【CHAPTER1−04】



→ 崩壊した機関部 →  配電室 →  旧ステーション →  使われていない路線 →  資材庫 →

→ 倉庫(使われていない路線) →  使われていない路線 →  旧事務所前 →



《崩壊した機関部》

マコト
 「俺、なんか忘れてるんだよな」

 「なにをするため、ここに来たんだっけ?」

 「…くそっ、思い出せねえ。頭が真っ白け
 になっちまったみたいだ」

 「あ〜あ、もしかしてアンドロイドに脳みそ
 吸い取られてるのかもな…」

アルーア
 心を少し削ったせいで、
 後遺症が出ているのね。









アルーア
 (※マコトに鉄のカギを見せる前)

 血…? まだ新しい…。

マコト
 「へへへっ、その血はアンドロイドのさ!
 床から入ってこようとしやがったから、
 俺様が退治してやったんだ!」

 「ポンコツアンドロイドが、俺様をなめん
 なよ〜ってんだ」






アルーア
 (※ダイブ前)

 さっきの男の思念が
 こびりついている。
 通信装置を触っていたの
 かしら?

マコト
 「無駄無駄、俺も試したけど、外には
 つながらねえぜ」

 「あっそうだ、管制室に誰もいなかったか?」

 「通信装置がぶっこわれてるんだけど、
 さっきノイズに混じって、女の叫び声が
 したけどな…まあいいや」







 くそっ くそっ!
 配電盤の鍵を盗られた
 あ あにきごめんよ
 あのくそアンドロイドめ
 くそっ くそっ!
 配電盤の鍵を盗られた
 あのくそアンドロイドめ
 兄貴が死んだら俺のせいだ
 あのくそアンドロイドめ
 向こうへ逃げて
 どこにあるんだ…

アルーア
 配電盤の鍵を無くしたのか。

 だから帰れなくなって
 こんなところに潜んで
 いたというわけね。

 (※鉄のカギ入手後)

 配電盤の鍵?
 もしかして…。
 あのアンドロイドの所で
 拾ったこれのことかしら?

マコト
 「お、お、お、お前どこでそれを?」

 「配電盤の鍵じゃねえか、それ…」

 「うひょ〜、やったぜ! これで帰れる!」

 「しかし、お前なんでこんなに親切なんだ…」

 「そういや…人が親切にするときは要注意と、
 昔おふくろが言っていたのを思い出したぜ」

 「なにが目当てだ! 金か?」

 「言っておくが、そんなもの一欠けらも
 持ってないからな!」

 「…まあ細かいことはいいか」

 「よーし、俺の兄貴に会わせてやる!
 配電盤の部屋までついてこい!」

マコト
 (※コックピットにダイブした後で
 鉄のカギを入手した場合)

 「よぉ、ねえちゃん! よく来るね〜」

 「な、なんかよ。俺に気があるみたいじゃ
 ねえか。違うかな…」

アルーア
 たしかこの男はこれを
 探していたはずよね。

マコト
 「お、お、お、お前どこでそれを?」

 「配電盤の鍵じゃねえか、それ…」

 「うひょ〜、やったぜ! これで帰れる!」

 「しかし、お前なんでこんなに親切なんだ…」

 「そういや…人が親切にするときは要注意と、
 昔おふくろが言っていたのを思い出したぜ」

 「なにが目当てだ! 金か?」

 「言っておくが、そんなもの一欠けらも
 持ってないからな!」

 「…まあ細かいことはいいか」

 「よーし、俺の兄貴に会わせてやる!
 配電盤の部屋までついてこい!」



《配電室》

マコト
 (※鉄のカギをマコトに見せた後)

 「おせえ! おせえんだよ、ったく…」

 「俺様がどれだけビクビクしながら待って
 たか知ってるか?」

 「なんせ、アンドロイドのやつらは知恵が
 回りやがるからな」

 「ほんと、油断ならねえんだよ。さあ早く
 鍵を貸してくれ」

 「この配電盤はボロいからな。スイッチを
 入れるのにもコツがあるんだ」

 (配電盤のスイッチが入る)

