2,「事例集から」平成17年4月13日(水)
14,システム音痴と不協和音
バ゙イオクリーンルーム、手術室の安価なリニアール
1,バイオクリーンルーム、手術室の現状例
バイオクリーンルーム、手術室の改修を行なう、現状は約20前に作られたものである。
(1)空調機仕様、
フィルターはプレフィルター、室内換気回数30回、新鮮空気取り入れ17%、蒸気加湿器、電気集塵方式、ヒートポンプチラー水冷式、
(2)部屋の状態
壁・100角タイル、天井・ケイカル板、床・人造大理石、扉の形状・密閉度が低い、
2,リニアールコンセプト(renewal
concept)
改修を行うには、ここでリニアールコンセプトが必要であるが、無いとどうな るか、無いまま読み進めてください。
3,バイオクリーンルーム、手術室空調システム改修例
(1)HPフィルターを取付け、空気は清浄度(クラス10000)を確保する。
(2)室の内装はそのまま。
(3)冷凍機は更新前の機器と同じ冷却能力で空冷式を設置する。
(4)室にファンコイル(HPフィルター)を取付け、HPの静圧増加分をブースターファンでカバーする。
(5)チャンバー、ダクトは既設のまま使用する。
上記内容は、HPフィルターを取り付けてクラス10000確保のみしか考えずに、システムとしてどう捉えるかということを抜きにした改修内容である。
4,リニアールコンセプトが無いため、次の枠組みを作る必要がある。
(1)今から、5、10、20年間のいずれかの期間使用しなければならない。
前記3(2)室の内装はそのまま、では壁・100角タイル、天井・ケイカル板、床・人造大理石、扉の形状・密閉度が低い、ではクラス10000確 保できない。
幾ら空気がクラス10000であっても、次の瞬間、タイル目地の凹凸の埃が落下する。これでも、落下したところ以外は空気がクラス10000と いえるであろうか。天井、床も同様である。扉については開閉時、隙間の不潔域からの空気の流入が問題点でもある。
いずれにしても、システムとは、常時、使用する間、間違いなく、言い換えると、クラス10000確保を実証できるものでなければならない。
(2)これからの時代に合うもの。
前記3(5)チャンバー、ダクトは既設のまま、では3または5年間もは使用に耐えない。また、これから5または10年間使用するにしてもダクト 、チャンバー内に塵埃などが堆積しているためファンコイル(HPフィルター)で除去できても、使用すると短時間でHPが目詰まりを起こす。 短期的には表面剥離、中長期的には積層剥離が生じるおそれがある。
(3)労務管理、方法に対応できる。
バイオクリーンルーム、手術室空調の運転、停止など、遠隔操作で全て現場担当者、看護婦等で行なうことが出来る。
清浄度が落ちると警報を発し、常に正常を保つことが出来るものであること。
(4)環境問題、PL法など対応できるもの。
環境問題、省エネ、廃棄物の選別等。
PL法、バイオクリーンルーム、手術室としての空気清浄度クラス10000は確保できない。本項の4(1)〜(5)に示す理由がある。
(5)冷凍機設置時(20年前)と現在の時代背景の違い。
20年前は、外気標準温度というような曖昧なもので温度を設定していた、現在では過去夏期10年の外気最高温度、例39℃の値。あるい は、バイオクリーンルーム、手術室等で使用する室温が、例16℃というような低温に対応できる能力が必要とされている、能力は遥かに大きな 物となる。また、室内で使用する機器についても20年前とは、質・量とも多くなり、熱負荷も大きくなっている。
また、バイオクリーンルーム、手術室では室温を何度に設定する。その温度を一定として使用する使用方法だけではなくなった。作業や手術の 内容により、下げる、上げるというような温度変化を必要とするものもあり、ある時間内、例、3分、5分以内という時間内に18℃に25℃にと いう要求がある。
ある意味で、空調は乗り心地のいい旅客機から戦闘機に変化している。急発進、急旋回、が必要となっているということである。
(6)他の設備、蒸気加湿器、電気集塵方式等。
これらにも前記同様に様々な問題があるが、本稿では触れないものとする。
5,システム音痴の呪文(言い訳)と責任
前記4の問題点があるが、どの様に考え考えているのかと設計者に聞くと、いつも同じ返答で呪文が返ってくる。
(1)システム音痴の呪文
@既存バイオクリーンルーム、手術室を、前記3の内容で改修すると空気はクラス10000を確保できます。
A既存は出来るだけそのままで行ない、お金を出来るだけ掛けない方法で行なう。
B施主の要望で行なった。
上記@〜Bの呪文は、システム音痴が認識できない説明、責任回避の羅列である。しかし、システムエンジニア、設計者はプロとして説明と責任がある、説明はシステムとしてどう捉えるかの説明責任がある。
6,呪文と責任
呪文は設計者責任回避の言葉であるが、空調のプロが行なう以上は、システムとして欠陥のない信頼性の高い安定したもので、かつ、社会的に認知されたものを提供する責任がある。
また、取扱いやその他の問題がある場合など、取扱者に説明責任があることを認識するべきである。
既存室を、前記3の内容で改修するとクラス10000を確保できます。は、4, リニアールコンセプトとの摺り合わせ(1)〜(5)にあるように、常に正常を保つことが出来るものであることがプロの責任である。
対外的には、HPフィルターを付けたことで、空気のみクラス10000ではクラス10000のバイオクリーンルーム、手術室とはいえないものである。
一例を上げると、空気はクラス 10000を確保できても、部屋の壁タイルの目地から塵埃が落ちるということが考えられる。これではクラス10000とは言えない。システムは全ての機器関連するものがクラス10000を確保することによって成立するものである。
このように各構成要素が、全てクラス10000を最低限上回る精度と能力を持つもので構成し、システムとして欠陥のない信頼性の高い安定したものであり、かつ、予想超える使い方にも、この場合・この状態でという問題点が最小限であり、社会的に認知されたものでなければならない。当然試験デターは、全体と諸条件がクラス10000を上回るものでなければならない。
それはバイオクリーンルーム、手術室というものが、クラス10000必要なもの全てを具備し、室のクラス10000という文字や言葉から、間違いのないバイオクリーンルーム、手術室として成立する部屋を顧客に提供しているという安心感が必要である。
特に、リニアールコンセプトが明確でない場合は混乱する。また、システム音痴の呪文では、例、「AをBに取り替える、物を取り替えるのみ」では問題は解決せずに、さらに新たな問題を生むものである。本来は、時代と伴に、変化する技術や社会的要求に対応するものを提供すべきである。
そこには、地球環境等の時代背景、技術さらにソフトや説明責任が伴うはずであるが、その情報取得作業を行っていないという状況にある。また、システムエンジニアとして責任の所在と、何のために行うのかというところが曖昧でコンセプトが不明確である結果を示している。
7,リニアールコンセプト(renewal
concept)
改修を行うには、
(1)今から、また3年、5年,10年間使用区分、期間の限定。
(2)20年前の機器更新ではなく、これからの時代に合うもの、時代に即したものでなければならない、旅客機から戦闘機。
(3)労務管理での、管理方法、レベルが20年前と変化している、対応できるもの。
