5.オールキャスト(前):変態の頂上決戦〜ハーデス様いじめられっこ伝説

ディオニュソス
そしてギリシャ神話で一番好きなライバル同士は光明の神・アポロンと、酒と劇の神・ディオニュソスです。 

とにかく正反対の二人。アポロンが「陽」なら、ディオニュソスは「陰」、「理性」なら「本能」、「秩序」なら「狂乱」、「男性的」なら「女性的」、「明朗さ」「謎」、「愛される神」「迫害される神」…容姿も「金髪」と「黒髪」…てか、多分、「あいつが
『目玉焼きにはコショウ』っつったら、俺は絶対醤油だかんね!」っていうレベルで仲悪いっしょ、こいつら!? 
 
そして、私はアポロンのこと変態だと思ってるんですが、
「変態」の反対は「真人間」じゃないと思うんだ。「変態」の反対は「逆ベクトルの変態」だと思うんだ―― 
 
 
ディオニュソス「…アポロン。俺がギガンテス(巨神)に受けた傷で仮死状態にあった時、俺の体をお前が癒してくれたのだそうだな。俺はお前に借りを作るつもりはない!礼として俺の娘を一人、お前にやる!好きなのを持っていけ!」 
 
アポロン
「娘はいらん。欲しいのは貴様だ。」 
 
 
ディオニュソス「…なんだと?」 
 
アポロン「私は貴様の性格は大嫌いだがな、貴様の顔と体は大好きなのだ!!わかったら黙って服を脱げーッ!! 
 
ディオニュソス「え、ちょっ…うわーーッ!?やめろやめろ!内股を撫でるなあああっ!!!貴様、何のつもりだーーッ!!? 
 
アポロン「野暮なことを聞くな!
愛でるつもりに決まっているだろう!!安心しろ、優しくしてやるから!!」 
 
ディオニュソス
ふざけるなよ貴様ああーーっ!畜生、貴様なんぞに抱かれるくらいなら俺が貴様を抱いてやるわ!!さあ、俺の接吻を受けるがいい!」 
 
アポロン「ブ…ッ?!
貴様、この私に対してそんな乱暴なキスがあるか!!私を抱くなぞ、おぞけが走るわ!このアポロン、生まれてこのかた受けに回ったことは一度たりとも無いのだぞ!!」 
 
ディオニュソス「フッ、喜べ!それでは今日が貴様の初体験だ!!」 
 
アポロン「えーい、黙れ黙れ!それなら貴様をかき口説いて骨抜きにしてやる!!――出でよ、銀の竪琴!!フ、私の琴の調べを聴いて落ちなかった者はおらぬぞ!!聞け、我が愛の歌を!!
♪ディオニュソス〜♪貴っ様を全身〜舐めましてやるわ〜♪』」 
 
ディオニュソス
気色の悪い歌を歌うなっ!そっちがそう来るなら、こっちも奥の手を使わせてもらうぞ!…『変化』!!」 
 
アポロン「……何っ!?」 
 
 
ヘルメス(ディオニュソス)「
『…やあ、アポロン。』」 
 
 
アポロン「…おのれディオニュソス、変化の術か!我が最愛の友人に化けるとは…!!」 
 
ヘルメス「
『…アポロン。君は僕のことが嫌いなの?』」 
 
アポロン「馬鹿なことを…!そんな目で私を見るんじゃない!!ヘルメス、私はお前がこの世で一番大好きなのだぞ!」 
 
ヘルメス「
『…アポロン…僕のお願い…聞いてくれる?』」 
 
アポロン「もちろん!」 
 
ヘルメス「
『じゃあ、僕に抱かれてくれるね?さあ、黙ってケツを出して』」 
 
アポロン「うん!」 
 
 
ヘルメス(本物)「おい、そこの変態二人。何勝手に人の体で遊んでるんだ…?」 
 
 
アポロン「おお、本物のヘルメス!!いつからそこに!?」 
 
ヘルメス「
貴っ様を全身〜舐めましてやるわ〜♪くらいからいました。…常春藤(きづた)の君(ディオニュソスのこと)僕はアポロンに『黙ってケツを出せ』なんて死んでも言いませんよ…。」 
 
 
『アイオロ・モルフォス・カイ・ミューリア・モルフォス(風のような変化にして、無限の変化)』というアダ名のとおり、ディオニュソスは変幻自在の神でした。 
そして、謎に包まれた神でもあって、「ゼウスよりも年上」とも、「最も若い神」とも…いくつなんだよ、あんた!?出生地も謎で、一説では
「ドラカノン」という場所で生まれたらしいんですが、ドラカノンなんていう地名は存在しない、ってんで、本当におもしろい! 
 