 「先に行って、兄貴に伝えておくぜ!」


アルーア
 (※配電盤動作後)

 (ドアノブを回す音)

 ドアが開かない…。

 (男の悲鳴)

 さっきの男の叫び声…。

 (ドアノブを回す音)

 ドアの向こうに誰かいる。


 教会の魔女めプレゼントだ
 殺すのに惜しい女だがな
 気をつけろ気をつけろ
 まあバレやしないぜ
 ヤツはマインド使いだ
 俺を殺しにきた
 バレる前に始末だ
 俺の可愛い子供たちだ
 たっぷりと楽しんでくれ

アルーア
 ドアの向こうの思念は、
 ヴィ・ラザフォードのもの。
 なぜ私がマインド使いと
 奴は気づいたのかしら

 それに…、
 なぜ奴が私を恐れるのか
 理由がわからないわ。


 (背後に気配)

 あいつがそうだわ
 あいつを殺せばパパは
 私の物になるんだわ
 さっきパパはあいつの
 ことばかり喋っていた
 私の顔がこんなのだから
 あいつのほうがいいのよ!
 許さない…殺してやる…

 (戦闘:ジュネ)

 アタシの顔キレイでしょ
 アンタの顔も同じようにしてあげる
 イヤ…人間なんかに負けるの…

 (戦闘終了)

アルーア
 さっきのアンドロイドには、
 私のことを嫉妬するという、
 より人間的な匂いの心が
 芽生えていた。

 そのような複雑な心まで
 手に入れているなんて
 信じられないことだ。

 しかも…

 ドアの向こうから
 流れてきた思念には、

 ”俺の可愛い子供たち”
 というメッセージが
 混じっていた。

 それがいまのアンドロイドを
 指していることはまず
 間違いないだろう。



《旧ステーション》

チャニ
 (※ジュネ戦後)

 「よかった。おねえさんは無事だったのね」

 「ヴィって人、みんなを連れてドアの
 向こうへ行ったわ」

 「フィオナさんが伝染病にかかってるって
 ウソをついてね」

 「あれは病気じゃない…私、知ってる…」

 「いま廃線の向こうの部屋で休んでいるけど、
 中から苦しんでいる声がしているの」

 「おねえさん、フィオナさんを助けてあげて」

 「私にはどうすることもできない…」






アルーア
 (※フィオナ変異戦前)

 微かだけど思念圧の高まりを
 感じるわ。

 向こうでなにかが起こって
 いるみたいね。



《使われていない路線》

チャニ
 (※ジュネ戦後)

 「おねえさん、やっぱり私にはダメ…」

 「もうあそこまでなったら…フィオナさんを
 助けることできない」

 「私が未熟なせいで、他の人に迷惑かけて
 しまったわ…」

 「どうしたらいいの、助けておねえさん…」



アルーア
 (※ジュネ戦後・ダイブ前)

 鍵が閉まっている…。

 ドアの向こうに、
 誰かの思念を感じる…。



アルーア
 (※ジュネ戦後)

 強い思念を感じる。


 なにしやがるんだ
 ただじゃおかねえぞ
 く くそ
 出せ 出さねえか
 体当たりしてやる
 うわぁぁぁぁ 崩れる

アルーア
 配電盤を動かしてくれた
 あの男の思念だわ。



アルーア
 (※ジュネ戦後・ダイブ後)

 (扉を開けようとする)

 鍵が閉まっているわ。

 あの様子じゃ死んでいるか、
 気を失っているかどちらかね。

 もし気を失っているなら
 ドアを叩いたら起きるかも
 しれないわ。

マコト
 (アルーア・ドアを叩く)

 「う…うう……」

 (アルーア・ドアを叩く)

 「う…うう……くそっ、頭が痛てえ」

アルーア
 生きていたようね。

マコト
 「どりゃぁぁぁぁーーー!」

 (金属音・扉に体当たりして脱出?)

