総務課に決まってからすぐの頃のこと
ある年の12月 普通局総務課着任

 最繁忙期、局内がもっともばたばたとしている時期に研修所を放り出されました。こんな時期の転勤は、受け入れ先にとっても迷惑の一言でしょう。もっと考えてほしいよ。。。。(心の叫び)

私が決まったのは、職員数約300人の中規模(?)な局でした。希望どおり!・・・というわけではなく、だからといって、希望していない、というわけでもない微妙なあたり具合でした。

確かに、総務課は希望しました。でも、もうちょっと近いとこが良かった。贅沢??

だって、今までの通勤時間は30分だったの。研修所なんて通勤時間ないし。でも、最近は慣れました。なんてったって下りの特権!座ってこれるんです!!これは、でかいです。朝の貴重な時間を電車には1時間ほど乗っているんですが通勤途中にお勉強ができます。第二種安全衛生管理者試験の勉強もこの時間にやってました。

私、朝ってすごく機嫌悪いんです。前の局では、11時ごろまで誰も私に声かけなかったぐらい・・・。眠いし、頭働かないし最悪なんです。まあ、そんなことはどうでもいいことです。

私は、『増員一名』として配属になったわけです。総務課のしまは、『庶務』と『会計』に分かれていました。現在は、退職や転勤等があり、1名欠の状態です。まず、初日に写真をとりました。胸章・職員証に使うものです。


まず最初に、局長より辞令簿をいただきました。辞令簿をもらうのは何回目なんだろうな。。。ふと思いついて家に帰ってから数えてみるとひい、ふう、み、・・・8枚もある。
勤続年数丸10年経ってないってのにすごいわ〜。まあ、こんなことはどうでもいいことです。

次に、総務課長と個別対話を行いました。これに関しては、特に書くこともございません。そして、机に案内されました。『自分専用』の机です。嬉しいです。仕事はじめてから、ジプシー(巡回)生活が長かったから自分のものへの愛着が人より強いんでしょうね。そしてまた、窓口につく当務者には自分専用の机など無いのですから自分の荷物(電卓とかはさみ等の小物たち)は、常に持ち運びができるようにしていました。これからは、机にしまっておけるんだ-と素直に嬉しかったのです。

ところで、庶務チームの一員となった私に最初に与えられた担務は『庶務係』

これってなんですか??庶務っていわゆる雑用でしょ??

出勤簿管理
休暇経理簿
管理者の勤務指定表作り
皆様方のお手伝い

これが私の仕事?よくわかりません・・。

茶色い表紙の『勤務時間の手引き』東京郵政局作成を渡され途方にくれる。時は、年末に向けてラストスパートをかけている時期殺伐としたある種独特の緊張感が漂ってます。



年末のある日集配営業課の脇を通り抜けるとき、けつまずいて転びそうになりました。

「チッ」

舌打ちが聞こえました。・・・・・。(>_<)。こわいよーーー。

年末は、それぐらいみんなカリカリしています。私は、これといった仕事もなく皆様方から言いつけられることをしておりました。

「何かお手伝いすることはないですか?」

聞いて回って、皆様方のお手伝い。でも、特定局出身の私にとって普通局は未知の世界です。総務課について何にも知らないのですから手伝うと言ったって、誰でもができるようなことしか出来ません。

はっきり言って、『お荷物』です。お荷物以外のなにものでもありません。

しかも、研修所出たての脳みそは働くことを拒否していて毎日がとてもつらいのです。『仕事したくない病』からのリハビリには、約4ヶ月かかりました。研修所が恋しかった。あの、研修所での日々は、確かに大変だったけど心から、笑えるときがあったもん。今は、落ち込むことが多くて心から笑うことがありません。


12月中、年末年始ゆうメイト採用関係の事務をお手伝いしていました。
ゆうメイト一人雇うのって、すっごく大変なんですね。今まで、全く知りませんでした。年賀のアルバイトにきてくれる方たちはほとんどが、高校生です。
『18歳に満たない者を雇う場合には、事業所内に戸籍の年齢を証明するものを備え付けなければならない』
労働基準法第57条(年少者の証明書)にはこのようなことがうたわれています。


