【CHAPTER2−05】



→ スラムセンター →  201号室 →  202号室 →  203号室 →  204号室 →

→ 205号室 →  206号室 →  207号室 →  208号室 →



《スラムセンター》

アイラ
 「やだ! 何、アルーアじゃない!?」

 「退院したって、噂には聞いてたけど…
 本当にもう大丈夫なの?」

 「まあ、見たところ元気そう…じゃないのは前
 からだもんね?」

 「ウソよ! ジョーダン!!
 ま、ほっぺもピンクだし…どうやら本当に完全
 復活できたみたいね!」

アルーア
 彼女はアイラ・バニングス

 その華やかな美貌と
 そして見た目とはうらはらな
 率直で豪胆な性格で…

 シスターズに限らず
 異端の注目さえ一身に集める…

 あでやかな教会の花

 でも、彼女の思念の
 根底に流れている基調低音は

 なぜか深い哀しみを
 帯びて聞こえる

 何かに…
 悩み苦しんでいるような…

アイラ
 「でも、あなたまで駆り出されるなんてね。
 結構やっかいそうなミッションだわ、こりゃ…」

 「…それはそうと、このミッションを指揮して
 るトウコには会った?」

 「調査局上がりだか何だか知らないけど…
 何か鼻ロケットな感じで…苦手だわ、私」

 「ま、あなたが一緒だっていうのなら…
 ホッとしたわ。救われたって感じ」

 「よろしく頼むわね!」

 「あ、それと、ちょうどこの扉の向こうに
 ブレイン・フラッシャーがあるんだけど…
 知ってた?」

 「頭やられちゃったんでしょ?
 一度マインド整理しておいた方がいいわよ」



《201号室》

ゴドー
 「なな…何ですか?
 俺、最近越して来たばかりだから
 何も知りませんよ」

アルーア
 激しい動揺と怖れ…
 でもそう珍しい反応じゃない

 普通の市民にとって
 教会の存在はつねにあこがれ
 と怖れの光背をまとっている

 特にここ最近は
 異端者が数多く摘発されて
 いるから…

 誰かの密告を受けたのかと
 みんな警戒しがちだ

 …それにしても少し、
 反応がオーバーな気がしない
 でもない

ゴドー
 ななな何もしてない
 こここ怖いこ怖い
 …どうせオレのココロの中なんて…
 …誰も見ちゃくれない…
 謝ればいいんだろうか
 何もしていないけど
 とにかく謝れば

アルーア
 ?……

 いま、何かノイズのような
 ものが…

 あまりにも微か過ぎて
 よく分からなかったけど…

 おそらく、
 激しい怖れの感情に
 心が歪んだせいだろう

 ただの、小心者という訳か

ゴドー
 「あ、あの…その…がんばってください」

 「俺も何かわかったらすぐ! 絶対!…」




アルーア
 テーブルの下に何かある…

 『サイリクスβを入手した』

ゴドー
 「あ! その薬は…
 俺あの…たまにウツひどくて…大変なんで…
 だからいっぱい飲んで…その…」

アルーア
 サイリクス…

 私たちマインド使いにとって
 欠かせないもの…

 これは、思念戦闘で消耗した
 マインドの思念力を回復させて
 くれるのだ

 ただし…
 一般人には単なる速効性の
 精神安定剤に過ぎない

 別にこの部屋にあって
 不思議なものではないわ

ゴドー
 「よ、よよよかったら、どうぞ。あげますっ!」

 「俺、その…いっぱい持ってるんでっ!」






アルーア
 (※調べた場合)

 (画面一瞬暗転)

 ………

 特に何もないようね…






アルーア
 (※ダイブした場合)

 (画面一瞬暗転)

 ………

 特にダイブする必要は
 なさそうだ



《202号室》

デュボア
 「いや私、これだからスラムなんかに住みた
 くはなかったんです…」

 「不潔で下品で乱雑で粗野で…
 おまけに何といっても危険極まりない」

 「最近じゃこんな得体の知れない事件まで起こ
 って、正直まいってるんです」

 「教会の方でスラム全体を取り壊して…
 いっそ再開発するという訳にはいかないんで
 すかね?」

 「いや申し訳ありません。
 高位の方に愚痴などこぼしてしまって…」

 「おそらく神隠しの件を調査中なんですよね?
 もう207号室には行かれましたか?」

 「ディルキンという男が住んでいます。
 まあこのスラムを取り仕切っているというか、
 自分では顔役なんて言っていますが…」

 「まあ、やけにエラソぶっているイヤな奴です
 が、何か聞けるかもしれません」

 (※ディルキンに会った後)

