ARARA -17
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どる
雲景のあららARARA
あなたがです。
2010年6月12日 (土)
あららARARA  水無月の花合わせ 工藤和彦先生講演会


港区華道茶道連盟主宰によるいけばなパフォーマンスが、東京都港区高輪区民センター
で開催されました。
お客様は、茶道と華道の諸流派である。

舞台には、大小さまざまな形の盤と瓶の器が並んでいる。
下手には、54種類の花ものや草もの、枝ものが飾ってある。

工藤和彦先生が、並んだ器の中から、一つの花器を選ぶ。
舞台の中央に進んで、演台の上に置く。

司会の広山流家元・岡田広山先生が、番号を引く。
其の番号のお客様が、講師の工藤先生が生ける花を選ぶという趣向のお題は、
カッテ流 「水無月の花合わせ」。

舞台に用意された花材: 54種 (
あいうえお順)
  アガパンサス 紫陽花 
アスチルベ アリウム アルストロメリア 板屋楓 いぼた 
  おおでまり オーニソガラム 燕子花 カラー カラジューム 
カラテア かるかや
  河原撫子 かんぞう 木苺 擬宝珠 京鹿子 ぎょりゅう 金魚草 グラジオラス 
  クロトン グロリオサ 柘榴(花) 笹百合 縞蒲 しもつけ 著莪 芍薬 シュペラス 
  白妙菊 
薄 谷渡り 玉歯朶 つつじ 鉄線 夏はぜ  ニューサイラン 忍冬 梅花空木 
  花菖蒲 向日葵 美容柳 太藺 穂咲き七竈 牡丹 麦 むしかり モンステラ 
  山法師 山百合 リアトリス ルリタマアザミ

器のかたち、大きさ、材質、色合いを見定めて、客席から舞台の好きな花を選ぶのであるから、
いけばなの講演会としては珍しい企画である。
願わくば客席の番号が当たって欲しいと思う人。当たったらどうしましょう、とハラハラする人。
一番目に花を選ぶ人より、後から選ぶ人の方が難しい。花器とその前の花との釣り合いが
更に求められるからだ。

花の選び方によっては、ハテナ? と思う場面もある。
カッテ流だから勝手に選んで良いわけだが、その取り合わせでは器との関係はどうなって
しまうのでしょう・・・、どのようにお活けになるのでしょう・・・と、不安にかられる。
すかさず工藤先生が「お勉強させていただいています」 とシャレを飛ばす。

あらら、生けあがった花は面白い。
取り合わせという既成概念を飛び越えた新しい美が次々と完成されていく。
内心、さすがは・・・とばかりに唸りました。

2時間でお話をしながら、11杯の活け花を、客席を正面にした「うしろ生け」で披露して頂いた。
番号が当たった出席者はおみやげにお花をもらって大喜びだった。

客席参加型の講演会は頭の体操になる。拝見しながら、同時に頭のなかで生けている。
全国のいけばな人にも体験して欲しい。
お誘いした他流派の先生からも、大変勉強になりました、と感謝のメールが届いた。
「本勝手」、「逆勝手」の格調高いいけばなも素晴らしいけれども、雲景は自由な「自分勝手」
も好きである。これからも遊び心のあるカッテ流の企画を期待したい。

舞台と客席が一体になったいけばな講演会だった。
づく