 「ハレルヤ! 神よ感謝いたします…」

 「おお、友よー。あんたが助けてくれたのか!」

 「まさに命の恩人…。あのドアを叩く音が
 無ければ、俺はおっ死んでたはず」

 「ありがとうよ。この恩は一生忘れずに
 感謝し続けるからな」

 「それにしても、あのツルツル頭め。
 俺を閉じ込めて殺そうとしやがった…」

 「ちくしょう…俺、俺、情けない…」

 「いざとなったら足が、すくんじまって、
 動きたくても動けねえんだ…」

 「だってよ…あのツルツル頭、ナイフを
 持ってやがったんだ」

 「そんでよ、抵抗したら殺すって脅しや
 がるんだ…ズルイよな…」

 「そうだ! まずい…兄貴大丈夫かな。
 あいつ兄貴にも手を出してるんじゃ…」



《資材庫》





アルーア
 (※マコト救出後)

 こんな鉄骨が倒れてきて、
 よく命に別状がなかった
 ものだわ。



《倉庫(使われていない路線)》

アルーア
 (※ジュネ戦後)

 (戦闘:フィオナ変異)

 ……フフ…フフフ…
 …イヒヒヒヒ…フフフ…
 ……グギィィ…ギギィ…

 (戦闘終了)

 『フィオナの思念は具現化して
     マインドになった   』

 マインドに具現化するほど
 彼女の心は死の思念に
 冒されていた。

 しかし普通なら肉体をも
 崩壊させるマインドなど
 生じないはず。

 なぜなら大抵の人間の心は
 もろいもの。

 あれほど成長する以前に
 通常ならば速やかな死が
 訪れるはず…。



《使われていない路線》

チャニ
 (※フィオナ変異戦後)