そこで、18歳未満で未経験者の『住民票記載事項証明願い』を役所に持っていき証明してもらいます。また、健康保険適用関係の法律で『適用除外承認申請』をしなくてはいけないことになっています。これは、所轄の社会保険事務所へ提出するもので年賀の時期だけ雇用しその後は、雇用を終了してしまう方全ての分を証明してもらう必要があるのです。また、労働安全衛生法(第59条)により雇用主の義務として雇い入れたとき、必ず安全衛生教育を行うことが明記されています。そこで、事前説明会が必要になってきます。他にも、交通傷害保険に加入させたりいろんな事務処理が必要なのです。

もちろん、その前には採用のための事前準備があります。500人以上のゆうメイトを確保するために

勧奨状(DM)の発送のための文案作りから始まって
申し込みはがきの印刷所への発注
宛名印刷
封筒詰め
発送

採用説明会準備
採用説明会
人数確保のための再勧奨


採用通知の発送
給与振込の手続き
交通費の認定事務
適用除外承認申請
住民票記載事項証明願の提出
認定交通費の通知
採用時説明会準備
採用時説明会

etc

思いつくものを並べただけでもこんなにたくさん・・・。当然、これだけをやっているわけじゃないので当然日々の作業もやりつつ進めていくわけで・・・・。

これを見たら、『総務課って、暇だよね』とは、言えないと思うんだよね。

上記のようなゆうメイト関係のことを担当する人を『賃金担当』と呼んでます。



◆ 年が明けました ◆

局内も、やっと落ち着きを取り戻したようです。

でも、私は庶務チームの庶務です。お味噌から、少しは脱却できたのかというとそんなことはなく、相変わらず、提案の取りまとめだとかよくわからないけど、たいした事のないように思えることばかり言いつけられて過ぎていく毎日が続きます。

総務課にきて日が浅いので、何をしなくちゃいけなくて、何をしたら良いのかが解らないんです。なんだか、私の想像していた総務課ってなんだったんだろうな〜なんて思ったりもします。始業から終業までの時間の長いこと長いこと・・・。暇をつぶすのに疲れてしまいます。こういうのを暇疲れというのでしょうね。このときの私は『総務課は暇だから・・・』の原因を作っていたようです。

朝、課の全体ミーティングが終わると各チームのミーティングが始まります。そこでは、その日一日にやる仕事を言うのですが私は、毎回困ってしまいました。だって、出勤簿とかはルーティンワークだし、ここで言う一日の仕事ではないのですから。本当に困ってしまいました。


そして、月日は流れます。課長は、私を『次期 給与係』に決めたようです。


職員の給与や諸手当に係る業務関係の事務処理をする人を『給与係』と呼んでいます。でも、具体的にはどんなことをするのか全く解りません。頭の中はクエスチョンマークでいっぱいです。でも、なんとなく嬉しかったりします。『切手係』『給与係』この2つは総務の花形といわれるポジションです。単純な私は、そのことに喜びました。・・・・・・。しかし、あとで、非常に後悔しました。(T_T)

『花形=誰もやりたくない』

の公式が成り立つようです。このことについては、順をおって述べていくこととします。2月から、『給与係見習』を始めました。給与係がやることは・・・・こんなことです。言葉にするととても、らくそうですね〜。実際のところ、前任の先輩はよく耐えていたと感心してしまいます。

よく、こんなめんどくさくて
細かくて
責任ばっかり重くって
きちんとやってあたりまえ
感謝もされず喜ばれもせず
ミスをすればダメージが、ばかでっかくて
処分も重くて、
明細書を見る楽しみもなくなり
(職員全部の給与額がわかるから自分の額がいかに少ないかもわかる)
胃が毎日きりきり、しくしく痛む日々が続き
夜眠れない日や
不安になって夜中に目がさめる日

そんな日々が続くのです。睡眠薬がほしくなります。ちなみにうちの局の給与係は、私1名のみです。3月の段階では私はまだ見習です。責任は全て先輩にあります。


その年の5月、とうとう担務換えがおこなわれました。正式に『給与係』となってしまったわけです。
給与に関する全責任が自分に移ってしまったわけです。

(2002.9.10改訂)