★個別労働紛争とは
個別労働紛争とは何?
社会保険労務士も個別労働紛争に介入できる
★労働相談
労働相談を行なっている場所は?
「総合労働相談コーナー」とは?
総合労働相談コーナーにはどんな労働相談が寄せられているのか?
都道府県労働局長による助言・指導とは?
★紛争調整委員会等による「あっせん」
紛争調整委員会による「あっせん」とは?
「あっせん」手続きの流れ
紛争調整委員会の「あっせん」に会社側が参加するメリットもある
都道府県労働委員会による「あっせん」とは?
労働委員会の「あっせん」を拒否できるか?
社労士会でも労働紛争に関する「あっせん」をおこなっている
★その他

労働基準監督署による「是正勧告」とは?
(○→会社向Q&A、●→個人向Q&A、◎→共通Q&Aです)
  •  個別労働紛争とは何ですか。
    (A)
     労働紛争といえば、一般に使用者と労働組合の紛争を思い浮かべるかと思いますが、労働組合の組織率が18%台までに低下した昨今は、大半が未組織労働者という現状になっています。併せて、派遣・請負・パートなどの雇用形態の多様化や、景気悪化による業績不振企業の増加等により、使用者と労働者個人のトラブルが増加してます。この様な、労働組合との紛争以外の、使用者と個々の労働者間の紛争、とりわけ民事に係わる紛争を一般に「個別労働紛争」と呼んでいます。
     
     ところで、労働者を守るべき法律は、労働基準法や労働安全衛生法などが代表的ですが、これらの法律には罰則規定もあり、これを遵守しない事業主には、労働基準監督署が指導や是正勧告、場合によっては司法警察権を行使できることになっています。
     しかし、職場トラブルは労働基準法上の違反を伴わない、解雇、労働条件の引き下げ、退職勧奨、いじめ・嫌がらせなどの民事に係ることが多いのも現実です。また、これらの労使関係の詳細は法律で定めていない部分も多く、トラブルを複雑にしている原因ともなっています。

     これらの紛争の解決手段としては、司法による民事調停、民事裁判、小額訴訟制度や労働審判制度もありますが、簡便な紛争解決手段として、都道府県労働局に設置されている「紛争調整委員会」によるあっせんや、都道府県労働委員会によるあっせん制度も利用できることになっています。
    また、平成18年秋に「法テラス(日本司法支援センター)」がスタートし、労働紛争に限らず、法的トラブル全般について相談できる公的機関も設立されました。

    【2009年10月補正】
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  •  社会保険労務士が個別労働紛争における代理業務を行えるようになったと聞きましたが、詳細を教えてください。
    (A)
     平成18年3月1日施行の改正社会保険労務士法により、社会保険労務士が特定社会保険労務士の資格を取得することにより、個別労働紛争における代理業務を行えるようになりました。
     以下に、特定社会保険労務士が代理できる個別労働紛争を列挙しました。
    1. 紛争調整委員会(各都道府県労働局に設置)におけるあっせんの手続きについて、紛争の当事者を代理すること。
    2. 男女雇用均等法に規定する調停(都道府県労働局雇用均等室に設置)の手続きについて、紛争の当事者を代理すること。
    3. 都道府県労働委員会における個別労働紛争に関するあっせんの手続きについて、紛争の当事者を代理すること。
    4. ADR法(平成19年4月1日施行)に基づく民間紛争解決手続団体が行う、個別労働紛争の当事者を代理すること。

     上記の、2と3については利用実績が極めて少ないことから、実際に特定社会保険労務士が個別労働紛争に係る代理業務を行う機会があるのは1と思われます。
     ところで、紛争調整委員会によるあっせんについては「補佐人」の制度もあり、補佐人は関係者であれば誰でもなれ、また、補佐人はあっせん会場への出席も認められているようです。ただし、この場合でも、社会保険労務士が補佐人になった場合は、あっせん会場への出席は認められないとされていますので、紛争調整委員会によるあっせん会場に出席できる社会保険労務士は、特定社会保険労務士が代理として参加する場合に限られるようです。

