(4)「宇治川福祉の園」事業報告
▼
事業成果 宇治川福祉の園は、意思疎通に支援を要し知的に重い障害をもつ利用者が半数以上占めている。毎日通うことで生活リズムを整えることを基盤に、さまざまな自己表現方法を大切に受け止め、その想いを推測して理解を深めることでお互いの関係性を深めてきた。 また作業活動を通して、自分の持てる力を十分に発揮し、その頑張りへの対価を受け取ることを積み重ねてきた。 集団生活の中で自分の気持ちをコントロールする事が難しい利用者は、パニック行為となって相手に伝えようとし、その不安感や恐怖感が周囲の利用者に連鎖して全体に影響する状態が今年度も続いた。中でも送迎時は安全な運行に支障をきたすため、送迎車4台に増やして緩和し、必要に応じて添乗を2名乗車する体制を確保し、園にて受け入れる職員の体制も整えた。 また日課の中では、朝礼から2グループに分かれて体操やストレッチを行い、ゆとりを持たせた。作業班では更に少人数で活動し、個別対応での受け入れも行う中で、作業場所や内容を調整して落ち着けるように環境を整えた。昼食時は、引き続き食堂をパテーションで区切り、全体を3グループとして、テーブル毎で落ち着いて食事ができるよう刺激を少なくした。これらの環境調整により、全体への影響を改善することができた。 余暇の場面では、昼休みの過ごし方を工夫して、気分転換がはかれるようにした。また、昨年度導入したスヌーズレンを活用して、心地よい感覚刺激や空間でリラックスする時間がもてた。さらに地域の方々とのつながりを続け、自然・季節感を取り入れた活動につなげる事ができた。 生活介護(34名) 「農園芸作業」 「安全でおいしい野菜をつくる」を目標に、無農薬〜減農薬での野菜づくりを行っている。利用者も園外の開放的な雰囲気に触れ、楽しみや意欲を持って作業できるよう支援を心がけた。例年通りじゃがいも・玉ねぎ・夏野菜・さつまいも・人参・黒豆・大根の作付けから収穫までを行ったが、今年度は夏野菜のなすび・長とうがらしの収穫量を増やすことができた。また、大根の漬物づくりに利用者も一緒に関わってもらい商品化することができた。 例年畑ボランティアグループ「ハッピーメイト」の協力を得ているが、今年は後援会メンバーの方々にも協力いただき、作付けから草抜きなど年間を通じて利用者と共に作業をすることでき、大きな力となって支えていただいた。 園芸作業においては、花木の栽培やプランター管理・環境整備を作業工程に組み込んで、個人のペースに合わせて、無理なく動きをつけられるよう配慮した。 「自主作業」(紙漉き・ビーズ細工・ジャム加工・EMボカシ) 「利用者の関われる作業を増やす。新しい製品開発の精度を上げる。」を重点において、紙漉き作業に取り組んだ。牛乳パックを細かくちぎってミキサーにかけて原料を作り、型で漉いてカードにする工程の中で、目的に応じて四つ葉のクローバーを漉き込んだり、名刺デザインを取り入れたりして商品化に向けての試作を積み重ねた。 ビーズ細工については、キーホルダーの大量注文に応じるため、多くの利用者に関わってもらい納める事ができた。また、ビーズ製品を販売する機会が増えたことで、ブレスレットや帽子ホルダーの売上げを伸ばす事ができた。 さらに、ゆずジャムや甘夏マーマレードづくりも利用者と一緒に取り組むことができ、商品は関係機関への販売で人気が高まっており、すぐに完売となる状況であった。 EMボカシは、午後から作業場所をエントランス近くに設定し、暑さ寒さ対策に工夫しながら取り組んだ。来園される方々と挨拶を交わし、「頑張ってね」と励ましの声を頂くと、利用者の顔がほころび励みになった。 「下請け作業」 バーコード貼り作業・ネジの個包装・割り箸袋入れなどの作業工程を分けて、ひとりひとりに合わせた自助具を工夫して作業を続けた。毎日の積み重ねの中で、緩やかな技術の向上が見られ、それぞれの利用者の自信に繋がってきた。 