キリンのチルドビールの、シリーズ第四弾である。
原料に小麦を使い、酵母が入っていて白濁しているので、「ホワイトエール」という名称がついている。小麦使用ということで言えば、先行する「まろやか酵母」も小麦使用なのだが、さて、その違いはどうか。
小麦使用の白ビールというと、ベルギービールの「ヒューガルデン・ホワイト」が有名である。最近では大手のスーパーや酒屋などでも置いてあり、比較的入手はしやすい。
そこで今回、比較用に「まろやか酵母」「ヒューガルデン・ホワイト」、それと銀河高原ビールの「小麦のビール」とを飲みくらべてみた。
初めて「まろやか酵母」を飲んだときに、なんとなく「ヴァイツェンとピルスナー中間のような味だな」と感じたのだが、このホワイトエールは更に一歩ヴァイツェンに近づいた感がある。まあ悪くはない。
ただ、ヒューガルデン・ホワイトや銀河高原ビールを飲んで、本当の小麦ビールらしい味を知ってしまうと、なんとも物足りない味に思える。小麦を使ったビールの魅力である、果実を思わせるエステル香や爽やかな酸味にどうにも乏しいのだ。
日本のビールがピルスナーやアメリカンタイプ一辺倒で、新しい味のビールがなかなか受け入れられないため、どうしても恐る恐る、一歩ずつ従来のビールにない味を取り入れていっているのかもしれない。だが、「ホワイトエール」の名称に小麦ビール特有の味わいを期待するとちょっと肩透かしかもしれない。
ただ、チルドビールシリーズもこれで4種類となり、こういうビールが商品として定着していってくれていることは喜ばしいことである。
個人的には、今度は「ブラウンエール」あたりを作ってくれると嬉しいんだけど。