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東寺

    東寺 (教主護国寺)

京都市南区九条町1番地 撮影:H21.6.3

高野山と同時期に出来た真言宗総本山で、密教の根本道場でもあり、京都駅から一際目立つ五重塔で有名。正式名称は教国護国寺と言い、空海が精魂を傾けて造営した講堂には、21体の仏像から成る著名な立体曼荼羅が参観者を圧倒する。

東寺創建
平安遷都の2年後796年に西寺と共に官寺として創建されたが、823年に嵯峨天皇から空海に下賜された。当初は金堂と僧坊だけだったが、空海は高野山建設の傍ら、五重塔、講堂、大師堂など国宝建築や夥しい密教美術を安置して真言密教の根本道場に造り変えた。
五重塔(国宝) 
空海が建立してから四度の焼失があり、現存の塔は1644年徳川家光寄進で竣工した高さ55mの日本最高の塔である。
金堂(国宝) 
東寺創建時にあった唯一の建築物であったが、講堂と共に1486年に焼失し、豊臣秀頼発願で1603年に再建されたもの。堂内には薬師三尊像が安置されている。
講堂(重文)
1603年、金堂と共に再建され内部には、大日如来を中心とする21体の仏像(15体は国宝)による有名な立体曼荼羅が参観者を圧倒する。
大師堂(国宝):大師住房、不動明王像(国宝)を安置。南北朝時代再建。
知恩院客殿(国宝):桃山時代の建築。入唐時の大荒れの海を表した「五大の庭」や宮本武蔵の「鷲の図」、「竹林の図」がある。
蓮花門(国宝):鎌倉前期の建築で西大門にあたる。大師がこの門を通って高野山に向かわれた時、足元に蓮華の花が咲いたと言う。   

        大師堂(西院御影堂)
弘法大師の住房で、1,379年に焼失したが翌年再建された。堂内には不動明王と大師像が祀られている。

            五重塔
各層とも3間四方で江戸時代の傑作。初層の軒下四隅にある邪鬼の表情が豊かである。

弘法大師(空海) 参考文献:司馬遼太郎著「空海の風景」
774年讃岐、善通寺市の生まれ。真言宗創始者で語学の天才であり、巨大な思想家でもあった。804年16次遣唐使船(天台宗経典取得のため最澄も使節の一人)に私費の留学僧としてかろうじて乗船を許された。おおしけで43日間の漂流の末、中国南部の福州に漂着したが海賊と疑われて拘留され、最後に空海が書いた嘆願書を読んだ官吏が見事な文章に驚き、やっと国使だと理解して長安へ案内された。長安でも超一流の漢学者として名を上げた。空海の語学力は大日経や華厳経などの仏典を通じて独学で培ったものらしい。やがて密教伝承者・恵果から中国人を差し置いてただ一人密教の相伝を授けられて帰国し、密教・真言宗を開いた。
密教インドで生まれた密教には「大日経系」と「金剛頂経系」の二つの思想があったが、中国に伝わってから恵果が統一した。密教は顕教(明らかにされている教え)と対置される概念で、秘密仏教の意。ただし秘匿されている訳ではなく、全ての人に公開されているにもかかわらず、悟りに達した人だけに明らかになるの意。
曼荼羅
古代インドのサンスクリット語mandalaを漢字にしたもので、「本質を図示したもの」。mandala は今や「全体と部分の密接な繋がり」、「対立するものを包み込んだ調和の世界」の意味の世界語になっている。
密教では一つの小宇宙をなす諸仏をまとめて大宇宙の調和の完成をなすのが、大日如来そのものとする。
 

          立体曼荼羅・右部
金剛波羅密多菩薩が中心の菩薩部。中心の菩薩以外
は持国天、多聞天も含め全て国宝。

                      (東寺パンフレットのコピー)

 不動明王(国宝)
(東寺パンフレットのコピー)
立体曼荼羅配置図
(東寺パンフレットのコピー)
 座象の帝釈天(国宝)
  (東寺パンフレットのコピー)

          五重塔・内部
芯柱を大日如来と見立て、四方に阿閦、宝生、
阿弥陀、不空成就の如来と菩薩が
祀られている。

祀られている

明王部の中心で
839年作。両眼をかっと開き上の歯牙で下唇をかみ締めるスタイルは大師様と言われ、真言密教独特の様式であるが、左に辮髪を垂らしているのが、ちょっとした愛嬌でもある。

           立体曼荼羅・中央
大日如来が中心の如来部。大日如来、宝生如来、
阿閦
でいずれも重文。

          立体曼荼羅・左部
不動明王が中心の明王部と、左前から増長天、帝釈天、広目天でいずれも国宝。
        薬師三尊像(重文)
1603年に最製作されたもので高さは3mもある。
左から日光菩薩、薬師如来、月光菩薩。
額中央、縦に第三の目があり、象に座乗しているのが密教的。
端正な顔立ちに、
しばし見とれる女性が多い。

名神高速)京都南ICを出て1号線を北へ2.5kmほど走れば東寺に突き当る。参詣入り口は東寺の東側の大宮通を進むと左手にあり、駐車場もある。

          金堂(国宝)
5間3間に裳階(もこし)を廻らせた2重屋根構造で、堂内には右の薬師三尊像が安置されている。
              講堂(重文)
空海が東寺を密教の根本道場とすべく、精魂を傾けて造営にあたった伽藍。