でも、本当に面白いのはここからなのよ! 
ディオニュソスにはもうひとつ面白い特徴があって、 
 
 
ディオニュソス「――アルゴスの殺し手(ヘルメスのこと)。ちょうどいい、お前に聞きたいことがあったのだ。冥界にいる俺の母さんはお元気か?
まさかハーデスに泣かされてはいないだろうなっ!?」 
 
ヘルメス「?…母さん?…ハーデス様に泣かせられる??えーと…すみません、話が見えないんですが…母さんって誰のことです?」 
 
ディオスニュソス「誰って…
ペルセフォネー母さんだ。冥王ハーデスの妃の。」 
 
ヘルメスはあ!!??ちょ、ちょっと待ってください…!!あなたの母上はセメレー様でしょう!?」 
 
アポロン「何だ、知らんのか?確かに、こいつの生みの母はセメレーだが、セメレーがこいつを生む前に死んだのは知ってるな?不完全な神として生まれたディオニュソスを、コレーの君(ペルセフォネーのこと)が本当の息子のように育てたのだぞ。」 
 
ディオニュソス「そうだ。俺が酒神としてやっていられるのも、母さんに豊穣の神力を授かったからだ。
ペルセフォネー母さんは俺の大事な女性なのだ!!」 
 
ヘルメス
「あんたそれ絶対ハーデス様の前で言わないで下さいよ。あの人、この前もテセウスたちがペルセフォネー様を奪いにきたくらいで、ガン切れて冥界を半分消し炭にしたんですから!!この上、ペルセフォネー様が子持ちだなんてことがバレたら…!

アポロン「…あの、いや…ヘルメス…」

ヘルメス「幸い、ハーデス様はまだこのことをご存じない!いいですか、ハーデス様には絶対極秘に…」 
 
 
ハーデス「………。」 
 
 
ヘルメス
「 ハ ー デ ス 様 !?いつからそこに!?」 
 
アポロン「最初からお前の後ろでチラチラしていたぞ。
私もいつ言おうか迷っているうちに忘れていたが…冥界からお前について来られたのではないか?」 
 
ヘルメス「やっちゃったーー!!存在感皆無で全然気づかなかったーっ!」 
 
ハーデス「………。」 
 
アポロン「アイドネウスの君(ハーデスのこと)、ご挨拶が遅れて申し訳ございません。
ちょっと存在感が希薄でいらしたので、お姿を認識できずにおりました。お久しゅうございます。……おい、ディオニュソス、貴様もご挨拶くらいしたらどうだ?」 
 
ディオニュソス「ふざけるなよ!なんで俺から母さんを奪った男に頭を下げねばならんのだ!!」 
 
ハーデス「……!」 
 
ディオニュソス「冥王よ!冬の間だけとはいえ、母さんを陰湿な冥界に閉じ込めるなど俺は絶対に許さん!!母さんはなあ、俺が神になりきれぬ者として神々に迫害されていた時に、救ってくれたのだ!お前に迫害を受けていた俺の気持ちなど分かるまいがな!!」 
 
ヘルメス「ちょっと待て!!
いじめられっ子レジェンドならハーデス様とて負けてはいないぞっ!!先日、ヘラクレスが妻の魂を取り返しに冥界へ攻め入った時などなあ!!ヘラクレスと戦って肋骨三本叩き折られたのだぞ!?」 
 
ディオニュソス「ほざけ!俺などな、先日テーバイに行った時、『怪しいやつ!お前は何者だ!?』と聞かれ、
『神です。』と正直に答えたら不審者あつかいで牢にぶち込まれたわ!! 
 
ヘルメス「そんなもんお前が悪いんじゃないか!!ヘラクレスに一方的にボコ殴りにされたハーデス様の情けなさといったら無かったぞ!?ペルセフォネー様が必死に二人を止めに入ってなあ…」 
 
ディオニュソス
ちょっと待て、母さんにかばってもらったのかーッ!?自慢のつもりか、ハーデス!?畜生、俺の方がお前の百倍母さんを愛しているのに!!」