|
新潟県新潟市・佐藤正社会保険労務士(社労士)事務所のトップページ > 労働保険・社会保険Q&Aサイトマップ > 労働社会保険の基本Q&A

(○→会社向Q&A、●→個人向Q&A、◎→共通Q&Aです)
- 労働保険・社会保険に加入しなければならない事業所について教えてください。
(A)
社会保険には、労災保険と雇用保険の「労働保険」と、健康保険と厚生年金保険の「社会保険」とがあります。この「労働保険」と「社会保険」に加入しなければならない事業所を、適用事業または適用事業所といい、その範囲は「労働保険」と「社会保険」でそれぞれ異なります。
● 労働保険(労災保険・雇用保険)
従業員を1人でも使用していると加入義務があります。法人・個人事業を問いません。ただし唯一の例外として、個人事業であり、かつ常時使用する労働者が5人未満の農林水産の事業は加入しなくてもかまいません。
労災保険は、事業主および家族従事者は加入できませんが、労働保険事務組合を経由すれば特別加入することも可能です。
● 社会保険(健康保険・厚生年金保険)
○ 法人の場合
常時1人でも使用していれば加入義務があります。また、法人の役員は加入義務がありますので、社長1人の会社でも強制適用になります。
○ 個人事業の場合
(1) 常時使用する従業員が4人以下の個人経営の事業は加入しなくてもかまいません。
(2) 常時使用する従業員が5人以上の個人経営の事業であっても、以下の事業は健康保険・厚生年金保険に加入しなくてもよい事業となっています。
個人経営の事業で、(ア)農業、畜産業、水産業、林業などの第一次産業、(イ)理容、美容の事業、(ウ)映画の製作又は映写、演劇、その他興行の事業、(エ)旅館、飲食店、接客業や娯楽場。弁護士、会計士、社労士等法律関係の事業等のサービス業、(オ)神社、寺院、教会等の宗務業。
【注1】 社会保険には、労働保険と違い、法人の役員(非常勤役員を除く)も加入義務があります。
【注2】 被保険者の範囲は、労災保険、雇用保険、社会保険(健康保険と厚生年金保険)でそれぞれ異なります。詳細は、次のQ&Aをご参照ください。
【2007年10月】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 雇用保険や健康保険の被保険者の範囲がそれぞれ異なりよく分かりません。簡単に教えてください。
(A)
● 労災保険
個人経営の、常時使用する労働者が5人未満の農林水産の事業という唯一の例外を除いて、法人・個人経営に係わらず、従業員を1人でも雇っている場合は労災保険の強制適用事業とされます。正社員のみならず、パート、アルバイトなど全ての労働者が労災保険の対象となります。
● 雇用保険
雇用保険には、最初から被保険者とされない場合と、パートタイマーなど労働時間により被保険者とされない場合があります。
詳細は、厚生労働省のホームページをご参照ください。
● 健康保険・厚生年金保険
労災保険と雇用保険を「労働保険」というのに対して、健康保険と厚生年金保険を「社会保険」といいます。健康保険と厚生年金保険の手続は一緒です。なお、パートタイマーでも加入させなければならないことがあります。
詳細は、厚生労働省のホームページをご参照ください。
【2007年10月】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 社会保険(健康保険・厚生年金保険)の被保険者について教えてください。
(A)
健康保険も厚生年金保険も被保険者の範囲は同じです。
(法人の場合)
従業員だけでなく代表者や役員を含めて全員が被保険者になります。(法人であれば、従業員がいなくても加入が必要。ただし非常勤役員は除く。)この点では、原則として事業主は加入できない労働保険(労災保険・雇用保険)とは異なります。
(個人事業の場合)
従業員が5人以上であれば、原則として従業員は被保険者なります。(法人事業と違い、従業員が5人未満の個人事業主は被保険者になれません。)個人事業主は国民健康保険に加入することになります。
また、次の人は被保険者になることはできません。
