★休業
会社都合で従業員を休ませると休業手当が必要
従業員に1時間でも出勤させれば休業手当の支払いを免れるか?
土曜日など勤務時間の短い日に休業させる場合でも1日分の休業手当が必要となる
医師の指示による休業指示の場合は休業手当の支払いは不要
採用内定者を自宅待機させても休業手当が必要となる
★休職
休職制度を設けるかどうかは会社の自由
休職期間の長さは会社が決められる
悪用を防止するには休職規程に工夫が必要
健康状態に問題があるのに医師の受診を拒否する従業員の対応はどうする?
従業員が職場復帰したが元の職種に就けないときは?
休職期間満了による退職と解雇とでは取扱いが異なる
休職期間を満了しても復帰のめどが立たない従業員を休職とせずに解雇できるか?
休職中の従業員は年休請求できない
休職中でも社会保険料の納付は必要
(○→会社向Q&A、●→個人向Q&A、◎→共通Q&Aです)
  •  従業員数人の小企業です。仕事の受注がなく、会社の都合で一定期間従業員を休ませました。ある従業員から休業手当を支払うように言われましたが、支払う必要があるのでしょうか。
    (A)
     労働基準法26条では、「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなくてならない。」と規定しています。したがって、貴社の都合により従業員を休ませたとのことですから、休業手当の支払いは必要となります。
     なお、休業手当の不払いについては、労働基準法120条に罰金刑(30万円以下の罰金)の規定があると共に、同法114条により裁判所による付加金(未払いの賃金の他に、同一額の付加金)の支払いを命ずることができる旨の規定があります。


    【2009年9月補正】
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  •  会社都合で従業員を休ませると休業手当が必要と聞きました。それでは、1時間でも出勤させると休業手当は支払わなくて済むのでしょうか。
    (A)
     労働基準法第26条では、「使用者の責めに帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金の100分の60以上の手当を支払わなくてならない。」と規定しています。
     
     貴社では、休業とせずに従業員に1時間出勤させれば、休業手当の支給は免れるとお考えのようですが、それはできません。行政通達では、「1日の一部を休業した場合は、労働した時間の割合で既に賃金が支払われていても、その日につき、全体として平均賃金の100分の60に達していなければその差額を支給する必要がある。」としています。
     この理論から言えば、1日8時間労働の事業所で1日5時間だけ出勤させ、後の3時間を賃金カットしても労働基準法26条違反にはならないとも解釈できます。 


    【2010年1月補正】
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  •  当社の土曜日の勤務時間は3時間です。会社都合で土曜日を休業した場合は、3時間分の賃金の100分の60の休業手当の支給でよいのでしょうか。
    (A)
     それはできません。勤務時間の短い日の休業であっても、1日分としての、平均賃金の100分の60以上の休業手当の支払いが必要です。
     ただし、休日と定められている日については、休業手当を支給する必要はありません。例えば、週2日勤務のパート労働者を2週間休業させる場合は、4日分の休業手当を支払うことで済みます。

    【2009年9月補正】
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  •  定期健康診断の結果、医師の指示により休業を命じなければならない従業員がいます。この場合でも休業手当の支給は必要ですか。
    (A)
     この場合は、会社都合による休業とは言えませんので、休業手当の支給は必要ありません。実際に労働しない時間や日については、賃金を支払う必要もありません。


    【2005年7月】
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  •  会社の急激な業績不振のため、一部の採用内定者を自宅待機をさせることになりました。その間は賃金を支給しなければならないのでしょうか。
    (A)
     結論から言えば、賃金は支給しなければなりません。例えば、貴社の新入社員の入社日が4月1日であったとした場合、一般にこの4月1日を就労の始期として、一定の事由による解約権を留保した労働契約が成立したとみなされます。
     労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は休業期間中、当該労働者にその平均賃金の100分の60以上の手当を支給しなければならない」としています。採用内定者も上記のように労働関係は成立したとみなされますので、4月1日以降に採用内定者に対して自宅待機を命じた場合は、平均賃金の100分の60以上の休業手当を支給しなければならないことになります。

     この場合の平均賃金の算定の基礎となる賃金額については、
    (1) 採用内定の賃金額があらかじめ定められている場合は、その賃金額。
    (2) 自宅待機が採用内定者の一部に対して実施された場合は、自宅待機とならなかったものの賃金額
    (3) 自宅待機が採用内定者全員に対して実施された場合は、労働契約の成立時に参考的に示された賃金の額
    等により推算します。

     なお、自宅待機させた採用内定者であっても、採用日後14日を越えた以降に採用取消をする場合は、解雇予告手当を支払うか、30日前までに解雇予告を行わなければなりません。また、「慰謝料」などの誠意を持った対応が必要となる場合もあります。

    【2004年8月】
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  •  当社には休職制度がありませんが、休職制度は必要なのですか。  
    (A)
     休職制度とは、従業員が私傷病などで労務不能等になった場合に、使用者が従業員を解雇等をせずに、一定の間、従業員としての身分を保持させたまま、就労を禁止または免除する制度のことをいいます。
     
