
(4月9日)… … …けさも冷えたが、夜通し風が吹いていたおかげで、霜はまったく降りていない。露もない。快適な夜だったが、天気が休みなく移り変わっているようで、今後の崩れが心配だ。 観光用なのか、セスナがのんびりとした音を谷に響かせている。 テントサイトに日が射すと、かじかんでいた手足に血が通いはじめ、ひと安心。太陽は本当にありがたい存在だ。 日射しをありがたく感じているのは、ボクだけではないようで、小さなムシがテントのまわりに集まってきた。これが、あの「サンドフライ」か…。 きょうもいい天気だ。 撤収を終え、ザックをかついで、何度もマウント・クックを振り返りながら、ハーミテージ・ホテルへ向かった。 4泊5日のマウント・クック滞在は、テントを1か所に張り、そこをベースに、あちこち歩きまわるかたちだったが、今度は、全てを背負って歩き続けるトレッキングだ。日本ふうに言えば、縦走って感じか。ニュージーランドではトランピングと言う。 そのゲート・シティにあたるクインーズタウンが、きょうの行き先だ。
ホテルでバスのチケットを買い、グリルのテラスのパラソルの下で昼食とシャレこんでみた。眩しい日射しはリゾートそのものだ。そんなふうにくつろいでいると、マウント・クックの頂に、笠雲がかかり始めた。秋の天気が変わりやすいのは、日本と同じようだ。 と、思っていると、続々とやってくる観光バスが、大量の日本人を吐き出し始めた。1時間ほどで滞在を終えた彼らの仲間に加わり、クイーンズタウンに向かった。 日が傾き、色づき始めたポプラが風に揺れている。絵に描いたような秋の夕暮れだ。 クイーンズタウンのダウンタウンでバスを降り、目をつけておいたテントサイトへは5分ほど歩いてついた。
テントサイトは芝生だが、なんだか月極駐車場のように仕切られている。ダウンタウンから近いわりに、とても静か。ダウンタウンそのものが、ほどよい賑わいなのだ。コンパクトにまとまっていて、とても印象のいいその街を歩きながら、トレッキングの予約をするためのオフィス(DOC)、観光案内所、帰りの国内線のチケットを買うためのオフィス(ニュージーランド航空)などの場所を確認しておいた。 夕食はマック。テントに入る前に、にわか雨が、おやすみのあいさつをして、この小さな街を通り過ぎていった。
(4月10日)… … …この街の一日はエンジン音で始まる。ミルフォード・サウンドをはじめ、あちこちに小さな飛行機が飛んでいるのだ。道の少ないこのフィヨルド・ランドを1、2時間の遊覧飛行を楽しもうというわけだ。 早速ダウンタウンで出かけ、ルートバーン・トラックの予約をした。山小屋は満員だったが、テントならOKとのこと。ミルフォード・トラックはテントサイトがないので、叶わなかった。残念…。 帰りの国内線のチケットを買ったあと、洗濯や食料の買い出し、ポストカードを出したり、地図の購入、などなどの用事をこなした。コンパクトな街ゆえ、非常に効率良くことが進む。山に入れば、しばらく食えない肉もたくさん食べた。さすがにラムは安い。昼間からビールも飲んだ。本当に、心地いい街だ。 夕方、雲もないのに、雨がやってきた。この街は、天気がとても変わりやすい。 |