小さな本棚         
                             


            色々な本との出合いによって、新しい発見に感動し反省をし、
           日々の中で大きなものを教えられています。
           難しい本はなかなか読めませんが、私の小さな本棚にある本を紹介します。
           掲示板も用意してありますから、あなたの好きな本や趣味もご紹介下さい


              図書館通いをやめてしまい、本との距離が少しできてしまった。
              季節もいい季節。またせっせと図書館に通うようにしたい。

                  
親鸞   五木寛之著   10-1
    
 知り合いに勧められて読んだこの本。上刊と下刊からなる長編だった。
     私は毎朝、家の仏壇にお茶やご飯をお供えする。
     我が家の仏壇は西本願寺系の仏壇で、仏壇の真ん中の方が阿弥陀如来様。
     左が蓮如様、右が親鸞様が祀られている。
     毎朝、手を合わせ線香をたむけているが、蓮如様はどんな方か、親鸞様は何をなさった方なのか、
     はっきりと知らなかったので、いつか読みたいと思っていた。

      法然の弟子だった親鸞の生活が書かれていた。文字を知らない人々に念仏の心を伝えよという法然の
      言葉に、親鸞は様々な人々と地域で、その活動を行っていく。
      読み続けていくが、私には、偉大で多くの人々の尊敬を集めている親鸞の姿が、あまりはっきりと見えて
      こない。
      期待が大きすぎたのかもしれないし、五木氏の親鸞観は、私には伝わりにくいのかもしれない。
      もう一冊の親鸞の本が、手元にあり、その方が教えが分かりやすい。


              
大往生したけりゃ医療とかかわるな  中村仁一著  10-1
     
 立ち寄った本屋で見つけた一冊。
      体調が少し悪くなるとすぐに病院へ走る私。
      痛みなど不安から一刻も早く脱したいと思い、何らかの症状が出たらすぐに病院へ駆け込んでいる。
      医療と関わらない生活、生き方ができたら、どんなにかいいだろうと思い手に取った。
      医者である著者は、「ガン」で死ぬのが一番と言う。ガンと宣告されても、抗がん剤などの治療は
      一切行わないのが、いいらしい。
      治療を行うから、痛みや倦怠感に悩まされる事になると言う。
      何の治療も行わない自然死の勧めを書いてあった。
      私も病院との縁が切れた今、次に何らかの身体の変調がきても、この本のように医療に関わらない
      生き方ができるかどうか、疑問の私だ。

                     永遠の0    百田尚樹    7-19
        
時の人、百田尚樹。本屋大賞も受賞した人だ。
         談笑の会「魚水会」のメンバーが、私に、「最近、どんな本を読んでいますか」という問いに、
         最近、本らしいものを読んでいなかったので、答えに詰まってしまった。
         その時、この人の話が出て、早速、購入し読み始めた。
         特攻隊に属し、ゼロ戦に乗り戦争の最前線にいた祖父の最後を孫が解き明かしていく。
         久しぶり戦争ものを読んだが、苦手意識を感じる事なく、最後まで読めた。
         最後の展開には驚き、動揺した。

                 重いけど生きられる ~小さなお寺の法話集  山元英照  7-19 

         
福岡・北九州の僧侶の著書。方言を交えて語るような飾り気ない文章で書かれている。
         悲しい話、不思議な話、心が温かくなる話など、このお坊さんのお寺で本当に起きた
         46の出来事に事寄せて、家族の愛情や、素直でしなやかな生き方の大切さが書かれている。
         眠れない夜に、ベッドのそばに置き、時々ページをめくった。




                   韓国・北朝鮮の嘘を見破る―近現代史の争点30
  7-19
       ネットの友人のオリオンの紹介で、この本を手に取った。
       少し過激なタイトルで、びっくりしたが、オリオンは難しい本を読むのだなぁ。と感じながら、
       本をめくっていくと、韓国や北朝鮮の国民性がみえてくる内容で驚いた。
       戦後補償、慰安婦から竹島、拉致、在日問題まで書かれているが、日本との共通歴史認識や、
       同じテーブルについての、歩みよりとか話会いなどというものが、いかに難しく、もう不可能に近
       い事など感じた。
       歴史からみて、自己の生存力を高めるために強固な民族主義を養ってきた両国。
       朝鮮民族の「自己絶対正義」が、世界の社会のひずみを生みだしているように思える。
       「正義」は、この国については、日本人が理解する「正義」とは、大きく異なるようだ。

