読者からの質問と回答 01031 〜 01040
R^n の2つの開集合の共通部分と和集合がまた開集合であることの証明を教えて下さい.
授業のレポートで「A, B を R^n の開集合とすると,A ∩ B と A ∪ B も開集合であることを示せ」
というのがあったのですが,どのように証明してよいか分かりません.
もしよろしけば,模範解答か解法のヒントをお願いいたします.
お答えします:
ご質問を拝見致しました.
「R^n の2つの開集合の共通部分と和集合はまた開集合である.」
これは,位相の基本的な命題です.
ほとんどすべての位相の教科書に証明,または,ヒントとなる証明が書かれています.
Kさんがお持ちの教科書,または
図書館等で位相の参考書を調べてみられることをお薦めします.
テキスト
『はじめよう位相空間』
の定理 8.13 もそれらの1つです.
可分空間とは何を分けるのですか? 可分空間の目的は何ですか?
「可分」の概念について質問します.
可分 (separable) は何が「分けられる」のでしょうか.
また,可分という概念を取り入れた目的はなんでしょうか.
どの本をみても可分の定義や可算公理との関係は書いてあるのですが,
可分という概念を導入した必要性が感じられません.
ご教示いただきたく,宜しくお願いいたします.
お答えします:
面白い質問をお送り頂きまして,ありがとうございました.
第 1 の質問について,
可分の定義は可算稠密集合が存在するということですので,
何が分けられる (separable) のか?という M.A.さんの疑問はもっともだと思います.
可分という概念がはじめて定義されたのは,M. Frechet という数学者の 1906 年の論文
"Sur quelques points du calcul fonctionnel"
だと言われています.
M. Frechet はこの論文で,距離空間の概念を初めて導入しました.
本論文ではまだ距離空間という用語は使われていませんが,可分 (separable) という用語は定義されています.
この論文を見てみると,M. Frechet は実数直線の性質を距離空間に一般化する過程で,可分の概念に到達したように思います.
さて,なぜ「可分」と名付けたのか?という理由を知るためには,
タイムマシーンに乗って M. Frechet 先生に尋ねに行く以外に方法はありませんが,
私の推理を述べてみます.
実数直線の稠密な部分集合 D は次の性質を満たします.
任意の異なる2つの実数 a < b に対して,a < x < b をみたす D の元 x が存在する.
すなわち,異なる2つの実数は D の元によって分離されます. この事実を念頭において,可算な稠密集合が存在することを,可分と名付けたのではないでしょうか? もちろん,実数直線と異なり一般の距離空間では順序 < が定まっていないので上の性質は無意味ですが,実数直線の稠密集合をモデルとして可算稠密集合が存在する空間を可分 (separable) と名付けたのではないかと思います.
第 2 の質問について,
M. Frechet は,一般の距離空間において,実数直線の中の有理数の集合に相当する働きをする集合を必要として,可分性の概念を導入したのではないかと思います.
彼は,上記の論文の中で,今日の言葉で言えば「全有界かつ完備である距離空間はコンパクトである」という定理を証明しています.この定理は,「全有界」と「完備」という2つの距離空間の性質から「コンパクト」という位相空間の性質が導かれる興味深い結果ですが,全有界を位相的性質に翻訳すると「可分」になります.
詳しく言えば,次のことが成立します.
全有界な距離空間は可分である.
逆に,可分距離空間は,その位相構造を変えないような距離関数を与えて,全有界距離空間にできる.
つまり,可分性は距離空間の全有界性を縁の下で支える位相的性質であると言えると思います.
たぶん,M.A.さんもご存知のように,距離空間では可分であることと第2可算公理をみたすことは同値ですので,第 2 可算公理があれば可分は不要ではないかと思われるかも知れません. しかし,その後の研究で,可分性は第 2 可算公理よりもはるかに強固で自由度が高い位相的性質であることが明らかになりました.例えば,
(1) 非可算個の位相空間(ただし,2点以上を持つとする)の直積空間は第2可算公理 を満たさないが, 可分性は連続体濃度の個数の位相空間の直積空間まで保たれる (Hewitt-Marczewski-Pondiczery の定理).
(2) 可分な位相空間上の実数値連続関数全体の集合の濃度は連続体濃度を超えない.