     休職制度が必要かとのご質問ですが、法律上の規定はありません。
     したがって、休職制度を設けるか否かは貴社の自由です。中小・零細企業では、目一杯の人員配置で事業活動を行っていることが常ですから、休業期間中の代替え要員はどうするのか、従業員が復帰したときはどうするのかというような問題が生じますので、休職制度を設けていないところも多いようです。
     休職制度を設けることとした場合は、就業規則に規定することが必要で、根拠なしに従業員に休職を命じることはできません。

     休職事由については以下が考えられますが、定め方は会社の事情によります。大企業などは細かく規定しているところもありますが、中小企業では、私傷病休職+その他の休職程度にしているところが多いようです。
    (ア) 私傷病休職
    (イ) 私事休職(業務外の交通事故など)
    (ウ) 起訴休職
    (エ) 公務休職(地方議員に当選など)
    (オ) 組合専従休職
    (カ) 出向休職
    (キ) ボランティア休職
    (ク) 自己啓発休職
    (ケ) 伝染病休職など

     休職期間中の賃金を、有給とするか無給とするかは会社の自由です。
     私傷病欠勤の場合は健康保険から標準報酬月額の2/3相当額が傷病手当金として支給されますので、休職期間中は無給とするケースが殆んどのようです。ただし、無給であっても、休職期間中の社会保険料(健康保険・厚生年金保険料)は納付する必要があります。傷病手当金が支給される期間は1年6ヶ月が上限ですので、休職期間も上限を1年6ヶ月とする会社も多いようです。

     一般に、従業員が私傷病等のために労務不能になった場合は、就業規則の解雇事由の一つである「精神又は身体の障害により、勤務に耐えられないとき」などの規定を使い、労働契約を解除(解雇)することも可能と考えますが、休職制度は、就業規則に「休職期間満了時に復職できないときは、休職期間満了の日をもって退職とする」という規定を置くことにより、解雇ではなく自動退職となるという利点もあります。
     

    【2011年2月補正】
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  •  休職期間はどの位にすれば良いのですか。また、休職期間の前に欠勤期間を置く意味は何ですか。
    (A)
     休職制度を設けるか否かは貴社の自由ですので、休職期間をどの程度にするかも貴社の自由です。通常は、私傷病休職、私事休職等の休職事由により休職期間を異にする例が多いようです。また、入社1年未満、入社5年未満、入社5年以上等により、休職期間を変えるという例も多く見られます。健康保険の傷病手当金の支給期間が1年6か月ですので、私傷病休職の場合で、休職期間は最大でも1年6か月程度で良いとも思いますが、長すぎると思えは短くするのも可能ですし、いずれにせよ貴社の考えによります。ただし、決めた以上は就業規則の文言に拘束されます。
     リスク管理上、試用期間中の休職は認めないとする規定が良いでしょう。また、入社後1年以上でないと休職制度を利用できないという規定でも良いと思います。

     なお、休職に入る前に欠勤期間を設ける例も多く見られます。通常、従業員が私傷病になった場合は、まず年次有給休暇を消化し、認められている欠勤期間を使い、それでも就労できないような場合に休職という流れかと思います。
     私傷病になったからといって、即時解雇ではトラブルの元です。通常は、ある程度の欠勤期間を認めて、この欠勤期間を超えても就労できないような場合に、解雇若しくは休職という判断がなされることになります。休職規定がなければ就業規則の解雇規定により解雇、休職規定があれば休職ということになると思います。
     欠勤期間は、ノーワーク・ノーペイですから無給とした方が良いでしょう。期間も1ヶ月程度でよろしいかと思いますが、これも会社の取り決めによることになります。


    【2006年1月補正】
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  •  休職規程の悪用を防止するには、どのような規定にすれば良いのですか。
    (A)
     休職期間満了による解雇・退職を免れるため、休職期間が切れそうになると数日出社し、また新たな休職を繰り返すという従業員を見たことがあります。最近でも、奈良市の公務員が休職制度を悪用したケースがマスコミで騒がれました。
     このような場合に備えて、就業規則や休職規程に「復職後1年以内に同一の事由により欠勤するときは、欠勤開始日より休職とし、欠勤期間は復職前の期間と通算する」というような規定をすることによって、防止できます。


    【2006年11月補正】
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  •  当社では、健康状態に問題があることが明らかな従業員がおります。医師の診断を受けるように指示しても受診せず仕事を続けています。対応は?
    (A)
     最高裁判例では、「(略)会社の命じた検診内容、方法に合理性・相当性が認められる場合には、会社の命令に従う義務があることを肯定しても、各人が個人として有している診療を受けることの自由及び医師選択の自由を侵害することにならない(最判S61.3.13 電電公社帯広局事件)」というものがあります。
     したがって、例え就業規則上の根拠規定があったとしても、一方的に受診を強要することは困難と考えます。

