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A 驚異の芸術表現とは
〜分割された諸規定
これまで、「存在者」と見なされていたものが、単なる仮象へと下落して行く
、
驚きの中で、哲学の「逆転された世界」が、発生するのである。
驚く事は 存在者を 外へ追い出す事である。
驚く事が、根源的な理論と成るのは 人間のもろもろの伝統、
人間が世界と物に関して、あらかじめ抱いている もろもろの知見が瓦解して、
人間が存在者との新しい対決と言う窮地に陥り、「存在」と「真理」に関する意味の新しい投企が必要とされることが、
人間に振りかかってくる時である。
人間の考えの彼方で、この定かならぬことが 人間精神の不安定さを表しているのである。
驚きの中で、停滞している存在解釈の安らぎを破って、
「存在者への追跡」を開始させる新しい根源的な仕方で、存在者が顕現してくる。
驚きは身に振りかかってくる事として、人間を不意打ちにする人間の試練であり、
この試練に、人間は 身を委ねつつ物の根拠へと、訪れるのである。(エフ)
背後の土地は、いきなり向きを変え、扇形に開いて、前方の土地となり、
助けを求め、彼を迎え入れてくれる地平線となる。
このことを、全て私は対象的に確認する.
私が恐怖としてとらえるのは まさに、このことである.
世界における 世界内部的出血の1つの新たな形として、
すなわち、或る魔術的な存在の形への、世界の移行として、我々に与えられるからである。
自分の土地の中に囲い込まれている他人の飛び地、
全ての死者は、そこに、世界の中に、我々のまわりに、存在している。いいかえれば、
1つの即自的な分裂、無差別的な空間的外面性であるべきであろう。
分割の働きは、悟性という、あの何より驚異すべき偉大な、いや絶対的なとも言うべき威力の技である。
分割された諸規定を 「地平を同じく」した あの非現実性を、死と呼ぶとして、
死こそ、もっとも恐るべきものであり、
死せるものを、しっかり捉える事は 最大の力を必要とする。(へ)
ハイデッカーあなたの作品は、もはや何かを描き出すのではなく、天と地のはざまに滞在させるのです。(芸空)
神に、不安を与えるものがあるとすれば、それは神ならざるもの、
全き非在、すなわち、無なのではなかろうか。(岩ミ)