【CHAPTER2−03】



→ 中央ホワイエ →  大聖堂中庭 →  草園 →  スラム前 →  バザール広場 →

→ 草園 →  大聖堂中庭 →  バザール本通り →



《中央ホワイエ》

ラーベン
 (※依頼のメールを読んだ後)

 「おお! アルーア。
 休養中のところまことに申し訳ない」

 「…実はあなたの治療中、この教会領を中心と
 したセントラル全域にいささか不可解なことが
 おきていましてね…」

 「バザール・スラムエリアの方で子供の失踪が
 相次いでいるのです」

 「とりあえず、シスターズを出動させてはいる
 のですが…」

 「いまのところめざましい成果はまだ上がって
 いません」

 「…どうでしょう?
 彼女たちを助けてやってはいただけませんか?」

アルーア
 行方不明になった子供の捜索?

 (※ロバートを調べていない場合―ここから―)

 そういえば一年前にも
 ミナミで同じような事件が
 あった

 ハーメルンの惨劇
 確かそう呼ばれていたはずだ

 あの時は二十名あまりの
 子供たちがさらわれて
 結局行方は分からずじまい
 だったけど…

 (※ロバートを調べていない場合―ここまで―)

 ……
 異端どもの抹殺や
 背教の罪を犯した司祭の処分
 など…

 公にされることのない
 ミッションばかりだった
 この私に…
 子供の捜索?

 まあいい。私はただ、
 下されたミッションを実行
 するだけ

 それが何であろうと…
 確実にやりとげるだけだ

ラーベン
 「そうですね…。
 ま、リハビリ程度に考えていただければ…」

 「とりあえずこれを渡しておきましょう。
 マップデータも破損していたようですから、
 これでデータを更新しておいてください」

 『教会エリアデータを入手した』

 「使い子には、私から話を通しておきました」

 「まずは正門下のバザールを訪れて下さい。
 事件の調査主任がそこにいるはずです」

 「いや、休養中というのにまことに申し訳ない」



《大聖堂中庭》





アルーア
 (※ミッションを受けた後)

 そういえば…
 セス司祭が話があると
 言っていた

 草園に行かなければ…



《草園》


セス
 (※ミッションを受けた後)