これ以外にも可分性が役立つ定理は多くあり,現在では,可分性は無くてはならない位相的性質として認められるようになりました.
上記の M. Frechet の論文は日本語訳が出版されています.
現代数学の系譜 13『フレシェ抽象空間論』斎藤正彦,森毅,杉浦光夫訳,共立出版 1987 年
区間 [a, b] 上の関数 f とその逆関数 f^{-1} のグラフが直線 y = x に関して対称である理由を教えて下さい.
区間 [a, b] で定義された関数 f(x) に対して,これの逆関数は,f(x) を直線 y = x に関して対称に折り曲げたグラフであるのはなぜですか?
教えてください.
お答えします:
いま,D.I.さんが大学生であると仮定して,お答えします.
もしもっと若い人だったら,もう少し詳しく説明しますのでお知らせ下さい.
はじめに次の事実を確認して下さい.
関数 f の逆写像が定義できるのは f が全単射の場合だけである.
『はじめよう位相空間』 定義 3.20(p.36)参照.
例えば,全単射である関数 f : [0, 1] --> [0, 2] ; x |--> 2x の逆関数は
f^{-1} : [0, 2] --> [0, 1] ; x |--> x/2
です.これらの関数 f と f^{-1} のグラフを正確に描いてみて下さい.
次に,上の例にならって,次の関数 f の逆関数 f^{-1} を求めて,グラフを描いてみて下さい.
(1) f: [1,2] --> [3,5]; x |--> 2x+1
(2) f: [0,2] --> [0,6]; x |--> -3x+6
(3) f: [0,2] --> [0,4]; x |--> x^2
上の3つの関数とそれらの逆関数のグラフが描けましたか? もし正確に描けたら,もう自然に答えが得られたのではないでしょうか. 数学では,具体的な例から一般的な法則を導くことがよくあります. D.I.さんも,上記の具体例をよく観察すれば,ご質問の答を導きだせると思います.
写像による集合の逆像はつねに存在するのですか?
会社を定年になって,これらを趣味で,少しずつですが勉強をしています.
現在,先生の著書
『はじめよう位相空間』
を買って読んでいます.
それで,小生に理解できない箇所に付いて質問があります.
定理 9.1 の (2) と (3) の文章です(114頁).
f^{-1}(U), f^{-1}(F) が存在すれば,次に続く証明も良く理解できます.
しかし,前提条件の任意の距離空間から任意の距離空間への任意の写像
f: (X, d_X) --> (Y, d_Y)
に対して,逆像が(必ず)存在する事が示されていないので,この (2) と (3) の文章は頭に引っかかってしまいます.
この114頁より前の頁を,あっちこっち探しましたが,この (2) と (3) の文章の成立性が理解ができません.
多分,「見落とし」や「理解不足」が十分に考えられますので,どの箇所(114頁より前)を見れば良いかを御教授いただければ幸いです.
お答えします:
2 段階に分けてお答え致します.
1段階目:
任意の写像 f: X ---> Y と Y の任意の部分集合 B に対して,f による B の逆像
f^{-1}(B) は常に存在します.
逆像 f^{-1}(B) の定義は 34頁の 定義 3.10 にあります.
すなわち,f^{-1}(B) は f(x) ∈ B をみたすような X の要素 x 全体の集合です.
もし「頭に引っかかってしまいます」と言われる理由が,この定義の意味がよく理解できないということであれば,その後の 例 3.11, 3.12 と 問 3,問 4 をお読み下さい.
たぶん,明快になると思います.
2段階目: 「頭に引っかかってしまいます」と言われる理由は,逆像の定義の意味はよく分かるのだが,その存在が腑に落ちないということかも知れません.確かに,定義できれば存在するか?というのは自然な疑問です.
極端な例を1つ考えましょう.
いま仮に,宇宙数という数を「1より小さく,かつ,2より大きい整数を宇宙数とよぶ」と定義してみます.
これで宇宙数を定義することはできましたが,このような数は明らかに存在しません.
つまり,定義できるということは,存在を意味しません.
K.K.さんの疑問が,もしこのことであれば,それは集合とは何かという問題に関わる根源的な問題です.