(4)環境問題、PL法など対応できるもの。
(5)空気清浄度クラス10000にする。
コンセプトと思考の限定とシステム限定
リニアールコンセプトを読んで4,を読んでください、コンセプトの有無で、これ程思考に基準に違いがあるか感じてください。言い換えると、思考枠の限界から限られた枠への置換である、これを行える者がシステムエンジニアである。
2,の時点でコンセプトがあると簡単に読み進めることが出来たと思われる、無い場合は4,の一つ一つの検証が必要であり大変である。特に、4(4)にはPL法では10000は確保できないとあるが、リニアールコンセプトでは対応とある、この差異を埋める必要がある。コンセプトから思考の限定とシステム限定が必要である。次ページの手術室改修前(現況)、更新図例を参照下さい(別項にて掲載予定)。
平成17年4月14日 訂正
3,「事例集から」平成18年2月15日(水)
29,室内に設ける酸素マニフォールド
高圧ガス保安法と技術的基準
1,医療用酸素の取扱について
ある病院で、病棟に続くOOOルームを屋上に増築して、その部屋の中に酸素マニフォールドが設置していた。
設置した経緯は、病棟には、既存の酸素マニフォールドのパイピングがある、これから分岐するとOOOルームにアウトレットを設けることが出来る。しかし分岐点の圧力試験は、JIS・T7101(医療ガス配管)ではガスを密閉したまま24時間放置する。という規定がある。このため、病棟の酸素マニフォールドを24時間停止しなければ圧力試験が行えない状況から、医療上重症の酸素使用中患者が多くいるため24時間の停止は無理との結論であった。
自己完結処理方法としてOOOルームの中に、病棟の酸素とは全く切り離して、室内に独立する酸素マニフォールドを設置するという結論に至ったという。
2,酸素マニフォールドの仕様、設置場所
密閉木製キャビネット内に設ける酸素マニフォールド装置。
接続されているボンベは、3.4リッター・4本立て(標準状態換算・0,5立方メートル×4本立て、計2,0立方メートル)設置、自動切り替え装置付き。
酸素マニフォールドの収納場所は、木製キャビネット、大きさ(約高さ80、奥行き70、幅1200p)で、観音開きの扉が付いたものである。通風、換気装置もない密閉された木製キャビネットである、密閉度は洋服タンス程度。
検査時において
密閉された木製キャビネットの中に設けられた酸素マニフォールド(以降マニフォールドと呼ぶ)は、酸素濃度が高くなると、マニフォールドの自動切り替え装置などのリレーや接点の火花から、リレーの巻き線、キャビネット木部からの発火が考えられる。と指摘した。
対応として、屋外に不燃材ボックスに収納して、通気、通風をを設けて設置することになった。
施工者の言い分は、設計通り施工しました、法的には問題ない、法規上は明確に規制されていないと考えるという回答であった。
その根拠は、貯蔵、製造等の方法に係る技術上の基準には酸素ということばがないということであった。法的根拠は5、に示す。
この回答は、システム的に検証するのなら、結果は、こうならなかったと思われる。また、法解釈についても、法の部分を除き技術的基準にのみの検証で終わっているようである。それにしても何故このような結論に至るのか疑問は残る。
3、装置環境の考え方
酸素濃度が高くなるには次のようなことが考えられる。
1)何らかの故障で酸素が漏れる。
2)マニフォールド装置から日常漏洩している酸素が、酸素濃度を高める場合。
故障時に大量の酸素が漏れると、キャビネットからOOOルームさらにナースステーション、病棟へと拡散していく。気流から考えると、ある帯状に流れるその部分は酸素濃度が高いというところである。
一般的にはマニフォールド装置等の装置は、使用するガス等は装置から間違いなく漏れがあるという考え方が必要である。現に、病院のマニフォールド装置でも主幹から末端までのアウトレットまでを総合すると、何%かの漏洩を見込んで自然漏洩として処理されている現実がある。
このように、マニフォールドの様な装置は常時漏れている、故障の時はという認識の上に立った対応や処理が必要である。この考え方の有無が、システム構築上大きな違いを生むものであり、安全における解釈の違いが生まれる。
4、酸素供給装置の酸素漏れについて
1)病院全体における酸素供給装置漏れは、アウトレットの数に比例する。
パッキンの摩耗やへたりにより変化する。
2)マニフォールド装置(3.4リッター・4本立て)漏れは、工場出荷時であれば約0,5 リッター/24時間、程度(メーカー見解)。
また、経年変化や機種やボンベの数等により当然数値は増える方向で変化するものである。
3)主幹・分岐配管の接続部、あるいはシャットオフバルブと接続部分においての漏れ。
配管接続箇所数、シャットオフバルブの数により当然数値は増える方向で変化するものである。
5、法的基準
当該酸素を対象として、高圧ガス保安法では
(目的)第一条、高圧ガスによる災害を防止するため、抜粋。
(定義)第二条、「高圧ガス」とは
常用温度において圧力が一メガパスカル以上となる圧縮ガス、抜粋。
酸素は、圧力が一メガパスカル以上であり「該当」する。
(製造の許可)
第五条、圧縮、液化その他の方法で処理することが出来るガスの容積、
中略、一日百立方メートル以上である設備、抜粋。
マニフォールド装置(0,5×4本立て、計2,0立方メートル)では、第一または二種製造所には「該当しない」。
(貯蔵所)
第十六条、容積三百立方メートル、中略、以上の高圧ガスを貯蔵するときは、中略、貯蔵所においてしなければならない。
マニフォールド装置(0,5×4本立て、計2,0立方メートル)では、第一または二種貯蔵所には「該当しない」。
一般高圧ガス保安規則では
(用語の定義)第二条
一、可燃ガス中略。二、毒性ガス中略。三、特殊高圧ガス中略。四、不活性ガス中略。
酸素は、一般高圧ガスの用語の定義に含まれていない、「該当しない」。
(貯蔵の方法に係る技術上の基準)第十八条、
一、イ、可燃性ガス又は毒性ガスの貯蔵は、通風の良い場所に設置された貯蔵によりすること。
ロ、貯蔵、中略、の周囲二メートル以内においては、火気の使用を禁じ、かつ、引火性又は発火性の物を置かないこと。省略。
第十八条、一、にも、酸素という文字はない、一般高圧ガスの用語の定義に含まれていない、「該当しない」。
6、整理すると、
高圧ガス保安法では
(目的)第一条、高圧ガスによる災害を防止するため、抜粋。
(定義)第二条、「高圧ガス」とは、酸素は、圧力が一メガパスカル以上であり
「該当」する。のみである。
前記、酸素容量(2,0立方メートル未満)についての周辺環境基準は示されていない、しかし、大きな規模になる一、二種製造、貯蔵所は周辺環境基準は示されている。
私見であるが、
病院という場を想定すると、患者の状況において酸素ボンベを持ち運び、酸素吸引を行わなければならない。この場合小容量のボンベまで法規制の対象にすると対応できないなど、世の中の使用状況から乖離することになるため、小容量の規制に隙間をあけていると思われる。
これを逆手にとって、室内に、密閉された木製キャビネットに常設でマニフォールドを設置する等の発想は考えられない。そこには酸素濃度が高くなるということを想定せずに考えられたものである。また法規的には、通風があり周辺には引火物、発火物がないという環境を想定している。酸素濃度が高くなるという状況、密閉された状況を想定していないようである。