     このような場合、会社は従業員に対する安全配慮義務がありますから、誰が見ても健康状態に問題があることが明らかであれば、休職を命じて様子を見るという対応をすることは妥当と思われます。そして、復職させる場合は医師の診断書を提出させた上で、就労可能と判断できれば復職を認めればよいでしょう。
     このような場合に備えて休職規程等には、「従業員の勤務時の状態等から、業務の遂行により健康状態が悪化することが懸念される場合であって、当該従業員が医師の診断書の提出を拒んだとき又は健康状態の正確な把握に協力しない場合には、第○条の欠勤期間を経ることなく直ちに休職を命ずる。」等の規定を定めておくことが考えられます。

     そして、さらに「会社は健康状態の正確な把握のため、会社が指定する医師への受診を求めることがある。この場合、従業員が正当な理由なく受診を拒んだ場合は、会社は復職命令を行わない。」としておけばよいでしょう。

    【2006年11月】
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  •  休職事由が消滅し従業員が職場復帰したにも係わらず、元の職種に就けるような状態ではありません。このような場合は解雇しても良いのでしょうか。
    (A)
     従業員が職場復帰したにも係わらず、元の職種に就けないような場合はどうするかとのご質問ですが、「その会社の他の職務での復帰が可能であるとの診断があるのであれば、会社としても復職に応じるべき」との判例が大勢を占めるようになっています。したがって、貴社において当該従業員が就労することが可能な別の職種があるのであれば、努めて復職に応じるべきでしょう。
     就業規則や休職規程に、「会社は、復職を決定した場合には、原則として原職に復帰させる。但し、必要に応じて別の職務、職場に配置することがある」等の規定を置き、さらに、「前項の但し書きについては、職種を限定して採用した者を除く」等の規定を置けば万全かと思います。
     
     「保健体育の教諭として採用された者については、他の業務の可否を論ずる余地はない」との判例もありますので、小さい会社で復職しても他に転換する職種がない場合や、運転手など職種を限定して採用している場合で、職場復帰後にその職種に就けないような状態であれば解雇は可能と思います。

    【2006年9月補正】
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  •  休職期間満了による退職でなく、休職期間満了による解雇とした場合は取扱いが違うのですか。
    (A)
     通常は、就業規則や休職規程に「休職期間満了時に復職できないときは、休職期間満了の日をもって退職とする」という規定を置きますが、まれに「休職期間満了時に復職できないときは、解雇とする」という規定を置いていることがあります。
     この場合の取扱いですが、退職の場合は、休職期間満了時に自動的に退職となります。しかし、これが解雇となると労働基準法20条の解雇予告手当の問題が生じてきます。すなわち、30日以上前に解雇予告を行なうか、30日分の解雇予告手当が必要となります。したがって事務手続き上、解雇通告等の余計な作業が増えますので、努めて退職とすべきでしょう。


    【2005年7月】
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  •  従業員が私傷病のため欠勤中ですが、医師の診断では、当社の規定する休職期間を経ても症状が回復しないとしています。この場合は、休職規程に係わらず休職を適用しないで解雇としても良いのでしょうか。
    (A)
     貴社の定めた欠勤期間と休職期間を経過しても、復帰できないという医師の診断があるとのことですので、就業規則の解雇事由「精神又は身体の障害により、勤務に耐えられないとき」等の規定を適用して、解雇することも可能と考えます。最近の判例でも可能と判断しているものもあります。
     就業規則や休職規程に、このようなケースを想定した規定を追加しておけば万全かと思います。


    【2005年7月】
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  •  私事(自己都合)休職中の従業員から、年休請求がありました。このような従業員にも年休を与えなければならないのでしょうか。
    (A)
     私事休職期間中は無給とする会社が多いため、貴社の従業員は有給である年次有給休暇を請求してきたものと思われますが、結論からいえば年休を付与する必要はありません。行政通達でも「労働義務がない日において年次有給休暇を請求する余地がないことから、これらの休職者は年次有給休暇の請求権の行使ができない」としています。


    【2005年7月】
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  •  休職期間中の社会保険料はどうなるのですか。
    (A)
      健康保険・厚生年金保険は、従業員が病気などで休職中であっても月々の保険料の支払いが必要です。休職中でも賃金を支払っていれば、そこから従業員負担分の保険料を控除できるので問題ありませんが、休職中の賃金が無給の従業員については、当該従業員と話し合って決めることになります。
     このような場合、あらかじめ就業規則等に休職期間中の従業員の健康保険・厚生年金保険の被保険者負担分の支払方法・支払日等を規定しておけば、万全と思われます。

     雇用保険料については、無給の場合は事業主負担分・従業員負担分とも支払う必要はありませんが、有給の場合は支払わなければなりません。労災保険料は全額事業主負担ですので、賃金の支払いがあれば事業主が支払うことになります。

    【2006年11月】
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(by 佐藤正社会保険労務士事務所)