焼き物は大まかには磁器と陶器に分かれます。

・磁器  原料は石。 焼くと半透明になり、薄作りの物は日にかざすと、器を持つ
               指の影が透けて見えます。   全く水を吸いません。

・陶器  原料は土。 焼いても不透明のまま。 固く焼き締まっているようでも、
              水分を吸収し、器の表面から蒸発しています。 息をしている
              とも言います。   土器も含まれる事が多いです。


陶器と言われている物も、大きく二つに分けられ

  ・釉薬(表面に艶を出すためのウワグスリ)を掛けた物。
    唐津焼、萩焼、志野、黄瀬戸、織部など
  ・無釉のままで焼かれた物。
    信楽焼、備前焼、常滑焼など


陶器の名称のいろいろ
 
・唐津焼、越前焼き,など、 最初は皆、窯の有った地名で呼ばれています。

・桃山時代になると、初めて日本独特の焼き物が出来た、と言われています。
  千利休が茶道を確立し、それまで珍重されていた唐物(中国もの)でなく、
  わび、さびの精神にかなう物として、朝鮮物が取り入れられたり、
   楽茶碗などが出てきます。(楽は姓名です)。   

  その後、志野、黄瀬戸、瀬戸黒など出てくるのですが 、名前の由来は
  定かでありません。当時の茶会の記録に名前が出て来るところから、多分茶人が
  美濃地方の窯場に注文で焼かせ、名前をつけたのではないか、と思います。

  大名であり、大茶人である古田織部の活躍により、やはり美濃地方で
  織部焼が生産されるようになります。 作品は独創的、近代的、二つと同じ物が
  無いという意味で、芸術の分野に入れられる焼物の登場、でしょう。

・朝鮮唐津、三島、井戸茶碗、伊羅保茶碗などは、お茶の世界で付けられた
 名前でしょう。   由来については、諸説有ります。
  伊羅保など、表面がざらざらしていて、いらつくから、「イラボ」 など。


焼き物の見分け方

 なんと言っても、土の違いが基本になります。

  昔の職人たちは、地方を渡り歩いていたそうですし、お茶人が色や形を指定して
  全国の窯場に注文していますから、作風だけでは判断のつかない事があります。
  釉薬の掛かっていない部分の土の特徴、重さで最終的には判断します。

 但し現代では、窯業地の粘土の枯渇、流通網の発達、合成釉薬の流布などにより
  原料から見ると、似て非なる物が多く、いにしえからの判断基準は
  当てはまらなくなって来ています。

        ▲戻る        ▲HPトップへ