(1) 2ヶ月以内の期間を定めて雇われた人(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用されるに至ったときは被保険者になります。)
(2) 日々雇入れられる人(ただし、1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至ったときは被保険者になります。)
(3) 季節工など季節的な業務に雇われた人(ただし、継続して4ヶ月を超えて引き続き使用されるときは被保険者になります。)
(4) 博覧会のような臨時的事業の事業者に雇われた人(ただし、継続して6ヶ月を超えて引き続き使用されるときは被保険者になります。)
(5) 巡回興行のように、所在地の一定しない事業に雇われた人
なお、試用期間中であっても被保険者とされます。
また、70歳以上の場合は、厚生年金保険の被保険者になれませんので、健康保険のみの加入となります。(健康保険も、75歳以上は高齢者医療制度に加入しますので、健康保険の被保険者になれません。)
【2011年12月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 労働保険・社会保険の加入に年齢制限はあるのですか。
(A)
労働保険・社会保険と年齢の関係は、簡単に示すと以下の通りです。
● 労災保険
年齢による加入の制限はありません。
● 雇用保険
65歳に達した日以後に新たに雇用される人は、雇用保険に加入できません。(ただし、65歳になる日の前日から引き続いて同じ会社に雇用されている人は除きます。)
(注) 保険年度の初日(4月1日)現在において満64歳以上の人は、雇用保険料が免除されます。
● 健康保険
75歳以上の人は健康保険に加入できません。(75歳以上の人は、高齢者医療制度に加入することになります。)
● 厚生年金保険
70歳以上の人は厚生年金保険に加入できません。
【2008年10月】
「労働社会保険の基本」トップへ
- パートタイマー(短時間労働者)と労働社会保険の関係について教えてください。
(A)
パートタイム労働法によると、短時間労働者の定義を、「1週間の所定労働時間が同一の事業所に雇用される通常の労働者(中略)の1週間の所定労働時間に比し短い労働者をいう」としています。
パートタイム労働法では、この短時間労働者のことをパートタイム労働者と同義に用いており、また「パートタイマー」「アルバイト」「嘱託社員」「臨時社員」「契約社員」「準社員」などの呼び方に関係なく、通常の労働者より所定労働時間が短ければパートタイム労働法が適用されるとしています。したがって、パータイム労働法上は、ご質問のパートタイマー・アルバイト・契約社員等の呼称が違っても、パートタイム労働者として一括りにして定義しています。
パートタイマーと労働社会保険の関係は以下の通りです。
1.労災保険
加入が必要。(事業主が加入します。)
2.雇用保険
次のいずれにも該当する場合は雇用保険の被保険者になります。
・31日以上雇用する見込みがある。
・1週間の所定労働時間が20時間以上ある。
【注1】 「31日以上の雇用見込み」とはどんなケースが該当するかについては、厚生労働省のHPをご参照ください。
【注2】 65歳以降新たに雇用された人は、雇用保険の被保険者になれません。
【注3】 昼間学生がアルバイトをするような場合は、原則として被保険者になれません。ただし、通信教育、夜間、定時制の学生は被保険者になります。
【注4】 主として家事に従事するような家事使用人は被保険者となりません。
3. 健康保険・厚生年金保険
次のいずれかに該当する場合は健康保険・厚生年金保険の被保険者になりません。
・1日の労働時間が、一般社員のおおむね4分の3未満であれば被保険者になりません。
・1ヶ月の勤務日数が、一般社員のおおむね4分の3未満であれば被保険者になりません。
【注1】 4分の3という数字はあくまで「おおむね」で、できるだけ加入者として取扱うようにという意味ですから、厳格なものではありません。
【注2】 健康保険の被扶養者の要件として、年収130万円未満(60歳以上または障害者は年収180万円未満)がありますが、労働時間・労働日数がいずれも一般社員の4分の3以上であれば、年収130万円未満(60歳以上または障害者は年収180万円未満)であっても、健康保険・厚生年金保険の被保険者になります。
