おなじみサントリーのコンビニ期間限定販売シリーズ。従来は海外の原材料やその組み合わせを売りにしていたのが、今度は「日本の水、日本の素材から生まれたジャパニーズ・モダンなビール(メーカーのホームページより)」ということで、「美醸(みかも)ゴールデン大麦・岩手紫波産ホップ」といった国産原材料使用を強調している。だが、缶を良く見ると、小さく「ミカモゴールデン大麦約10%、岩手紫波産ホップ約35%使用」と書いてある。残念ながら国産原材料100%というわけにはいかなかったらしい。
また、このビールは「麦芽分画技術」と言って、麦芽の渋みやえぐみ成分の多い殻や芽の部分を取り除いてから醸造しているとのことであるが、これはかつての「ビア吟生」の技術の応用と思われる。あの時は日本酒メーカーの関係者から名称についてのクレームがついたとかいう話も聞いているので、「吟」という呼称はさすがにやめたらしい。
さて、この項を書くために、いつも新製品のビールが発売されると撮影用の350ml缶とは別に、試飲用に500ml缶2本を買って来て飲んでみるのだが、今回はなんだかそれだけ飲んでも味の特徴がつかめない。そういう訳で、追加で別の日にもう2本500ml缶を買って再度飲み直してみたのだが、それでもやはりうまく表現できない味なのだ。
オールモルトでアルコール度が6%と高めなのだが、麦芽分革技術と弱炭酸のせいか、コクはそれほど感じられない。かといってすっきり・さっぱり系というわけではなく、飲み応えはそこそこに感じるのだ。これはなんと形容すべきか。よく言えばバランスの適度に整った優等生タイプ、悪く言えば個性に乏しい面白みに欠けるビールというところか?
と、ここまで考えてハッと気づいた。そうか、それこそが「日本人」の特徴そのものなのかもしれない、ということに。だからこその「ジャポネ」ビールであったのか、と。