【CHAPTER1−03】



→ 旧ステーション →  システム制御室前 →  管制室 →  旧ステーション →  配電室 →

→ 旧ステーション →  使われていない路線 →  資材庫 →  倉庫(旧ステーション) →



《旧ステーション》

アルーア
 列車の事故からすでに、
 数時間が経過しようと
 していた。

 異端の幹部はレナ・スパーリ
 ングという女性だった。

 彼女は私が手を下すまでも
 なくアンドロイドによって
 抹殺された。

 私の任務はそれで終了。
 あとは報告書をまとめる
 だけの簡単なものである。

 だが事件はここに来て
 突如複雑さを増してきた。

 心を持ったアンドロイドが
 列車事故を引き起こした。
 その原因はいまだ不明。

 任務外の事件ではあるが、
 放っておけば我が教会に
 害をなすことは明らか。

 どんな悪も最初は小さな
 芽から生じるもの。

 できるかぎり早く摘み取って
 おく必要があるだろう。

 (辺りを見回す)

 どうやらここは使われなく
 なった路線のようだわ。

 そうすると方角的には、
 向こうに進めば私たちの
 住むセントラルの下に
 辿り着くはずね。

バイオレット
 「あのフィオナって人、どういうつもり
 なのかしら?」

 「いくら言っても、管制室から出ようと
 しないみたいね」

 「まあ、仕方ないわ。彼女は彼女の考え
 方があるんでしょう」

 「私は先に進むわ。そのほうが生き残る
 確率は増えそうだもの!」

 「しかしチャニって子もお人よしよね。
 あきれちゃうわ、だってまた向こうに
 残って説得しているんだもの」







アルーア
 (※配電盤動作前)

 スイッチをおしても
 何の反応もないわ。



《システム制御室前》


 (※旧ステーションから戻ってきた時)

 (女の悲鳴)

チャニ
 (※管制室に移動しようとした場合、
 または作業員用通路に移動した場合)

 「大変なの、フィオナさんが…」

 「わ、私心配になって、そうしたら
 管制室のドアの向こうから叫び声が…」

 「お願い、私じゃどうにもできない!」



《管制室》

フィオナ
 「た…たすけて…」

 「わ…私の…身体の中に…何かが…」

 絶対脱出してみせる
 命を喰らって
 血は神の息吹 肉は生命
 もう一度ステージに
 望むまま行動しろ
 真っ赤な肉を切り裂いて
 得体の知れない人
 永遠に生きられる
 歌をみんな聴きにくる
 闇の中の赤い瞳
 誰かの声が響いている
 消せ 消せ 消せ 消せ 消せ 消せ
 消せ 消せ 消せ 消せ 消せ
 心が消えていく
 灰色のノイズ
 奇妙な虫がうごめいている
 消せ 消せ 消せ 消せ 消せ 消せ
 消せ 消せ 消せ 消せ 消せ
 温かい血が流れる
 指が肉を押し破り
 血が世界を動かす
 生きるために死は必要
 声が聞こえてくるまで

 (戦闘:フィオナ)

 何かが私の中にいる!
 やめて! やめてよ!
 痛い…頭が痛い…

 (戦闘終了)

 「気分が…悪いわ……頭が割れるように痛い」

 「ごめんなさい…そこをどいてくれる…」

アルーア
 (※変異体戦前)

 黒く濁った汚水のような
 思念が渦巻いていた。

 昔私が暗殺した殺人鬼にも
 似た歪んだ精神。

 強い暗示にも思えるが違う。
 これほどの人格転移を
 引き起こす歪みを与え
 られるのは、

 私が知るかぎりでは、
 マインド能力者の仕業だ。

アルーア
 (※変異体戦後)

 明らかにフィオナは
 精神の腐食を起こしていた。

 あのゾンビ化した人間と
 同じ症状だった。

 彼女も放っておけばいずれ
 人格転移が進行して
 肉体にも影響が及んでいた
 はずだ。

 しかしマインド能力者の
 仕業としたら何の目的で
 彼女をターゲットに選んだ
 のだろう…。

 アンドロイドの暴走と
 関係があるのだろうか?