 「あいつ気づいていたんだ。だから私を
 おびき出そうとして、フィオナさんを
 使ったんだわ」

 「私がさっさとあいつを殺しておけば
 こんなことにはならなかった…」

 「あいつが、フィオナさんになにかを
 したことはわかっていたんです」

 「でも確証がつかめなかったの。間違って
 人を殺めたくなかった」

 「侍女団は冷徹に行動せよ、これを忘れて
 行動した私が馬鹿だったの」

 「侍女団です私も。まだ侍女団になって
 日は浅いですけども」

 「覚えてますか? ひと月ほど前に発生した
 アンドロイドの暴走事件を」

 「私の任務はその犯人の確定と抹殺」

アルーア
 臨海エリアの工場で、
 数体のアンドロイドが
 突然狂い出した事件ね。

 アンドロイドたちは
 工場長を殺害して逃亡。
 数日後には機動部隊に
 発見され解体処分を受けた。

 アンドロイドの製造元、
 WIL社の社長辞任問題に
 まで発展したはず。

チャニ
 「あれには、報道されてない部分があるんです」

 「信じられます? アンドロイドが処分される
 ときに、泣きながら命ごいをしたって」
 「私も記録を見るまで、信じられません
 でしたけど…」

アルーア
 アンドロイドに心?
 まさか…。

チャニ
 「このトンネル内で起こっている事件は
 それに関係してます」

 「だって、元WIL社の技術主任があの
 列車に乗っていたんですもの」

 「ヴィ・ラザフォード。生体工学の権威に
 して死亡しているはずの人物」

 「その彼がなぜか、アンドロイドの暴走事件の
 数日前にWIL社の職員として、工場に訪れ
 ていた事実が判明したわ」

 「そのとき彼がメンテナンスしたのが、
 問題のアンドロイドたちなの」

 「きっとこの脱線事故も偶然じゃない」

 「いままで黙ってて、ごめんなさい」

 「おねえさんのことは気づいていました。
 だって侍女団の中でもいつも単独行動。
 『娘』と呼ばれる凄腕の暗殺者」

 「私たちみんなのあこがれですもの!」

 「私、これからあいつを追います!
 フィオナさんの仇をとってやる!」

アルーア
 アンドロイドに心を生じさせた
 なにかと…、
 フィオナの身体を急激に崩壊
 させたなにか…。

 この一見無関係に思える二つが
 実は共通の線で結ばれている。

 それはどちらも人為的に心を
 操作されたということだ。

 同じ方法によってかどうかは
 わからないが、

 チャニが言っていたことから、
 あのヴィって男が絡んでいる
 ことだけはたしかだわ。

 (※マコト救出前)

 (物音・辺りを見回す)

 なんの音かしら?

 (物音)

 音はあの扉の中からだわ。



《旧事務所前》

MRI
 (※マコト救出前)

 『識別コード確認中』

 「ケイコクシマス オヒキトリクダサイ」

 「ニュウシツハ、キョカサレテオリマセン」

アルーア
 旧型の警備マシン。
 侍女団の中には格闘術や
 銃器の扱いに長けている
 者もいるけど、

 基本的にマインド使いは
 心無き物に対しては
 普通の人と同じ。

 雑物なしの機械となれば
 私にはお手上げだわ。

MRI
 「メイレイニ シタガワナイバアイハ
 キョウセイハイジョ イタシマス」

アルーア
 わかった、わかったわ。
 とりあえずいまは
 退散させてもらうわ。

MRI
 (※マコト救出前・2回目以降)

 「ケイコク ケイコク アナタハ
 キョカヲウケテイマセン」

アルーア
 やっぱりだめみたい。

マコト
 (※マコト救出後)

 「兄貴には話をしておいたぜ!」

 「兄貴は向こうの部屋だ。気難しい人だから
 くれぐれも失礼の無いようにな」

 (※フィオナ変異戦前)

 「…そうだ。あんたのほかにも向こうに
 まだ残ってなかったかい?」

 「気のせいかな…いや確かに残っていた」

 「もしかして、俺たちがここに来ている
 ことを知らないんじゃないか。知らせて
 きてやったら?」

 「俺に頼まないでくれよ…。二度と向こう
 には行きたくないんだから」












アルーア
 向こうは旧セントラル
 第二ビルのはず。

 原因不明の奇病のせいで
 人の住めない廃墟になって
 いると聞いているけど。



アルーア
 (※ダイブ前)

 壊れているみたい、
 びくともしないわ。

 どうしてかしら…?
 強い思念がべっとり
 こびりついている。




 血まみれの死体が転がっている
 死ね死ね死ね死ね
 首のねじ切れた死体
 アンドロイドが笑ってる
 殺された みんな死んだ
 早くバルブを開けるんだ
 そっちへ行ったら危ない
 ちくしょう ちくしょう
 銃だ 銃をもってこい
 ヤツだ ヤツが来た
 ちくしょう さらわれたぞ
 このクソ アンドロイドが
 なんで死なねえんだよ
 銃がきかねえ
 笑ってやがったアイツ

アルーア
 アンドロイドと人間の
 凄まじい殺し合い…。

 何人もの人間が連れ去ら
 れるか殺されていった。

 そしてこの水は、
 アンドロイドの侵入を
 防ぐためのものだわ。



アルーア
 (※ダイブ後)

 このバルブは動かせ
 ないんじゃなくて、
 動かないように固定
 してあるのね。




チャニ
 (※フィオナ変異戦後)

 「どうしましょう。彼らどう説明しても
 協力してくれそうにもないんです」

 「このままじゃ、奴を逃がしてしまう…」

 「仕方ない。あまり取りたくない方法だけど」

 「それじゃ、おねえさんまたあとで」



《CHAPTER1−05》



或る記録の残滓