常識的に、事故や自然漏洩からの酸素濃度が高くなると、可燃物は引火しやすくなるというものであるため、当然注意が必要であり、対応をすべきである。法解釈を問わずして、技術的基準にのみの検証で終わっているようである。
7、JIS
T7101(1997)医療ガス配管設備では、
4,7供給源設備の設置基準にはすべて高圧ガス保安法に定めるところに従って設置する、とある。その中に(e)換気がよく、かつ、環境温度を制御して、ボンベが40℃を越えないこと。が記されている。
JISでは、法規そのものの不備を補い、常識的に法解釈を一歩推し進めて、安全優先で考えられた基準である。
関連ページ参照
6,医療ガス設備の現状と将来展開(平成16年6月19日(土))
A,病棟運営と医療ガス試験方法の差異
加筆、修正
4、3)主幹・分岐配管の接続部、あるいはシャットオフバルブと接続部分においての漏れ。(平成18年2月20日(月))
4,「事例集から」平成18年7月19日(水)
35,屋外ダクトによる冷えない冷房設備
空調設備における夏の風物詩
1,屋外ダクトによる冷えない手術室
機械室(エヤーハンドリングユニット)から屋外にダクトが出て、手術室建家の屋側二辺を経由して、手術室屋内に入り、風を送る系統になっている。手術室から見ると吸気系統が屋側二辺を経由して手術室へ供給するというダクト(延長約30m)、屋外ダクト施工例(1図)がある。
春先の天気の良い気候から、夏、秋まで、手術室は冷房が効かないとクレームがあった。
特に、夏期晴天での日射時間は、緯度によって違いはあるが、例、朝7時〜夕方8時近くまで約13時前後の日射がある。
この状況下、手術室へ供給するというダクトは、断熱してあるが全くその効力はなかった。
具体的状況説明
機械室の冷凍機は正常。
エヤーハンドリングユニットの帰りと、手術室へ供給するというエヤーハンドリングユニットの出口ダクトでの空気温度差は次の通りであった。
エヤーハンドリングユニットへの帰り温度は、クレームがあった室温と同じ。
手術室へ供給するエヤーハンドリングユニットの出口ダクトでは、前記「帰り温度は、クレームがあった室温」から@設計通りΔt度(3〜5℃)下がったものであり、エヤーハンドリングユニットと冷凍機は正常であった。
帰り温度は手術室設定温度23℃と比べると、そのときの天候、太陽日射の状況から手術室設定温度23℃から約2または3度位温度が高いものであった。
このため、断熱を何度となく重ね、風量を増やすなど、対応したがクレームをなくすことが出来なかったという装置、施工例である。
また、ダクト通過時の温度上昇の熱量は、新鮮空気取り入れを遮断すると正常な温度コントロールができるという試験結果がある。このことから、A新鮮空気取り入れ量の15%分が、ダクト通過時に熱せられる熱量と同じとになるという結果を示している。
これらから、不足熱量を等価回路的に換算する。
@「帰り温度は、クレームがあった室温」から設計通りΔt度(3〜5℃)。Δtを平均4℃とすると、単純計算では残り85%×4=340の熱容量となる。
A新鮮空気取り入れ量の15%分がダクト通過時に熱せられる。
夏期の外気温度32℃、手術室温度23℃とするとΔt9℃となる。
単純計算としては、15%×9=135の熱容量となる。
単純計算から、ダクトが熱負荷となる負荷量を換算すると
冷凍機不足分は、前記計算からA135/@340=38%にも値する。これは冬季においてもさらに大きな熱負荷増となる例である。
2,換気(吸排気)すると温度が上がる厨房
吸気ダクトが既設建物の屋上に、下記、屋上ダクト概念図(2図)の様に横引き約20m設けられている。
太陽日射と照り返しから、ダクト温度の上昇、ダクト内を通過する空気の上昇があり。結果、厨房の室内温度が上昇する件について。
(1)換気と冷房と部屋の用途
@炊飯他、熱発生コーナー周辺
には、基本的には、上部のフ ードを取り付けて、燃焼ガス、煮炊きの湯気、熱気などを外気に逃がす。
熱源にあるため、輻射熱が 強いため部屋という単位では冷房は出来ない、局部冷房とする。人間には、スポット冷 房で人間に風を当て局部的冷 房を行なう。
A調理、盛り付け、配膳コーナーは、室温上昇で食物が腐敗するおそれがある。 特に生ものが心配である。もしも、部屋温度が上昇するのなら、局部ではなく 部屋として冷房をおこなう必要がある。
(2)厨房の換気冷房設備については、
換気設備は、
「排気装置」は、炊飯他、熱発生コーナは上部のフードを取り付けて、燃焼ガス、煮炊きの湯気、熱気などを外気に逃がすもの。
「吸気装置」は、燃焼ガス、煮炊きの湯気、熱気などを外気に逃がした分だけ、外気を取り入れる装置。
3,屋上ダクトの設置状況
吸気を行なうための屋上ダクト概念図(2図)にあるように、@ダクトが屋上を約20mも横引きしている、断熱材の被覆なく亜鉛鉄板剥き出し。
このため、Aダクトは、上部から直接日射に曝され、Bダクトは、下部からも屋上スラブからの照り返しがある、ダクトの上部下部共に曝される状況にある。
また、屋上のスラブ、コンクリートは日射により熱が蓄積されて、スラブ上部には空気が熱せられ輻射熱と共に、Cヒートアイランド現象のような、空気層が形成され温度上昇がある。また、スラブ下部には、スラブコンクリートにD蓄積された熱が厨房室内へ熱透過する。
このため、ダクトが熱せられて中を通過する空気が加熱される。また、吸気は、屋外の空気がダクト内で熱せられて厨房内の吸気口から供給され続けることになる。
結果として、理論上は、太陽が出ている限り、室温が上昇することになる。ちなみに、プロの掴み計算では、太陽からの日射熱量は「A約1kW」と、ダクトの下部、コンクリートスラブに蓄積され加熱される熱量は「BからCまでの合計」平均1u当たり最大熱換算は約1kW未満と言われている。ちなみに、ダクト水平面投影面積を約20uと換算すると、空調機の能力対比(空調機≦ダクトからの太陽熱量)からするととんでもない値になる。
炊事場での対応策
ダクトが熱せられる、これを遮断するにはダクト外側に断熱材を巻、その外側に太陽光・熱を反射する材料を貼り付ける。断熱材は、石綿やグラスウール、太陽光・熱を反射する材料は、ステンレスの鏡面仕上げ、鉄板その他の材質で光・熱を反射しやすい白色に近外装色等である。
しかし、このようにしても断熱材(石綿やグラスウール)が長時間太陽に曝されると、断熱そのものが蓄熱をして保温材に変わることになる。そこには、ダクトが熱せられて中を通過する空気か加熱されることになる。これが通過熱量となる。しかし、通過するまでに時間が係る、断熱材が蓄熱するまでの時間が係る(タイムラグでΔT)と言うことである。
しかし、外部で日の出から日没まで、夏であれば朝6時前から夕方7時までの約13時間も太陽光・熱に曝されるという状況がある。一般的には、約ΔTは2〜3時間もあれば熱透過してダクト内の空気が加熱されることになる。余り断熱も意味がないことになる。この状態でも、温度のみで働く人間だけのことなら、スポット冷房で充分である。
しかし、(2)調理、盛り付け、配膳コーナーは、室温上昇で食物が腐敗するおそれがある。特に生ものが心配である。状況から部屋の冷房が必要となることもある。
特に、外気温が38または39℃の時には、さらに、温度上昇がある。
室温上昇は、設計者として状況の説明、厨房としてのコンセプト、使用状況からの説明と説明責任がある。特に生もの、あるいは調理、盛り付け、配膳などにおいて、高温多湿環境では腐りやすくなり、腐敗時間の短縮を招き食中毒を招くことになる。