                 北 康利 著   レジェンド伝説の男白洲次郎   12-3
       NHKのドラマで吉田茂を取り上げるドラマがあり、戦後の日本の復興や、現在の日本国憲法の
       出来た経緯など、興味深いドラマで、毎週楽しみにしていた。
       そのドラマの中の「白州次郎」という人物にひかれ、名前は聞いた事はあったが、何をした人か知
       らなかったので、白州次郎を取り上げた本を2冊購入した。
       その一冊。
       少年時代の白州の生活。ケンブリッヂ大学で学んだ青春期、
       政治の世界に入り、吉田茂との出会い。
       妻、正子との出会い。
       「戦争に負けたけれど、奴隷になったわけではない」という言葉を残している。

       人並み外れた恵まれた生活の環境があり、その上、能力が高く、最高にカッコよい人生を歩いた
       男性だ。
       現代にもこんな生き方をている人がいるだろうか・・
       いたら、是非、混沌としている政界に、一石を投じてほしいものだ。     

                白州次郎著  プリンシプルのない日本   12-3
      上に同じ白州次郎に関する作品。
      白州本人の著書だけれど、上の北氏の書いた本の方が面白く読めた。
      と、言うことは、白州の文才の問題かな・・

                小川洋子著  妄想気分  4-7
     
日々の中で感じる様々な事、日常生活を書いたエッセイ。
     暖かくなった春の宵、静かにベッドで読むのに最適な一冊だった。
     学生時代の思い出、通ってお店、友人。
     出版社の方々との語らい、出版の父と言える人との出会い別れ。ペットの犬との買い物など・・。
     すべてのページが穏やかで、心に安らぎを与えるものだった。
     やはりエッセイが好きと、あらためて思う一冊だった。



             
下重暁子著   女60代「もうひと花の決意」・・  4-7
    下重暁子・・この人の名前に懐かしい響きを覚えて手にした一冊。この人は、元NHKのアナウンサーで、可愛い
    丸顔の人だった。
    60代からの人生の楽しみ方、子や孫に依存するのではなく、夫と楽しむ生活。
    これからの夢の持ち方など楽しく紹介してあった。
    その中で、妻の亡き後の夫の生活の準備、という記述があり、関心深く読んだ。
    私の夫は家事が一切出来ない。やってくれる人がいるから、やらないのだろうけれど、私が先に死んだら
    どうするのだろう・・と時々不安になる。
    死んでしまったら、なんとかやるのだろうけれど、今から少しずつ気づかれない程度に、家事を教えると
    いうか、伝えていこうと考える一冊だった。

            鎌田實の「あなたがいたから」   NHK制作   4-5
    NHK「こころの遺伝子」ベストセレクション
    NHK放送のドキュメント&トーク番組で、さまざまな分野で活躍している著名人の「運命の人」
    を紹介した番組があったらしい。
    その中から、選りすぐりの出会いの物語の一冊・「鎌田實先生の運命の人」を読んだ。
    以前、鎌田先生の健康に関する本や、医療に対する姿勢に感動した事があるので、鎌田先生の出会い・・
    は、とても興味がそそられた。
    読むにつれて、人間は周りの人々に育てられ、触発されて、生き方の選択を行う事もあると痛感する。

    鎌田先生の人生を決定づけてくれた「運命の人」を紹介している。
    地域のおばあちゃんが運命の人となった。
    また、鎌田少年の生い立ちを知ると、養母や養父が心広く、優しさにあふれていた事が伝わってくる。
    こんなお医者さんが住む地域は幸せだなあ・・とつくづく思う。
    長野県民の成人病予防に大きく貢献した先生の苦労を知ることができる。
    

          
 食でひらく健康のとびら  日本衛星検査所協会    23-4-5
    
図書館の一冊。食べる事と健康に深い関心のある我が家には、とてもいい本だった。
    季節の野菜、果物、魚貝類を紹介している。
    最初のページは、カラー刷りの写真が食欲をそそっている。
    健康インタビューのコーナでは、日野原重明さんの「元気の秘訣と、健やかでいるためのヒント」
    と題して先生の生活の一部を紹介している。先生が、かなり小食な食生活をしていらっしゃる事に
    びっくりしてしまう。

