あとがき

※ 面倒くさい方は別に読まなくても支障はありません。

目次へ


 最後まで読んで頂いて、ありがとうございます。
 およそ二年弱に渡って連載してきたクランベールのシリーズも、続編「バイナリー・ハート」を持ちまして、全編完結となります。
 本編の連載中から、読んで頂いている方は、本当に長い間お付き合い下さいまして、ありがとうございました。
 本編終了時に、続編を書く予定はありませんでした。
 けれど、機械工学の優秀な科学者で、色々妙な機械を作っているし、ロボットも作っているロイドが、どうしてヒューマノイド・ロボットを作っていないのか、と疑問に思う人がいるかな? とふと考えたのがきっかけでした。
 番外編「一期一会」執筆前の事です。
 「どうして」の理由は、本編執筆中にも漠然と決まっていたのですが、本編の本筋には関係ないので割愛していました。
 「一期一会」に入れようと思ったんですが、その「どうして」を考えていく内に、「一期一会」の中に収まりきるものではなくなったので、「一期一会」でもやむなく割愛し、匂わす程度になってしまいました。
 科学技術局の内情に触れていく事になるので、結衣視点では書けない事にも気付きました。
 ずっと1年近く結衣視点で書いていたので、いきなり準備運動なしで動いたら足がつる、と思い、ロイド視点に慣れるために「雨の日の追憶」を書きながら、ここで続編の伏線を小出しにしつつ、続編の詳細を固めていきました。
 本編で意味ありげに登場したクローンの話も、深い意味があるのかと誤解を与えてしまったような気もするし、一緒に消化しました。
 いや、あれは無意味だったわけじゃないんですが、長かった割に深い意味はありません。これだけ科学技術が進んでいるのに身代わりならクローンを用意しろよ、と思われたら困るなと考えて、クローンは用意できない理由を語っていただけなんですよ。


 虐待されてたとか、そういうわけではありませんが、ランシュの18歳までの人生は人並みの幸せとは縁遠いものでした。
 ロイドの言うように、これからの方が大変なのだろうとは思いますが、彼には幸せな第2の人生を送ってもらいたいものです。


 最後まで読んで頂いて、ありがとうございました。


 2011/01/29

目次へ