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所在地:大阪市都島区中野1丁目
最寄駅:地下鉄谷町線「都島」下車、「櫻宮」の前、
「桜ノ宮公園」 |
櫻宮から南に少し南に下り、桜ノ宮公園(正式には毛馬桜之宮公園)への出入口3から公園に入った片隅に「青湾」の石碑がある。
かって、櫻宮の堤防下に青湾という小湾があり、水が青淡で最も茶の湯に適したので、豊臣秀吉はここの好んで用い、後世の隠元・茶売翁(高遊外)・田能村竹田たちにも愛用されたという。
青湾の名は、桃山時代、秀吉に仕えた茶人・大江青湾に因むとも、秀吉が明使献上の西湖の水を数壷沈め、 移植した西湖の柳の色が湾に青く映ったことに因むとも、隠元がここの水は西湖の味がすると賞したことによるともいわれる。
青湾の碑は、1862年(文久2年)の春、湾の近くに寓し、日々に烹茶(ほうちゃ)の水を汲んだ文人画家・田能村直入(田能村竹田の女婿)が播州山崎藩主本多忠明に「青湾」の2字の揮毫を依頼して湾の辺りに碑を建てた。落成記念には売茶翁百年忌追福を兼ね、大長寺・櫻宮などで「青湾茶会」が盛大に催された。
のちに青湾は河川整理のため埋められ、青湾碑のみが櫻宮鳥居前の西側に残っていたが、現在は淀川左岸の桜ノ宮公園に移されている。
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[参考資料] 『現地案内板 都島区の主な史跡・旧跡』
『日本歴史地名体系』(大阪府の地名編) 平凡社 |
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青湾の石碑は淀川に面した所に建てられていないため、うっかりすると見逃してしまう。
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石碑の裏面。
碑文は漢文で刻まれているが、現地の説明板によると「この湾の水甘香にて茶に適す 汲みて尽きず青霞を吸うにまさる」とある。
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櫻宮に面した通り(桜が植わっている西側は「桜ノ宮公園」)は桜並木が数100mにわたり、続いている。 |
公園内の青湾の碑が建てられている付近の桜。 |
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櫻宮の対岸はOAPタワー。遊覧船が発着している。 |
南の方を望むと新旧の銀橋が目に飛び込んでくる。 |