物の怪になる女性

〜 六条御息所 (ろくじょうのみやすどころ) 〜



 
       六条御息所と源氏の関係は、17歳の頃からはじまっていました。前の皇太子の未亡人
       で、娘をつれた7歳年上の女性です。       
       
       教養のある女性ですが、気位が高く、執念深いことから、源氏の情熱はさめかけていま

       した。   (源氏22〜23歳) (御息所 30歳)  
    

       源氏の正妻(葵上)が男子を出産しますと、嫉妬と源氏への未練が交錯し、精神の安定
       が崩れはじめます。「生霊」となり葵上にとりつき、死なせてしまいます。

       御息所36歳で死去。 後も、源氏への未練が断ちがたく、「死霊」となって現れます。

       その後も源氏にかかわる女性 「紫上」「女三宮」にも死霊となって登場します。      
              
   



                   〜 葵の上 (あおいのうえ) 

      葵の上は、左大臣の娘で、源氏のいとこにあたり、4歳年上の女性です。

      教養、血筋、容姿も申し分なく、后としての縁談もあったのですが、帝の寵愛厚い源氏
      にと左大臣の意志で、源氏の元服の夜結婚します。 ( 源氏12歳) (葵の上16歳)
                           
      葵の上の、あまりにも端正すぎる性格に不和が続き、夫婦関係は冷えていきます。
      結婚10年目に懐妊し、物の怪に苦しみながら、待望の長男「夕霧」を出産します。       

        六条御息所の生霊に打ち勝つ術もなく、産後まもなく26歳で世を去り、
子供に恵まれ
        たつかの間の喜びも、悲しい別れにかわりました。  (源氏22歳)

       

                
 〜 葵 の 巻 〜  葵 祭

       源氏物語を華やかに彩った「葵祭」が、京都大路で現代も再現されています。
       
       
 葵祭、天皇からの勅使が、下鴨、上加茂両神社に参拝する勅祭で、平安王朝の優
        雅な行列の中で、勅使をつとめる源氏の姿は、光り輝く美しさと描かれています
                                          (源氏22歳)

       
        源氏を見たいという女房達にせがまれて、懐妊中の
正妻「葵の上」は見物にでかけま
        す。

          
        愛人である「六条御息所」
も牛車を轢き、見物の列に加わろうとします。
       
        牛車の場所とりから、
「車争い」がはじまり、今をときめく正妻の従者が御息所の牛車
        を無惨にもはじきだしてしまいます。

       
        前列で源氏の晴れ姿を見ることのできた葵上の優越感・・・
       
        人波の後ろに押しやられた六条御息所の
恨みと屈辱感・・・

        この事件で、葵の上は、「生霊」となった御息所に生涯祟られることになるのです。

        祓っても、祓っても 御息所の霊はそれ以上に強力で怨念の恐ろしさを感じます。


       葵の上の喪があけ、二条院に戻った源氏は、美しく成長した「紫の上」藤壺中宮
        面影を重ね、愛情を育みはじめます。

       
        この結婚を父をはじめ、世間に知らせようと考えるのでした。 (源氏22歳から23歳)



               御所車




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