4,対応策として自然との共生
天気予報で予め明日の天候が分かる場合、気温が上がるということであれば、作業前2・3時間前から、朝方冷房がよく効く時間に冷房を運転しておくのも方法である。あるいは、前日から換気のみを運転しておき、夜間の冷気で室温を下げて使うのも方法である。もしくは、冷房機器の能力を大きくするのも方法であるが省エネや地球環境を守ることとは相反する。
設計思想
ダクト設計、施工の根本は、外部回しのダクトは行わないということである。
もしも、外部にダクトを出す場合は、ダクトに注ぐ太陽光を遮断する必要がある、それには屋根などが必要となるが、日本では台風対策が必要となるためいい加減な物では対応できない、結果として大掛かりな物となる。
そこには気象、風、雨、雪、太陽の光熱が関係する、これを遮断し、コントロールすることが人工環境作りである。しかし、外回しのダクトが気象というものに曝されると、人工環境作りが簡単に崩れるというものである。人が考えること、設計や施工さらに冷房機器等は、気象、自然の威力の前にはたわいのないものであるといえる。
おことわり
屋外ダクト施工例(1図)、屋上ダクト概念図(2図)の写真、図については別項に掲載いたします。(h18,7,20(木))
加筆、訂正
1,に等価回路を加筆(h18,7,20(木))。
2,ダクト水平面投影面積を約20u換算すると、空調機の能力対比(空調機≦ダクトからの太陽熱量)からするととんでもない値になる。加筆(h187,24(月))
5,「事例集から」平成16年6月19日(土)
6,医療ガス設備の現状と将来展開
A,病棟運営と医療ガス試験方法の差異
既存病棟にアウトレット(酸素)増設
たった一カ所の増設にしても、圧力試験を行い安全であるかを確認する必要がある。その方法が、使用中の病棟においては混乱を引き起こしている。
1,アウトレットボックス一カ所を増設するにも、JIS等で圧力試験方法が定められてい るため、病棟全体を24時間も酸素供給停止の状態を作らざるを得ない状況に ある。
2,酸素系統を区切るシャットオフバルブが、一般的に病棟系統に1カ所というのが標 準という状況にある。また、増設を前提とする成長変化ということを考慮した システムではない、閉鎖的システムである。このため上記1の状態が生じる。
対策、病棟という生命維持装置を必要とする所において、「増設のため、接続のため、試験のため」病棟全域の酸素供給を停止する、また24時間停止などという事態を、設けなければならないことそのものに医療スタッフから家族から苦情がある。試験は短時間で出来る方法はないのか。増設を考慮したシステム構築は出来ないか等を検証してみる。
例、アウトレット一般的増設状況
既設配管に接続して、アウトレットを一口増設したときのことである。
配管系統が通っている間に、T型の接続金物(以後、チーズと呼ぶ)を使用して割り込む、接続点をT(チーズ)中心に右左に分け、左を上流接続点@、右を下流接続点Aと名付ける。下に伸びる接続を増設接続点Bと名付け、これから配管してアウトレットボックス1カ所に至るものである。
既設病棟の、ガス流れの上流に位置する、図上、配管左端にシャットオフバルブを設けられている。
本来、患者のための病棟運営が出来るように、安全で患者に負担が掛からないように行うのが、病院の使命である。実情は、酸素を必要とする重症患者が入院中であっても、24時間もの停止テストを行わなければならないという試験基準について、結果として様々な問題が関連し派生している。この解決、試験方法の検討、さらに、酸素設備のシステム構成の再検討も含め考える必要がある。以下に対策と実情についてを述べる。
B,テストの方法
1,完工区域のテスト、2,全体のテスト、3,系統検査、方法がある。
1,完工区域のテスト
チーズから配管からアウトレットの圧力テスト。
既設配管の上流接続点@と下流接続点Aの接続前に、増設接続点Bと配管接続 し、言い換えると、チーズと配管を接続(増設接続点B)して・アウトレットまでを 一体として、圧力テストを行なう。
試験方法は
圧力はJIST7101(医療ガス配管設備)標準圧力(表1)1,5倍以上加圧した後、 ガスを密閉したまま24時間放置する。とある。
また、厚生労働省健康局国立病院部監修、機械設備工事共通仕様書(2001年 版)では1MPaで24時間とある。
2,全体のテスト、
アウトレット、マニーホールド、ポンプ、タンク等一切の機器取り付け後実施する。
圧力方法は上記1、に同じである。
3,系統検査
検査系統毎に標準圧力を加圧し、当該系統ベースブロックを開放して、検査系 統 からガスを放出しつつ、検査系統以外から放出しないか系統確認する。他の 系統は開放し大気圧にして検査を行なう。
系統検査時の圧力確認方法は、定常時の圧力、規定流量を放出・流入時の標準 圧力の確認を行なう。
加圧テストの考え方と違い
加圧テスト値は、そのシステムの信頼性、安全性を数値で表したものであり、必要な条件を圧力と加圧時間というテストにおいて包括的に確認する方法である。基準であるJISでは、試験方法は単一圧力、時間による方法である。これに対して、上記厚生労働省健康局国立病院部監修の方は、高加圧可能部(配管、バルブ等)と低加圧部(アウトレット等)に分けて圧力、時間(24時間は同じ)を定め試験方法を定めている。
C,既設病棟の状況例
1,実際のテスト
既設配管系統に割り込むようにはいる、チーズ接続点の左右、上流接続点@と下流接続点Aを接続して増設部に酸素は供給できる。しかし、既設配管との接続部、@Aの圧力試験を行うためには、既設配管にも圧力を加えなければならない。その範囲は、図上、配管左端にシャットオフバルブを閉にして、病棟全体を酸素供給停止にして試験を行わなければならない。
方法は、圧力テストにあるように加圧し24時間放置しなければならない。この問題が、入院患者が居る、使っている病棟等で行うことに問題がついて回るものである。
2,例、病棟において
チーズ接続点の左上流側配管には、既設のアウトレット(酸素)が接続されている、その数、例20個とする。また、同様に右下流側に3個接続されているとする、計23個(増設分含まず)にも成る。
増設するためには
T字型(チーズ)の接続材を接続しようとすると、左端上流に設けられている既設シャットオフバルブ(病棟全体を止める)を閉にして、下流の左既設のアウトレット(酸素)計23個を供給停止にして、接続するということになる。
接続の後、圧力テストのために、閉にしたシャットオフバルブの系統の全系統において、既設のもの計23個に、基準として安全を優先する圧力テストにする、と24時間(JIS)もしなければならない。
3,医療サイドからは
テストとはいえ24時間も酸素供給停止するようでは医療行為に影響が出る、また重症の患者を移動させることが出来ない等々ため、最小限にとどめてほしいという要望が出される。
4,施工上の対応
これを受けて、施工業者は酸素停止時間を最小限にと、チーズの接続点の左右のテスト方法を、基準を無視して検討すると次のような方法が考えられる。
(1)接続後のテスト前記B1(JIS等)を省略する、全てではなく実施可能な範囲で。
(2)接続後、JIS等の試験時間(B1)より短い(例、1または2時間)、可能な試験時間で行なう方法。
(3)簡便な試験方法として、チーズ接続を、接続箇所に石鹸水を塗り、確認するという極端な方法もある。
