配付垂木、隅木

 2回目は、配付垂木、隅木について考えてみましょう。

 鼻隠と同様、上から見れば、配付垂木上端の切り墨は45度です。上図も解りにくいですが、垂木は殳分の勾で傾いていますの

垂木幅を殳とすれば、殳ではなく延び分のあがった玄の位置が切り墨となります。規矩術的に言えば、玄で切ると言うことに

なります。B図でやはり殳対玄=殳α対玄αとなるので(当たり前)、本にある玄で切ると言うことになります。B図は、原寸の

起こし方と考えていいと思います。

 側面については、横から見たとき実際のものなので、そのまま勾配をとればいいと言うことになります。

今なんて、ばかばかしいことを言っていると思っていると思いますが、考えの仕方がこれから役にたってきます。

今は、軒に反りが無い場合のことで考えていますが、反り軒の場合は、殳で切るとか、玄で切るというのは、ほとんど

使えなくなりますので、考え方だけが役に立ってきますので、今しばらく、このばかばかしさを、一生懸命やってください。


                              C図

 C図を見る時、Aの方向から見ればいわゆる平勾配となる。隅は隅木と考えてください。でも、 当たり前ですがA方向から見れば

隅木もやはり平勾配です。それは、隅木が実際の長さではないからです。B方向から見なければ真の長さとはなりません。

ここで、√2殳(当たり前ですが)を覚えてください。√2×√2=2この2が大工だと頭に引っ掛かる(?)人もいると思いますが、

隅木の落ち掛の半勾配に関係する2です。C図で説明すれば、B方向から隅木を見て、それを桁に移したとき√2×√2殳行って

勾上がるということになり、規矩術的に言えば、半勾配ということになります。

 隅木山について考えてみましょう。
     
 隅木山とはなんなのか。野地板を垂木に張ったとき平らに張れる。広小舞を取り付けた時、隙間ができないように

なればいいと考えていいと思います。隅木の山は隅中勾と言われますが、A方向を考えれば水平ということになり、

A方向と直角方向ならば平勾配となり、45度方向ならば隅勾配となります。ならば、隅木山は隅勾配でいいのではと

思いますが、材料は真矩
と仮定されているので隅勾配ではなく隅勾配だけ前に転んだ隅中勾になります。ここで、注意しなくては

ならない事があります。それは、補玄にならないかということでですが、立水に切った時隅勾配になるのだから、隅勾配より

急になることはあり得ない。これらのことは、いままで、繰り返してきたこと、訓練を糧に考えてみてくれればわかると思います。

また、現物で作って見ても解るはずです。

                                            

 

   

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規矩術