ただし、次の人は最初から被保険者になることはできません。
(1) 2ヶ月以内の期間を定めて雇われた人(ただし、所定の期間を超えて引き続き使用されるに至ったときは被保険者になります。)
(2) 日々雇入れられる人(ただし、1ヶ月を超えて引き続き使用されるに至ったときは被保険者になります。)
(3) 季節工など季節的な業務に雇われた人(ただし、継続して4ヶ月を超えて引き続き使用されるときは被保険者になります。)
(4) 博覧会のような臨時的事業の事業者に雇われた人(ただし、継続して6ヶ月を超えて引き続き使用されるときは被保険者になります。)
(5) 巡回興行のように、所在地の一定しない事業に雇われた人
【2010年11月】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 季節的労働者と労働社会保険の関係について教えてください。
(A)
季節的労働者とは、毎年、一定の期間に行われる業務に一定の期間を定めて雇用される労働者をいいます。
<季節的労働者の労働社会保険関係>
1.労災保険
加入が必要。(事業主が加入します。)
2.雇用保険
毎年、一定の期間に行われる業務に4カ月以内の期間を定めて雇用する場合は被保険者となりません。
4カ月以内の期間を定めて雇用するとした場合でも、その定められた期間を超えて雇用される場合は、その定められた期間を超えた日から被保険者(短期雇用特例被保険者)となります。
3.健康保険・厚生年金保険
季節的業務に4カ月を超えない期間使用されるものであれば被保険者となりません。雇用保険と違い、仮に当初予定していた雇用契約期間を超えて使用されたとしても、4カ月以内であれば被保険者への切替えを行う必要はありません。
【2010年12月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 役員と労働社会保険の関係がよく分かりません。具体例をあげて教えてください。
(A)
役員の形態により、労働社会保険の加入状況が異なります。役員の労働社会保険加入についての具体例は以下の通りです。
1.代表取締役、常勤役員
健康保険・厚生年金保険(以下、社会保険という)は加入します。労災保険・雇用保険(以下、労働保険という)は加入できませんが、労災保険は、労働保険事務組合を介せば特別加入できます。
2.非常勤役員
社会保険、労働保険とも加入できません。名目上の役員で出社することがほとんどなく、年収が130万円未満であれば健康保険の被扶養者となることもできます。
3.兼務役員
社会保険、労働保険とも加入しますが、労働保険は役員報酬を除いた従業員としての給与部分のみが保険料の対象となります。
【2010年11月】
「労働社会保険の基本」トップへ
- このたび当社の社員が役員に昇格しました。労働・社会保険の手続きを教えてください。
(A)
1. 社会保険(健康保険、厚生年金保険)関係
(1) 常勤役員となった場合
資格はそのまま継続されますので、手続きの必要はありません。ただし、報酬額が変更された場合は、随時改定の手続きが必要なる場合があります。
(2) 非常勤役員となった場合
資格喪失手続きが必要です。
2. 雇用保険関係
(1) 業務執行権を有する役員となった場合
資格喪失手続きが必要です。
(2) 労働者性の強い兼務役員となった場合
兼務役員雇用実態証明手続きが必要です。添付書類が幾つか必要となりますので、所轄のハローワークへお尋ねください。
なお、「兼務役員雇用実態証明書」の様式は、新潟労働局のHPからダウンロードできます。
【2011年6月】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 社会保障協定って何ですか。
(A)
日本国と社会保障協定を締結している国は現在、ドイツ・イギリス・韓国・アメリカ・ベルギー・フランス・カナダ・オーストラリア・オランダ・チェコ共和国・スペイン・アイルランド・ブラジル・スイスの14カ国となっています。
