12:冬から秋へ
(2003年4月23日〜27日)


(4月23日:ティ・アナウ)… … …

 ケプラー・トラックを歩き終えて、ティ・アナウのDOCオフィスに着いた。
 約10日前、このティ・アナウの町にやってきた時、強烈なインパクトを放っていたポプラの黄金色は、大部分が地面の上で茶色く変わっている
 この10日間で、季節はかなり冬に近づいたようだ。
 モーター・パークのテントサイトを2泊とり、強風の中、メインストリートに向かった。

 再び、ラム・バーガーとフレンチ・ポテトの山を注文。
 書店で、写真に惹かれ、シャクルトンが活躍した「endurance」の洋書を購入。
 雑誌「Time」の表紙がフセイン。ということは、イラク戦争が悪化しているのか…。

 ステーキ用のラム肉234グラムをトマトスープで煮て、ビールとともに夕食。最高!


(4月24日:ティ・アナウ)… … …

 夜通し強い風で、何度も目がさめた。この強い風で、湖畔のポプラ並木は、いよいよ丸裸だ。
 モーターパークのオフィスで、クイーンズタウンへ行くバスのチケットを購入(NZ$35)。

 メインストリートへ向かう湖畔の歩道は、晴れているのに耐えられないほど寒い。風が冷たすぎる。
 ここフィヨルドランドは、イースターの連休を最後に冬の眠りにつくような印象だ。
 けさのDOCの天気予報の掲示では、フリージング・レベルが800m。つまり、この高さで天気が崩れれば、雪になるということを示している。中の予約カウンターも「closed」の文字。4月23日をもって、トランピングの夏シーズンは終わったのだ。閑散としている。

 ベーカリーの熱いコーヒーがとてもありがたい。

 ティ・アナウ最後の夜空は最高の星空で、あすの朝の最高の冷え込みを予感させた。


(4月25日:ティ・アナウ〜クイーンズタウン)… … …

 夜が長すぎる。寒さで夜明け前から目が覚めてしまうが、日が射し込むまでは外に出ることすらできない。
 空が白み始めた頃、意を決してテントを抜け出す。無料の湯を思う存分浴び、のび放題にのびていたヒゲもきれいにした。きょうは、クイーンズタウンに行くことだし…。

 2時間余りのバス…、というよりワンボックスカーの旅で、クイーンズタウンに到着。前回と同じホリデー・パークにテントを張る。
 前回は、とても小さな町に見えたが、さらに小さなティ・アナウの町に滞在していたせいか、今のボクの目に、2度目のクイーンズタウンはとても賑やかに映った。そして、午後の日を浴びた街路樹の紅や黄は言葉を失うほどの美しさだ。この町にはまだ秋が残っている
 そして、日本人のあまりの多さに、すでに帰国したような気分になった。安心というより、旅の終わりを感じ、さみしい…。

 今回の旅の目的のひとつでもある「1か月程度の海外の滞在に耐えられるか」という問題は、どうやらクリアしたようだ。


(4月26日:クイーンズタウン)… … …

 ティ・アナウよりも北にあるクイーンズタウンは、日の出が早く冷え込みが弱い。季節を逆に移動したような感じだ。
 日本でもそうだが、季節のかわりめの時期は、地域によって体感が大きく違う。旅をしていると、他の時期の旅よりも長距離を移動したようで、得をした気分になるのはボクだけだろうか…。

 カフェのコーヒーで体を温めたあと、1時間ほど歩いて、クイーンズタウン・ヒル・ウォークの頂上に立った。絶景だ。
 ワカティプ湖とその湖畔のクイーンズタウンの町並み。美しい…。

 ダウンタウンに接しているワカティプ湖からは、遊覧船が発着していて、水鳥と人間がうまい具合に共存している。驚くべきは、これほどの観光地において、水にいっさいの汚れがない。どんな管理をしているのか…。

 書店に入り、何気なくめくった本に、「michio hoshino」の名があった。本の著者は外人で、出版はイギリスだが、彼に関する本にニュージーランドで出会えるとは…。思わず買ってしまった。


(4月27日:クイーンズタウン〜オークランド)… … …

 ダウンタウンから空港へ向かう。予約なしで乗るバスは、ニュージーランドに来て初めてだ。 

 昼前、クイーンズタウンを発ち、1時間半程度でオークランド到着。
 途中、氷河が眠るサザン・アルプスの山並みを眼下に、思わず身をのり出してしまった。


前へ次へ




happy trail