「集合」という概念は厳密には複数の公理(=公理系)によって定められています(154頁,注意2参照).
通常の集合の公理系は10個の公理からなっていますが,その中の1つに,
「集合 A に対し,論理式 P(x) をみたす A の要素 x の全体,すなわち,{x ∈ A : P(x)} はまた集合である」という公理 (Comprehension axiom) があります.
逆像の定義は
f^{-1}(B) = {x ∈ A : f(x) ∈ B}
でしたので,f(x) ∈ B の部分を P(x) と考えれば,この公理によって存在が保証されていることが分かります.
最後に,この公理を上記の極端な例にあてはめると, 宇宙数は存在しないが,宇宙数全体の集合は存在することになります. 変な感じがするかも知れませんが,それは空集合として確かに存在しています.
x = (x_1,・・・, x_2006) ∈ S <=> Π_{i=1}^{2006}x_i = 2006
で定義される集合 S のコンパクト性を証明したいのですが.
x = (x_1,・・・,x_2006)∈S <=>Π_{i=1}^{2006}x_i = 2006 で定義される集合 S がコンパクトであることを示せ.
全く検討がつきません.この問題についてご説明下さい.
Π_{i=1}^{n}x_i は,x_1 から x_n までの積(=乗法)を意味します.
お答えします:
このような問題を考えるこつは,まず n が小さい数字の場合を考えてみることです.
出題者はたぶん今年の西暦にちなんで n=2006 とされたのだと思いますので,
n が他の数字でも本質的な違いがありません.
そこで n = 2 の場合を考えます.
n = 2 のとき,上の集合 S は
S = {(x,y) ∈ [1, 2]^2 : xy = 2} = {(x,y) : xy = 2} ∩ [1, 2]^2.
すなわち,S は平面上の正方形 [1, 2]^2 と関数 y = 2/x のグラフ G = {(x,y) : xy = 2} との共通部分です.
図を描いてみて下さい.
さて,S がコンパクトであることを示すためには,
関数 y = 2/x のグラフ G が平面 E^2 の閉集合であることを示せば十分です.
なぜなら,もし G が E^2 の閉集合であることが示されれば:
(1) S = G ∩[1, 2]^2 は [1, 2]^2 の閉集合.
(2) [1, 2]^2 はコンパクト.
(3) S はコンパクト空間 [1, 2]^2 の閉集合だからコンパクト.
上の (1), (2), (3) では,それぞれ『はじめよう位相空間』の系 8.16,定理 11.20,定理 11.11 を使っています.
最後に,G が E^2 の閉集合であることを示します.
実数値連続関数 f : E^2 ---> E^1 ; (x, y) |---> xy を考えると,
G は f による集合 {2} の逆像として表される,すなわち,G = f^{-1}({2}).
1点集合 {2} は E^1 の閉集合で f は連続だから,G は E^2 の閉集合.
参照:『はじめよう位相空間』の定理 9.1.
以上によって,n=2 の場合に S が閉集合であることが示されました.
n = 3 の場合は
S = {(x,y,z) ∈ [1, 3]^3 : xyz = 3} = {(x,y,z) : xyz = 3} ∩ [1,3]^3.
同様に,n = 2006 の場合を考えてみられてはいかがでしょうか.
n 次直交行列全体の集合がコンパクト,非連結であることの証明を教えて下さい.
質問よろしいでしょうか?
n 次の直交行列全体は,(1) コンパクト,(2) 連結でないの証明です.
(1) おそらく議論の流れは,まず直交行列 A に相対位相をいれ位相空間とし,
それとユークリッド空間の何かの有界閉集合との間に同相写像(それを考えた際の逆像の連続性を示す)を考えれば良いのだと思いますが,具体的にどのような操作をするのか考えつきません.
(2) は (1) を使うのだとおもいますが,これも具体的な操作が分かりません.
よろしければ教えて下さい.
お答えします:
n 次の直交行列全体の集合 X がコンパクトで連結でないことを,
どのように証明するか?
というご質問だと思います.
n=2 の場合の考え方を説明しますので,n 次の場合はIさんに考えて頂きたいと思います.
2 次の直交行列 A の成分を一行に書き直して,
A = (a_{11}, a_{12}, a_{21}, a_{22})
と表すことにより,A を 4 次元ユークリッド空間 E^4 の点とみなす.