上記(1)〜(3)の方法は、人命を優先する医療現場としては、いずれもこれで良いということが出来ない方法である、それはいずれもJIS等の試験方法にあるように24時間、規定圧力を、直接的に圧力を掛けて試験したわけでないからである。危険であるため採用は出来ない。
D,試験方法と準備
下記1,2は試験の時、病棟のシャットオフバルブを閉にするため病棟全体が酸素供給停止となる。ただし、3,簡便試験方法は試験時には酸素供給停止する必要はない。
1,公的基準(前記B1参照)による試験と準備対応
(1)ボンベ仮設
小容量のボンベを病室に持ち込み仮設として対応する。
(2)患者病棟移動
アウトレット(酸素)を必要とする患者は、患者の安全確保のため別の病 棟に移動する。
2,短時間試験方法(公的基準外)
提案として、公的基準より試験圧力を上げ、短時間(例、1または2時間)で 結果を出す方法。
3,簡便試験方法
(1)簡便常時確認方法
前記C4(3)常時圧力で石鹸水を塗り確認する。
毎日確認あるいは何時間毎に確認するなどの、状況確認しながら使用する方 法。
(2)簡便確認方法
上記(1)のように常時確認でなく、一度切の確認で大丈夫という方法。
E,準備と問題点
1,公的基準(前記B1参照)による試験と準備
(1)ボンベ仮設(前記D1、(1))
仮設の信頼性、ボンベ内容物の消耗など安全上も含め管理が大変である。特 に24時間であり、長時間のため、実質上は医療現場としては患者の状況、 状態変化により長時間試験が出来ないことがある。
(2)病棟移動(前記D1、(2))
アウトレット(酸素)を必要とする患者は、患者の安全確保のため別の病棟 に移動する、移動後試験を行なう。患者移動が可能であると最も安全な方法 となる。しかしながら、患者には負担を掛けることとなる。
2,短時間試験方法(公的基準外、前記D2参照)
24時間試験は無理があるため、医療スタッフの確認を取ると1時間あるいは2時間で行えるのなら、時と場合によるが、スタッフの努力で対応可能であるとのことであった。
そこで、提案として、試験圧力を上げ、短時間で結果を出す方法などがある。
正式にはJISの変更、それに準じる方法として、社会的同意を得ることが必要。
1,2時間の試験方法であるが、ボンベ仮設、病棟移転を伴うが、圧力試験としては時間が短いため楽な方法である、可能である。
3,圧力試験を行うにはどうなるか
前記例、既設の左右アウトレット(酸素)合計24個も同時に加圧しなければならないため、既設アウトレットの漏れ、パッキンなどの劣化など、考えられるため、あらかじめパッキンの交換などが必要となる。
いずれにしても、準備作業として前記D1(1)ボンベ仮設、(2)病棟移動、伴に同様の対応は必要となる。
アウトレットの固有の圧力許容値(あるメーカーでは0,5MPa耐圧)もある、さらに、既設ということで、様々な経年変化、劣化等が考えられるため充分な準備が必要である。
特に、短時間試験方法(前記D2)は、社会的基準でないため責任の問題はついて回る。このため解決方法として、実施可能なものとして公的機関で短時間試験方法、基準を作るべきものであると考えられる。
4,簡便試験方法
常時圧での石鹸水確認(前記、D3(1)(2))は、余りにも簡便的方法であるため、限られた短期間使用には向いている。がしかし、恒久的なものとしては問題がある。
ある意味では、常時確認しているということであるのなら(前記、D3(1))簡便常時確認方法は、常時確認という意味で安全であるという考え方もある。
5,医療スタッフからの要求
増設の時、接続、試験時の二回は、病棟全て図に示す通り酸素設備は使えない、さらに圧力試験時24時間テストが必要である。これでは、入院中の患者に対して、人命を預かる医療施設として社会責任が果たせないという状況である。
E,新しいシステム構築の提案
システム成熟と成長と変化
1,成熟したシステム電気系統では
電気系統の主幹設備のように、固定的設備と考えず発展変化するものという考え方である。
今後増設を必要とすると思われる所に、予め分電盤というものを取り付けている。形からいうと、主幹から分岐する、系統毎にブレーカーというものである。そこには、分岐すると同時に将来必要と予想される分岐数(ブレーカー数)だけ設けた箱、分電盤をあちこちに設けている。
設置場所でいうのなら、病棟の中央に分電盤を設け、その中に予備を設けている。増設等必要なときには、これから目的とするところ(コンセント等)に接続して電気を供給するものである。
このものの能力は次の通りである。
電気を入れたり切ったりする機構(開閉機構)と過電流継電器機構(過電流の時遮断する機構)を持っている。
2,医療ガス設備に適用すると
設備の特性、あるいは設備の成熟、許容などに違いがあるため、電気とは全く同じに出来るわけではない。しかし、基本的には同じことである。
病棟において設けるとすると、電気の分電盤と同じようなもの、具体的には箱の中にバルブが何個か(一例として5個とする)設け主幹につなげたもの。系統的には、主幹から並行に5個のバルブがつながる物、ここでは名称を「酸素分配盤」と名付ける。
酸素用配管の銅管は、余りゆとりを持たした物でないため、アウトレットの数、酸素の送気距離を短くする必要がある。これは、現在の酸素システムの構成基準とレベルに合わす、前提の話である。
そうすると、病棟単位ということになると、病棟の長辺長から見ると、約50Mであるため、4等分の場所、入口から入って12,5Mの所付近、それから25M入ったところに「酸素分配盤」を設けることになるに。そうすると、「酸素分配盤」から約12,5Mの半径で描く円で、それぞれの「酸素分配盤」によって病棟全体をカバーできることとなる。このような増設可能な構成を一例として提案するものである。
また主幹においても同様に、「主幹分配盤」というようなものを設ける。
前記に示す増設、接続時の主幹の酸素供給停止により、病棟単位よりさらに大きい範囲への影響を最小限に、あるいは全く影響なく主幹から分岐接続可能な状況を作る。設備方法は「酸素分配盤」より大きい範囲、病棟単位、棟単位で幾つかを一つの供給範囲とする主幹分配盤を設ける方法である。
このように、最初に構成しておけば「増設の度、接続時と24時間テストの二回は、病棟全て図に示す通り酸素設備は使えない」等の問題は、全てではないにしろ解決するものである。
是非、電気系統の構成を参考にすると伴に、システムの成熟度合いに合わす形で、構築する必要がある。ついては酸素設備に止まらず、医療ガス設備の再構築を社会的要求として受け止め、メーカー、施工会社、設計事務所、病院管理者が一丸となって、医療ガス設備の再構築を行う必要があると考える。また、医療ガス設備が安全で、扱いやすく、成長と変化に対して柔軟に対応できる、成熟したシステムに成長する後押しになればとここに提案する。
6,「事例集から」平成18年12月16日(土)
6,厨房におけるガス設備と換気
不完全燃焼、ガス漏れ対策、PL法と責任分界点
自動システムを補う人間のセンサー「気分」からの窓開放
窓があっても最小限、あっても離れたところに小さな窓があるというような厨房が多い現状である。また使用においては、窓があっても開放出来ないというのが多い、それは、昆虫(蝿、蚊等)、塵埃、菌等の侵入を阻止するために、常時閉鎖状態である。実際の使用状況は、窓があっても開放することなく、窓なしと同じである、それを機械換気でカバーしているという状況である。
この状態で、ガス調理器具等を使用するため、換気と伴に一酸化炭素、二酸化炭素濃度の上昇、ガス漏れ、酸欠にも注意が必要である。