 「え?
 …何だ、もうお会いになられたんですか!?」

 「どうでした? いやな奴だったでしょ?」




アルーア
 引き出しの中に何かある

 メモ書きのようだ。
 『スラム破壊計画書』と
 書いてある

 ボロボロの紙にびっしりと
 文字が書き込まれている…

 あまり読みたくなるような
 ものではないけど…

 『どうする?』

 『とりあえず読んでみる
  そっと元に戻しておく』


 (※『とりあえず読んでみる』を選択した場合)

 『スラム破壊計画書』
 ______デュボア・メムノン

 「もう我慢がならん! この誇り高きメムノン
 家最期の血族である私が何故このような汚
 らわしい場所に住まわねばならんのか!?」

 「その我が人生における最大にして最悪なる間
 題をいますぐにでも解決せねばならない!」

 「この汚らわしいスラムをメムノンの名に相応
 しい高貴なる場所へと変するための大計画!」

 「すなわち『スラム破壊計画』を実行する時が
 ついに来たのだ!!」

 「この恐ろしい計画を実行したならば、恐らく
 スラムの全住民は私に激しい怒りの眼を向け、
 燃えるような文句の叫びを上げるであろう」

 「…仕方ないのだ。それが世のため…メムノン
 のためとなるのだから…」

アルーア
 …結構長そうね

 『どうする?』

 『もうちょっと読んでみる
   そっと元に戻しておく 』


 (※『もうちょっと読んでみる』を選択した場合)

 「それではまず、作戦その一」
 _____『全害的存在抹殺作戦』

 「これは恐ろしい作戦だ。なぜならこのスラム
 全域にわたって存在するあの毒虫、シラミども
 を一匹残らず抹殺してしまおうというのだから」

 「実行には大量の殺虫ガスと全住民分のマスク
 が必要となる。おまけにそれを全部屋に一つず
 つ配布、設置しなければならない」

 「急な訪問であるため何らかの手みやげも必要
 だろう。全体の経費がいったい幾らかかるのか
 想像もつかない…」

 「そして次に、作戦そのニ」
 ____『全崩壊部分完全修復作戦』

アルーア
 文は大げさだけど
 書いてある内容自体は
 まるで子供だわ

 まだあるけど…

 『どうする?』

 『ふんばって読んでみる
  そっと元に戻しておく』


 (※『ふんばって読んでみる』を選択した場合)

 「このスラム全域に見られる壁のヒビ割れや
 裂け目…それこそはあの黒くおぞましき邪王、
 ゴキブリの温床であり諸悪の根源でもある」

 「これを全て抹殺し、快適なる環境を創造する
 ために、まず全ヒビ割れおよび裂け目をモルタ
 ルおよびパテで埋め潰し、ふさがねばならない」

 「もちろんその前に殺虫ガスを放り込むのを忘
 れないこと」

 「これも実行には大量の殺虫ガスと途方もない
 モルタルやパテが必要となる。その上作業の全
 てを私一人でやらなければならないのだ…」

 「はたして、私が生きているうちに終わる
 のだろうか?…」

 「さらに、作戦その三」
 _____『全住民思考改造作戦』

アルーア
 ………

 『どうする?』

 『がまんして読んでみる
  そっと元に戻しておく』


 (※『がまんして読んでみる』を選択した場合)

 「病は気からと言うように、すべての元凶は精
 神にある。つまり、このスラムの現状こそ、住
 民たちの意識そのものを投影したものといえる」

 「不潔で汚らわしく邪悪でウソつきという彼ら
 の意識が、現在のこのスラムの惨状を生み出し
 ているのだ」

 「悪い意識は元から変えなければならない。
 彼らの腐り切った思考をこの私、デュボア色に
 染め上げなければならない」

 「まずはお茶会の実施だ。
 でがらしのアプリコットを振舞い、気が高貴に
 なったところでモーツァルトでも聞かせよう」

 「ただしここには楽器もプレイヤーもないから
 とりあえずは私の口真似で我慢してもらう
 しかないが…何、大丈夫だ」

 「ツ〜ラ・ツラツラ・ツ〜ラ・ツ〜♪
 口真似には自信がある」

 「これを実行する場合、全住民分のティーセッ
 トと椅子。そして帰る時に渡すおみやげが必要
 となる。…間違いなく大赤字だ」

 「そして作戦その四」
 ______『対教会直訴作戦』

アルーア
 ………

 『どうする?』

 『 . . . .読んでみる
  そっと元に戻しておく』


 (※『 . . . .読んでみる』を選択した場合)