就労継続支援B型(11名) 「菓子工房うじがわ」 安定した売上げを維持できているが、クッキー・マドレーヌの更なる売上げアップを目指して「ほっとはあと製品応援事業のセミナー」を受講し、商品の売り方について見直しを行った。まずポップを改良し、より効果的な商品PRを試み、パッケージ改良のための準備をはじめた。さらにスウィーツ甲子園に抹茶クッキーを出展し、外部の評価を得られたことは、大きな自信に繋がると共に、今後の課題も見つかった。 「清掃受託作業」 あいさつの励行を徹底し、気持ちよく施設を利用頂けるよう細心の注意を払って清掃を行った。清掃中の掃除機の扱いや道具の置き場所など、繰り返し確認することで、会館利用者への配慮と言葉づかいを意識づけた。 |
共通
職 種 |
正規職員 |
嘱託職員 |
備 考 |
施設長 |
1名 |
|
|
副施設長 |
1名 |
|
サービス管理責任者 |
嘱託医 |
|
1名 |
|
生活介護
職 種 |
正規職員 |
嘱託職員 |
備 考 |
生活支援員 |
8名 |
12名 |
|
看護師・訓練指導員 |
|
1名 |
|
就労継続支援B型
職 種 |
正規職員 |
嘱託職員 |
備 考 |
生活支援員 |
1名 |
|
|
職業指導員 |
1名 |
2名 |
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▼ 利用者の状況
1)異動状況
生活介護
性 別 |
前年度末 在籍者数 |
入所者数 |
退所者数 |
本年度末 在籍者数 |
備 考 |
男 性 |
24名 |
1名 |
1名 |
24名 |
入所施設へ |
女 性 |
9名 |
1名 |
0名 |
10名 |
|
小 計 |
33名 |
2名 |
1名 |
34名 |
|
就労継続支援B型
性 別 |
前年度末 在籍者数 |
入所者数 |
退所者数 |
本年度末 在籍者数 |
備 考 |
男 性 |
6名 |
0名 |
0名 |
6名 |
|
女 性 |
6名 |
0名 |
1名 |
5名 |
|
小 計 |
12名 |
0名 |
0名 |
11名 |
|
合 計 |
45名 |
0名 |
1名 |
45名 |
|
2)性別・年齢
性 別 |
最高年齢 |
最低年齢 |
平均年齢 |
備 考 |
男 性 |
48歳2ヶ月 |
22歳11ヶ月 |
31歳5カ月 |
|
女 性 |
39歳10ヶ月 |
21歳11ヶ月 |
28歳10ヶ月 |
|
合 計 |
|
|
30歳8ヶ月 |
|
3)障害の状況
性別 |
療育手帳判定 |
身障手帳取得者 |
精障手帳取得者 |
手帳無 |
備 考 |
|
A |
B |
|||||
男性 |
27名 |
3名 |
5名 |
0名 |
0名 |
|
女性 |
13名 |
2名 |
3名 |
0名 |
0名 |
|
合計 |
40名 |
5名 |
8名 |
0名 |
0名 |
|
生活介護
性別 |
障害程度区分 |
||||||||
区分1 |
区分2 |
区分3 |
区分4 |
区分5 |
区分6 |
未決定 |
合 計 |
備 考 |
|
男性 |
0名 |
0名 |
1名 |
5名 |
4名 |
14名 |
0名 |
24名 |
|
女性 |
0名 |
0名 |
0名 |
4名 |
5名 |
1名 |
0名 |
10名 |
|
小計 |
0名 |
0名 |
1名 |
9名 |
9名 |
15名 |
0名 |
34名 |
|
就労継続支援B型
性別 |
障害程度区分 |
||||||||
区分1 |
区分2 |
区分3 |
区分4 |
区分5 |
区分6 |
未決定 |
合 計 |
備 考 |
|
男性 |
0名 |
1名 |
4名 |
1名 |
0名 |
0名 |
0名 |
6名 |
|
女性 |
0名 |
0名 |
2名 |
3名 |
0名 |
0名 |
0名 |
5名 |
|
小計 |
0名 |
1名 |
6名 |
4名 |
0名 |
0名 |
0名 |
11名 |
|
合計 |
0名 |
1名 |
7名 |
