病気の後  

            
   乳がんのその後         
        
  


                                  乳がんの後遺症としては、手術した方の脇の下のリンパが切除してあるので
                                           腕が上に上がらない。
                                           入院中は毎日リハビリを行い、多少は動かせるようになったけれど、そのリハビリ
                                           を常に家でも行っていないと、筋肉が固まり動かなくなってしまう。
                                           日々に病気に対する配慮が薄くなり、毎日、行っていたリハビリをしなくなってしまって
                                           1年を経過した今、かなりひどい状態になっている。

        
                                            私の場合は左手が極端に動かない。
                                           日常生活にも支障をきたしている。
                                           下着のブラジャーも後ろのホックが止められず、ホックのない下着に替えた。
                                           45度くらいしか上にあがらない腕は、上のものを取ったり、後ろにも動かない。
                                           動くつもりで気づかず、ヒヨイと動かすと、腕に激痛が走り、しばらくは腕を押さえて
                                           かがみ込んでしまう。
        
                                           リンパ節をとった人は、感染に対する抵抗力が弱くなるので、汚い水を触ったり、
                                           怪我をしないように気をつけなければならない。
                                           庭仕事や水仕事は手袋をつけるように注意された。
                                           血圧や注射も極力その手はさけた方がいい。重い荷物も持てない。
                                           私の場合、マニュキュアが大好きだったが、仕事以外の日はつけないようにしている。
                                           リンパ浮腫(腕全体が大きく腫れる)を、起こす人が殆どらしいが、幸い私は一回も
                                           起こしていない。
      
                                           傷口のある乳房は殆ど違和感なく、傷口が少し固くなっているだけである。

                                           
温存した乳房は、以前と形も同じで、サイズも変わらず、以前使っていた下着も使える。
                                           ただ、乳房に手術の後が、乳頭近くから脇に一本の線となり薄くまだ残っている。

                                           定期検診を退院後は毎月行っていたが、6ヶ月を過ぎた頃から3ヶ月に1回となっている。
                                           しかし、乳がんの場合は、ゆっくり増殖するタイプが殆どで、術後10年は安全確認の期間と設定されている。


                                                  

 
                                                                  子宮内膜間質肉腫のその後

                                            子宮ガンと同じ扱いの肉腫で、子宮と卵巣を切除してから、これまでの不快感や痛み
                                            から解放されて心から良かったと思った反面、術後お腹の痛みは、かなりのものがあった。
                                            排便、排尿の前後の痛みは、しばらく続き、1年経過した今も、多少違和感が残る。

                                            当然、子宮がないということは、妊娠も出来ないし、生理もなくなるわけで、若い女性にとっては、とても辛く悲しいものではある。
                                            しかし、私のように年齢が高く、今後、妊娠も希望しない者にとっては、
肉体的なつらさはなかった。
                                            子宮という臓器がもたらす、女性としても精神的な部分を心配したが、殆どその心配もなかった。
                                            子宮が女性の象徴のように思われるが、子宮は胎児を育てる場所であり、摘出により、女性らしい身体が損なわれたり、
                                            性欲が減退したり、セックスの満足度が低下することもなかった。
                                            子宮がなくても、女性の感情やしぐさ、男性への感情は以前と変わらず、毎日を過ごしている。
              
                                            女性ホルモンを分泌する機関の卵巣を取った事が、多少不安になったが、更年期が少し早くきた感じで、身体が
                                            時々ぽっと熱くなる。
                                            ひどい時は、薬を出されるらしいが、私はそこまでには到っていない。
                                            寒い時期は、逆に温かくなり、幸いと思う程度である。

                                            女性ホロルンの分泌は、卵巣からだけでなく、副腎や皮下脂肪からも分泌されるから、
                                            特に困った事もないようだ。
                                            夫婦の生活を営む上でも、ほとんど支障なく過ごせている。
                                            この性生活の不安は、誰しも抱くものらしい。
                                            私も、最初は不安はあったが、互いの人間性を尊重し、愛情があれば、
                                            なんら問題のないものだった。
                                            逆に性交を避けることによって、膣の萎縮や膣炎を引き起こす原因となるらしく、
                                            行った方が良いと言われている。
                                            そうすることでホルモンの分泌を促し、自分自身の身体の回復にも役立ち、
                                            夫婦間の信頼関係を深めるためにも役立つと指導を受けた。
      


 
                                                                 ほーむ