1,厨房改修工事における燃料ガス設備におけるトラブル
PL法と責任分界点
1)ガス式炊飯器(病院給食用)設置状況
改修工事において、燃料ガス配管工事を行い、既存ガス式炊飯器を移設した時の話である。
状況は
一連工事の契約者が二つに分かれた時の状況。配管工事は総合請負業が行い、既存ガス式炊飯器を移設は厨房機器メーカーが契約をした。
総合請負業は契約範囲の換気設備と配管とガスコックまでの試験を行い正常であると報告を行うと伴に、取扱説明を行い引き渡す。
既存ガス式炊飯器を移設完了し、使用すると、COを検出して、一日に5回〜6回も、パトライトのくるくる回る光とけたたましいベルの音が鳴り、仕事にならないと苦情が入った。
2)苦情の内容
既存ガス式炊飯器を移設完了した、使用すると、警報と伴に換気装置全てが運転状況になる。
設計上は、設計通りであり、検出、制御も正常である。センサーが検出すると、換気装置は停止している物も強制的に吸排気ともフル回転となる。
状況は、一日に5回〜6回も、COセンサーが働き、「炭酸ガス濃度異常」という表示と伴に、パトライトのくるくる回る、光とけたたましいベルの音で仕事にならないと苦情が入った。
3)厨房責任者の認識
ガス式炊飯器が設置されている部屋は、壁等仕切のない部屋を一つと考えると厨房、盛付コーナーが一つと見ることが出来る。この面積は約250uもある。この面積から、厨房の責任者は、広い部屋で酸欠になることはないという認識があり、ほとんど心配している様子はなかった。ただ、音がやかましい、何とかして下さいという程度であった。
4)総合請負業(ゼネコン)、厨房機器メーカーの言い分
(1)ゼネコンは、契約内容の試験はもちろん、取扱説明まで行ったので当方に は責任がない。
(2)厨房機器メーカーは、既存品の移設のみで、ガス式炊飯器は種火部分は移設に際して、さわっていないので当方の責任はない。契約通りの仕事は完了 しました。
5)調査結果
(1)COセンサーか、CO測定器で確認する。
測定結果は、ガス式炊飯器は種火燃焼時CO濃度が高まることを確認する、CO濃度0,015%が検出される。
(2)換気装置制御回路の故障か、
制御回路のテストは正常であった。
参考
気象庁ホームページ、気象の知識より
一酸化炭素(CO)/地上オゾン(03)、一酸化炭素の観測から
「気象庁の観測点での大気中の一酸化炭素濃度の経年変化」グラフによると、綾里、南鳥島、与那国島(1991〜2003)では最高250ppb最低で約70ppb位である。ppbを体積比に換算すると十億万分の一、ppmは百万分の一、すなわち250ppbは0.25ppmとなる。
ちなみに、上記南の島、空気の綺麗なところからは、(5)@CO濃度0,015%は約6万倍の濃度のなる。
また、一酸化炭素濃度は大気中に0,01%以上あると極めて危険な状態になるといわれている。
6)一酸化炭素(CO)濃度と中毒作用
中央労働災害防止協会、新版危険・有害物便覧(1984)から、
一酸化炭素は無臭のガスで、燃焼機器などの不完全燃焼によって発生する。体内への影響としては、血液中のヘモグロビンと結合しやすく、体内の酸素供給能力を妨げるため中毒症状が現れる。
その症状は、頭痛、頭重、吐気、めまい、まぶしい感じ、耳鳴り、発汗、四肢痛、全身けん怠,忘物等の自覚症状がある。等書かれている。
また、(CO)濃度と呼吸時間と中毒作用について次のような関係が示されている。
(1)0,03%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「作用はない」
(2)0,06%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「異常間は現れる」
(3)0,09%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「頭痛、吐気が起こる」
(4)0,12%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「生命が危険となる」
上記データーから(5)@CO濃度0,015%が検出される。
この値は、前記中毒作用分類の一番低い値である(6)@0,03%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「作用はない」の1/2値である。これは現在のところは異常ありません、が給気、換気には注意が必要というサインである。
もっとも、CO検知器がガス式炊飯器、種火燃焼場所の斜め上(横50p、上に1m)の場所にある。実情は、近くにあったため検出が速かったというところがある。
7)責任の所在がはっきりしない
前記(5)調査結果から、「ガス式炊飯器は種火燃焼時CO濃度が高まる」ことは判明したが、責任の所在は宙に浮いている状況である。
PL法的に考えると、ガス式炊飯器移設前に確認して、移設後に確認していれば問題はないが、実情は全くしていないというものであるため、ガス式炊飯器移設した者に責任があると考えざるを得ない状況にある。
2,対策(安全対策をいかに考えるか)
条件、状況として無窓の厨房を念頭に置く。
換気設備の吸排気における風の流れをイメージして、そこに不完全燃焼ガスCOどのように排出できるかを検討する。また、換気設備が停止している時はどうするかということである。
1)発注時には必ず、最終形での試験までの契約を締結しておく。
2)最悪を考え、発生源の検出であるCOセンサーを取付て「炭酸ガス濃度異常」という表示と警報を出し注意を促す。
3)換気装置の制御としては、発生源は発生、発生のまま対応する方法がある。 安全側で換気装置を運転続けて、炭 酸ガス濃度の低減を図る方法で安全を確 保しながら制御する方法。
上記1)〜3)は対応の方法であるが、空気中の一酸化炭素、酸素の濃度を検出して情報を的確に掴み対応する必要がある。と同時に、また五感、または気づいた人間が、窓を開けるなり何らかの行動を起こすことにより、空気中の酸素濃度を確保、一または二酸化炭素濃度を低減改善することが出来る。
そのためには窓や扉を手動で開閉出来る方法が最も大事な方法である、そこには電気や機械が介在しない手動方法、手近に窓や扉があり、「気分」が悪くなると外気を取り入れられることである、このような安全対策が最も必要と考えられる。
訂正
参考、「最高250ppm最低で約30ppm」を「250ppb最低で約70ppm位」である。単位他訂正(h19,2,19(月))
「60倍」を「6万倍」の濃度に訂正(h19,2,19(月))
6,「事例集から」平成18年12月16日(土)
6,厨房におけるガス設備と換気
不完全燃焼、ガス漏れ対策、PL法と責任分界点
自動システムを補う人間のセンサー「気分」からの窓開放
窓があっても最小限、あっても離れたところに小さな窓があるというような厨房が多い現状である。また使用においては、窓があっても開放出来ないというのが多い、それは、昆虫(蝿、蚊等)、塵埃、菌等の侵入を阻止するために、常時閉鎖状態である。実際の使用状況は、窓があっても開放することなく、窓なしと同じである、それを機械換気でカバーしているという状況である。
この状態で、ガス調理器具等を使用するため、換気と伴に一酸化炭素、二酸化炭素濃度の上昇、ガス漏れ、酸欠にも注意が必要である。
1,厨房改修工事における燃料ガス設備におけるトラブル
PL法と責任分界点
1)ガス式炊飯器(病院給食用)設置状況
