《キリン スプリングバレー シルクエール〈白〉》

 2020年の9月13日発売。

 メーカーのニュースリリースによれば、「無濾過で仕上げたにごりのある液色で、小麦麦芽を使用することで実現したきめ細かなふわとろの泡、まろやかな口当たりが特長です。ニュージーランド産の希少ホップ「ネルソンソーヴィンホップ」を一部使用することで、華やかで心地よい香りを実現しています。満足感がありながらも爽やかな味わいで、ビールが好きな方はもちろん、普段ビールをあまり飲まない方にもおすすめです。食事にも合わせやすい味覚なので、一緒にもお楽しみいただけます」とのこと。前作の「豊潤」は特に特徴のないラガービールだったが、今回のは上面醗酵のヴァィツェンに寄せてきたということか。

 原材料は麦芽・ホップ・コーン。おや、副原料使用なんだ。しかも何故か「小麦麦芽」の文字が無い。何で? アルコール分は5.5%で、イオンでの小売価格は350ml缶が税込み272円だった。

 グラスに注ぐと確かに濁っており、やや白っぽく見えなくもない。香りも何となくヴァィツェンっぽいと言えなくもない。飲み口も同様。うーん、中途半端だなぁ。

 メーカーのニュースリリースには飲用経験者の少ない白ビールであり、『SPRING VALLEY 豊潤<496>』や一般的なピルスナータイプのビールとの味わいも大きく異なることから、お客様により多様で新しいビールの魅力を体験いただける商品です」と胸を張るが、今やどこでも気軽に「ヒューガルデン白」が手に入り、大手メーカーからもサントリーの「ワールドクラフト〈無濾過〉ホワイトビール」のような本格白ビールが飲める状況であるのに、「飲用経験者の少ない白ビール」というのはいかにも現状認識のピントがずれている。だからこんな中途半端な白ビールになっちゃうのだろう。

 「ヒューガルデン白」の缶が税込み283円。国産でも「水曜日のネコ」が同じく283円。黄桜の「ラッキーキャット」が272円。いずれも本格ウィート・エールがほぼ同じ価格帯なのだから、白ビールを経験したいのであればこれらを飲んだ方が絶対にその味わいを堪能できると思う。

 

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