    【2009年7月補正】
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  •  職場トラブルなどの労働相談を行なっているところを教えてください。
    (A)
     経営者と労働者間のトラブルなどの職場トラブルの労働相談を行なっている機関は、概ね以下のところです。
     労働相談というと、労働者からの相談とお思いがちですが、経営者・事業主からの相談でも親切に対応してくれますので、お気軽にご相談されたら如何でしょうか。

    1、
    総合労働相談コーナー
     都道府県労働局や全国の主要労働基準監督署、あるいは主要都市の駅周辺ビルなどに設置しており、電話及び面談での無料相談を行なっています。女性相談員を配置しているところもあります。
    ≪リンク≫厚生労働省のホームページ  総合労働相談コーナー新潟

    2、労働相談所
     各都道府県が条例で設置している機関で、労働相談だけでなく、啓発事業や情報の収集・提供も行っています。労政事務所や労働事務所、労働センターなどと呼んでいる自治体もあります。相談は無料です。
     詳しくは、各都道府県にお尋ねください。
    ≪リンク≫新潟県労働相談所

    3、社会保険労務士会総合労働相談所
     各都道府県社会保険労務士会が設置している自主機関で、労働相談や年金相談を無料で行なっています。詳しくは、各都道府県社会保険労務士会にお尋ねください。
    ≪リンク≫全国社会保険労務士会連合会のホームページ
      新潟県社会保険労務士会総合労働相談所

    3、労働時間等相談センター
     全国労働基準関係団体連合会(全基連)が実施している相談窓口で、賃金、解雇、年次有給休暇の取得、セクシュアルハラスメント等、職場において現在導入されている制度及び新たに導入する制度に関しての不安の解消や労使間のトラブルについての無料相談や情報の提供を受けることができます。
     ここでの窓口の特徴は、電話がフリーダイヤルであること、および平日の夜間や土曜の午後(平日14時〜20時、土曜日13時〜18時)まで相談を行なっていることです。
    ≪リンク≫全基連のホームページ

    4、弁護士紛争解決センター
     民事上のトラブルを簡単な手続きで解決することを目的とした弁護士会の自主機関で、全国15箇所に設置してあります。主に消費者トラブルなどの相談を行なっていますが、労働相談も行なっています。有料です。
     詳しくは、各都道府県の弁護士会にお尋ねください。
    ≪リンク≫日本弁護士連合会のホームページ


    【2009年10月補正】
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  •  「総合労働相談コーナー」について教えてください。
    (A)
     「総合労働相談コーナー」は、平成13年に施行された「個別労働紛争解決促進法」に基づき、都道府県労働局や全国の主要労働基準監督署などに設置されました。 「総合労働相談コーナー」は公的機関ですから、相談は無料です。
    (総合労働相談コーナーの所在地) 厚生労働省のHP

     事業主と労働者個人間の紛争(個別労働紛争)の原因には、単に法律をを知らなかったり、誤解に基づくことが少なからずあります。そのため、正確な情報を提示し、相談することにより紛争を未然に防止し早期に解決することが重要で、その役割を担っているのが「総合労働相談コーナー」といえます。
     「総合労働相談コーナー」に寄せられた相談件数は、平成22年度で1,130,234件(前年比99.1%)となっています。相談内容は「いじめ・嫌がらせ」、「その他の労働条件(自己都合退職など)」といった相談が増加する一方、「解雇」に関する相談が大幅に減少し、紛争内容は多様化しています。
     
     相談は、面談だけでなく電話でも可能ですし、プライバシーも保護されます。「総合労働相談コーナー」の中には、セクハラなどの相談のために女性相談員を配置しているところもあります。相談者が希望すれば、都道府県労働局長による助言・指導や、紛争調整委員会による「あっせん」に移行することもできます。