 「これこそこの計画の骨子であり、実体そのも
 のとさえ言える作戦だ」

 「いままで書いてきて思ったのだが、これらの
 作戦を私一人で実行するのは資材、労力ともに
 不可能に近い。いや不可能である」

 「そのためこれらの作戦すべてのバックアップ
 を教会に依頼するのだ」

 「いまでこそ、このように落ちぶれてはいるが
 もともとはメムノン家、高貴なる家柄の出自で
 あるこの私だ」

 「見た目はさておき、その精神は遥かに教会に
 近い。私のこの思いを教会が聞き届けてくれる
 事はまず間違いあるまい」

 「ただ、神父や尼僧などの下っ端に話を持ち掛
 けたところで意味はない。奴らは高貴なる血な
 ど持ち合わせてはいないから」

 「ロクに話も聞かず外へと放り出すだけだ。
 今までに何度も経験している」

 「司祭だ。
 彼らならば私の中に流れる高貴なるものを感じ
 取り、願いを聞き届けてくれるに違いない」

 「問題は彼らが神聖なる大聖堂よりあまり出よ
 うとはせず、ここのような下界で見掛けたとこ
 ろで護衛が取り巻いていて近づくことさえ出来
 ないという事なのだ。しかし…」

 「神がこの計画を買ってくださっている事を、
 私はついに確信した」

 「ある司祭が、護衛も付けずにこのスラムにや
 って来ているのを見たのだ」

 「ずいぶん夜更けに、204号室から出てくる
 のを私は見た。生憎の暗闇、おまけにストール
 をきつく巻いていたため顔までは見えなかった
 が、あれは司祭の僧服だった」

 「あの時は向こうが非常に慌てていた様子だっ
 たので声もかけられなかったが、今度姿を見掛
 けたら…」

 「ちゃんと話を聞いてもらうつもりだ」

 「この汚らわしきスラムを破壊し、新たなる楽
 園へと再生するために!」

 「注 . 計画実行資金の隠し場所」
 ______ベッドのパイプの中

アルーア
 (※バーのマッチ入手前)

 司祭が…このスラムに?

 204号室と言っていたわね
 調べて見よう



《203号室》

コーシャ
 「ダグを返して!」

 「ダグを返してよぉおおおお!」

 「何もしてないじゃないか!
 あの子は何もしてないじゃないかぁああ!」

 「お願いだよ! 心からのお願いだ!」

 「神様、私の命を上げるからあの子を…
 ダグを返しておくれぇえええ!!」

アルーア
 嘘をついている…

 私にはわかるわ

 彼女の表層意識が
 打算と欲望でギラギラと
 輝いているのが見える

 彼女の心にダイブすれば
 さながらドブの底を
 かき回したように

 さまざまな思念が
 見えてくるのだろう

コーシャ
 これで教会からなぐさめ金が出る
 ハンナはたんまりもらったはず
 あの小生意気なガキ
 私を親とも思わなかった
 エデンの改造業者に売って
 それなりの金
 またもらえる
 最期にいい親孝行を
 へへへへへ

アルーア
 何て親だろう…





アルーア
 ポスターが飾ってある。
 おそらく大戦前の発掘品だろう













コーシャ
 「触らないでおくれぇええええ!」



《204号室》







 (※調べる前)

 汚れ無き血肉をカーラ女神に
 この世を浄化して
 あの忌まわしき教会を
 我らが聖なるカーラ女神に
 純粋なる子を

アルーア
 祈りの声がしみついている…

 それにしても
 何と邪悪な…






アルーア
 これは、祭壇か…

 だとすれば
 祈りを捧げる者の

 強烈な思念が投射されて
 いるはずだ

 ダイブすれば
 何か情報が得られるかも
 知れない







 (※調べた後)

 我らが女神は
 たわむれにをちぎり…
 高ぶりにヤリを掲げ…
 よろこびに大ナタをふるい…
 そして喜悦のままに戦輪を回す…
 しかるのちに
 楽園への扉は開かれん…

アルーア
 ?