 「ああ、よく来てくれましたね。
 …下されたミッションの内容は大体予想がつき
 ます」

 「いまバザール・スラムエリアを席巻している
 児童失踪事件の調査…でしょう?」

 「かなり噂になっていますからね。
 それにこの草園で採れる薬草を引き取りに来る
 住民たちも大分不安がっていますし…」

 「おっと…これは大司教には内緒ですよ。
 なに、余った分を渡しているだけです。我らが
 神も目をつむっていてくれるでしょう」

アルーア
 バザールやスラムに住む住民
 たちを…
 教会は信者と認めていない

 教会にとって彼らは
 教会領に不法に居住する違法者
 に過ぎないのだ

 そのような者たちに
 教会の資産である薬草を
 分け与えているなんて…

 優しさ…
 それがセス司祭の最大の美徳
 であり…欠点だ

 かつて審問官だった頃
 セス司祭は異端の徒に対し…

 その魂が天に届くよう祈りな
 がらマインドを放ったと聞く

 しかし、そのような
 節度なき慈悲は混乱を招き
 やがて腐敗のもととなる

 いさめるべきだろうか?…

セス
 「フフ…、そう怖い顔でにらまないで。
 わかりましたよ。ほどほどにしておきます」

 「…ああ、そう。話というのは、他でもない。
 そのミッションのことなんですが…」

 「断りなさい。
 …あれだけひどいケガをした後です。
 とくに言い訳する必要もないでしょう…」

アルーア
 ミッションを…断れ?
 いったい何を!…

セス
 「言いたいことは分かります。
 でも、落ち着いて…」

 「今回のミッションが普通ではないことは
 あなたも気がついているはずだ」

アルーア
 ………

セス
 「行方不明となった子供たちの捜索…。
 本来ならば、これはアイラやトウコたちだけ
 で果たすべきミッションです」

 「あなたの力が求められるようなものではない。
 …そうでしょう?」

 「嫌な予感がするんです。
 それも、いままで感じたことがないほどの
 恐怖に近い不安感を…」

 「…ただ、断れと言われて素直に聞くあなた
 ではないし、あなたを止める力がいまの私にあ
 る訳でもない」

 「ミッションを果たすのはあなたの自由だ。
 しかし…」

 「充分気をつけてください、アルーア。
 …ほんのささいなズレが、やがて大きな災いと
 なって…」

 「あなたに降りかかってくるかもしれない」

アルーア
 嫌な予感…

 普通ならば無視して当然の
 あやふやな理由。でも…

 それがセス司祭ほどの
 強大なマインド能力者から
 発せられたとなると…
 話は別だ

 戦いによって強化された
 マインドは、時に予知夢にも
 似たヴィジョンを見せること
 がある

 私自身、それに助けられた
 ことがない訳ではない

 もちろん、だからといって
 ミッションを断るつもりは
 ない。でも…

 心には、止めておこう。
 どんな時にも冷静だった
 セス司祭があれほどマインド
 を騒がせていたことを…



《スラム前》

侍女団
 (※トウコに会う前)

 「あ、アルーア様!」

 「申し訳ございません…。
 現在、調査のためバザール・スラム両エリア間
 に封鎖線をしいているんです」

 「まずはトウコ様とお話しください…」

 「トウコ様なら大聖堂正門下のバザール広場
 おられます…」


アルーア
 通路を封鎖している。
 …ここは通れそうにない





アルーア
 慈しみ深き庭…
 すべての希望…
 そして私の生まれ育った家…

 どんなことがあっても
 守らなければならない









(右)
侍女団
 (※トウコに会う前)

 「…申し訳ございません。
 現在このバザール・スラムエリア間は調査関係
 者以外立ち入り禁止となっています」

 「たとえ司祭様でもお通しするなとの通達が下
 されているんです」

 「もし何かご用がある場合は、トウコ様にお話
 しください」

 「トウコ様でしたら大聖堂正門下のバザール広
 場
におられます」









(左)
侍女団
 (※トウコに会う前)

