高血圧症について
高血圧とはどのような状態かといいますと、いろんな原因で「血管を流れる血液の圧力が高まっている状態」で、常に血管に刺激が加わり傷んでしまうということにつながります。
特に合併症がなければ症状はないので、気がつかないうちにどんどん血管が傷んでいき、いわゆる動脈硬化が進んでいきます。
日本の高血圧の患者様の数は、4000万人といわれており、非常に頻度の高い疾患です。
高血圧は、脳卒中をはじめとする循環器疾患や腎疾患の主要な危険因子で、血圧の水準が高いほど、脳卒中、心筋梗塞、心疾患、慢性腎臓病などの罹患率および死亡率が高いといわれています。
また、メタボリックシンドロームないしリスクが集積している人の、循環器疾患罹患および死亡リスクも約2倍に増加するようです。
日本国民の食塩摂取量は依然として1日11g程度あり、食塩摂取量を減らすことは、国民の血圧水準を低下させる上で極めて重要といわれています。
国民の平均値として、収縮期血圧水準が2mmHg低下すれば、脳卒中罹患率は約6％、虚血性心疾患は約5％低下し、1年間の死亡者数では脳卒中9000人、虚血性心疾患4000人程度減少するといわれています。
高血圧の基準について
診察室での血圧と家庭血圧における高血圧の基準はおおむね下の表のようなものです。
| |
収縮期血圧 |
拡張期血圧 |
| 診察室血圧 |
140 |
90 |
| 家庭血圧 |
135 |
85 |
また、白衣性高血圧といって、家庭血圧はよいのに診察室での血圧が高い患者様が15〜30％おられますが、将来的に持続性高血圧に移行し、心血管障害などにつながるリスクが高いと言われており安心はできません。この場合も生活習慣の改善が必要で、定期的な経過観察を必要とします。場合によっては薬物治療も考慮します。
家庭血圧の測定について
家庭血圧は、上記のような診断だけでなく、高血圧治療の効果判定、薬が1日中ちゃんと効いているかの判断にも使用します。
基本的には上腕（二の腕）に巻くタイプのものを使用して下さい。
測定に際の注意やタイミングに関しては下の表を参考にして下さい。
家庭血圧の測定に際しての注意点
朝：起床後1時間以内、排尿後、朝の服薬前、朝食前、座位1〜2分安静後
晩：就床前、座位1〜2分安静後
医師の指示により、夕食前、夕の服薬前、入浴前、飲酒前 など
その他適宜、自覚症状のあるとき、休日の昼間など、
測定回数：1〜3回
薄手のセーターやシャツの上から巻いても測定値にはほとんど影響しません。
血圧に関して不安が強い方は家庭血圧はあまりおすすめしません。
測定値に一喜一憂する必要もありません。
測った値に応じて血圧の薬をころころ変更してはいけません。
初診時の検査について
治療の目的
高血圧の治療の目的は、血圧の数値を下げることではなく、高血圧による心血管病の発症、進展、再発を抑制して死亡を減少させ、充実した日常生活を送れるようにすることです。
初診時にやること
採血：他の生活習慣病、例えば糖尿病や脂質異常症がないか、慢性腎臓病がないか。それによって血圧の目標値も変わります。
検尿：腎臓が負担を受けていないか蛋白尿をみる（微量アルブミンも利用する）
心電図と胸部レントゲン：心臓が負担を受けていないか
二次性高血圧の除外について
他の原因がある場合がある場合は、その原因の治療をしないといけないので。
診察や採血検査などにより、下記が疑われそうな場合はさらに検査をする。
（朝一に採血検査を行うのですが、別の日に出直してもらわないといけない。）
原発性アルドステロン症
褐色細胞腫
Cushing症候群
など
（以下、まだ途中です）
血圧の目標値について
ガイドラインより抜粋
ここに表を入れる
食事や運動についての指導
減塩など。2-3kg減っただけでもずいぶん血圧は下がる。
具体的な方法
たとえば。
運動の目安
どのぐらいの運動か。