【CHAPTER2−04】



→ バザール奥 →  材木倉庫 →  奥(バーみやび) →  階段踊り場 →  センター前広場 →



《バザール奥》










アルーア
 ?…
 柱の裏に何かある

 写真が止めてある
 キレイな女の子だけど…

 不思議な眼の色をしている

 だいぶ日に焼けて…
 ずいぶん思いのこもって
 いそうな写真だわ










アルーア
 (※ミカルの写真を見た後)

 写真にこめられた思いが
 伝わってくる


 あはは
 きゃはははは
 大好き!
 大好きよ! ママ
 ミカル、ママ大好き!
 いい匂い…
 ミカルいなくなっても…
 ママ、忘れないでね
 ミカルのこと…忘れないでね








アルーア
 これは汚れた地下水を
 浄化して…
 セントラル全域に生活用水を
 供給しているポンプだ






ドリー
 「…ああ…あ…は…あはは…う」

 「わたしの可愛い…」

 「…」

 「……誰?」

 「連れていかれちゃった…」

 「…誰が?」

 「誰が可愛いんだろう?」

 「思い出せない?」

 「だめ、思い出せない!!」

 「ひどい!」

 「わたしの大事な…大事な…」

 「大事なアレを取っていっちゃうなんて!」

 「返してよう」

 「返してよう」

アルーア
 子供を奪われたのね

 記憶野のぽっかりと空いた
 領域に、むき出しの哀しみが
 流れ込んでいる

 それにしても、なぜ?

 いったい何のために
 子供をさらっていくのだろう?







 ひどい
 もう何もない
 盗られた
 何を?
 誰に?
 あいつに
 あそこで
 どこ?
 ああああああ
 わからない
 何もわからない
 もう何も…

アルーア
 (※ミカルの写真を見た後)

 …この思念から
 伝わるイメージは

 そうだ、あの子だ

 あの写真の女の子

 あの子…
 このひとの娘だったんだ

 (※ミカルの写真にダイブした後)

 あの写真に残っていた

 ミカルの思いを
 渡してあげれば…


 誰?
 あなた…誰?
 何?
 そう、そうだわ、ミカル!!
 わたしの可愛い娘
 いいえ! 忘れたりなんかしない!!
 ミカル!
 さらっていった!
 あんな男に盗られて…
 娘も…心も盗られて
 材木倉庫の奥…
 わたしの…
 わたしのミカルを返して!!

アルーア
 記憶を再構成することが
 できたみたいね

 ミカルという少女が
 それほど彼女の心に広く存在
 していたということか…

 そういえば、
 いま少女のイメージを核として
 記憶のリンクが形成されていく
 時に

 材木倉庫という場所が
 強くイメージされていたわね

 そこで子供を奪われたと…
 彼女はいっていた






ドリー
 (※記憶の再構成後)

 「ミカル…わたしのミカル」

 「どこいっちゃったの、ねえ?…
 どこいっちゃったのよう…」





ホリオ
 …誰なんだ?
 お、おお、俺ぁいったい誰なんだ?

 足元の木箱には煙管がどっさり入ってる
 そう、これがオレの商売道具だ

 昨日の売上げは2460新元だった
 はっきり覚えてる

 あやしいトコロは何もねえ
 …このオレが誰なのか…それ以外は…

 う…うう…怖え…怖ええよ
 オレも喰われちまったんだ

 うう…うううううう…
 怖えよぉおおおお






 何だ
 やめてくれ
 おい なんだよ
 ああああ
 消えていく
 オレが
 消えちまうよ

アルーア
 何だ…これは?

 誰かと会っていた
 記憶のなごり…

 何かを見て
 そのために記憶を消されて
 しまったのか…








サントス
 …くそったれ!

 ガキが消えようが知ったこっちゃねえ!
 教会のヤツらもしっかりしろってんだ

 記憶を喰われて
 いきなり襲いかかって来る奴もいるんだ
 危なくってしかたがねえ!!

 どいつもこいつもふざけやがってよ!









 見ちまった…
 俺はおれは
 見ちまったんだ…
 背の低いモグラみてえな男が
 心を吸い取って行くのを
 おとろしい
 おとろしいこった…







アルーア
 ナンキンロックが
 かかっている…

サントス
 「おいおい! そりゃ俺の商売道具だ!
 勝手に触るんじゃねえ!!」








 俺の商売道具
 サントス式精力増大マシーン
 小さくても効果的
 ここに隠そう
 お買い得
 昼はいない
 男のたしなみ

アルーア
 ?