 いまのところ直接的な
 結びつきは感じられない。

 マインド能力者が心を
 操れるといってもそれは
 ”心がある”ものに対して。

 アンドロイドのように
 最初から心の無いものには
 どんな影響も与えることが
 できないのだから。



《旧ステーション》

ジョー
 (※フィオナとの戦闘後)

 「フィオナになにかあったのかい?」

 「チャニって娘さんに付きそわれて、
 向こうの部屋に行ったみたいだが」

 「死人みたいに顔が真っ青になってたぜ」

 「しかし、早くここから出たいものだな…」

 「あのスキンヘッドの野郎のせいだが、
 あんなの見ちまったせいで」

 「自分が死ぬ想像しかできやしない」





アルーア
 管制室があった場所が
 見えるわ。
 列車の一部が壁を突き
 破ってこっちに来たのね。







アルーア
 (※配電室でバイオレットと話す前)

 列車の残骸だわ。
 私たちの乗っていた列車が
 ここまで飛んできたのね。


ジョー
 「おいおいお嬢さん、悪い事はいわん。
 あの部屋は入らないほうがいい…」

 「俺でさえ、気が遠くなって倒れそうに
 なったんだからな…」

 「あんなの見て喜んでいるのは、スキンヘッド
 の変態野郎だけだ」



《配電室》

バイオレット
 「い、いまね…表のスクラップの影で
 物音が聞こえたのよ…」

 「ほんとよ…うそじゃない…」

 「ま、まさかクリーチャーじゃないかしら…」

 「だってヴィって人が言っていたけど、ここは
 第一級危険地帯って聞いたわ…」

 「もしそうだったら…大変…。さっきの
 場所に戻ったほうがいいのかも…」

アルーア
 彼女は勘違いしてるわ。
 第一級危険地帯に指定されて
 いるのはここじゃない。

 この向こうにある旧セント
 ラル第二ビルのことだ。

 一年半前に原因不明の奇病が
 大量に発生したことから、

 現在は誰も入れないように
 封鎖されているはず。



アルーア
 配電盤だわ。
 トンネル内の電気を
 制御する機械ね。



《旧ステーション》







 (※配電室でバイオレットと話した後)

 腸と肉を引きずり出して
 血が欲しい…
 肉を引き裂き 血を飲み干し…
 キリキリキリ…肉を…食べさせて…
 腸と肉を引きずり出して
 近くに…もっと近くに…
 グギィ…あ…あつい…咽が痛い…
 生きた肉が欲しい…
 温かい…血を飲みたい…
 腸と肉を引きずり出して
 グフッ…肉を引き裂く…

アルーア
 ドス黒い純粋な殺意と
 餌に対する欲望。
 これは普通の人間の
 思念じゃないわね。

 アンドロイドの思念
 パターンでもない。






アルーア
 (※配電室でバイオレットと話した後、ダイブ前)

 水溜りを歩くような音。
 何かいるのかしら。

 『近づいてみる
   放っておく 』

 (※『近づいてみる』を選択した場合)

 (戦闘:変異体)

 ギヒッ…ギヒヒヒ…いい匂い…
 ピチャ…ピチャ…ピチャ…
 グァァァァ…アアアアア

 (戦闘終了)

 マインドが形成されるほど
 精神の腐食が進行した
 人間も珍しいわ。

 しかも腐食は肉体にまで
 及んでいた。
 普通では絶対有り得ない。
 その前に死が訪れるはず。

 (※フィオナ戦後)

 フィオナと同じ種類の
 精神の腐食の末期症状。

 一部の薬物によって近い
 症状が出ることはあるが、

 それでもマインドが形成
 されるほど症状が進むこ
 とは絶対に有り得ない。

 マインド能力者の仕業だと
 考えるほうが自然だけど、
 それなら列車事故より前に
 この場所に居たということだ。

 アンドロイドの暴走と
 関係があるのだろうか?

 いまのところ直接的な
 結びつきは感じられない。

 マインド能力者が心を
 操れるといってもそれは
 ”心がある”ものに対して。

 アンドロイドのように
 最初から心の無いものには
 どんな影響も与えることが
 できないのだから。






アルーア
 (※配電室でバイオレットと話した後、ダイブ後)

 何が隠れているとしても、
 あまり歓迎できないものに
 違いないわね。

 (選択肢以降はダイブ前と同じ)



《使われていない路線》


チャニ
 (※フィオナ戦後)

 「フィオナさん、少し落ち着いたみたい」

 「すごく恐がってるから、落ち着くまで
 部屋の中で休んでもらってるの」

 「私、なにか薬でも無いか探してくる!」


フィオナ
 (※倉庫前でチャニと話した後)

 「チャニさん以外は中に入らないで!」








 (※ルラード戦前)

 「このマコト様は、二度もだまされねえ!」

 「てめえらみたいな鉄クズに、人間様が
 やられてたまるかよ!」

アルーア
 最近のアンドロイドには
 人工声帯を移植している
 ものも多いと聞く。

 確かに声だけ聞けば
 人間だかアンドロイドか
 判別できないわね。

 だけど、どうすれば中に
 入れてもらえるのかしら。






 血ってキレイだわ
 真っ赤な血を顔に塗るの
 憎たらしい
 近くに もっと近くに
 ど どうして顔がないの
 生きた人間がきた
 フフ 動いている
 ウフフッ キレイになれるわ