 「アルーア様!!
 もう退院されたのですか!?
 さすがだわ…」

 「私たち、まだ見習いなんですけど…
 いつかはアルーア様みたいな素晴らしいマイン
 ド使いになりたいって思ってるんです」

 「でも、本当に申し訳ないんですが…
 いま、バザール・スラムの両エリア間は進入制
 限されていて、誰も通してはならないと…」

 「あの、まずトウコ様とお話しください。
 制限解除の指示が出れば、お通しできますから」

 「トウコ様は大聖堂正門下のバザール広場
 調査の指揮をとっておられます」



《バザール広場》

トウコ
 「あなた… アルーア・バレンタインね?」

 「はじめまして。
 私はトウコ・エリ・マガツハラ
 この事件の捜査主任です」

 「私、いままでは教皇庁の調査局にいたから、
 同じシスターズだといっても会うのははじめて
 だけど…」

 「光栄だわ。
 噂に高いアルーア・バレンタインとこうして
 一緒に仕事ができるなんて」

アルーア
 教皇庁の調査局…

 司祭の汚職や背教といった
 教会内部の問題を調査、摘発
 するためのセクション

 シスターズでもよほど優秀な
 ものしか登用されないと聞く…

 確かに彼女の思念の強さは
 こうして向かいあっているだけ
 でも感じられる

 極めて純粋で…
 硬質な思念波動

 ある意味…
 アイラとは正反対ね

トウコ
 「ごめんなさい。
 つい嬉しくて、ムダ話をしてしまったわ…」

 「それでは、現在までの状況を報告します」

 「最近このバザールとスラムの両エリアで、
 10歳未満の子供が次々と失踪するという異常
 な事件が多発しています」

 「まるで一年前、ミナミで発生したハーメルン
 の惨劇を思わせるけど…
 あの事件とは少し違うわ」

 「子供たちの失踪という点は同じだけど、
 今回のケースでは不思議なことに…」

 「ともに寝起きしていた親たちのほとんどが
 子供がいつ失踪したのか記憶していないんです」

 「すぐ隣に寝ていたというのに、目が覚めれば
 いなくなっていたと、そう言っている」

 「それ以外にもひどい記憶障害を起こして暴徒
 と化した住民もいて…」

 「住民たちは『記憶喰らい』と、まるで死病か
 得体の知れない化け物のように恐れているわ」

 「…私は、ある種の記憶操作が行われていると
 見ているんです」

アルーア
 記憶操作?…

トウコ
 「そう、まるで…
 私たちマインド使いの仕業みたいに…」

 「アルーア…。
 あなたなら、おそらく住民たちの深層思念に残
 された精神干渉の痕跡を発見できるでしょう」

 「思い過ごしと思われるかも知れないけど…
 これが単なる子供の失踪事件ではないことは
 確かだわ」

 「あと、私は教会との連絡のため、大抵の場合
 ここにいますから…」

 「何か進展があったら、何時でも来てください」

 「とにかく、お互い協力しましょう。
 これ以上無垢なる子供らの悲劇を増やさないた
 めに…」






ヘンゾ
 「雨が降ろうが頭がぼけようが」

 「商売商売っ!」










アルーア
 ?…
 何か邪悪な波動の揺らぎを感
 じる…











 うぉおおおおおお
 わしの店
 わしの人生
 これで終わりなのか
 うぉわりぬぁぬぉくぁあああ
 殺す






老婆
 「…ぶつぶつ……だからわたしゃ…ぶつぶつ…
 ……ぶつ…なのはまだ……ぶつぶつぶつ……」

アルーア
 おかしい…

 この老婆の心の奥。
 まるでタールの海のように
 果てしなく、何も見えない

 いったい…何者だ?







 これはただのはじまり…
 これからもっともっとひどくなる
 心が喰われ
 盗まれ
 砕かれ
 踏みにじられる
 まさに地獄
 何一つ確かなものはなく
 何一つ信じられるものもない
 頼れるのはただ己がココロのみ…
 どこまで己を信じられるか…
 それが生死のわかれ目じゃよ







トウコ
 「どうしました? アルーア…」

 『状況を報告する
   特に何もない 』

トウコ
 (※『特に何もない』を選択した場合)

 「そうですか…。
 いえ、これも私たちの力が至らないためだわ。
 迷惑をかけてしまって、ごめんなさい」

アルーア
 (※『状況を報告する』を選択した場合)

 特に報告すべきことはない

トウコ
 「そうですか…。
 私、この事件にはどこか得体の知れない不気味
 さを感じるんです」

 「まあ、焦らずに行動しましょう。
 調査には速さよりも、確かさの方が重要ですか
 らね」

トウコ
 (※あやしい老婆を調べるかダイブした後、
 『状況を報告する』を選択した場合)

 『アルーアは『あやしい老婆』に
      ついて話した    』

 「………。
 あそこの老婆には関わらない方がいいわ」

 「彼女は、かつて教会を揺るがしたある司教の
 異端行為に加担していたと言われているの」

 「調査局のファイルでも、彼女に関するデータ
 は最高機密扱いにされているわ」

 「彼女に関わる事…それは異端への道が開けて
 しまうようなもの。
 そう言い切る司祭までいたほどよ」

 「だからアルーア…
 彼女には関わらない方がいいんです」







 (トウコに老婆の事を報告した後)

 誰も知らぬ…
 教会の闇に眠る禁断の書…
 狂える司教レン
 非道な実験の果てに遺した
 汚れた魔術書
 外道の書
 異端の書
 背徳の書
 涜神の書
 堕天の書
 この5冊の呪われし書物…
 闇の教義を記したという
 歪んだ思念の結晶
 大いなる力を手に
 いまでもその五冊の魔術書は
 セントラルのどこかに…

アルーア
 レン司教のことなら
 私も聞いたことがある

 高潔で学識豊かな司教だった
 にもかかわらず…

 ある時突然、神の声を見失い、
 教団の研究施設を私物化して…

 口にさえ出来ぬ非道な実験を
 繰り返したという

 …でも禁断の書というのは
 はじめて聞く

 そんなものが
 このセントラルの中に
 本当にあるのだろうか?



《草園》


セス
 (※老婆にダイブし禁断の書の情報を得た後、
 『ちょっと話しかけただけ』を選択した場合)

 「禁断の書だって!?
 いったい誰からそんなことを…」

 「…確かに、その名前は教会史に存在します。
 もっとも、外には決して公開されることのない
 機密アーカイブの中だけに、ですが…」

 「アルーア、悪いことはいわない。
 この件には近寄らないほうが身のためだ」

 「特に…私たちのようなマインド使いにと
 っては、あの禁書に触れることは教会への裏切
 りを意味する…」

 「中庭にいる巨大な使役信徒…
 彼はかつて次期枢機卿とも噂されるほどの方で
 した」

 「しかしある時、レン司教の邪な考えに乗って
 しまったばかりに思念のほとんどを破壊され…」

 「その結果、あのような姿になってしまったと
 いわれています」

 「忘れなさい、アルーア。
 彼のようになりたくなければ、忘れることです」



《大聖堂中庭》

使


アルーア
 (※セスに禁断の書の話をした後)

 彼がレン司教とともに
 異端の書物をあらわした
 だなんて…

 本当だろうか?