≪社会保障協定とは≫ 日本の事業所から海外支店や駐在員事務所などに派遣される日本人については、日本の社会保険制度と就労地である外国の社会保険制度にそれぞれ加入し、両国の制度の保険料を負担しなければならないことがあります。(二重加入の問題)
また、派遣期間が短い場合、外国の年金制度の加入期間が短いことから年金が受けられないなど、外国で納めた保険料が結果的に掛け捨てになってしまうこともあります。(保険料掛け捨ての問題)
社会保障協定とは、二国間で協定を締結することにより、年金制度等の二重加入を防止するとともに、外国の年金制度の加入期間を取り入れ年金が受けられるようにするものです。なお、相手国から日本国へ派遣される場合も、原則として同様の考え方をします。
≪具体的な運用≫
1. 社会保障制度については、派遣期間が5年以内の派遣者は派遣元国の制度に加入し、派遣期間が5年を超える派遣者は、就労地国の制度に加入する。
2. 一方の国の年金制度の加入期間のみでは受給資格期間を満たさない場合に、他方の国の年金制度の加入期間を一方の国の加入期間とみなし、受給資格期間に通算することにより年金を受けられるようにする。(ただし、通算された加入期間に応じて計算された年金を、一方の国からまとめて支給するような仕組みにはなっておらず、年金加入期間通算により支給される年金額は、一方の国の実際の加入期間に応じて計算された額とされます。)
以上は原則的な取扱いですが、協定国により異なることがありますので、詳細は厚生労働省のHPをご参照ください。
≪具体例≫
老齢年金を受給するためには、日本では25年、アメリカでは10年の加入期間が必要です。仮に、日本の年金制度に20年、アメリカの年金制度に5年加入したとすると、本来であればどちらの国も受給資格期間を満たさず老齢年金は受給できませんが、両国の加入期間を通算することにより老齢年金を受給することが可能となります。
【2012年3月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 労働保険と社会保険の保険料納付の仕組みを教えてください。
(A)
● 労災保険・雇用保険(労働保険)
労災保険と雇用保険を「労働保険」といいます。労災保険と雇用保険の保険料は、「労働保険料」として1年分を納付書で前払いします。 毎年、毎年6月1日から7月初旬(年度により日が異なる)までに当年度分の労働保険料を概算で支払い、前年度分の保険料については、昨年支払った概算額と実際の確定額を差し引きし精算します。なお、労働保険料は分割納付できる場合もあります。
労災保険料は全額事業主負担です。雇用保険料は事業主と従業員で負担します。雇用保険料の従業員負担分は、当月分を当月の給与から引去り、来年度の納付に備えストックしておきます。
【注】 年度が変わり、保険料率が変動した場合等は以下の取扱いになります。
・賃金締切日が3月で支払日が4月の場合→確定保険料(前年度分)の算定基礎に含める
● 健康保険・厚生年金保険(社会保険)
健康保険と厚生年金保険を「社会保険」といい、保険料は事業主と従業員が折半で負担します。
健康保険料と厚生年金保険料は、毎月20日ごろ年金事務所から、前月分の(ア)納入告知書、(イ)算出内訳書、(ウ)異動があった場合は増減内訳書が送られてきます。金融機関などに、当月の末日までに保険料を納付します。なお、銀行の口座振替を利用した場合は、年金事務所より納入告知額が通知されます。
健康保険料と厚生年金保険料の従業員負担分は、当月分を翌月の給与から引去り、月末までに事業主負担分と一緒に納付します。
【2010年4月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 従業員の健康保険・厚生年金保険料、雇用保険料の控除方法について教えてください。また、従業員が退職したときの控除方法についても併せて教えてください。
(A)
● 健康保険・厚生年金保険料
健康保険・厚生年金保険料は、資格を取得した月から資格を喪失した月の前月分までを納付します。
1. 従業員の給与からの控除
健康保険・厚生年金保険料の従業員負担分については、従業員が資格を取得した月の翌月の給与から控除します。
2. 年金事務所への納付