アルーア
 虫の手足をちぎって喜ぶ
 子供のような悪意なき
 純粋な殺意ね。

 制御室のアンドロイドに
 近い感情だわ。





アルーア
 (※ダイブ前)

 何かいるのかしら。

 『  近づいてみる
  そのままにしておく』

 (※『近づいてみる』を選択した場合)

アンドロイド
 「…キ……キレイな人間…」

 「ねえ…あなたの身体もらってもいい?」

 「おかしいのよ。だっていろんな手や顔を
 くっつけても、すぐに取れちゃうの…」

 「きっと、それってあたしに合う身体じゃ
 ないんだね」

 「でも、あなたの身体なら合いそうな
 気がするわ!」

 (戦闘:ルラード)

 憎たらしいわ、あなたの顔!
 人間なんてキライ、大キライ!
 シク…シク…シク、壊れるのあたし…

 (戦闘終了)

 「イ…イヤ…こいつアタシの頭をグチャ
 グチャにする……」

アルーア
 頭なんて無いくせに。

 でも私のマインドを受けて
 鉄クズに戻らないなんて、
 タフなことは確かだわ。

 (アンドロイドがいなくなる)

 どこに行くつもりかしら?

 (金属が擦れるような音、男の悲鳴)

 列車の下に戻ったみたい。

 (金属を殴打するような音)

マコト
 (機関部から鉄パイプを持った男が現れる)

 「ハァ、ハァハァ…来るなバケモノめ!」

 「こ、こ、ころされやしねえぞ!」

 「ちょっとでも近づいてみろ、これで
 ぶちのめしてやる!」

アルーア
 パニックになっている。
 少し心を削ったほうが
 よさそうだわ。

マコト
 やられる前にやってやる!
 こいつもアンドロイドだ!
 殺されやしねえ!

アルーア
 恐怖によって固まった
 怒りを削らせてもらうわ。

マコト
 「…おまえ、どうやら見たところアンド
 ロイドじゃねえな」

 「それじゃお前はなんだ? あっ、わかっ
 たぜ…」

 「教会のレスキュー隊か! そうだろ!」

 『   話を合わせる
  列車事故の被害者だと言う』

マコト
 (※『話を合わせる』を選択した場合)

 「やっぱりな…、一目見てピンっと来たよ」

 「俺がガキの頃見ていた”ハロー・こちら
 レスキュー”の隊員に、お前みたいな奴が
 いたからな」

 「そうかいそうかい。今頃やっと助けに
 来やがったってわけかい」

 「今頃来てもおせえんだよ!」

 「俺たち何度、てめえらに連絡したか!」

 「そのたびにいつも”詳しいことがわかり
 次第出動します”だ」

 「バッキャロ〜ってんだよ!」

 「俺と兄貴以外は、みんな連れて行かれち
 まったんだぜ」

 「もうみんな死んじまってるか、脳みそを
 ごっそり取られているんじゃねえか」

 「もう何がなんだか…わかりやしねえ…」

 「まあ、俺もいつ狂い出すかわかった
 もんじゃねえがな」

 「そんじゃ、俺はここに隠れてるから
 なにかあったら呼んでくれ」

マコト
 (※『列車事故の被害者だと言う』を選択した場合)

 「なるほど、列車事故かい…」

 「ありがとうよ感謝するぜ。お前たちの
 せいで、俺はあやうくぶっ飛んできた
 車両にひかれそうになったんだからな」

 「まあしかし、それぐらいのことでは
 俺はおどろかねえようになっちまった
 けどな……」

 「あの人狩りアンドロイドのせいでね」

 「上の施設で働いていたアンドロイドって
 話だ。よくは知らねえ。だがそいつにみん
 ながさらわれちまったのは、確かさ」

 「ぶっ壊れているのは、兄貴が一度銃で
 ぶっ放してやったからさ」

 「そいつが俺たちの仲間を捕まえて、
 実験してやがるんだよ」

 「手術だよ手術。頭をギ〜コギ〜コ
 切られて、機械を埋め込まれてな」

 「それだけじゃねえ。奴は仲間を増やし
 はじめやがった」

 「もう何がなんだか…わかりやしねえ…」

 「まあ、いつか俺も奴らの仲間になるか
 わかったもんじゃないがな」

 「そんじゃ、俺はここに隠れてるから
 なにかあったら呼んでくれ」

アルーア
 (※倉庫で女性の死体にダイブした後)

 少し前からなにかが引っか
 かっていた。

 ごく単純なことだけど、
 重要ななにかを見逃して
 いるような気がしていた。

 偶然もそのパターンが多く
 なればなるほど一つの
 法則を浮かび上がらせる。

 なぜ女性型アンドロイドが
 女性の心を持たなければ
 いけないのか?

