漫画とかセリフ小説とか語りのコーナーです。

1.ハーデス様、愛妻家伝説



設問:「これはハーデスに夢を見すぎていると思う?」 
 
予想回答…思う99%・思わない1%
 
 
 
…認めねぇよ!ハーデス様ぜったいこんな感じだって!!え〜い、いいから黙って私の話を聞け!! 
 
ハーデスっていえば、「いかなる祈りや生け贄でも、なだめることのできぬ冷徹な神」とか、「直情的なギリシアの神々の中で、唯一理性を失わない男」とか、「冷血、寡黙、陰気」とか、「友達が軍神アーレスしかいない」とか言われちゃってるけどさ、いやそれは本当なんだけど、 

ハーデス様は神々切っての愛妻家だ! 
そして神々きっての人情家だ…!
 
 
オルフェウスに
「妻に会いたい」って言われて同情するし、大罪人のシシュポスに「妻に会いたい」って騙されて同情して冥界から逃がしちゃうし、ヘラクレスに「妻の魂を連れて行かないでくれ」って言われて同情するし 
…ってじゃあ基本「妻が…」って言やあコイツ騙せんぞ!! 
 
 
そして「余は未来永劫この冥界を動かぬ。地上には二度と出ぬ。」と決めたハーデス様の唯一のわがままが、「地上に惚れた女をかっさらいに行く」ってのがさあー!しかもしかも、「花の女神」であるペルセフォネーを、「一輪の水仙の花」に化けておびき寄せるっていうこのニクイ演出……っ座布団1800枚!! 
そしていきなりペルセフォネーをかっさらって来たハーデス様に、 
冥界の連中はマジでビビッたんじゃないか?…。 
 
 
タナトス「ど、
どういうつもりですか!?よりにもよって、デーオーの君(デメテル)の娘を拉致するなどと…!冷静なハーデス様らしくもない!というか貴方から冷静さをとったら何が残るというのです!?」 
 
ヒュプノス「誰に向かって口を利いてる、タナトス!口を慎め!
今のハーデス様の事は初めて恋を知った夏の日の少年だと思え!恋に狂った男に対して冷静さなど求めるだけムダだ! 
 
タナトス
「お 前 こ そ 口 を 慎 ん だ ら ど う だ 、 ヒ ュ プ ノ ス …?」 
 
伝令神ヘルメス「…ハーデス様!豊穣の女神、デーオーの君(デメテル)より伝言です!『今すぐ私の娘を返せ。さもなくば、穀物の種子を地の下に隠して、地上に生をうけたひ弱な人間の族(うから)を滅ぼし、オリンポスの神々に捧げられる供犠を絶やす。』…ハーデス様、デーオーの君は人間とオリンポスの神々を飢え死にさせるおつもりです…!」 
 
ハーデス「……。」 
 
ヒュプノス
「おう!やりたければやるがよい!戻ってデーオーの君にそう伝えよ、ヘルメス!人間界と天界が滅んだところで、この冥界は痛くもかゆくもないわ!なあ、みんな!?」 
 
ラダマンティス
痛すぎます。大量に死んだ人間を裁かなければならないのは、誰あろう、この私。絶対に無理です。」 
 
ヒュプノス
「軟弱者めがぁーっ!一日48時間働けーッ!!」 
 
 
恋に狂った一人の男のせいで軽く人間界と天界が滅びかかるも、ゼウスの説得によって、「ペルセフォネーは一年の三分の一を冥界で、三分の二を地上の母の元で暮らす」ということで和解が成立。この設定もなんか
遠距離恋愛ぽくて燃えるわー!! 
カレンダーに×印をつけながら、「もうすぐペルセフォネーが帰ってくる…」と楽しみにしてるハーデス様とかちょっと良くないか!? 


そして、気になるのは… 
その、神って人間よりも全然精力が強いから、女と一回契れば孕ませられるはずなのに……、ハーデスとペルセフォネーの間に子供はいない。 
まさかあれじゃないの、ラブコメの王道、
「大切すぎて手が出せない」――!? 
 

タナ「ハーデス様。ハーデス様はペルセフォネー様に対してよそよそしすぎます。ここはご自分の武勇伝の一つでも語り聞かせて口説くべきですよ。
あるでしょ?『800対1でケンカして勝ったことあります!』みたいなやつ!」 
 
ハーデス「……。」 
 
ヒュプ「待て、タナトス。ペルセフォネー様は花の女神。男らしさを前面に出すより
『植物にも理解のある優しい男』を演出した方がよい。そっと寂しげな笑みを浮かべつつ『あなたのために花を育ててます!』…これで行きましょう、ハーデス様!」 
 
タナ「漠然と『花を育ててます』と言うよりも、具体的な花の名前を出した方がよくないか?……あっ!ちょうどあそこにペルセフォネー様が…!ハーデス様、さあ、今話したとおりに!」 
 
ハーデス「……!」 
 
ペルセフォネー「…あら、ハーデス。どうかしたの?」 
 
ハーデス「……。………花を育てて…」 
 
ペルセフォネー「花?」 
 
ヒュプ&タナ (ハーデス様、具体的に!) 
 
ハーデス「……、育ててます…」 
 
ぺルセフォネー「えっ?」 
 
ハーデス「……っ
芽キャベツ育ててます!!」 
 
 
ヒュプ&タナ
「色気のかけらもないヤツ来たーーー!!しかも芽キャベツ花じゃねえーーーーー!!」 
 
 
――――ごめん、やっぱ私ハーデス様に夢見すぎだ!