源氏の生涯を決めた女性 |
〜 藤壺(ふじつぼ) と 源氏の運命的な恋 〜 ![]() |
〜 藤 壺 中 宮 〜 藤壺中宮は、桐壺帝の新しい后(きさき)、源氏には新しい義母として登場します。 (源氏10歳、藤壺中宮15歳) 源氏3歳の折に、実母・桐壺更衣を亡くし、亡母を慕う源氏の前にあらわれた藤壺中宮 は、あまりにも母に生き写しの 5歳年上の女性でした。 亡母を慕う純真な気持ちが、12歳の元服を機に恋情とかわり、男としての源氏には離 れがたい女性となります。彼女は父の后でもあるのですが、その障害が現実に拍車を かけ、逢瀬の罪の末に、皇子を出産します。 (後の 冷泉院) 我が子として溺愛する桐壺帝に、藤壺中宮は胸を痛めます。帝が亡くなられた後に、 源氏から離れるために出家します。 その後は、女として生きるのではなく、母として皇太子を帝位に就け、源氏政権の大き な力となり、37歳で崩御します。 (藤壺中宮37歳、源氏32歳) 身分も高く、慈悲深く、理想的な人格で、源氏の生涯を決めた重要な女性といえます。 ![]() |
〜 「 若 紫 」 (わかむらさき) 〜 源氏18歳の春。 若紫10歳。 紫の上が「若紫」と呼ばれていた少女時代です。 祈祷(きとう)を受けるために北山に滞在したある夕暮れ、何となく覗いた垣根越しに、 気品のある尼君のそばで、幼くて、可憐な美少女の姿がありました。 その少女は、源氏が恋い慕っている、義母「藤壺の宮」に生き写しなのです。 偶然にも、藤壺の宮の姪(紫の上)にあたり、母を失い、祖母の尼君に養育されてい たのでした。尼君の亡きあと、少女を密かに二条院に迎え入れます。 源氏は、慕う女性「藤壺の宮」の面影どうりに育てたいと期待に胸が震えます。 数年後、無邪気で賢いこの少女に、成長した異性としての想いを感じるのです。 幼くして源氏に引き取られ、14歳で妻になります。 (源氏22歳、 若紫14歳) 紫の上には、頼るべき後ろ盾がなく、源氏の庇護以外には何もなかったのです。 限りなく、別の女性に揺れ動く源氏の元で、孤独に耐え抜いた43歳の生涯でした。 この女性から、源氏は本当の人生のありかたを考えさせられたことになるのでした。 (源氏51歳) 貝合わせ ![]() トップへ 源氏物語の女性 身の程を自覚 |