 この店主の思念以外に

 微かだけど
 誰かの思念がこもっていた

 何かを…
 隠したとか



《材木倉庫》








ボビー
 「なんだ、あんた?
 教会の尼サンにしちゃ、やけに物騒な気を放っ
 てるな?」

 「何、オレは目が見えないんでね。
 その分人の気配に関しちゃ、結構鋭いんだ」

 「…… ちょっと待てよ?
 どっかで感じたことがあるぜ」

 「あんたの気のその…
 鋭いけどどこか危なっかしい感じ…」

 「…数日前、ちょうどこのへんで
 オレの前にしばらく立ってたヤツが…
 そんな気を発してたよ…」

 「あんたよりもだいぶギラギラしてたが、
 匂いはそっくりだった」

 「こっちのココロの中を覗きこむような…
 そんな気だったよ」









 そういやこのあいだ
 どっかのガキが言っていた
 モーリーを見たか?って
 このへんにあるはずなんだって
 不思議なことに
 その後気配がすうっと消えた
 まるで幽霊みてえに
 確かあのガキ
 ソロスとか言ったか

アルーア
 (※ハンナを調べた後)

 ソロス?

 スラムで
 行方不明になった子供に

 確か、そんな名前の子が…








アルーア
 (※ドリーの記憶再構成前)

 コンテナが
 無造作に積み上げられている








アルーア
 (※ドリーの記憶再構成後)

 ドリーは確か…

 材木倉庫の奥で
 子供を奪われたと
 言っていた

 ここだろうか?

 ?
 奥のほうに
 鍵がかかっている
 コンテナがある

 調べてみる?

 『 カギを調べる
  また後にしよう』

アルーア
 (※あやしいカギ入手前、
 『カギを調べる』を選択した場合)

 頑丈なカギだ。
 開きそうにない



(右)

 くくく
 俺たちはビックリ箱
 小さな声で助けをよぶ
 どこかのバカがおせっかいにくる
 すると
 ボボ〜〜ン
 くくくくくく



(右)

 「はあ…はああ…」

 「た、たす…」

アルーア
 声が聞こえる

 中に誰かいるのか?

 どうする?

 『知ったことではない
   放ってはおけない 』


 (※『放ってはおけない』を選択した場合)

 「た…たすたすまにあでびるっ!!

 (戦闘:暴れ市民)

 メリー…クリースマース!
 ジングルベージングルベー切・り・つーけるー
 さんたるちあっ! ぐふっ!!………

 (戦闘終了)

アルーア
 何なの?

 いったい…



(左)

 やってやる
 俺はモンスター
 なんでもぶっ壊す
 誰にも止められねえ



(左)

 「うう…」

 「うううううう…」

アルーア
 苦しそうな
 うめき声が聞こえる…

 大丈夫だろうか?

 どうする?

 『   私には関係ない
  心配だ。様子を見てみよう』


 (※『心配だ。様子を見てみよう』を選択した場合)

 「うう…うううう…」

 「ううう…うわはははははははは!!

 (戦闘:暴れ市民)

 わはははは! 俺は魔王ダルガン!!
 この地球破壊棒を受けてみよ!!
 …く…この世に悪がある限り…俺は復活する…

 (戦闘終了)

アルーア
 まったく…
 気が抜けないわ



《奥(バーみやび)》







アルーア
 樽のテーブルだ…
 特に変わったところはない







ガロ
 最近は教会領でさえこんな事件が
 バンバン起こってる

 いったい世の中どうなっちゃうんだ??

 安らぎの場所はもうどこにもないのか??

アルーア
 不安に怯えてはいるものの
 自分でそれを克服しようとは
 思わない…

 それでは何も変わらないわ








 子供が消えようが知ったことか!
 ガキは嫌いだ
 うるさいし
 ちょっと構うとなれなれしい
 ま、可愛いと思うことも無くはないが…

アルーア
 寂しさで
 心がひびわれている

 精一杯虚勢を張っては
 いるものの…

 心の中は寂しくて
 震えているんだ









アンドレ
 ふん…
 教会のメス犬か

 そんなにジロジロ見たって
 何も出ねえよ

 お前たちは
 このバザールのことなんて
 どうでもいいんだろう?

 ヤバそうな匂いが
 教会領まで届いてきたんで
 あわてて降りてきたんだろうが

 そんなヤツに
 何を教えろってんだ、え?