 神が心を与えたのなら
 その外観に合わせた魂を
 吹き込むことも可能だろう。

 しかしそうでないかぎり、
 答えは極めて単純なもの
 になる。

 私のようにアンドロイドの
 外観を子供や女だと認識で
 きる者、その者が影響を
 与えたのだ。

 すなわち人間によって
 彼らは心を与えられた。
 そう考えるほうが自然だわ。





アルーア
 (※ダイブ後)

 ガレキの中に何かがいる…。

 (選択肢以降はダイブ前と同じ)



《資材庫》


アルーア
 これらはトンネル工事で
 使われた資材だわ。
 利用できそうなものは
 なさそうね。



《倉庫(旧ステーション)》

ヴィ
 「この部屋の芸術性に気づく者がいったい
 何人いるのかね?」

 「芸術には善も悪もねえ。その光景の中に
 独特の匂いを持っているものを呼ぶ」

 「俺はこの光景に、生きようとする強い
 意思とその断絶、無慈悲な神の姿を見た」

 「このちっぽけな空間の中に、荘厳な神の
 息吹が充満してるじゃねえか」

 「これを芸術と言わず、なんと呼ぶのか。
 クククククッ、もちろんお子様向けじゃ
 ねえがな」

アルーア
 ほんとユニークな男。

 多くの犯罪者はその態度と
 言葉に細心の注意を払う。

 驚くべきことに、
 大抵の人間は災難は
 自分以外の者に降りかかる
 ものと信じているのだ。

 そして悪人はその羊たちの
 性質をよく知っている。

 相手を安心させること。
 それが獲物を捕らえるのに
 最適な方法だと。

 こいつのように自ら相手を
 警戒させるようなことは
 しない。

 こいつに興味がわいたわ。
 心を覗かせてもらおう。

ヴィ
 無粋なリズムを奏でる空間
 真っ赤な血がべっとり
 暗く湿った血の匂い
 骨が折れるあの音、ゾクゾクする

アルーア
 まとまりのない雑多な思念。
 複数の人格でこいつの表層
 意識は形成されている。

 しかもそのどれもが核を
 なすほど成長していない。

 とてもおもしろいパターンね。
 時間があれば一度じっくり
 調べてみたいわ。

ヴィ
 「まあまあ、そう見つめなさんなって。
 夜は長ぇんだ、お楽しみはまた今度な」





アルーア
 (※ダイブ前)

 極めて精巧なアンドロイド。

 これもトンネルで働いていた
 アンドロイドかしら。

 …なにか思念のようなものが
 こびりついているわ。






 動けない 助けて誰か
 みんなどこにいるの
 死にたくない
 お腹がすごく痛い
 鍵を隠そうとしたら
 棚が崩れてきた
 あのおにいさんを
 イジメたから?
 心 心って何
 心なんかいらない
 心なんかいらない
 心は痛いものだもの

アルーア
 このアンドロイドは、
 鍵を隠そうとした事を
 後悔しながら死んでいった。

 こんな残留思念までも残す
 リアルな感情をどうして
 アンドロイドが持っている
 のだろう。

 私を襲ってきた制御室の
 アンドロイドも同じ。
 ここでは生命無きものに
 心が存在している。

アルーア
 (※ルラード戦後)

 少し前からなにかが引っか
 かっていた。

 ごく単純なことだけど、
 重要ななにかを見逃して
 いるような気がしていた。

 偶然もそのパターンが多く
 なればなるほど一つの
 法則を浮かび上がらせる。

 なぜ女性型アンドロイドが
 女性の心を持たなければ
 いけないのか?

 神が心を与えたのなら
 その外観に合わせた魂を
 吹き込むことも可能だろう。

 しかしそうでないかぎり、
 答えは極めて単純なもの
 になる。

 私のようにアンドロイドの
 外観を子供や女だと認識で
 きる者、その者が影響を
 与えたのだ。

 すなわち人間によって
 彼らは心を与えられた。
 そう考えるほうが自然だわ。









アルーア
 (※ダイブ後)

 作り物であっても死への
 恐怖は人間と同じか。

 ただその恐怖を感じる
 心をなぜ持っているのか、
 それが問題だわ。






アルーア
 『鉄のカギを入手した』

 (※崩壊した機関部でコックピットにダイブした後)

 あの崩壊した列車にいた男、
 鍵を探していたわね。
 もしかしてこれじゃない
 かしら?



《CHAPTER1−04》



或る記録の残滓