 いったい何のことだろう…

 ただの祈りの文句だろうか?

 何かの暗号のようにも
 聞こえるけど…








アルーア
 足元に何か落ちている…

 『バーのマッチを入手した』

 これは…マッチだ

 ん?

 裏に何か書いてある


 「明日のスラムセンターの警備
 午前2:00〜6:00」

 「最近警備が厳しい。
 くれぐれも気づかれぬように」

アルーア
 保安ルートの警備時刻だ…

 どういうこと?

 まさか…
 教会の中に手引きをしている
 者がいる?

 このマッチは
 いったいどこの?…

 バーみやびと書いてある

アルーア
 (※マスターのアンドレを調べる前)

 どこだろう?

アルーア
 (※マスターのアンドレを調べた後)

 !

 バザールの材木倉庫の
 奥にある、あの店だ

 とりあえず
 トウコに報告しておこう



《205号室》

商人
 「あ… これはこれはシスターズの御方!」

 「ええモンありますのや!
 ちょう見たってってください」

 「いえいえ、あやしいモンやおまへんて!
 ただの流しの武器商人ですわ!」

 「おねーはん、シスターズでっしゃろ?
 シスターズ言うたらマインド使い、そやね!」

 「あるがなあるがな! ええモンがっ!!」

 「はははー!
 そりゃもうムチャクチャええですわっ!」

 「ビックリして死なんとってやー。え?」

 「さあ、何でも言うとくれやすっ!」

 (アイテム購入画面)

 「ま、しばらくはここで売(バイ)させてもら
 うよって、どうぞごひいきに!」

 「はい、炎念珠♪」

 『炎念珠を入手した』



《206号室》


 「何だ…」

 「俺は何も知らん」

 「何もしていないぞ…」

アルーア
 …ほんの一瞬だったけど

 血なまぐさい
 胸をむかつかせるような
 思念が感じられた

 …それだけじゃない。
 激しい怯えのようなものも
 強く漂っていたわ

 もしかしたら、
 子供たちの失踪に
 関与しているのかも
 しれない


 (※2回目に部屋に入った時)