13名 |
9名 |
15名 |
0名 |
45名 |
|
|
作業種目・受託先等 |
売上額(円) |
備 考 |
自主作業 |
製菓 |
2,852,740 |
|
ビーズ |
326,910 |
||
農業 |
331,760 |
||
園芸 |
156,220 |
||
小 計 |
3,667,630 |
||
下請作業 |
(株)中矢 |
190,300 |
|
(有)RY商店 |
479,919 |
||
(株)智光 |
201,773 |
||
(株)ユタカ産業 |
158,917 |
||
(株)サニクリーン近畿 |
12,634 |
||
八木食品包装(株) |
2,880 |
||
小 計 |
1,046,423 |
||
受託作業 |
西小椋地域福祉センター清掃 |
2,002,200 |
|
槇島地域福祉センター清掃 |
784,000 |
||
槇島コミセン環境整備 |
72,000 |
||
(株)七海 |
273,700 |
||
小 計 |
3,131,900 |
||
販売 |
ごま・乾燥こんにゃく |
119,150 |
|
自販機(缶ジュース) |
80,628 |
||
アルミ缶・牛乳パック |
102,330 |
||
その他(ポップコーン等) |
28,900 |
||
小 計 |
331,008 |
||
合 計 |
8,176,961 |
|
|
消費税納付額 |
150,300 |
工賃支払総額 |
4,826,270 |
事業名 |
月払工賃(円) |
特別工賃(円) |
||
額 |
平均額/月 |
額 |
平均額/1回 |
|
生活介護 |
2,431,360 |
5,974 |
1,149,195 |
11,267 |
就労継続B型 |
827,575 |
6,415 |
418,140 |
13,067 |
合 計 |
3,258,935 |
6,080 |
1,567,335 |
11,697 |
府・市等 |
事 業 名 |
金 額 |
|
障害者通所施設利用者処遇研究事業 |
5,653,614円 |
京都府 |
運営・人材確保基盤強化支援事業 |
1,191,720円 |
|
|
|
・介護給付費 107,569,876円 ・訓練等給付費 17,764,839円 ・利用者負担金 2,560,510円 |
|
氏名・団体名 |
金額 |
備考(物品の場合は物品名) |
寄付金 |
吉田 充江 鈴木 治代 後藤 文子 大脇 光弘 槇島・宇治川福祉の園後援会 宇治川福祉の園保護者会 宇治川福祉の園保護者会 |
20,000円 30,000円 5,000円 25,000円 200,000円 900,000円 50,000円 |
(宿泊旅行・音楽療法等のために) |
事業名 |
目的 |
総事業費 |
財源・助成団体 |
|
|
|
|
▼ その他の活動
1)作業外・施設外活動
@ 宿泊旅行 愛知(リニア・鉄道館)・蒲郡温泉〜ラグーナ蒲郡 方面《10月》 1班:利用者 27名 職員 15名 2班:利用者 19名 職員 15名 A
外出企画(3月) 2Fグループ:びわこ千松 食事会 1Fグループ:枚方パーク B 園の主催行事 第20回わくわくまつりを槇島福祉の園と合同で開催 《11月》 障害者啓発活動(餅つき)《1月》 C その他の行事参加 宇治市障害者スポーツ大会《6月》 2014宇治福祉まつり《11月》 |
2)実習生受入状況
相手先 |
年月日 |
人数 |
備 考 |
京都八幡高等学校 3年生 |
5月22日〜30日 |
2名 |
介護実習 |
京都府介護体験実習 |
6月 3日〜 7日 |
1名 |
立命館大学生 |
西小倉中学校3年生 |
6月18日〜19日 |
3名 |
福祉体験実習 |
宇治中学校3年生 |
6月13日 |
3名 |
福祉体験実習 |
宇治支援校施設体験実習 |
7月 8日〜10日 |
2名 |
|
京都八幡高等学校 2年生 |
7月22日〜26日 |
