設計まで-1 さて、なんとか希望の土地を確保できたちょみっつ家、今度は上物をどうするか?です。
くどいようですが、お金はありません。目指すは「ローコストだけど豊かな気持ちで暮らせる家」。志は高くとも、どうやったらいいのか見当もつかずネットをうろついたり、ローコスト系ハウスメーカーのモデルハウスをふらついたりする毎日。

そんなとき一枚の広告が目に留まりました。「個人住宅を入札で建てる住まいの相談室!」こんな内容です。ネットで仕入れた情報で、ハウスメーカーよりも工務店のほうが安く仕上がる可能性あり、、設計監理がビルダーと別なのはよいこと、なんていうのがあって、ちょみっつの休日にふらりと見に行きました。

結論から言うと、この入札方式のところとはこの後の入札で縁が切れました。

そこにはありとあらゆるカタログや住宅雑誌があって、入札方式についても詳しい説明を聞くことができ、実例も紹介してもらえました。設計士さんが施主の希望を取り入れた図面を描き、参加希望の工務店何十社かで入札し、金額の低いほうから5件ぐらいと面談してビルダーを選ぶ、契約書はお仕着せのものでなく施主の要望を取り入れたオリジナルのものを作成してくれる、ということでした。

なんだか良い話です。設計監理料も巷で聞くパーセンテージよりはぐぐぐぐっと低めです。そして私たちはプランニングをお願いすることにし、とりあえず具体的な要望なんて固まっていなかったにもかかわらず、気に入った住宅写真などを見せプランを練り始めました。

そこからのちょみっつ家の休日はすべてショールーム巡りと雑誌漁り、プランの打ち合わせに費やされました。平日もできうる限りの時間を使って情報を集め、自分たちの希望を具体化するべくちょみっつ1号2号は討議を重ねました。

カタログは部屋の一角に堂々とした山を作り、ガソリンはあっという間にEラインになる日々でしたが、「まずは希望を全て伝えてください」という設計士さんの言葉どおりに資料を集めちょみっつの「希望」をまとめる作業を続けました。

実を言えば、プランニングしているときからなんとなく違和感はありました。ネットや人様のお話しを聞けば設計士さんっていうのは、どんな土地でどんな家でどんな風に住みたいのか、そういったことを聞き取りながらプランを練っていく、とのイメージがありました。けれどちょみっつの家をプランニングしている設計士さんは全くちがいます。
でも、ちょみっつの疑問やご自分のこだわりについては気さくに話をして下さる方でしたし、住宅について超ドシロウトという認識だけは誰にも負けないほどはっきり持っていたちょみっつは、なんとなく感じる違和感もどう口に出していいやらわからず、打ち合わせを重ね入札となりました。

結局、出てきた結果は最低価格でもちょみっつの希望金額を500万以上オーバーしていました。それに見積もり詳細をよくみると、あちらこちらの仕様を落としてあります。

「やっぱり…」という気持ちと、とても短い期間で体力、気力すべて限界まですり減らして集めた夢と希望の数々がものの見事に玉砕したショックは本当に大きくて、しばらくは口も聞けませんでした。

別にその設計士さんが悪いと言っているのではなく、このシステムはこれでひとつの手法だとは思うのですが、予算も時間も知識も乏しい私たちちょみっつには不向きなシステムだったんだ、と今は思ってます。
時間に余裕があって工法から設備まで全てにおいてこだわりのある方にはお勧めかもしれません。

とにかくここではまるっきりのドシロウトだったちょみっつがたくさんの事を学べたことを感謝して幕引き、のはずだったのですが…
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