    四季折々の食材は、皮を利用したり、色々な利用方法も紹介している。
    食材の薬効にもあらためて知ったことなど多かった。
    たとえば、今が旬の「アサリ貝」の薬効は、動脈硬化や貧血予防に効果があると記述がある。
    血液の健康に最適な食べ物らしい・・

 

                   
苦役列車  西村賢太著   3-4
    
今年の芥川賞を受賞した作品。
    友もなく、女もなく、・・と帯に書いてある。西村氏の私小説らしい。
    起承転結のある感動的作品ではないが、どんどん読み進みたい感情にかられた。
    こんな生活を送っている人達もいるのか・・と重い気持ちになった。
    こんな社会が現にあるのだ。
    平凡に主婦をしてい私には、想像の及ばない社会だった。
    私にとっては、過激とも思える描写もあり、読んだ夜は強烈過ぎて、なかなか眠れなかった。
    西田氏の、また違う作品を読んでみたいと思う。
    
    その後、芥川賞受賞を機に、違う生活、社会が彼には今後広がるのだろうな・・
    とぼんやり、授賞式が報じられていたテレビを見た。
    その西田氏は、この授賞式には場違いな雰囲気さえ感じた。


                 
幸せ上手   渡辺淳一著 3-4
    
久しぶりに渡辺淳一の本を手にした。
    幸せ上手・・かって相田みつをの言葉に「幸せは自分の心が決める」とある。
    それと同じような意味合いが書かれているのかと思ったが・・
    当たり前に流れる日常の中にも、大きな幸せがある。
    渡辺氏はお医者さん。
    医者の立場から、身体の普通の出来事も、幸せと感じられる事柄が多いと書いてある。
    読み進んでいくごとに、「なるほど」と考える内容だった。


            「自分の人生、これでいいのか」と思ったとき   川北義則著 3-4
    男性向けに書かれた一冊だったようだけれど、内容は女性にも通じる深いものが多かった。
   「ミットライフ・クライシス」という言葉もこの本で知った。
   midlife crisis  とは、体力や容姿の衰えを自覚し始める40代後半、「人生の折り返し地点に
   さしかかる時に、顕在化する精神的危機のこと。
   仕事、人間関係、家庭、自己実現など゜への不安や疑問から、自分の人生が無意味に思え、うつ状態
   に陥る事もある。
   そうなった場合の心の生活の対処の一冊。

                
大人の女はひとり上手   中山庸子  11-24
     
一人で行動する女性。
     色々な場所へ一人で平気で行く女性。
     私もその一人だと思う。コンサート、喫茶店、レストラン。旅行。一人で出かけるのも好きだ。
     好きな時間に好きな場所に移動したり、疲れたら休んでお茶を飲んだりできる、一人の気楽さは
     いい。

     この本は、中山さんのエッセイだけれど、料理のレシピがあったり、健康法があったり、
     フッアションの話あり、スランブ時の克服方法など、話題は多岐にわたる。
     また著者自身の色鉛筆のイラストがあり、とても楽しい。
     その中から抜粋すると・・    
     ポジィテイブ・エネルギーを吹き込む言葉
       ☆ 私の幸福は私の態度の中にある。
       ☆ 本当の自由は「認める」ということである。
       ☆ いいオーラーを出すには、いい情報が必要
       ☆ 手に入れたい目標は  「ゆとり」「集中力」そして「エレガンス」
       ☆ 自分を磨く作業をこまめに楽しむ
       ☆ 悩みがある時は体を動かす
       ☆ 反省は、一度すれば充分
       ☆ 今やっていることは、きっとすべて役立つ
       ☆ 人間は感動を手に入れる為に生きている。

      など、自分にひったりの言葉が多く、ノートに書き留めた。

               
ねこの神様    香咲弥須子   11-24
    
猫好きな私は猫のタイトルの本に手がすぐ伸びる。
     我が家の猫の「マロン」にも、夫婦でメロメロになっている。
     しつけに甘いせいか、かなり太っちょの猫になってしまい、成人病を心配しているほどだ。
     この本は、図書館で見つけた一冊。
     猫との生活を書いてあるが、生きているもの、人間もペットも誰しも、死ぬ。
     楽しい猫の様子から、猫の病気・・
     つらい介護の日々など、涙なしでは読めなかった。
     我が家のマロンも、同じような事が起き可能性もあると・心配になった。



