Z750FX

N.I.T. Touring Clubs graduate's meeting.

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 「男、kawasaki」を象徴するモデル。前モデルは「丸Z」(RS、FOUR)、本モデルは「角Z」(FX-T型)と呼ばれた。角を基調としたそのフォルムは、今だ熱愛するファンは多い。空冷4サイクル並列4気筒DOHC8バルブ、746cc、最大出力70ps。

Z750FX (T型)

 限定解除に合格し、その翌月に中古で購入したのがこのバイクだった。大学3年の2月で、ツーリング同好会が発足した頃である。それから2年近く乗った。

 このバイク、とにかくカッコイイ!!の一言につきる。

1000ccクラスと同じ車体は、Bigで、その直線的ラインは、見る者を圧倒させる魅力があった。当時70psは、ナナハンの中では最高だが、装備重量260kgを軽快にさせるにはいたらなかった。エンジンは、このバイクの前身であるZ-U(ゼッツー)と同じであり、当時、仲間が乗っていたGSX750Eのような圧倒的なトルク感、CB750K/Fのような強烈なアクセルレスポンスといったことがなく、直列4気筒なりに良く回るエンジンだった。

 高速道路や高速コーナーでは、重量からくる安定感を充分に味合うことができた。当時ツーリング同好会のメンバーは、250ccが多く、碓氷峠(旧道)のような低速ワインディングロードを好んだ。コーナーの出口が次のコーナーの入口になるような低速ワインディ

ングロードで、この260kgある車体を振り回すのは、実に大変なことになる。車体が重過ぎて切り返せないのだ!このバイクは、地面に寝かせるとクランクケースを軸にタイヤが上になるほど、重心が高いのである。つまり、低速コーナーで、倒れこんでいるバイクを起こそうとしても、高速コーナーのように遠心力を使うこともできないので簡単には起きてくれない。当然、体力では起きてくれない。そこで、エンジンパワーに頼るのだが、低回転でのトルクは役に立たない。使えるのはトルクの出始める7000rpmから最高馬力の出る9500rpmである。つまり、低速ワインディングロードでは、出口付近で9500rpmになるようにしないと切り返せない。コーナーに7000〜8000rpmで入り、出口手前からアクセルをグッ!!と開けると同時に切り返しすぐにエンジンブレーキで、次の入口の準備をする・・・といった具合である。但し、使えるギヤはLowだけなので、ギヤチェンジする必要が無い分、楽だったともいえる?。また、アクセルオフによるエンジンブレーキ、レスポンスも穏やかだったので、高回転時は、比較的扱いやすいエンジンだった。しかし、コーナーでは、細いタイヤ(TT100)に少しでもパワーを与えようと、ステップを曲げてやる気持ちで外足に思いっきり過重をかけていたので、走り終えた後は、すがすがしい250cc連中とは裏腹に、疲労困憊と次の日には朝起きるのがつらいほどの筋肉痛が待っていた。

 当時このバイクをノーマルで乗っているの人は珍しく、集合管、バックステップ、セパレートハンドル・・等々・が多かった。実際に、ノーマルで購入し、アップハンドルがしっくりこないので、セパレートハンドルとバックステップに交換した。この状態で、コーナーリング中に接地するのはエンジン下部のエキゾートパイプだった。私は、集合管を付けることは無かったが集合管を付けると、コーナーリングで接地するのはクランクケースになるそうだ!!操作系で気に入っていたのはブレーキのフィーリングだった。けして強力なブレーキとはいえないが、軽く握った時、ブレーキパッドがディスクに触れる感触が何とも良かった。
 乗りやすいバイクではなかったが、1人でツーリングに行っても、自然と仲間が集まってきてしまうほどの注目されたバイクであった。

by 荻野 2003.11