    【2011年6月補正】
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  •  都道府県労働局に設置されている「総合労働相談コーナー」には、一般にどんな労働相談が寄せられているのですか。
    (A)
     厚生労働省の資料によると、都道府県労働局や全国の主要労働基準監督署内に設置されている総合労働相談コーナーに寄せられた相談件数は、平成22年度で1,130,234件件と、前年度に比べ0.9%減となっています。

     個別労働紛争相談の内訳を見ると、「解雇」に関するものが21.2%と最も多く、「いじめ・嫌がらせ」が13.9 %、「労働条件の引下げ」が13.1%と続いています。なお、前年度と比べて、高水準である「解雇」に関するものの件数は減少(前年度比13.0%減)し、「いじめ・嫌がらせ」、「その他の労働条件」などが増加(同10.2%増、17.1%増)、紛争内容は多様化しています。また、「その他の労働条件」の中では、「自己都合退職」の件数が増加(同21.8%増)しています。

    【2011年6月補正】
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  •  都道府県労働局長による助言・指導とは何ですか。
    (A)
     「個別労働紛争解決促進法」では、都道府県労働局長は個別労働関係紛争に関し、当事者の双方又は一方からその解決につき援助を求められた場合には、当事者に対し、必要な助言又は指導をすることができるとしています。
     「都道府県労働局長による助言・指導」とは、相談者が総合労働相談コーナー等に相談した結果、その相談者が申し出た場合に、都道府県労働局長が個別労働紛争の問題点を指摘し、解決の方向を示唆することにより、紛争当事者が自主的に紛争を解決することを促すことをいいます。
     したがって、都道府県労働局長による助言・指導は、あくまで当事者が自主的に紛争を解決できるよう橋渡しをすることが役目ですので、紛争当事者に一定の措置の実施を強制する性格のものではありません。

     「都道府県労働局長による助言・指導」の対象となる紛争の範囲は、「労働条件その他労働関係に関する事項について」の以下の紛争です。
    1、 解雇、配置転換・出向、雇止め、労働条件の不利益変更等の労働条件
    2、 セクハラ、事業主によるいじめに関する紛争
    3、 労働契約の承継、同業他社への就業禁止等の労働契約に関する紛争
    4、 募集・採用に関する紛争等
     
     ただし、以下の紛争は助言・指導の対象になりません。
    1、 事業主と労働組合間の紛争や労働者と労働者間の紛争
    2、 裁判で係争中である又は確定判決が出されている等、他の制度にいて取り扱われている紛争
    3、 労働組合と事業主との間で問題として取り上げられており、両社の間で自主的な解決を図るべく話し合いが進められている紛争
    (以上、 厚生労働省のリーフレットによる。)

     平成22年度の助言・指導件数は7,692件で、前年度に比べ1.1%減となっております。なお、「個別労働紛争解決促進法」により、労働者が助言・指導の申出をしたことを理由として、事業主が労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをすることは禁止されています。

    【2011年6月補正】
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  •  紛争調整委員会による「あっせん」とは何ですか。
    (A)
     「紛争調整委員会」とは、弁護士、大学教授等の労働問題の専門家である学識経験者により組織された委員会で、都道府県労働局ごとに設置されています。この「紛争調整委員会」の委員のうちから指名されるあっせん委員が、紛争解決に向けてあっせんを実施します。
     「あっせん」とは、当事者の間に学識経験者である第三者が入り、双方の主張の要点を確かめ、場合によっては、両者が採るべき具体的なあっせん案を提示するなど、紛争当事者間の調整を行い、話合いを促進することにより、紛争の円満な解決を図る制度をいいます。

