植物の学名はその植物の特性を表しています。
ここではその表現の例を園芸品種としてバリエーション豊富な
コニファー、プンゲンスの樹形の場合で見てみましょう。
これは基本の樹形となるコロラドトウヒの一種
Picea pungens
マツ科トウヒ属
基本的に樹形は円錐形をしていますが、
自然界では種子で増えるので、樹形、葉の
形状、色はそれぞれに個体差があります。
これは‘コンパクタ’
Picea pungens ‘Compacta’
‘コンパクタ’とはラテン語で‘ち密な’、
‘ちょう密な’といった意味を表します。
この木の何がち密なのかというと、節間です。
成長がとても遅いのでコロラドトウヒに比べ、
同じ年数が経っていても高さはとても低いです。
これは‘グロボーサ’
Picea pungens ‘Glauca Globosa’
‘グロボーサ’とは‘玉状の’という意味を
指します。こちらもコンパクタと同じく
成長は遅いですが、円錐形のように
明瞭な芯が立たず、高さよりも枝張りが
出て玉状に成長します。
ちなみに‘Glauca’は‘淡青緑色の’と
いう意味を表します。
これは‘アイズリー ファスティギアータ’
Picea pungens ‘Iselie Fastigiate’
‘ファスティギアータ’とは’直上した’という意味を
指します。枝は上向きにつき、枝張りはあまり
出ません。
「アイズリー」はこの園芸品種を1981年に登録
したアメリカのアイズリーナーセリーのことを
指します。
これは‘ペンデュラ’
Picea pungens ‘Pendula’
‘ペンデュラ’は‘下垂した’という意味を指します
枝が下に向かって垂れていますが、これは元気が
無いのではなく、原種のコロラドトウヒの内、
枝が下垂しているものを選抜して園芸品種として
生育させています。
これは‘グラウカ プロクンベンス’
Picea pungens ‘Glauca Procumbens’
’プロクンベンス’とは‘平伏の’、‘横臥の’
という意味を指します。
この木は高さが出ずに横へ横へと成長します。
‘グラウカ’は葉色を指します。