改修工事において、燃料ガス配管工事を行い、既存ガス式炊飯器を移設した時の話である。
状況は
一連工事の契約者が二つに分かれた時の状況。配管工事は総合請負業が行い、既存ガス式炊飯器を移設は厨房機器メーカーが契約をした。
総合請負業は契約範囲の換気設備と配管とガスコックまでの試験を行い正常であると報告を行うと伴に、取扱説明を行い引き渡す。
既存ガス式炊飯器を移設完了し、使用すると、COを検出して、一日に5回〜6回も、パトライトのくるくる回る光とけたたましいベルの音が鳴り、仕事にならないと苦情が入った。
2)苦情の内容
既存ガス式炊飯器を移設完了した、使用すると、警報と伴に換気装置全てが運転状況になる。
設計上は、設計通りであり、検出、制御も正常である。センサーが検出すると、換気装置は停止している物も強制的に吸排気ともフル回転となる。
状況は、一日に5回〜6回も、COセンサーが働き、「炭酸ガス濃度異常」という表示と伴に、パトライトのくるくる回る、光とけたたましいベルの音で仕事にならないと苦情が入った。
3)厨房責任者の認識
ガス式炊飯器が設置されている部屋は、壁等仕切のない部屋を一つと考えると厨房、盛付コーナーが一つと見ることが出来る。この面積は約250uもある。この面積から、厨房の責任者は、広い部屋で酸欠になることはないという認識があり、ほとんど心配している様子はなかった。ただ、音がやかましい、何とかして下さいという程度であった。
4)総合請負業(ゼネコン)、厨房機器メーカーの言い分
(1)ゼネコンは、契約内容の試験はもちろん、取扱説明まで行ったので当方に は責任がない。
(2)厨房機器メーカーは、既存品の移設のみで、ガス式炊飯器は種火部分は移設に際して、さわっていないので当方の責任はない。契約通りの仕事は完了 しました。
5)調査結果
(1)COセンサーか、CO測定器で確認する。
測定結果は、ガス式炊飯器は種火燃焼時CO濃度が高まることを確認する、CO濃度0,015%が検出される。
(2)換気装置制御回路の故障か、
制御回路のテストは正常であった。
参考
気象庁ホームページ、気象の知識より
一酸化炭素(CO)/地上オゾン(03)、一酸化炭素の観測から
「気象庁の観測点での大気中の一酸化炭素濃度の経年変化」グラフによると、綾里、南鳥島、与那国島(1991〜2003)では最高250ppb最低で約70ppb位である。ppbを体積比に換算すると十億万分の一、ppmは百万分の一、すなわち250ppbは0.25ppmとなる。
ちなみに、上記南の島、空気の綺麗なところからは、(5)@CO濃度0,015%は約6万倍の濃度のなる。
また、一酸化炭素濃度は大気中に0,01%以上あると極めて危険な状態になるといわれている。
6)一酸化炭素(CO)濃度と中毒作用
中央労働災害防止協会、新版危険・有害物便覧(1984)から、
一酸化炭素は無臭のガスで、燃焼機器などの不完全燃焼によって発生する。体内への影響としては、血液中のヘモグロビンと結合しやすく、体内の酸素供給能力を妨げるため中毒症状が現れる。
その症状は、頭痛、頭重、吐気、めまい、まぶしい感じ、耳鳴り、発汗、四肢痛、全身けん怠,忘物等の自覚症状がある。等書かれている。
また、(CO)濃度と呼吸時間と中毒作用について次のような関係が示されている。
(1)0,03%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「作用はない」
(2)0,06%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「異常間は現れる」
(3)0,09%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「頭痛、吐気が起こる」
(4)0,12%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「生命が危険となる」
上記データーから(5)@CO濃度0,015%が検出される。
この値は、前記中毒作用分類の一番低い値である(6)@0,03%(CO)濃度で、呼吸時間1時間の中毒作用は「作用はない」の1/2値である。これは現在のところは異常ありません、が給気、換気には注意が必要というサインである。
もっとも、CO検知器がガス式炊飯器、種火燃焼場所の斜め上(横50p、上に1m)の場所にある。実情は、近くにあったため検出が速かったというところがある。
7)責任の所在がはっきりしない
前記(5)調査結果から、「ガス式炊飯器は種火燃焼時CO濃度が高まる」ことは判明したが、責任の所在は宙に浮いている状況である。
PL法的に考えると、ガス式炊飯器移設前に確認して、移設後に確認していれば問題はないが、実情は全くしていないというものであるため、ガス式炊飯器移設した者に責任があると考えざるを得ない状況にある。
2,対策(安全対策をいかに考えるか)
条件、状況として無窓の厨房を念頭に置く。
換気設備の吸排気における風の流れをイメージして、そこに不完全燃焼ガスCOどのように排出できるかを検討する。また、換気設備が停止している時はどうするかということである。
1)発注時には必ず、最終形での試験までの契約を締結しておく。
2)最悪を考え、発生源の検出であるCOセンサーを取付て「炭酸ガス濃度異常」という表示と警報を出し注意を促す。
3)換気装置の制御としては、発生源は発生、発生のまま対応する方法がある。 安全側で換気装置を運転続けて、炭 酸ガス濃度の低減を図る方法で安全を確 保しながら制御する方法。
上記1)〜3)は対応の方法であるが、空気中の一酸化炭素、酸素の濃度を検出して情報を的確に掴み対応する必要がある。と同時に、また五感、または気づいた人間が、窓を開けるなり何らかの行動を起こすことにより、空気中の酸素濃度を確保、一または二酸化炭素濃度を低減改善することが出来る。
そのためには窓や扉を手動で開閉出来る方法が最も大事な方法である、そこには電気や機械が介在しない手動方法、手近に窓や扉があり、「気分」が悪くなると外気を取り入れられることである、このような安全対策が最も必要と考えられる。
訂正
参考、「最高250ppm最低で約30ppm」を「250ppb最低で約70ppm位」である。単位他訂正(h19,2,19(月))
「60倍」を「6万倍」の濃度に訂正(h19,2,19(月))
白紙が続きます、約50行。
一太郎とビルダー7がマッチングにしないようです。
7,「事例集から」平成18年12月20日(水)に続きます。
--------------------------------------------------------------------------------
Topへ戻る
7,「事例集から」平成18年12月20日(水)
41,天井換気扇の能力と周辺環境
住戸の必要換気量(シックハウス等)は確保されているか
換気扇の掃除と方法
都心あるいは郊外、幹線道路の沿線、離れた所などによって状況は違うが、都心、幹線道路沿線における住宅、マンションの便所、天井埋込形換気扇1例を示す。
マンション等では、居室の空気を便所や洗面所に集めて排気をしている。
条件、設置して1年、一日24時間運転、常時運転。
天井埋込形換気扇を清掃するには、天井面のカバーを下に約10p位引き抜くと、一般的には、脱落防止のV字型バネが付いてくる、ここで一度止まる。この形が多いようである、他にはビス止めもある。