     紛争調整委員会によるあっせんの特徴は、
    (1) 労働問題に関するあらゆる分野の紛争(募集・採用に関するものを除く)がその対象となります。
    (2) 多くの時間と費用を要する裁判に比べ、手続きが迅速かつ簡便であり、また、弁護士、大学教授等の労働問題の専門家である紛争調整委員会の委員が、円満な紛争解決に向け無償で、あっせんを行います。
    (3) 紛争当事者間であっせん案に合意した場合には、受託されたあっせん案は民法上の和解契約の効力をもつことになります。
    (4) あっせんの手続きは非公開であり、紛争当事者のプライバシーを保護します。
    (5) 労働者があっせんの申請をしたことを理由として、事業主が労働者に対して解雇その他不利益な取扱いをすることは法律で禁止されています。
    (以上、 厚生労働省のリーフレットによる。)
     
     労働基準法上の違反は、紛争調整委員会のあっせんの対象とはなりません。労働基準法上の違反を伴わない解雇、労働条件の引下げ等の民事上の個別労働紛争を行政が話し合いの仲立ちをしようというのが、紛争調整委員会によるあっせんの役割と理解されたら良いでしょう。

     平成22年度のあっせん申請受理件数は6,390件で、前年比18.3%減となっています。なお、「個別労働紛争解決促進法」により、事業主は労働者があっせんの申請をしたことを理由として、解雇その他の不利益取扱いをすることは禁止されています。。

    【2011年6月補正】
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  •  紛争調整委員会によるあっせん手続きの流れについて教えてください。
    (A)
     個別労働紛争が起きた場合には、都道府県労働局に設置してある「紛争調整委員会」にあっせん申請を行なうことができます。
     ただし、「個別労働紛争」ですから、実際に労働紛争が起きていることが前提になります。例えば、労働者がただ単に事業主に対して不満を持っているだけで、事業主は紛争と思っていないようなケースは、ここでいう「個別労働紛争」ではありません。したがって、実際に使用者と労働者のトラブルが発生している場合に、初めてあっせん申請ができるというのが前提となります。
    【注】 「紛争調整委員会によるあっせん」は、裁判のように白黒をつけるところではありません。あくまで、当事者間の話し合いを行政がお手伝いするという趣旨ですので、どうしても白黒をつけたい人には向いていません。

    ≪紛争調整委員会によるあっせんの手続き≫
    1. あっせん申請は、個別労働紛争の当事者が、最寄の総合労働相談コーナーに、「あっせん申請書」を提出することにより行ないます。あっせん申請は、(ア)労働者から、(イ)事業主から、(ウ)労働者・事業主双方から行なうことができます。(郵送による申請も可能。)

    2. 次に、都道府県労働局長が、必要に応じて申請者から事情聴取等を行い、紛争に係る事実関係を明確にした上で、紛争調整委員会にあっせんを委任するか否かを決定します。

    3. 都道府県労働局長が、「紛争調整委員会」にあっせんを委任すると、「あっせん委員」があっせん期日を決定して、紛争当事者へあっせん期日を通知します。あっせん開始の通知を受けた被申請人が、あっせんの手続きに参加する意思がないことを表明したときは、あっせんはそこで打切られることになります。

    4. 指定したあっせん期日に、あっせん委員が、
    (1) 紛争当事者双方の主張の確認や必要に応じて参考人からの事情聴取を行ないます。
    (2) 紛争当事者間の調整や話し合いの促進を行ないます。
    (3) 紛争当事者が求めた場合は、両者が取るべき具体的なあっせん案を提示します。
    【注】 あっせんを行なう日には、あっせんを行なうことを受諾した紛争当事者(労働者と事業主側)は必ず出席しなければなりません。また、あっせん委員は、紛争当事者と個別に面談しますので、紛争当事者間で顔を合せることはありません。あっせんは、一般に3時間程度で、その日に終わります。