これにより,集合 X は E^4 の部分集合であると考えられる.
このとき,次の (1), (2) を示すことが目標:
(1) X は E^4 のコンパクト集合,
(2) X は E^4 の非連結集合.
さて,2次の直交行列 A は,適当なθ(0≦θ≦ 2π) により,次のいずれかの形
に表される.
A = (cos θ, -sin θ, sin θ, cos θ)(回転),
A = (cos θ, sin θ, sin θ, -cos θ)(鏡映).
そこで,上の形の直交行列全体の集合を Y ,下の形の直交行列全体の集合を Z で表す.
すなわち,
Y = {(cos θ, -sin θ, sin θ, cos θ) : 0 ≦ θ ≦ 2π},
Z = {(cos θ, sin θ, sin θ, -cos θ) : 0 ≦ θ ≦ 2π}.
このとき,X = Y ∪ Z.
いま閉区間 [0, 2π] から E^4 への 2つの写像 f, g を
f(θ)=(cos θ, -sin θ, sin θ, cos θ),
g(θ)=(cos θ, sin θ, sin θ, -cos θ)
によって定めると,f, g は連続(参照:『はじめよう位相空間』系 5.15)で,
f([0, 2π]) = Y かつ g([0, 2π]) = Z.
したがって,Y と Z はそれぞれコンパクト空間 [0, 2π] の連続写像 f, g による像だからコンパクト.
ゆえに,X = Y ∪ Z もコンパクト.
次に,Y と Z はコンパクトだから E^4 の閉集合.
また,Y と Z は交わらない(なぜか?).
結果として ,X は交わらない2つの閉集合の和集合だから非連結.
以上により,(1), (2) が示された.
第 2 可算公理をみたす空間の部分空間が第 2 可算公理をみたすことの証明がわかりません.
理学部数学科に通う2年生です.
「A を位相空間 X の部分位相空間としたとき,X が第2可算公理を満たすなら A も第2可算公理を満たすことを示せ」という問題があったのですが,
「Bを X の開基としたとき,{B ∩ A : B ∈ B} が A の開基となる」ことを示せばいいのかと思っているのですが分かりません.
もしよろしければ、模範解答をお願いします.
お答えします:
ご質問にお答えするために,位相空間 X の部分位相空間 A に関する次の2つの命題 1と 2 を考えます.
命題1. X が第2可算公理を満たすなら,A も第2可算公理を満たす.
命題2. B を X の開基としたとき {B ∩ A : B ∈ B}は A の開基である.
M.S.さんの言われる通り,次の2つの問 (1), (2) に答えることができれば, 問題の命題1が証明できたことになります.定理:位相空間 A が位相空間 X の部分空間であり,U ⊂ A であるとする. このとき,U が A の開集合であるためには,U = G ∩ A である X の開集合 G が存在することが必要十分である.
この定理は,部分空間の定義からすぐに導かれます.
『はじめよう位相空間』
の 134 ページにも解説がありますので参考にして下さい.
M.S.さんの証明がうまく完成することを祈っています.
2017/3/8 改
和集合 A ∪ B の境界が A の境界と B の境界の和集合に含まれることを証明したいのですが.
はじめまして!大学の理学部数学科にかよう2年生です.
位相の授業のレポートで「位相空間(X, μ)において,任意の部分集合 A, B に対し,A ∪ B の境界は A の境界と B の境界の和集合に含まれることを証明せよ.」というのがあったのですが,
定義は書き出してみたものの,どのように証明してよいか取っ付きの部分から分かりません.
もしよろしければ,模範解答か解法のヒントをお願いいたします.
お答えします:
ご質問の問題は,位相の Exercises の中では難しい部類に入る問題だと思います.
授業では違う記号を使っておられるかも知れませんが,ここでは部分集合 S の境界を Bd S で表すことにします.
ご質問の内容は,
Bd (A ∪ B) ⊂ Bd A ∪ Bd B
をどのように証明すればよいかということだと思います.
以下,
x ∈ X を x in X と書き,x ∈ X の否定を x notin X と書きます.
証明を与える前に,
一般に,包含関係 X ⊂ Y を証明する方法と境界点の定義について復習しておきます.
