身の程を自覚し幸運を拓いた女性

〜 明石の君 ・ 明石一族 〜


  

                       〜 
明石の君 

        朧月夜との事件で、華やかな宮中から、暗転の須磨へと、源氏は自ら都落ちを決意し
        ます。 (源氏25歳)        
        
        播磨守・
明石入道の誘いにより、須磨から 明石の浦へと移り住むことになり、都にも
        劣らぬ風情と心遣いに落ち着いた日々がはじまります。
        
        我が娘を都人に縁づけようとする父の期待に応えるため、
明石一族の身分の低さに心
        を痛めながらも、娘(
明石の君)は源氏にひかれていきます。源氏も入道の希望どおり
        娘を受け入れます。

        歳があけ、源氏の赦免が決まります。
懐妊した明石の君を残して帰京し、権大納言に
        昇進します。2年ぶりに帝と対面し宮中へ復帰を果たしたのです。(源氏27歳〜28歳)

        源氏が帰京した後、明石の君は女子を出産しますが、紫の上の養女として2歳の幼子
        は都へ引き取られます。10年後、
明石姫君は天皇家に嫁して、男子(匂宮)を出産し
        ます。明石の君は、姫君の実母として後見役となり、明石一族を再興させたのです。

        明石の田舎で育った身分の低い女性が、苦労の末に最後につかみ取った幸せとは、
        下積みの愛と、謙虚さ。それから「身分社会」で 身の程を自覚したことだと思います。



                      〜 王朝の雅 

        
       お香  六条院  21巻少女より


            今日の講座は、お香を聞きながら “王朝の雅” の世界へ!


       六条院    源氏35歳の秋に落成。      

                 ○ 春のお屋敷 → 紫の上(正妻)・・源氏の住まい。
                 ○ 秋のお屋敷 → 秋好中宮 (六条御息所の娘)
                 ○ 冬のお屋敷 → 明石の君
                 ○ 夏のお屋敷 → 花散里


                 

            ・六条院は、4町で、84丈 (約 252メートル)四方。

            ・1町は、東京ドーム約1個分といいますので、六条院全体は、ドーム4個分。
            
            ・屋敷の規模からみて、この時代の
「上流貴族」の栄華がうかがえます

 
        
 薫物合 (たきものあわせ) ・・・ 薫物の匂いの優劣を競い合うこと。

            ・自分たちで調合してお香を作り、お嫁入りに持たせるといいます。

            ・日本の温暖な気候では香材が育たず、中国経由でインドから取り寄せたとい
              います。 お香は高価な貴重品でした。          

           
           当時の遊びのひとつです。

              ○ 歌合 (うたあわせ)
              ○ 花合 (はなあわせ)
              ○ 根合 (端午の節句の折、菖蒲の根の長短を競うもの)


        
◎ 衣配り (きぬくばり)

            ・六条院でのお正月用に、女君達の装束を整えて源氏が方々に贈ります


                 十二単    




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