ARARA - 21-33


FLOWER COMMUNICATION
 (C) Copyright FLOWER COMMUNICATION. All Rights Reserved.
雲景のあららARARA
33ページ
あららARARA Web劇場ー名前の検索



「あなたは黙っているから、病気になってまうのよ!」
真剣に心配してくれる流派の先輩の怒りの声がありがたい。
管理人の回答に、返信していない箇所を書き送ろうという気持ちがやっと湧いてきた。

家元はどうして他人に寄りかかろうとするのだろう。
SS流のブログの全てのページの頭には、キャッチフレーズが記されている。

  華道 SS流
  華道 SS流のBlogです。「
いつでも・どこでも・誰にでも・どんな器にでも」

雲景のホームページの全てのページの頭にも、一番伝えたいことが書いてある。
察しの早い人はこの二行だけで雲景を理解してくれる。

    FLOWER  COMMUNICATION
      あなたが花です。

頁の頭にキャッチフレーズを載せる書式は雲景と同じだが、文章がひっかかる。
他流派のS月流の特色をあらわす文章と似ているからだ。

  「
いつでも、どこでも、だれにでも、そして、どんな素材を使っても楽しめるのが
  S月のいけばなです」                    
( S月流A家元 ごあいさつより )       
  
「どこかで見たような文章ではないの?」 と言っても
「そ〜ぅなのよ」で終わってしまう。
もっと厳しく言うべきだった。
S月流の「台詞」 を「指定」 して、検索をかけてみた。

『いつでも どこでも だれにでも S月流』  -  検索

三大流派の一つであるから、タイトルはWebの画面にいくらでも出てくる。
ほとんどのタイトルには 「いつでも どこでも だれにでも・・・・・」 と、S月流のキャッチフレーズ
を掲げてブログやホームページが紹介されている。
商用サイトでは、営業の結果を左右するほどに、キャッチフレーズは重要だ。
SS流は、S月流ではない。
売りの文章が似過ぎていたら、まずいと思うのは雲景だけなのかな?

雲景の流派は明治の末に創流してから、110年以上になる。
「うちみたいに小さな流派は・・・・・・・・・」
家元は話をするたびに、頭にその言葉を加えるのが口癖だった。
何度も注意した。

「ほら、また言った。一代目は流派を創流しただけで立派なことではないの」
そんなことを言ったらお弟子さんが可哀想だ。
流派が大きいとか小さいとかよりも、自分の流派の特色をどれほど打ち出そうとする志を持って
いるかどうかの方が重要だ。

110年の間には、名も無く消えていったいけばな人の多くの力も集積されている。
「100年後には天国から下界を見下ろして、『SS流も頑張っている』 と言えるようになりましょうよ」

家元は雲景のホームページを熱心に見ているようだ。
「判らないでしょうけれども、随分盗んでいる」

雲景が判っていることがわからないことのほうが問題だ。
「どうして習おう、習おうとするの? どうして創ろうとしないの?」
家元からの返事はなかった。
習おうとする姿勢は大切だ。
習うことが、真似をしようとする姿勢にも繋がってしまう家元が哀れに思えた。

 
                                       続く(編集未完)
どる
づく