歯科のまめ知識
母子感染
生まれたばかりの赤ちゃんの口の中にはむし歯の原因菌のミュータンス菌（虫歯菌）は存在しないということが確認されています。むし歯になりやすい体質は後天的に親から子供に受け継がれていきます。
赤ちゃんと触れ合う機会の多い家族の方から、食事中のスプーンの共有や口移し等によって唾液を介してうつると言われています。特に、お母さんからの感染が多いので母子感染と呼ばれます。
当然、お母さんのお口の中の衛生状態が悪く、虫歯菌が多いほど、より感染しやすくなります。三歳までに感染する機会がなければ、それ以後感染する可能性は低くなります。獲得した個人の固有の口腔内細菌叢のバランスは容易にくずされることはなく、後から虫歯菌が侵入して来てもそこからさらに定着することはないと言われています。
子育て中のご両親は、お子さんのむし歯予防のため、自分たちの虫歯菌を減らす必要があります。 虫歯菌を感染させない、もしくは感染年齢を出来るだけ遅らせる事が、お子様の虫歯予防につながります。
お母さん自身が口腔内をはじめ、健康な状態であることは、お子様の口腔の健康を守る事になります。
お子様を健康に育てる上でスキンシップは欠かせません。たくさん抱きしめ愛情を込めてキスしてあげるためにも、お母さんは、早いうちから口腔内の衛生に気を配るよう心がけることが大切です。
ご両親は、口腔内の検査をする事で自身のお口の状況を知り、早期に予防を考える事が大切です。
母子ともにむし歯のない快適な人生を送ることに努力しましょう。