使



 (※セスに禁断の書の話をした後)

 カミサマ イル
 カミサマ ミテル

アルーア
 光にあふれている…

 この輝かしいまでの
 精神世界のどこに

 異端の闇が存在すると
 言うのだろう…

 …もっと奥へ

 本人さえ知ることのない
 精神の深い底に

 その闇はあるのかもしれない

 (光が強くなる)

 くっ…

 ものすごい思念圧だ

 こっちの精神が…
 圧し潰されそう


 オレ シアワセ
 カミサマ
 カミ

アルーア
 !

 思念の位相が変わった

 何という、
 邪悪な思念波動だろう。
 これは…


 カミ ハ イナイ
 ワレラ ガ コロス
 ハカイ スル
 ソノかぎ…
 外道の書
 くらき水の底に…

アルーア
 ダメ…だ…

 これ以上はもう…

 (ダイブが解ける)

 外道の書…
 くらき水の底といっていたわね

 くらき水といえば…
 地下水路か?

 そこに外道の書が
 かくされているというの?

使


アルーア
 (※セスに禁断の書の話をした後、ダイブ後)

 彼の心の奥底に広がる
 果てしない闇…

 あの深さでは
 もう二度と表層に現れること
 はないだろう

 そっとしておこう。
 もう彼はその罰を受けている
 のだから…



《バザール本通り》







イザベラ
 ドリーもかわいそうにね

 3年前に亭主に
 先立たれたと思ったら…

 今度はあれほど可愛がっていた娘が
 いなくなっちゃうなんて…

 おまけにどうしたんだか
 頭の中までヘンになっちゃって

 何を聞いてもアレとかソレとかばっかり

 その上、全部消えちゃったのなら
 まだいいのに…

 娘がいなくなっちゃった哀しみだけは
 まだ心の中に残ってるみたい

 店に張っていた娘の写真を見ても
 いったい誰だかわからないのに…

 いなくなった哀しみだけは
 残ってるなんて…

 悲しすぎるわ
 あまりにも残酷な話…

アルーア
 (※ミカルの写真を見る前)

 娘の写真

 何のことだろう?








 記憶喰らい…
 そういえば昔…
 あいつ
 何ていったっけ?
 のぞき屋
 そうよあいつ…
 いつもオドオドしてるクセに
 クサいクセに
 わたしの心に
 触りやがった
 許せない
 みんなでいじめた
 散々いじめたおした
 いなくなった
 いつの間にか
 もう死んだとばかり
 思ってたのに…

アルーア
 のぞき屋?

 心に触ったっていうのは…
 心を読まれたという
 ことだろうか?

 彼女の記憶では
 とうの昔にバザールから
 去っているみたいだけど…








ハッサン
 「ワシは抗議する!」

 「教会の、あまりといえばあまりに無慈悲な
 この仕打ちに対して…
 心の底から抗議するぞ!!」

 「いったい何考えているのか知らんが、
 ワシらを残したままゲートを封鎖するってのは
 あんまりひどすぎるじゃないか!」

 「こんな、子供たちが次々と姿を消し、
 おまけにいつ誰がぼけぼけになってもおかしく
 ないという時に!!」

アルーア
 激しい恐怖の念をまるで
 毒ガスのように放射している

 自分がこのバザールを
 取りまとめているという
 強い自負心と…

 記憶を破壊されて
 暴徒と化してしまった
 住民への激しい恐怖心が
 混ざり合って…

 巨大なパニックの核が急速に
 育ちつつあるわ

 『記憶喰らい』などに
 精神を侵されるまでもない

 この男の心は
 自ら崩壊しようとしている…









 どうしてだ?
 わしのバザールが…
 このわしのバザールが…
 あっという間にボロボロに
 ボロボロになっちまった
 あいつが来てからだ
 あのよそ者…
 深くフードを被った
 ヘビの目の男
 あの男が
 このバザールに
 滅びの病菌を
 バラまいた



《CHAPTER2−04》



或る記録の残滓