                      
再会・・重松清
  11-10
      久しぶりに重松氏の小説を手にした。
      子供を主人公とした子供目線で描かれている6編の短編小説。
      自分の小学生の悩みや友達との関係を、思い出させる内容もあった。
      女の子の目線の内容には、著者は大人の男性であるのに、よく、女の子の心情が描けるものだと、
      感心する。当然だけれど、やはりプロの物書きは違う。
      夫の帰りを待つ間、夕食の支度までの間、1篇づつ読みながら涙した小説。
      ついつい、引き込まれていく、いつもの重松氏の小説だ。


                     老いのヒント   野末悦子  11-10
     
年齢とともに、「老い」という言葉が気になり、目につくようになった。
      図書館で借りた一冊。
      サブタイトルは「いつまでも美しく、いきいき輝く人生の習慣」とあった。このタイトルに惹かれて手に
      とったのかもしれない。
      初めて読む人の本。著者は現役女性医師で、女性の更年期など専門とするクリニックを開業
      している人だった。
      読んでいくと、私と一緒の「乳がん」の体験者でもあった。
      いい死に方・・安らかな最期を迎える為・・
      色々な形で耳にしたり、目にする言葉だけれど、また違う観点でこの事に向き合えるような気が
      する一冊だった。死を目前にした時、どんな自分でいられるか、色々な情報を持っていたいと思う。

      

                      
図太さの力・・落合信彦   11-10
     自分の限界を知る。サフタイトルにあるけれど、どれだけの人がその自分の限界を、知っている
     だろうか・・。むろん私は知らないけれど・・
     今、日本の外交が大きく問題視されているが、中国の図太さ、というより図々しさ、その国民性
      についても、記述があり、なるほどと納得する。
     世界の経済や、裁判員制度の問題など、今にぴったりの話題が多く、とても参考になった。
     大きな世界的視野で物事が語られて、心地よさが伝わる一冊だった。
     図書館で借りた一冊、手元に置きたいとも思う。
 
                        
百寿力・・白澤卓二  11-10
    
日本・世界の100歳以上の人々の生活ぶりを、著者が取材し紹介している。
     長寿の「秘訣」が描かれている。
     100歳まで生きたいとは思わないが、寝たきりや認知症にはなりたくない。
     少しでも健康でいるためには・・食生活の大切さを説いている。
     そして、歩く事がかなり大切、いつもより1000歩、多く歩くことに努めるといいらしい。
     1000歩というと、10分歩くようなものだ。
     いつもの散歩を10分延長して、健康な体を維持したいと思う。


                      
ことわざの論理・・外山滋比古  11-10
    
若い時分から外山先生の本は好きだった。
     図書館から借りた一冊。
     昔からいい伝えられていることわざ、知っているようで知らなかったり、新しい発見があった。
     現代の若者は、本来のことわざの意味とは異なるとらえ方をしている者もあるようだ。
     言葉や表現の仕方が時代により変っていく。
     先生のエピソートーを交えて描かれた楽しく、秋の夜長の眠れない夜には、ベッドでもってこいの
     一冊だった。

                        
久々のアップ  10-13  2010
           
久々にアップする。前の記述をみると、なんと1年ぶりくらいのアップだ。
            この1年間、本を読まなかったわけではないけれど、目やメガネの具合が悪く、
            読書に費やす時間は少なかったように思える。

                        
 母  オモニ   姜 尚中著  集英社  10-13
           テレビで、政治経済の専門家として、よく出演している姜先生。
           静かな語りがとても好きだ。その先生の母を語る一冊だった。
           韓国から来た家族には、困難の日々が続き、すさまじい家族の暮らしぶりが続いた。
           生計を維持するための仕事も並大抵のものではなかった。
           母親の生活を取り巻く中で、当然 姜 尚中こと日本名「テツオ」が出てくる。
           姜先生の生い立ちが生々しく描かれている。
           自分の国籍を受け入れるまでの時間、そして結婚。
           エリートと、ばかり思っていただけに、先生の悩み苦しみ、生い立ちには驚いた。
           想像を絶する苦労が、在日の人々にはあったのだろう思う。