    5. 紛争当事者双方があっせん案を受諾したり、その他の合意が成立すると紛争が解決します。しかし、当事者双方や当事者の一方が合意をしなかった場合は、あっせんは打切られ、他の紛争解決機関に移行することになります。
    【注】 他の紛争解決機関に移行するとは、裁判所による調停、民事裁判あるいは労働審判や小額訴訟に移行するということです。この場合は、長期戦の覚悟が必要です。

     あっせん申請書は、労働局や労働基準監督署に設置してある「総合労働相談コーナー」に用意してありますが、厚生労働省のホームページからもダウンロードできます。申請書の記入方法については、「総合労働相談コーナー」でご相談ください。「あっせん申請」は無料です。
     また、特定社会保険労務士は「紛争調整委員会」によるあっせんの代理人になることができます。あっせんの手続きを、特定社会保険労務士に依頼することも一考です。

    【2009年7月補正】
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  •  紛争調整委員会から、当社が解雇した従業員からあっせん申請がなされた旨の通知がありました。あっせんは受けけなければならないのでしょうか。また、会社があっせんに参加するメリットはあるのでしょうか。
    (A)
     平成13年に「個別労働紛争解決促進法」が施行され、使用者と労働者の個別労働紛争に対し、都道府県労働局に設置してある「紛争調整委員会によるあっせん」制度を利用できるようになりました。その知名度も少しずつ上がってきて、年々「あっせん」の申請件数も増加しています。

     貴社のケースでは、貴社が解雇した従業員が紛争調整委員会に「あっせん」申請を行ったため、紛争調整委員会から貴社に対し「あっせん」への参加の有無の確認の通知がなされたものと思います。
     紛争調整委員会による「あっせん」とは、行政機関が紛争の当事者間の話し合いの仲立ちをして紛争の解決を目差すという趣旨ですから、裁判のように白黒をつけるところではなく、また、参加への強制力はありません。したがって、「あっせん」に参加するしないは貴社の自由です。
     「あっせん」申請の窓口は、都道府県労働局または主要労働基準監督署に設置してある「総合労働相談コーナー」です。申請者の一方的な言い分であっても、原則として「あっせん」は受理されます。

     従業員を解雇したことについて貴社が何らやましいことがなければ、「あっせん」に参加する必要もないでしょう。「あっせん」を受けなかったら、労働者は諦めるかも知れません。しかし、これらの紛争は事業主や上司が、法律を良く理解していないが故にトラブルになっていることも多々あります。万に一つ、労働者が裁判に持ち込むこともありますが、裁判となると出廷は拒否できず、双方とも時間とお金と労力を要求されることとなります。

     「あっせん」に参加するメリットはあるかとのご質問ですが、このように考えられたらよろしいかと考えます。
     何度も言いますように、紛争調整委員会による「あっせん」は白黒をつけるところではありませんので、終局的にはお金で解決するものといっても過言ではありません。もし、労働者の一方的な言い分であったとしても、あっせんに参加しないことを種に、あたかも自分の主張が正しかったかように労働者が吹聴し回る可能性もあります。また、会社内のあることないことを吹聴するかも知れません。気にしなければ何でもありませんが、狭い業界や地域では仕事に影響が出ることもあります。また、こういった紛争は、100%会社が正しいとは言えないケースが結構多いものです。
     「あっせん」の合意書では、今後一切他の紛争機関を利用しない、あるいはこの紛争については今後一切他言しない等の一筆を入れておくのが通常ですので、お金で解決できる、後腐れのない紛争解決の近道とも言えます。

     仮に貴社が紛争調整委員会による「あっせん」に参加するとしたら、白黒をつけるところではなく、話し合いで解決するところであるということを認識して参加することが大切です。「あっせん」参加の確認書に添付された反論書には要点を要約し、貴社の主張を書きます。(紛争調整委員会による「あっせん」は通常半日程度で終了しますので、裁判のように膨大な資料を持ち込んでも意味がありません。)