健康保険・厚生年金保険料は、毎月20日ごろ、年金事務所から、(1)前月分の納入告知書、(2)算出内訳書、(3)異動があった場合は増減内訳書が送られてきます。金融機関などに、当月の末日までに事業主負担分と従業員負担分を併せて納付します。なお、銀行の口座振替を利用した場合は、年金事務所より納入告知額が通知されます。
(実務上の注意点)
健康保険・厚生年金保険料は、従業員が資格を喪失した月の前月分までを納付します。したがって、従業員が退職した月の保険料は徴収されません。ただし、健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の喪失日は、従業員が退職した日の翌日です。
【例1】 例えば、3月31日を退職日すると資格喪失日は4月1日となりますので、3月分の保険料を納付する必要があります。
保険料(従業員負担分)の控除方法は、3月に支払う給与から2月分の保険料を、4月に支払う給与から3月分の保険料を控除します。ただし、4月に支払うべき給与がない場合は、3月に支払う給与から2月分と3月分の保険料を控除します。
【例2】 3月30日までを退職日とすると、資格喪失月も3月となりますので、3月分の保険料は納付する必要はありません。
この場合は、3月に支払う給与から2月分を控除することのみで足ります。(4月に支払うべき給与があったとしても、この給与から3月分の保険料は控除しません。)
● 雇用保険料
雇用保険料の方は簡単です。退職日に係わらず給与を支払うつど従業員負担分の雇用保険料を控除することで足ります。
雇用保険料の納付方法は、年度更新の際に、都道府県労働局に1年分の保険料を労災保険料と併せて一括納付します。
【2011年12月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 賞与を支払ったときの、従業員の労働保険料・社会保険料控除の方法について教えてください。
(A)
● 健康保険料・厚生年金保険料
健康保険・厚生年金保険については、賞与を支払ったときにも、標準賞与額(注)に給与を支払ったときと同率の保険料率を掛けた健康保険料・厚生年金保険料・介護保険料を賞与から控除します。そして、「健康保険・厚生年金保険被保険者賞与支払届」に従業員ごとの標準賞与額を記載し、「総括表」を添付して社会保険事務所に提出します。年金事務所から翌月の納入告知書に給与分と賞与分が告知されますので、事業主負担分と一緒に納付します。
(注)標準賞与額とは、賞与の額の1,000円未満の額を切り捨てた額をいいます。標準賞与額には、健康保険では年間(4月1日から3月31日までをいう)で540万円、厚生年金保険では1回につき150万円の上限があります。
なお、賞与支払月に退職した従業員については、社会保険料は控除しません。なぜなら、社会保険料は資格を喪失した月の前月分までを納付すればよいからです。賞与を支払った時点では退職することが分らず社会保険料を控除していた場合は、後で本人に当該控除額を還付することになります。賞与支払届についても、当該従業員分は記載する必要はありません。
ただし、月の末日退職の場合は資格喪失日は翌日(資格喪失月は翌月)となりますので、賞与からの社会保険料控除が必要となりますので、ご注意下さい。
● 労災保険料・雇用保険料
雇用保険料の賃金控除は、賞与に対しても給与と同じ扱いです。特に届出等は要りません。労災保険料は年間の賃金総額で決定しますので、特に手続はありません。
【2010年3月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 従業員が病気で休職中の労働保険料・社会保険料はどうなるのですか。
(A)
● 健康保険料・厚生年金保険料
健康保険・厚生年金保険では、従業員が病気などで休職中であっても月々の保険料の納付が必要です。
休職中でも賃金を支払っていれば、そこから従業員負担分の保険料を控除できるので問題ありませんが、休職中の賃金が無給の従業員については、当該従業員と話し合って決めることになります。この場合、休職規程等に「従業員は休職期間中の健康保険、厚生年金保険の被保険者負担分の保険料相当額を毎月月末までに会社の指定口座に振り込まなくてはならない。」等の例により規定しておけば、万全かと思われます。
