ARARA - 21-53

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雲景のあららARARA
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勉強会の通信には、全員配信、全員返信システムがある。
情報を共有したり意思を確認するための有益なシステムだ。時によっては会議にもつかえる。
連絡係は毎度こころ配りのある配信をしてくる。

同日の夜、全員宛に返信メールを送った。

  送信者:   塚口雲景
  送信日時: 2011年3月16日 23:01

  皆様今晩は
  3月25日の勉強会は諸般の事情が落ち着くまで延期を希望します。
  ○原流は東日本の支部は壊滅、研究会も中止。
  連絡が取れない支部もあるそうです。
  N先生もY花道様も、東京だけでない責任がおありではないでしょうか。
  N先生には落ち着いたら予定を変更して最後の勉強会をお願いしたく思います。

  急告 ○原○貴家元 個展中止のおしらせ。3月30日〜4月4日

23歳の家元が一年以上もかけて準備をすすめてきた東京日本橋高島屋での個展を
半月後にひかえて中止する。いけばな諸流派が集合する展覧会に匹敵する規模をもって
晴れのデビューをする予定になっていた。
入場券は全国に配布済みである。費用も相当にかかっている。

2011年3月16日の中止を告げる家元のブログには、関係者に迷惑をかける侘びと共に、
 >一年以上全身全霊をかけて準備してきた・・・・・・・・
と書いてあった。期待に胸を膨らませていた青年の過酷な決断は可哀想に思えた。

「これでいいのよ。本当にこれでいいのよ。今の苦しい決断は、やがて信頼となって返ってくる」
届くはずのない23歳の家元のブログに語りかけていた。
個展のオープニングは3月30日。
4世、3世と、お隠れになった順番は逆さだった。6歳で家元を継承した5世の成長を幼少の
時から見守ってきたK先生へのこの上ない誕生日プレゼントになるはずだった。

花は待っていてくれる。
職業がいけばな人であっても、今は人間としての判断が大切だ。
春先は花展の季節だ。
その後のいけばな界の花展は、東日本への義援活動に変更する流派が多かった。

3月25日の勉強会は中止になった。
津波の侵入は恐ろしい痕跡を残して引いたけれども、検索侵入の津波は引くことがない。
テレビのスイッチを入れれば、津波の報道が繰り返されている。
パソコンのスイッチを入れれば、SS流の未曾有の侵入が毎日続いている。

雲景にとって、SS流の侵入は、津波と同じだ。
他人の心を破壊して沈黙していられる流派の家元には、やっぱり勉強会を辞めてほしい。
雲景のホームページには津波で流されてしまった家の中のように、心の宝物が詰まっている。
これ以上我慢する必要がどこにあるのだろう。
ストレスは恐ろしい。シャンプーをするたびに髪の毛がヘアーブラシに山盛りになって抜け落ちる。

Web で起こっている津波の現実を、勉強会の全員に知らせてこの苦境を助けてもらおう。
勉強会には、会議に代わる全員配信のシステムがあるではないか。
メールが苦手な一人には電話をした。
全員配信であるから、SS流の家元も含まれている。


                              続く(編集未完) 
                              いけばな界とWeb界に、善き栄あれ。
  
どる
づく