ARARA - 21-31
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雲景のあららARARA
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あららARARA Web劇場ー名前の検索
お別れ会に参列したひと時の和みは、一晩で終わってしまった。
翌日から同じ生活にもどって夜も寝苦しい。
新しいタイトルに混ざって以前にヒットしたタイトルも現れて、SS流は現れては日々変化して
消えていく。塚口雲景の検索でWebに登場しない日はない。SS流の生徒のいけばな作品が
塚口雲景の検索領域にヒットするなんて、あまりにも異常すぎる。
家元は、誰にでもにこやかに応対する。
SS流が雲景のホームページに害を与えていると訴えても、いけばな人は信じてくれないかも
しれない。高齢者が多いいけばな界では、パソコンに無縁な人も多い。
Webで起こっている事実を知らない人から、雲景が中傷していると誤解を招きそうだ。
鎌倉権五郎よ、Webの舞台に颯爽と登場してくだされぇ〜い!
塚口雲景の検索から、SS流を消してくだされぇ〜い!
SS流が悪魔の誘いに乗ってしまったのなら、雲景もその傀儡に惑わされていた。
もうこの問題を一人では対処しきれない。
誰かに助けて欲しい。
日頃から頼りにしている友人のAさんに電話をした。
「それは悪質だは。パソコンのことならBさんに訊いてみたらどうかしら?」
Bさんに電話をした。
SS流のブログ画面を見ながらBさんは即座に言った。
「この人出来るよ。編集し直している。相手に勝つだけの技量はあるのか?」
「・・・な・・い・・」
「それではしょうがないな。このような事はWebの世界では日常茶飯事に起こっている」
「試しに投稿してみてくれないかしら?」
「駄目だよ」
「どうして?」
「セキュリティーがかかっている。専門家に頼むということはお金がかかることだよ」
「・・・セキュリティー?」
「自分のところもお金を払っている。Cさんに相談するのがいい」
Bさんが言ったことがよく解らなかった。電話を切ってから、SS流を検索してみた。
確かに頁が違う。ブログの画面の写真や配列に変化があった。
いつの間に編集しなおしたのだろう。苦情を入れてから瞬く間に変えてしまえるのは、ブログの
管理人はパソコンの能力が相当にある。
加えて、投稿が別ウインドウで開くように編集しなおしてあった。
これがセキュリティーと言うものらしい。
『ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません』
横長の四角い枠に囲われたコメント入力欄の下には、今まで無かった文言があった。
『下記数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。この数字を読み取っていただくことで
自動化されたプログラムによる投稿ではないことを確認させていただいております』
その下に数字が4桁出ていた。
今までのコメント欄は、投稿すればそのまますぐにSS流の画面に、投稿者名とコメント内容が
反映した。これが自動化されたプログラムと呼ぶらしい。
Bさんは分かっていたのだ。
見知らぬBさんが投稿しても、セキュリティーがかかっているから、投稿者としてすぐには承認
されないであろうことを。問題発生中に見知らぬ人から投稿があったら、もしかしたら雲景の
関係者からチェックが入ったとSS流は警戒するかもしれない、という事を。
続く(編集未完)