     「あっせん」当日は、調整委員がお互いの言い分を調整しながらあっせん案を提示します。したがって、貴社で出せる限度額をあらかじめ腹積もりして参加した方が良いでしょう。労働者の要求額と貴社の提示額が相当程度の隔たりがあれば、合意できず「あっせん」は打ち切りとなりますが、貴社が話し合いに応じる姿勢を見せれば、解決する可能性は高いといえます。
     
     「あっせん」は、会社側からも申請できます。労働者の無理難題に困っていたら、会社側から「あっせん」を利用するということもできます。申請に際してのお金は1円もかかりませんし、相手が受ければ1〜2ヶ月で結論が出ます。
     特定社会保険労務士は、紛争調整委員会による「あっせん」に代理参加できすので、お困りの場合は特定社会保険労務士に相談することも一考でしょう。

    【2008年1月補正】
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  •  都道府県労働委員会による「あっせん」について教えてください。
    (A)
     都道府県労働委員会は、使用者と労働組合による労働争議の調整を行うところで、各都道府県に設置されています。調整の方法には「あっせん」「調停」「仲裁」の3つがあり、労働組合を結成していなくても、労働者が集団として申請することも可能としています。その他に、労働組合の資格審査や不当労働行為の審査も行っています。
     都道府県労働委員会では、使用者と労働者の個別労働紛争の増加を受けて、数年前から、個々の労働者と使用者との紛争についても「あっせん」を行うようになっています。内容(特徴や手続き)は、概ね都道府県労働局の紛争調整委員会による「あっせん」と同様ですが(紛争調整委員会によるあっせんの項参照)、以下の点で異なる取扱いをしています。
     なお、「あっせん」申請の手続き方法などの詳細については、都道府県労働委員会にお尋ねください。

    1.紛争調整委員会による「あっせん」は1回限りの開催であるが、都道府県労働委員会の「あっせん」は複数回開催することがある。
    2.紛争調整委員会による「あっせん」は当事者(使用者と労働者)が顔を合わせることがないが、都道府県労働委員会の「あっせん」では同席することもある。
    3.紛争調整委員会による「あっせん」は労働組合からの申請は受付できないが、都道府県労働委員会の「あっせん」は労働組合からの申請も受付ける。
    4.紛争調整委員会による「あっせん」は原則として労働基準法違反などの法違反事例は受付けないが、都道府県労働委員会の「あっせん」は法違反事例でも受付けることがある。
    5.紛争調整委員会による「あっせん」では現地に赴き調査することはないが、都道府県労働委員会の「あっせん」では事務局の事前調査制度があり、現地に赴き調査することがある。

     どちらも費用は掛かりません。個別労働紛争について、どちらの「あっせん」制度を利用するかは自由ですが、一方の「あっせん」制度を利用すると他の「あっせん」制度の利用は制限されるようです。
     いずれの「あっせん」制度も相手方が応じない自由があり、実施後の「あっせん」案にも強制力もありません。ただし、「あっせん」案を履行しないとなると、次の段階(労働審判制度や訴訟)に移行した場合、不誠実さを問われ、勝てる確率は相当に低くなるように思われます。また、最初から「あっせん」に応じない場合についても、裁判官等の心証面で有利に働くとは思えません。

    【2009年10月】
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  •  労働委員会から、当社が解雇した従業員からあっせん申請がなされた旨の通知がありました。あっせんを拒否することはできるのでしょうか。
    (A)
     都道府県労働委員会は、会社と労働組合との紛争(集団的労働紛争)の解決を目的として設置されていますが、近年、都道府県労働委員会の中には、会社と労働者個人との紛争(個別労働紛争)に対しても、「あっせん」を受付ける労働委員会も増えてきています。

     労働委員会から、当社が解雇した従業員からあっせん申請がなされた旨の通知があり、当該「あっせん」を拒否できるかとのことですが、「あっせん」に参加するかどうかは自由です。したがって、労働委員会に対し「あっせん」に参加しない旨を返答することとしても問題ありません。