アルーア
 強烈な嫌悪と不信感

 そして、それがはからずも
 強力なマインドシールドと
 なっている

 過去に何かあったよう
 だけど…

 一体何が、彼をここまで…










 教会
 うすぎたねえ奴ら
 エリスを
 マルコを
 見殺しにしやがった
 ボイスとかいう奴
 司祭面しやがって
 寄付金をよこせと
 死にかけていたのに
 二人を
 見殺しに


アンドレ
 「おい! 勝手に上がるんじゃねえ!!」

 「教会だからって何でも好きに出来ると思って
 ンじゃねえぞ!」



《階段踊り場》








レミ
 レミ見たの

 そこで真っ黒なお服を着た人が
 バザールをずっと見てたの見たの

 すごくコワい顔して見てたけど
 レミの方見た時、笑ったの

 笑ってたの! すごく、ヤサしそーに

 それで、それから、みんな…

 みんな、いなくなっちゃった

アルーア
 深い哀しみ…

 純粋なだけに
 底知れない哀しみが

 この少女の胸の中を
 うめつくしている









 誰もいなくなっちゃうのかな
 レミだけになっちゃうのかな
 キコちゃんとリコちゃん
 いなくなってさびしかったのに
 今度はソロスくん
 それにミカルちゃん
 みんな、いなくなる
 レミだけになっちゃった



《センター前広場》








ハンナ
 ああ…ソロス…
 いったいどこに連れて行かれたの?

 あんな可愛い子を

 すぐそばにいたのに

 隣の部屋で寝ていたのに

 気づかなかった…

 でも、誰かに話しかけられたような

 ダメ…覚えてない

 まるでモヤがかかっているみたいに
 はっきりしないわ

アルーア
 思念に不自然なゆらぎが
 感じられる









 私のソロス
 いったいどこへ
 どこへ連れて行くの
 ソロスをどこへ
 あなた誰よ?
 勝手に部屋に
 わた…K希J現01仏OIDAから
 し…0識0FCK現現現C70…

アルーア
 記憶を加工されている

 マインド使い…

 新東京のエージェントのような
 外部のマインド使いが…

 このセントラルに侵入して
 いるのだろうか?

 この女性は状況をはっきりと
 見ている

 …ただ、その記憶を破壊されて
 いるだけ

 何とかして…
 彼女の記憶を復旧することが
 できれば…










スカリー
 バザールのドリーちゃんもねえ

 いい娘だったのに

 イザベラと仲良しで
 幼い頃はよく二人で遊びに来てた

 やがてイザベラがグレてしまっても
 あの娘だけは仲良くしてあげていた

 それなのに…
 こんなことになっちまうなんて

 ついてないのかねえ

 カミサマは残酷だよ…











スカリー
 (※2回目以降)

 イザベラとドリー…
 なかよしの二人だったのに












 あの201号室の人
 こないだ越して来た
 時々バザールへ
 いったい何しに?








マルロ
 ふん!
 教会め、今頃出張ってきおった

 日頃はわしらを
 追い出そうとしちょる癖に

 この事件の根は深い

 下手すれば
 教会の奥深くにかくされた闇まで
 掘り起こすぞい

 くぉっくぉっくぉっ!

アルーア
 この老人…
 意味深な口をきいているけど

 教会の何を知っていると
 いうのだろう

 おそらく、
 愚にもつかないホラを
 吹いているだけだとは思うが…









 司祭ども
 わしらを虫ケラのように見る
 あやつら
 このスラムで
 こそこそ
 何をしておるのか

アルーア
 司祭がこのスラムに?

 あえて異端の巣窟や
 汚れの地へと
 福音を授けにおもむく
 司祭もいるけど…

 彼が言っているのは
 そういった者とは
 違うみたいね

 司祭階級の者が
 人目を避けながら
 このスラムへと来ている









ジャック
 「う…ううう…うふう」

 「わしゃ知らん何も見とらん」

 「何も…何も…うふうふううふう…」

アルーア
 どうしたんだろう?

 真っ青になって
 激しくふるえている

 いったい何が?










 わしゃ知らんわしゃ知らんわしゃ知らん
 わしゃ知らん何も見とらんわしゃ知らん
 わしゃ知らんわしゃ知らんわしゃ知らん
 わしゃ知らんわしゃ知らん何も見とらん
 何も見とらんわしゃ知らんわしゃ知らん
 わしゃ知らんわしゃ知らんわしゃ知らん

アルーア
 パニックを起こしている

 もう少し落ち着いてから
 もう一度接触してみよう



《CHAPTER2−05》



或る記録の残滓