2名 |
介護実習 |
京都医療福祉専門学校 |
9月16日〜29日 |
2名 |
相談援助実習 |
宇治支援校施設体験実習 |
9月24日〜26日 |
1名 |
|
宇治支援校施設体験実習 |
10月28日〜11月1日 |
2名 |
|
槇島中学校2年生 |
10月30日〜31日 |
1名 |
職場体験実習 |
京都医療福祉専門学校 |
12月 2日〜17日 |
2名 |
相談援助実習 |
帝塚山大学3回生 |
2月17日〜3月21日 |
3名 |
保育(施設)実習 |
宇治支援校施設体験実習 |
2月24日〜28日 |
1名 |
利用前実習 |
|
|
|
|
3)施設見学受入状況
団体名・氏名 |
年月日 |
人数 |
備考 |
文教大学ボランティアサークル |
5月 9日 |
10名 |
|
南山城支援学校PTA |
7月12日 |
40名 |
|
南山城支援学校 教職員 |
8月
7日 |
19名 |
研修 |
京都教育大学付属特別支援学校育友会 |
10月30日 |
17名 |
|
宇治支援校高等部保護者 |
11月 7日 |
14名 |
|
京都教育大学付属特別支援学校保護者 |
12月19日 |
3名 |
|
サービス利用希望者 |
12月24日 |
3名 |
|
槇島小学校5年生 |
1月30日 |
93名 |
福祉学習 |
生活支援センターそら |
3月27日 |
2名 |
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|
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4)関係団体の活動及び連携の状況
保護者会
・役員会、定例会、総会、会員同士の親睦会を開催。情報伝達と意見交換 ・勉強会 保護者グループ毎の情報交換と懇談会 ・利用者への活動費助成(宿泊旅行・音楽活動など) ・わくわくまつりバザー他、 福祉まつりでの模擬店 ・出店時の販売手伝い、 ・アルミ缶・牛乳パックの回収事業への協力 |
後援会
・会長:辻昌美氏 槇島・北槇島地域の各種団体で組織構成されている。 ・定期総会・役員会の開催。 ・わくわくまつり実行委員会の委員協力。 ・ 広報誌「わくわくだより」を年4回発行。 地域住民への施設の活動紹介や、障害者への理解につながった。 ・槇島福祉の園・宇治川福祉の園・両園保護者会に対し物心両面の支援を受けた。 |
地域団体
・ 槇島地区民生児童委員協議会、槇島学区福祉委員会、北槇島学区福祉委員会、 槇島女性の会、各連合町内会、地元各種団体、上記後援会メンバー他 第20回わくわくまつり(実行委員)、スタッフ、模擬店、バザー物品提供など |
ボランティア団体
・ボランティアグループ「ハッピーメイト」(15名) 農作業に対する協力(種まき、苗植え付け、除草、収穫など随時) ・文教大学のボランティアサークル「まりも」 土曜日課のレクリェーション企画を立案・実施(3回) ・学生ボランティアによるわくわくまつりでの利用者支援 ・地域の方々による作業のボランティア(製菓、加工作業など) |
5)地域交流事業
・槇島東喜老会と槇島小学校3年生・宇治川福祉の園で協力し、ふれあい花壇(小学校校門からアプローチへ)の花苗の植え込みと整備を行った(年2回) ・「さわらび園デイサービス」、「西小倉デイサービスセンター」「B型リハビリー槇島あすなろ会」、「槇島ふれあいほっとサロン」利用者の方々との交流活動を実施。みなさんで楽しめるゲームやティータイムを通して楽しい時間が共有できた。 ・槙島学区福祉委員会20周年記念式典にて和太鼓参加と出店、利用者も一緒に楽しんだ。 ・槇島小学校フェスティバルに招待を受けて、利用者が参加した。 左義長(どんど焼き)のポップコーンコーナーを利用者と一緒に担当し提供した。 |
6)その他
・「菓子工房うじがわ」の看板、木製遊具(木馬・輪投げ)を、岡田信基氏より作成・寄贈いただいた。 |