     ただし、当該労働者が次の手段(労働審判や訴訟)へ移行した場合、「あっせん」という第三者機関での解決を拒絶したとして、裁判官等の心証面で不利に働くことは十分考えれます。一般に労働委員会は労働者寄りと言われていますが、その辺のことも斟酌のうえ検討すべきかと思われます。


    【2010年1月補正】
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  •  社会保険労務士会でも、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を行っているそうですが、詳細を教えてください。
    (A)
     社会保険労務士法第2条第1項第1号の6に規定する個別労働関係紛争の民間紛争解決手続の業務を公正かつ適確に行うと認められる団体として、厚生労働大臣から「社労士会労働紛争解決センター」として指定された各都道府県社会保険労務士会が増えています。
     「社労士会労働紛争解決センター」が扱う業務は、労働関係紛争に係るあっせんで、
    職場で起きた経営者と労働者のトラブルを、労働問題の専門家である社会保険労務士が運営する「社労士会労働紛争解決センター」が簡易、迅速、低廉に解決するとします。
    (参考URL) 法務省の「かいけつサポート」のHP

     新潟県社会保険労務士会も、平成22年3月9日に厚生労働大臣から指定され、個別労働関係紛争の民間紛争解決手続業務を開始しています。なお、「社労士会労働紛争解決センター新潟」は、新潟県社会保険労務士会内に設置しています。
    (参考URL) 新潟県社会保険労務士会のHP


    【2010年9月】
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  •  労働基準監督署の是正勧告について教えてください。
    (A)
     労働基準監督署による是正勧告とは、労働基準監督官が労働基準法などの法違反に該当すると認めた事項について、事業場に対し是正するよう勧告することをいいます。
     この勧告には法的強制力はないとされますが、事業主が是正を放置したり、再び法違反を繰返したりすると司法処分されることもあります。したがって、法違反をそのまま放置せずに、是正勧告には極力従うべきと思われます。
     
     事業場において、法違反ではないが指針や通達に違反しているような事実等がある場合には、労働基準監督署が「指導票」を交付して事業場にその改善を促すこともあります。
     また、労働安全衛生法違反などで緊急を要するものについては、労働基準監督署長名で使用停止等の「命令書」を交付することがあります。命令書は強行規定ですから、この場合は、従わなければ6ヶ月以下の懲役または50万円以下の罰則規定があります。

     監督官は、その年の労働基準行政の重点施策に基づき、その施策に対応する事業場に対して定期臨検を行うほか、労働者の申告に基づき、あるいは労働災害発生時等にも臨検を行うことがあります。
     臨検の結果、法違反等が認められると、指導や是正勧告がなされます。悪質の場合は命令書の交付や、場合によっては書類送致されることもあります。

     「是正勧告」のうち、就業規則の不備や労働条件の明示違反、賃金台帳の未整備などの場合は、直ちに改善を行うことは比較的容易です。しかし、労働時間管理や割増賃金の不払いなどの勧告を受け、それを是正しようとすると厄介です。過去に遡っての未払い残業代の支払い(賃金債権の時効は2年)や、労働時間管理などを適正に行う旨の勧告がなされますので、思いがけず多額の出費を強いられこともあります。

     コンプライアンスに対する世間の目も厳しくなっています。常日頃から、労働時間や割増賃金などのルールをキチンと作っておく、就業規則や賃金台帳などを整備し運用する、併せて従業員と風通しを良くしておくことなどが大切かと思われます。
     最近は、ユニオンによる団体交渉要求や、弁護士等による残業代未払い請求などが散見され、これらの対応は是正勧告以上に大変です。一旦事が起きると、後処理が想像以上に困難を極めます。備えあれば憂いなしで、日頃からリスクに備える対策を構築しておくことがポイントと思われます。

    【2011年5月補正】
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(by 佐藤正社会保険労務士事務所)