● 雇用保険料
休職期間中は無給であれば、事業主負担分・従業員負担分とも雇用保険料の納付は必要ありません。休職期間中でも賃金を支払っていれば、支払った賃金額に応じ従業員負担分の雇用保険料控除を行い、算定基礎届の際に事業主負担分と併せて一括納付することになります。
● 労災保険料
労災保険料は全額事業主負担ですので、賃金の支払いがあれば事業主が納付することになります。
【2011年12月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 同一月内に被保険者資格の得喪があった場合の保険料はどうなるのですか。
(A)
● 健康保険料・厚生年金保険料
健康保険・厚生年金保険の被保険者資格の取得の届出をし、同一月内に喪失があった場合であっても、1か月分の保険料を支払わなくてはなりません。健康保険・厚生年金保険では、従業員負担分の保険料は翌月の給与から控除しますが、この場合に限って当月の給与から控除できます。
● 雇用保険料
雇用保険料は、所定に当月分を控除します。
【2007年10月】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 給与明細書に標準報酬月額30万円との記載がありますが、この標準報酬月額とは何ですか。
(A)
健康保険・厚生年金保険では事務処理上、被保険者が受ける給与等の月額を、等級で区分した「標準報酬月額」に当てはめて計算し易いようにしています。この区分は、健康保険では1級から47級まで、厚生年金保険では1級から30級までと区分しています。貴方の場合、給与額が29万円以上31万円未満の間であったため、第18等級に該当し、標準報酬月額が30万円となっているものと思います。
この標準報酬月額は次の3つの方法により決められます。
(1) 資格取得時決定
会社に採用されたときは、そのときに決められた給与額に基づいて標準報酬月額を決定します。
(2) 定時決定
7月1日現在に被保険者である人について、4月から6月までに受けた給与額をもとに、9月から翌年8月までの標準報酬月額を決定します。通常の場合はこのケースです。
(3) 随時改定
昇給等により、引き続く3ヶ月間に受けた給与の平均額と現在の給与額と比べ、標準報酬月額で2等級以上の差がある場合等は、昇給等があった月の4カ月目から標準報酬月額を改定します。
また、賞与等からも「標準賞与額」として、標準報酬月額と同率の保険料が徴収されます。
標準賞与額とは、賞与の額に保険料率を掛け、1,000円未満の端数を切り捨てた額です。ただし、健康保険は年度の累計額540万円、厚生年金保険は1ヶ月あたり150万円の上限があります。
【注】 厚生年金保険では、例えば300万円の賞与を年2回支払った場合では、それぞれについて保険料が徴収されますが、賞与を年1回(300万円)にすれば保険料を節約することも可能です。健康保険では上限を年度の累計額としていますので、保険料の節約は不可能です。
【2011年12月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 私の場合、標準報酬月額が健康保険、厚生年金保険とで違います。どうしてなのでしょうか。
(A)
健康保険・厚生年金保険では、通常の場合、4月から6月までに受けた報酬額をもとに9月から翌年8月までの標準報酬月額を決定し、この標準報酬月額をもとに、保険料を徴収します。保険料は事業主と従業員が折半負担で、従業員分は給与から天引きされます。
この標準報酬月額が健康保険と厚生年金保険とで違うとのことですが、それは、標準報酬月額の上限が健康保険と厚生年金保険とで違うからです。厚生年金保険の場合は、標準報酬月額の上限が62万円であるのに対して、健康保険の場合は、121万円となっています。
貴方の場合、4月から6月までに受けた給与額が高かったため、厚生年金保険の方の標準報酬月額が上限を超え頭打ちとなり、標準報酬月額が健康保険、厚生年金保険とで異なることになったという訳です。
【2011年12月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 私傷病で入院中の社員がいますが、この社員の健康保険料・厚生年金保険料はどうするのですか。