 「俺は何も知らん」

 何も知らねえ
 何も知らねえんだオレは
 何もしゃべらねえぞ
 しゃべるもんか
 何もしてねえんだオレたちはよ

アルーア
 かたくなに
 心を閉ざしている

 一つのことだけを
 考えることで

 心を読ませないように
 しているんだ

 …いまこれ以上追求しても
 ガードを固めるだけね。
 またしばらくあとで来てみよう



《207号室》

ディルキン
 「これはこれは!」

 「教会の身分高き御方がこのような汚らわしき
 場所に、何ともったいないこと!!」

 「わたくしはディルキン
 この罪深きスラムに少しでも神の声を響かせよ
 うと働く…」

 「あなた様方教会の忠実なる下僕でございます」

アルーア
 この男、腰こそ低いが
 放つ思念はまるで獣のよう

 計算高さと欲深さが
 激しく渦巻いている

 おそらく教会とミナミ辺りの
 マフィアとの両方と
 つながりを持っているはず

 まあ、それくらいの
 腹黒さがないと

 このスラムをまとめるなんて
 無理だろうけど…

ディルキン
 「はい…
 いえいえわたくしは別に管理人と言う訳では
 ございません」

 「この複雑怪奇なスラムの管理など、何人たり
 ともできる訳がない」

 「…ただ、先住の者たちが安息して住めるよう、
 新しく住みついた者の素性を調べ…」

 「そしてそのあれこれを記録しているだけでご
 ざいます」

 「ま、非常に個人的なものでございます、はい」

 「そうでございますね。
 先日シスターズの御方にもお話ししましたが…」

 「このスラムでも多くの子供たちがさらわれ、
 そればかりか心を壊された者も少なからず…」

 「まったくもって由々しき事態と申し上げずに
 はいられますまい」

 「…それと、最近越して来たのは201号室
 206号室でございますね」

 「このうち206号室の男ですが、非常に人嫌
 いでして…
 正直な話かなり疑わしいですな」

 「201号室の方は、まあヤケにビクビクして
 るただのガキです。話を聞くほどのモンじゃご
 ざいません」

 「…あと気にかかるのは204号室ですか?」

 「…空き部屋のはずなんですが、いつの間にか
 得体の知れない祭壇が設けられ…」

 「人が出入りしている気配などないのに、ロウ
 ソクの火が絶やされた事がない」

 「ぶっちゃけた話、不気味で仕方ありません」

 「とにかくスラムでご用がございましたら
 あなた様方教会の忠実なるしもべ…
 このディルキンめにお申し付けください」

 「それと、これをお受け取りください。
 わたくしめが作成したこのスラムの詳細構造図
 です」

 『スラム手書き図を入手した』

 「何かのお役に立てば…」

ディルキン
 (※2回目以降、206号室に入る前)

 「あ、そうそう!」

 「206号室の住人。ありゃいかにも怪しい!」

 「2週間ほど前に住みついたと思ったら、
 誰とも口を聞かず、おまけに夜深くにどこかへ
 出かける。それもほとんど毎晩!!」

 「めちゃめちゃ怪しいです、はい!」

ディルキン
 (※2回目以降、206号室に入った後)

 「206号室の住人。いかがでした?」




アルーア
 引出しの中に何かある…

 『ロザリーリングを入手した』

ディルキン
 「そ、それは母の形見!…」

 「…よ、よろしいでしょう。差し上げます」

 「しかし何ですな。幾ら調査とはいえ…
 シスターズも強盗と変わりませんなっ!」

 「あ、いや…
 これは立場もわきまえず失礼いたしました」



ディルキン
 「…お休みになられますか?」

 「幸いこの騒ぎで人が来る事もございません」

 「何なら寝付かれるまで…
 このディルキンめが『そい寝』差し上げても、
 よろしゅうございますが?」

 「わは!」

 「わはははははは!!
 冗談でございますよっ! 冗談っ!!」

 「わはははははっ!!」

アルーア
 …完全に本気だったわ



ディルキン
 (※2回目以降)

 「冗談はもうよろしいでしょう…」



《208号室》

ローウェン
 「あ〜、ただごとではない。
 これはまったくただごとではないぞ…」

 「あの邪教、カーラ神教は恐ろしい。
 それもかなり、すごく恐ろしい」

 「新東京帰りの友達から教えてもらったんだが
 …いや、やめとこう」

 「どこで奴らが聞いているかわからんもんな」

 「それにしてもただごとではない…」

アルーア
 激しくおびえ、
 そしていらだっている

 素直にたずねたところで
 教えてくれそうには
 ないわね

 心を読むのが
 一番はやい、か…

ローウェン
 人喰い
 あそこの主神カーラは子供を…
 子供をささげて
 その肉を…
 恐ろしい
 恐ろしいよ

アルーア
 子供を、ささげる?

 カーラ神教というのは
 ずいぶん血なまぐさい教団
 みたいね

 ただこの話が本当だとしたら

 子供たちの失踪の件とは
 すんなりつながる

 …あとは彼らが
 どこに子供達を連れて行って
 いるのか

 それを突きとめればいい







ローウェン
 「あーーー! 触ってはダメ触ってわっ!」









アルーア
 筋肉…

 どうしてこんなポスターを
 飾って…
 ん?

 ポスターじゃない!
 これは…絵だ

 壁にそのまま
 ペイントしてあるんだ

 絵というより
 まるでキャプチャイメージ
 みたいだけど…

 その情熱を思うと
 巧すぎてある意味…
 恐ろしいわね









アルーア
 …ダイブしたくないけど

 何か分かるかも知れない

 本当に…
 ダイブしたくないけど…


 素晴らしい…
 筋肉って素晴らしいヨ!
 これがサンカクキン!
 これがダイデンキン!
 正に無敵の…男のヨロイ!
 ああ、素晴らしい…
 キンニクッ!!

 (アルーア、ダメージを受ける)

アルーア
 …やはり
 ダイブすべきではなかった

 下手なマインド攻撃より
 効いたわ



《CHAPTER2−06》



或る記録の残滓