この後、カバーと天井の隙間からバネの上端広がった部分Vを狭めて、V先端部から外に左右に突起(約10p)する部分を、上部の引っ掛け部から外すし、カバーを取り外す。
そこには、中央に回転する円筒の物がある、これがシロッコファンである。筒の回りに外に折り曲げた羽と、羽の部分だけ空間があいているという物である。最近は樹脂製の成型品も多く存在する。この、シロッコファンの下から空気を吸引して、外部に空気を排出する物である。 吸い込んで排気する物であるため、当然そこには軽い粉塵、綿くず、塵埃などがシロッコファンの羽に付着するものである。
1,換気扇に付着する埃と排気能力
(1)空気を掻き込むシロッコファン羽の先端部分に、埃が着き、湿気を呼び、さ らにその上にと堆積するように付着して、裏表で5〜10oも厚くなり丸くな っているところがあった。これでは、先端の風を切る鋭利なところが無くなり 極端に効率が低下する。
(2)天井埋込形換気扇が取り付けられた状態で、シロッコファンの最頂部の底の 部分に中央から周辺に多く、盛り上がるように堆積している。ひどいところは 内容積の四分の一まで堆積していた。容積が小さくなり効率が低下する。
どうも、都心で幹線道路沿い、シロッコファンの小径(直径10p位)のもの 程、埃が剥離せずに堆積するようである。これに反して郊外、大径(直径20 p位)は小径に比べて少ないようである。
(3)カバーに着く埃、これは天井に付いている場合はよく見えるため、掃除機 あるいは雑巾で拭くと取れるものである。
2,建築基準法に基づくシックハウス対策について」を考える。(国土交通省ホームページから抜粋他。)
シックハウス対策に係る法令等は、平成15年(2003年)7月1日に施行
ホルムアルデヒドに関する規制(換気設備の設置が義務付けられる)
(1)内装の仕上げの制限
居室の種類及び換気回数に応じて、内装の仕上げに使用するホルムアルデヒド 発散建築材料は面積制限を受けます。(令第20条の7)
(2)換気設備の義務付け
内装の仕上げ等にホルムアルデヒド発散建築材料を使用しない場合であって も、家具等からもホルムアルデヒドが発散されるため、居室を有する全ての建 築物に機械換気設備の設置が原則義務付けられている。(令第20条の8)
(3)天井裏等の制限
天井裏等は、下地材をホルムアルデヒドの発散の少ない建築材料とするか、機 械換気設備を天井裏等も換気できる構造とする必要がある。(平成15年国土 交通省告示第274号第1第三号)
(4)建築物の居室には、住宅等の居室にあっては換気回数0.5回/時、その他の 居室にあっては換気回数0.3 回/時以上の能力を有する換気設備を設置しなけ ればならない(令第20条の5第四号の表において規定する回数)。
3,換気扇の清掃
特に建築基準法に基づく「シックハウス対策」の換気扇は24時間常時運転である。1年もしくは2年も経つと「1,換気扇に付着する埃と排気能力」に示す状況となり、排気能力は半減するものである。
掃除の方法は、
準備する道具、
注意、換気扇の電源ブレーカー、またはスイッチは必ず切っておくこと。
(1)電気掃除機(角取り用の先)、割り箸、歯ブラシ、
換気扇のカバーを外し、電気掃除機の角取り用の先を取付て、シロッコファン に当て吸引を行っておく。その状態において割り箸で埃を掻き出す。ある程度 除いた後、歯ブラシで綺麗に埃を取り除く。
この時シロッコファンはくるくる回るので、固定しながら行うこと、あまり 力を入れると歪むこともあります注意が必要。家庭用は大きさは7〜8p位の 物から20p位を越える物まである。掃除を、完了するまでは掃除機は運転の まま。床にゴミが落ちないため、人間に降り注がないため吸引する。
(2)人間防護対策、マスク、水中めがね、上向きのゴミ取りであるため目に口、 鼻に入るため準備が必要。
清掃は二人が都合がよい、一人は掃除機専用にする と上手く処理できる。
この作業が終わり、カバーをして、換気扇を動かしてみてください驚く程の換気能力が蘇ります、同時に、回転音も静かになります。
ここ様な清掃は、習慣として日本人には無かったが、各家庭にも便所、洗面所、台所、何台かの居室の換気扇、5台を越える換気扇が設けられるようになった現在、各家庭で上記清掃を行う時代が来たと、客観状況から認識する必要がある。
これからは、夏の大掃除、年の瀬の掃除に、換気扇の清掃が習慣化され、新鮮な空気が室内に提供される、日本の家屋をそこに画きたいものである。
4,外風からの換気扇選定について
(1)外風による圧力損失
P=9.80665×C×γ/2g×V2
外気風圧Vは(m/sec)、風圧Pは(Pa),Cは風圧係数、
γは空気比重量(1,2Kg/m3乗)、g重力加速度(9,8m/sec2乗)
( 風圧係数は建物の形状で変化するのでここでは0.7とする。)
外風からの影響、季節における風向き、冬の北風、夏の南風等、地形による、山からの吹き下ろし、海からの風等。また、毎日の陸風海風によって影響される、川風、道路風等。さらには街のビル建て込み状況、ビルそのものの形状と風上風下によって外風による圧力損失は大きく変化するものである。
東京都内においても、冬季、高所で北風が当たる所では10mから20mは常に吹いている。ビル風はさらに激しいいものである。
(2)北風を換算すると
10mで約40(Pa)、20mで約170(Pa)にもなり、天井換気扇の排気は、外気に押されて、ほとんど排気できないという状況が想定される。
このため、排気口は季節、地形、建物の形状等を考慮して強い風が当たる所を避けて、設けることも必要である。
特に、マンションでは、入口玄関とベランダと二方にしか外部に面する面が無いため、排気口の方向と形状は検討が必要である。また、騒音についても、居室では低い物を選定する必要がある。
(3)吸気口の確認
排気はあるが外部からの吸気口が無いということが、実際に多くある。吸気・排気でセットというシステム作りをすべきである。
5,換気扇というシステムからバードアイすると
前記1から4から考察すると
1,換気扇に付着する埃と排気能力
2,建築基準法に基づく[シックハウス対策について」を考える。
3,換気扇の清掃
4,外風からの換気扇選定について
シックハウス対策の「住宅等の居室にあっては換気回数0.5回/時、その他の居室にあっては換気回数0.3 回/時以上」で選定しても、「1,換気扇に付着する埃と排気能力」低下、「4,外風からの換気扇選定について」を考慮した、ゆとりがなければ能力を出すことが出来ない。このような設計指針や方法を世に問うものである。
また、理論廃ガス量からの排気、発熱や一人当たりの占有面積からの換気量等についても同様である。という状況から、必要換気量を確保できていない住宅、マンションや建物が多く存在する現実がある。その実情を社会的に認識すべきである。
換気口の考慮と伴に、前記4,外風には、静圧の高い換気扇。前記1,埃の集積からは、法に定める容量から、何倍かゆとりのある大きな物を選定する必要がある。このため、出来るならば排気容量コントロールが付いた物も有効である。
特に設計者は、物があればよい、ではなく前記諸条件を考慮して、効率的な自然環境下での自然換気、あるいは排気口等の配置を考慮する設計、さらに劣化や埃付着等について配慮する必要がある。また換気があるから良いではなく、有害物質を発生しない材料を開発する、選定する等の根元的対応が必要であると考える。
さあ、年の瀬に換気扇を掃除をして、日本の風物詩にして、正月は室内に新鮮な空気をいれ運気を高めよう。