【 第5回】
Tournament Poker For Advanced Players by Davud Sklansky
数々のポーカー戦略の名著の著者であるDavid Sklanskyが,初めてトーナメントポーカー戦術を体系的に記述した物.ライブポーカーの中級者以上を対象としており,また知識としてもいろいろなオッズ,特に(pre
flop, Heads upでの勝率)についても既知であるプレーヤーを仮定しているので初心者には若干不親切だが記述は平易である.基本的に,比較的高額のBlind
Stealが利きやすいトーナメントを前提としており,リスクの最小化にかなりの力点が置かれている.壁にぶつかったような時に自らの思考の再整理をする場合などに非常に強力な武器となる.トーナメントポーカーブームの今,本書の思考法を念頭において置くことは,最低限必要な準備であると言えよう.
【 第4回】
Blackbelt in Blackjack by Arnold Snyder
数々の新規戦略を発表してきたBlackjack Forumの主宰者であるArnold Snyderの代表著作。書き進め方は、通常のBlackjack攻略本と同様であるが、Shuffle
Trackingについての比較的まとまった記述がある。これはBlackjack Forumの過去の一連のShuffle
Trackingに関する連載(俗にShuffle Tracking seriesと呼ばれている)からの抜粋であり、連載当時BJ攻略コミュニティにおいて、大きな波紋を呼んだ。
Shuffle Tracking可能なdealerについての情報などもネット上でみかけることが多くなってきたが、その際dealerのシャッフルの仕方の表現方法は、本著の形式にならっていことが非常に多く、Shuffle
Trackining情報を読みこなすためにも本著は必須となる。その他、Zen, Red7等のシステムに加えHi-Loを単純化したHi-Lo
liteの記述など盛り沢山である。初心者向きの筆致にはなっていないが、必要な情報がバランスよく記述されており、全ての人が必ず読まなければならない一冊。
【 第3回】
The Theory of Poker by David Sklansky
数多くの良質なライブポーカーの戦略書を書いている著者の一連の本の中でもベストな本。"The
theory"と言うよりは、「ポーカーゲームの様々な局面における基礎的な考え方とその背景」と言った方が本書の内容をより的確に表しているであろうか。ライブポーカーは経験が非常に重要なことは言うまでもないが、上達課程において見当違いの努力で無駄な授業料を払うよりは、本書を通じて基礎的な考え方を身につけて実戦に挑むのとでは上達のスピードに格段の違いがあると思う。
ポーカーの上級者でもない私が推薦するだけでは信憑性に乏しいと思うので他の人の意見を紹介しておくと、例えば有名なギャンブル系コラムニスト(兼プレーヤー)のAndy
Glazerも「絶対読むべし!」と評価しているし、日本ポーカープレーヤーズ協会の推薦書でもある。また、私のもっているBJ本と互角の量のポーカー本を読破しているsolid
poker playerのawk氏も「真っ黒になるまで読み返した好著」であるとのこと。この他随所でmust readとされいる本書は、言わばポーカー戦略本のバイブルでもあり、シリアスポーカープレーヤー必携の一冊。能書き派プレーヤーの方も、この本の内容程度のことは前提知識として持ち合わせておきたいものである。
なお、the "theory"とあるのでThe
theory of blackjackのように数学的に敷居が高く感じるかも知れないが、本書の要求する数学は中学生レベルであるので心配する必要はない。一方、英語の構文・表現が若干こなれていない所があるので、読み取りにくい箇所がいくつかある。しかし、その部分こそが「核心」だったりするので上滑りではなくじっくり読みこなして欲しい(上述のAndy
Glazerも似たようなことを書いているので、nativeにとっても多少つらいようである)。
【 第2回】
BeatWebCasinos.com:by Bill Haywood
一言でいえばオンラインカジノの真っ当な必勝法。 「ほんとに勝てるのかよ?」と疑問に思われるのも当然であるが、是非騙されたと思って手にされてみたい。ゲーム自体では儲けることが出来なくても、各種のプロモーションやボーナスを渡り歩くなどの手法を取ればトータルとして小遣い銭以上の金額を稼ぐことも不可能ではないことが明快に解説されている。即ち、いわゆる「サビ抜き」と呼ばれる手法をオンラインカジノで実行するためのノウハウを詳細に記した著。このような出血大サービスのプロモーションをなぜ、オンラインカジノが行うのかといった経営的な側面からはじまり、送金と勝ち金の回収の方法、信頼性の高いオンラインカジノソフトを判別する方法、信頼出来るカジノとインチキカジノのリスト、インチキカジノに関する情報が集まる掲示板の情報等などが書かれている。もちろんゲーム自体を損失を少なくプレーしたり、勝ち負けの荒れを少なくしてプレーしたりする方法などにも言及されている。カジノの情報やプロモーションのトレンド等についてはもはや最新という訳ではないということには注意されたいが、考え方の基本を習得するという意味において、オンラインカジノや・off shoreスポーツブックをプレーする前にまず読むべき好著。