(A)
この様な場合でも、健康保険料・厚生年金保険料は、給料の支払い有無に係わらず徴収されます。
この場合の本人負担の方法は特に決められていませんので、会社で都度貰いに行くのか、後でまとめて徴収するかなどは会社と本人で決めることになります。
トラブルのないよう就業規則に、「従業員は、欠勤期間及び休職期間中の健康保険、厚生年金保険の被保険者負担分の保険料相当額を毎月月末までに会社の指定する口座に振り込まなくてはならない。」などと規定しておけば万全かと思われます。
【注】 私傷病で働くことができず会社を休んだ場合は、健康保険から傷病手当金が支給されます。(傷病手当金は、会社を休んだ日が連続して3日間あったうえで、4日目以降、休んだ日に対して支給される。)
【2011年12月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 定年退職後に継続再雇用した場合の社会保険の同日得喪特例とは何ですか。
(A)
厚生年金保険・健康保険の被保険者資格は、会社と従業員の使用関係が継続している限り中断しませんが、
定年退職後に1日の空白もなく継続再雇用した場合は、例え使用関係が継続したとしても、一旦使用関係が中断したものとみなすという特例があります。
通常の扱いですと、報酬の大幅な変動があった時に行われる月額変更届の手続により、4ヶ月目に標準報酬月額が改定されることになりますので、この同日得喪の手続を行わなければ、再雇用後しばらくは定年前の高い標準報酬月額のままとなり、高い保険料を支払うだけでなく、在職老齢年金にも影響することになります。
同日得喪は、資格喪失と資格取得の手続を同時に行います。通常、就業規則の写し・退職辞令の写し・事業主証明などを添付します。なお、同日得喪の処理日は定年退職日の翌日となります。
なお、この取扱いは定年退職に限定した取扱いとなっていましたが、平成22年9月から、年金を受け取る権利のある60〜64歳の人が継続再雇用された場合に適用するとなり、定年退職に限らず、拡大適用されることになりました。
(参考)日本年金機構のHP
【2010年7月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 厚生年金保険料は毎年上がっていますが、詳細を教えてください。
(A)
厚生年金保険料は、標準報酬月額および標準賞与額に保険料率を掛けたものを、事業主と従業員が折半負担します。この保険料率が、平成16年9月(10月納付分)から平成29年まで、毎年9月に0.354%ずつ引上げられて、最終的には18.3%で固定されることになっています。
ただし、上記は一般の被保険者に対してのもので、以下の被保険者の保険料率は別立てとなっています。
1. 坑内員・船員の被保険者
2. 日本たばこ産業株式会社に使用される被保険者
3. 旅客鉄道会社(JR)等に使用される被保険者
4. 農林漁業団体の事業所に使用される被保険者
5. 厚生年金基金に加入する被保険者
(参考)平成22年9月から平成23年8月までの厚生年金保険料率…日本年金機構のHP
【2010年9月補正】
「労働社会保険の基本」トップへ
- 健康保険料の仕組みが変わったそうですが、詳細を教えてください。
(A)
平成20年4月からの後期高齢者医療制度の導入に伴い、政府管掌健康保険の保険料率の内訳表示(特定保険料率と基本保険料率の表示)が始まりました。これらは、保険料率の内訳を示すもので、今のところ保険料の算定に用いる保険料率(一般保険料率)の変更はありません。
具体的な内訳内容は、以下のとおりです。
1.特定保険料率とは…前期高齢者納付金、後期高齢者支援金、退職者給付拠出金および病床転換支援金等に充てるための保険料率
2.基本保険料率とは…政府管掌健康保険の加入者に対する医療給付、保健事業等に充てるための保険料率
詳細は、次のURLをご参照ください。 http://www.sia.go.jp/topics/2008/n0418.html
【2008年7月】
「労働社会保険の基本」トップへ
(by 佐藤正社会保険労務士事務所)
|