします。何か裏で手を回しているのでしょうか。


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