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AGP4×までしか対応していないマザーボードでAGP8×対応のグラフィックカードは動作するのか?
互換モードが用意されているので、基本的には動作する。
 
AGP には、AGP1X/2X をサポートしている「AGP1.0」、AGP1X/2X/4X をサポートしている「AGP2.0」、AGP4X/8X をサポートしている「AGP3.O」という3種類の仕様が存在する。 これらは、それぞれ信号電圧の仕様が異なっていることなどから、直接的な互換性はない。 しかし、下位の仕様をサポートするモードが用意されているため、事実上互換性が実現されている。 AGP3.O では、AGP8X に対応するグラフィックカード側の仕様を3種類定義している。 このうち、「Universal AGP3.0Card」という仕様では、AGP3.0 で定義されている AGP4X/8X モードに加え、AGP2.O で定義されている AGP1X/2X/4Xモードも同時に対応するようになっている。 マザーボードの AGP スロット仕様に合わせ、モードが切り替わって動作するようになっているのだ。 つまり、「Universal AGP3.O Card」に基づいて作られている AGP8X 対応のグラフィックカードならば AGP4X モード以下もサポートされており、AGP4X までしかサポートしていないマザーボードでも利用可能ということになる。 「Universal AGP3.O Card」対応のグラフィックカードでは、AGP コネクタ部分に2か所の切り欠きを用意するように定義されている。 そして、現在発売されている AGP8X 対応のグラフィックカードを見ると、大半が AGP コネクタに2か所の切り込みが用意されており、ほとんどの製品が「Universal AGP3.O Card」の仕様に基づいて作られていると考えてよいだろう。 実際に AGP8X 対応のグラフィックカードを AGP4X までしかサポートしないマザーボードに取り付けた場合でも、まったく間題なく動作している。 ちなみに、AGP3.0 には「Universal 1.5V AGP3.O Card」という仕様も定義されている。 この仕様では、切り欠きは右側1か所のみとなっている。 駆動電圧が 1.5V のみ対応という制限はあるが、AGP1X/2X/4X/8X すべてに対応するという点は変わりない。 ただし、各グラフィックカードの仕様を見ると、「AGP2X/4X/8X のいずれかをサポートするマザーボード」でのみ動作を保証しているものがほとんどとなっている。 そのため、AGP スロット登場初期の、AGP1X のみのサポートとなるマザーボードでは、AGP8X 対応のグラフィックカードが正常に動作しない可能性もある。
 
参考:PC Japan 2003/09 Page43
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