志高湖伝説


別府の景勝地、志高湖。灌漑用に人工的に造られた湖にも伝説があります。元来、湿地帯であった土地を堰きとめたことからも地下水が多かったと思われます。水の源を伝説にした古人に感激。

志高湖

阿蘇くじゅう国立公園に含まれ、海抜600mにある周囲、約2Km、湖面面積約90,000㎡、水深5m、貯水量約250Ktの灌漑用として湿地をせき止めて造られた湖。キャンプ場・貸しボート等の施設が整備され、湖には白鳥が遊び、鯉が放流されている。 近隣にはハナショウブの神楽女湖・リンコ園・少年自然の家「おじか」等が存在する。
1997(昭和52年)湖畔で第一回全国育樹祭開催。


志高湖奥より由布岳を望む

湖沼伝説 

 まだ人間が存在しない太古の昔、美しい鶴見岳をめぐって、由布岳と祖母山が争った。豊後富士と呼ばれる由布岳は凛々しく、九州で三番目の標高を誇る祖母山は筋骨たくましい山でした。
二つの山は大地を揺るがして争ったが、決着はつかず鶴見岳に選んでもらうこととなりました。
鶴見岳は思案のすえ美男子の由布岳を選び恋の勝者となり、由布岳は鶴見岳を傍らに引き寄せ、今に至っている。
別府と湯布院に熱い温泉が湧き出すのは、溢れる愛の証なのだという。
恋に破れた祖母山は、とめどなく流し続けた涙で鶴見岳の麓に志高湖を残し、さらに仲睦ましい二つの山に見られるのは辛いと日向の国境まで退いて、深い木立で身を隠した。


右・鶴見岳と左・由布岳

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