(なお、当然オンラインカジノ自体が合法か否かについては先進諸国でも微妙な情勢のため、勝ち負けのリスクはもちろんのこと、ご自分がプレーされること自体の違法性についてのリスクも本HPでは一切関知しないので自己責任で行われたい。また、本HPではオンラインカジノのバナーを張ることは現状では考えていないことも明記しておく。)
(この業界は情勢の変化が激しいので、既に情報としてはobsoleteである。2004年2月追記)
【第1回】
Knock-Out Blackjack-- by Olaf Vancura & Ken Fuchs
本サイト開設当初から推薦してきたこの本であるが、敢えてもう一度紹介。
BlackjackにおけるCard countingを出来る限り一般レベルのプレーヤーの方にでもこなせるように簡略化を試みつつ、カウンティングの効果を最大限に高めるという相反する命題を解決した非常に画期的な本。発刊当時ブラックジャックコミュニティーに一大センセーションを巻き起こした。本サイトの以前からの愛読者の方なら既に手にされている方も多いと思うが、未だの方は是非通読されることを勧める。記述も比較的容易なので頑張れば英語があまり得意でない人にも読みこなすことは可能。買って絶対に損は無いと断言出来る一冊。ベーシックストラテジー通り打つのに飽きたラスベガスフリークの方から、balanced
countに疲れてきた方など、専業プロの方以外の全ての方に捧げる本。21世紀に入り、blackjackが"profitable"であったという時代が歴史の彼方に去りつつある今(←これ本当)、この本をマスターして最後の戦いに出掛けよう。!なお、現在発売されているのは第2版。
【オマケ編(和書)】
○ ポーカーブルース小博打のススメ -先崎 学
プロ棋士によるチンチロリンなど様々な小博打のルール紹介.洋モノ種目(BJ,ポーカー)に対する認識と理解が,日本の能書きオヤジの典型例である.古典的な日本のオヤジ小博打打ちの雛形を見たい方はどうぞ…
○ カジノが日本にできるとき -谷岡一郎
カジノの功罪を比較的冷静に分析しており,アメリカの事例が詳しく載っている.
○ ポーカーブルース-樋口修吉
ポーカーを軸に展開する小説。実際のゲームのシーンが少ないのでポーカーフリークには全く物足りないが、日本語でのポーカー小説は貴重ですから。。。。。2001年3月8日の「遠吠え」のコーナーも参考のこと
○ カジノ-黒野十一
当HP書評欄でぼろくそにけなしている本。嘘・間違い・誇張のオンパレードであるが、本としてはしっかり書けている。以上承知の上ならどうぞ。。。。。
○ カジノゲーム-田島ムーズ
非常に醜悪なカジノゲーム解説ガイド。脱力感を楽しみたいなら。。。。書評欄も参照のこと。
○ ギャンブルに人生を賭けた男たち-Michael Konik(著)、真崎義博(訳)
米国のアドバンテージ・ギャンブラーの生態を明かすノンフィクションの短編集。BJ関連では、counting,
Hole card play, warp, cooler, Blackjack Forum,
Shuffle tracking, Slug...などの用語が随所に出てくる。ライブポーカーではPhil
Helmuth, Johnny Moss, Huck Seed (vs Men
Nguyen)のそれぞれ別立ての伝記、MirageのBig
Gameの話や、著者のWSOP奮戦記もあり。またMax
Rubin (名著Comp Cityの著者)がCompによるサビ抜きを実践指導する話もあり。更に、NFLのSportsbook関連の短編も数編ある(しかもCHARGERSとSFのSuperbowlが題材だったりする(^^;))。単独の章ではないが、Video
Poker関連では、DB10/7,JB9/6, Bob Dancer等の単語も出てくる。要するに本HPの内容にドンピシャに一致する本(+競馬、ゴルフ、グレーハウンドの章もあり)。一般読者向きであり戦術論はもちろんほとんど出てこないが、本HPをご覧の方なら行間をいろいろと深く読めるであろう。380頁と分厚い文庫本で714円と値段も安いし言うこと無し。誤訳と思われる部分や注釈の説明不足もあるが、まあそういう固いことは抜きにして!!
○ カジノゲーム入門事典-谷岡一郎、松田道弘
各種カジノゲームのルールと戦術、カジノゲーム用の初級英会話をも含む初心者向き総合カジノゲーム解説書。バランス良くまとまっている好著。但し、若干情報が古くなりつつある点に注意。本HP書評欄も参照のこと。
○ シンシナティキッド-Richard Jesupp(著)、真崎義博(訳)
ご存知のポーカー映画の原著。ゲームは5
card stud。
○ 賭けに勝つ人嵌る人- 松井正就
スロット、ルーレットを中心としたオヤジ理論爆裂大満開のラスベガス奮戦記。当HP書評欄も参照のこと。2002年3月の新刊。