一般に,包含関係 X ⊂ Y を証明するためには,次の3通りの方法があります.
任意の x に対して [x in X ならば x in Y] を示す.
任意の x に対して [x notin Y ならば x notin X] を示す.
[x in X かつ x notin Y] である x が存在したと仮定して矛盾を導く.
第 1 はもっとも普通の方法,第 2 は第 1 の対偶を示す方法,第 3 は背理法を使った証明です.
次に,点 x が S ⊂ X の境界点であることの定義とその否定を復習しておきます.
x in Bd S <=> x の任意の近傍 U に対して,U ∩ S ≠ φ かつ U ∩ (X - S) ≠ φ.
x notin Bd S <=> x のある近傍 U が存在して,U ∩ S = φ または U ∩ (X - S) = φ.
Bd (A ∪ B) ⊂ Bd A ∪ Bd B の証明:
背理法(上で述べた第3の方法)で証明する.
もしこの包含関係が成立しないと仮定すれば,
(1) x in Bd (A ∪ B) かつ (2) x notin Bd A ∪ Bd B
である点 x が存在する.
(2) より,
(3) x notin Bd A かつ (4) x notin Bd B.
(3) より,x のある近傍 U が存在して,(5) U ∩ A = φ または U ∩ (X - A) = φ.
(4) より,x のある近傍 V が存在して,(6) V ∩ B = φ または V ∩ (X - B) = φ.
ところが,(1) より ,
x の任意の近傍 W に対して,W ∩ (X - (A ∪ B)) ≠ φ.
特に,U と V に対して,
U ∩ (X - A) ⊃ U ∩ (X - (A ∪ B)) ≠ φ かつ V ∩ (X - A) ⊃ V ∩ (X - (A ∪ B)) ≠ φ.
したがって,(5) と (6) で,U ∩ (X - A) = φ と V ∩ (X - B) = φ は起こらない.
結果として,
U ∩ A = φ かつ V ∩ B = φ が成立する.
ゆえに,
(U ∩ V) ∩ (A ∪ B) = (U ∩ V ∩ A) ∪ (U ∩ V ∩ B) ⊂ (U ∩ A) ∪ (V ∩ B) = φ.
U ∩ V は x の近傍だから,
A ∪ B と交わらない x の近傍が存在することが導かれた.
これは (1) に矛盾する.証明完成!
位相の科目の勉強の仕方は,どのようなやり方がおすすめでしょうか?
位相の科目の勉強の仕方としてはどのようなやり方がおすすめでしょうか?
私は,大学に入ってからは,まず定義をしっかりと覚えるなり,書き出すなりして,さらに何を証明すればよいか(つまり,目標)を書き出してからスタートするというやり方をしています.
それと,例題の解き方の流れというものを暗記することを心がけているのですが・・・.
もしよろしければ,アドバイスのほどお願いいたします.
お答えします:
定義や証明をノートに書くことはとても大切だと思います.
小平邦彦という先生は,著書『数学の学び方』の中で,どんな難しい証明も100回繰り返して書いてみれば,必ず理解できると書いておられます.
手を動かすことには不思議な力があることを,私もときどき実感しています.
M さんも,ノートに書いて整理することを続けられるとよいと思います.
ただし,受験勉強ではありませんので,暗記しようと考える必要はないと思います.
いろいろな概念がたくさん出てきますので,それらをすべてを覚えることは大変です.
ノートがきちんと整理されていて,ノートを見ればすぐ分かる状態になっているのがベストではないでしょうか.
M さんの今後の勉強の発展を祈っています.
『はじめよう位相空間』演習問題 12 の問題 20(182ページ):
半開区間 H = [0, 1) について,不動点を持たない連続写像 f : H --> H の例を見つけるヒントを下さい.
演習問題 12,問題 20 は具体例を見つければよいと思うのですが,思い浮かびません.
ヒントを頂きたく,よろしくお願い申し上げます.
ヒントです:
単位閉区間 [0, 1] 上で,点 x = 1 だけを不動点に持つ単射連続写像 f : [0,1] --> [0,1] をみつけて,
次に,H = [0, 1) への f の制限写像を考えればよいと思います.
全単射な f を作ろうとしないことが鍵です.