ビールもどきの未来は暗い
やはり財務省・与党税調は「ドラフトワン」の増税を画策していた。以前に指摘した通りだ。
毎度の事ながら、実にやり方があさましい。
何しろ自分達で酒の定義を作って税に差をつけておきながら、その定義に沿って作った酒がヒットしたと見るや、いきなり定義を変えるというのだから。だったら最初の定義はなんだったんだ! 責任者出て来い!
ただ、今回17年度での増税は見送られたという。理由は、ドラフトワンやスーパーブルーに増税しようとすると、その他の「雑酒・その他の雑酒A」(例えば「紹興酒」等)「リキュール類」もすべて増税しなければならなくなるからである。さすがに特定の商品だけを狙い撃ちにするような露骨なことは出来なかったらしい。
だが、18年度には酒税法を抜本的に見直すことが与党税調で確認されたという。
この場合の見直しとは、酒の定義の見直しということになるのであろうが、あくまでも目的は「増税」である。定義の見直しにかこつけて便乗で大幅な増税をもくろんでいることは疑うべくもない。
ドラフトワンがヒットしたのは、何も美味いからではない。メーカーには申し訳ないが、ビールと飲み比べたらこれはとても比較にはならない。サントリーのスーパーブルーも同様である。
これらの「ビールもどき」の商品価値はズバリ安さである。
したがって、発泡酒も含め、これらの酒にビール並みの重税が課せられれば、命脈は絶たれたも同然で、企業のそれまでの研究・開発費はすべてパーになる。
金のタマゴを生むニワトリは、生きている限りはタマゴを生み続けてくれる。だが、欲に目がくらんでニワトリの腹を割いて金をとろうとすれば、ニワトリは死んで二度と金のタマゴは手にすることは出来ない。
財務省や与党税調のやっていることはこの寓話と同じである。
企業や庶民の活力を削ぐような増税ばかりを繰り返せば、かえって消費は落ち込み景気は後退し、結果的に税収が更に不足することにつながるのだ。
しかし彼ら「エリート官僚」・「政治家」達は、そんな道理すらわからず、目先の欲でニワトリの腹に刃物をつきたてようとしているのである。なんとも愚かな話ではないか。